JP2000294888A - 放熱配線基板 - Google Patents

放熱配線基板

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JP2000294888A
JP2000294888A JP11095529A JP9552999A JP2000294888A JP 2000294888 A JP2000294888 A JP 2000294888A JP 11095529 A JP11095529 A JP 11095529A JP 9552999 A JP9552999 A JP 9552999A JP 2000294888 A JP2000294888 A JP 2000294888A
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
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Abstract

(57)【要約】 【課題】放熱配線基板に冷熱サイクルや外力が加わると
残留応力と相まってきわめて大となり、クラックを発生
させたり、そのクラックが進展して他の配線導体を断線
する可能性があった。 【解決手段】窒化アルミニウム基板の両面または片面に
4a族元素、1b族元素、6a族元素及びMnから選ば
れる少なくとも一種以上からなるメタライズ層が形成さ
れ、その上にAg、Cu、Alから選ばれる少なくとも
一種以上の1〜30%の気孔率を有し、内部から表面に
向かってかもしくは一方の面から他方の面に向かって1
%〜20%の気孔率の勾配を持つ金属板を接合して放熱
配線基板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車、ハイ
ブリッド車、新幹線、地下鉄、通勤電車、エレベータ、
ロボット、クレーンや空調装置等に搭載されるパワーデ
バイスであるIGBT(Insulated GateBipolar Transis
tor)や、半導体素子が収容搭載される半導体素子収納用
パッケージや、半導体素子の他にコンデンサや抵抗体等
の各種電子部品が搭載される混成集積回路装置等で、大
電流を流すことが可能な低抵抗配線導体を有する放熱配
線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パワーデバイスは、最も歴史のある半導
体素子であるが、近年、高耐圧化、大電流化、高速・高
周波化、高機能化が著しく進み、IGBT、GTO 、IPM 、パ
ワーMOS FET 等の高速のMOS 系パワーデバイスが出現す
るに至った。これらのパワーデバイスは、自動車、イン
バータ電車、ストロボ、電子レンジ、ゴルフカート等に
広く利用されている。しかしながら、環境問題を背景に
ハイブリッド車、電気自動車が一般に普及しつつある昨
今では、これらのパワーデバイス、特にIGBTの耐高電圧
化、小型化、薄型化、軽量化が要求されている。
【0003】放熱配線基板としては、特開平7−162
157号公報では、『複数の絶縁層からなる多層基板上
にパワー素子を配置し、一以上の絶縁層のパワー素子下
部領域に前記パワー素子の熱伝達用導体を充填したこと
を特徴とする多層基板。』が提案され、特開昭63−1
20448号公報では、放熱用基板として、『低熱膨張
性金属材料の繊維からなる基材に、放熱性の良い金属材
料を含浸させてなる放熱用基板。』が提案されている。
これらの基板は、例えば、半導体素子収納用パッケージ
に適用した場合には、その絶縁基体の凹部底面に半導体
素子をガラスあるいは樹脂、ロウ材等の接着剤を介して
接着固定すると共に、半導体素子の各電極が凹部周辺に
位置する配線導体にワイヤボンディングを介して電気的
に接続され、金属やセラミックスなどからなる蓋体を前
記凹部をふさぐように前記接着剤と同様の封止剤を介し
て接合し、絶縁基体の凹部内に半導体素子を機密に収容
