JP2001088219A - フィルム積層体の製造方法 - Google Patents

フィルム積層体の製造方法

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JP2001088219A JP26734899A JP26734899A JP2001088219A JP 2001088219 A JP2001088219 A JP 2001088219A JP 26734899 A JP26734899 A JP 26734899A JP 26734899 A JP26734899 A JP 26734899A JP 2001088219 A JP2001088219 A JP 2001088219A
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性液晶ポリマーフィルムをその被着体
に短時間に強固に圧着させて、該フィルムの積層体を製
造する方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその被
着体を重ね合わせ、次いで両者を被覆材に挟んだ状態で
ロール間で熱処理しながら圧着させ、得られた積層体を
被覆材と分離することを特徴とする該積層体の製造方法
により上記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的異方性の溶
融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを熱可
塑性液晶ポリマーと称する)からなるフィルム(以下、
これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムと称する)を成分
とする積層体の製造方法に関する。本発明によれば、熱
可塑性液晶ポリマーフィルムとその被着体を被覆材に挟
んだ状態でロール間で熱圧着させるので、該フィルムを
その被着体に短時間に強固に圧着させることが可能とな
る。また本発明によれば、熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムを局部的に被着体に圧着させることが可能であり、し
かも圧着速度の制御が容易であり、また圧着速度の変化
に容易に対応できる。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロエレクトロニクス分野の
技術の進歩は目ざましいものがあり、携帯用電子機器な
どにおいて小型・軽量化の要求は強く、高密度実装に対
する期待は大きい。これに伴い、配線板の多層化、配線
ピッチの狭幅化、バイアホールの微細化など、より集積
化に耐える材料が要求されている。
【0003】このため、ポリイミド、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリフェニレンオキサイドなどの耐熱性樹脂が
注目され、かかる樹脂よりなるフィルムが銅箔などの金
属箔と積層されて、プリント配線基板として利用されて
いる。最近、この分野において液晶ポリマーフィルム、
とりわけ熱接着が可能な熱可塑性液晶ポリマーフィルム
が注目されはじめた。
【0004】前記の耐熱性樹脂よりなるフィルムと金属
箔との接着または該フィルム相互の接着は、通常接着剤
を使用して行うか、熱プレス法により行うのが一般的で
ある。熱プレス法により熱可塑性液晶ポリマーフィルム
を接着する方法は、その接着部分にエポキシ系接着剤な
どを使用しないので、得られる積層体は熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムに由来する優れた低吸湿性、低ガス透過
性および耐薬品性を保持していることから好ましいとさ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、熱可塑性液
晶ポリマーフィルムを熱的に接着する方法は、充分加熱
された金属板の間で、接着すべき部分のみに熱か伝わる
ように意図したスペーサーを介して行われる。このスペ
ーサーは、加熱により軟化または溶融した熱可塑性液晶
ポリマーフィルムの金属板への粘着を防止するためにも
必要である。スペーサーとして、例えばテフロンコート
アルミ箔を使用する場合、熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムの溶融温度より20℃低い温度が接着に使用できる最
高温度である。かかるスペーサーを使用しない場合に
は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムの軟化温度が接着に
使用できる最高温度となる。
【0006】しかして、本発明の目的は、熱可塑性液晶
ポリマーフィルムの接着に使用できる最高温度を高める
ことにより、該フィルムをその被着体に短時間に強固に
圧着させ得る方法を提供することにある。本発明の他の
目的は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを局部的に被着
体に圧着させることが可能であり、しかも圧着速度の制
御が容易であり、また圧着速度の変化に容易に対応でき
る方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、上記の方法を実施することによって熱可塑性液晶ポ
リマーフィルムとその被着体との積層体を製造する方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその被着体を
重ね合わせ、次いで両者を被覆材に挟んだ状態でロール
間で熱処理しながら圧着させ、得られた積層体を被覆材
