JP2001083367A

JP2001083367A - 光コネクタ

Info

Publication number: JP2001083367A
Application number: JP25963099A
Authority: JP
Inventors: Yuichi Iizuka; 祐一飯塚; Yasuhiro Tamaki; 康博玉木
Original assignee: Fujikura Ltd
Current assignee: Fujikura Ltd
Priority date: 1999-09-14
Filing date: 1999-09-14
Publication date: 2001-03-30

Abstract

(57)【要約】【課題】従来のＭＴ形等の多心フェルールは、高価な
材料を使い、非常に高精度に一体成形していた。そのた
め、コスト高である。また、ファイバがフェルール内を
通過する際に、折損や傷を生じたりして、取付け失敗や
製品化後の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があった。【解決手段】フェルール１０を、ファイバ穴１２並
びにガイドピン穴１４の前端部を含む接続端部３０と、
それ以外の本体後部４０の部分の、二つの部品に分割
する。接続端部３０のみ、従来と同じ材料を使い、従来
と同じく精密成形する。これに対して、本体後部４０は
低コスト材料を用い、低い精度の成形とする。そのた
め、コネクタ全体として低コスト化が図られる。また、
フェルール内部を裸ファイバが通過しないため、取付け
失敗や製品化後の信頼性への悪影響が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光コネクタに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】図４に、多心光コネクタの一例である、
公知のＭＴ形（Ｆ１２形多心光ファイバコネクタＪＩ
ＳＣ５９８１）用のフェルール１０を示す。１１は
フェルール本体、１２はファイバ穴、１４はガイドピン
穴、１６は内部空間の全体を示し、その後部は被覆等挿
入部１６０である。１８はガイド溝、２０は窓、であ
る。

【０００３】従来の組立（テープ心線２４の取付け）方
法を、図５について述べる。テープ心線２４に保護用のゴムのブーツ２６を通す
（ａ）。このブーツ２６は、四角断面の中空筒状が一般
的である。テープ心線２４の被覆を除去して裸ファイバ
２４０を口出しし、先端をカットする。フェルール１０に接着剤を注入して、ファイバ穴１２
に充填する。そして、裸ファイバ２４０を、ファイバ穴
１２に挿入する（ｂ）。この際、ファイバ２４０の先端
は、フェルール１０内を、半円形断面のガイド溝１８上
を上から押し付けられるようにして滑りながら通過し、
ガイド溝１８と連続する細径のファイバ穴１２へと導か
れる。窓２０に接着剤２２を充填し、加熱硬化させる。その
後、余分な裸ファイバ２４０をカットし、フェルール１
０の端面を研磨して、完了とする（ｃ）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】一体成形で製作する
フェルール１０の構造上、高寸法精度を要する接続端面
側（ファイバ穴１２やガイドピン穴１４のある部分）
も、比較的に精度の緩やかな本体後部側（内部空間１６
やガイド溝１８等のある部分）も、同じ高価な材料、同
じ工程を経て一体成形される。

【０００５】すなわち、高精度の位置決めを必要とする
ファイバ穴１２とガイドピン穴１４と、これに続く内部
空間１６の成形が、図６の同一の中子（抜き型）２７で
なされている。なお、２８は下型、２９は上型である。
この中子２７の形状は、ガイドピン穴１４やファイバ穴
１２用の細径ピン２７０と、内部空間１６形成用の大型
胴部分２７２及びこれらの中間部分とに大別され、金型
しては複雑な形状となり、金型ゲートから流れ込む樹脂
の流れに方向性（配向）が生じてしまう。

【０００６】その結果、成型品のフェルールが窓２０を
有する上下非対称形状であることとあいまって、硬化収
縮率に異方性が発生し、寸法不良、精度バラツキが生ず
るという問題がある。さらにまた、応力緩和時における
歪み発生による精度不良という問題もある。

【０００７】フェルール１０内部を通過する際に、裸
ファイバ２４０に折損や傷を生じたり、ブーツ２６やフ
ェルール１０の成形バリが付着する可能性があり、取付
け失敗や製品化後の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があ
る。被覆除去されたテープファイバの先端は幾分か末広が
り状態になることが多く、ファイバ穴径は裸ファイバよ
りも数μm大きいだけであるから、ファイバ穴１２に裸
ファイバ２４０が挿入されるまでに、フェルール１０の
内部を通過するため、ファイバ穴とファイバの位置関係
を視認しずらく、挿入にスキルを要するため、組立（テ
ープ心線２４の取付け）の自動化が困難である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１にかかる本発明
の光コネクタは、図１を例にして述べると、前端部にフ
ァイバ穴１２があり、ガイドピン穴１４に挿入される嵌
合ピンにより相手側フェルール１０と位置決めされる方
式の光コネクタにおいて、前記フェルール１０が、前記
ファイバ穴１２やガイドピン穴１４を含む部品であると
ころの接続端部３０と、当該接続端部３０以外の部品で
あるところの本体後部４０とを、組み合わせたものであ
ること、を特徴とする。