することにより最終製品としての半導体装置としてい
た。
【0004】図4に従来技術の放熱配線基板の構造を示
す。これら従来技術の構成は、AlSiCからなる基板
9上に半田10を介して一般的にはAl等からなる金属
板11が接合され、その上にメタライズ12を介して窒
化アルミニウム基板13が絶縁基板として接合され、さ
らにもう一度メタライズ14、Al等の金属板15が接
合され、半田16を介して半導体チップ17が接合され
るという多段構造をとっていた。また、AlSiCから
なる基板9上にはバスバー18が形成され、空間配線に
より半導体素子17と接続されていた。さらに、前記基
板9はラジエター8上に設置され、半導体チップ17で
発生する熱を放熱する構造になっていた。従来技術で
は、窒化アルミニウム基板13は絶縁基板としてのみ利
用され、半導体チップ17で発熱された熱をラジエター
8に落とし込む放熱板としての意味はなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の放熱配線基板は、例えば100A以上もの大電流を
流せることが要求され、なおかつ、−40℃〜150℃
の繰り返し冷熱環境で使用されるような放熱配線基板、
例えば、環境問題への取り組みから登場を余儀なくされ
ているハイブリッド車、電気自動車、次期新幹線に使用
される各種制御機器などをはじめとする用途には適用で
きなかった。もし前記従来の放熱配線基板を以上述べた
ような用途に使用した場合には、低抵抗配線導体である
金属板15と窒化アルミニウム基板13との間に両者の
熱膨張差に起因する熱応力が発生し、特に低抵抗配線導
体である金属板15端部近傍のセラミックスに応力が集
中して大きな残留応力となり、その結果、放熱配線基板
に冷熱サイクルや外力が加わると前記残留応力と相まっ
てきわめて大となり、前記放熱絶縁基板にクラックを発
生させたり、そのクラックが進展して低抵抗配線導体で
ある金属板15を破損する可能性があった。
【0006】
【課題を解決する為の手段】そこで、本発明者等は、酸
化エルビウム、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム
から選ばれる少なくとも一種以上を5〜15重量%含有
し、それを主焼結助剤とする表面粗さRaが2μm以下
の窒化アルミニウム質焼結体からなる放熱配線基板であ
って、その窒化アルミニウム基板の両面または片面に4
a族元素、1b族元素、6a族元素及びMnから選ばれ
る少なくとも一種以上からなるメタライズ層が形成さ
れ、その上にAg、Cu、Alから選ばれる少なくとも
一種以上の1〜30%の気孔率を有し、内部から表面に
向かって、もしくは一方の面から他方の面に向かって1
%〜20%の気孔率の勾配を持つ金属板を接合して放熱
配線基板とすることにより、前記課題を解決した。
【0007】本発明によれば、低抵抗配線導体である金
属板に所定の気孔を備えることによって、窒化アルミニ
ウム基板との熱膨張差に起因する熱応力が誘発するクラ
ックの発生やそのクラックの進展を防ぎ、低抵抗配線導
体である金属板の断線や剥離を防ぎ、従って低抵抗配線
導体に接続された他の配線導体を断線したりすることが
無く、配線導体の低抵抗化を実現して、100A以上の
大電流を流すことが可能で、しかも、−40℃〜150
℃の冷熱環境で繰り返し使用しても不具合の起こらない
高信頼性の放熱配線基板が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1に示す。
本発明の放熱配線基板は、窒化アルミニウム基板2を直
接ラジエター1の上に接合し、メタライズ3を介して、
Ag、Cu、Alから選ばれる少なくとも一種以上から
なり、1〜30%の気孔率を有し、内部から表面に向か
って、もしくは一方の面から他方の面に向かって1%〜
20%の気孔率の勾配を持つ金属板4が接合され、その
