JP2001077485A - セラミック基板と金属放熱器の接合構造 - Google Patents
セラミック基板と金属放熱器の接合構造Info
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Abstract
セラミック基板と金属放熱器の接合構造を提供する。 【解決手段】セラミック基板と金属放熱器の接合構造に
おいて、セラミック基板の一方の面に金属回路が、他方
の面に金属放熱器が接合層を介して形成されてなり、上
記接合層を熱伝導率が10W/m・K以上、厚みが20
μm〜300μmとする。
Description
非酸化物系の各種セラミック部材と金属放熱器との取り
付け構造に関するもので、特に電気自動車、ハイブリッ
ド車、電車、エレベータ等のインバーター制御に用いら
れるIGBTをはじめとするパワーモジュール等発熱量
の大きな電子部品の搭載に好適なセラミック基板と金属
放熱器との接合構造に関するものである。
として、Niめっきを施したCuまたはAlにより形成
された大型の金属放熱器をSn−Pb系、Ag−Sn系
等のはんだもしくはシリコ−ングリ−ス、シリコ−ンオ
イル等の樹脂を用いて、セラミック基板の裏面に金属薄
板を介して積層接合する方法が知られている。しかし上
記はんだもしくは樹脂を用いた積層接合方法では、セラ
ミック基板−金属薄板−はんだもしくは樹脂−金属放熱
器というようにセラミック基板から金属放熱器までの熱
抵抗が大きい、また樹脂を用いた場合には樹脂の熱伝導
が悪いため放熱性に問題があり、セラミック基板と金属
放熱器を直接接合する方法が検討されている。
セラミック基板40及び金属放熱器41の材質としてア
ルミナ及びCuを用いた場合、セラミック基板40と金
属放熱器41とを重ねた状態でこれらに荷重を加え、N
2 雰囲気中で加熱するいわゆるDBC法(Direct
Bonding Copper法)がある。または図
8に示すセラミック基板43と金属放熱器44との間に
Ag−Cu−Tiろう材45の箔を挟んだ状態でこれら
に荷重を加え、真空中で加熱するいわゆる活性金属法が
ある。
ミック基板40と金属放熱器41の熱膨張係数が異なる
ため、セラミック基板40に反りを生じたり、熱サイク
ルによりセラミック基板40に割れを生じたりするとい
う問題点があった。
す特公平06−338577号公報に記載のようなセラ
ミック基板23と放熱器21の間に非導電性の樹脂22
を介在させ金属ケース29で圧接する方法がある。
アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等からなるセ
ラミック基板23の上に、Cu、Al、W等の金属から
なる電極26を形成し、その上に半導体素子25が載置
されている。該セラミック基板23は、樹脂からなる中
間層22を介して金属放熱器21に密着固定されてい
る。また半導体素子25は、ボンディングワイヤ28に
より回路導体24に接続されている。また、セラミック
基板23には金属放熱器21に形成された位置合わせ突
起27に符合するU字切り欠き31が形成されており、
ここで位置合わせして、樹脂からなる中間層22により
金属放熱器21に密着固定されている。また、金属放熱
器21には、金属ケ−ス29がセラミック基板23を覆
うように取り付けられており、金属放熱器21に設けら
れたビス穴30で固定されている。
属薄板36が直接接着され、この金属薄板36に可塑性
多孔質金属層37を介して金属放熱器38を積層接合す
る方法がある。この放熱構造は、アルミナ、窒化アルミ
ニウム、窒化ケイ素等からなるセラミック基板35の一
方の面には回路基板34が、他方の面にはDBC法によ
る直接接合又は活性金属を含むろう材39による接合に
てCu、Al等からなる金属薄板36を積層接着する。
該金属薄板36には気孔率20〜50%のCu、Al、
Ag等からなる可塑性多孔質金属層37を介してCuも
