JP2001079401A - 水素化反応触媒及びその水素化反応触媒の製造方法 - Google Patents

水素化反応触媒及びその水素化反応触媒の製造方法

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JP2001079401A JP26120499A JP26120499A JP2001079401A JP 2001079401 A JP2001079401 A JP 2001079401A JP 26120499 A JP26120499 A JP 26120499A JP 26120499 A JP26120499 A JP 26120499A JP 2001079401 A JP2001079401 A JP 2001079401A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のパラジウム−カーボン触媒に比べ、触媒
活性を飛躍的に高めることのできる水素化触媒を提供す
る。 【解決手段】パラジウムをカーボン担体に担持した触媒
(パラジウム−カーボン触媒)であって、触媒担時の過
程において、アルカリ金属及びアルカリ土類金属に属す
る金属元素、一級アミン又は二級アミン等を用いること
により、パラジウム−カーボン触媒の触媒活性を飛躍的
に向上させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒活性を飛躍的
に高めた有機塩基性化合物の水素化反応に用いるパラジ
ウム−カーボン触媒の製造方法に関する。特に、ピリジ
ン類の完全水素化反応に適した触媒を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来より水素化反応は化学工業分野にお
いて種々の化学製品の製造過程において広く使用されて
きた。特に水素化反応は石油化学工業分野において用い
られるものであることが知られており、広範な化学薬品
の製造に用いられている。また、身近なものとしては、
水素化反応は油脂工業においては大きな技術的領域を占
め、食用油や石鹸原料の製造等に広く使用され、油脂関
係の水素化反応は硬化反応と呼ばれることもある。
【0003】これらの水素化反応には、様々の方法があ
るが、この中に水素添加触媒を用いる方法がある。水素
添加触媒は、主に不飽和結合に対する水素化反応に用い
られるものであり、第VIII族の金属元素又は銅を用
いるのが一般的である。
【0004】水素添加触媒を用いる必要性のある水素化
反応が多く利用されるのが、オクタン類の製造及び不飽
和油脂の硬化反応である。例えば、アセチレン結合を飽
和化合物とする場合には、ニッケル触媒を用いれば容易
に水素化することができる。これに対し、エチレン結合
の部分までをも部分水素化反応を行おうとすると、適正
な触媒を用いて、その触媒の持つ選択性を利用しなけれ
ばならないことは広く知られている。このとき、優れた
選択性を示す触媒として、カーボン担体付きの触媒であ
るパラジウム−カーボン触媒が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パラジ
ウム−カーボン触媒が優れた選択性を示す触媒であると
しても、その触媒の製造方法又は使用方法が異なること
により、パラジウム−カーボン触媒の示す触媒活性が全
く異なってくる。触媒とは、そもそもそのような性格を
持つものであるが、触媒活性に影響を与える元素も不明
確であり、触媒活性を飛躍的に高める要素を把握するこ
とができなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の研究者
らは、鋭意研究の結果、上述の課題を解決することので
きるピリジン類の水素化反応方法に用いる水素化反応用
触媒の製造方法及び触媒を発明するに到ったのである。
以下に示す説明では基本的に基質としてニコチン酸アミ
ドを用いた水素化反応をモデル反応として用いて説明す
ることとする。このモデル反応を化1に示す。
【0007】
【化1】
【0008】本件発明者等は、本件発明を行う前の予備
的研究として、従来のパラジウム−カーボン触媒を水素
化反応触媒として用いる場合、その水素化反応に与える
種々の元素及び化合物の影響に関し研究を行い、特定の
元素及び化合物が水素化反応時のパラジウム−カーボン
触媒の触媒活性を飛躍的に増大させる効果を示すことを
見いだした。そして、本件発明者等は、これらの特定の
元素及び化合物を、触媒製造時に直接カーボン担体に担
持した触媒を製造することを考えたのである。
【0009】従って、本発明を説明するに当たり、以下
では、まず本件発明者等が見いだした水素化反応時のパ
ラジウム−カーボン触媒の触媒活性を飛躍的に増大させ
る効果を示す特定の元素及び化合物について概説し、続
いて本件発明の内容を説明することとする。この説明に
当たっては、パラジウム−カーボン触媒を用いて、ピリ
ジン類の水素化反応を行う際の反応槽内に、以下で述べ
る特定の元素、化合物等を添加する方法により、パラジ
ウム−カーボン触媒の触媒活性増大効果を示す元素若し
くは化合物を特定、確認し、これらを触媒製造時にカー
ボン担体に予め担持することとしたのである。
【0010】第1に本件発明者等が、水素化反応時のパ
ラジウム−カーボン触媒の触媒活性を増大させるものと
して見いだしたのは、水素化反応時にその水素化反応の
結果得られる水素化物を予め反応槽に添加すると、パラ
ジウム−カーボン触媒の触媒活性が飛躍的に向上するこ
とであった。即ち、化1に示す反応を持ってすればニペ
コタミドを添加したということになる。
【0011】即ち、その水素化反応の結果得られる水素
化物を予め反応槽に添加すると、そのメカニズムは明ら
かではないが、パラジウム−カーボン触媒のカーボン担
体の表面に吸着し、その水素化物が反応促進剤としての
役割を果たすものと考えられた。このことから、添加す
る水素化物の添加量は、パラジウム−カーボン触媒の量
に応じて定められるべきものであり、一定の比例関係を
持つものと推測される。現に研究を進めた結果、当該カ
ーボン担体量に対して添加する水素化物の量を制御する
ことが妥当との結論が得られた。
【0012】図1には、ニコチン酸アミドをパラジウム
−カーボン触媒を用いて、化1に示す水素化反応を行っ
た結果について示した。この図1では、反応基質にニコ
チン酸アミド2g、溶媒であるイソブタノール25g及
び触媒であるパラジウム−カーボン触媒1.0gを加
え、反応槽内の気相雰囲気を一旦窒素ガスによる不活性
ガス置換を行った後、反応槽内の温度を150℃に加熱
し、つづいて水素ガスを導入し、液相内に存在するニコ
チン酸アミドの水素化処理を行う反応において、反応容
器内水素圧の経時変化を反応開始から定常状態に到るま
ではデータ解析可能な適当な間隔で測定し、定常状態と
なって以降は10分おきに測定した結果を示している。
このときの初期の水素ガス圧は、90kg/cmとし
た。反応容器内の水素圧の減少は、化1に示す反応が進
行した結果起こる現象であるため、反応が迅速に進行す
るほど、水素圧の減少も迅速に進行することになる。
【0013】ここで用いたパラジウム−カーボン触媒
は、従来より知られている方法で製造したものを用い
た。その従来の製造方法は、次のようなものである。溶
媒である116mlの水に、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムの40%水溶液を13.9gを混合添加し、その
混合の後に11.0gのカーボン担体となる活性炭を投
入し30分間の撹拌を行い、撹拌後に塩化パラジウム酸
溶液として0.58gのパラジウムを投入し、再度66
時間の撹拌担持を行った。続いて、密閉系内での湿式還
元法により、撹拌しつつ水素還元を行った。その後濾
過、水洗及び20mmHg、50℃の条件で乾燥させ
て、パラジウムが5wt%であるパラジウム−カーボン
触媒を得た。そして、触媒重量あたりのパラジウム濃度
が2.5wt%になるまで水を加え、これを標準触媒と
して比較用に使用した(以下、「標準触媒」と称
す。)。
【0014】触媒性能の評価は、水素化反応槽に導入し
た水素ガスが水素化反応の進行に伴い消費され減少する
ため、この減少する水素圧測定することにより行った。
図1に示した水素圧−時間の関係を示した曲線の水素圧
65kg/cmの時の曲線を微分して得られる傾きを
求め、これを水素圧の減少速度とみなし、その値の絶対
値を触媒の持つ触媒活性(以下、[P65値」と称
す。)とした。従って、このP65値が大きいほど、高
い触媒活性、即ち、反応速度が速いことを意味するもの
となる。このようにしてみると図1から、従来の標準触
媒でニペコタミドを添加することなく水素化反応を行っ
た場合のP65値は1.60、これに対し水素化反応の
際にニコチン酸アミドの水素化物であるニペコタミドを
添加するとP 65値は9.76と触媒活性が6.10倍
と飛躍的に向上している。
【0015】このときの水素化反応の際に添加する水素
化物の添加量を、ニコチン酸アミドの水素化反応を用い
て説明する。ニペコタミドの添加量とP65値との関係
を表した図2から分かるように、水素化物であるニペコ
タミドを大量に加えることは、特に水素化反応自体に悪
影響を及ぼすものではなく、特段の限定は必要としな
い。図2から見て取ることは困難であるかも知れない
が、0.5mmol/g〜10mmol/gの添加量範
囲で触媒活性が急激に変化し向上しているが、厳密に観
察すると500mmol/gまでは非常に緩やかである
が漸増しており、これ以降は飽和状態となる。一方、下
限は0.05mmol/gよりニペコタミドの添加量が
少ないと触媒活性を向上させる効果は期待できないこと
から定めたものである。
【0016】そして、上述の現象は、本件の説明に用い
たニコチン酸アミドに限らず、その他ピペリジン類の水
素化反応の全てに有効に作用するものとの結果が得られ
た。中でもニコチン酸アミドの水素化反応の結果得られ
る水素化物であるニペコタミドのような閉環2級アミン
を得るための水素化反応において、特に顕著な効果が見
られる傾向があることが分かった。
【0017】以上の結果を基に、本発明者等は、ニペコ
タミドをパラジウム−カーボン触媒に予め担持してみ
た。このときの担持は、パラジウム担持と同時にニペコ
タミド担持を行った。この触媒を用いて、ニコチン酸ア
ミドの水素化を上述の方法で行うと、従来のパラジウム
−カーボン触媒でニペコタミドを担持することなく水素
化反応を行った場合のP65値は1.60、これに対し
ニペコタミドを担持するとP65値は3.62と触媒活
性が2.26倍と、反応時の溶液中に添加した場合に比
べ劣るものの、明らかに向上することが分かった。
【0018】この担持したニペコタミドは、カーボン担
体の吸着点上に吸着する形で存在すると考えられ、しか
も、ニペコタミドは強固に吸着できるサイトにしか吸着
できないため、触媒製造工程の最終段階である洗浄工程
で、弱い吸着状態のニペコタミドは、洗い流されてしま
う。従って、反応槽中に直接添加する方法に比べ、触媒
活性の増大効果が減少したものと考えられる。
【0019】その後、鋭意研究を継続した結果、第2の
パラジウム−カーボン触媒を用い水素化反応行う際に添
加することにより触媒活性を向上させることのできるも
のとして、アルカリ金属とアルカリ土類金属を見いだし
た。更に、第3の同様の効果を示す該当化合物としては
1級アミン及び2級アミンが有用であることを見いだし
た。
【0020】これらの触媒活性を向上させる効果の中
で、アルカリ金属及びアルカリ土類金属それぞれの果た
す作用効果、1級アミン及び2級アミンそれぞれの果た
す作用効果は、触媒活性を向上させるという意味で同種
