JP2001085075A - 光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

光電変換素子及びその製造方法

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JP2001085075A
JP2001085075A JP25738699A JP25738699A JP2001085075A JP 2001085075 A JP2001085075 A JP 2001085075A JP 25738699 A JP25738699 A JP 25738699A JP 25738699 A JP25738699 A JP 25738699A JP 2001085075 A JP2001085075 A JP 2001085075A
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electrolyte
electrode
photoelectric conversion
oxide semiconductor
semiconductor layer
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Katsunori Kojima
克典 児島
Takashi Sekiguchi
隆史 関口
Shoji Nishihara
昭二 西原
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Hitachi Maxell Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液漏れせず、しかも、光電変換特性が低下し
ない光電変換素子を提供する。 【解決手段】 少なくとも、一方の面上に金属酸化物半
導体層が被着された電極と、この電極の前記金属酸化物
半導体層と対峙する対電極と、該電極の前記金属酸化物
半導体層と対電極との間に配置された電解質層とを有す
る光電変換素子において、前記電解質層として、少なく
とも、架橋性物質、溶媒及び酸化還元系構成物質からな
る電解液をその場で重合させることにより生成された架
橋ゲル状ポリマーを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架橋ゲル状ポリマー
電解質に関する。更に詳細には、本発明は架橋ゲル状ポ
リマー電解質を用いた光電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、酸化チタン、酸化亜鉛などの金
属酸化物半導体に、例えば、ルテニウム錯体、ポルフィ
リン誘導体などの色素を含浸させ、これらの間で行われ
る光電気化学反応を利用した光電変換素子が開発されて
いる。このような光電変換素子は、例えば、光センサ、
太陽電池などの光電変換材料や受光素子などに広く利用
されている。
【0003】また、酸化物半導体の光電気化学反応を利
用した光電変換素子として、光溶解しない酸化物半導体
の多孔質膜に増感色素を吸着させた、従来の湿式太陽電
池より光電変換効率の高い色素増感太陽電池が知られて
いる(例えば、特開平1−220380号公報参照)。
【0004】しかし、特開平1−220380号公報に
記載された方法には、電解液の液漏れや光照射に伴う熱
による電解液の揮発などが原因となる光電変換効率の低
下などの欠点が存在することが明かとなった。
【0005】そこで、電解液の代替物として、酸化還元
系を有するイオン伝導体(例えば、特開平7−2881
42号公報参照)や導電性高分子(例えば、K. Murakos
hi et. al., Chem. Lett., 1997, pp.471-472参照)な
どを使用し、上記の問題点を解決する試みがいくつか知
られている。しかしながら、これらの方法では、電解質
が固体であるので、光電変換素子の電極と電解質間の界
面抵抗が上昇する結果、内部抵抗が増加し、電解液を使
用した場合よりも光電変換効率が減少するという新たな
問題点が生じた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、液漏れせず、しかも、光電変換特性が低下しない光
電変換素子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、少なくと
も、一方の面上に金属酸化物半導体層が被着された電極
と、この電極の前記金属酸化物半導体層と対峙する対電
極と、該電極の前記金属酸化物半導体層と対電極との間
に配置された電解質層とを有する光電変換素子におい
て、前記電解質層として、少なくとも、架橋性物質、溶
媒及び酸化還元系構成物質からなる電解液をその場で重
合させることにより生成された架橋ゲル状ポリマーを使
用することにより解決される。前記架橋ゲル状ポリマー
電解質を用いた光電変換素子は、液漏れを起こさず、し
かも、使用中に光電変換特性が低下せず、一定に維持さ
れる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光電変換素子1
の構成の一例を示す概要断面図である。本発明の光電変
換素子1において、透明ガラス板3の一方の面には透明
電極膜5が被着されており、この透明電極5には酸化チ
タンなどの金属酸化物半導体層7が被着されている。こ
