JP2001083797A - 電子写真用ブレード - Google Patents

電子写真用ブレード

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JP2001083797A
JP2001083797A JP26263999A JP26263999A JP2001083797A JP 2001083797 A JP2001083797 A JP 2001083797A JP 26263999 A JP26263999 A JP 26263999A JP 26263999 A JP26263999 A JP 26263999A JP 2001083797 A JP2001083797 A JP 2001083797A
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Hirobumi Okuda
博文 奥田
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智志 鈴木
Shoji Arimura
昭二 有村
Kunio Ito
邦夫 伊東
Masanari Umeda
政成 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐摩耗性に優れ、横すじの発生を防止できると
ともに、成形性に優れ、トナーフィルミングの発生を防
止することができる電子写真用ブレードを提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有する液状
ゴム組成物の硬化体からなる電子写真用ブレードであ
る。 (A)主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素単位
またはオキシアルキレン単位で、主鎖の少なくとも一方
の末端にアルケニル基を有する液状ゴム。 (B)ヒドロシリル硬化剤。 (C)ヒドロシリル化触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機,
プリンター,ファクシミリ等の電子写真装置に用いられ
る、層形成ブレード等の電子写真用ブレードに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真複写機による複写はつ
ぎのようにして行われる。すなわち、回転する感光ドラ
ムに原稿像を静電潜像として形成し、これにトナーを付
着させてトナー像を形成し、このトナー像を複写紙に転
写することにより複写を行うものである。この場合、上
記感光ドラム表面に対して静電潜像を形成させるために
は、予め感光ドラム表面を帯電させ、この帯電部分に対
して原稿像を光学系を介して投射し、光の当たった部分
の帯電を打ち消すことにより静電潜像をつくるというこ
とが行われている。そして、感光ドラム上の静電潜像を
現像し、可視像を形成する現像方法としては、その使用
する現像剤の種類に応じて、従来より各種の方法が提案
されている。その一例として、トナーのみを現像剤とし
て用いる一成分現像方式が知られている。
【0003】上記一成分現像方式に用いられる現像装置
としては、例えば、図1に示すような現像装置1が提案
されている。この現像装置1では、一成分現像剤(トナ
ー)2が、感光ドラム4側に開口したトナーボックス5
の内部に収容されており、上記一成分現像剤(トナー)
2を担持する現像ロール3が、感光ドラム4と所定間隔
で対設している。上記現像ロール3は、ポリウレタンフ
ォーム,スポンジ等の発泡体からなるトナー供給ロール
6に当接しており、このトナー供給ロール6の矢印方向
への回転により、現像ロール3にトナー2が供給される
ようになっている。一方、上記トナーボックス5の開口
部5aの上端には、層形成部材9がねじ10止めされて
いる。この層形成部材9は、平板状の層形成ブレード7
と、金属製平板状の支持ホルダー8とからなり、この支
持ホルダー8の一端部がトナーボックス5の開口部5a
の上端にねじ10止めされている。上記支持ホルダー8
の他端部の一側面(現像ロール3に対向する面)には、
層形成ブレード7が接着されており、この層形成ブレー
ド7は、現像ロール3の外周面に圧接されている。
【0004】このような現像装置1において、つぎのよ
うにして感光ドラム4の外周面にトナー像が形成され
る。すなわち、まず現像ロール3と感光ドラム4とが図
示のとおり回転するとともに、層形成ブレード7と現像
ロール3の外周面の摩擦によりトナー2が摩擦帯電し、
かつ現像ロール3の外周面に均一なトナー層が形成され
る。そして、このトナー層のトナー2が、感光ドラム4
の外周面に形成された静電潜像(上記トナー2とは逆の
極性に帯電されている)の電気的吸引力によって飛翔
し、静電潜像がトナー像として顕在化する。このように
して、感光ドラム4の外周面にトナー像が形成される。
【0005】このため、上記層形成ブレード7には、現
像ロール3の外周面に接触してトナー2を摩擦帯電さ