【０００９】上記の本体後部４０は、請求項２のよう
に、接続端部３０の後方、若しくは、前記接続端部３０
を含めた後方であって、テープ心線２４の周囲を樹脂成
形することにより、設けることができる（図３）。

【００１０】

【発明の実施の形態】［フェルール１０について］図１
（ａ）は、従来のＭＴ形のフェルール１０であるが、こ
れを、想像線２５のところで前後に分割して、（ｂ）の
ように、角形の接続端部３０と本体後部４０の、二つの
部品とする。接続端部３０は、ファイバ穴１２並びにガ
イドピン穴１４の先端部及びファイバフナ１２とガイド
溝１８との間の後端部側が拡大したテーパ穴１２０を含
む。本体後部４０は、接続端部３０を除いた部分で、内
部に内部空間１６等を含む。

【００１１】同図（ｂ）は、単に（ａ）を２分割したも
のであるが、（ｃ）のようにしてもよい。すなわち、ガ
イド溝１８を除き後述の組立方法１では（不要になるか
ら）、また、内側底面を平面とし内部空間１６を被覆挿
入部１６２とブーツ挿入部１６４とからなるようにす
る。（ｄ）は斜視図である。

【００１２】［フェルール１０の製造］接続端部３０と
本体後部４０とを、別々に製造する。その後、これらを
組み合わせる。

【００１３】接続端部３０は従来どおり精密成形により
製造する。その材質は、現行のフェルールと同じよう
に、精密成型用のシリカフィラー入りエポキシが好適に
用いられる。ファイバ穴１２，ガイドピン穴１４のサイ
ズや位置関係（平行度、偏心度、ピッチ）は、例えばＪ
ＩＳＣ５９８１に規定する寸法精度を、厳密に保つ
ものとする。

【００１４】本体後部４０は、テープ心線２４の保持機
構であり、ガイド溝１８を省略することも可能であるか
ら、接続端部３０に比べて精度の低い単純構造の金型や
成形プロセスを採用して、精度の低い成形や短い成形サ
イクルにより製造可能である。その材質は、上記接続端
部よりも安価なもので良く、例えば汎用のエポキシ樹脂
やＰＢＴ、ＰＰＳ等を用いることができる。

【００１５】したがって、低コスト生産が可能であると
ともに、樹脂成形体内に生ずる硬化収縮率の異方性や、
歪み発生の問題に対し、接続端部３０側とそれ以外の部
分に分けて対処することができ、その結果、接続端部３
０側の精度向上と歩留まり向上が可能となる。

【００１６】なお、接続端部３０は、本体後部４０と別
体となることによって、これらの一体成形と比較して、
成型品の精度、安定性を高めることができ、また、工程
の簡略化、及び比較的安価な樹脂の使用等が可能とな
る。

【００１７】［組立方法１］図２について述べる。テープ心線２４に、ブーツ２６と本体後部４０を送り
込んでおき、裸ファイバ２４０を口出しする（ａ）。接続端部３０のファイバ穴１２に接着剤を入れてお
き、その中に裸ファイバ２４０を挿入し、固定する
（ｂ）。このとき、ファイバ先端は、テーパ穴１２０が
あるため、容易にファイバ穴に進入できる。本体後部４０とブーツ２６を、所定位置（接続端部３
０の後方に接する位置）に移動させる。テープ心線２４
と本体後部４０を接着固定する。そして、接続端部３０
と接着固定する（ｃ）。接続端部３０の前端面を研磨する（ｄ）。

【００１８】［組立方法２］図３について述べる。この
実施例は、請求項２に対応するものである。本実施例
は、接続端部３０の後方であって、テープ心線２４の周
囲に金型４２を配置し、本体後部４０を樹脂成形するこ
とによって成形して、本体後部４０と接続端部３０を接
合するようにして組み合わせる。

【００１９】まず（ｂ）で、テープ心線２４上に金型４
２を配置する。この金型４２は、ブーツ付きＭＴ形光コ
ネクタの外形を形成する内胴部を有する。（ｃ）樹脂４
０’を充填する。ここで用いられる樹脂は、接続端部３
０で用いられる特殊仕様の樹脂ではなく、前述の、安価
な汎用品を用いることができる。

【００２０】（ｄ）金型４２を取り外すと、接続端部３
０と連続するように、本体後部４０が形成される。本体
後部４０は、樹脂成型時に接続端部３０を接合する。仕
上がり外形は、ブーツ付きＭＴ形光コネクタと同様にな
る。あるいは、ブーツ部分の突出が無い形状でも良い。

