JP2001073506A - 改装用屋根材およびその取付構造 - Google Patents

改装用屋根材およびその取付構造

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JP2001073506A
JP2001073506A JP24762899A JP24762899A JP2001073506A JP 2001073506 A JP2001073506 A JP 2001073506A JP 24762899 A JP24762899 A JP 24762899A JP 24762899 A JP24762899 A JP 24762899A JP 2001073506 A JP2001073506 A JP 2001073506A
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roof
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Yasukuni Kato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取付作業が容易な改装用屋根材を提供するこ
と。 【解決手段】 改装用屋根材30は、スレート屋根材2
0を覆う本体31と、スレート屋根材20の下部を挟持
する挟持部32と、上下のスレート屋根材20間に挟ま
れる被挟持部33とを含んで構成されている。このた
め、挟持部32をスレート屋根材20の下部に嵌め込み
ながら、被挟持部33を上下のスレート屋根材20間に
挟み込むことで、スレート屋根材20に改装用屋根材3
0を取り付けることができる。従って、従来の改装用屋
根材では、他の改装用屋根材に係合させる必要があった
が、本発明の改装用屋根材30では、その必要がないの
で、改装用屋根材30の取付作業を容易にすることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根の勾配方向に
沿って連設され、かつ、勾配方向下側に配置された屋根
材の上端部の上に、勾配方向上側に配置された屋根材の
下端部が順次重ねられて設置される複数の屋根材の表面
に設けられる改装用屋根材およびその取付構造に関する
ものである。
【0002】
【背景技術】従来より、建物の屋根には、その屋根面上
に、瓦等の屋根材を勾配方向に重ねて取り付けたものが
ある。このような屋根材で葺いた屋根を葺き替えるに
は、屋根材を全部剥がして新しい屋根材に葺き替えるこ
とが行われるが、これは、屋根材を剥がすのに手間がか
かるうえ、建物を使用しながら葺き替えることが困難で
あった。そこで、近年、既設の各屋根材の表面に改装用
屋根材を取り付けて、当該屋根材を覆うことで、屋根の
葺き替えを行っている(特公平3−54227号公報等
参照)。この際、改装用屋根材は、一端が既設の屋根材
に釘等で固定され、他端が他の改装用屋根材に係合され
て取り付けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような改装用屋根
材では、他端を他の改装用屋根材に係合して取り付けな
ければならないので、改装用屋根材の取付作業が煩雑に
なるという問題がある。特に、一文字葺きのように、複
数の屋根材が勾配方向に位置をずらして配置されている
場合、各改装用屋根材は、その勾配方向上側が他の2枚
の改装用屋根材に隣接するので、この他の2枚の改装用
屋根材に係合させなければならず、この点からも、改装
用屋根材の取付作業が煩雑になるという問題がある。
【0004】本発明の目的は、取付作業が容易な改装用
屋根材およびその取付構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明は、図面
を参照して説明すると、屋根1の勾配方向Bに沿って連
設され、かつ、勾配方向下側に配置された屋根材20の
上端部の上に、勾配方向上側に配置された屋根材の下端
部が順次重ねられて設置される複数の屋根材の表面に設
けられる改装用屋根材30であって、屋根材の表面を覆
う本体31と、屋根材の勾配方向下側の端部を表裏から
挟む挟持部32と、屋根材およびこの屋根材の勾配方向
上側に配置される屋根材の間に挟まれる被挟持部33と
を備えることを特徴とする。このような本発明によれ
ば、本体を屋根材の表面に沿って、勾配方向下側から勾
配方向上側に滑らせ、被挟持部を屋根材およびこの屋根
材の勾配方向上側に配置される屋根材の間に挟むととも
