JP2001076728A - リチウム二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質の製造方法

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Kazuo Sunahara
一夫 砂原
Takashi Kimura
貴志 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高電池容量、高エネルギー密度でサイクル劣化
が少なく、充電時の高温安全性に優れたリチウム二次電
池用の正極活物質の製造方法を提供する。 【解決手段】アンミンコバルト塩とアンミンニッケル塩
とを含む水溶液を加熱して得られるコバルトとニッケル
を含む塩と、リチウム化合物との混合物を600〜85
0℃で焼成して、一般式LixCoyNi1-y2(0.9
5≦x≦1.05、0.05≦y≦0.50)を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池の
正極活物質の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在実用化されているリチウム二次電池
において、使用されている正極活物質の多くはリチウム
コバルト酸化物である。しかしリチウム二次電池は更な
る電池容量の増大が必要とされ、新しく正極活物質材料
としてリチウムニッケル酸化物が盛んに研究されてい
る。
【0003】しかしリチウムニッケル酸化物は、リチウ
ムの脱離、挿入に伴い、結晶の膨張、収縮が起こる。殊
に80%以上リチウムを脱離させた場合には、結晶の不
可逆的な収縮が起こるために、リチウムの挿入脱離すな
わち充放電を繰り返すことにより電池容量が著しく低下
することが知られている(T.Ohzuku,et.a
l.,J.Electrochem.Soc.,14
0,1862,(1993)など)。
【0004】また、リチウムニッケル酸化物を正極活物
質に使用する場合、充電時、高次に酸化されたニッケル
酸化物による、電池中の電解液の酸化により急激に発熱
するという現象もみられ、このことがリチウムニッケル
酸化物の実用化に向けて重大な問題となっている。この
対策として、ニッケルの一部をアルミニウムに置換した
例(T.Ohzuku,et.al.,j.Elect
rochem.Soc.,142,4033,(199
5))があるが、この研究で示された組成では、単位質
量当たりの電池容量がリチウムコバルト酸化物を使用し
たものとほとんど変わらず、リチウムニッケル酸化物を
使用することによる高電池容量化というメリットが小さ
くなる。
【0005】これらの課題を解決するひとつの方法とし
て、ニッケルの一部をコバルトに置換することで改善を
図った例として特許公報第2770154号、特開平8
−222220号がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらのニッケルの一
部をコバルトに置換したLipCoqNi1-q2(0.9
5<p<1.05、0.15<q<0.25)で表され
る正極活物質はリチウムニッケル酸化物の特徴である高
電池容量を維持しつつ、従来のリチウムニッケル酸化物
を正極活物質に用いた際に問題となっていたサイクル劣
化及び充電時の発熱挙動が改善される。
【0007】しかし、その製造に当たっては単にリチウ
ム塩とコバルト塩とニッケル塩とを混合し、焼成する方
法では、十分な高電池容量が得られておらず、コバルト
とニッケルの共沈塩を使用する方法が試みられている。
【0008】上記共沈塩の合成方法としては、塩化コバ
ルトと塩化ニッケルとを炭酸ガスを飽和させた純水中に
溶解し、重炭酸ナトリウムを加えて共沈させ、塩基性炭
酸塩を得た例(特許公報2770154号)や、硫酸コ
バルトと硫酸ニッケルの水溶液にアルカリ溶液を加えて
共沈水酸化物を得た例(特開平8−222220号)が
あるが、いずれの場合にも沈殿中にアルカリ金属が残存
し、これが正極活物質中に残ることでサイクル劣化を小
さくできないという問題があった。また、重炭酸ナトリ
ウムで共沈させた塩基性炭酸塩を使用した例では、充電
時の発熱開始温度が低いという欠点もあった。
