JP2001072805A - ゴム組成物及び自動車用導電性燃料低透過ホース - Google Patents

ゴム組成物及び自動車用導電性燃料低透過ホース

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JP2001072805A
JP2001072805A JP2000197892A JP2000197892A JP2001072805A JP 2001072805 A JP2001072805 A JP 2001072805A JP 2000197892 A JP2000197892 A JP 2000197892A JP 2000197892 A JP2000197892 A JP 2000197892A JP 2001072805 A JP2001072805 A JP 2001072805A
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hose
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Atsuo Miyajima
敦夫 宮島
Takahiro Nishiyama
高広 西山
Kazuhiro Kato
和宏 加藤
Shinobu Kanbe
忍 神戸
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NBR・PVCを基材とする簡易かつ安価な
組成のゴム組成物を用いて、厳しい燃料透過規制に適合
すると共に望ましい導電性を備え、かつ低温性等も良好
な導電性低透過ホースを構成する。 【解決手段】 NBR中のAN量が43〜50重量%で
あるNBR・PVCにSP値が8.8以上で分子量が5
50以下である可塑剤を比較的少量添加し、かつカーボ
ンブラックの添加により108Ω・cm以下の体積固有
抵抗値とされたゴム材料を用いた構成された導電性低透
過ホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム組成物及び自動
車用導電性燃料低透過ホースに関し、更に詳しくは、N
BR・PVCを基材とする簡易かつ安価な構成によっ
て、燃料低透過性と低温性とを両立させたもとで、フィ
ラーホース又はブリーザーホースに要求される導電性を
も満足させた自動車用導電性燃料低透過ホースと、これ
に好適に用いられるゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】米国におけるいわゆるSHED規制と同
様の自動車からの燃料透過性の規制が、我が国やヨーロ
ッパにおいても西暦2000年より実施される。周知の
ように、自動車からの燃料透過性に対する燃料輸送ホー
スの寄与率は大変高いため、燃料輸送ホースにおける高
度な燃料不透過性が求められている。
【0003】従来我が国では、フィラーホースやブリー
ザーホースにおいて一般的な組成のNBRやNBR・P
VCが用いられているが、これらの仕様では、実施予定
の上記国内規制に適合する燃料不透過性は得られない。
又、これらのゴム材料では一般的に、燃料油に浸漬され
た場合に可塑剤や加硫剤及び加硫剤の反応生成物が抽出
され、特に加硫剤やその反応生成物は燃料ポンプ内の金
属製部品の腐食、燃料配管中の各種バルブの詰まり等の
不具合を起こす場合がある。
【0004】一方、既にSHED規制の実施されている
米国では、これらのホースとして、内層にFKMやフッ
素樹脂等の樹脂材を用い、外層にNBR・PVC,EC
O(エピクロロヒドリンゴム),CSM(クロロスルホ
ン化ポリエチレン)等を用いた仕様が実施されており、
これによって厳しい燃料透過規制をクリアしている。
【発明が解決しようとする課題】ところで、給油時や車
体の振動時におけるガソリンの流動等に起因する静電気
の帯電から、給油時における金属製給油ガンの接触によ
り、スパークが発生してガソリンに引火すると言う可能
性が従来より指摘されている。その対策として、フィラ
ーパイプからボディ等へアース線を付けて静電気を逃が
すことも試みられているが、設計の煩雑化,部品点数及
び取付け工数の増大等の無視できないデメリットを伴