しくはAlからなりセラミック基板35と異なる熱膨張
係数を有する金属放熱器38が積層接着されている。可
塑性多孔質金属層37がセラミック基板35と金属放熱
器38に発生する熱変形を吸収するので、セラミック基
板35に発生する反りやクラックを防止できる。また可
塑性多孔質金属層37に形成された気孔には金属層の側
面からシリコ−ングリス、シリコ−ンオイル、エポキシ
樹脂を充填することによりさらに熱伝導率が上がり、放
熱特性の向上が見られる。
来の放熱構造では、十分な冷却性能が得られず、また耐
久性および信頼性に不安があるという問題があった。そ
の為、100A以上の大電流を流すことを要求され、か
つ−40℃〜150℃の環境下で使用されるような場
合、例えば環境汚染防止の視点から最近注目され開発が
進んできた電気自動車やハイブリッドカーなどに使用さ
れるインバーター用のパワーモジュールにおいては、搭
載スペースの問題から小型高出力化が要求されており、
チップの発熱量が増大するため、上述の方法では取り付
けスペースが確保できない、十分な冷却性能が得られな
いとか、必要な出力が取り出せない等の問題があり、ま
た耐久性および信頼性にも不安があった。
によるセラミック基板の反りによって樹脂材が剥離し放
熱性が低下するおそれがあった。また、図6の構造では
セラミック基板35と金属放熱器38までの熱抵抗が大
きいとか、また金属放熱器38は可塑性多孔質金属層3
7に接合してあるため接合部における未接合の割合が高
く放熱性が悪いという問題があった。
ので、その目的は発熱量の大きなパワーモジュール用の
セラミック基板と放熱器の接合構造において、チップの
発熱によるセラミック基板の反りや割れを防止でき、か
つ十分な冷却性能が得られるパワ−モジュ−ル用のセラ
ミック基板と金属放熱器の接合構造を提供することにあ
る。
属回路が形成されているセラミック基板の他方の面の一
部に、熱伝導率が10W/m・K以上、厚みが20μm
〜300μmの接合層を介在させて金属放熱器に接合さ
せたセラミック基板と金属放熱器の接合構造を特徴とす
る。
の未接合部の面積比を15%以下とすることにより、放
熱特性の優れたパワーモジュールを形成するものであ
る。
層に所定の熱伝導率、厚みを持った接合材を用いること
で、パワ−モジュ−ルの高出力化によりチップの発熱が
激しくなり電極を構成する金属材料の温度が上昇し、セ
ラミック基板との熱膨張差によりセラミック基板が金属
放熱器に接触する面に凹状に反り返るような応力が働く
場合でもその応力を吸収し放熱器との密着性を維持する
ことが可能になった。
セラミック基板を用いることでセラミック基板と金属放
熱器との接合において、接合層を介して直接接合するこ
とができるので、従来構造に比べ構造の簡略化が可能と
なり、また熱伝導の良い接合層を用いることで、チップ
表面から金属放熱器までの熱抵抗の低減及び省スペ−ス
化が可能になった。
って説明する。
ク基板との取り付け構造の一例を示す。
ミック基板4上に形成された電極3と接合されており、
セラミック基板4は接合層5を介して金属放熱器6に接
合されている。自動車用のパワ−モジュ−ルなど振動が
かかる状態で使用する場合には組み付け金具7及びねじ
8により少なくとも2カ所以上で固定することが望まし
い。
K以上の材質を用い、厚みを20μm〜300μmとす
る。これは接合層5の熱伝導率が10W/m・K未満の
場合には、放熱性が低いため、旅行名放熱性を得られな
いためである。
合は初期では良好であるが、熱サイクル試験後に温度上
昇が認められる、これは接合層5が薄いために耐久時の
摩擦による接触状態の変化を十分に吸収できなかったた
めと考えられる。これに対し、接合層5の厚みが20μ
m以上であれば、熱サイクル試験後に温度上昇の変化は
無く放熱性は安定しているが、接合層5の厚みが300
μmを超えると、接合層5が放熱性を阻害する傾向があ