の酸化物層7は、増感色素層9を担持している。金属酸
化物としては、チタンの他に、スズ、ジルコニウム、ハ
フニウム、ストロンチウム、亜鉛、インジウム、イット
リウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ク
ロム、モリブデン、タングステン、鉄、ニッケル、銀な
どの酸化物類を使用できる。また、SrTiO3、CaTiO3な
どのペロブスカイト類、前記金属類のペロブスカイト
類、前記金属類の2種類以上の複合酸化物類又は酸化物
混合物類などを使用することもできる。酸化物層7の厚
さは特に限定されない。光電変換素子で常用の厚さであ
ればよい。一般的に、酸化物層7の厚さは0.1μm〜
50μmの範囲内である。酸化物層7の厚さが0.1μ
m未満の場合には、十分な光電変換効果が得られない可
能性がある。一方、厚さが50μm超の場合には、可視
光及び近赤外光に対する透過性が著しく悪化するなどの
不都合が生じるので好ましくない。
【0009】金属酸化物半導体層7に担持される増感色
素層9を構成する増感色素としては、従来の色素増感性
光電変換素子で常用の色素であれば全て使用できる。こ
のような色素は当業者に公知である。このような増感色
素は例えば、RuL2(H2O)2タイプのルテニウム−シス−ジ
アクア−ビピリジル錯体又はルテニウム−トリス(Ru
L 3)、ルテニウム−ビス(RuL2)、オスニウム−トリス(Os
L3)、オスニウム−ビス(OsL2)タイプの遷移金属錯体若
しくは、金属又は非金属のフタロシアニン又はポルフィ
リンなどである。具体例としては例えば、シス−ジ(チ
オシアノ)−N,N−ビス(2,2’−ビピリジル−
4,4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)錯体、
ルテニウム−トリス(2,2’−ビスピリジル−4,
4’−ジカルボキシレート)、ルテニウム−シス−ジア
クア−ビス(2,2’−ビスピリジル−4,4’−ジカ
ルボキシレート)、亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェ
ニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロ
シアニンなどが挙げられる。金属酸化物半導体層7に担
持される増感色素層9の担持量は特に限定されない。一
般的に、金属酸化物半導体層1cm2当たり、0.5μ
g〜400μgの範囲内であることが好ましい。増感色
素層の担持量が0.5μg/cm2未満の場合、光電変
換素子への入射光を十分に利用することができないので
好ましくない。一方、増感色素層の担持量が400μg
/cm2超の場合、全ての増感色素が金属酸化物半導体
層の表面に担持できなくなる。なお、図1では、説明の
ために増感色素層9が金属酸化物半導体層7の上面に図
示されているが、増感色素は金属酸化物半導体層7の孔
内に取り込まれ、実際には、別個の層として存在しない
こともある。
【0010】本発明の光電変換素子1では、透明ガラス
板3に対峙して、別の透明ガラス板11を有する。この
透明ガラス板11の一方の面には透明電極膜13が被着
されている。この透明電極膜13には白金又は金などの
良導電性金属(図示されていない)がスパッタ蒸着さ
れ、対電極を構成する。
【0011】透明電極膜13と金属酸化物半導体層7と
の間にセパレータ15を間挿し、閉鎖空間を画成する。
この閉鎖空間内には、その場で生成された、本発明によ
る架橋ゲル状ポリマー電解質層17が存在する。セパレ
ータ15の厚さ、すなわち、架橋ゲル状ポリマー電解質
層17の厚さは特に限定されない。一般的に、1μm〜
100μmの範囲内であることが好ましい。架橋ゲル状
ポリマー電解質層17の厚さが1μm未満の場合、架橋
反応が電解質層で一様に起こらず、部分的に架橋されな
い領域が残り、液漏れを起こす恐れがある。一方、架橋
ゲル状ポリマー電解質層17の厚さが100μm超の場
合、金属酸化物半導体層7と対電極の透明電極膜13の
間の距離が大きくなり、光電変換素子の内部抵抗が上昇
して、出力特性が悪化するので好ましくない。
【0012】本発明によれば、光電変換素子を構成する
金属酸化物半導体を有する電極、対電極およびセパレー
タにより画成される空間内に、少なくとも、架橋性物
質、溶媒および酸化還元系を構成する物質を含有する電
解液を充填し、電極表面に電解液を含浸させた後、該架
橋性物質を架橋重合させることによりゲル化させて、架
橋ゲル状ポリマー電解質層をその場で形成させる。すな
わち、電解液が電極に十分に浸透した後、架橋性物質を
架橋ゲル化させるので、電解液と電極とのなじみがよ
く、内部抵抗が低減する効果が得られる。また、電解液
が架橋ゲル化され、固化するので、液漏れは起こらな
い。
【0013】前記のように、本発明における光電変換素
子は、酸化物半導体を有する透明電極とその対電極、両
極を分離するセパレータ、及びその場で生成された架橋
ゲル状ポリマー電解質層から構成される。酸化物半導体
を有する透明電極に、酸化物半導体のバンドギャップ以
上のエネルギーを持つ光を照射すると、励起電子が対電
極に流れ、対電極表面で電解質が還元させる。一方、光
励起で発生した正孔は電解質から電子を受け取り、電解
質を酸化させる。すなわち、光を定常的に酸化物半導体
に照射することで、光電変換素子は光エネルギーを電気
