JP2001077490A - 回路基板 - Google Patents

回路基板

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JP2001077490A JP24663799A JP24663799A JP2001077490A JP 2001077490 A JP2001077490 A JP 2001077490A JP 24663799 A JP24663799 A JP 24663799A JP 24663799 A JP24663799 A JP 24663799A JP 2001077490 A JP2001077490 A JP 2001077490A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のセラミック基板では、セラミック基板自
体の破壊靭性及び強度が十分ではないため、比較的小型
サイズのセラミック基板においてさえ、数百サイクル程
度の繰り返し耐熱衝撃で、電極接合部のセラミック基板
側にクラックが発生するという問題があった。 【解決手段】セラミックス基板上の少なくとも一方の面
に金属電極、金属回路が形成されてなる回路基板におい
て、該セラミック基板は窒化アルミニウム質焼結体から
なり、窒化チタン粒子が窒化アルミニウム粒子の粒界に
含有され、そのX線回折ピーク強度を窒化アルミニウム
のメインピークの20〜50%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車、ハイ
ブリッド車、電車、などの車両関連や、エレベータ、ロ
ボット、クレーン、圧延装置等の主として大出力モータ
ーを使用する産業機械に搭載されるIGBTなどのパワ
ーモジュールや半導体パッケージ、半導体その他の電子
部品が搭載される混成集積回路装置などに好適な金属回
路を有するセラミックス回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ロボットやモーター等の高性能化
に伴い、大電力・高性能インバーター等大電力パワーモ
ジュールの変遷が進んでおり、半導体素子に発生する熱
も増加の一途をたどっている。この熱を効率よく放散す
るため、大電力パワーモジュール基板では、良好な熱伝
導を有する窒化アルミニウムからなるセラミック基板を
利用したものや、更に放熱のために金属放熱板や金属放
熱フィンを取り付けたものも採用されようになった。
【0003】このようなモジュール基板は、当初、簡単
な工作機械等に使用されてきたが、ここ数年、電車の駆
動部、電気自動車、ハイブリッドカー等で使用されるよ
うになり、より厳しい環境条件で使用されるようになっ
てきた。このような背景により、そのモジュールの重要
な構成部材として使用される窒化アルミニウムからなる
セラミック基板に対しても、耐熱性の向上、熱負荷時の
熱応力に対する強度の向上が要求されてきた。
【0004】従来、窒化アルミニウムからなるセラミッ
ク基板は、窒化アルミニウム粉末と希土類酸化物または
アルカリ土類酸化物との混合粉末の成形体を焼結する常
圧焼結法と、上記粉末又は単独の窒化アルミニウム粉末
をホットプレス焼結する方法などによりセラミック基板
をつくりそれを加工して製造されている。
【0005】一方、金属とセラミックスを接合する方法
には種々あるが、回路基板という点からは、Mo−Mn
法、活性金属ろう付け法、硫化銅法、DBC法、銅メタ
ライズ法などがあげられる。特に大電力モジュール基板
では、従来のアルミナに変わって高熱伝導性を有するの
窒化アルミニウムが注目されており、ある程度の繰り返
し耐熱衝撃に耐えうる銅板の接合方法として、例えば特
開平3−261669号公報に記載の銅板の外周部全周
0.25mm以上のろう材フィレットを形成する方法、
特開平6−275948号公報、特開平6−35021
5号公報、特開平8−139420号公報に記載の非酸
化性雰囲気下もしくは真空中で熱処理する方法等が提案
されている。
【0006】このような従来技術により作られたパワー
モジュール構造の例を図3に示す。図3(a)は従来の
パワーモジュール構造の断面図、図3(b)はその平面
図を示したものである。図3(a)において、セラミッ
ク基板4の片面に電極3、もう一方の面に接合用の金属
板12が接合されており、半導体素子1を電極3側には
んだ2で実装し、更に金属板12側で放熱板14とはん
だ13もしくは熱伝導性樹脂により接合されている。さ
らに放熱板14は組み付け金具7及びネジ8により金属
