JP2001080202A - インクジェット記録シート - Google Patents
インクジェット記録シートInfo
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Abstract
部分の耐光性と耐水性、さらに印字品質に優れたインク
ジェット記録シートを提供するものである。 【解決手段】本発明に係るインクジェット記録シート
は、支持体上の少なくとも片面に、顔料とバインダーを
主成分とするインク受容層を設けるとともに、該インク
受容層の上に水溶性高分子を主成分とするオーバーコー
ト層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該オ
ーバーコート層は還元剤を含有し、その還元剤の固形分
重量比が水性高分子の固形分重量100部に対して、5
〜10部であることを特徴とするものである。
Description
録シートに関するものであり、詳しくは、インクの印字
特性と記録特性が良好であり、かつ耐光性と耐水性が良
好なインクジェット記録シートを提供するものである。
く、現像や定着等のプロセスが不要であり、なおかつ容
易にフルカラー印刷できることから、各種プリンターや
プロッター等に利用され、近年急速に普及してきてい
る。それゆえ、インクジェット記録媒体の需要も増加傾
向にある。
ェット方式のプリンターの高解像度化に伴なって、被記
録用シートに対しても忠実なドットの再現性、鮮明な発
色等が要求されるようになり、支持体上にインク受容層
を設けたコート紙が一般的に使用されるようになってき
ている。
化やデジタルカメラの普及等の影響により、被記録用シ
ートに関しては、銀塩写真で得られるような写真調画質
に対する、より高い印字特性が要求される。それに加え
て耐水性と耐光性といった保存性に対してもより高い性
能が求められてきている。
録保存性の改善に関しては、インク組成の改良による努
力がなされている。例えば、インクジェットプリンター
に使用されるインクは水溶性染料インクが主流である
が、このものを顔料インクに変更することが試みられて
いる。しかしながら、インクジェットのプリンターヘッ
ドの目詰まり等の問題があり、未だ、インクジェットプ
リンターのインクは水溶性染料インクが主たるものとな
っている。この染料インクは、一般的に、光に対して劣
化が激しく、変色、退色や消色の問題がある。
何によっても、この光退色の現象が助長されることは、
日頃よく経験するところである。インク定着剤を使用す
ると、インク滲みが改善され、また、耐水性も付与でき
るが、インクとの相互作用が強くなると耐光性は悪化す
る傾向にある。耐光性と耐水性、双方の性能が充分であ
るインクジェット記録シートは数少ない。
する手段として、インク受理層に紫外線吸収剤を添加す
る方法がある。しかしながら、紫外線吸収剤の特性上、
白紙部が黄変したり、インク受理性を損なうため、印字
ベタ部が白く抜けてしまうような現象が生じてしまう。
特開平11−147365号公報等で報告されているよ
うな、酸化チタンで紫外線領域のエネルギーを遮断する
報告も数多くある。しかしながら、酸化チタンはその光
活性によりラジカル反応を引き起こし、原紙や塗工層、
インクの色素物質を破壊したり、酸化劣化を促進させて
しまう可能性がある。また、金属イオン特有のイオン−
双極子による弱い結合での錯体形成や、微量に存在する
異種金属イオンとの相互作用によって異種金属イオン間
での電荷移動による白紙の着色等が問題として挙げられ
る。また、経済的にも不利な点が多い。
の各種問題を克服したインクジェット記録シートを提供
することである。すなわち、経済的かつ汎用的な方法で
印字記録部分の耐光性と耐水性、さらに印字品質に優れ
たインクジェット記録シートを提供することを課題とす
る。
解決するため、本発明は以下の構成となっている。即
ち、本発明によるインクジェット記録シートは、支持体
上に形成したインク受容層と、該インク受容層上に、水
性高分子を主構成成分とするオーバーコート層を設けた
インクジェット記録シートにおいて、該オーバーコート
層中に還元剤が5〜10部含有し、かつオーバーコート
層表面のPHが5.8〜7.0の範囲内であることを特
徴とするインクジェット記録シートである。
紙、合成紙、不織布、プラスチックフィルム等が挙げら
れる。また、上記の各種支持体の形態は、片面または両
面に塗工層を設けたものや、積層タイプのものであって
も差し支えない。
の構成は、支持体上に非晶質シリカを主成分とするイン
ク受容層を形成し、該インク受容層上にオーバーコート
層を設けたインクジェット記録シートにおいて、前記イ
ンク受容層の主成分がシリカと接着成分から構成されて
おり、該インク受容層の上に樹脂等からなるオーバーコ
ート層を持つことを特徴とするものである。
成分としており、顔料の量はインクの吸収性を損なわな
いように顔料の固形分重量100部に対し、50部以下
が望ましい。使用する顔料は、印字濃度やインク吸収性
が良好で、また塗工層強度が高いものが望ましい。
顔料を含有し、また、アルカリ、酸、水溶性高分子バイ
ンダー、その他添加剤を含有しても良い。