に、挟持部を屋根材の端面に嵌め込むことで、改装用屋
根材を屋根材に取り付けることが可能となる。これによ
り、改装用屋根材を他の改装用屋根材に係合させる必要
がなく、従来に比べて、改装用屋根材の取付作業が容易
となる。
【0006】以上において、前述の挟持部は、本体の端
部を折り曲げて形成されていることが好ましい。このよ
うにすれば、挟持部が簡単に形成されるので、改装用屋
根材の製造が容易となる。その上、本体の端部を折り曲
げて形成することで、本体の幅寸法と同じ長さ寸法の挟
持部が形成され、屋根材の勾配方向下側の端部全体を挟
持することが可能となるので、改装用屋根材の取り付け
を確実かつ迅速に行うことが可能となる。
【0007】また、前述の挟持部の内部には、屋根材の
下端面が当接する当接片32Bが設けられていることが
望ましい。このようにすれば、当接片を基準にして屋根
材の下端面に当接させることで、改装用屋根材を精度よ
く配置することが可能となるので、取付作業が容易とな
るとともに、屋根の外観を向上させることが可能とな
る。また、当接片と挟持部の内面との間には、空間が形
成され、この空間を、挟持部内に雨水等が溜まっても排
水することが可能な排水用空間として確保することが可
能となるので、これにより、改装用屋根材の排水性能を
向上させることが可能となる。さらに、当接片に屋根材
の下端面を当接させることで、改装用屋根材の下端部分
が屋根材の下端よりも下方に突出する。このため、勾配
方向下側の改装用屋根材の被挟持部を屋根材の上端部に
釘打ち固定した際に、勾配方向上側に配置される改装用
屋根材の突出部分で、前述の被挟持部の釘打ち部分を覆
い隠すことが可能となるので、これにより、屋根の外観
を向上させることが可能となる。
【0008】さらに、前述の当接片は、挟持部の一部を
切り起こして形成されていることが好ましい。このよう
にすれば、当接片の形成を容易に行うことが可能となる
うえ、切り起こしにより挟持部に孔32Cが形成され、
この孔を挟持部内に溜まった雨水等を抜くための水抜き
孔として利用することが可能となるので、改装用屋根材
の排水性能をより一層向上させることが可能となる。
【0009】また、前述の挟持部および被挟持部は、そ
れぞれ端縁角部が切り欠かれていることが望ましい。こ
のようにすれば、挟持部で屋根材の端部を挟み込んだ
り、屋根材と他の屋根材との間に被挟持部を挟み込む場
合に、各端縁の先端の幅寸法が小さく、角部分が引っ掛
かりにくいので、各端縁の差し込み作業が簡単になり、
改装用屋根材の取付作業がより一層容易となる。
【0010】本願の第2発明は、図面を参照して説明す
ると、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の改装用屋
根材の取付構造であって、勾配方向に直交する方向に隣
接する各改装用屋根材は、その勾配方向に直交する方向
の端縁同士が突き合わされて配置されていることを特徴
とする。このような本発明によれば、改装用屋根材を勾
配方向に直交する方向に取り付ける際に、その端縁同士
を突き合わせて配置していけばよいので、当該改装用屋
根材の取付作業が容易となる。また、改装用屋根材の端
縁同士を突き合わせて配置することで、隣接する改装用
屋根材間に段差が生じることがなく、これにより、屋根
の外観を向上させることが可能となる。
【0011】本願の第3発明は、図面を参照して説明す
ると、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の改装用屋
根材の取付構造であって、勾配方向に直交する方向に隣
接する各改装用屋根材30Aは、その勾配方向に直交す
る方向の端縁同士が重ね合わされて配置されていること
を特徴とする。このような本発明によれば、改装用屋根
材を勾配方向に直交する方向に取り付ける際に、その端
縁同士を重ね合わせて配置していけばよいので、当該改
装用屋根材の取付作業が容易となる。また、改装用屋根
材の端縁同士を重ね合わせて配置することで、隣接する
改装用屋根材間に隙間が生じることがなく、これによ
り、屋根の外観を向上させることが可能となる。さら
に、改装用屋根材の幅寸法は、端縁同士が重ね合わさる
程度の寸法以上あればよいので、各改装用屋根材の幅寸
法の精度を高くする必要がなく、これにより、改装用屋
根材の生産性を向上させることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 (第1実施形態)図1には、本発明の第1実施形態にお