せ、かつ現像ロール3の外周面上のトナー層を制御する
機能が要求されている。上記層形成ブレード7の形成材
料としては、トナーの摩擦帯電特性に優れ、トナー付着
が小さく、トナー離型性に優れたシリコーンゴムが用い
られている。また、シリコーンゴム以外の材料として
は、耐摩耗性に優れたウレタンエラストマーが用いられ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記シ
リコーンゴムは、その特異的な分子構造に起因して分子
間力が弱いため、シリコーンゴムを用いた層形成ブレー
ド7は、強度が弱く、耐摩耗性に劣るという難点があ
る。加えて、現像ロール3の回転トルクを小さくした
り、トナー付着を抑制するという観点から、上記層形成
ブレード7として、低硬度のシリコーンゴムを用い、こ
れにより、現像ロール3との接触面積(ニップ幅)を確
保しつつ、現像ロール3との接触抵抗を低減するように
している。このように、シリコーンゴムの低硬度化のた
めには、シリコーンゴム中への補強剤(シリカ等)の添
加量を少なくしたり、架橋密度を低く抑えたりする必要
があり、このことが層形成ブレード7の強度の低下につ
ながり、耐摩耗性がより一層悪くなっている。このよう
に、耐摩耗性に劣る層形成ブレード7を用いた場合は、
ニップ部の削れが大きいため、耐久により画像濃度が低
下する。また、シリコーンゴムは、滲み出し成分となる
低分子量成分を多く含有するため、このシリコーンゴム
を用いた層形成ブレード7を現像装置1に組み込んで放
置すると、シリコーンゴムから低分子量成分が滲み出
し、画像に横すじとなって現れる等の難点もある。
【0007】一方、上記ウレタンエラストマーは、シリ
コーンゴムに比べて架橋時間を長く必要とするため成形
性に劣るとともに、離型性に劣るためトナーフィルミン
グ(トナーの固着)が生じやすい等の難点がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐摩耗性に優れ、横すじの発生を防止できると
ともに、成形性に優れ、トナーフィルミングの発生を防
止することができる電子写真用ブレードの提供をその目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の電子写真用ブレードは、下記の(A)〜
(C)成分を含有する液状ゴム組成物の硬化体からなる
という構成をとる。 (A)主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素単位
またはオキシアルキレン単位で、主鎖の少なくとも一方
の末端にアルケニル基を有する液状ゴム。 (B)ヒドロシリル硬化剤。 (C)ヒドロシリル化触媒。
【0010】すなわち、本発明者らは、所望の電子写真
用ブレードを得るべく鋭意研究を重ねた。そして、シリ
コーンゴムに代えて上記特定の液状ゴム(A成分)を用
いると、分子間力が増大して強度が上がるため、耐摩耗
性に優れるとともに、シリコーンゴムのような低分子量
成分を含有しないため、滲み出しによる横すじの発生を
防止することができることを突き止めた。その結果、上
記特定の液状ゴム(A成分)と、ヒドロシリル硬化剤
(B成分)と、ヒドロシリル化触媒(C成分)を含有す
る液状ゴム組成物の硬化体からなる電子写真用ブレード
は、耐摩耗性に優れ、横すじの発生を防止できるとも
に、成形性に優れ、トナーフィルミングの発生を防止す
ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0011】なお、本発明において、電子写真用ブレー
ドとは、層形成ブレード、帯電ブレードおよび除電ブレ
ードを意味する。
【0012】そして、上記ヒドロシリル硬化剤(B成
分)として、特定の構造のものを用いると、液状ゴム
(A成分)への相溶性が良好となり、容易に硬化剤を均
一に混合できるようになる。また、長期保管安定性の点
でも、硬化剤が液状ゴム(A成分)から分離することが
なく、均一性が確保でき有利となる。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0014】本発明の電子写真用ブレードは、特定の液
状ゴム(A成分)と、ヒドロシリル硬化剤(B成分)
と、ヒドロシリル化触媒(C成分)を含有する液状ゴム
組成物の硬化体からなるものである。
【0015】上記特定の液状ゴム(A成分)は、主鎖を
構成する繰り返し単位が飽和炭化水素単位またはオキシ
アルキレン単位で、主鎖の少なくとも一方の末端にアル
ケニル基を有するものである。
【0016】上記特定の液状ゴム(A成分)のうち、主
鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素単位である場
合の主鎖(飽和炭化水素系重合体)は、例えば、つぎの
方法により製造することができる。 エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン
等の炭素数2〜6のオレフィン系化合物を主モノマーと
して重合させる方法。 ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物を単独
重合させた後、水素添加する方法。 上記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重
合させた後、水素添加する方法。
【0017】上記飽和炭化水素系重合体のなかでも、末
端にアルケニル基を導入しやすい、分子量を制御しやす
い等の点から、イソブチレン系重合体、水添ポリブタジ
エン系重合体、水添ポリイソプレン系重合体が好まし
い。
【0018】なお、本発明において、飽和炭化水素系重
合体とは、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的
に含有しない重合体を意味する。
【0019】また、本発明において、飽和炭化水素系重
合体は、分子量を抑制した両末端水酸基の飽和炭化水素
またはポリアルキレンオキサイドを多価ハロゲン化合物
等で連結して高分子化させたものであってもよい。
【0020】上記イソブチレン系重合体は、単量体単位
の全てがイソブチレン単位から構成されていてもよく、
あるいはイソブチレンと共重合性を有する単量体単位を
イソブチレン系重合体中の50重量%を超えない範囲で
含有していてもよい。
【0021】上記イソブチレンと共重合性を有する単量
体単位としては、例えば、炭素数4〜12のオレフィン
系化合物、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニ
ルシラン類、アリルシラン類等があげられる。上記単量
体単位の具体例としては、1−ブテン、2−ブテン、2
−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペン
テン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシ
クロヘキサン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メ
チルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレ
ン、ジクロロスチレン、β−ピネン、インデン、ビニル
トリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニ
ルジメチルクロロシラン、ビニルメチルメトキシシラ
ン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラ
ン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラ
ン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチル
ジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニル
シラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロ
ロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチ
ルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリル
ジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリル
ジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
メチルジメトキシシラン等があげられる。これらのなか
でも、共重合が容易である点で、アルコキシリル基を含
まない化合物が好ましい。
【0022】なお、上記水添ポリブタジエン系重合体や
水添ポリイソプレン系重合体においても、上記イソブチ
レン系重合体の場合と同様、主成分となる単量体単位の
他に、主成分となる単量体単位と共重合性を有する単量
体単位を含有させてもよい。
【0023】そして、上記主鎖となる飽和炭化水素系重
合体にアルケニル基を導入する方法としては、重合後に
アルケニル基を導入する方法と、重合中にアルケニル基
を導入する方法に大別されるが、重合後にアルケニル基
を導入する方法が好ましい。なお、アルケニル基とは、
二重結合をもつ脂肪族炭化水素から水素1原子を除いた
一価基をいう。
【0024】上記重合後にアルケニル基を導入する方法
としては、例えば、飽和炭化水素系重合体の末端の水酸
基を−ONaや−OK等の基にした後、下記の一般式
(A)で表される有機ハロゲン化合物を反応させる方法
があげられる。これにより、末端にアルケニル基を有す
る飽和炭化水素系重合体を製造することができる。
【0025】
【化4】
【0026】上記一般式(A)において、Yで表される