カ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、クレー、ゼオライト、マイカ、
二酸化チタン、酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、
酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイ
ト、酸化亜鉛、擬べーマイト、ハイドロキシアパタイ
ト、層間化合物等の白色無機顔料、スチレン、エチレ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート、ナイロン等が挙げられる。以上
のような白色顔料の中でも、特に好ましいものは、非晶
質シリカや酸化アルミニウムといった多孔性白色無機顔
料である。また、それらの製造法、例えば、水熱合成
法、共沈法、凍結乾燥法、ゾル−ゲル法、CVD、PV
D、MBE法等の製造法については、限定されない。ま
た、上記の中でもインク受容層に含有させるもので、よ
り好ましいものは、多孔性無機顔料であり、多孔性合成
非晶質シリカや多孔性酸化アルミニウム等が挙げられ、
特に、細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ま
しい。
ンダーとしては、次のものが用いられる。ポリビニルア
ルコール、ポリエチレングリコール、酢酸ビニル、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酸化澱
粉、カゼイン、ゼラチン、テルペン、ポリウレタン、メ
ラミン樹脂、尿素樹脂、スチレン−ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメ
タアクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、キトサン等が例
示され、1種類以上で使用される。また、特殊な使用を
目的にイオン交換樹脂、キレート樹脂、感光性樹脂等の
適用も可能である。以上のうち、本発明においては、水
溶性高分子バインダーの使用が好ましい。特に、光によ
って生成するラジカルに耐性のあるポリウレタン系樹脂
やアクリル系樹脂、SBRラテックス等が良い。
のカチオン性インク定着剤を用いることができる。この
ものの例としては、1〜3級アミン又は、4級アンモニ
ウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーが挙げられ
る。
刷適性向上剤、カチオン性インク定着剤、増粘剤、流動
性改良剤、消泡剤、抑泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤
等を製造条件、要求性能に応じて適宜使用してもよい。
は、シリカ分散時に分散剤等により均一にシリカを分散
させた後、各種助剤を添加する。また、シリカ分散液や
インク受容層の塗工液に酸やアルカリを添加し、流動性
の調整を行なうようにしてもよい。
いては、上記塗工液を例えば、バーコーター、ブレード
コーター、エアナイフコーター、リップコーター等の塗
工方式で支持体上に塗布される。塗工後、必要に応じ
て、表面の平滑化処理のために、マシンカレンダー、ス
ーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の処理を行なっ
ても良い。
50μmの範囲であり、より好ましくは10〜30μm
である。10μm未満の場合は、インクの吸収ムラによ
るベタ部の均一性が悪化する。なお、当該インク受容層
が50μmを超える場合であっても本発明の目的とする
効果が著しく損なわれることはない。
設けるが、当該オーバーコート層の構成内容は、ウレタ
ン系樹脂と所定量の還元剤である。
は、特に、光に対するインク記録部の退色性の向上に効
果がある。その添加量は、上記樹脂の固形分重量100
部に対して、5〜10部が望ましい。また、このものの
添加により、インクジェットの印字特性を損なうことは
ない。
ート層表面のPH、すなわち紙面PHを5.8〜7.0
に制御することが肝要である。紙面PHが5.8未満で
あると耐水性は良好であるが耐光性が不良となり、白紙
部の変色も激しくなる。また、紙面PHが7.0を超え
ると耐光性は良好であるが耐水性が不良となり、インク
滲みも悪化する。さらに、白紙部の変色も大きい。した
がって、上記の紙面PHの範囲内であることが望まし
い。紙面PHの制御は、オーバーコート塗工液の調整時
に行うが、PH調整剤としては、酢酸、塩酸、硝酸、ア
ンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げ
られる。なお、この際のインク受容層の表面PHは限定
されるものではない。
の添加剤としてカチオン性インク定着剤、増粘剤、浸透
剤、消泡剤、抑泡剤を製造条件、要求性能に応じて適宜
使用してもよい。
0.5〜1.5g/m2である。0.1g/m2未満の
場合は、当該インクジェット記録シートの耐光性が悪く
なり、逆に3.0g/m2を 超えると耐光性や耐水性
は改善されるが、インク吸収性が劣り、境界滲み等が悪
化する。
ーター、エアナイフコーター、リップコーター等の塗工