り逆に放熱性が低下する。接合層5の厚みとしては、5
0〜200μm程度が望ましい。
4と金属放熱器6との接合面において、未接合部の面積
比を15%以下とする。この面積比が15%を越える場
合には、未接合部の放熱性が悪くまた未接合部分が局所
発熱して温度が上昇してしまう。このため、セラミック
基板4と金属放熱器6との接合面における未接合部の割
合は15%以下にする必要がある。
は、セラミック基板4と金属放熱器6の接合面に接合層
5に使用するろう材と濡れの良いメッキを形成するとよ
い。金属の表面は酸化されやすく、表面に酸化皮膜が形
成されると、ろう材との濡れが悪くなる。前記メッキ層
の形成方法および管理方法が重要である。
接合状態はクロスセクションによる断面SEMの観察も
しくは超音波探傷法により未接合部の面積比を測定する
方法などで評価する。
ールなど使用環境によって−40℃〜150℃の冷熱環
境下に長時間さらされることを想定した場合、樹脂など
を接合層5に用いると、冷熱時のセラミック基板4と放
熱器6の熱膨張差による応力により、固定部が剥離して
接触状態が変化し放熱性が低下する事がある。同時に、
接合層5はパワ−モジュ−ルの高出力化により半導体素
子1の発熱が激しくなり、電極3の温度が上昇し、セラ
ミック基板4との熱膨張差によりセラミック基板4が金
属放熱器6に接触する面に凹方向に反るような応力が働
く場合でも、その応力を吸収し金属放熱器6との密着性
を維持しなければならないため、接合層5は高熱伝導性
であると共に、接触状態が変化しない材質でなければな
らない。
ては、高熱伝導で接合層自体が柔らかい材質、すなわち
In又はInを15体積%以上含む、例えばIn−P
b、In−Zn、In−Sn、In−Au、In−Ag
等のIn系の合金であるか、またはAl−Si系のろう
材でろう材自体のヤング率が75GPa以下の材質が適
当である。
使用時に接合層5の断面観察において接合層5にクラッ
クが発生していることが確認された。これは、合金中に
占めるInの比率が少ないため接合層5(ろう材)が硬
く熱サイクルをかけた際、セラミック基板4と金属放熱
器6の熱膨張差による応力を緩和しきれず接合層5にク
ラックが発生する。そのため、接合層5においてInも
しくはIn系の合金を用いる場合には、Inの比率は1
5体積%以上にする必要がある。また、好ましくはIn
自体の融点が低いことよりInの比率としては20%〜
50%程度が望ましい。
の接合層5のないパワーモジュールの放熱性を基準にし
て、半導体素子1の温度の増減率で評価した。また、耐
久性の評価は、サンプルを−40℃/30分〜150℃
/30分の熱処理を1000サイクル実施し、放熱性は
同様に半導体素子1の温度の増減率で評価した。また半
導体素子1の発熱量に対する影響を調べる際は、半導体
素子1の代わりにセラミックヒータチップ10を設置
し、セラミックヒータチップ10への印加電圧を上げる
ことにより、発熱量が増大した場合の影響を評価した。
には、ろう材自体の熱伝導が高いため、初期及び耐久後
共に良好な放熱特性を示す。しかしながら、耐久後の断
面の観察を行うと、接合層(ろう材)のヤング率が75
GPa以上の場合にはクラックが発生する。このためろ
う材自体のヤング率は75GPa以下にする必要があ
る。
5の材質のブレージングシートをセラミック基板4と金
属放熱器6の間に載置し熱処理を行う方法、または接合
層5の材質の粉末を溶剤と混合したものを、プリントや
スプレー塗布によりセラミック基板4の裏面もしくは金
属放熱器6の接触面のうち、片方もしくは両方の面に形
成し、その後熱処理を行い接合層5を形成する方法等が
ある。セラミック基板4と金属放熱器6の接合面は接合
に用いている材料のぬれ性により必要に応じて表面処理
を行う必要がある。
み付け金具7及びねじ8により少なくとも2カ所以上で
固定することが望ましい。この場合のセラミック基板4
と金属放熱器6の圧接固定は、図1に示すようなセラミ