放熱器6に熱伝導性グリス5を介して組み付けられてい
る。また、図3(b)に示すように、半導体素子1は、
バスバー9および信号電極10とワイヤーボンドにより
接続される構造となっている。そして、セラミック基板
4は、概ね2〜3個の半導体素子1の実装が可能な小型
サイズに分割された構造となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
セラミック基板に対して、前記の接合方法を用いても、
セラミック基板自体の破壊靭性及び強度が十分ではない
ため、比較的小型サイズのセラミック基板においてさ
え、数百サイクル程度の繰り返し耐熱衝撃で、電極接合
部のセラミック基板側にクラックが発生していた。これ
は基本的にセラミック基板と電極材料の熱膨張差に起因
するものであるため、セラミック基板および電極のサイ
ズを更に大きくするとより短いサイクルでクラックが発
生していた。そのため、例えば100A以上の大電流を
扱う必要がある場合等は、半導体素子を多数搭載する必
要があるが、従来の方法では、ひとつのセラミック基板
上に2〜3個の半導体素子をはんだで実装することがせ
いぜいであり、それらを銅やモリブテン等の金属板やア
ルミニウムと炭化珪素などのコンポジット材で作られた
放熱板上にはんだ等で複数搭載するといった方法しか出
来ず、はんだ実装工数が多く複雑となりコストが高くな
る、サイズが小さくできない、放熱板が必要なため重量
が重い、熱抵抗が高くなるといった問題があった。
【0008】従って、より過酷な環境下で使用される、
例えば環境汚染防止の視点から最近注目され開発が進ん
できた電気自動車やハイブリッドカーなどに使用される
インバーター用のパワーモジュール等の場合、1000
サイクル以上の繰り返し熱衝撃に耐える必要がある上、
搭載スペースや車両重量の点でモジュール自体の小型
化、軽量化が必要である事などから、従来の方法は十分
に満足できるものでは無かった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記欠点に鑑み案出されたも
ので、その目的は、高強度高靭性の窒化アルミニウムか
らなるセラミック基板を用いることで、より大きな基板
サイズで1000サイクル以上の繰り返し耐熱衝撃に耐
え、半導体素子の搭載密度を高めかつモジュールの小型
化を図り、かつ冷却器への直接取り付けにより重い放熱
板を廃止し軽量化を図る事が可能となる、電気自動車や
ハイブリッドカーなどのパワーモジュールに好適な窒化
アルミニウム製回路基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミックス
基板上の少なくとも一方の面に金属電極や金属回路が形
成されてなる回路基板において、該セラミック基板は窒
化アルミニウム質焼結体からなり、窒化アルミニウム粒
子の粒界に窒化チタン粒子が含有され、そのX線回折ピ
ーク強度が、窒化アルミニウムのメインピーク強度の2
0%〜50%であることを特徴とするものである。
【0011】また、前記セラミック基板を構成する窒化
アルミニウム焼結体の破壊靭性値K1Cが3.0MPa√
m以上であり、かつ抗折強度が400MPa以上であ
り、かつ熱伝導率が80〜200W/m・Kであるもの
とするとさらに好ましい。
【0012】また、本発明においては、前記セラミック
基板を構成する窒化アルミニウム質焼結体の断面におい
て、任意に引いた50μmの直線上に存在する窒化アル
ミニウム粒子が、10〜30ヶであることがより望まし
い。
【0013】また、本発明においては、前記セラミック
基板を構成する窒化アルミニウム質焼結体の粒界相が、
周期律表第3a族元素の少なくとも1種類以上の化合物
からなり、粒界相のX線回折ピーク強度が窒化アルミニ
ウムのメインピーク強度の10〜40%であることがよ
り望ましい。
【0014】
【作用】本発明のセラミック基板によれば、窒化アルミ
ニウム粒子の粒界に窒化チタン粒子が存在し、そのX線
回折強度が窒化アルミニウムのメインピーク強度の20
〜50%の範囲で含有される。窒化チタン粒子は窒化ア
ルミニウム粒子より熱膨張率が大きい為、焼成温度から
の冷却過程で窒化アルミニウム粒子及び粒界相と窒化チ
タンの熱膨張差により材料内部に残留応力が発生し、こ
の残留応力が繰り返し熱衝撃で発生する応力を吸収する
いわゆる粒子分散効果として破壊靭性値が3.0MPa
√m以上となり、1000サイクル以上の繰り返し熱衝
撃に耐える事が可能となった。また抗折強度も400M
Pa以上となり、冷却器へ直接ネジ止めによる組付けが