方式で、インク受容層上に塗布される。塗工後、熱風乾
燥、赤外線加熱乾燥、常温乾燥、凍結乾燥等の各種乾燥
方式により乾燥する。また、乾燥後必要に応じて、表面
の平滑化処理のため、マシンカレンダー、スーパーカレ
ンダー、ソフトカレンダー等の処理を行っても良い。
する。以下の例において示す部および%はそれぞれ、特
に明示しない限り、重量部および重量%を示す。しか
し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
次の配合による20%濃度のインク受理層塗工液を固形
分で10g/m2となるようにエアーナイフコーターに
よる塗工を行った。このものをエアードライヤーで熱風
乾燥した。次いで、インク受容層塗工面に、オーバーコ
ート層塗工液を固形分塗工量で1.0g/m2となるよ
うにエアーナイフコーターによる塗工を行い、同様にエ
アードライヤーで熱風乾燥し、インクジェット記録用紙
を製造した。
成は以下のものである。 塗工液固形分濃度:20.0wt% 合成非晶質シリカ(商品名:ミズカシルP78D、水沢化学社製) 100部 ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製 10部 エチレン酢酸ビニル部(商品名:AD−6、昭和高分子社製) 40部 カチオン樹脂(商品名:パラフィックスEH、大原パラヂウム社製) 10部
の構成は以下のものである。 塗工液固形分濃度:2.5wt% ポリウレタン系樹脂(商品名:IJ−50、大日本インキ社製) 100部 亜硫酸ナトリウム(関東化学社製) 10部
し、最終的に紙面PHを5.8に調整したもの。
リウムを添加し、最終的に紙面PHを7.0に調整した
もの。
条件は実施例1に準ずる。
H を5.5に調整したもの。還元剤無添加であり、そ
の他の条件は実施例1に準ずる。
終的に紙面PHを7.5に調整したもの。還元剤無添加
であり、その他の条件は実施例1に準ずる。
H を5.5に調整したもの。その他の条件は実施例1
に準ずる。
終的に紙面PHを7.5に調整したもの。その他の条件
は実施例1に準ずる。
て、キャノン(株)製のインクジェットプリンター(BJ
C−430J)によって、フォトインクを使用し、C、
M、Y、Bk、R、G、Bの各ベタ部印刷、並びに写真
画像の印刷を行い、以下の要領で評価を行った。
ンクの滲み具合を目視観察した。
に水滴を滴下し、常温乾燥後にそのインク滲み出し具合
を目視観察した。
の耐光性 各記録シートについて水銀灯を光源とする退色試験機
(MODEL MH−1、三菱製)により常温常湿下
で、72時間の光照射後、白紙部の色相を測定した。こ
の結果を用いてΔEを算出し、それぞれの比較例と実施
例の間で評価を行った。
シートを、水銀灯を光源とする退色試験機(MODEL
MH−1、三菱製)により常温常湿下で、72時間の
光照射後、C、M、Y、Bkの各印刷ベタ部の濃度をマ
クベス濃度計にて測定した。その印字濃度の絶対値や変
化率、各色の偏差を総合的に評価し、それぞれの比較例
と実施例の間で比較検討の結果をまとめた。
部の耐水性と耐光性が良好なインクジェット記録用紙を
得る事が出来る。すなわち本発明は、インクジェット記
録シート表層にオーバーコート層を設け、その層中で適
切なPH環境に還元剤を導入することで、インクジェッ
トのインクの光照射による退色が抑えられ、かつ耐水性
を損なうことのない良好なインクジェット記録用紙が得
られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 支持体上の少なくとも片面に、顔料とバ
インダーを主成分とするインク受容層を設けるととも
に、該インク受容層の上に水溶性高分子を主成分とする
オーバーコート層を設けたインクジェット記録シートに
おいて、該オーバーコート層は還元剤を含有し、その還
元剤の固形分重量比が水性高分子の固形分重量100部
に対して、5〜10部であることを特徴とするインクジ
ェット記録シート。 - 【請求項2】 請求項1記載の水性高分子はポリウレタ
ン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載のインク
ジェット記録シート。 - 【請求項3】 請求項1記載のオーバーコート層表面の
PHは5.8〜7.0の範囲にあることを特徴とする請
求項1又は2記載のインクジェット記録シート。 - 【請求項4】 請求項1記載のオーバーコート層の塗工
量は0.5〜1.5g/m2であることを特徴とする請
求項1、2又は3記載のインクジェット記録シート。
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JP4178492B2 JP4178492B2 (ja) | 2008-11-12 |
Family
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Family Applications (1)
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-
1999
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