ック基板4の対向する辺の二カ所以上を組み付け金具7
等で押さえるようにして、ワッシャ9を介してねじ8で
締め付けて固定したり、図2に示すようなセラミック基
板4に穴加工を施して、直接ねじ止めするなどの方法で
固定したり、また、ねじ8の代わりにバネ材等で加圧固
定しても良い。
の場合には組付けの際にクラックや割れが生じ、3.0
mm以上の場合には放熱性を阻害する。このためセラミ
ック基板4の厚みは0.5〜3.0mmが望ましい。
(Ra)は接合層5の接合状態を阻害しないために、1
0μm以下とすることが望ましい。
が大きい場合など、その熱により電極部材3とセラミッ
ク基板4との熱膨張差により金属放熱器6側が凹になる
ように反る場合があるため、図3に示すようにあらかじ
めセラミック基板4を金属放熱器6側が凸になるように
平坦度を調整することが好ましい。
を終えた基板4の裏面を研磨する方法、電極3の形成前
に基板4の裏面を平坦に研磨し、電極3の厚みや幅、長
さなどの寸法を調整し基板4への接合時の応力で反らす
方法などがある。
〜3μm/mmに調整することが好ましく、0.1μm
/mm未満では発熱時の反りを吸収出来ず密着性が損な
われ放熱性が低下する。また、3μm/mm以上では組
付けの際にセラミック基板4にクラックや割れが発生す
る場合がある。
ては、良好な放熱性を示すために熱伝導率が60W/m
・K以上のものが適している。熱伝導率が60W/m・
K未満の場合には、セラミック基板4の熱伝導が悪く放
熱性が著しく劣るため、セラミック基板4上の半導体素
子1の温度が上昇しセラミック基板4に反りが発生す
る。
ては、圧接組付け性に影響を与えるため400MPa以
上のものが適当である。400MPa未満の場合、接合
層5にてセラミック基板4と金属放熱器6を接合した
後、組み付け金具7及びねじ8にて固定を行う際に、セ
ラミック基板4の強度が低いため、ねじ締め部にクラッ
クが発生する。
されることが必要であるため、ヤング率400GPa以
下が適当である。400GPaを超える場合、接合層5
にてセラミック基板4と金属放熱器6を接合後、組み付
け金具7及びねじ8にて固定を行う際、セラミック基板
4のたわみが少ないためにクラックが発生する。このよ
うな特性を示すセラミックスとして、周期律表第3a族
元素酸化物の中の少なくとも1種類以上を主焼結助剤と
する、窒化アルミニウム質セラミックスあるいは窒化珪
素質セラミックスがある。
の材料としては、銅、アルミニウム等の低抵抗、高熱伝
導で比較的軟質な金属をベースにしたものが望ましい。
セラミック基板4との接合方法としては、それらの板を
活性金属法などによりセラミック基板4に直接接合する
方法や、それらの粉末を適当なバインダーと混合してペ
ースト状に調整したものを、プリントやディスペンサー
によってセラミック基板4の上に形成した後、予めセラ
ミック基板4に一体焼結させたタングステンメタライズ
にニッケルめっきを施した面上に、さらに銅、アルミニ
ウム等の厚膜を形成し、不活性、還元、もしくは真空雰
囲気で焼き付けを行って接合する方法などがある。必要
に応じて電極3にはニッケルめっき、金めっき等の表面
処理が施される。
は、はんだ2を介して電極3上に接合される。そして、
セラミック基板4と金属放熱器6の組付けは、良好で安
定な放熱性を確保する必要から、高熱伝導性の物質を接
合層5として介在させる。
放熱器6の接合構造の他の実施形態を示す図である。図
1および2に示した試料との差は、セラミック基板4
に、金属放熱器6との接合面側が凸となるような反りを
予め形成している点である。これにより、ねじ8による
締め付け時にセラミック基板4の中心部が金属放熱器6
に有効に密着するようにしている。
めの構造を、図4を用いて説明する。
3が形成されはんだ層2を介してセラミックヒータチッ
プ10が形成されている。セラミックヒータチップ10
には、陽極電線12および陰極電線13が接合され、こ