と分離することを特徴とする該積層体の製造方法を提供
することにより達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用される熱可塑性液晶
ポリマーフィルムの原料は、特に限定されるものではな
いが、その具体例として、以下に例示する(1)から
(4)に分類される化合物およびその誘導体から導かれ
る公知のサーモトロピック液晶ポリエステルおよびサー
モトロピック液晶ポリエステルアミドを挙げることがで
きる。但し、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリ
マーを得るためには、各々の原料化合物の組み合わせに
は適当な範囲があることは言うまでもない。
【0009】(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化
合物(代表例は表1参照)
【0010】
【表1】
【0011】(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸
(代表例は表2参照)
【0012】
【表2】
【0013】(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表
例は表3参照)
【0014】
【表3】
【0015】(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシ
アミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参
照)
【0016】
【表4】
【0017】これらの原料化合物から得られる熱可塑性
液晶ポリマーの代表例として表5に示す構造単位を有す
る共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
【0018】
【表5】
【0019】本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマー
フィルムを構成する熱可塑性液晶ポリマーは、1種類で
あっても2種類以上の組成物であってもよく、また他の
電気絶縁性材料、例えば、酸化アルミニウムなどのセラ
ミックス粉体;ポリアリレート、ポリエーテルケトン、
ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン等の熱可塑性ポリ
マーとの組成物であってもよい。また、かかる組成物は
アロイ化されたものでもよい。さらに、熱可塑性液晶ポ
リマーには、例えば滑剤、酸化防止剤などの添加剤が配
合されていてもよい。
【0020】また、熱可塑性液晶ポリマーとしては、フ
ィルムの所望の耐熱性および加工性を得る目的において
は、約200〜約400℃の範囲内、とりわけ約250
〜約350℃の範囲内に融点を有するものが好ましい
が、フィルム製造の観点からは、比較的低い融点を有す
るものが好ましい。したがって、より高い耐熱性や融点
を有する熱可塑性液晶ポリマーフィルムを使用する必要
がある場合には、一旦得られたフィルムを、熱処理によ
って所望の耐熱性や融点にまで高めて使用するのが有利
である。熱処理の一例を説明すれば、熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムの融点が283℃である場合、該フィルム
を260℃で5時間熱処理することにより、融点は32
0℃に上昇する。
【0021】本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマー
フィルムは、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得ら
れる。任意の押出成形法が適用できるが、周知のTダイ
法、ラミネート体延伸法、インフレーション法などが工
業的に有利である。特にインフレーション法やラミネー
ト体延伸法では、フィルムの機械軸方向(以下、MD方
向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、T
D方向と略す)にも応力が加えられるため、MD方向と
TD方向における機械的性質および熱的性質のバランス
のとれたフィルムが得られる。
【0022】上記の熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、
分子配向度SORを1.3以下とすることが好ましい。
かかる熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、MD方向とT
D方向における機械的性質および熱的性質のバランスが
良好であるので、より実用性が高い。
【0023】ここで、分子配向度SOR(Segment Ori
entation Ratio)とは、分子を構成するセグメントに
ついての分子配向の度合いを与える指標をいい、従来の
MOR(Molecular Orientation Ratio)とは異な
り、物体の厚さを考慮した値である。この分子配向度S
ORは、以下のように算出される。
【0024】まず、周知のマイクロ波分子配向度測定機
において、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを、マイクロ
波の進行方向にフィルム面が垂直になるように、マイク
ロ波共振導波管中に挿入して、該フィルムを透過したマ
イクロ波の電場強度(マイクロ波透過強度)を測定す
る。そして、この測定値に基づいて、次式により、m値
(屈折率と称する)が算出される。 m=(Zo/△z)×[1−νmax/νo] ただし、Zoは装置定数、△zは物体の平均厚、νmax