ける寄棟屋根1が示されている。この寄棟屋根1は、桁
側Kに沿った2つの傾斜面11および妻側Tに沿った2
つの傾斜面12を備えている。そして、傾斜面11の境
界は棟13とされ、傾斜面11と傾斜面12との境界
は、下棟14とされている。これらの傾斜面11、12
では、下地材(図示省略)の上に重ねられた屋根材とし
てのスレート屋根材20(図2参照)と、これらのスレ
ート屋根材20を被覆する改装用屋根材30(以下、リ
フォーム屋根材30と呼ぶ。)とを含んで構成されてい
る。
【0013】傾斜面11、12は、図4に示すように、
桁方向もしくは妻方向に傾斜して配置された野地板41
と、この野地板41上に敷設された防水シート42と、
この防水シート42上に配置された既設のスレート屋根
材20と、これらスレート屋根材20を覆うリフォーム
屋根材30とを含んで構成されている。
【0014】スレート屋根材20は、図2に示すよう
に、無機質繊維が用いられ、傾斜面11、12上では、
一文字葺きで葺かれている。すなわち、スレート屋根材
20は、傾斜面11、12の勾配方向Bと直交する水平
方向Hには揃って並べられ、勾配方向Bには互い違いに
重なるように配置されている。そして、下側に配置され
たスレート屋根材20の上端の上に、上側に配置された
スレート屋根材20の下端が重なった状態で、スレート
屋根材20が傾斜面11、12上に順次配置されてい
る。
【0015】リフォーム屋根材30は、金属製の屋根材
であり、各スレート屋根材20を覆いながら、勾配方向
Bに直交する方向Hに、端縁同士が突き合わされて配置
されている。そして、リフォーム屋根材30は、図3〜
5に示すように、スレート屋根材20の表面を覆う本体
31と、スレート屋根材20の下端を表裏から挟む挟持
部32と、重ね合わされたスレート屋根材20の上端お
よび下端間に挟まれる被挟持部33とを含んで構成され
ている。
【0016】本体31、挟持部32および被挟持部33
は、1枚の金属製板材を折り曲げて形成されたものであ
る。従って、挟持部32は、スレート屋根材20の厚さ
分を確保して、本体31の勾配方向Bの下端部分を折り
返して形成される折返し片32Aを含んで構成されてい
る。また、この折返し片32Aには、この折返し片32
Aの一部を内部に切り起こした四角板状の当接片32B
が形成され、この当接片32Bは、挟持部32内にスレ
ート屋根材20の下部が挟持される際に、スレート屋根
材20の下端面が当接するようになっている。
【0017】さらに、当接片32Bが切り起こされるの
に伴って、折返し片32Aには、四角状の開口(孔)3
2Cが形成され、この開口32Cは、挟持部32に流入
した雨水の水抜孔とされている。なお、折返し片32A
の端縁角部は、それぞれ斜めに切り欠かれている。ま
た、本体31の被挟持部33近傍には、釘35(図2参
照)を挿通する釘穴32Dが3カ所設けられている。さ
らに、被挟持部33の端縁角部は、それぞれ斜めに切り
欠かれている。
【0018】下棟14では、図6に示すように、改装用
の棟包50が既設の棟包44を被覆している。すなわ
ち、この下棟14では、図7に示すように、通常、野地
板41および防水シート42の上に、既存のスレート屋
根材20および笠木43が設けられ、この笠木43を覆
って、既存の棟包44が設置されている。さらに、スレ
ート屋根材20にリフォーム屋根材30が取り付けられ
て改装した際には、下棟14では、既存の棟包44を覆
うようにして改装用の棟包50が設けられている。な
お、これら笠木43、既存の棟包44および改装用の棟
包50は、釘45によって野地板41に固定されてい
る。
【0019】このような、リフォーム屋根材30は、図
4に示すように、スレート屋根材20の下側から、この
スレート屋根材20を嵌め込むようにして、スレート屋
根材20に取り付けられている。すなわち、まず、スレ
ート屋根材20の下部を挟持部32に収納するととも
に、このスレート屋根材20の上端と、このスレート屋
根材20の上側に配置されるスレート屋根材20の下端
との間に被挟持部33を差し込んだ後、釘35を釘穴3
2D(図3参照)を通して、スレート屋根材20や野地
板41に打ち込んで、リフォーム屋根材30をスレート
屋根材20に固定する。そして、このような作業を、勾
配方向Bの下端側のスレート屋根材20から、傾斜面1
1、12の上側に向かって順次行っていく。さらに、下
棟14にも改装用の棟包50を、既存の棟包44を覆う
ように取り付けるとともに、図示しない棟13にも必要