であるといえる。しかし、アルカリ金属及びアルカリ土
類金属の果たす作用機構と1級アミン及び2級アミンの
果たす作用機構は本質的に異なるものと考えられる。こ
のことについては、以下で述べることにする。
【0021】ここで、ナトリウムを例に採り、アルカリ
金属及びアルカリ土類金属の効果について説明すること
とする。本発明者らは、研究の過程において、化1に示
す如きピリジン環の完全水素化反応では、反応系に存在
するナトリウムが重要な働きをすることを知見するに到
った。このナトリウムの果たす役割を図3に示す。ナト
リウム添加量は担体であるカーボン量に対し、水酸化ナ
トリウムとして10mmol/gとして表した。ここで
用いる添加量単位は、以上及び以下においてカーボン担
体量1gに対する換算mol量として表示したものであ
る。
【0022】この図3では、反応基質にニコチン酸アミ
ドを用い、反応槽内の気相雰囲気を一旦窒素ガスによる
不活性ガス置換を行い、反応槽内温度、測定間隔は前述
したと同様の条件を使用した。また、ここで用いたパラ
ジウム−カーボン触媒は、前述の従来より知られている
方法で製造した標準触媒を用いたので重複した記載は省
略する。そして、触媒活性の評価は、前述のP65値を
用いている。
【0023】図3から、従来のパラジウム−カーボン触
媒でナトリウム元素を添加することなく水素化反応を行
った場合のP65値は1.60、これに対し水素化反応
の際に水酸化ナトリウムのかたちでナトリウムを添加す
ると、その作用メカニズムは明らかでないがP65値は
3.38と触媒活性が2.11倍となっている。但し、
ナトリウムの添加量は活性炭量に対する相対量として定
めるべきと考えられる結果が得られている。
【0024】この触媒活性の増大する現象は、ナトリウ
ムを添加する場合のみならず、ナトリウムと同じアルカ
リ金属であるリチウム、カリウム及びアルカリ土類金属
であるカルシウム等が同様の効果を発揮することが確認
できている。これらの元素は、水酸化化合物の形で添加
するのが好ましい。水素化反応に悪影響を与えることが
ないからである。
【0025】アルカリ金属であるナトリウム、リチウ
ム、カリウム及びアルカリ土類金属であるカルシウムに
は適正な使用量の範囲が存在する。各元素について各種
の添加量が反応速度(P65値)からみた水素化反応に
与える影響について調査したところ、各元素とも図4で
ナトリウムの示したと同様の傾向及び量範囲を示した。
カーボン担体の接触界面面積と関係しているためと考え
られる。
【0026】即ち、この適正添加量の範囲は、活性炭量
に対し、ナトリウム、リチウム、カリウム及びカルシウ
ムのいずれも、0.0125mmol/g〜20mmo
l/gの範囲である。0.0125mmol/gに満た
ない場合は、触媒活性を向上させるに到らず水素化反応
を促進せず、20mmol/gを越えると水素化反応の
速度は飽和して大きくならない。
【0027】そして、アルカリ金属及びアルカリ土類金
属の複数元素を組み合わせて用いても、単独元素で用い
た場合と比べ効果の点で変わることはない。このときの
添加量も、複数元素の総添加量として0.0125mm
ol/g〜20mmol/gの範囲であり、各元素の含
有比率に特別の制限はない。上限値、下限値を定めた理
由は、前述の理由と同様である。以上のアルカリ金属及
びアルカリ土類金属の示す触媒活性の向上効果より、こ
れらの金属元素をパラジウム−カーボン触媒に担持した
ところ、やはり触媒活性の向上した水素化触媒を得るこ
とができたのである。ナトリウムを吸着担持したパラジ
ウム−カーボン触媒を用いて、ニコチン酸アミドの水素
化反応を行うと、標準触媒を用いた場合のP65値が
1.60であるのに対し、P65値は2.85と触媒活
性が1.78倍となっている
【0028】第3の触媒活性増大剤である一級アミン及
び二級アミンについて説明する。以下の説明をより分か
りやすくするために、ここでアミンについて一般に知ら
れたことを整理しておくものとする。アミンはアンモニ
アと同じ幾何学的構造を有する塩基性物質である。即
ち、アンモニアの窒素と結合した水素がアルキル基で置
換されたものがアミンと考えればよい。このような幾何
学的構造を持つアミンは、アルキル基の電子供与性によ
ってローンペア電子の電子密度が増加することで、塩基
性がより強くなる。
【0029】従って、一級アミンより二級アミン、二級
アミンより三級アミンの示す塩基性が強くなるはずであ
るが、現実には三級アミンの示す塩基性が最も弱い。こ
れは、三級アミンはアンモニアの3つの水素のすべてが
アルキル基で置換された状態であるため、窒素周辺が込
み合い、他の分子は近づきにくく、解離定数が低くなる
ためである。化2に一級アミン、二級アミン及び三級ア
ミンの塩基性の序列と解離定数を示した。
【0030】
【化2】
【0031】加えて、アミン類の塩基性の強さは、窒素
と結合するアルキル基の種類によっても異なってくる。
即ち、一級アルキル、二級アルキル、三級アルキルによ
り塩基性の強さが異なるのである。このアルキル基の級
数が大きくなるほど電子供与性は大きくなり、塩基性も
強くなることになる。化3にアルキル基の級数と塩基性
の関係を示した。
【0032】
【化3】
【0033】以上に述べたアミン類の内、一級アミン及
び二級アミンを水素化反応に用いるのである。前述のニ
ペコタミドも二級アミンの一種であり、研究の結果、化
1に示すニコチン酸アミドからニペコタミドを得る水素
化反応において、アミン類が有効に作用することを見い
だしたのである。
【0034】まずここで、一級アミンについて説明す
る。反応系に窒素と低級アルキルが結合したn−ブチル
アミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミ
ン等の一級アミンを添加するとパラジウム−カーボン触
媒の触媒活性が向上することを見いだした。
【0035】この一級アミンの果たす役割を図5に示
す。ここでは一級アミンであるn−ブチルアミンを用
い、その添加量はカ−ボン量に対してn−ブチルアミン
を10mmol/g添加したものである。ナトリウムの
場合と同様に、ここでもカーボン量に対する添加量を制
御することが、最も有効であることが判明している。
【0036】図5では、反応基質にニコチン酸アミドを
用い、図1の比較試験で用いた場合と同様の条件下で水
素化処理を行い、水素化反応の時間に応じた水素圧を適
宜測定した結果を示している。また、水素化反応に用い
たパラジウム−カーボン触媒も、ナトリウムの効果を確
認した際に用いた標準触媒を用いた。そして、触媒活性
の評価は、前述のP65値を用いて評価している。
【0037】図5から、従来のパラジウム−カーボン触
媒を用い、一級アミンであるn−ブチルアミン添加する
ことなく水素化反応を行った場合のP65値は1.6
0、これに対し水素化反応の際にn−ブチルアミンを添
加するとP65値は6.51と触媒活性が4.07倍と
なっている。このようにして、研究した結果、水素化反
応の際の触媒活性を向上させることのできる適正な一級
アミンの添加量は、0.05mmol/g〜500mm
ol/gの範囲であることが分かった。
【0038】図6から分かるように、1級アミンである
n−ブチルアミン0.5mmol/g〜10mmol/
gの添加量範囲で触媒活性が急激に変化し向上している
が、前述のニペコタミドの添加と同様に厳密に観察する
と500mmol/gまでは非常に緩やかであるが漸増
しており、これ以降は完全な飽和状態となる。一方、下
限は0.05mmol/gよりn−ブチルアミンの添加
量が少ないと触媒活性を向上させる効果は顕著とならな
いことから定めたものである。
【0039】以上の一級アミンの示す触媒活性の向上効
果より、一級アミンであるn−ブチルアミン10mmo
lをパラジウム−カーボン触媒に担持したところ、やは
り触媒活性の向上した水素化触媒を得ることができたの
である。一級アミンを吸着担持したパラジウム−カーボ
ン触媒を用いて、ニコチン酸アミドの水素化反応を行う
と、標準触媒を用いた場合のP65値が1.60である
のに対し、P65値は2.92と触媒活性が1.83倍
となった。
【0040】次にパラジウム−カーボン触媒を用いた化
1に示す水素化反応で二級アミンの添加により得られる
触媒活性の向上について説明する。研究の結果、化1に
示すニコチン酸アミドの水素化反応において、反応系に
閉環二級アミンであるピペリジン類のピペリジン、3−
メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジンのいず
れかを添加するとパラジウム−カーボン触媒の触媒活性
が向上することを見いだした。これらの代表的構造式を
化4に示した。
【0041】
【化4】
【0042】この二級アミンの果たす役割を図7に示
す。ここでは二級アミンである3−メチルピペリジンを
用い、その添加量はカーボン量に対して10mmol/
gを添加したものである。
【0043】この図7では、反応基質にニコチン酸アミ
ドを用い、図1の比較試験で用いた場合と同様の条件下
で水素化処理を行い、水素化反応の時間に応じた水素圧
を5分おきに測定した結果を示している。また、水素化
反応に用いたパラジウム−カーボン触媒も、ナトリウム
の効果を確認した際に用いた従来より知られている方法
で製造したものを用いた。そして、触媒活性の評価は、
前述のP65値を用いて評価している。
【0044】図7から、従来のパラジウム−カーボン触
媒を用い、二級アミンであるピペリジンを添加すること
なく水素化反応を行った場合のP65値は1.60、こ
れに対し水素化反応の際にピペリジンを添加するとP
65値は11.62と触媒活性が7.26倍となってい
る。このようにして、研究した結果、水素化反応の際の
触媒活性を向上させることのできる適正な二級アミンの
添加量は、1級アミンの場合の適正添加量を定めたと同
様の添加量依存性を測定し、同様の理由で、0.05m
mol/g〜500mmol/gの範囲であることを確
認した。また、図3及び図5と図7とから得られる反応
速度を比較することで明らかとなるが、ここで説明した
二級アミンの持つ触媒活性の増大効果が最も大きく効果
的なものであるといえる。
【0045】以上の二級アミンの示す触媒活性の向上効
果より、二級アミンであるピペリジン10mmolをパ
ラジウム−カーボン触媒に担持したところ、やはり触媒
活性の向上した水素化触媒を得ることができたのであ
る。二級アミンを吸着担持したパラジウム−カーボン触
媒を用いて、ニコチン酸アミドの水素化反応を行うと、
標準触媒を用いた場合のP65値が1.60であるのに
対し、P65値は4.84と触媒活性が3.03倍とな
った。
【0046】以上で述べた一級アミン及び二級アミン
は、それぞれを複数組み合わせて使用することも可能で
ある。このときの一級アミンと二級アミンとの構成比
は、特に何ら制限はなく、一級アミンと二級アミンとの
総量が0.05mmol/g〜500mmol/gの範
囲であればよい。一級アミン又は二級アミンを単独で用
いる場合にも0.05mmol/g〜500mmol/
gの量が適切であったように、触媒のカーボン担体への
吸着量に比例するためと考えられるからであり、その担
体重量に応じて添加するものであり、一級アミンと二級
アミンとを組み合わせて用いても同様の添加量となるの
である。
【0047】次に、ナトリウムと一級アミン、ナトリウ
ムと二級アミン、ナトリウムと一級アミンと二級アミン
とを組み合わせて用いると、それぞれ組合せにおいてナ
トリウムとアミン類の果たす触媒活性の増大効果が重畳
して現れ、一種の使用以上の効果を発揮することが分か
った。一例として、図8にはナトリウム0.025mm
ol/gと二級アミンであるピペリジン10mmol/