可能となった。
【0015】更に、本発明によれば、セラミック基板断
面において、任意に引いた50μmの直線上に存在する
窒化アルミニウム粒子が、10〜30ヶになるように制
御すること、セラミック基板の粒界相が、周期律表3a
族元素の少なくとも1種類以上の化合物からなり、粒界
相のX線回折ピーク強度が、窒化アルミニウムのメイン
ピーク強度の10〜40%になるように制御することに
より、更に高い破壊靭性値となり、2000サイクル以
上の繰り返し熱衝撃に耐えることが可能となった。
【0016】これにより、電気自動車、ハイブリッドカ
ー等のパワーモジュールに対して、小型・軽量化に優れ
たセラミック製の回路基板を提供することが可能となっ
た。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、図1を用いて、本発明の回
路基板を用いたパワーモジュールを説明する。比較のた
め、従来構造のパワーモジュールを図3に示す。
【0018】図1において、セラミック基板4に電極3
が接合され、その上に半導体素子1がはんだ2により実
装されている。セラミック基板4は組み付け治具7及び
ネジ8により、熱伝導性グリス5を介して冷却器6に組
み付けられている。
【0019】図3に示した従来構造においては、セラミ
ック基板3及び電極4の接合部の繰り返し熱衝撃に対す
る信頼性が不十分であるため、セラミック基板3を大型
化できず、小さなサイズで作製し、複数のセラミック基
板を放熱板14にはんだ13で実装していた。この為全
体のサイズを小さくできない、はんだ実装が2回でコス
トが高い、熱抵抗が高い等の問題があった。
【0020】これに対して、図1に示した本発明の回路
基板を用いた構造においては、熱伝導率の高いセラミッ
ク基板4の高靭性・高強度化を図り電極3との接合部の
信頼性が向上した事により、セラミック基板4を大型化
し、電極3の大型一体化、金属放熱器6への直接組み付
けが可能となり、放熱板14を排除することができた。
この為、従来構造に比較して大幅な小型化・軽量化が可
能となった。
【0021】本発明のセラミック基板4は、窒化チタン
粒子を窒化アルミニウム粒子の粒界に均一に分散させる
ことによって、高靭性・高強度を達成しかつ十分な耐電
圧・絶縁性能を維持したものである。窒化アルミニウム
に対して熱膨張のおおきい窒化チタン粒子を粒界に分散
させることにより破壊靭性・強度が向上する理由は、焼
成温度からの冷却過程で窒化アルミニウム粒子及び粒界
相と窒化チタンの熱膨張差により材料内部に残留応力が
発生しこの残留応力が繰り返し熱衝撃で発生する応力を
吸収するいわゆる粒子分散効果である。
【0022】本発明において、焼結後に窒化チタンとし
て存在することが重要であり、チタンが他の化合物とし
て存在した場合、破壊靭性、強度に対して十分な効果を
発揮しないばかりか、熱伝導率を低下させる場合があり
好ましくないためX線回折強度により特定した。
【0023】窒化チタン粒子のX線回折強度が、窒化ア
ルミニウムのメインピーク強度の20%未満であれば十
分な粒子分散効果が得られず、靭性・強度共に向上しな
い。逆に50%を超えると絶縁基板として必要なレベル
の絶縁・耐圧性能が維持でず、また熱伝導率も低くなり
すぎる為好ましくない。これに対して、窒化アルミニウ
ムの優れた特徴である高熱伝導率を維持しつつ、耐電圧
性能も確保し、返し熱衝撃1000サイクル以上に耐え
うる破壊靭性及び強度を確保するためには、その強度比
が20〜50%であることが好ましい。
【0024】また、窒化チタン粒子は必ずしも窒化チタ
ンとして添加することを限定するものではなく、焼結後
に窒化チタンとして存在すれば、チタンの窒化物、炭化
物、珪化物、ホウ化物等の化合物やチタン酸塩として添
加しても何ら問題はない。また、窒化チタン粒子の大き
さは、小さすぎると十分な効果が得られず、大きすぎる
と粗大粒として強度低下を招くため、平均粒径は1〜3
0μmが望ましい。
【0025】また、焼結後に窒化チタンとして存在する
ことが重要であり、チタンが他の化合物として存在した
場合、破壊靭性、強度に対して十分な効果を発揮しない
ばかりか、熱伝導率を低下させる場合があり好ましくな
い。
【0026】また、窒化アルミニウムの断面において、
任意に引いた50μmの直線上に存在する窒化アルミニ
ウム粒子が、10ヶ未満であれば、粒成長が進みすぎる
ているため抗折強度が低下し、逆に30ヶを超えると粒
成長不足で十分な破壊靭性が得られない。従って、10
〜30ヶであることが望ましい。