に応じて改装用の棟包を被覆して、寄棟屋根1の改装作
業を終了する。なお、図5に示すように、被挟持部33
から露出する釘35の頭部は、上部に設けられるリフォ
ーム屋根材30の挟持部32によって覆われてしまうの
で、外側からは視認されないようになっている。
【0020】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果が得られる。 (1)リフォーム屋根材30は、スレート屋根材20を
覆う本体31と、スレート屋根材20の下部を挟持する
挟持部32と、上下のスレート屋根材20間に挟まれる
被挟持部33とを含んで構成されている。このため、挟
持部32をスレート屋根材20の下部に嵌め込みなが
ら、被挟持部33を上下のスレート屋根材20間に挟み
込むことで、スレート屋根材20にリフォーム屋根材3
0を容易に取り付けることができる。従って、リフォー
ム屋根材30を、隣接して配置された他のリフォーム屋
根材30に係合させる必要がなく、従来の改装用屋根材
に比べて、リフォーム屋根材30の取付作業を容易にす
ることができる。
【0021】(2)挟持部32は、四角形状の本体31
の一部を折り曲げて形成されているので、挟持部32は
簡単に形成され、リフォーム屋根材30の製造を容易に
することができる。
【0022】(3)本体31は、スレート屋根材20と
同じ幅寸法を有し、挟持部32は、この本体31と同じ
幅寸法を有しているので、挟持部32によってスレート
屋根材20の下部全体を挟持することができる。従っ
て、スレート屋根材20の下部がリフォーム屋根材30
からはみ出したり、露出することがないので、リフォー
ム屋根材30の取付けを確実かつ迅速に行うことができ
る。
【0023】(4)挟持部32の折返し片32Aには、
当接片32Bが設けられているので、リフォーム屋根材
30をスレート屋根材20に取り付ける際に、当接片3
2Bをスレート屋根材20の下端に当接させて位置決め
することができる。すなわち、当接片32Bが、位置決
めの役割をなすので、リフォーム屋根材30の取付作業
が容易になるとともに、リフォーム屋根材30を精度良
く配置することができる。
【0024】(5)当接片32Bを設けることで、スレ
ート屋根材20の下端の位置よりも、挟持部32を勾配
方向Bの下側に向かって突出させることができる。この
ため、この突出部分で、勾配方向Bの下側に設けられた
リフォーム屋根材30を固定する釘35を覆い隠すこと
ができる。従って、釘35は建物外側からは視認されな
くなるので、寄棟屋根1の外観を向上させることができ
る。
【0025】(6)挟持部32の下端と当接片32Bと
の間には、空間が形成されるので、この空間を挟持部3
2内に流入した雨水を排出することのできる排水用空間
として利用することができる。従って、リフォーム屋根
材30の排水性能を向上させることができる。
【0026】(7)折返し片32Aには、当接片32B
が切り起こされて形成された四角形状の開口32Cが形
成されている。従って、この開口32Cを、挟持部32
内部の空間に流入した雨水を迅速に排出する水抜孔とし
て利用することができるので、リフォーム屋根材30の
排水性能をより一層向上させることができる。
【0027】(8)挟持部32および被挟持部33は、
それぞれの端縁が、斜めに切り欠かれて形成されてい
る。すなわち、挟持部32および被挟持部33の先端の
幅寸法、すなわち各端縁間の幅寸法は、本体31の幅寸
法よりも短くされ、リフォーム屋根材30の角部分が、
他のリフォーム屋根材30やスレート屋根材20に引っ
掛かりにくくなっているので、スレート屋根材20間に
被挟持部33を挟み込む場合に、各端縁の差し込み作業
が容易になり、リフォーム屋根材30の取付作業を一層
容易にすることができる。
【0028】(9)リフォーム屋根材30の取付構造
は、リフォーム屋根材30の端縁同士が互いに突き合わ
されて配置されているので、隣接するリフォーム屋根材
30間には、段差などの配置不良が生じず、寄棟屋根1
の外観上の意匠性を向上させることができる。
【0029】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等
を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
すなわち、前記実施形態では、下棟14の構造は、既存
の棟包44を覆うようにして改装用の棟包50が設けら
れていたが、この下棟14の構造は、これに限らない。