う。そこで、自動車用燃料ホースの内、設置部位の関係
から、フィラーホースとブリーザーホースに関しては、
例えば108Ω・cm以下の体積固有抵抗値に設定する
と言う導電性の付与によって、上記のような帯電を防止
することが期待されている。
【0005】しかしながら、米国における上記フィラー
ホースやブリーザーホースの仕様では、直接パイプへ接
触する内層のFKMや樹脂材が本質的に電気抵抗が大き
いために、充分な導電性を付与することは困難である。
又、FKMやフッ素樹脂は高価であるし、FKMや樹脂
材を用いた内層は反応性が乏しいことから外層材との接
着処理に加重的な技術力と加工コストを要し、更にFK
Mを用いたホースを蛇腹形状等に加工する際には製造方
法が複雑になる、等の種々の問題を伴う。
【0006】そこで本発明は、簡易かつ安価な構成のゴ
ム組成物を用いて、燃料不透過性と導電性に優れた自動
車用導電性燃料低透過ホースを構成することを、解決す
べき課題とする。
【0007】本願発明者は、各種NBR・PVCを基材
とする種々の組成のゴム材料について、実際のガソリン
(米国エバポ規制評価用PHASE II ガソリン及び欧
州エバポ規制評価用ガソリン)を用いて燃料不透過性や
導電性等を評価した処、燃料不透過性においてFKMに
対抗可能で、かつ低温性等の必要な特性を確保したもと
で、優れた導電性を示すゴム組成物があり得ること、更
にこのゴム組成物においては加硫剤やその反応生成物の
燃料油への抽出量も低減可能であることを新たに発見
し、本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム)のAN量(結合アクリロニトリル含有量)が4
3〜50重量%であるNBR・PVC(NBRとポリ塩
化ビニルとのブレンド材)を基材とし、自動車用導電性
燃料低透過ホースに用いるゴム組成物であって、SP
(溶解度パラメーター)値が8.8以上であって分子量
が550以下の可塑剤を添加したもとで、CB(カーボ
ンブラック)の添加によってその体積固有抵抗値を10
8Ω・cm以下とした、ゴム組成物である。
【0009】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明における可塑剤の添加量が前記ゴム組成物
に対して20〜35phr(parts per hundred parts
of rubber )である、ゴム組成物である。
【0010】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明に係るゴム組成物が以下
(1)〜(5)のいずれか一以上に該当する、ゴム組成
物である。 (1)NBRの前記AN量が45〜48重量%である。 (2)可塑剤の前記SP値が9.0以上である。 (3)可塑剤の前記分子量が450以下である。 (4)可塑剤の前記添加量がゴム組成物に対して25〜
30phrである。 (5)前記NBR・PVC中のPVCブレンド量が25
〜40重量%である。
【0011】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
第1発明〜第3発明のいずれかに係るゴム組成物を用い
た、自動車用導電性燃料低透過ホースである。
【0012】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第4発明に係る自動車用導電性燃料低透過ホースが
フィラーホース又はブリーザーホースである、自動車用
導電性燃料低透過ホースである。
【0013】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)従来、
NBR・PVCにおけるNBR中のAN量を36〜42
重量%程度の高い領域に調整すると、その耐燃料性(即
ち、耐燃料膨潤性)を向上させることができる、との指
摘がなされることはあった。しかし、評価用のPHAS
EIIガソリン(米国CARBにて規定された透過試験−
SHED試験用のガソリン)や欧州エバポ規制評価用ガ
ソリンを用いた本願発明者の研究によれば、かかるAN
量のNBR・PVCは、明らかに燃料不透過性が不十分
である。
【0014】一方、同じ研究の過程で、NBR中のAN