【0009】本発明の目的は、高電池容量を維持しつ
つ、サイクル劣化及び充電時の発熱挙動が改善されるリ
チウムとニッケルおよびコバルトを含むリチウム含有複
合酸化物の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は一般
式LixCoyNi1-y2(0.95≦x≦1.05、
0.05≦y≦0.50)で表されるリチウム含有複合
酸化物からなる正極活物質の製造方法であり、アンミン
コバルト塩とアンミンニッケル塩とを含む水溶液を加熱
し、コバルトとニッケルを含む塩を生成させ、次いで、
該塩とリチウム化合物とを混合し、得られた混合物を6
00〜850℃で焼成することを特徴とするリチウム二
次電池用正極活物質の製造方法を提供する。
【0011】本発明におけるリチウム含有複合酸化物の
一般式中のxは、0.95〜1.05であり、好ましく
は、0.95〜1.00である。また、yは、正極活物
質を組み込んだリチウム二次電池の高温安定性および電
気容量の点から、0.05〜0.50であり、好ましく
は、0.1〜0.3、特には0.15〜0.25が適切
である。
【0012】本発明の製造方法で得られたリチウム含有
複合酸化物は高電池容量と充電時の発熱挙動が優れてい
る。また、コバルト塩とニッケル塩との混合水溶液にア
ルカリ金属化合物を加えることなく、コバルトとニッケ
ルを含む塩(以下、コバルトニッケル塩ともいう。)を
生成しているので、ナトリウム等のアルカリ金属類の不
純物が少なく、コバルトとニッケルが均一に分布してい
る。
【0013】そして、これによって得られたコバルトニ
ッケル塩にリチウム化合物を加えて焼成することによ
り、アルカリ金属類の不純物が少なく、コバルトとニッ
ケルが均質に固溶したリチウムコバルトニッケル酸化物
を得ることができる。ナトリウムなどのアルカリ金属は
リチウムコバルトニッケル酸化物中ではリチウムサイト
に混入し、結晶に欠陥を生じさせ、リチウムの移動を妨
げるため充放電容量の低下を引き起こすと考えられ、こ
のような不純物の少ないリチウム含有複合酸化物からな
る正極活物質が得られることは極めて有用である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるアンミンコバ
ルト塩とアンミンニッケル塩におけるコバルト及びニッ
ケルの価数は、特に限定されないが、コバルトは2価、
又は2価と3価との混合物、ニッケルは2価が好まし
い。
【0015】本発明で用いられるアンミンコバルト塩と
アンミンニッケル塩は、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩等が好
ましく用いられる。なかでも、水への溶解度が高いこ
と、および加熱によりコバルトとニッケルの均一性の高
い複合塩の生成が容易であることから、そのいずれか一
方、特に両方が炭酸塩であるのが好ましい。アンミンコ
バルト炭酸塩とアンミンニッケル炭酸塩を含む水溶液を
加熱することによってコバルトとニッケルを含む塩(塩
基性炭酸塩)が得られる。
【0016】アンミンコバルト塩とアンミンニッケル塩
とを含む水溶液の加熱温度としては100〜150℃、
特には120〜140℃が好ましい。アンミンコバルト
塩とアンミンニッケル塩の熱分解が、塩の種類にもよる
が、一般的には100℃以上で起こるためである。
【0017】また、反応時にはアンモニアガス等が発生
し、例えば、炭酸塩の場合には、炭酸ガスとアンモニア
ガスが発生するが、このときの反応系内の圧力は常圧か
ら0.5MPaまでの範囲であることが好ましい。この
ように、高温で熱分解を起こさせることにより塩を生成
させるので、コバルトとニッケルが均一な状態で分布し
た塩が得られ、その結果得られる正極活物質においては
コバルトやニッケルの偏析による組成のばらつきがなく
なる。そのため、本発明により得られる正極活物質を用
いたリチウム二次電池において、充電時の発熱挙動が改
善されると考えられる。
【0018】次に、上記で得られた塩とリチウム化合物
を混合し、この混合物を焼成することにより目的とする
リチウムコバルトニッケル酸化物を得る。ここで用いら
れるリチウム化合物は特に限定されないが、水酸化物、