上にNiメッキ5が施され、半田6を介して半導体チッ
プ7が接合される構成となっている。
【0009】本発明では、上記金属板4として所定の気
孔を有するものを用いたことを特徴とする。これは、メ
タライズ層3上に形成される金属板4に1〜30%の気
孔率を与えることにより金属板4のヤング率を低下さ
せ、金属板4を変形させやすくする事により、金属とセ
ラミックスとの熱膨張係数の差に起因する応力を低下さ
せ、放熱配線基板としての高信頼性を確保する為であ
る。気孔率が1%以下では応力緩和の効果が得られず、
30%以上では気孔率が大きすぎてNiメッキ5が形成
できない。
【0010】また、上記金属板4は、内部から表面に向
かって、もしくは一方の面から他方の面に向かって1〜
20%の気孔率の勾配を持つ。これは、内部の気孔率に
比べ表面の気孔率が大きくなることを意味する。均一な
気孔率を持つ金属板4よりも、接合させるメタライズ3
側に気孔を集中させた金属板4の方がより前述の応力緩
和の効果が大きいことを、また半導体チップ7側に気孔
を集中させた場合には半田疲労の低減に効果があり、ま
た金属板4の中心部に比べて両側つまりメタライズ3側
にも半導体チップ7側にも多くの気孔を形成させれば、
もっとも信頼性に富む放熱配線基板とできることを見出
したからである。
【0011】なお、気孔率の勾配とは、金属板4内の気
孔率の高い表面部分と低い内部の差を意味する。例え
ば、表面部分の気孔率が23%で内部の気孔率が3%で
あると、その差の20%が気孔率の勾配となる。
【0012】金属板4は、内部の気孔率を高くすると熱
応力を緩和する効果は大きくなるが、大電流を流す導体
としてみると抵抗値が高くなってしまうので、金属板4
の厚みを厚くする必要がある。すると、金属板4を介し
ての熱伝導が低下するので好ましくない。
【0013】これに対し、本発明のように、金属板4に
気孔率の勾配を持たせ、例えば表面付近の気孔率の高い
部分で熱応力を緩和し、内部の気孔率の低い部分で抵抗
を下げ熱伝導性を高めるように構成すると、熱応力の緩
和、抵抗値を下げる、熱伝導性を高めるという3つの目
標を同時に維持することができるようになる。
【0014】この金属板4の気孔率を調整する方法とし
ては、一般的には窒化アルミニウム基板2のメタライズ
層3上に形成する金属粉末層の焼き付け温度の調整で気
孔率調整を行うが、気孔率の勾配等の所望の気孔率を正
確に得るためには、金属粉末層にあらかじめ所望の大き
さのプラスチックビーズを所望の位置に適量混入させて
おく方法がある。
【0015】本発明者等は、図3に示すように、Cu等
の金属粉末に平均粒径10〜80μmのプラスチックビ
ーズを5〜25容量%と適量のバインダーおよび溶剤を
混合したインクとCu粉末および適量のバインダーおよ
びの溶剤を混合したインクを用意し、プラスチックビー
ズ入りのインクを0.2mmの厚みで印刷して気孔率の
大きい金属層21を形成し、その上にプラスチックビー
ズの入っていないインクを0.2mmの厚み印刷して気
孔率の小さな金属層22を形成し、さらにその上にプラ
スチックビーズ入りのインクを0.2mm厚みで印刷し
て気孔率の大きな金属層23を形成した後に、700〜
900℃にて真空中で焼き付けて気孔率の勾配を持つ金
属板4を作製した。
【0016】また、緻密な薄い金属板4上に、金属粉
体、プラスチックビーズ、油性の溶媒と適当なバインダ
ーを混合したインクを印刷し、700〜800℃程度の
温度で印刷した銅の粉末を適度に焼結させて、片側のみ
気孔率を持つ金属板4を得る方法もある。
【0017】気孔率の勾配の測定については、金属板4
の測定したい部分を平面研磨あるいはダイヤモンド工具
で切断して所望のテストピースを作製し鏡面研磨した
後、適当なエッチング液で気孔を塞いでいる金属の薄い
皮を除去した後にSEM、画像解析装置を用いて気孔の
大きさ、分布を測定する。全体の気孔率については、厚