れらからの電力供給により発熱量を調整する。また、セ
ラミックヒータチップ10の上には熱電対11が設置さ
れ、放熱特性をこれにより評価する。
は、金属放熱器6が接合層5を介してねじ8による締め
付け力で密着されている。ねじ8とセラミック基板4の
間には、ねじ8の片当たりを防止するためワッシャ9が
挿入される。
る構造のパワーモジュールを用いて評価した。
ルビニウム、添加剤に窒化チタンの粉体を、適当な有機
系バインダーを加えてスラリー状に調整し、ドクターブ
レード法によりシート状に成形したものを必要な厚さに
積層し、脱脂工程を経て、1700〜1850℃の範囲
で1時間以上焼成し、焼結体を得た。その後、反り量調
節のため焼結体を研磨しセラミック基板4とした。
u粉末を粒度配合し適当なバインダーを加えて顆粒状に
調整したのちプレス法により電極パターンを成型し、脱
脂工程を経て600〜1000℃で焼成を行い電極3の
焼結体とした。
ミック基板4に活性金属(Ti)入りのろう材(Ag−
Cu系)をプリントし、ろう材上に電極3を載置した
後、真空炉にて780〜850℃の範囲で5分以上焼き
付けを行い接合した。
用いて、半導体素子1の代わりに発熱量調整の容易なセ
ラミックヒータチップ10をはんだでセラミック基板4
の電極3上に実装して評価した。セラミックヒータチッ
プ10表面には熱電対11を設置し、セラミックヒータ
チップ10に所定の電圧を印加しながら、表面温度を計
測し、基準とする従来の接合層5なしの条件と比較し
て、その温度の増減率で放熱性を評価した。
接合については、Al−Si系のろう材を用いる場合
は、セラミックヒータチップ10実装前にブレ−ジング
シート状のろう材をセラミック基板4と金属放熱器6の
間に載置し、真空炉にて580〜620℃の間にて焼き
付けを行い接合した。InもしくはIn系の合金を用い
て接合する場合は、Inの特性(融点が低い)上、セラ
ミックヒータチップ10実装後にAl−Si系のろう材
と同様に、ブレージングシートを用いて真空炉にて20
0〜300℃で熱処理を行い接合した。
150℃/30分の熱処理を1000サイクル実施後に
再度放熱性を評価した。またセラミックヒータチップ1
0への印加電圧を上げることにより、発熱量が増大した
場合の影響を同様の方法で評価した。
0μmのシリコ−ン樹脂、セラミック基板4は厚み1.
5mm、熱伝導率=100W/m・K、平坦度=0μm
/mm、Ra=5μmのもの、金属放熱器6は厚み20
mmのアルミニウムを用い、セラミックヒータチップ1
0の温度を基準として、各々の評価はこの基準温度に対
する増加率で表し、初期の放熱特性については前述の基
準温度以下、また耐久後の放熱特性については初期に対
し増加率5%未満を適正値とした。セラミック基板4と
金属放熱器6の接合状態は、クロスにて断面SEMの観
察もしくは超音波探傷法による未接合部の面積%の測定
を行った。
を示す。
1は、初期でも5%の温度上昇があり、更に耐久後に1
4%の温度上昇が認められた。初期での温度上昇は均一
な接触が得られず放熱性が阻害されている為である。ま
た耐久後に更に温度上昇しているのは冷熱環境下でセラ
ミック基板4と金属放熱器6の熱膨張差による摩擦によ
り接触状態が変化し放熱性が低下したためである。
コ−ン樹脂を用いたNo.2では、初期では良好である
が、耐久後には5%の温度上昇が認められる。これはシ
リコーン樹脂のSi成分が温度サイクル時に一部SiC
に変化し、放熱器の表面を傷つけ接触状態が変化し、ま
たセラミック基板4と金属放熱器6の熱膨張差による応
力で接触状態が変化し、放熱性が低下したためである。
K以下であるNo.3〜5は、初期の放熱性はシリコ−
ン樹脂と同等であり、耐久後2〜5%の温度上昇がみら
れるので好ましくない。一方、熱伝導率が10W/m・
K以上のNo.6〜12は、初期の放熱性が3%以上向
上する。