エネルギーに変換することができる。光電変換素子に用
いる酸化物半導体は光溶解しないように、バンドギャッ
プの大きい酸化チタン、酸化スズや酸化亜鉛などを用い
るのが好ましい。さらに、増感色素を酸化物半導体に担
持させて、より光電変換効率の高い光電変換素子を得る
ことができる。特に、酸化物半導体に酸化チタンを、増
感色素にビピリジル−ジカルボン酸のルテニウム錯体を
用いることが好ましい。
【0014】本発明で使用できる架橋性物質としては、
加熱、紫外線照射、電子線照射又は放射線照射などによ
り重合可能なモノマー及びプレポリマーなどが挙げられ
る。紫外線又は電子線の照射により架橋重合可能な架橋
性物質の例として、二重結合を一分子当たり2個以上含
有する多官能架橋性モノマー又はプレポリマーが特に好
ましい。
【0015】2官能基化合物に3官能性モノマーを加
え、これらの化合物間で重縮合反応を起こさせると、立
体的な枝分かれ構造のポリマーが得られる。反応が進む
とともに重合度は無限大になり、これ以上はもはや反応
が進まない点をゲル化点という。三次元構造のポリマー
は溶媒に溶けないし、加熱しても柔らかくならないとい
う特性を有する。ゲル化は2官能基どうしの重縮合では
起こり難いが、3官能基が入ると容易に起こる。ゲル化
では1分子当たりの官能基の数が問題になる。例えば、
m官能基とn官能基との反応における官能性度(f)は
次式(1)で定義される。 f=2mn/(m+n) 従って、前記の式(1)によれば、2,2及び2,3官
能基反応のfは、それぞれ2及び2.4となり、f=2
以上のときにゲル化が起こる。
【0016】本発明で使用できる二官能架橋性モノマー
としては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート
などの二官能アクリレートおよび上記アクリレートと同
様の二官能メタクリレートなどが挙げられる。
【0017】また、本発明で使用できる三官能架橋性モ
ノマーとしては、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリル
トリアクリレートなどの三官能アクリレートおよび上記
アクリレートと同様の三官能メタクリレートなどが挙げ
られる。
【0018】更に、本発明において使用できる四官能以
上の架橋性モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリ
トールエトキシテトラアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレートなどの四官能以上のアクリ
レートおよび上記のアクリレートと同様の四官能メタク
リレートなどが挙げられる。
【0019】本発明で使用できる二官能以上、好ましく
は四官能以上有する多官能性プレポリマーとしては、例
えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、
ポリエステルアクリレートのプレポリマーなどが挙げら
れる。
【0020】前記のように本発明においてモノマーをゲ
ル化させるには、二官能性以上のモノマーを混合して使
用しなければならない。特に、二官能性モノマーに三官
能性以上の官能性を有するモノマーを混合して使用する
ことが好ましい。例えば、二官能モノマーと六官能モノ
マーを混合して使用することができる。また、ゲルの硬
さなどの物性調整のために、必要に応じて、一官能モノ
マーなどを適当量併用することもできる。
【0021】また、必要ならば、多官能架橋性モノマー
の重合開始剤(架橋開始剤)として、例えば、ベンゾイ
ル類、ベンゾイルアルキルエーテル類、ベンゾフェノン
類、ベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド類、ア
セトフェノン類、チオキサントン類、アントラキノン類
などを使用することができる。特に、モノマーに溶解す
る重合開始剤が好ましい。
【0022】本発明の光電変換素子は常用の酸化還元系
構成物質を含有している。この明細書における、酸化還
元系構成物質とは、酸化還元反応において、可逆的に酸
化体及び還元体の形で存在する一対の物質を意味する。
このような酸化還元系構成物質自体は当業者に公知であ
る。
【0023】本発明で使用できる酸化還元系構成物質は
例えば、塩化物イオン−塩素、ヨウ化物イオン−ヨウ
素、臭化物イオン−臭素、タリウムイオン(III)−タリ
ウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテ
ニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン
(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、バ
ナジウムイオン(III)/−バナジウムイオン(II)、マンガ
ン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−
フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−
コハク酸などが挙げられる。言うまでもなく、その他の
酸化還元系構成物質も使用できる。
【0024】本発明では、架橋性物質及び酸化還元系構
成物質を溶解させるために溶媒を使用する。溶媒として