量を更に43〜50重量%程度の極めて高い領域に設定
すると、FKMに匹敵する優れた燃料不透過性が得られ
ることが分かった。
【0015】更に、一般的に、NBR中のAN量を高く
設定すると、ゴム組成物の体積固有抵抗値は少なくとも
高くなる方向には変化しないと予想される。但し、この
ようにNBR中のAN量を極めて高く設定すると、燃料
ホースとして必要な低温性(−30°C程度にも達する
極寒地での使用時におけるホースの柔軟性)の悪化も予
想される。
【0016】しかしながら本願発明者は、NBR中のA
N量を極めて高く設定したNBR・PVCに対して、適
正に設計された種類及び量の可塑剤とCBとを添加する
場合においては、優れた燃料不透過性を確保しつつ、充
分な導電性及び低温性も併せて実現することが可能であ
ることを解明した。
【0017】即ち、分子量が550以下の可塑剤は、低
温時粘性が低く、NBR・PVCを基材とするゴム組成
物の低温性を顕著に改善する。又、SP値が8.8以上
である可塑剤は、上記AN量のNBRを含むNBR・P
VC基材に対しても良好に相溶すると共に、ゴム組成物
の燃料不透過性を余り阻害しない。
【0018】従って、SP値が8.8以上であって分子
量が550以下の可塑剤を添加する場合、比較的少量の
添加によってゴム組成物の有効な低温性改善を期待で
き、かつ少量添加により優れた燃料不透過性を有するこ
とができる。
【0019】なお、NBR中のAN量が43重量%未満
であると、上記のようにゴム組成物の燃料不透過性が不
十分となリ、AN量が50重量%を超えると、可塑剤の
添加によって対策し難い程に低温性が悪化する。又、可
塑剤のSP値が8.8未満であると、NBR・PVC基
材に対する相溶性の不足からブリードしてしまい、ゴム
組成物の低温性向上を望み難い。更に、可塑剤の分子量
が550を超えると、低温時粘性の不足から、ゴム組成
物の低温性向上を望み難い。
【0020】更に第1発明に係るゴム組成物は、燃料油
に浸漬された場合における加硫剤やその反応生成物の抽
出量が少ないので、これらの抽出物に起因する燃料ポン
プ内の金属製部品の腐食、燃料配管中の各種バルブの詰
まり等の不具合を起こし難い。
【0021】(第2発明の作用・効果)第1発明におけ
る上記可塑剤の添加量は、ゴム組成物に対して20〜3
5phrのレベルに設定することが、特に好ましい。可
塑剤の添加量が上記の範囲を超えると、極高AN量のN
BR・PVCによって期待できる筈の優れた燃料不透過
性を維持できなくなり、又、可塑剤の添加量が上記の範
囲を下回ると、可塑剤の添加効果自体が不十分となる。
【0022】(第3発明の作用・効果)第3発明のよう
に、(1)NBR・PVCにおけるNBR中のAN量が
45〜48重量%であるとき、(2)可塑剤のSP値が
9.0以上であるとき、(3)可塑剤の分子量が450
以下であるとき、又は、(4)可塑剤の添加量が25〜
30phrであるとき、上記した第1発明又は第2発明
の作用・効果を特に良好に実現することができる。
【0023】又、第1発明及び第2発明のゴム組成物は
耐オゾン性を考慮したNBR・PVCブレンド材である
が、第3発明のように、(5)該ブレンド材中のPVC
のブレンド量を25重量%以上とすることにより、充分
な耐オゾン性を確保できると共に、そのブレンド量を4
0重量%以下とすることにより、良好な加工性等を維持
することができる。
【0024】(第4発明の作用・効果)第1発明〜第3
発明のいずれかに係るゴム組成物を用いて自動車用導電
性燃料低透過ホースを構成することにより、簡易かつ安
価な構成によって、燃料低透過性と低温性とを両立させ
たもとで、導電性をも満足させた自動車用導電性燃料低
透過ホースを提供することができる。
【0025】(第5発明の作用・効果)本発明に係る自
動車用導電性燃料低透過ホースは、燃料低透過性と低温
性とを両立させたもとで、導電性をも満足させたもので
あるため、フィラーホース又はブリーザーホースとして
特に好適に使用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第5発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第5発明を一括して指してい