【0027】また、粒界相は、周期律表第3a族元素の
少なくとの1種類以上の化合物からなり、そのX線回折
ピーク強度が、窒化アルミニウムのメインピーク強度の
10%未満であれば、これらの化合物の焼結助剤として
の役割を果たせず焼結性が低下し、十分な強度や熱伝導
率が得られない。また、40%を超えると粒界成分が多
く存在することにより熱伝導率が低下する。また添加量
が十分であっても粒径の結晶化が不十分であれば、熱伝
導率及び強度は向上しない。従って、10〜40%であ
ることが望ましい。
【0028】また、電極3とセラミック基板4の接合方
法としては、高融点金属同時焼結メタライズ法、Mo−
Mn法、DBC法、活性金属法等があるが、より大きな
サイズの回路基板をつくる上で、平坦度が重要であり焼
成後の加工が必要となることから、高融点金属同時焼結
メタライズ法は不適であり、Mo−Mn法は焼き付けが
回数が増え、ろう付け下地めっきが必要となりコストが
高くなるため不適であり、DBC法は十分な接合強度が
得られない。従って十分な接合強度が得られ、接合も1
回で行える活性金属法が望ましい。
【0029】電極3の材料としては、一般的にアルミニ
ウムや銅系の金属が使用されているが本発明のセラミッ
ク基板4においてはいずれも適用可能であるが、熱伝導
率及び導電性に優れた銅系の金属がより望ましく、中で
も活性金属を用いた接合を行う事から無酸素銅等の薄板
や閉気孔を有する銅系のメタライズで形成されたものが
望ましい。銅メタライズは、銅粉にバインダーや溶媒を
添加したものをプレス成形やテープ成形により形状に加
工し、不活性雰囲気や還元雰囲気、真空雰囲気などで焼
成して得られた閉気孔を含む成型体であり、閉気孔の存
在によりヤング率が低下し接合の応力が緩和される為、
より厚い電極を形成するのに有効な手法である。
【0030】また金属回路表面には、はんだ層2により
半導体素子1が実装されるが、はんだ層2の濡れが悪か
ったり、はんだ層2にボイドがあると熱伝導を阻害する
ため、良好なはんだ実装を行うために、電極3の表面に
はニッケル等のめっきが施されていることが望ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0032】セラミック基板4は、窒化アルミニウムを
主成分として、主焼結助剤に酸化エルビウム、添加剤に
窒化チタンの粉体を、適当な有機系バインダーを加えて
スラリー状に調整し、前記スラリーをドクターブレード
法によりシート状に成形し、前記シートを適宜寸法に加
工したものを必要な厚さに積層し、脱脂工程を経て、1
650〜1950℃の範囲で1時間以上焼成し、窒化ア
ルミニウム焼結体を得た。その後、更に研磨などの機械
加工により必要な寸法、面粗さに仕上げた。
【0033】ここで、窒化チタンのX線回折強度は主と
して添加量及び焼成条件などで調整し、破壊靭性・抗折
強度・熱伝導率は、窒化チタンの添加量、焼結助剤の添
加量、焼成温度、焼成時間、焼成雰囲気などを種々変え
て所定の特性に調整した。
【0034】電極3は、無酸素銅板を、Ag/Cu/T
i系の活性金属ロー材を用いて、真空雰囲気で850℃
で接合することにより形成したものと、あらかじめセラ
ミック基板4に上記活性金属ペーストを同様の条件で焼
き付け処理したメタライズ上に、粒径1〜50μmのC
u粉末を粒度配合し適当なバインダーを加えてペースト
状に調整したものをプリント法により、メタライズ上に
電極パターンを形成し、脱脂工程を経て600〜900
℃で焼き付けを行うことにより内部に閉気孔を導入した
Cuメタライズを作製した。いずれも電極3の厚みは、
0.25mm及び0.5mmに調整した。また活性金属
ロー材の厚みは30μmとした。
【0035】上記の方法で作製したセラミック基板4に
ついて下記の評価及び試験を実施した。
【0036】物性評価については、破壊靭性はJIS−
R1607に基づき前記セラミック基板4から試験片を
切り出してSEPB法により各水準5個測定し平均値を
算出した。抗折強度の関しては、JIS−R1601に
基づき前記セラミック基板4から試験片を切り出して3
点曲げにて各水準10個測定し平均値を算出した。熱伝
導率に関しては、JIS−R1611に基づき前記セラ
ミック基板4から直径10mm、厚さ2mmの試験片を
切り出してレーザーフラッシュ法にて各水準3個測定し
平均値を算出した。耐電圧に関してはJIS−C211
0に基づき前記セラミック基板4から直径30mm、厚
さ2mmの試験片を切り出して各水準3個測定し平均値
を算出した。窒化チタン及び粒界相のX線回折強度に関