例えば、図8、9に示すように、下棟14Aに差棟46
が設けられている場合では、既存の差棟46の上に改装
用の笠木51を設け、この改装用の笠木51を覆うよう
にして改装用の棟包50Aを設けてもよい。
【0030】すなわち、図9に示すように、傾斜面1
1、12では、前記実施形態と同様に、野地板41の上
に、スレート屋根材20が配置され、これらスレート屋
根材20に、リフォーム屋根材30が取り付けられてい
る。一方、これらの傾斜面11、12の境界部分である
下棟14Aでは、スレート屋根材20に隣接して、既存
の差棟46が両方の野地板41に跨って設けられてい
る。さらに、この差棟46の上に、改装用の笠木51を
双方の傾斜面11、12側に各々設け、これら改装用の
笠木51を覆うようにして、棟包50Aを設ける。な
お、これら棟包50A、笠木51および差棟46は、釘
45によって、野地板41に固定する。
【0031】また、前記実施形態では、リフォーム屋根
材30の端部は、隣接するリフォーム屋根材30の端部
と互いに突き合わされて配置されていたが、リフォーム
屋根材30の配置方法はこれに限らない。例えば、図1
0に示されるように、リフォーム屋根材30Aの左の端
部が、隣接するリフォーム屋根材30Aの右端部内に収
納されるようにして、リフォーム屋根材30A同士が勾
配方向に直交する方向Hに沿って重ね合わされて配置さ
れる方法でもよい。
【0032】この場合、リフォーム屋根材30Aの端部
同士を重ねて配置していけばよいので、直前に配置され
たリフォーム屋根材30Aの端部が、次に配置されるリ
フォーム屋根材30Aを配置する際の目標(位置決め)
となるので、リフォーム屋根材30Aの取付作業を容易
にすることができる。また、リフォーム屋根材30Aは
端部が互いに重ね合わされるので、隣接するリフォーム
屋根材30A間に隙間が生じることがないので、寄棟屋
根1の外観意匠性を高めることができるさらに、リフォ
ーム屋根材30Aの幅寸法に多少の寸法誤差やばらつき
が生じても、これらの誤差は端部の重なり合い部分で吸
収される。従って、リフォーム屋根材30Aを製造する
際に、リフォーム屋根材30Aの幅寸法にあまり高い寸
法精度が要求されず、製造の際の条件が緩和されるの
で、リフォーム屋根材30Aの生産性を向上させること
ができる。
【0033】そして、前記実施形態では、リフォーム屋
根材30は、1つのスレート屋根材20に対して、1つ
のリフォーム屋根材30が取り付けられていたが、この
ような取付は、これに限らない。例えば、図11に示す
ように、3つのスレート屋根材20に跨って、さらに
は、2つ、4つ、5つ、…、など複数のスレート屋根材
20に跨って、リフォーム屋根材30Bが取り付けられ
ていてもよく、これらは、実施の状況に応じて適宜選択
されることが好ましい。
【0034】また、前記実施形態では、リフォーム屋根
材30の幅寸法は、被覆されるスレート屋根材20の幅
寸法と同一に設定されていたが、リフォーム屋根材30
の幅寸法は、これに限らない。例えば、図11に示すよ
うに、2枚のスレート屋根材20に相当する幅寸法2×
Wを有してもよく、このようなリフォーム屋根材30B
の幅寸法は、実施の状況に応じて適宜設定されることが
好ましい。なお、2つのスレート屋根材20に跨ってリ
フォーム屋根材30が取り付けられる場合、そのリフォ
ーム屋根材30の幅寸法は、1つのスレート屋根材20
と同じ幅寸法でもよいし、2つのスレート屋根材20分
の幅寸法でもよい。
【0035】さらに、前記実施形態では、被挟持部33
には、釘穴32Dが3カ所設けられていたが、このよう
な釘穴32Dは実施の状況に応じて、適宜形成されるこ
とが好ましい。また、前記実施形態では、リフォーム屋
根材30は、釘35で固定されていたが、これに限ら
ず、接着剤や差込みのみで固定されていてもよい。
【0036】さらに、前記実施形態では、挟持部32お
よび被挟持部33の角部分は、斜めに切り欠かれていた
が、これらの角部分の処理は省略されていてもよい。
【0037】そして、前記実施形態では、折返し片32
Aに、四角形状の当接片32Bが切り起こされていた
が、当接片32Bの形状は、四角形状に限らない。例え
ば、三角形状や半円形状でもよい。また、当接片32B
は、1つであったが、これに限らず、複数設けられてい
てもよい。さらに、当接片32Bは省略されて、挟持部
32の内部全体に、スレート屋根材20の下部が収納さ
れてもよい。この場合でも、挟持部32には、排水用の
開口部が形成されることが好ましい。