み方向全体の気孔率の平均とし、それぞれ5点の平均を
とる。
【0018】金属板4としては、Ag、Cu、Alの少
なくとも1種を用いるが、これらを用いる理由は、これ
らの金属のヤング率が大きく熱膨張差による応力を吸収
しやすいためである。
【0019】窒化アルミニウム基板2は、酸化エルビウ
ム、酸化イッテルビウム、酸化イットリウムから選ばれ
る少なくとも一種以上を5〜15重量%含有し、それを
主焼結助剤とする窒化アルミニウム質焼結体を用いる
が、これらの三つの焼結助剤を使用した場合に窒化アル
ミニウムの破壊靱性値がもっとも高くなり、上述の低抵
抗配線導体と窒化アルミニウム基板2との間に両者の熱
膨張差に起因する熱応力に対しての大きな抵抗力とな
る。5重量%以下では、焼結性に乏しく、15重量%以
上では、焼結時の粒成長に起因する磁器強度低下から信
頼性に劣る。
【0020】また、上記窒化アルミニウム質焼結体は、
第二添加物として1〜15重量%の4a族元素、6a族
元素とSiの窒化物、炭化物、珪化物の中から選ばれる
少くとも一種以上を含有することが好ましい。この理由
は、窒化アルミニウム基板2の高強度化、高靱性化をは
かる為であり、その高強度化、高靱性化の機構とは、硬
質物質のセラミックスマトリックスへの均一分散による
クラックデフクションによるものである。硬質粒子をマ
トリックスに均一分散させることにより破壊強度の向
上、破壊靭性の向上が得られる理由は、熱膨張係数の異
なる物質を分散させると、焼成温度から冷却する過程で
発生する材料内部での引っ張り応力を粒界で分散させる
粒子分散効果として一般に説明されているが、詳しいこ
とは解っていない。前記第二添加物の量が1%以下では
この高靱性化の効果が得られず、15%以上では、焼結
性が損なわれる。
【0021】第二添加物として1〜15重量%の4a族
元素、6a族元素とSiの窒化物、炭化物、珪化物の中
から選ばれる少なくとも一種以上を添加する場合には、
前記混合窒化アルミニウム粉末を秤量、混合する際にあ
らかじめ添加しておく。
【0022】上記窒化アルミニウム基板2は、主面の表
面粗さRaが2.0μm以下としてあるが、その理由
は、窒化アルミニウム基板2を単体で焼結した後に形成
してゆく必要があり、後付けでメタライズ層3を形成す
る場合に必要最低限の面粗度である。表面粗さRaが
2.0μm以上の面粗度では、窒化アルミニウム基板2
とメタライズ層3との密着性が損なわれ、本発明の効果
が得られない。
【0023】また、窒化アルミニウム基板2の両面また
は片面に備えるメタライズ層3として4a族元素、1b
族元素、6a族元素及びMnから選ばれる少なくとも一
種以上を用いるが、これは、これらのメタライズ層3が
先に説明した窒化アルミニウム基板2の表面への後付け
メタライズとして有効であり、また窒化アルミニウム基
板2との密着性、密着強度に富むからである。
【0024】上記メタライズ層3としては、Ag−Cu
−Ti系もしくはMo−Mn系であることが好ましい。
この理由は、この二種類のメタライズ層が窒化アルミニ
ウム基板2を焼結した後でメタライズ層3を形成する、
いわゆる後付けメタライズとして窒化アルミニウム基板
2との密着性、密着強度に優れているからである。
【0025】メタライズ3と金属板4の接合は、熱処理
もしくは超音波接合が使用できる。メタライズ3がAg
−Cu−Tiで、気孔率の勾配を持つ金属板4がCuの
場合には、気孔率の勾配を持つ金属板4の融点がメタラ
イズ3の焼き付け温度よりも高い為、メタライズ層3と
気孔率の勾配を持つ金属板4を同時に接合しても構わな
い。また、前記メタライズ層3上に1〜10μmのNi
もしくはCuのメッキを施すことによりメタライズ層3
と金属板4との密着強度をさらに向上させることもでき
る。
【0026】また、本発明の他の実施例として、図2に
示すように放熱配線基板のメタライズ3の上にMoもし
くはWからなる金属板24が接合されており、さらにそ