〜400μmになるようにして接合を行った。この接合
層の材質及び厚み以外は実施例1と同様にして評価サン
プルを作製した。
示す。
μm以下のNo.14、15は、初期の放熱性は良好で
あるが、耐久後には温度上昇が認められる。これは接合
層5が薄いために耐久時の摩擦による接触状態の変化を
十分に吸収できなかったためと考えられる。
上であるNo.16〜19は、初期、耐久後共に温度上
昇の変化が無く放熱性が安定している。ただ、接合層5
の厚みが300μm以上のNo.20、21は、接合層
5が放熱性を阻害する傾向があり逆に放熱性が低下す
る。接合層5の厚みとしては、50〜200μm程度が
望ましい。
状態すなわち未接合部の割合を変化させ、他は実施例1
と同様にして評価用のサンプルを作製した。評価につい
ては発熱量が増大した場合の影響をみる為に、セラミッ
クヒータチップ10の発熱量を10%増加させ、従来構
造であるシリコーン樹脂にて接合を行ったセラミックヒ
ータチップ10の基準温度に対する温度の増加率を評価
した。初期の放熱特性については前述の基準温度以下、
また耐久後の放熱特性については初期に対し増加率5%
未満を適正値とした。また非接触の放射温度計を用いセ
ラミックヒータチップ全体の温度分布を計測し、局所発
熱の有無も同時に評価した。
No.28〜31は、熱伝導が低くなるため放熱性が低
下すると共に未接合部が局所発熱の状態になり、温度が
上昇してしまうので好ましくない。これに対し、セラミ
ック基板4と金属放熱器6の接合面における未接合部の
割合が15%以下であるNo.23〜27は、良好な放
熱性を示した。
b合金ろう材中のIn比率を変更し、その他は実施例1
と同一の構成のサンプルを作製し放熱性を評価した。な
お、セラミックヒーターチップ10の発熱量については
10%増加した状態にて放熱性を評価し、さらに耐久後
の接合層5をクロスセクションして断面を観察し、クラ
ックの発生の有無を調べた。
以下にしたNo.32〜34は、初期および耐久後の放
熱特性は従来品であるシリコ−ン樹脂のタイプに比べ向
上が見られる。しかしながら接合層5の断面を観察する
と、接合層にクラックが発生していた。これは合金中に
占めるInの比率が少ないため接合層5として用いたろ
う材が硬くなり、熱サイクルをかけた際にセラミック基
板4と金属放熱器6の熱膨張差による応力を緩和しきれ
ず、接合層5にクラックが発生したものと推定する。こ
のため、合金中に占めるInの割合は少なくとも15体
積%以上にする必要がある。なお、接合層5にInもし
くはIn系の合金を用いる場合は、In自体の融点が低
いのでInの比率は20%〜50%程度とすることが望
ましい。
ヤング率を変化させ、その他は実施例1と同一の構成の
サンプルを作製し放熱性を評価した。
を用いたNo.41〜55は、ろう材自体の熱伝導が高
いため、全ての組成系において初期及び耐久後共に放熱
特性が向上した。しかしながら耐久後の断面の観察を行
うと、ろう材のヤング率が75GPaを越えるNo.4
6〜48、53〜55はクラックが発生していることが
確認された。これに対しろう材のヤング率が75GPa
以下であるNo.41〜45、49〜52は接合層5に
クラックは発生せず良好であった。
粗さを変化させ、その他は実施例1と同一の構成のサン
プルを作製し、放熱性およびねじ8の締め付け性を評価
した。
厚みが0.3mmのNo.56は、締め付け時にセラミ
ック基板4にクラックが発生した。また、セラミック基
板4の厚みが4mmのNo.60は、放熱性が低下する
ので好ましくない。これに対し、セラミック基板4の厚
みを0.5〜3mmにしたNo.57〜59は、締め付
け性も良好であった。
は、締め付け時の密着性が低下し、放熱性が低下した。
また、平坦度が4〜5μm/mmのNo.66、67
は、締め付け時にセラミック基板4にクラックや割れが
発生した。これに対し、平坦度が0.51〜3μm/m
mであるNo.62〜65は、クラックや割れは発生し