【0038】そして、前記実施形態では、挟持部32
は、本体31の一部が折り曲げられて形成されていた
が、挟持部32の形成方法は、これに限らない。例え
ば、スレート屋根材20の幅寸法に対応した長さ寸法を
有する断面L字形状の部材と、本体31および被挟持部
33に相当する面状部材とが、溶接やボルトなどによっ
て接合されることで、リフォーム屋根材が形成されてい
てもよい。また、挟持部32の幅寸法は、本体31と同
一であることに限らず、本体31に比べて短く、もしく
は長くなっていてもよい。
【0039】さらに、前記実施形態では、スレート屋根
材20は、一文字葺きで葺かれていたが、リフォーム屋
根材の葺き方は、これに限らない。例えば、うろこ葺
き、亀甲葺き、隅切葺きなどの葺き方でもよい。
【0040】そして、前記実施形態では、寄棟屋根1に
利用されていたが、屋根形態は、これに限らない。例え
ば、片流れ、切妻、方形、入母屋、腰折れなどの屋根形
態に用いられていてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の改装用屋
根材およびその取付構造によれば、以下に述べるような
効果が得られる。すなわち、請求項1に記載の改装用屋
根材によれば、屋根材を覆う本体と、屋根材の下部を挟
持する挟持部と、上下の屋根材間に挟まれる被挟持部と
を含んで構成されている。このため、挟持部を屋根材の
下部に嵌め込みながら、被挟持部を上下のスレート屋根
材間に挟み込むことができるので、従来の改装用屋根材
のように、他の改装用屋根材に係合させる必要がないの
で、改装用屋根材の取付作業を容易にすることができ
る。
【0042】また、請求項2に記載の改装用屋根材によ
れば、挟持部は、本体の一部を折り曲げて形成されてい
るので、挟持部は簡単に形成され、改装用屋根材の製造
を容易にすることができる。また、本体と挟持部とは、
屋根材と同一の幅寸法を有するので、挟持部によって屋
根材の下部全体を挟持することができる。従って、改装
用屋根材の取付を確実かつ迅速に行うことができる。
【0043】さらに、請求項3に記載の改装用屋根材に
よれば、挟持部には、当接片が設けられているので、こ
の当接片に屋根材の下端面が当接して、位置決めされ
る。従って、改装用屋根材の取付作業が容易になるとと
もに、改装用屋根材を精度良く配置することもできる。
また、挟持部下端と当接片との間には、空間が形成され
るので、この空間を、挟持部内に流入した雨水を排出す
ることのできる排水用空間として利用することができ
る。従って、改装用屋根材の排水性能を向上させること
ができる。そして、屋根材の下端の位置から、挟持部が
勾配方向下側に向かって突出するので、この突出部分
で、勾配方向下側に設けられた改装用屋根材を固定する
釘などを覆い隠すことができる。従って、釘は建物外側
からは視認されなくなるので、屋根の外観を向上させる
ことができる。
【0044】また、請求項4に記載の改装用屋根材によ
れば、当接片は、挟持部の一部を切り起こして形成され
る。このため、挟持部には、当接片が切り起こされたこ
とにより四角形状の開口が形成されている。従って、こ
の開口を、挟持部内部の空間に流入した雨水を迅速に排
出する水抜孔として利用することができるので、リフォ
ーム屋根材の排水性能をより一層向上させることができ
る。
【0045】さらに、請求項5に記載の改装用屋根材に
よれば、挟持部および被挟持部は、それぞれ端縁角部が
切り欠かれている。このため、各端縁同士の幅寸法を、
本体の幅寸法よりも小さくすることができるので、角部
分が他の屋根材と引っ掛かりにくくなる。従って、各端
縁が差し込みやすくなるので、改装用屋根材の取付作業
を容易にすることができる。
【0046】そして、請求項6に記載の改装用屋根材の
取付構造によれば、屋根面の勾配方向に直交する方向
に、改装用屋根材の端縁同士が互いに突き合わされるよ
うにして配置される。すなわち、改装用屋根材の端縁同
士を接触させながら、連続して配置していけばよいの
で、改装用屋根材の取付作業を容易にすることができ
る。また、改装用屋根材の端縁同士が互いに突き合わさ
れて配置されているので、隣接する改装用屋根材間に
は、段差などの配置不良が生じない。このため、屋根の
外観上の意匠性を向上させることができる。
【0047】さらに、請求項7に記載の改装用屋根材の
取付構造によれば、屋根面の勾配方向に直交する方向
に、改装用屋根材の端縁同士が重ね合わされて、各改装
用屋根材が配置されている。このため、端縁同士を重ね