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子が好ましい。また、上記R3 で表される炭素数1〜2
0の2価の炭化水素基としては、アルキレン基、シクロ
アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基が好まし
く、これらのなかでも、−CH2 −または下記の一般式
(B)で表される基が特に好ましい。
【0027】
【化5】
【0028】一方、上記特定の液状ゴム(A成分)のう
ち、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単
位である場合の主鎖(オキシアルキレン系重合体)は、
例えば、つぎの方法により製造することができる。すな
わち、出発物質として活性水素を2個以上有する化合
物、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール等を用い、エチレ
ンオキサイド,プロピレンオキサイド,ブチレンオキサ
イド等の炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを重合さ
せることにより製造することができる。
【0029】なお、上記主鎖となるオキシアルキレン系
重合体へのアルケニル基の導入方法としては、前記飽和
炭化水素系重合体の場合と同様の方法があげられる。
【0030】上記特定の液状ゴム(A成分)の数平均分
子量(Mn)は、ヒドロシリル硬化剤(B成分)との反
応性を考慮して、500〜50,000の範囲に設定す
ることが好ましく、特に好ましくは1,000〜20,
000である。
【0031】上記特定の液状ゴム(A成分)の粘度は、
100〜300万(cSt/25℃)の範囲が好まし
く、特に好ましくは1,000〜50万(cSt/25
℃)である。
【0032】上記特定の液状ゴム(A成分)とともに用
いられるヒドロシリル硬化剤(B成分)としては、分子
中にヒドロシリル基を少なくとも2つ以上有するもので
あれば特に限定するものではない。なお、ヒドロシリル
基とは、珪素原子の4つの結合手のうち少なくとも1つ
に水素原子が結合したものをいう。
【0033】上記ヒドロシリル硬化剤(B成分)の分子
構造は、特に限定はなく、直鎖状、分枝鎖状、環状ある
いは網状のいずれでもよい。また、上記ヒドロシリル硬
化剤(B成分)の重合度は、特に限定されないが、通
常、25℃における粘度が23〜10,000センチス
トークスの範囲内のものが好ましい。
【0034】上記ヒドロシリル硬化剤(B成分)のなか
でも、液状ゴム(A成分)への相溶性が良好となり、均
一混合性、長期保管安定性の点で、下記の一般式(1)
〜(3)で表されるヒドロシリル化合物が好適に用いら
れる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。なお、各繰り返し単位m,n,p,q部分は、ラン
ダム重合、ブロック重合等のいかなる重合形態であって
もよい。
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】そして、上記一般式(1)〜(3)で表さ
れるヒドロシリル化合物は、例えば、下記の〜に示
す方法によって製造することができ、比較的簡便に実施
できる点で、に示す方法が特に好適である。
【0039】 分子構造中にクロロシリル基(SiC
l)を有する炭化水素系化合物を、還元剤(LiAlH
4 ,NaBH4 等)を用いて処理することにより、クロ
ロシリル基をヒドロシリル基に還元して製造する方法。
【0040】 官能基を有する炭化水素系化合物と、
上記官能基と反応し得る官能基およびヒドロシリル基の
双方を有する化合物とを反応させることにより製造する
方法。
【0041】 アルケニル基を有する炭化水素系化合
物と、ポリヒドロシラン化合物とを、得られる反応物の
分子構造中にヒドロシリル基が残存するように反応させ
ることにより製造する方法。
【0042】 ヒドロシリル基を有する環状シロキサ
ンと、炭化水素基を有する環状シロキサンを反応させる
ことにより製造する方法。
【0043】このようにして得られるヒドロシリル化合
物のなかでも、下記の構造式(4)〜(8)で表わされ
るものが特に好ましい。なお、各繰り返し単位は、ラン
ダム重合、ブロック重合等のいかなる重合形態であって
もよい。
【0044】
【化9】
【0045】
【化10】
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】そして、上記構造式(4)で表されるヒド
ロシリル化合物は、例えば、下記に示す反応によって製
造することができる。
【0050】
【化14】
【0051】上記ヒドロシリル硬化剤(B成分)の配合
割合は、上記液状ゴム(A成分)100部に対して、1
〜30部の範囲に設定することが好ましく、特に好まし
くは2〜10部である。すなわち、1部未満であると、
液状ゴム(A成分)の架橋が不充分となり強度が弱く、