gとを同時に使用して水素化反応を行った結果を示して
おり、その触媒活性P65値は13.08である。
【0048】これは前述の添加量0.025mmol/
gのナトリウム単独の場合のP65値=2.85、添加
量10mmol/gの二級アミンであるピペリジン単独
の場合のP65値=4.84よりも高くなっており、2
種の化合物が重畳して作用し、より高い触媒活性効果を
示している根拠といえる。この実験を繰り返していくと
明らかになることであるが、ナトリウムと一級アミン及
び二級アミンとは、その触媒活性を向上させる効果にお
いての作用の機構が異なると思われる結果が得られてき
た。
【0049】以上の水素化反応に使用する1級アミンと
しては、その置換基が水素以外の原子である炭素、酸
素、窒素、燐、硫黄、ホウ素、珪素、ハロゲン元素のい
ずれかの元素1〜18個で構成されているものであるこ
とが望ましい。同様に、二級アミンもその置換基が水素
以外の原子である炭素、酸素、窒素、燐、硫黄、ホウ
素、珪素、ハロゲン元素のいずれかの元素1〜18個で
構成されていることが望ましい。これは、発明者等の研
究により、この条件を越える元素数を有する一級アミン
及び二級アミンは触媒活性効果を示しにくいとの結論が
実験的に得られたためである。
【0050】中でも、触媒活性の増大効果が最も高いの
は閉環構造を持つ二級アミンと考えられ、閉環構造を持
つ二級アミンは0〜5個の置換基を備えたピペリジン類
又はピロリジン類であって、その置換基が水素以外の原
子である炭素、酸素、窒素、燐、硫黄、ホウ素、珪素、
ハロゲン元素のいずれかの元素1〜15個で構成されて
いるものが、研究の結果として触媒活性増大効果を得る
ために最良であると捉えることが可能であった。
【0051】より具体的には、一級アミンは、n−ブチ
ルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルア
ミン、n−ノルマルヘキシルアミン、n−デシルアミン
及びn−ヘキサデシルアミンのいずれか一種又は2種以
上を用いることがより好ましく、安定して触媒活性を高
く維持することが可能であった。
【0052】二級アミンは、閉環構造を持つピペリジン
類としては、ピペリジン、2−ジメチルピペリジン、3
−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、2,6−
ジメチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン及び
ニペコタミドのいずれか一種又は2種以上を用い、閉環
構造を持つピロリジン類としてはピロリジン、2−メチ
ルピロリジン及び3−メチルピロリジンのいずれか一種
又は2種以上を用いることが望ましい。これらを用いる
ことで、より安定して触媒活性を高く維持することが可
能となるからである。その他、n−ジブチルアミン、s
ec−ジブチルアミンのいずれか一種又は2種以上を用
いることも触媒活性を向上させる効果を得るのに極めて
有効であった。
【0053】以上の一級アミン及び二級アミンの示す触
媒活性の向上効果より、これらの化合物をパラジウム−
カーボン触媒に担持したところ、やはり触媒活性の向上
した水素化触媒を得ることができたのである。
【0054】以上で分かったことをまとめると、パラ
ジウム−カーボン触媒へのアルカリ金属及びアルカリ土
類金属の少なくとも一種の元素の担持、パラジウム−
カーボン触媒への一級アミン及び二級アミンの少なくと
も一種の化合物の担持、パラジウム−カーボン触媒へ
のアルカリ金属、アルカリ土類金属、一級アミン及び二
級アミンの二種以上を任意に担持、がパラジウム−カー
ボン触媒の触媒活性を向上させるために有効であると判
断できた。
【0055】そこで、請求項1〜請求項6には、上記
〜の金属元素及び化合物を担持したパラジウム−カー
ボン触媒を記載し、請求項2、請求項4及び請求項6に
は、これらの適正な担持量を記載したものとしている。
どの場合においても、下限値は、その値以下では、パラ
ジウム−カーボン触媒の触媒活性を向上させる効果が十
分に得られないことから定めたものである。上限値は、
カーボン担体の持つ吸着サイトの数で決まるため、使用
するカーボン担体の種類により一般には異なるものとな
る。ここでは、カーボンの粉体を基準として、最大限吸
着担持可能な値としている。
【0056】そして、触媒製造方法として、請求項7に
は、出発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体となる活性炭
を投入し、塩化パラジウム酸ナトリウム溶液を添加し、
所定時間経過後に還元処理をし、濾過工程、水洗工程、
パラジウム濃度調整を行って水素化反応用パラジウム−
カーボン触媒を得る方法において、出発溶液は主溶媒と
して水を用い、有機塩基性化合物と、アルカリ金属及び
アルカリ土類金属に属する少なくとも一種の金属元素と
を添加した混合溶液であることを特徴とする請求項1又
は請求項2に記載の水素化反応用パラジウム−カーボン
触媒の製造方法とした。この請求項1に記載の水素化反
応用パラジウム−カーボン触媒の製造方法を概略の製造
フローとして表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】この表1に示す出発溶液は、水、塩基性有
機化合物及びアルカリ金属水酸化物溶液の混合溶液とし
て記載している。ここで言う塩基性有機化合物とは、4
級アンモニウム塩を言う。
【0059】アルカリ金属水酸化物溶液とは、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム及び水酸化リチウムを示すも
のである。これらは触媒担持の出発溶液の段階から水酸
化物の溶液として添加することが出来る。表1ではアル
カリ土類金属水酸化物溶液を記載していないが、単に表
中から省略してるのみに過ぎず、アルカリ金属水酸化物
溶液に代えて、水酸化カルシウム溶液の添加により同様
の効果を得ることが可能である。
【0060】従って、表1に示す出発溶液は、水に上述
の塩基性有機化合物溶液とアルカリ金属水酸化物溶液又
はアルカリ土類金属水酸化物溶液とを混合したものであ
り、次にはこれに活性炭を投入し撹拌するのである。目
的とする反応速度、接触反応界面面積、触媒耐久性等の
製品品質を考慮して選択使用するものである。そして、
塩化パラジウム酸ナトリウム溶液を添加して、撹拌しつ
つパラジウム担持を行うのである。
【0061】還元処理は、一般的な水素還元か、若しく
はSBH(水素化ホウ素ナトリウム)還元のいずれかを
用いることが可能である。ここで言う水素還元は、密閉
系の湿式還元であり、前述の標準触媒を製造したと同様
で、密閉系内での湿式還元である。
【0062】同時に本件の発明者は、この還元処理にS
BH還元を用いると、ナトリウムやアミン類を用いるこ
となく触媒活性の優れた触媒を得ることが出来ることを
見いだした。言い換えれば、還元方法をSBH還元に変
更するだけで反応性の高いパラジウム−カーボン触媒を
得ることが出来るのである。また、このSBH還元は触
媒製造でアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアミン類
を用いる場合に使用しすると非常にバラツキのない安定
した高い触媒活性を有する触媒を歩留まり良く製造する
ことが可能となることが分かった。
【0063】そこで、請求項13には出発溶液を撹拌し
つつ、カーボン担体となる活性炭を投入撹拌し、塩化パ
ラジウム酸ナトリウム溶液を添加し、所定時間経過後に
還元処理をし、濾過工程、水洗工程、パラジウム濃度調
整を行って水素化反応用パラジウム−カーボン触媒を得
る方法において、還元処理はSBH(水素化ホウ素ナト
リウム)還元を用いることを特徴とする水素化反応用パ
ラジウム−カーボン触媒の製造方法とし、請求項14に
は還元処理はSBH(水素化ホウ素ナトリウム)還元を
用いることを特徴とする請求項7〜請求項12のいずれ
かに記載の水素化反応用パラジウム−カーボン触媒の製
造方法としているのである。
【0064】その後の濾過工程は、濾紙・濾布を用いた
ものであり、水洗工程はパラジウム担持後の触媒を水洗
水の測定pH値が7になるまで、蒸留水で洗浄する工程
のことである。最終的にPd濃度調整として水を加える
ことで、パラジウム−カーボン触媒を得ることができる
のである。
【0065】以上で述べたパラジウム−カーボン触媒の
製造方法は、アルカリ金属とアルカリ土類とを組み合わ
せて複数種を用いても、水素化反応時に添加して確認し
たと同様に、その効果に変化はないのである。
【0066】そして、これらアルカリ金属及びアルカリ
土類金属の内、極めて効果的に触媒担持の際に用いて触
媒活性の高い触媒を得ることができるのは、アルカリ金
属では、ナトリウム、リチウム、カリウムであり、アル
カリ土類金属ではカルシウムであることは、水素化反応
時に溶液中にこれらの元素を添加した場合と同様であ
る。これらを水素化反応用パラジウム−カーボン触媒の
触媒製造時に用いると容易に優れた触媒活性を持ち反応
速度の速い触媒を製造することが可能となるのである。
【0067】このことから、請求項17にはアルカリ金
属はナトリウム、リチウム、カリウムのいずれか一種又
は2種以上であることを特徴とする請求項7、請求項
9、請求項10及び請求項12のいずれかに記載の水素
化反応用パラジウム−カーボン触媒の製造方法とし、請
求項18にはアルカリ土類金属はカルシウムであること
を特徴とする請求項7、請求項9、請求項10及び請求
項12のいずれかに記載の水素化反応用パラジウム−カ
ーボン触媒の製造方法としたのである。
【0068】アルカリ金属及びアルカリ土類金属の適正
添加量は、活性炭量と相関関係を有するものであると考
えられるため、ナトリウム、リチウム、カリウム及びカ
ルシウムのいずれも、0.0125mmol/g〜20
mmol/gの範囲である。これは、前述の通常の標準
触媒を用いて水素化反応する際に添加した場合と同様の
値となった。0.0125mmol/gに満たない場合
は、触媒活性を向上させるに到らず水素化反応を促進せ
ず、20mmol/gを越えると水素化反応の速度は飽
和してそれ以上増大しない点も同様である。
【0069】そして、アルカリ金属及びアルカリ土類金
属の複数元素を組み合わせて用いる場合の適正添加量
も、複数元素の総添加量として0.0125mmol/
g〜20mmol/gの範囲である。上限値、下限値を
定めた理由は、前述の理由と同様である。
【0070】そこで、請求項15にアルカリ金属及びア
ルカリ土類金属に属する少なくとも一種の金属元素の添
加総量はカーボン担体1gに対し0.0125mmol
〜20mmol添加したものであることを特徴とする請
求項7、請求項9、請求項10及び請求項12のいずれ
かに記載の水素化反応用パラジウム−カーボン触媒の製
造方法としたのである。
【0071】次に、アミン類を水素化反応用パラジウム
−カーボン触媒の製造段階で加え、触媒活性の高いパラ
ジウム−カーボン触媒を得る方法について説明する。請
求項8には、出発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体とな
る活性炭を投入撹拌し、塩化パラジウム酸ナトリウム溶
液を添加し、所定時間経過後に還元処理をし、濾過工
程、水洗工程、パラジウム濃度調整を行って水素化反応
用パラジウム−カーボン触媒を得る方法において、出発
溶液は主溶媒として水を用い、有機塩基性化合物と、一
級アミン及び二級アミンに属する少なくとも一種の化合
物とを添加した混合溶液であることを特徴とする請求項
3又は請求項4に記載の水素化反応用パラジウム−カー