酸化物又は炭酸塩が好ましい。特に、得られる正極活物
質を用いたリチウム二次電池の電池容量及び充放電サイ
クル耐久性の点から、水酸化リチウムが好ましい。
【0019】上記混合物の焼成温度は、600〜850
℃、特に、700〜800℃であることが好ましい。6
00℃未満では反応が不充分であり、X線回折で測定す
ると酸化ニッケルなどの混在が確認される。850℃を
超えると、リチウムサイトにニッケルが混入するため容
量低下を引き起こし、さらに900℃以上となると顕著
にリチウムが蒸散するため著しく容量が低下する。
【0020】焼成は、下記のように2段階の加熱で行な
うと、得られるリチウムコバルトニッケル酸化物がより
均質化し、充電時の発熱挙動が改善されるので好まし
い。
【0021】すなわち、リチウム化合物とコバルトとニ
ッケルを含む塩とを混合したものを300〜600℃
で、好ましくは450〜550℃で加熱した後、好まし
くは、得られた粉体を均一化するように、例えば、乳
鉢、ブレンダーなどを用いて再混合し、さらに600〜
850℃で、より好ましくは700〜800℃で焼成す
る。300〜600℃での焼成によりコバルトニッケル
塩およびリチウム化合物の分解をゆっくりと起こさせた
後に再び混合することで、リチウムとコバルト及びニッ
ケルが混合物中で均質化されるので、得られるリチウム
コバルトニッケル酸化物が均質化し、それにより充電時
の発熱挙動が改善される。2回目の焼成中、炉内が窒素
などの不活性雰囲気あるいは有機物の分解ガスなどによ
り還元性であるとニッケルが還元されやすく、酸化ニッ
ケル(2価)相や金属ニッケルの生成を引き起こすた
め、炉内雰囲気を酸素濃度25%以上に保つことが好ま
しい。
【0022】上記のようにして得られたリチウム含有複
合酸化物を使用してリチウム二次電池用活物質を製造す
る方法は、既知の方法によって実施される。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明は、かかる実施例によって制限されて解釈さ
れるべきではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能
なことはもちろんである。 [実施例1] [アンミンニッケル炭酸塩水溶液及びアンミンコバルト
炭酸塩水溶液の合成]硫酸ニッケル0.2モル相当量を
水1リットルに加えて撹拌し、硫酸ニッケル水溶液を作
製した。これにイソトリデカノールを10%(質量%を
意味し、以下特に断りのない限り同じ)、2−ヒドロキ
シ−5−ノニルアセトフェノンオキシムを5%溶解した
灯油5リットルを加え、50℃に加温した後、分液ロー
トにいれ抽出を行った。油層を2回水で洗浄した後、2
0%に希釈したアンモニア水溶液1リットルと炭酸アン
モニウム400gとを徐々に加え、その都度激しく撹拌
した。水層を分離し、アンミンニッケル炭酸塩水溶液を
得た。
【0024】硫酸コバルト0.2モル相当量を水1リッ
トルに加え撹拌し、硫酸コバルト水溶液を作製した。1
0%アンモニア水溶液1000gと、イソトリデカノー
ルを10%、ビス(2−エチルヘキシル)リン酸を5%
溶解した灯油5リットルとを加え、分液ロートに入れ激
しく撹拌した。水層を捨て、油層を2回水で洗浄した
後、硫酸コバルト水溶液を加え、抽出を行った。油層を
3回水で洗浄した後、20%に希釈したアンモニア水溶
液1リットルと炭酸アンモニウム400gとを徐々に加
え、その都度激しく撹拌した。水層を分離し、アンミン
コバルト炭酸塩溶液を得た。
【0025】[コバルトニッケル塩(塩基性炭酸塩)の
合成]上記で得られた、0.2モルのコバルトを含有す
るアンミンコバルト炭酸塩水溶液と0.8モルのニッケ
ルを含有するヘキサアンミンニッケル炭酸塩水溶液とを
混合し、オートクレーブ中0.3MPaを保ちながら
0.5MPaの高圧蒸気を徐々に吹き込みながらゆっく
りと撹拌を続け、135℃で1時間反応させた。冷却
後、沈殿物をろ取し、純水で洗浄した後風乾させ、コバ
ルトニッケル塩(塩基性炭酸塩)を得た。このようにし
て得られたコバルトニッケル塩は元素分析の結果、コバ
ルトとニッケルが2:8の比率で含まれていた。原子吸
光法によりナトリウムを定量したところ10ppm以下
であった。また、収量はイオン換算で定量的に得ること