しては、前記セラミック基板4を粉砕した後、X線回折
測定装置にて測定し、窒化チタン強度比=窒化チタンメ
インピーク(200)強度/窒化アルミニウムのメイン
ピーク(100)強度、粒界相強度比=粒界相メインピ
ーク強度合計/窒化アルミニウムのメインピーク強度と
して%で表した。
【0037】窒化アルミニウム粒子数に関しては、前記
セラミック基板4の断面を鏡面研磨した後フッ酸を用い
てエッチング処理した面について、2000倍のSEM
写真を撮影し該SEM写真上に任意に50μmの直線を
描き、その線上に含まれる窒化アルミニウムの粒子数を
各水準3箇所測定しその平均値を算出した。
【0038】繰り返し熱衝撃試験に関しては、図2
(a)の断面図に示したように、セラミック基板4上に
活性金属メタライズ15を形成し、さらにその上に電極
3を形成したものを用いて試験を実施した。電極3の形
状は、図2の平面図に示したようなものとした。大気中
−40℃×30分保持後150℃×30分保持を1サイ
クルとして2000サイクルまで行い200サイクル毎
に電極3の剥離、セラミック基板4のクラックを観察し
た。
【0039】表1、表2、表3に評価結果を示した。
【0040】
【表1】
【0041】表1は、請求項1および2に記載した窒化
チタンのX線回折強度、破壊靱性値K1c、抗折強度、
熱伝導率に対する耐電圧および繰り返し熱衝撃試験の結
果を示したものである。
【0042】表1より、窒化アルミニウムのメインピー
クのX線回折強度に対する窒化チタンのX線回折強度比
が16%であるNo.1、2は、耐電圧は10kV/m
m以上と良好であるが、Cu板0.25mmを接合した
サンプルの繰り返し熱衝撃試験結果が2000サイクル
未満でクラックや電極の剥がれが発生した。また、前記
X線回折強度比が54%、60%であるNo.9、10
は、繰り返し熱衝撃試験結果は良好であるが、耐電圧が
3kV/mm以下となった。これに対し、窒化チタンの
X線回折強度比が本発明の請求項1の範囲内であるN
o.4〜7は、破壊靭性値が3以上かつ強度が400M
Pa以上となりセラミック基板4と電極3の接合部の熱
膨張差による応力に対して十分な耐力が得られ、Cu板
電極・Cuメタライズ電極のいずれにおいても繰り返し
熱衝撃回数1000回以上となり、セラミック基板4の
クラックや電極3の剥がれが生じることがなく良好な結
果を示した。
【0043】これは窒化チタン粒子が粒界に分散される
ことによりセラミック基板4の破壊靭性・強度が改善さ
れたいわゆる粒子分散強化の効果である。X線回折強度
比が20%未満では強度は400MPa以上あるものの
破壊靭性値が3.0未満となり特に電極3が厚い場合に
耐久性が低くなった、これは窒化チタン粒子が不十分で
効果が得られなかったものと考えられる。またX線回折
強度比が50%を越えると強度、靭性は高いが耐電圧が
低くなりセラミック基板4としての絶縁性が不十分とな
り、更に窒化アルミニウムの利点である熱伝導率も80
W/m・K未満となり好ましくない。
【0044】さらに表1から、破壊靱性K1cが3以下
であるNo.3は、0.5mmのCu板を接合したセラ
ミック基板4の繰り返し耐熱衝撃試験において、200
0サイクル以下でクラックが発生したが、本発明の請求
項2の範囲内である破壊靱性K1Cが3.0MPa√m以
上であり、かつ抗折強度が400MPa以上であり、か
つ熱伝導率が80〜200W/m・Kであるようにする
と、0.5mmのCu板を接合したセラミック基板4の
繰り返し耐熱衝撃性試験においても、2000サイクル
以上の耐久性を達成できるようになる。
【0045】また表2には、セラミック基板4の鏡面研
磨面の任意の50μm長さにおける窒化アルミニウム粒
子数を5〜38の間で変量したサンプルの破壊靱性と強
度を示した。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示したように、鏡面研磨面の任意の
直線50μm長さにおける窒化アルミニウム粒子の線密
度を5個としたNo.21は、窒化アルミニウムが粒成
長しすぎることにより磁器強度が低下傾向になる。ま
た、前記線密度が48個となるNo.24は、焼結不足
で磁器強度が低下傾向になる。これに対し、本発明の請
求項3に示したように前記線密度を10〜30個にする
と破壊靭性が3.5以上、強度が450MPa以上とな
り良好なセラミック基板4とすることが可能となる。熱
伝導率についても、同様な傾向が見られる。
【0048】また、表3は、セラミック基板4の粒界相