ボン触媒の製造方法と記載している。
【0072】研究の結果、これらの一級アミンと二級ア
ミンとを単独で用いるのみならず、それぞれを任意に組
み合わせて用いても、それぞれを単独で使用した場合と
同様の効果を得ることが可能であるとの結果が得られた
ため、請求項8のように記載したのである。
【0073】このようにして水素化反応用パラジウム−
カーボン触媒を製造すると、極めて触媒活性に優れ、反
応速度の速い触媒製造が可能となるのである。請求項7
に記載の発明と比べると、「アルカリ金属及びアルカリ
土類金属の少なくとも一種の金属元素」を「一級アミン
及び二級アミンの少なくとも一種の化合物」と置き換え
た違いがあるに過ぎないため、重複した説明は省略し、
相違点についてのみ説明する。
【0074】研究の結果、ここで言う一級アミン又は二
級アミンの適正添加量は、活性炭量と相関関係を有する
ものであると考えられ、カーボン担体重量に対し0.0
5mmol/g〜500mmol/gの範囲である。こ
れは、前述の通常の標準触媒を用いて化1に示す水素化
反応の際に添加した場合の適正値がそのまま使用でき同
様の値となる。0.05mmol/gに満たない場合
は、触媒活性を向上させるに到らず水素化反応を促進せ
ず、500mmol/gを越えると水素化反応の速度は
飽和してそれ以上に増大しない点も同様である。
【0075】そして、一級アミン及び二級アミンの複数
元素を組み合わせて用いる場合の適正添加量も、複数成
分の総添加量として0.05mmol/g〜500mm
ol/gの範囲である。上限値、下限値を定めた理由
は、前述の理由と同様である。
【0076】この結果を受け、請求項16には、一級ア
ミン及び二級アミンに属する少なくとも一種の化合物の
添加総量はカーボン担体1gに対し0.05mmol〜
500mmolであることを特徴とする請求項8、請求
項9、請求項11、請求項及び請求項12のいずれかに
記載の水素化反応用パラジウム−カーボン触媒の製造方
法としたのである。
【0077】ここで言う一級アミンとは、n−ブチルア
ミン、sec−ブチルアミン,tert−ブチルアミン
等その置換基が水素以外の原子である炭素、酸素、窒
素、燐、硫黄、ホウ素、珪素、ハロゲン元素のいずれか
の元素1〜18個で構成されている、低級置換基を持つ
ものであればよい。ここで示した以外の高級置換基では
触媒活性を増大し得ないのである。
【0078】同様に、ここで言う二級アミンとは、その
置換基が水素以外の原子である炭素、酸素、窒素、燐、
硫黄、ホウ素、珪素、ハロゲン元素のいずれかの元素1
〜18個で構成されている、低級置換基を持つものを用
いることが好ましい。高級置換基を持つ二級アミンでは
一級アミンの場合と同様に、触媒活性を増大し得ないか
らである。
【0079】このことから、請求項26には、一級アミ
ン及び二級アミンはその置換基が水素以外の原子である
炭素、酸素、窒素、燐、硫黄、ホウ素、珪素、ハロゲン
元素のいずれかの元素1〜18個で構成されていること
を特徴とする請求項3〜請求項8、請求項11〜請求項
16、請求項22及び請求項23のいずれかに記載の水
素化反応用パラジウム−カーボン触媒の製造方法とした
のである。
【0080】より具体的に言えば、一級アミン及び二級
アミンの中でも、一級アミンとしてはn−ブチルアミ
ン、sec−ブチルアミン及びtert−ブチルアミン
が特に有効であり、これらの一種を単独で用いても又は
2種以上を組み合わせて用いても、優れた触媒活性を示
す水素化反応用パラジウム−カーボン触媒を得ることが
可能である。二級アミンとしては閉環構造をもつピペリ
ジン類であるピペリジン、3−ジメチルピペリジン、
2,6−ジメチルピペリジン等、若しくは閉環構造をも
つピロリジン類であるピロリジン、2−メチルピロリジ
ン等が非常に有効に作用する。
【0081】これらを請求項20に、一級アミンとして
顕著な効果の認められたものとして、n−ブチルアミ
ン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、
n−ノルマルヘキシルアミン、n−デシルアミン及びn
−ヘキサデシルアミンのいずれか一種又は2種以上であ
ることを特徴とする請求項8、請求項9、請求項11及
び請求項12のいずれかに記載の水素化反応用パラジウ
ム−カーボン触媒の製造方法として記載したのである。
【0082】そして、請求項21には、二級アミンの
内、閉環構造をもつピペリジン類の中で、顕著な効果の
認められたものを対象として、ピペリジン、2−メチル
ピペリジン、3−メチルピペリジン、2,6−ジメチル
ピペリジン及びニペコタミドのいずれか一種又は2種以
上であることを特徴とする請求項8、請求項9、請求項
11及び請求項12のいずれかに記載の水素化反応用パ
ラジウム−カーボン触媒の製造方法としているのであ
る。
【0083】更に、請求項22には、二級アミンの内、
閉環構造をもつピロリジン類の中で、顕著な効果の認め
られたものを対象として、ピロリジン、2−メチルピロ
リジン及び3−メチルピロリジンのいずれか一種又は2
種以上であることを特徴とする請求項8、請求項9、請
求項11及び請求項12のいずれかに記載の水素化反応
用パラジウム−カーボン触媒の製造方法としたのであ
る。
【0084】以上に述べた適正添加量に従い、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、一級アミン及び二級アミンの
2種以上を適宜組み合わせて、水素化反応用パラジウム
−カーボン触媒の製造に用いることが可能であり、これ
らの組合せを考慮して、請求項9及び請求項12に記載
したのである。
【0085】ここまでの説明ではアルカリ金属、アルカ
リ土類金属、一級アミン及び二級アミンのそれぞれを単
独あるいは適宜組み合わせ水素化反応用パラジウム−カ
ーボン触媒の製造の出発溶液に含ませ製造する方法を開
示してきた。これに対し、以下で述べる製造方法は、パ
ラジウムを担持し還元処理を終了した後に、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、一級アミン及び二級アミンのそ
れぞれを単独あるいは適宜組み合わせ使用する製造方法
について説明する。
【0086】これらの製造方法を請求項10〜請求項1
2に記載したのである。請求項10に記載の発明は、出
発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体となる活性炭を投入
し、塩化パラジウム酸ナトリウム溶液を添加し、所定時
間経過後に還元処理をし、濾過工程、水洗工程、パラジ
ウム濃度調整を行って水素化反応用パラジウム−カーボ
ン触媒を得る方法において、還元処理を終了しパラジウ
ムを担持した後のカーボン担体をアルカリ金属及びアル
カリ土類金属に属する少なくとも一種の金属元素を含む
溶液中で処理することを特徴とする請求項1又は請求項
2に記載の水素化反応用パラジウム−カーボン触媒の製
造方法である。この製造フローのイメージを表2に表し
た。
【0087】
【表2】
【0088】表2に示すようにアルカリ金属水酸化物処
理を還元処理の後に行い、出発溶液へのアルカリ金属水
酸化物溶液の添加を省略している。この製造方法は、ア
ルカリ金属水酸化物溶液と触媒を担持するカーボン担体
との接触のタイミングが請求項7に記載の発明と異なる
のみであり、その他の条件及び使用成分において何ら相
違するところはない。このような工程を採用しても請求
項7に記載の水素化反応用パラジウム−カーボン触媒の
製造方法で得られると同等の性能を持つパラジウム−カ
ーボン触媒の製造が可能となる。
【0089】これと同様の関係が、請求項11と請求項
8、請求項12と請求項9のそれぞれの間に存在するの
である。
【0090】以上で述べた触媒の製造方法により得られ
る水素化反応用パラジウム−カーボン触媒は、ピリジン
類の水素化反応において、従来の製造方法で得られた水
素化反応用パラジウム−カーボン触媒の持つ触媒活性を
遙かに上回る触媒活性を示し、水素化反応を極めて迅速
に行うことを可能とする。
【0091】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る有機塩基性化
合物の水素化反応用触媒の製造方法についての最良と思
われる実施形態について説明し、得られた触媒の示す効
果についてもより詳細に説明する。
【0092】第1実施形態: ここで製造したパラジ
ウム−カーボン触媒は、前述の表1に示したと同様のフ
ローに従い、以下のようにして製造した。
【0093】出発溶液は116mlの蒸留水と、有機塩
基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメチ
ルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/g
相当)と、アルカリ金属水酸化物溶液として1Nの水酸
化ナトリウム溶液0.275ml(0.025mmol
/g相当)との混合溶液として調整したものを用いた。
【0094】この出発溶液中に、粉末状の活性炭11g
を投入し、室温で30分間の撹拌を行った。その所定時
間の撹拌後、パラジウムとして0.58gとなるよう塩
化パラジウム酸ナトリウム溶液を4.12g添加し、約
66時間撹拌した
【0095】そして、水素雰囲気下、室温で、更に23
時間攪拌することでパラジウムを水素還元し、活性炭上
に金属パラジウムを担時した。
【0096】還元処理終了後に、濾過を行い、パラジウ
ム−カーボン触媒を分取した。この分取したパラジウム
−カーボン触媒は、直ぐに水洗した。この水洗は、水洗
後の水のpH値が7.0となるまで行うものとした。そ
の後、乾燥させパラジウム濃度5wt%のパラジウム−
カーボン触媒を得た。そして、触媒重量あたり、パラジ
ウム濃度が2.5wt%になるまで水を加え、以下これ
を用いた。
【0097】そして、図9には、パラジウム−カーボン
触媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水素化反
応を行った結果について示す。反応槽内の気相雰囲気を
窒素ガスにより十分に不活性ガス置換し、反応槽内温度
を150℃に維持し、水素ガスを導入し、液相内に存在
するニコチン酸アミドの水素化処理を行い、水素化反応
の時間に応じた水素圧を5分おきに測定した結果を示し
ている。このときの初期の水素ガス圧は、90kg/c
とした。
【0098】結果は図9から分かるように、従来の標準
触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.6
0、これに対し水酸化ナトリウム溶液を担持したパラジ
ウム−カーボン触媒のP65値は2.85と触媒活性が
1.78倍と飛躍的に向上している。
【0099】この第1実施形態で用いた水酸化ナトリウ
ムに替えて、水酸化ナトリウム溶液と同じ量(0.02
5mmol/g相当)の水酸化リチウム、水酸化カリウ
ム及びアルカリ土類金属であるカルシウムを含む水酸化
カルシウムを用いてパラジウム−カーボン触媒を調整
し、同様の試験を行った場合の結果をP65値を用いて
一覧表として表3に示す。
【0100】
【表3】
【0101】表3の各P65値から判断するに、本実施
形態の水酸化ナトリウムを用いた場合と同様の効果が得
られている。
【0102】更に、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムの2種を組み
合わせて用いた結果を表4に示す。このとき組み合わせ
る薬品はそれぞれを担体1g当たり0.0125mmo
lづつ用い、トータルで担体1g当たり0.025mm
olとした。
【0103】
【表4】
【0104】表4の各P65値から判断するに、本実施