耐摩耗性に劣る傾向がみられ、逆に30部を超えると、
液状ゴム(A成分)の架橋が進みすぎ、硬くて脆くなる
からである。
【0052】上記特定の液状ゴム(A成分)およびヒド
ロシリル硬化剤(B成分)とともに用いられるヒドロシ
リル化触媒(C成分)としては、架橋反応に対し触媒機
能を発揮できるものであれば特に限定はなく、例えば、
塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール,アルデヒド,ケ
トン等との錯体、白金/ビニルシロキサン錯体、白金/
オレフィン錯体、白金/ホスファイト錯体、白金,アル
ミナ,シリカ,カーボンブラック等の担体に固体白金を
担持させたもの等があげられる。また、白金化合物以外
の触媒としては、パラジウム化合物、ロジウム化合物、
イリジウム化合物、ルテニウム化合物等があげられる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0053】上記ヒドロシリル化触媒(C成分)の配合
割合は、液状ゴム(A成分)やヒドロシリル硬化剤(B
成分)の種類等によって適宜設定されるが、上記液状ゴ
ム(A成分)100部に対して、0.0001〜0.0
3部の範囲に設定することが好ましい。
【0054】なお、上記液状ゴム組成物には、上記A〜
C成分に加えて、シリカ,石英,炭酸カルシウム,タル
ク,マイカ等の充填剤や、可塑剤、架橋促進剤、架橋遅
延剤、老化防止剤等を適宜配合してもよい。
【0055】上記液状ゴム組成物は、例えば、つぎのよ
うにして調製することができる。すなわち、まず、液状
ゴム(A成分)およびヒドロシリル化触媒(C成分)を
所定の割合で配合して液状主剤を調製するとともに、ヒ
ドロシリル硬化剤(B成分)を含む液状硬化剤を調製す
る。なお、必要に応じて、他の成分を、上記液状主剤中
および液状硬化剤中に添加してもよい。そして、使用に
際し、液状主剤と液状硬化剤とを混合することにより調
製することができる。このように上記液状ゴム組成物
は、貯蔵安定性の観点から、液状主剤と液状硬化剤を別
々に保存し、使用の際に両液を混合して調製することが
好ましい。
【0056】本発明の電子写真用ブレードは、前述のよ
うに、層形成ブレード、帯電ブレードおよび除電ブレー
ドとして用いられる。上記層形成ブレードは、例えば、
つぎのようにして作製することができる。すなわち、ま
ず、上記と同様にして、液状主剤および液状硬化剤を調
製する。一方、所定の層形成ブレード用成形型を準備す
る。ついで、上記液状主剤と液状架橋剤を混合して液状
ゴム組成物を調製し、これを上記成形型内に充填し、所
定の条件(150〜200℃×5秒〜3分)で加熱して
架橋硬化させる。その後、この硬化体を成形型から取り
出すことにより、目的とする層形成ブレードを作製する
ことができる。
【0057】このようにして得られる層形成ブレード
は、前述のように、支持ホルダーの一端側に接着され、
層形成部材の態様で、電子写真複写機,プリンター,フ
ァクシミリ等の電子写真装置に組み込んで用いられ、例
えば、前記図1に示したような、一成分現像方式の現像
装置1に用いられる。
【0058】なお、上記層形成ブレードの寸法は、特に
限定されるものではないが、通常の現像装置に用いる場
合、厚みが0.1〜10mm程度で、幅が1〜20mm
程度のものが好ましい。
【0059】なお、除電ブレードおよび帯電ブレード
も、上記層形成ブレードと同様の方法で作製することが
できる。上記除電ブレードは、例えば、上記液状ゴム組
成物をを所定の除電ブレード用成形型内に充填し、所定
の条件で加熱して架橋硬化させた後、この硬化体を成形
型から取り出すことにより作製することができる。ま
た、上記帯電ブレードは、例えば、上記液状ゴム組成物
を所定の帯電ブレード用成形型内に充填し、所定の条件
で加熱して架橋硬化させた後、この硬化体を成形型から
取り出すことにより作製することができる。
【0060】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0061】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
に示す材料を準備した。
【0062】〔A成分:液状ゴム(1) 〕両末端にアルケ
ニル基を有するポリプロピレングリコール化合物(鐘淵
化学工業社製、サイリルACX009A)
【0063】〔A成分:液状ゴム(2) 〕両末端にアルケ
ニル基を有するポリイソブチレン(鐘淵化学工業社製、
エピオン600、Mn:20000)
【0064】〔B成分:ヒドロシリル硬化剤(a) 〕前記
構造式(4)で表されるヒドロシリル硬化剤
【0065】〔B成分:ヒドロシリル硬化剤(b) 〕前記
構造式(7)で表されるヒドロシリル硬化剤
【0066】〔B成分:ヒドロシリル硬化剤(c) 〕前記
構造式(8)で表されるヒドロシリル硬化剤
【0067】〔C成分:ヒドロシリル化触媒〕白金カル
ボニル錯体(アヅマックス社製、SIP 6829.