合わせて配置していけばよいので、改装用屋根材の取付
作業を容易にすることができる。さらに、改装用屋根材
は、隣接する改装用屋根材間に隙間が生じることがない
ので、屋根の外観意匠性を向上させることができる。そ
して、改装用屋根材の幅寸法にばらつきが生じても、改
装用屋根材が互いに重ね合わされる部分で、幅寸法の誤
差を吸収することができるので、改装用屋根材の幅寸法
に対して、あまり高い精度が要求されない。従って、改
装用屋根材の生産に対して、製造条件が緩和されるの
で、改装用屋根材の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における寄棟屋根を示す
斜視図である。
【図2】前記実施形態における屋根面を示す斜視図であ
る。
【図3】前記実施形態におけるリフォーム屋根材を示す
斜視図である。
【図4】前記実施形態における屋根材の配置を示す断面
図である。
【図5】前記実施形態における屋根材の納まりを示す断
面図である。
【図6】前記実施形態における下棟を示す図である。
【図7】前記実施形態における下棟の構造を示す断面図
である。
【図8】前記実施形態の変形例の下棟を示す図である。
【図9】前記変形例における下棟の構造を示す断面図で
ある。
【図10】前記実施形態の他の変形例での改装用屋根材
の取付を示す斜視図である。
【図11】前記実施形態の他の変形例での改装用屋根材
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 屋根の一形態である寄棟屋根 20 既設の屋根材であるスレート屋根材 30、30A、30B 改装用の屋根材であるリフォー
ム屋根材 31 本体 32 挟持部 32B 当接片 32C 当接片を切り起こして形成される開口 33 被挟持部 B 勾配方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屋根の勾配方向に沿って連設され、かつ、
    勾配方向下側に配置された屋根材の上端部の上に、勾配
    方向上側に配置された屋根材の下端部が順次重ねられて
    設置される複数の屋根材の表面に設けられる改装用屋根
    材であって、 前記屋根材の表面を覆う本体と、前記屋根材の勾配方向
    下側の端部を表裏から挟む挟持部と、前記屋根材および
    この屋根材の勾配方向上側に配置される屋根材の間に挟
    まれる被挟持部とを備えることを特徴とする改装用屋根
    材。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の改装用屋根材において、 前記挟持部は、前記本体の端部を折り曲げて形成されて
    いることを特徴とする改装用屋根材。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の改装用屋
    根材において、 前記挟持部の内部には、前記屋根材の下端面が当接する
    当接片が設けられていることを特徴とする改装用屋根
    材。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の改装用屋根材において、 前記当接片は、前記挟持部の一部を切り起こして形成さ
    れていることを特徴とする改装用屋根材。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4のいずれかに記載の改
    装用屋根材において、 前記挟持部および被挟持部は、それぞれ端縁角部が切り
    欠かれていることを特徴とする改装用屋根材。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の改
    装用屋根材の取付構造であって、 勾配方向に直交する方向に隣接する前記各改装用屋根材
    は、その勾配方向に直交する方向の端縁同士が突き合わ
    されて配置されていることを特徴とする改装用屋根材の
    取付構造。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の改
    装用屋根材の取付構造であって、 勾配方向に直交する方向に隣接する前記各改装用屋根材
    は、その勾配方向に直交する方向の端縁同士が重ね合わ
    されて配置されていることを特徴とする改装用屋根材の
    取付構造。
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