の上にAg、Cu、Alから選ばれる少なくとも一種以
上からなり、1〜30%の気孔率を有し、内部から表面
に向かって、もしくは一方の面から他方の面に向かって
1%〜20%の気孔率の勾配を持つ金属板4を接合する
こともできる。
【0027】これは、金属板4の厚みが1.5mm以上
となる場合には、金属板4の気孔率だけでは、応力緩和
が困難であり、ヤング率が高くて、熱膨張係数が窒化ア
ルミニウムに近いWまたはMoの金属板24を応力緩和
層として窒化アルミニウム基板2と金属板4の間に挿入
させた方が、熱応力を緩和するのに有利であるからであ
る。
【0028】
【実施例】まず、窒化アルミニウム基板2を作製した。
酸化エルビウム、酸化イッテルビウム、酸化イットリウ
ムから選ばれる少なくとも一種以上を5〜15重量%、
残部が窒化アルミニウムからなるセラミック粉末をメデ
ィアにウレタンボール、溶媒にIPAを用いて回転ミル
にて24時間混合した。その後、混合が終了したスラリ
ーを120℃の乾燥機で24時間以上乾燥し、40メッ
シュを通して混合窒化アルミニウム粉末を得た。得られ
た窒化アルミニウム粉末にテープ成型に必要な溶媒、バ
インダーを添加し、テープ成型を行い、積層、脱脂を経
た後、1700〜1900℃、Ar中で焼成して窒化ア
ルミニウム基板2を得た。その後、平面研削盤を用いて
400番のダイヤモンド砥石で表面粗さRaを2μm以
下とした。
【0029】次にAg、Cu、Alから選ばれる少なく
とも一種以上の1〜30%の気孔率を有し、内部から表
面に向かって、もしくは一方の面から他方の面に向かっ
て1%〜20%の気孔率の勾配を持つ金属板4の製法に
ついて、以下に説明する。
【0030】Cu粉末に50μmの平均粒径のプラスチ
ックビーズを20容積%混合したインクとCu粉末だけ
のインクを用意し、プラスチックビーズ入りのインクを
0.2mmの厚みで印刷しその上にプラスチックビーズ
の入っていないインクを0.2mm印刷しさらにその上
にプラスチックビーズ入りのインクを0.2mmの厚み
で印刷した後に700〜900℃にて真空中で焼き付け
て、全体の気孔率20%で表面の気孔率が23%、内部
の気孔率が3%気孔率となる金属板4を作製した。以
下、気孔率を変量したサンプルは、同様の手法で作製し
た。
【0031】その後、窒化アルミニウム基板2上にAg
−Cu−Ti系のメタライズ3をプリント形成し焼き付
けした後、前記気孔率の勾配を持つ金属板4を前記メタ
ライズ上に再度熱処理して接合した。
【0032】基板の評価については、−40℃〜150
℃の繰り返し急冷急熱試験で、窒化アルミニウム基板2
のクラックの発生の有無で良否を判定した。各温度にお
ける保持時間は5分とした。250サイクルごとに10
00サイクルまで試験を行った。クラックの発生の有無
をSEMにて確認し、クラックの発生しなかったサンプ
ルについてはOK、クラックの発生したサンプルについ
ては、そのクラックのみられた冷熱試験サイクル数を示
した。
【0033】気孔率分布の測定については、気孔率の勾
配を持つ金属板4の測定したい部分を平面研磨あるいは
ダイヤモンド工具で切断して所望のテストピースを作製
し、切断した気孔率の勾配を持つ金属板を樹脂等に埋め
込み、その切断面を鏡面研磨し、適当なエッチング液で
気孔を塞いでいる金属の薄い皮を除去した面の100倍
のSEM写真をもとに、画像解析装置により気孔の大き
さ、分布を測定した。結果は、表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】No.1では、Er3 量が3.5重
量%と少ないため、窒化アルミニウム基板2を緻密化で
きなかった。また、No.6ではEr2 3 量が18重
量%と多いため、窒化アルミニウム基板2の強度が低下
してしまい、冷熱サイクル試験750サイクルで窒化ア
ルミニウム基板2にクラックの発生がみられた。No.