は水性溶媒及び有機溶媒の何れも使用できる。酸化還元
系構成物質がより安定するため、有機溶媒が好ましい。
例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート、ガンマーブチロラクトン、エチレン
グリコールサルファイト、1,2−ジメトキシエタン、
1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メ
チルーテトラヒドラフラン、ジエチルエーテルなどが挙
げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもできる
し、また、2種類以上を混合して併用することもでき
る。さらに、アミン系、イミド系またはニトリル系溶媒
や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども用いる
ことができる。
【0025】本発明の光電変換素子を製造する場合、先
ず、溶媒に架橋性物質(すなわち、モノマー)と酸化還
元系構成物質を溶解させ、電解液を調製する。溶媒に溶
解させる架橋性物質の量は特に限定されないが、例え
ば、4官能以上の多官能モノマーの量は、溶媒の重量を
基準にして、4重量%〜10重量%の範囲内であること
が好ましい。4官能以上の多官能モノマーの量が4重量
%未満では、架橋ゲル状ポリマー電解質の強度が十分に
得られないなどの不都合が生じるので好ましくない。一
方、4官能以上の多官能モノマーの量が10重量%超で
は、光電変換素子の出力特性が低下するなどの不都合が
生じるので好ましくない。
【0026】溶媒に架橋性物質及び酸化還元系構成物質
を溶解させることにより得られた溶液には、必要に応じ
て、重合開始剤などの添加剤を更に加え、これらを均一
に混合して電解液を調製する。
【0027】電解液が調製されたら、図1に示される構
造体のセパレータ15と、電極5及び対電極13とによ
り画成される空間内に、電解液を注入する。この注入は
毛細管現象を利用することにより簡単に実施できるが、
注射器などを用いて注入することもできる。電解液を注
入した後、透明ガラス板3及び11の片側又は両側か
ら、光、電子線又は放射線などを照射するか、又は構造
体全体を加熱することにより、架橋性物質を重合させ、
架橋ゲル状ポリマー電解質層17をその場で形成させ
る。このような重合条件は当業者により容易に決定する
ことができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明の構成及び効果を
例証する。
【0029】実施例1 (1)六官能架橋性モノマー含有電解液の調製 エチレンカーボネートとアセトニトリルとの体積比8:
2の混合溶液にヨウ素0.04mol/lとヨウ化テト
ラプロピルアンモニウム0.5mol/lを溶解させた
電解液を調製し、該電解液に六官能のジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレートを10重量%と、重合開始剤
として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフ
ォスフィンオキサイド〔ルシリンTPO(商品名)、ビー
エーエスエフジャパン(株)製〕を2重量%を添加した。
【0030】(2)光電変換素子の作製 酸化チタンを塗布した透明電極付きガラス(50mm×
50mm)に、増感色素としてシス−ジ(チオシアノ)
−N,N−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジ
カルボキシレート)ルテニウム(II)錯体を1cm2当た
り50μg担持させた電極を作製した。また、透明電極
付きガラス(50mm×50mm)に白金をスパッタし
てこれを対電極とした。これら2つの電極で、酸化チタ
ン側と白金側が向き合うようにして厚さ100μmのセ
パレータをはさみ、前記(1)で調製したモノマー含有
電解液を毛細管現象により電極間に注入させ、これらの
電極表面に含浸させた。続いて、照度60mW/cm2
(トプコン製UVチェッカーUVR−T35による測定
値)の紫外線ランプで30秒間照射し、モノマー含有電
解液を重合させて、本発明のゲル状ポリマー電解質を作
製した。周囲を封止し、各電極から端子を引き出して、
本発明の光電変換素子を作製した。
【0031】前記2で作製した光電変換素子に45mW
/cm2のキセノンランプ光を照射し(照射面積12c
2)、光電流−電圧特性を測定した。また、前記2で
作製した光電変換素子に、電極面の法線方向に沿って電
極面に均一に0.5kg/cm2の圧力を室温で一週間
かける電解質保持試験を行った。
【0032】比較例1 実施例1の1で六官能架橋性モノマーと重合開始剤を除
いた電解液を調製後、実施例1の(2)と同様に光電変
換素子を作製し、光電流−電圧特性の測定と電解質保持
試験を行った。
【0033】比較例2 実施例1の(1)で調製されたモノマー含有電解液を別
の透明容器に入れ、照度60mW/cm2(トプコン製
UVチェッカーUVR−T35による測定値)の紫外線
ランプで30秒間照射し、モノマー含有電解液を重合さ
せて、ゲル状ポリマー電解質を作製した。このゲル状ポ
リマー電解質を実施例1の(2)における一方の電極面
に塗布し、厚さ100μmのセパレータをはさみ、ゲル
状ポリマー電解質層の上面に別の電極面を被せることに