形態の水酸化ナトリウムを用いた場合と同様の効果が得
られている。従って、2種を混合した場合でも、触媒活
性の向上効果は何ら影響を受けないことがわかる。な
お、記載は省略するが、3種以上を混合使用しても何ら
問題なきことが判明している。
【0105】第2実施形態: ここで製造したパラジ
ウム−カーボン触媒は、前述の表1に示したと同様のフ
ローに従い、アルカリ金属水酸化物溶液を一級アミンに
変更して、以下のようにして製造した。
【0106】出発溶液は116mlの蒸留水と、有機塩
基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメチ
ルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/g
相当)と、一級アミンとしてn−ブチルアミン8.04
g(10mmol/g相当)との混合溶液として調整し
たものを用いた。
【0107】この混合溶液中に、活性炭11gを投入
し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹拌後、
パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラジウム
酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態を維持
し、パラジウム担持を行った。
【0108】そして、以下の還元処理、濾過工程、水洗
処理及び乾燥処理は、第1実施形態に記載したと同様で
あるため、重複した記載を省略する。その結果、乾燥後
のパラジウム濃度5wt%のパラジウム−カーボン触媒
を得た。そして、触媒重量あたり、パラジウム濃度が
2.5wt%になるまで水を加え、以下これを用いた。
【0109】図10には、このパラジウム−カーボン触
媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水素化反応
を行った結果について示す。反応条件は、第1実施形態
に記載したと同様であるため、重複した記載を省略す
る。
【0110】結果は図10から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
60、これに対しn−ブチルアミンを担持したパラジウ
ム−カーボン触媒のP65値は2.92と触媒活性が
1.83倍と飛躍的に向上している。
【0111】この第2実施形態で用いたn−ブチルアミ
ンに替え、パラジウム−カーボン触媒のカーボン担体1
gに対し10.0mmol相当の一級アミンであるse
c−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキ
シルアミン,n−デシルアミン及びn−ヘキサデシルア
ミンのいずれか一種を用いてパラジウム−カーボン触媒
を調整し、同様の試験を行った場合の結果をP65値を
用いて一覧表として表5に示す。
【0112】
【表5】
【0113】表5の各P65値から判断するに、本実施
形態のn−ブチルアミンの場合と同様に触媒活性を向上
させる効果が得られている。
【0114】更に、第2実施形態のn−ブチルアミンに
替えて、2種の一級アミンを混合して使用し、同様の手
法にて触媒活性を評価した結果を表6に示す。このとき
組み合わせる薬品はそれぞれ5mmolとし、トータル
で10mmolとした。
【0115】
【表6】
【0116】表6の各P65値から判断するに、本実施
形態の n−ブチルアミンを用いた場合と同様の効果が
得られている。従って、2種の一級アミンを混合した場
合でも、触媒活性の向上効果は何ら影響を受けないこと
がわかる。なお、記載は省略するが、3種以上の一級ア
ミンを混合使用しても、何ら問題はないことが判明して
いる。
【0117】第3実施形態: ここで製造したパラジウ
ム−カーボン触媒は、前述の表1に示したと同様のフロ
ーに従い、アルカリ金属水酸化物溶液を二級アミンに変
更して、以下のようにして製造した。
【0118】出発溶液は11.6mlの蒸留水と、有機
塩基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメ
チルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/
g相当)と、二級アミンとしてピペリジン9.37g
(10mmol/g相当)との混合溶液として調整した
ものを用いた。
【0119】この出発溶液中に、粉末状の活性炭11g
を投入し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹
拌後、パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラ
ジウム酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態
を維持し、パラジウム担持を行った。
【0120】そして、以下の還元処理、濾過工程、水洗
処理及び乾燥は、第1実施形態に記載したと同様である
ため、重複した記載を省略する。その結果、乾燥後のパ
ラジウム濃度5wt%のパラジウム−カーボン触媒を得
た。そして、触媒重量あたり、パラジウム濃度が2.5
wt%になるまで水を加え、以下これを用いた。
【0121】図11には、このパラジウム−カーボン触
媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水素化反応
を行った結果について示す。反応条件は、第1実施形態
に記載したと同様であるため、重複した記載を省略す
る。
【0122】結果は図11から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
60、これに対しピペリジンを担持したパラジウム−カ
ーボン触媒のP65値は4.84と触媒活性が3.03
倍と飛躍的に向上している。
【0123】この第3実施形態で用いたピペリジンに替
え、パラジウム−カーボン触媒のカーボン担体1gに対
し10.0mmol相当の二級アミンであるピペリジン
類としてニペコタミド、ピペリジン、2−メチルピペリ
ジン、3−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、
2,6−ジメチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリ
ジン、ピロリジン類としてピロリジン、2−メチルピロ
リジン、3−メチルピロリジン、そしてその他n−ジブ
チルアミン及びsec−ジブチルアミンのそれぞれを用
いてパラジウム−カーボン触媒を調整し、同様の試験を
行った場合の結果をP65値を用いて一覧表として表7
に示す。
【0124】
【表7】
【0125】表7の各P65値から判断するに、本実施
形態のピペリジンの場合と同様の触媒活性効果が得られ
ている。
【0126】更に、第3実施形態のピペリジンに替え
て、2種の二級アミンを混合して使用し、同様の手法に
て触媒活性を評価した結果を表8に示す。このとき組み
合わせる薬品はそれぞれ5mmolとし、トータルで1
0mmolとした。
【0127】
【表8】
【0128】表8の各P65値から判断するに、本実施
形態の ピペリジンを用いた場合と同様の効果が得られ
ている。従って、2種の二級アミンを混合した場合で
も、触媒活性の向上効果は何ら影響を受けないことがわ
かる。なお、記載は省略するが、3種以上の二級アミン
を混合使用しても、何ら問題はないことが判明してい
る。
【0129】第4実施形態: ここで製造したパラジ
ウム−カーボン触媒は、前述の表1に示したと同様のフ
ローに従い、アルカリ金属水酸化物溶液を一級アミン及
び二級アミンに変更して、以下のようにして製造した。
【0130】出発溶液は11.6mlの蒸留水と、有機
塩基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメ
チルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/
g相当)と、一級アミンとしてn−ブチルアミン4.0
2g(5.0mmol/g相当)と、二級アミンとして
ピペリジン4.69g(5.0mmol/g相当)との
混合溶液として調整したものを用いた。
【0131】この出発溶液中に、粉末状の活性炭11g
を投入し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹
拌後、パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラ
ジウム酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態
を維持し、パラジウム担持を行った。
【0132】そして、以下の還元処理、濾過工程、水洗
処理及び乾燥は、第1実施形態に記載したと同様である
ため、重複した記載を省略する。その結果、乾燥後のパ
ラジウム濃度5wt%のパラジウム−カーボン触媒を得
た。そして、触媒重量あたり、パラジウム濃度が2.5
wt%になるまで水を加え、以下これを用いた。
【0133】そして、図12には、このパラジウム−カ
ーボン触媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水
素化反応を行った結果について示す。反応条件は、第1
実施形態に記載したと同様であるため、重複した記載を
省略する。
【0134】結果は図12から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
73、これに対しn−ブチルアミン及びピペリジンを担
持したパラジウム−カーボン触媒のP65値は4.26
と触媒活性が2.66倍と飛躍的に向上している。
【0135】この第4実施形態で用いたn−ブチルアミ
ンに替え、パラジウム−カーボン触媒のカーボン担体1
gに対し5.0mmol相当の一級アミンであるsec
−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシ
ルアミン,n−デシルアミン及びn−ヘキサデシルアミ
ンのいずれか一種と、パラジウム−カーボン触媒のカー
ボン担体1gに対し5.0mmol相当の二級アミンで
あるピペリジン類としてニペコタミド、2−メチルピペ
リジン、3−メチルピペリジン、4−メチルピペリジ
ン、2,6−ジメチルピペリジン、3,5−ジメチルピ
ペリジン、ピロリジン類としてピロリジン、2−メチル
ピロリジン、3−メチルピロリジン、そして、その他n
−ジブチルアミン及びsec−ジブチルアミンのそれぞ
れを用いてパラジウム−カーボン触媒を調整し、同様の
試験を行った場合の結果をP65値を用いて一覧表とし
て表9に示す。
【0136】
【表9】
【0137】表9の各P65値から判断するに、本実施
形態のピペリジンの場合と同様の触媒活性効果が得られ
ている。
【0138】第5実施形態: ここで製造したパラジ
ウム−カーボン触媒は、前述の表1に示したと同様のフ
ローに従い、アルカリ金属水酸化物溶液の部分をアルカ
リ金属水酸化物溶液と一級アミンとに変更して、以下の
ようにして製造した。
【0139】出発溶液は116mlの蒸留水と、有機塩
基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメチ
ルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/g
相当)と、アルカリ金属水酸化物溶液として1Nの水酸
化ナトリウム溶液0.275ml(0.025mmol
/g相当)と、一級アミンとしてn−ブチルアミン8.