はマイクロ波の振動数を変化させたとき、最大のマイク
ロ波透過強度を与える振動数、νoは平均厚ゼロのとき
(すなわち物体がないとき)の最大マイクロ波透過強度
を与える振動数である。
【0025】次に、マイクロ波の振動方向に対する物体
の回転角が0°のとき、つまり、マイクロ波の振動方向
と、物体の分子が最もよく配向されている方向であっ
て、最小マイクロ波透過強度を与える方向とが合致して
いるときのm値をm0 、回転角が90°のときのm値を
90として、分子配向度SORはm0 /m90により算出
される。
【0026】熱可塑性液晶ポリマーフィルムの適用分野
によって、必要とされる分子配向度SORは当然異なる
が、SOR≧1.5の場合は熱可塑性液晶ポリマー分子
の配向の偏りが著しいために配向方向に裂け易い。加熱
時の反りが殆どないなどの形態安定性が必要とされる用
途分野の場合には、SOR≦1.3であることが望まし
い。特に加熱時の反りを無くす必要がある用途分野の場
合には、SOR≦1.03であることが望ましい。
【0027】本発明に使用される熱可塑性液晶ポリマー
フィルムの被着体の材質としては、例えば、上記の熱可
塑性液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィン
などの熱可塑性ポリマー;銅、ニッケル、アルミニウ
ム、銀、金などの金属などが挙げられる。被着体の形状
としては、フィルム状、シート状、板状などの少なくと
も熱可塑性液晶ポリマーフィルムと積層する面が概して
平面状(微少な凹凸を有してもよい)であるものが、熱
処理時における熱可塑性液晶ポリマーフィルムの流動を
防止できる点から望ましい。
【0028】本発明により得られる積層体は、上記の熱
可塑性液晶ポリマーフィルムと被着体とを重ね合わせて
熱圧着させてなるものである。熱可塑性液晶ポリマーフ
ィルムおよび被着体は、任意の厚みであってもよい。熱
可塑性液晶ポリマーフィルムは、0.5mm以下の板状
またはシート状のものをも包含する。但し、本発明によ
り得られる積層体が回路配線板として使用される場合に
は、電気絶縁材料である熱可塑性液晶ポリマーフィルム
の膜厚は、20〜150μmの範囲内にあることが好ま
しく、20〜50μmの範囲内にあることがより好まし
い。フィルムの厚さが薄過ぎる場合には、フィルムの剛
性や強度が小さくなるため、回路配線板に電子部品を実
装する際に加圧により変形して、配線の位置精度が悪化
して不良の原因となる。また、本発明により得られる積
層体がフレキシブルプリント配線板(FPC)として使
用される場合には、導電性材料である銅箔等の被着体の
膜厚は、10〜1000μmの範囲内にあることが好ま
しい。
【0029】また、本発明により得られる積層体が回路
配線板として使用される場合、その接続信頼性を示す指
標として、ヒートサイクル試験における電気抵抗の安定
性をより高めるためには、熱可塑性液晶ポリマーフィル
ム上に形成する導電体(本発明における被着体)の熱膨
張係数をP×10-6cm/cm/℃としたときに、熱可
塑性液晶ポリマーフィルムの熱膨張係数が、(P−1
0)×10-6cm/cm/℃から(P+10)×10-6
cm/cm/℃の範囲内になるように調節することが好
ましい。この範囲から外れると、導電体と熱可塑性液晶
ポリマーフィルムとの間の界面剥離の発生が多くなる。
ここで、銅、アルミニウムなどの代表的な導電体のP値
は11〜30である。
【0030】本発明において使用される被覆材は、熱可
塑性液晶ポリマーフィルムおよび被着体とロールとの粘
着を防止するものであり、非粘着性表面を有する成形体
が使用される。成形体の形状としては、フィルム状、シ
ート状、板状などの少なくとも熱可塑性液晶ポリマーフ
ィルムおよびその被着体と接触する面が概して平面状
(微少な凹凸を有してもよい)であるものが好ましい。
被覆材としては、例えば、アルミ箔などの成形体の表面
に剥離処理を施したものが挙げられる。剥離処理は、シ
リコン系ポリマーを塗布して乾燥させて塗膜を形成する
ことにより達成される。かかる塗膜は、熱処理前の接着
力が0.05Kg/cmで、熱処理後の接着力が0.4
Kg/cm以下、特に0.2Kg/cm以下とすること
が好ましい。この接着力は、熱処理前の値が高い程、熱
可塑性液晶ポリマーフィルムの形態安定性がよく、値が
低い場合には、熱処理時に剥離、破損などが生じ易い。
また熱処理後の接着力が低い程、熱可塑性液晶ポリマー
フィルムの剥離安定性がよく、値が高い場合には、僅か
なキズなどで剥離時に破断する傾向にある。
【0031】上記の被覆材としては、最大粗さ(Rmax
;JIS B0601)が1.0〜10μmの凹凸表
面を有する成形体の表面に離型剤としてシリコン系ポリ
マーが0.1〜1μmの厚みでコートされたものが好ま
しい。凹凸の最大粗さが1.0μm未満の場合には、熱
処理時にシリコン系ポリマーが流れ出すおそれがある。
また、凹凸の最大粗さが10μmを越える場合、特に薄
い熱可塑性液晶ポリマーフィルムを使用した際に、該フ
ィルムが厚さ方向に破損し易く、また被覆材を除去する
際に、フィルムの破断を招くことがある。上記の凹凸
は、例えば円錐状の突起、クレーター状の窪み、キズ状
の線状凹凸などでもよく、シリコン系ポリマーが十分に
付着する形状であればよい。
【0032】上記のシリコン系ポリマーは、化学構造の
基本骨格が−(CH32Si−O−であればよく、かか
るポリマーは特に金属との結合力が非常に強固であり、
熱可塑性液晶ポリマーなどの樹脂との親和力が非常に小
さい。シリコン系ポリマーのコート層の厚みは上記のと
おり0.1〜1μmの範囲が好ましい。厚みが0.1μ
m未満の場合、熱可塑性液晶ポリマーフィルムが被覆材