より光電変換素子を作製した。その後、実施例1と同様
に、光電流−電圧特性の測定と電解質保持試験を行っ
た。
【0034】下記の表1に、実施例1、比較例1及び比
較例2の各光電変換素子の、光電流−電圧特性測定結果
と、電解質保持試験結果を要約して示す。
【0035】
【表1】 電解質 開放端電 短絡電流密 光電変換 電解液保 の状態 圧(V) 度(mA/cm2) 形状因子 効率(%) 持試験 実施例1 ゲル状 0.73 2.5 0.34 1.4 漏液なし 比較例1 液 体 0.77 3.3 0.32 1.8 漏液あり 比較例2 ゲル状 0.65 0.4 0.20 0.1 漏液なし (注)前記表1における「形状因子」は、次の式により求められる。 形状因子=光電変換素子の最大出力(mV/cm2)/開放端電圧(V)x短絡電流密度(mA/ cm2)
【0036】表1に示す結果から明らかなように、本発
明のゲル状ポリマー電解質を用いた光電変換素子は電解
液の液漏れがなく、電解質が溶液の場合と同等の光電変
換特性が得られた。一方、比較例2の光電変換素子は、
電解液の液漏れの無い点では本発明の光電変換素子に匹
敵するが、増感色素を担持させた金属酸化物半導体層と
ゲル状ポリマー電解質層との接触が不十分で、光電変換
素子の内部抵抗が上昇し、内部抵抗と相関性のある形状
因子が出力特性で劣化した点で、本発明の光電変換素子
よりも劣っている。従って、これらの結果から、ゲル状
ポリマー電解質層をその場で生成させると優れた特性及
び効果を有する光電変換素子が得られることが理解でき
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
その場で生成されたゲル状ポリマー電解質を用いること
で、電解液の液漏れを防ぎ、光電変換特性の安定した光
電変換素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による光電変換素子の構成の一
例を示す概要断面図である。
【符号の説明】 1 本発明の光電変換素子 3 透明ガラス板 5 透明電極膜 7 金属酸化物半導体層 9 増感色素層 11 透明ガラス板 12 透明電極膜 15 セパレータ 17 架橋ゲル状ポリマー電解質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西原 昭二 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 5H032 AA06 AS16 BB07 EE16 HH05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、一方の面上に金属酸化物半
    導体層が被着された電極と、この電極の前記金属酸化物
    半導体層と対峙する対電極と、該電極の前記金属酸化物
    半導体層と対電極との間に配置された電解質層とを有す
    る光電変換素子において、 前記電解質層は、少なくとも、架橋性物質、溶媒及び酸
    化還元系構成物質からなる電解液をその場で重合させる
    ことにより生成された架橋ゲル状ポリマーからなること
    を特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 前記架橋性物質は2以上の官能価を有す
    る多官能性モノマー又はプレポリマーであることを特徴
    とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記酸化還元系構成物質の酸化体及び還
    元体が同一電荷を有することを特徴とする請求項1に記
    載の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 前記電解液は架橋開始剤を更に含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  5. 【請求項5】 前記金属酸化物半導体層は増感色素を有
    することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  6. 【請求項6】 少なくとも、一方の面上に金属酸化物半
    導体層が被着された電極と、この電極の前記金属酸化物
    半導体層と対峙する対電極と、該電極の前記金属酸化物
    半導体層と対電極との間に配設された電解質層とを有す
    る光電変換素子の製造方法において、 前記金属酸化物半導体層を有する電極と対電極と、これ
    らを分離させるセパレータとにより画成される空間内
    に、少なくとも、架橋性物質、溶媒及び酸化還元系構成
    物質からなる電解液を注入するステップと、 前記空間内の電解液に含まれる前記架橋性物質を重合さ
    せ、その場で架橋ゲル状ポリマーからなる電解質層を生
    成させるステップと、からなることを特徴とする光電変
    換素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電解液を加熱するか、又は前記電解
    液に光、電子線又は放射線を照射することにより前記架
    橋性物質を重合させることを特徴とする請求項6に記載
    の光電変換素子の製造方法。
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