04g(10mmol/g相当)との混合溶液として調
整したものを用いた。
【0140】この出発溶液中に、粉末状の活性炭11g
を投入し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹
拌後、パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラ
ジウム酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態
を維持した。
【0141】そして、以下の還元処理、濾過工程、水洗
処理及び乾燥は、第1実施形態に記載したと同様である
ため、重複した記載を省略する。その結果、乾燥後のパ
ラジウム濃度5wt%のパラジウム−カーボン触媒を得
た。そして、触媒重量あたり、パラジウム濃度が2.5
wt%になるまで水を加え、以下これを用いた。
【0142】そして、図13には、このパラジウム−カ
ーボン触媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水
素化反応を行った結果について示す。反応条件は、第1
実施形態に記載したと同様であるため、重複した記載を
省略する。
【0143】結果は図13から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
60、これに対し水酸化ナトリウム溶液及びn−ブチル
アミンを担持したパラジウム−カーボン触媒のP65
は4.56と触媒活性が2.85倍と飛躍的に向上して
いる。
【0144】この第5実施形態で用いたn−ブチルアミ
ンに替え、パラジウム−カーボン触媒のカーボン担体1
gに対し10.0mmol相当の一級アミンであるse
c−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキ
シルアミン,n−デシルアミン及びn−ヘキサデシルア
ミンのいずれか一種を用いてパラジウム−カーボン触媒
を調整し、同様の試験を行った場合の結果をP65値を
用いて一覧表として表10に示す。
【0145】
【表10】
【0146】表10の各P65値から判断するに、本実
施形態のn−ブチルアミンの場合と同様に触媒活性を向
上させる効果が得られている。
【0147】更に、第5実施形態の水酸化ナトリウムを
他のアルカリ金属及びアルカリ土類金属に替え、一級ア
ミンとの組み合わせを考慮し、同様の手法にて触媒活性
を評価した結果を表11に示す。
【0148】
【表11】
【0149】表11の各P65値から判断するに、本実
施形態の場合と同様の効果が得られている。従って、他
のアルカリ金属及びアルカリ土類金属に替え、一級アミ
ンと組み合わせた場合でも、触媒活性の向上効果は何ら
影響を受けないことがわかる。
【0150】第6実施形態: ここで製造したパラジ
ウム−カーボン触媒は、前述の表1に示したと同様のフ
ローに従い、アルカリ金属水酸化物溶液の部分をアルカ
リ金属水酸化物溶液と二級アミンとに変更して、以下の
ようにして製造した。
【0151】出発溶液は11.6mlの蒸留水と、有機
塩基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメ
チルアンモニウム溶液13.9g(20mmol/g相
当)と、アルカリ金属水酸化物溶液として1Nの水酸化
ナトリウム溶液0.275ml(0.025mmol/
g相当)と、二級アミンとしてピペリジン9.37g
(10mmol/g相当)との混合溶液として調整した
ものを用いた。
【0152】この出発溶液中に、活性炭11gを投入
し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹拌後、
パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラジウム
酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態を維持
した。
【0153】そして、以下の還元処理、濾過工程、水洗
処理及びパラジウム濃度調整は、第1実施形態に記載し
たと同様であるため、重複した記載を省略する。その結
果、乾燥後のパラジウム濃度5wt%のパラジウム−カ
ーボン触媒を得た。そして、触媒重量あたり、パラジウ
ム濃度が2.5wt%になるまで水を加え、以下これを
用いた。
【0154】そして、図14には、このパラジウム−カ
ーボン触媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水
素化反応を行った結果について示す。反応条件は、第1
実施形態に記載したと同様であるため、重複した記載を
省略する。
【0155】結果は図14から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
60、これに対し水酸化ナトリウム溶液、ピペリジンを
担持したパラジウム−カーボン触媒のP65値は6.5
1と触媒活性が4.07倍と飛躍的に向上している。
【0156】この第6実施形態で用いたピペリジンに替
え、パラジウム−カーボン触媒のカーボン担体1gに対
し10.0mmol相当の二級アミンであるピペリジン
類としてニペコタミド、2−メチルピペリジン、3−メ
チルピペリジン、4−メチルピペリジン、2,6−ジメ
チルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、ピロリ
ジン類としてピロリジン、2−メチルピロリジン、3−
メチルピロリジン、そしてその他n−ジブチルアミン及
びsec−ジブチルアミンのそれぞれを用いてパラジウ
ム−カーボン触媒を調整し、同様の試験を行った場合の
結果をP65値を用いて一覧表として表12に示す。
【0157】
【表12】
【0158】表12の各P65値から判断するに、本実
施形態のピペリジンの場合と同様に触媒活性を向上させ
る効果が得られている。
【0159】更に、第6実施形態の水酸化ナトリウムを
他のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物に替
え、二級アミンとの組み合わせを考慮し、同様の手法に
て触媒活性を評価した結果を表13に示す。このとき用
いる薬品は、カーボン担体1g当たりアルカリ金属水酸
化物0.025mmol、二級アミン10mmolとし
た。
【0160】
【表13】
【0161】表13の各P65値から判断するに、本実
施形態の場合と同様の効果が得られている。従って、他
のアルカリ金属及びアルカリ土類金属に替え、二級アミ
ンと組み合わせた場合でも、触媒活性の向上効果は何ら
影響を受けないことがわかる。
【0162】第7実施形態: ここで製造したパラジ
ウム−カーボン触媒は、前述の表2に示したと同様のフ
ローに従い、以下のようにして製造した。
【0163】出発溶液は11.6mlの蒸留水と、有機
塩基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメ
チルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/
g相当)との混合溶液として調整したものを用いた。
【0164】この混合溶液中に、活性炭11gを投入
し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹拌後、
パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラジウム
酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態を維持
し、パラジウム担持を行った。
【0165】そして、第1実施形態に記載したと同様の
水素還元処理を行い、水素還元後の反応槽内にアルカリ
金属水酸化物溶液として1Nの水酸化ナトリウム溶液
0.275ml(0.025mmol/g相当)を添加
し23時間撹拌を行った。
【0166】以下の濾過工程、水洗処理及びパラジウム
濃度調整は、第1実施形態に記載したと同様であるた
め、重複した記載を省略する。その結果、乾燥後のパラ
ジウム濃度5wt%のパラジウム−カーボン触媒を得
た。そして、触媒重量あたり、パラジウム濃度が2.5
wt%になるまで水を加え、以下これを用いた。
【0167】そして、図15には、このパラジウム−カ
ーボン触媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水
素化反応を行った結果について示す。反応条件は、第1
実施形態に記載したと同様であるため、重複した記載を
省略する。
【0168】結果は図15から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
60、これに対し還元処理後に水酸化ナトリウム溶液添
加して調整したパラジウム−カーボン触媒を用いた場合
のP65値は2.84と触媒活性が1.78倍と飛躍的
に向上している。
【0169】この第7実施形態で用いた水酸化ナトリウ
ムに替えて、水酸化ナトリウム溶液と同じ量(0.02
5mmol/g相当)の水酸化リチウム、水酸化カリウ
ム及びアルカリ土類金属であるカルシウムを含む水酸化
カルシウムを用いてパラジウム−カーボン触媒を調整
し、同様の試験を行った場合の結果をP65値を用いて
一覧表として表14に示す。
【0170】
【表14】
【0171】表14の各P65値から判断するに、本実
施形態の水酸化ナトリウムを用いた場合と同様の効果が
得られている。
【0172】更に、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム及び水酸化カルシウムの2種を組み
合わせて用いた結果を表15に示す。このとき組み合わ
せる薬品はそれぞれを0.0125mmolづつ用い、
トータルで0.025mmolとした。
【0173】
【表15】
【0174】表15の各P65値から判断するに、本実
施形態の水酸化ナトリウムを用いた場合と同様の効果が
得られている。従って、2種を混合した場合でも、触媒
活性の向上効果は何ら影響を受けないことがわかる。な
お、記載は省略するが、3種以上を混合使用しても何ら
問題なきことが判明している。
【0175】第8実施形態: ここで製造したパラジ
ウム−カーボン触媒は、前述の表2に示したと同様のフ
ローに従い、アルカリ金属水酸化物溶液を二級アミンに
変更して、以下のようにして製造した。
【0176】出発溶液は11.6mlの蒸留水と、有機
塩基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメ
チルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/
g相当)との混合溶液として調整したものを用いた。
【0177】この出発溶液中に、粉末状の活性炭11g
を投入し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹
拌後、パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラ
ジウム酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態
を維持した。
【0178】そして、第1実施形態に記載したと同様の
水素還元処理を行い、水素還元後の反応槽内に二級アミ
ンとしてピペリジン9.37g(10mmol/g相
当)を添加し23時間撹拌を行った。
【0179】そして、以下の濾過工程、水洗処理及びパ
ラジウム濃度調整は、第1実施形態に記載したと同様で
あるため、重複した記載を省略する。その結果、乾燥後
のパラジウム濃度5wt%のパラジウム−カーボン触媒
を得た。そして、触媒重量あたり、パラジウム濃度が
2.5wt%になるまで水を加え、以下これを用いた。
【0180】そして、図16には、このパラジウム−カ
ーボン触媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水
素化反応を行った結果について示す。反応条件は、第1
実施形態に記載したと同様であるため、重複した記載を
省略する。
【0181】結果は図16から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
60、これに対し還元処理後に二級アミンを添加して調
整したパラジウム−カーボン触媒を用いた場合のP65
値は4.87と触媒活性が3.04倍と飛躍的に向上し
ている。
【0182】この第8実施形態で用いたピペリジンに替
え、パラジウム−カーボン触媒のカーボン担体1gに対
し10.0mmol相当の二級アミンであるピペリジン
類としてニペコタミド、ピペリジン、2−メチルピペリ
ジン、3−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、
2,6−ジメチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリ
ジン、ピロリジン類としてピロリジン、2−メチルピロ
リジン、3−メチルピロリジン、そしてその他n−ジブ
チルアミン及びsec−ジブチルアミンのそれぞれを用
いてパラジウム−カーボン触媒を調整し、同様の試験を
行った場合の結果をP65値を用いて一覧表として表1
6に示す。
【0183】
【表16】
【0184】表16の各P65値から判断するに、本実
施形態のピペリジンの場合と同様の触媒活性効果が得ら
れている。
【0185】更に、第3実施形態のピペリジンに替え
て、2種の二級アミンを混合して使用し、同様の手法に
て触媒活性を評価した結果を表17に示す。このとき組
み合わせる薬品はそれぞれ5mmolとし、トータルで
10mmolとした。
【0186】
【表17】
【0187】表17の各P65値から判断するに、本実
施形態の ピペリジンを用いた場合と同様の効果が得ら
れている。従って、2種の二級アミンを混合した場合で
も、触媒活性の向上効果は何ら影響を受けないことがわ
かる。なお、記載は省略するが、3種以上の二級アミン
を混合使用しても、何ら問題はないことが判明してい
る。
【0188】第9実施形態: ここで製造したパラジウ
ム−カーボン触媒は、前述の表2に示したと同様のフロ
ーに従い、アルカリ金属水酸化物溶液をアルカリ金属水
酸化物溶液及び二級アミンに変更して、以下のようにし
て製造した。
【0189】出発溶液は11.6mlの蒸留水と、有機
塩基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメ
チルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/
g相当)との混合溶液として調整したものを用いた。
【0190】この出発溶液中に、粉末状の活性炭11g
を投入し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹
拌後、パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラ
ジウム酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態
を維持し、パラジウム担持を行った。
【0191】そして、第1実施形態に記載したと同様の
水素還元処理を行い、水素還元後の反応槽内にアルカリ
金属水酸化物溶液として1Nの水酸化ナトリウム溶液
0.275ml(0.025mmol/g相当)と、二
級アミンとしてピペリジン9.37g(10mmol/
g相当)とを添加し23時間撹拌を行った。
【0192】以下の濾過工程、水洗処理及びパラジウム
濃度調整は、第1実施形態に記載したと同様であるた
め、重複した記載を省略する。その結果、乾燥後のパラ
ジウム濃度5wt%のパラジウム−カーボン触媒を得
た。そして、触媒重量あたり、パラジウム濃度が2.5
wt%になるまで水を加え、以下これを用いた。
【0193】そして、図17には、このパラジウム−カ
ーボン触媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水
素化反応を行った結果について示す。反応条件は、第1
実施形態に記載したと同様であるため、重複した記載を
省略する。
【0194】結果は図17から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
60、これに対し還元処理後に水酸化ナトリウム溶液及
び二級アミンを添加して調整したパラジウム−カーボン
触媒を用いた場合のP65値は6.52と触媒活性が
4.08倍と飛躍的に向上している。
【0195】この第9実施形態で用いたピペリジンに替
え、パラジウム−カーボン触媒のカーボン担体1gに対
し10.0mmol相当の二級アミンであるピペリジン
類としてニペコタミド、2−メチルピペリジン、3−メ
チルピペリジン、4−メチルピペリジン、2,6−ジメ
チルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、ピロリ
ジン類としてピロリジン、2−メチルピロリジン、3−
メチルピロリジン、そしてその他n−ジブチルアミン及
びsec−ジブチルアミンのそれぞれを用いてパラジウ
ム−カーボン触媒を調整し、同様の試験を行った場合の
結果をP65値を用いて一覧表として表18に示す。
【0196】
【表18】
【0197】表18の各P65値から判断するに、本実
施形態のピペリジンの場合と同様に触媒活性を向上させ
る効果が得られている。
【0198】更に、第9実施形態の水酸化ナトリウムを
他のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物に替
え、二級アミンとの組み合わせを考慮し、同様の手法に
て触媒活性を評価した結果を表19に示す。このとき用
いる薬品は、カーボン担体1g当たりアルカリ金属水酸
化物0.025mmol、二級アミン10mmolとし
た。
【0199】
【表19】
【0200】表19の各P65値から判断するに、本実
施形態の場合と同様の効果が得られている。従って、他
のアルカリ金属及びアルカリ土類金属に替え、二級アミ
ンと組み合わせた場合でも、触媒活性の向上効果は何ら
影響を受けないことがわかる。
【0201】第10実施形態: ここで製造したパラ
ジウム−カーボン触媒は、表20に示すフローに従い、
還元処理にSBH還元を用いたものであり、以下のよう
にして製造した。
【0202】
【表20】
【0203】出発溶液は116mlの蒸留水と、有機塩
基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメチ
ルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/g
相当)との混合溶液として調整したものを用いた。
【0204】この出発溶液中に、活性炭11gを投入
し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹拌後、
パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラジウム
酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態を維持
した。
【0205】そして、パラジウム担持後の還元処理にS
BH還元を用いた。このSBH還元の条件は、1.05
gのSBHを加え、室温で23時間攪拌することで、パ
ラジウムを水素還元し、活性炭上にパラジウムを担時し
た。
【0206】以下の濾過工程、水洗処理及び乾燥は、第
1実施形態に記載したと同様であるため、重複した記載
を省略する。その結果、乾燥後のパラジウム濃度5wt
%のパラジウム−カーボン触媒を得た。そして、触媒重
量あたり、パラジウム濃度が2.5wt%になるまで水
を加え、以下これを用いた。
【0207】そして、図18には、このパラジウム−カ
ーボン触媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水
素化反応を行った結果について示す。反応条件は、第1
実施形態に記載したと同様であるため、重複した記載を
省略する。
【0208】結果は図18から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
60、これに対しSBH還元を用いて調整したパラジウ
ム−カーボン触媒により水素化反応を行った場合のP
65値は2.85と触媒活性が1.78倍と飛躍的に向
上している。
【0209】第11実施形態: ここで製造したパラ
ジウム−カーボン触媒は、表21に示しすフローに従
い、還元処理にSBH還元を用いたものであるが、出発
溶液に二級アミンを添加したものを用い、以下のように
して製造した。
【0210】
【表21】
【0211】出発溶液は11.6mlの蒸留水と、有機
塩基性化合物として40%濃度の水酸化ベンジルトリメ
チルアンモニウム溶液13.9g(3.02mmol/
g相当)と、二級アミンとしてピペリジン9.37g
(10mmol/g相当)との混合溶液として調整した
ものを用いた。
【0212】この出発溶液中に、粉末の活性炭11gを
投入し、30分間の撹拌を行った。その所定時間の撹拌
後、パラジウムとして0.58gとなるよう塩化パラジ
ウム酸ナトリウム溶液を添加し、約66時間撹拌状態を
維持し、パラジウム担持を行った。
【0213】そして、パラジウム担持後の還元処理にS
BH還元を用いた。このSBH還元の条件は、第11実
施形態と同様であるため、重複した記載は省略する。以
下の濾過工程、水洗処理及びパラジウム濃度調整は、第
1実施形態に記載したと同様であるため、ここの重複し
た記載も省略する。
【0214】そして、図19には、このパラジウム−カ
ーボン触媒を用いて、化1に示すニコチン酸アミドの水
素化反応を行った結果について示す。反応条件は、第1
実施形態に記載したと同様であるため、重複した記載を
省略する。
【0215】結果は図19から分かるように、従来の標
準触媒のみで水素化反応を行った場合のP65値は1.