【００２１】本方式では、テープ心線２４が樹脂に埋め
込まれて固定されるため、内部空間の形成と、そこへの
樹脂充填は不要である。

【００２２】なお、本方式では、予めファイバを接続端
部３０に接着し、その後、後方モールド成形している
が、この順序を逆にして、予めテープ心線２４の途中
に、本体後部４０を成形しておき、このモールド成型品
から突き出した光ファイバに接続端部３０を接着しても
良い。

【００２３】また、本体後部４０の樹脂は、接続端部３
０と同程度の樹脂、あるいはそれよりも柔らかい樹脂を
用いることができ、以下の実施例でも同様である。

【００２４】次に本体後部４０の変形例を幾つか示す。Ａ．成型時に、テープ心線２４の周りに多少の空間を残
す。つまり、モールド成型品はテープ心線２４と固定さ
れていない。本体後部４０は、テープ心線２４に沿って
スライド可能であり、接続端部３０とテープ心線２４を
接着した後に、本体後部４０を接続端部３０側へスライ
ドさせて接着一体化する。

【００２５】Ｂ．ブーツは、一体成形せずに、別部品と
して予めテープ心線２４に挿通しておき、接続端部３０
と本体後部４０を固定した後に、本体後部４０の窪みに
押圧入することもできる。

【００２６】Ｃ．本体後部４０が、接続端部３０の一面
にのみ相対するのではなく、接続端部３０の主として上
下左右面、あるいは主として上下面、あるいは主として
左右面までを覆う。本体後部４０に、接続端部３０が含
まれるということである。上下左右とは、図１（ｄ）に
おいて、紙面の上下と、紙面奥行方向が対応する。当然
のことであるが、前側のファイバ穴とピン穴の領域まで
は覆わない。しかし、接続機能に影響の出ない範囲で、
前側に本体後部の一部が存在することは許容できる。具
体的一例としては、モールド成型品の接続面側（接続端
部３０側）に、接続端部３０がすっぽりはまり入り込む
ような窪みを形成する。接続端部３０は、この窪みに填
り込み固定される。両者の固定は、接着固定か、本体後
部４０の成型時にインサートモールド方式を用いること
によりなされる。あるいは、枠状のクランプ金具を用
い、端面側の近傍を外周から機械的なクランプ方式によ
り挟み込み、接続端部と本体後部を押圧することにより
機械的になされる。

【００２７】以上は全てＭＴ形光コネクタのみについて
説明してきたが、本発明は、他形式の多心光コネクタに
も、適用可能である。

【００２８】

【発明の効果】本体後部４０は、寸法に高精密を必要
としないので、低コスト材料で良く、ハイサイクル、高
歩留まりが期待できる。そのため、コネクタ全体として
低コスト化が図られる。特に、窓付きのフェルールでな
い場合には、金型が簡単となり、その結果、成形がより
か簡単になり、成型品の寸法精度が安定し、歩留まりと
製作コストを下げることができる。フェルール１０の内部を裸ファイバ２４０が通過しな
いため、裸ファイバ２４０に折損や傷が生じたり、ブー
ツ２６やフェルール１０の成形バリが付着する可能性が
なく、取付け失敗や製品化後の信頼性への悪影響が少な
くなる。コネクタの組立にスキルを必要とせず、自動化が容易
になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１に係る本発明の説明図。

【図２】本発明の組立方法の説明図。

【図３】請求項２に係る本発明の説明図。

【図４】従来のＭＴコネクタの説明図。

【図５】ＭＴコネクタの従来の組立方法の説明図。

【図６】従来の金型の説明図。

【符号の説明】

１０フェルール１１本体１２ファイバ穴１４ガイドピン穴１６内部空間１６０被覆等挿入部１６２被覆挿入部１６４ブーツ挿入部１８ガイド溝２０窓２２接着剤２４テープ心線２４０裸ファイバ２４２被覆２５想像線２６ブーツ２７中子２８下型２９上型３０接続端部３１、４１穴４０本体後部４０’ 樹脂４２金型

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】前端部にファイバ穴１２があり、ガイド
ピン穴１４に挿入される嵌合ピンにより相手側フェルー
ル１０と位置決めされる方式の光コネクタにおいて、前
記フェルール１０が、前記ファイバ穴１２とガイドピン
穴１４を含む部品であるところの接続端部３０と、当該
接続端部３０以外の部品であるところの本体後部４０と
を、組み合わせたものであることを特徴とする、光コネ
クタ。
【請求項２】前記接続端部３０の後方、若しくは、前
記接続端部３０を含めた後方であって、テープ心線２４
の周囲を樹脂成形することにより、本体後部４０を設け
ることを特徴とする、請求項１記載の光コネクタ法。