から剥離し難い傾向にあり好ましくない。一方、厚みが
1μmを越える場合、両者の剥離は容易となるが、シリ
コン系ポリマーが無駄になるばかりか、該ポリマーが熱
可塑性液晶ポリマーフィルムに付着して被覆材から剥離
することがあり、被覆材を再利用できなくなり好ましく
ない。
【0033】例えば、金属箔の表面に最大粗さ1.0〜
10μmの凹凸を形成し、この凹凸にシリコン系ポリマ
ーを厚さ0.1〜1μmでコートすることにより、熱可
塑性液晶ポリマーフィルムと被覆材との熱処理前の接着
力が0.05Kg/cm以上で、熱処理後の接着力が
0.4Kg/cm以下となる。これにより、熱可塑性液
晶ポリマーフィルムは、熱処理時に剥離、破損などを生
じることがなく、その形態は安定に保持される。また、
かかる場合には、熱処理後には、熱可塑性液晶ポリマー
フィルムを破断させることなく、被覆材から安定して容
易に剥離することができる。
【0034】本発明においては、重ね合わせた熱可塑性
液晶ポリマーフィルムとその被着体を被覆材に挟んだ状
態でロール間で熱処理しながら圧着させる。ロールとし
ては、金属製ロールやゴム被覆ロールが使用される。ロ
ール自体を加熱できるように加工して使用することもで
きる。この際には熱を伝達し易い金属製ロールを使用す
るのが、接着速度向上が期待できるので好ましい。一
方、ゴム被覆ロールを使用する場合には、被覆層が変形
するので加圧面積が広くなり、熱可塑性液晶ポリマーフ
ィルムとその被着体との圧着面積が増大し、接着速度向
上が期待できる。
【0035】上記のロール間での熱処理は、超音波ウェ
ルダー処理により行うのが好ましい。かかる処理は、超
音波振動を発生する装置を使用し、発振機より供給され
る高周波電力を磁歪型ニッケル振動子で超音波振動エネ
ルギーに変換させる。磁歪型振動子の端面の振動振幅は
僅かであるために円錐型の金属製ホーンで増幅させる。
このような装置の荷重装置は下部受台を下側加圧ロール
とし、上記のホーンを上側加圧ロールとして空気圧シリ
ンダーで上下させる。したがって、上側加圧ロールから
下側加圧ロールへそれらの接着面において振動を伝達す
ることができる。上側加圧ロールと下側加圧ロールとの
間に挟まれた熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその被着
体とは、両者の接着面において、超音波ウエルダー処理
によって加熱されて接着する。上記のホーンを上側加圧
ロールとするが、形状を選択することによって、局部的
に加熱することが可能となり、さらに連続的または断続
的に加熱することも可能となる。
【0036】上記の超音波ウエルダー処理において、超
音波発振出力は500〜2000ワットの範囲が好まし
く、800〜1500ワットの範囲がより好ましい。発
振出力が500ワット未満の場合、加熱が不十分となっ
て接着力が不十分となるおそれがある。一方、2000
ワットを越える場合、発振出力が高い割に接着力の向上
が殆ど望めないので効率的でない。また、超音波周波数
は特に制限されるものではないが、通常15〜35KH
zの範囲が好ましく、15〜30KHzの範囲がより好
ましい。ロール間の圧力は1〜50Kg/cm2 の範囲
が好ましく、1〜20Kg/cm2 の範囲がより好まし
い。加圧時間は0.1〜10秒の範囲が好ましく、この
加圧時間内に超音波振動を行う。したがって、超音波振
動による加熱時間は加圧時間と同様に0.1〜10秒の
範囲とすることが好ましい。
【0037】以上のようなロール間で熱圧着処理を行っ
た後、積層体と被覆材を分離する(被覆材を除去す
る)。上記のとおり、積層体と被覆材との接着強度が
0.4Kg/cm以下、好ましくは0.2Kg/cm以
下であれば、積層体を破断させることなく、容易に剥離
することができる。上記の接着強度が大きい場合には、
剥離時に積層体の破れが発生することがある。このよう
にして、被着体によっては接着強度が十分高く、かつ寸
法安定性に優れた積層体が得られる。かかる積層体は、
その複数枚を熱圧着により接合一体化して多層積層板と
することもできる。このとき、接合一体化される各積層
体の被着体が金属箔であり、それらが互いに対向する場
合、これら両者の間にはシ−ト状物を介装させることが
できる。シ−ト状物としては、積層体に用いられた熱可
塑性液晶ポリマ−フィルムと同種または異種の熱可塑性
液晶ポリマ−からなるものが好ましい。そして、かかる
多層積層板は、電子部品などが搭載されて多層実装回路
基板とされる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら制限されるものでは
ない。なお、以下の実施例および比較例において、熱可
塑性液晶ポリマーフィルムの膜厚および接着強度の測定
は次のようにして行った。
【0039】(1)膜厚 デジタル厚み計(株式会社ミツトヨ製)を用い、得られ
たフィルムをTD方向に1cm間隔で測定し、中心部お
よび端部から任意に選んだ10点の平均値を膜厚とし
た。
【0040】(2)接着強度 熱可塑性液晶ポリマーフィルムと被着体との積層体から
1.0cm幅の剥離試験片を作成し、そのフィルム層を
両面接着テープで平板に固定し、JIS C5016に
準じ、180°法により、被着体を50mm/分の速度
で剥離したときの強度を測定した。
【0041】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸単位75モル%と6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸単位25モル%とからなり、融点が
283℃である熱可塑性液晶ポリエステルを単軸押出機
を用いて加熱混練し、直径40mm、スリット間隔0.