の結晶のメインピークのX線回折強度の窒化アルミニウ
ムのメインピークに対する比を5〜48%とした場合の
TiN強度比、破壊靱性K1c、強度、熱伝導率、Al
N線密度、耐電圧を評価した結果を示したものである。
【0049】
【表3】
【0050】表3より、セラミック基板4の粒界相が周
期律表3a族元素の少なくとも1種類以上の化合物から
なり、窒化アルミニウムのX線回折のメインピークに対
する粒界相のX線回折ピーク強度比が10%未満になる
と焼結助剤としての効果が低くなり焼結性が低下し十分
な強度や熱伝導が得られず好ましくない。また、粒界相
の前記X線回折強度比が粒界強度比が40%を越えると
粒界成分が多く存在することにより熱伝導率が低下し好
ましくない。
【0051】これに対し、前記X線回折強度比が10〜
40%であると破壊靭性値が3.5以上、強度が450
MPa以上、熱伝導率が100W/m・Kとより向上さ
せることが可能となる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ックス基板上の少なくとも一方の面に金属電極や金属回
路が形成されてなる回路基板において、当該セラミック
基板に窒化チタン粒子が窒化アルミニウム粒子の粒界に
含有され、X線回折ピーク強度が、窒化アルミニウムの
メインピーク強度の20%〜50%である回路基板とす
ることにより、繰り返し熱衝撃の環境下における電極接
合部の剥離や基板にクラックなどが生じることがない信
頼性の高い回路基板を提供できる。
【0053】また、破壊靭性K1Cが3.0MPa√m以
上であり、かつ抗折強度が400MPa以上であり、か
つ熱伝導率が80W/m・Kとすることにより、さらに
性能を改善できる。
【0054】また回路基板を大型化が可能となるためパ
ワーモジュールとしてもはんだ実装工数の削減や放熱板
の削除による、小型軽量化及び低コスト化に貢献するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路基板を用いたパワーモジュール構
造を示しており、(a)は断面図、(b)は平面図であ
る。
【図2】評価に用いた回路基板の構造を示しており、
(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図3】従来の回路基板を用いたパワーモジュール構造
を示しており、(a)は断面図、(b)は平面図であ
る。
【符号の説明】
1: 半導体素子 2: はんだ層 3: 電極 4: セラミック基板 5: 導電性グリース 6: 金属放熱器 7: 組み付け金具 8: ねじ 9: バスバー 10: 信号電極 11: ボンディングワイヤー 12: 金属板 13: はんだ 14: 放熱板 15: 活性金属メタライズ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基板上の少なくとも一方の面に
    金属電極や金属回路が形成されてなる回路基板におい
    て、上記セラミック基板は、主成分をなす窒化アルミニ
    ウム粒子の粒界に窒化チタン粒子が含有された窒化アル
    ミニウム質焼結体からなり、上記窒化チタンのX線回折
    ピーク強度が窒化アルミニウムのメインピーク強度の2
    0〜50%であることを特徴とする回路基板。
  2. 【請求項2】上記セラミック基板は破壊靭性値K1C
    3.0MPa√m以上、抗折強度が400MPa以上、
    かつ熱伝導率が80〜200W/m・Kであることを特
    徴とする請求項1記載の回路基板。
  3. 【請求項3】上記セラミック基板の断面において、任意
    に引いた50μmの直線上に存在する窒化アルミニウム
    粒子が、10〜30個であることを特徴とする請求項1
    に記載の回路基板。
  4. 【請求項4】前記セラミック基板をなす窒化アルミニウ
    ム質焼結体の粒界相が、周期律表第3a族元素の少なく
    とも1種類以上の化合物からなり、粒界相のX線回折ピ
    ーク強度が窒化アルミニウムのメインピーク強度の10
    〜40%であることを特徴とする請求項1に記載の回路
    基板。
  5. 【請求項5】上記金属電極又は金属回路が銅系の金属板
    もしくは銅系の閉気孔をもつメタライズで形成され、上
    記セラミック基板と活性金属法で接合されていることを
    特徴とする請求項1に記載の回路基板。
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