0)
【0068】〔層形成ブレードの作製〕
【実施例1】液状ゴム(1) 100部と、ヒドロシリル化
触媒0.003部とを混合して液状主剤を調製するとと
もに、ヒドロシリル硬化剤(a) 5部からなる液状架橋剤
を調製した。一方、断面L字状に形成された金属製平板
からなる支持ホルダーを準備し、この支持ホルダーの片
面に、プライマーX(東レ・ダウコーニングシリコーン
社製)とプライマーY(東レ・ダウコーニングシリコー
ン社製)の等重量混合液を塗工した後、この支持ホルダ
ーを、予備加熱された層形成ブレード用成形型内にセッ
トした。ついで、上記液状主剤と液状架橋剤を混合して
液状ゴム組成物Aを調製し、これを上記成形型内に17
0℃×1分の条件で射出成形し、上記支持ホルダーの片
面に液状ゴム組成物硬化体からなるブレードを固着さ
せ、支持ホルダー付き層形成ブレードを作製した。
【0069】
【実施例2】液状ゴム(2) 100部と、ヒドロシリル化
触媒0.003部とを混合して液状主剤を調製するとと
もに、ヒドロシリル硬化剤(a) 5部からなる液状架橋剤
を調製し、これらを混合して液状ゴム組成物Bを調製し
た。そして、この液状ゴム組成物Bを用いる以外は、実
施例1と同様にして層形成ブレードを作製した。
【0070】
【実施例3】液状ゴム(2) 100部と、ヒドロシリル化
触媒0.003部とを混合して液状主剤を調製するとと
もに、ヒドロシリル硬化剤(b) 5部からなる液状架橋剤
を調製し、これらを混合して液状ゴム組成物Cを調製し
た。そして、この液状ゴム組成物Cを用いる以外は、実
施例1と同様にして層形成ブレードを作製した。
【0071】
【実施例4】液状ゴム(2) 100部と、ヒドロシリル化
触媒0.003部と、乾式シリカ(アエロジル200)
5部を混合して液状主剤を調製するとともに、ヒドロシ
リル硬化剤(c) 5部からなる液状架橋剤を調製し、これ
らを混合して液状ゴム組成物Dを調製した。そして、こ
の液状ゴム組成物Dを用いる以外は、実施例1と同様に
して層形成ブレードを作製した。
【0072】
【比較例1】液状シリコーンゴム(信越化学工業社製、
KE1950−40、JIS A硬度:40度)からな
る液状ゴム組成物aを用いて、実施例1と同様にして層
形成ブレードを作製した。
【0073】
【比較例2】ポリエチレンアジペート(Mn:200
0)55.2部と、4,4′−MDI33.6部と、
2,4′−MDI 14.4部からなる主剤と、ポリエ
チレンアジペート(Mn:2000)50.7部と、
1,4−ブタンジオール8.2部と、トリメチロールプ
ロパン4.0部と、触媒(トリエチレンジアミン)0.
033部とからなる硬化剤とを別々に調製した。そし
て、実施例1と同様の支持ホルダーおよび成形型を準備
し、上記支持ホルダーにはプライマー塗工をせずに、そ
のまま予備加熱された成形型にセットした。ついで、上
記主剤および硬化剤を混合して液状ゴム組成物bをつく
り、これを上記成形型内に140℃×5分の条件で射出
成形し、上記支持ホルダーの片面に液状ゴム組成物硬化
体からなるブレードを固着させ、支持ホルダー付き層形
成ブレードを作製した。
【0074】このようにして得られた実施例品および比
較例品について、下記の基準に従い、各特性の評価を行
った。これらの結果を後記の表1に併せて示した。
【0075】〔硬度〕JIS K 6301に準じ、J
IS Aによる硬度を測定した。
【0076】〔溶剤浸漬抽出量〕得られた層形成ブレー
ドのゴム製硬化体の部分を、溶剤(比較例2のみメタノ
ールで、それ以外はトルエン)中に24時間浸漬した。
そして、下記の式に従い、溶剤浸漬抽出量を算出した。
なお、式中、Wは抽出前のゴム製硬化体の重量を示し、
0 は抽出後のゴム製硬化体の乾燥重量を示す。 溶剤浸漬抽出量(重量%)=〔(W−W0 )/W〕×1
00
【0077】〔耐摩耗性〕層形成ブレードを市販のレー
ザービームプリンター(ヒューレットパッカード社製、
レーザージェット4)に組み付けた後、1万枚の耐久画
出しを行い、耐久前後の黒ベタ画像濃度変化の有無をマ
クベス濃度計を用いて判定した。なお、評価基準は以下
のように設定した。 ○:耐久前後の濃度差が0.1未満のもの ×:耐久前後の濃度差が0.1以上のもの
【0078】〔横すじ〕上記のようにして層形成ブレー
ドを実機に組み付けたのち、温度30℃×湿度90%の
環境下で7日間放置した。そののち、黒ベタの画出しを
行い、横すじの発生の有無を目視で判定した。なお、評
価基準は以下のように設定した。 ○:横すじの発生なし ×:横すじの発生あり
【0079】〔トナーフィルミング〕上記のようにして
層形成ブレードを実機に組み付けたのち、6000枚の
耐久画出しを行い、層形成ブレード表面へのトナーフィ
ルミングの発生の有無を以下の基準で目視判定した。 ○:ブレードに付着したトナーがテープ(3M社製、ス
コッチメンディングテープ)にて除去できたもの ×:テープ除去を5回繰り返しても、トナーを除去でき
なかったもの
【0080】〔成形性(成形タクト)〕ロータレスレオ
メータ(東洋精機社製、RLM−2)を用いて、130
℃でのt90値(トルク定常値の90%の高さの点に達
するまでの時間)を測定した。なお、評価基準は以下の