6mmのインフレーションダイより押出し、膜厚が51
μm、分子配向度SORが1.05のフィルムを得た。
これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムAとする。
【0042】参考例2 p−ヒドロキシ安息香酸単位80モル%と6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸単位20モル%とからなり、融点が
330℃である熱可塑性液晶ポリエステルを単軸押出機
を用いて加熱混練し、直径40mm、スリット間隔0.
6mmのインフレーションダイより押出し、膜厚が48
μm、分子配向度SORが1.03のフィルムを得た。
これを熱可塑性液晶ポリマーフィルムBとする。
【0043】実施例1〜4および比較例1〜2 参考例1で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムAと
その被着体として該フィルムと同一の熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムAおよび厚さ18μmの銅箔(電解法によ
る0.5オンス銅箔)を用い、それらを被覆材としてシ
リコン系離型剤をコートしたアルミニウム箔(サンアル
ミ工業株式会社製、セパニウム50B1)の間に挟んだ
状態で、240℃に加熱したステンレススチール製の下
側加圧ロールを受台とし、無加熱のステンレススチール
製の上側加圧ロールをホーンとするように製造された超
音波加熱シール機(超音波工業株式会社製、超音波発振
機USWP−600z20s型を発振源として使用)を
用いて、表6に示した条件で超音波ウエルダー処理を行
った。なお、被着体として熱可塑性液晶ポリマーフィル
ムAを用いた際の加圧時間は0.5秒、銅箔を用いた際
の加圧時間は2.0秒とした。得られた積層体の接着強
度を測定し、結果を表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】実施例5〜8および比較例3〜4 参考例2で得られた熱可塑性液晶ポリマーフィルムBと
その被着体として該フィルムと同一の熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムBおよび厚さ18μmの銅箔(電解法によ
る0.5オンス銅箔)を用い、それらを被覆材としての
シリコン系離型剤をコートしたアルミニウム箔(サンア
ルミ工業株式会社製、セパニウム40M2)の間に挟ん
だ状態で、290℃に加熱したステンレススチール製の
下側加圧ロールを受台とし、無加熱のステンレススチー
ル製の上側加圧ロールをホーンとするように製造された
超音波加熱シール機(超音波工業株式会社、製超音波発
振機USWP−600z20s型を発振源として使用)
を用いて、表7に示した条件で超音波ウエルダー処理を
行った。なお、被着体として熱可塑性液晶ポリマーフィ
ルムBを用いた際の加圧時間は1.5秒、銅箔を用いた
際の加圧時間は4.0秒とした。得られた積層体の接着
強度を測定し、結果を表7に示す。
【0046】
【表7】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性液晶ポリマー
フィルムをその被着体に短時間に強固に圧着させること
が可能となる。また本発明によれば、熱可塑性液晶ポリ
マーフィルムを局部的に被着体に圧着させることが可能
であり、しかも圧着速度の制御が容易であり、また圧着
速度の変化に容易に対応できる。しかして、本発明によ
り、熱可塑性液晶ポリマーフィルムとその被着体との積
層体を工業的に製造し得る方法が提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可
    塑性ポリマーからなるフィルムとその被着体を重ね合わ
    せ、次いで両者を被覆材に挟んだ状態でロール間で熱処
    理しながら圧着させ、得られた積層体を被覆材と分離す
    ることを特徴とする該積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱処理を超音波ウエルダー処理によって
    行うことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
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