ができる。
【0026】なお、本実施例ではコバルト及びニッケル
のアンミン錯体の合成原料として硫酸塩を使用している
が、塩化物塩でも良い。また、アンミンコバルト炭酸塩
水溶液及びアンミンニッケル炭酸塩水溶液は、それぞれ
鉱石からの抽出及び精製の過程で、本実施例で示したも
のと同様に高純度のものが得られ、これをそのまま用い
ることが最も望ましい。 [正極活物質の合成]上記のようにして得られたコバル
トニッケル塩と水酸化リチウムをモル比でLi:Co:
Ni=1:0.2:0.8になるように混合し、500
℃で24時間熱処理した。これを乳鉢にて再混合した
後、酸素濃度を25%以上に保ちつつ750℃で6時間
焼成を行った。乳鉢で粉砕し、75μmのふるいを通し
たものを正極活物質とした。
【0027】[実施例2]実施例1のコバルトニッケル
塩の合成において、0.15モルのコバルトを含有する
アンミンコバルト炭酸塩水溶液と0.85モルのニッケ
ルを含有するアンミンニッケル炭酸塩水溶液と混合した
以外は同様に合成した。このコバルトニッケル塩と水酸
化リチウムとをモル比でLi:Co:Ni=1:0.1
5:0.85になるようにした以外は実施例1と同様に
して正極活物質を得た。 [実施例3]実施例1のコバルトニッケル塩の合成にお
いて、0.18モルのコバルトを含有するアンミンコバ
ルト炭酸塩水溶液と0.82モルのニッケルを含有する
アンミンニッケル炭酸塩水溶液と混合した以外は同様に
合成した。このコバルトニッケル塩と水酸化リチウムを
モル比でLi:Co:Ni=1:0.18:0.82に
なるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質
を得た。
【0028】[実施例4]実施例1のコバルトニッケル
塩の合成において、0.25モルのコバルトを含有する
アンミンコバルト炭酸塩水溶液と0.75モルのニッケ
ルを含有するアンミンニッケル炭酸塩水溶液と混合した
以外は同様に合成した。このコバルトニッケル塩と水酸
化リチウムをモル比でLi:Co:Ni=1:0.2
5:0.75になるようにした以外は実施例1と同様に
して正極活物質を得た。 [実施例5]実施例1のコバルトニッケル塩と水酸化リ
チウムをモル比でLi:Co:Ni=1:0.2:0.
8になるように混合し、500℃で24時間熱処理し
た。これを乳鉢にて混合した後、酸素濃度を25%以上
に保ちつつ700℃で6時間焼成を行った。乳鉢で粉砕
し、75μmのふるいを通したものを正極活物質とし
た。 [実施例6]実施例1のコバルトニッケル塩と水酸化リ
チウムをモル比でLi:Co:Ni=1:0.2:0.
8になるように混合し、酸素濃度を25%以上に保ちつ
つ800℃で6時間焼成を行った。乳鉢で粉砕し、75
μmのふるいを通したものを正極活物質とした。
【0029】[比較例1]市販試薬の硫酸ニッケルを水
に加え、飽和状態の硫酸ニッケル水溶液を作製し、これ
に所定量(Co:Ni=2:8になるように)の硫酸コ
バルトを加え、さらに水を加えて調整して硫酸ニッケル
および硫酸コバルトを含む飽和水溶液を作製した。次い
で、撹拌しながらこの水溶液に水酸化ナトリウム水溶液
をゆっくりと加えていくと、NiとCoの水酸化物の沈
殿(共沈)が同時に始まった。十分に水酸化ナトリウム
水溶液を加えて沈殿が終了したのを見極めた後、濾過し
て沈殿物を回収し水洗した。pHを測定しながら水洗を
繰り返し、残存アルカリがほぼ無くなったのを見極めた
後、熱風空気(100℃に設定した熱風乾燥器を用い
た)で乾燥させた。このようにして得られた共沈水酸化
物は元素分析の結果、コバルトとニッケルが2:8の比
率で含まれていた。原子吸光法によりナトリウムを定量
したところ、500ppmであった。このコバルトニッ
ケル共沈水酸化物と水酸化リチウムをモル比でLi:C
o:Ni=1:0.2:0.8になるように混合し、5
00℃で24時間熱処理した。これを乳鉢にて再混合し
た後、酸素気流中750℃で6時間焼成を行った。乳鉢
で粉砕し、75μmのふるいを通したものを正極活物質
とした。
【0030】[比較例2]ニッケルとコバルトとの割合
がモル比で8:2になるように塩化ニッケル・6水和物
と塩化コバルト・6水和物とを炭酸ガスを飽和した純水