60、これに対しSBH還元を用いたパラジウム−カー
ボン触媒により水素化反応を行った場合のP65値は
6.32と触媒活性が3.95倍と飛躍的に向上してい
る。
【0216】
【発明の効果】本発明にかかる水素化反応用触媒の製造
方法を用いることにより、パラジウム−カーボン触媒の
持つ触媒活性を従来に比べ飛躍的に高めた触媒供給が可
能となり、水素化処理時間の短縮が可能となるととも
に、優れた選択性を示すためパラジウム−カーボン触媒
の用途を大きく広げることのできるものとなった。ま
た、本発明に関する研究開発を通じて、触媒活性の向上
に関わる種々の元素及び薬品の与える影響が明らかとな
り、産業界に産業界に与える影響は大きく、産業の発達
に大きく貢献できるものであると考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図2】 ニコチン酸アミドの水素化反応速度と添加水
素化物量との関係を示すグラフ。
【図3】 ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図4】 ニコチン酸アミドの水素化反応速度とナトリ
ウム添加量との関係を示すグラフ。
【図5】 ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図6】 ニコチン酸アミドの水素化反応速度と一級ア
ミン添加量との関係を示すグラフ。
【図7】 ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図8】 ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図9】 ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図10】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図11】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図12】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図13】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図14】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図15】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図16】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図17】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図18】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
【図19】ニコチン酸アミドの水素化反応における水素
ガス圧の推移を表すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 213/82 C07D 213/82 (72)発明者 谷内 淳一 神奈川県平塚市新町2番73号 田中貴金属 工業株式会社技術開発センター内 Fターム(参考) 4C054 AA02 BB03 CC01 DD01 DD04 DD08 EE01 EE04 EE08 EE38 FF01 FF04 FF08 4C055 AA01 BA01 CA06 CA58 DA01 4G069 AA03 AA08 BA08A BA08B BC01A BC08A BC72A BC72B CB02 CB65 DA08 EA02X EA02Y FB14 FC08

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピリジン類の水素化反応に用いるパラジウ
    ム−カーボン触媒であって、 パラジウムと、アルカリ金属及びアルカリ土類金属に属
    する少なくとも一種の金属元素とをカーボン担体に担持
    したことを特徴とする水素化反応用パラジウム−カーボ
    ン触媒。
  2. 【請求項2】アルカリ金属及びアルカリ土類金属に属す
    る少なくとも一種の金属元素のカーボン担体1gに対す
    る総担持量が0.0125mmol〜20mmolであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の水素化反応用パラ
    ジウム−カーボン触媒。
  3. 【請求項3】ピリジン類の水素化反応に用いるパラジウ
    ム−カーボン触媒であって、 パラジウムと、一級アミン及び二級アミンに属する少な
    くとも一種の化合物に属する少なくとも一種の化合物と
    をカーボン担体に担持したことを特徴とする水素化反応
    用パラジウム−カーボン触媒。
  4. 【請求項4】一級アミン及び二級アミンに属する少なく
    とも一種の化合物のカーボン担体1gに対する総担持量
    が0.05mmol〜500mmolであることを特徴
    とする請求項3に記載の水素化反応用パラジウム−カー
    ボン触媒。
  5. 【請求項5】ピリジン類の水素化反応に用いるパラジウ
    ム−カーボン触媒であって、 パラジウムと、一級アミン及び二級アミンに属する少な
    くとも一種の化合物と、アルカリ金属及びアルカリ土類
    金属に属する少なくとも一種の金属元素とをカーボン担
    体に担持したことを特徴とする水素化反応用パラジウム
    −カーボン触媒。
  6. 【請求項6】一級アミン及び二級アミンに属する少なく
    とも一種の化合物のカーボン担体1gに対する総担持量
    が0.05mmol〜500mmol、アルカリ金属及
    びアルカリ土類金属に属する少なくとも一種の金属元素
    のカーボン担体1gに対する総担持量が0.0125m
    mol〜20mmolであることを特徴とする請求項5
    に記載の水素化反応用パラジウム−カーボン触媒。
  7. 【請求項7】出発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体とな
    る活性炭を投入し、塩化パラジウム酸ナトリウム溶液を
    添加し、所定時間経過後に還元処理をし、濾過工程、水
    洗工程、パラジウム濃度調整を行って水素化反応用パラ
    ジウム−カーボン触媒を得る方法において、 出発溶液は主溶媒として水を用い、有機塩基性化合物
    と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属に属する少なく
    とも一種の金属元素とを添加した混合溶液であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水素化反応用
    パラジウム−カーボン触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】出発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体とな
    る活性炭を投入撹拌し、塩化パラジウム酸ナトリウム溶
    液を添加し、所定時間経過後に還元処理をし、濾過工
    程、水洗工程、パラジウム濃度調整を行って水素化反応
    用パラジウム−カーボン触媒を得る方法において、 出発溶液は主溶媒として水を用い、有機塩基性化合物
    と、一級アミン及び二級アミンに属する少なくとも一種
    の化合物とを添加した混合溶液であることを特徴とする
    請求項3又は請求項4に記載の水素化反応用パラジウム
    −カーボン触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】出発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体とな
    る活性炭を投入撹拌し、塩化パラジウム酸ナトリウム溶
    液を添加し、所定時間経過後に還元処理をし、濾過工
    程、水洗工程、パラジウム濃度調整を行って水素化反応
    用パラジウム−カーボン触媒を得る方法において、 出発溶液は主溶媒として水を用い、有機塩基性化合物
    と、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一
    種の金属元素と、一級アミン及び二級アミンの少なくと
    も一種の化合物とを添加した混合溶液であることを特徴
    とする請求項5又は請求項6に記載の水素化反応用パラ
    ジウム−カーボン触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】出発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体と
    なる活性炭を投入し、塩化パラジウム酸ナトリウム溶液
    を添加し、所定時間経過後に還元処理をし、濾過工程、
    水洗工程、パラジウム濃度調整を行って水素化反応用パ
    ラジウム−カーボン触媒を得る方法において、 還元処理を終了しパラジウムを担持した後のカーボン担
    体をアルカリ金属及びアルカリ土類金属に属する少なく
    とも一種の金属元素を含む溶液中で処理することを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の水素化反応用パラ
    ジウム−カーボン触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】出発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体と
    なる活性炭を投入撹拌し、塩化パラジウム酸ナトリウム
    溶液を添加し、所定時間経過後に還元処理をし、濾過工
    程、水洗工程、パラジウム濃度調整を行って水素化反応
    用パラジウム−カーボン触媒を得る方法において、 還元処理を終了しパラジウムを担持した後のカーボン担
    体を一級アミン及び二級アミンに属する少なくとも一種
    の化合物を含む溶液中で処理することを特徴とする請求
    項3又は請求項4に記載の水素化反応用パラジウム−カ
    ーボン触媒の製造方法。
  12. 【請求項12】出発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体と
    なる活性炭を投入撹拌し、塩化パラジウム酸ナトリウム
    溶液を添加し、所定時間経過後に還元処理をし、濾過工
    程、水洗工程、パラジウム濃度調整を行って水素化反応
    用パラジウム−カーボン触媒を得る方法において、 還元処理を終了しパラジウムを担持したカーボン担体を
    アルカリ金属及びアルカリ土類金属に属する少なくとも
    一種の金属元素と、一級アミン及び二級アミンに属する
    少なくとも一種の化合物とを含む溶液中で処理すること
    を特徴とする請求項5又は請求項6に記載の水素化反応
    用パラジウム−カーボン触媒の製造方法。
  13. 【請求項13】出発溶液を撹拌しつつ、カーボン担体と
    なる活性炭を投入撹拌し、塩化パラジウム酸ナトリウム
    溶液を添加し、所定時間経過後に還元処理をし、濾過工
    程、水洗工程、パラジウム濃度調整を行って水素化反応
    用パラジウム−カーボン触媒を得る方法において、 還元処理はSBH(水素化ホウ素ナトリウム)還元を用
    いることを特徴とする水素化反応用パラジウム−カーボ
    ン触媒の製造方法。
  14. 【請求項14】還元処理はSBH(水素化ホウ素ナトリ
    ウム)還元を用いることを特徴とする請求項7〜請求項
    12のいずれかに記載の水素化反応用パラジウム−カー
    ボン触媒の製造方法。
  15. 【請求項15】アルカリ金属及びアルカリ土類金属に属
    する少なくとも一種の金属元素の添加総量はカーボン担
    体1gに対し0.0125mmol〜20mmolであ
    ることを特徴とする請求項7、請求項9、請求項10及
    び請求項12のいずれかに記載の水素化反応用パラジウ
    ム−カーボン触媒の製造方法。
  16. 【請求項16】一級アミン及び二級アミンに属する少な
    くとも一種の化合物の添加総量はカーボン担体1gに対
    し0.05mmol〜500mmolであることを特徴
    とする請求項8、請求項9、請求項11及び請求項12
    のいずれかに記載の水素化反応用パラジウム−カーボン
    触媒の製造方法。
  17. 【請求項17】アルカリ金属はナトリウム、リチウム、
    カリウムのいずれか一種又は2種以上であることを特徴
    とする請求項7、請求項9、請求項10及び請求項12
    のいずれかに記載の水素化反応用パラジウム−カーボン
    触媒の製造方法。
  18. 【請求項18】アルカリ土類金属はカルシウムであるこ
    とを特徴とする請求項7、請求項9、請求項10及び請
    求項12のいずれかに記載の水素化反応用パラジウム−
    カーボン触媒の製造方法。
  19. 【請求項19】一級アミン及び二級アミンはその置換基
    が水素以外の原子である炭素、酸素、窒素、燐、硫黄、
    ホウ素、珪素、ハロゲン元素のいずれかの元素1〜18
    個で構成されていることを特徴とする請求項8、請求項
    9、請求項11及び請求項12のいずれかに記載の水素
    化反応用パラジウム−カーボン触媒の製造方法。
  20. 【請求項20】一級アミンはn−ブチルアミン、sec
    −ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ヘキシ
    ルアミン、n−デシルアミン及びn−ヘキサデシルアミ
    ンのいずれか一種又は2種以上であることを特徴とする
    請求項8、請求項9、請求項11及び請求項12のいず
    れかに記載の水素化反応用パラジウム−カーボン触媒の
    製造方法。
  21. 【請求項21】二級アミンは閉環構造をもつピペリジン
    類であるピペリジン、2−メチルピペリジン、3−メチ
    ルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン及びニペコ
    タミドのいずれか一種又は2種以上であることを特徴と
    する請求項8、請求項9、請求項11及び請求項121
    4のいずれかに記載の水素化反応用パラジウム−カーボ
    ン触媒の製造方法。
  22. 【請求項22】二級アミンは閉環構造をもつピロリジン
    類であるピロリジン、2−メチルピロリジン及び3−メ
    チルピロリジンのいずれか一種又は2種以上であること
    を特徴とする請求項8、請求項9、請求項11及び請求
    項12のいずれかに記載の水素化反応用パラジウム−カ
    ーボン触媒の製造方法。
  23. 【請求項23】二級アミンはn−ジブチルアミン、se
    c−ジブチルアミンのいずれか一種又は2種であること
    を特徴とする請求項8、請求項9、請求項11及び請求
    項12のいずれかに記載の水素化反応用パラジウム−カ
    ーボン触媒の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005105301A1 (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Nihon Nohyaku Co., Ltd. 触媒組成物及び製造方法
CN105709723A (zh) * 2016-01-27 2016-06-29 莫晓丽 歧化松香生产用钯碳催化剂的制备方法
CN105709722A (zh) * 2016-01-27 2016-06-29 莫晓丽 歧化松香生产用钯碳催化剂的制备方法

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