2〜5に示すように、Er2 3 に代表される希土類酸
化物の添加量は5〜15重量%とすることが望ましい。
【0036】No.7では、窒化アルミニウム基板2の
表面粗さRaが3.0μmと粗くなっているため、窒化
アルミニウム基板2とメタライズ3との密着強度が低下
し、冷熱試験750サイクル後に窒化アルミニウム基板
2とメタライズ3の間にクラックの発生がみられた。こ
れに対し、基板表面粗度が本発明の2a以下である8、
9、11、12はクラックは発生しなかった。
【0037】No.20ではTiN量が16%となって
おり、窒化アルミニウム基板2を緻密化できなかった。
これに対し、TiN量が本発明の請求範囲内であるN
o.16、17は、窒化アルミニウム基板2を緻密化で
き冷熱試験の結果も良好であった。
【0038】また、金属板4の気孔率を0.5%とした
No.28は、金属板4のヤング率を充分低下させるこ
とができず、冷熱サイクル試験500サイクルで窒化ア
ルミニウム基板2にクラックの発生がみられた。また、
全体の気孔率を35%としたNo.31は、Niメッキ
を施すことができなかった。全体の気孔率を20%とし
気孔率の勾配を0.6%としたNo.13は、金属板4
のヤング率を充分下げることができず、冷熱サイクル試
験750サイクルで窒化アルミニウム基板2にクラック
が発生した。また、全体の気孔率が20%で気孔率の勾
配を25%としたNo.18は、金属板4の気孔率の勾
配が大きすぎるためヤング率の勾配が大きすぎて、冷熱
サイクル試験500サイクルで金属板4にクラックの発
生がみられた。
【0039】これに対し、金属板4の気孔率が本発明の
請求範囲内であるNo.2、3、5、14、15、2
9、30は−40〜150℃の冷熱試験において良好な
耐久性を示した。
【0040】また、金属板4の厚みを1.6mmとした
No.21は、冷熱サイクル試験800サイクルにて、
窒化アルミニウム基板2にクラックの発生がみられた。
これに対し、金属板4の厚みを1.5mm以下としたN
o.16、17は、−40℃〜150℃の繰り返し急冷
急熱試験後において、蛍光探傷法を用いて、また実際に
放熱配線基板そのものを切断して、破断面を鏡面研磨し
てSEMにてクラックの有無を観察したが、何の異常も
検知できなかった。
【0041】また、25、26、27は金属板4の厚み
が1.6mmおよび1.8mmの場合であるが、金属板
4と窒化アルミニウム基板2の間にWもしくはMoから
なる金属板24を緩衝層として挟むと、冷熱サイクル試
験における窒化アルミニウム基板2へのクラック発生を
防止できる。
【0042】また、メタライズ層3にIn−Cu−Ag
系のロウ材を用いたNo.10は、ロウ材自体の強度不
足により、冷熱試験250サイクルでロウ材接合部が破
損した。メタライズ層3を構成するロウ材としては、A
gCuTi系のロウ材を用いることが好ましい。
【0043】また、No.22〜24は、第一添加物と
してY2 3 、Yb2 3 を、第二添加物としてSi
C、ZrCを用いた例を示したが、これらのサンプルに
ついての冷熱試験結果は良好であった。
【0044】
【発明の効果】本発明により、加熱冷却の熱サイクル時
に発生する窒化アルミニウム基板と金属板の間に発生す
る応力を緩和し、耐久性と信頼性に優れた放熱配線基板
を提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放熱配線基板の層構成を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の放熱配線基板の別の層構成を示す断面
図である。
【図3】本発明の放熱配線基板に用いる金属板の概略図
である。
【図4】従来の放熱配線基板の層構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,8 :ラジエター 2,13:窒化アルミニウム基板 3,12,14:メタライズ層 4,11,15,21,22,23,24:金属板 5, :Niメッキ 6,10,16:半田 7,17:半導体チップ 9 :基板 18 :バスバー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化エルビウム、酸化イッテルビウム、酸
    化イットリウムから選ばれる少なくとも一種以上を5〜
    15重量%含有する窒化アルミニウム質焼結体からなる
    基板の主面を表面粗さ(Ra)2.0μm以下とし、こ
    の主面に4a族元素、1b族元素、6a族元素及びMn
    から選ばれる少なくとも一種以上からなるメタライズ層
    が形成され、その上にAg、Cu、Alから選ばれる少
    なくとも一種以上からなり、1〜30%の気孔率を有
    し、内部から表面に向かって、もしくは一方の面から他
    方の面に向かって1%〜20%の気孔率の勾配を持つ金
    属板が接合されていることを特徴とする放熱配線基板。
  2. 【請求項2】上記窒化アルミニウム質焼結体が、第二添
    加物として1〜15重量%の4a族元素、6a族元素と
    Siの窒化物、炭化物、珪化物の中から選ばれる少なく
    とも一種以上を含有することを特徴とする請求項1記載
    の放熱配線基板。
  3. 【請求項3】上記メタライズ層がAg−Cu−Ti系も
    しくはMo−Mn系のメタライズ層であることを特徴と
    する請求項1記載の放熱配線基板。
  4. 【請求項4】上記メタライズ層と気孔率の勾配を持つ金
    属板との間に、Mo又はWからなる金属板を介在させた
    ことを特徴とする請求項1記載の放熱配線基板。
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