ように設定した。 ○:3分以内 △:3〜10分以内 ×:10分以上
【0081】
【表1】
【0082】上記表1の結果から、実施例品は、耐摩耗
性に優れ、横すじが発生せず、トナーフィルミングも生
じず、成形性に優れていることがわかる。
【0083】これに対して、比較例1品は、シリコーン
ゴムを用いているため、耐摩耗性に劣るとともに、溶剤
に抽出される低分子量成分を多く含有しているため、横
すじが発生することもわかる。比較例2品は、ウレタン
エラストマーを用いているため、トナーフィルミングが
生じ、また成形性に劣ることがわかる。
【0084】
【実施例5〜8、比較例3,4】まず、実施例1〜4お
よび比較例1,2と同様にして、液状ゴム組成物A〜D
および液状ゴム組成物a,bを調製した。そして、各液
状ゴム組成物を金型内に所定の条件で射出成形して、目
的とするブレードを作製した。
【0085】このようにして得られた実施例品および比
較例品を用いて、下記の基準に従い、各特性を評価し
た。これらの結果を後記の表2に併せて示した。
【0086】〔帯電特性〕帯電ブレードとして市販のレ
ーザービームプリンター(ヒューレットパッカード社
製、レーザージェット4)に組み付けを行い、画出し評
価を行った。なお、評価基準は以下のように設定した。 ○:画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しされたもの ×:かぶり、白抜け、濃度むら等が発生して、画像に不
具合が見られるもの
【0087】〔除電特性〕除電ブレードとして市販のレ
ーザービームプリンター(ヒューレットパッカード社
製、レーザージェット4)に組み付けを行い、画出し評
価を行った。なお、評価基準は以下のように設定した。 ○:画像に問題がなく、細線が鮮明に画出しされたもの ×:かぶり、白抜け、濃度むら等が発生して、画像に不
具合が見られるもの
【0088】
【表2】
【0089】上記表2の結果から、実施例品のブレード
は、帯電特性および除電特性の双方の特性に優れている
ため、帯電ブレード、除電ブレードとして好適に使用す
ることができる。これに対して、比較例品のブレード
は、帯電特性および除電特性に劣るため、帯電ブレー
ド、除電ブレードとして使用することができない。
【0090】
【発明の効果】以上のように、本発明の電子写真用ブレ
ードは、上記特定の液状ゴム(A成分)と、ヒドロシリ
ル硬化剤(B成分)と、ヒドロシリル化触媒(C成分)
を含有する液状ゴム組成物の硬化体からなるものであ
る。このように、シリコーンゴムに代えて上記特定の液
状ゴム(A成分)を用いているため、分子間力が増大し
て強度が上がるため、耐摩耗性に優れるとともに、シリ
コーンゴムのような低分子量成分を含有しないため、滲
み出しによる横すじの発生を防止することができる。ま
た、成形性に優れ、トナーフィルミングの発生を防止す
ることができる。
【0091】そして、上記ヒドロシリル硬化剤(B成
分)として、特定の構造のものを用いると、液状ゴム
(A成分)への相溶性が良好となり、均一混合性が確保
でき、また長期保管安定性においても優れたものとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】層形成ブレードを組み込んだ現像装置の一例を
示す構成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 智志 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 有村 昭二 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 伊東 邦夫 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 梅田 政成 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 2H077 AD06 AD13 AD23 FA22 4J002 AC111 BB181 BB201 CH051 CP042 DD076 EZ006 FD142 FD156 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有する液
    状ゴム組成物の硬化体からなることを特徴とする電子写
    真用ブレード。 (A)主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素単位
    またはオキシアルキレン単位で、主鎖の少なくとも一方
    の末端にアルケニル基を有する液状ゴム。 (B)ヒドロシリル硬化剤。 (C)ヒドロシリル化触媒。
  2. 【請求項2】 上記(B)成分が、下記の一般式(1)
    で表される化合物、下記の一般式(2)で表される化合
    物および下記の一般式(3)で表される化合物からなる
    群から選ばれた少なくとも一つである請求項1記載の電
    子写真用ブレード。 【化1】 【化2】 【化3】
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