に溶解し、この溶液に重炭酸ナトリウム水溶液を加え、
放置して共沈させた。沈殿物をろ取し、水洗したのち風
乾させた。このようにして得られた共沈炭酸塩は元素分
析の結果、コバルトとニッケルが2:8の比率で含まれ
ていた。原子吸光法によりナトリウムを定量したとこ
ろ、2000ppmであった。このコバルトニッケル共
沈炭酸塩と水酸化リチウムをモル比でLi:Co:Ni
=1:0.2:0.8になるように混合し、500℃で
24時間熱処理した。これを乳鉢にて再混合した後、酸
素気流中750℃で6時間焼成を行った。乳鉢で粉砕
し、75μmのふるいを通したものを正極活物質とし
た。
【0031】[比較例3]比較例2に記載の方法で合成
したコバルトニッケル共沈炭酸塩と水酸化リチウムをモ
ル比でLi:Co:Ni=1:0.2:0.8になるよ
うに混合し、酸素濃度を25%以上に保ちつつ750℃
で6時間焼成を行った。乳鉢で粉砕し、75μmのふる
いを通したものを正極活物質とした。
【0032】以上により得られた、正極活物質を各々、
下記の方法で電池を作製し、充放電容量及び充電された
正極の発熱開始温度を測定した。その結果を表1に示し
た。 [電池の作成]正極活物質、アセチレンブラック、PV
DF(ポリフッ化ビニリデン)が90:5:5の比率に
なるように混合し、ドクターブレードでアルミニウム箔
に塗布し、正極板とした。120℃で乾燥後、切り抜
き、負極としてリチウム金属を使用して電池を作製し
た。電解液はエチレンカーボネートとジエチルカーボネ
ートを1:1で混合した溶媒にフッ化リン酸リチウムを
1モル/dm3溶解させたものを使用した。
【0033】[充放電容量及びの測定]4.3V−2.
5Vの間で0.1C相当の電流で充放電を行ない、初期
充電容量(mAh/g)、初期放電容量(mAh/
g)、20サイクル後放電容量(mAh/g)を測定し
た。 [発熱温度の測定]同様に作製した電池を0.1C相当
の電流で4.3Vまで充電した後、6時間4.3Vで定
電圧充電を行ったものを乾燥アルゴン中で分解し、正極
板を直径2mmに切り取り、電解液と共に示差走査熱量
計(DSC)の測定セルに封入した後、大気中に取り出
し、DSC測定することにより、充電された正極の発熱
開始温度(℃)を測定した。DSCの昇温速度は5℃/
分とした。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明により、高電池容量、高エネルギ
ー密度でサイクル劣化が少なく、充電時の高温安全性に
優れた高性能の二次電池を得るための正極活物質を提供
することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式LixCoyNi1-y2(0.95≦
    x≦1.05、0.05≦y≦0.50)で表されるリ
    チウム含有複合酸化物からなる正極活物質の製造方法で
    あり、アンミンコバルト塩とアンミンニッケル塩とを含
    む水溶液を加熱し、コバルトとニッケルを含む塩を生成
    させ、次いで、該塩とリチウム化合物とを混合し、得ら
    れた混合物を600〜850℃で焼成することを特徴と
    するリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 【請求項2】アンミンコバルト塩及びアンミンニッケル
    塩が、いずれも炭酸塩である請求項1に記載のリチウム
    二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 【請求項3】アンミンコバルト塩とアンミンニッケル塩
    とを含む水溶液を、常圧から0.5MPaまでの範囲で
    100〜150℃で加熱する請求項1又は2に記載のリ
    チウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 【請求項4】前記混合物を300〜600℃で加熱し、
    再混合した後、さらに600〜850℃で焼成する請求
    項1、2又は3に記載のリチウム二次電池用正極活物質
    の製造方法。
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