なかった。
を15、20μmとしたNo.69、70は、放熱性が
低下した。これに対し、表面粗さRaが10μm以下で
あるNo.68、58は、良好な放熱性を示した。
ては0.5〜3mmが好ましく、平坦度は0.5〜3μ
m/mmであることが好ましく、また、表面粗さRaは
10μm以下であることが好ましいことが判る。
する場合でも同等の効果が得られることは言うまでもな
く、その他、放熱性、伝熱性の必要な場合において幅広
く応用可能な接合方法であることは言うまでもない。
に金属回路が形成されているセラミック基板の他方の面
の一部に、熱伝導率が10W/m・K以上、厚みが20
μm〜300μmの接合層を介在させて金属放熱器に接
合させたことによって、パワ−モジュ−ルの高出力化に
よる半導体素子の発熱量の増加のために、構成する金属
材料の温度が上昇し、セラミック基板と金属材料との熱
膨張差による剥離応力が働く場合でも、その応力を吸収
し放熱器との密着性を維持することが可能になる。
た半導体素子の発熱を効率よく安定的に放熱することが
でき、半導体素子の信頼性向上に役立つことができる。
などから更に大きな発熱を伴う場合においても、セラミ
ック基板の厚み、反り量、表面粗さを制御することによ
り、高い放熱性能を維持できる。
造を示しており、(a)は断面図、(b)は平面図であ
る。
造の他の実施形態を示しており、(a)は断面図、
(b)は平面図である。
造を示す断面図である。
造を評価するための実施形態を示しており、(a)は断
面図、(b)は平面図である。
を示しており、(a)は断面図、(b)は平面図であ
る。
を有するパワ−モジュ−ル用基板の断面図である。
を有する半導体回路基板の断面図である。
を有する半導体回路基板の断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】一方の面に金属回路が形成されているセラ
ミック基板の他方の面の一部に、熱伝導率が10W/m
・K以上、厚みが20μm〜300μmの接合層を介在
させて金属放熱器に接合させたことを特徴とするセラミ
ック基板と金属放熱器の接合構造。 - 【請求項2】上記セラミック基板と金属放熱器の接合面
における未接合部の面積比が15%以下であることを特
徴とする請求項1記載のセラミック基板と金属放熱器の
接合構造。 - 【請求項3】上記接合層がIn又はInを15体積%以
上含むIn系の合金であることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載のセラミック基板と金属放熱器の接合構
造。 - 【請求項4】上記接合層がヤング率75GPa以下のA
l−Si系のろう材であることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載のセラミック基板と金属放熱器の接合構
造。 - 【請求項5】上記セラミック基板の厚みが0.5〜3.
0mmであり、金属放熱器を接合する面の平坦度が0.
10〜3μm/mmであり、かつ表面粗さ(Ra)が1
0μm以下であることを特徴とする請求項1または2に
記載のセラミック基板と金属放熱器の接合構造。 - 【請求項6】上記セラミック基板が、熱伝導率60W/
m・K以上、強度400MPa以上、ヤング率400G
Pa以下の窒化アルミニウムまたは窒化ケイ素質セラミ
ックスであることを特徴とする請求項1または2に記載
のセラミック基板と金属放熱器の接合構造。
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-
1999
- 1999-08-31 JP JP24663999A patent/JP4309522B2/ja not_active Expired - Fee Related
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