る。
【0027】〔自動車用導電性燃料低透過ホース〕本発
明の自動車用導電性燃料低透過ホースは自動車用燃料ホ
ース、特にフィラーホース又はブリーザーホースとして
好ましく使用される。ホース構成としては、図1(a)
に示すように、後述のゴム組成物を用いた単一層からな
るホース1として、又は、図1(b)〜図1(d)に示
すように、該ゴム組成物を用いた内層1aと、その外側
に補強糸層2を介して又は介さずに設けられた外層3
(図示の外層3はいずれも単一層であるが、複層構造を
備えていても良い。)とからなる複層構造のホースとし
て、構成することができる。図1(b)の外層3は、内
層1aと同じゴム材料からなり、図1(c)及び図1
(d)の外層3は、CSM,ECO等の耐候性ゴム材料
からなる。
【0028】ホースの形状は限定されないが、例えば直
管状(ブリーザーホースにおいて多い),曲り管状ある
いはこれらの少なくとも一部に蛇腹形状を備えたもの
(フィラーホースにおいて多い)とすることができる。
ホースの管径も限定されないが、例えば、内径が3〜2
0mmで管壁の肉厚が2〜4mm(ブリーザーホースに
おいて好適)、あるいは、内径が20〜50mmで管壁
の肉厚が3〜5mm(フィラーホースにおいて好適)と
することができる。
【0029】〔自動車用導電性燃料低透過ホースの製造
方法〕本発明の自動車用導電性燃料低透過ホースの製造
方法は、公知の任意の方法を適宜に採用すれば良いが、
その未加硫成形体の管形状がヘタリ易い傾向があるた
め、例えば次のような製造方法を好ましく採用すること
ができる。
【0030】第1に、直管状又は曲り管状の単層又は複
層構造のホースを製造する際に、これら単層又は複層構
造のホースの未加硫成形体を直線状に押出し成形し、該
未加硫成形体に直線形状又は曲り形状の細い芯材を挿通
するか、あるいは該未加硫成形体を加熱型の直線形状又
は曲り形状に設けた溝に嵌合することにより直管状又は
曲り管状の管形状を保持したもとで、加熱して加硫させ
ると言う方法である。これらの方法は、特にブリーザー
ホースの成形に好適である。
【0031】第2に、直管状,曲り管状又は少なくとも
一部に蛇腹形状を有する管状のホースを製造する際に、
加熱可能な成形型に中子を含めて直管状,曲り管状又は
一部に蛇腹形状を有する管形状のキャビティを構成し、
このキャビティに未加硫のゴム材料を注入してそのまま
型加熱による熱加硫工程を行う、と言う方法である。加
硫後に脱型したホースを更に任意の方法で加熱して加硫
を促進することもできる。この方法は、特にフィラーホ
ースの成形に好適である。
【0032】〔ゴム組成物〕本発明の自動車用導電性燃
料低透過ホースに用いるゴム組成物は、後述のNBR・
PVCを基材とし、少なくとも後述の可塑剤とCBとが
添加されて、燃料低透過性、低温性及び導電性(その体
積固有抵抗値が108Ω・cm以下)を付与されたもの
である。
【0033】又、必要に応じて公知の各種加硫剤,加硫
促進剤,老化防止剤等も添加される。加硫剤は、一般的
にNBR・PVCに用いられるものを使用できるが、特
に低硫黄の硫黄系促進剤加硫系が好ましい。シリカ,炭
酸カルシウム等の白色充填剤は、ゴム組成物の燃料低透
過性を悪化させる恐れがあり、かつタルク,マイカ等の
板状フィラーにおいては燃料不透過性には効果が見られ
るもののゴム組成物の低温性を阻害する恐れがあり、更
にこれらの白色充填剤はいずれも非導電であるためゴム
組成物の導電性を悪化させるため、添加しないか、又は
添加するとしても10phrまで、とすることが好まし
い。
【0034】〔NBR・PVC〕ゴム組成物の基材であ
るNBR・PVCについては、そのNBRとしてAN量
が43〜50重量%(特に好ましくは45〜48重量
%)のものを用いる、と言う点以外には特段の限定がな
く、この種の用途に用いられる任意の種類のNBRとP
VCをブレンドすれば良い。NBR・PVC中のPVC
の配合量は限定されないが、一般的な耐オゾン性を考慮
して、ブレンド材中の25〜40重量%とすることが好
ましい。PVCの配合量が25重量%未満であると耐オ
ゾン性が不足する恐れがあり、PVCの配合量が40重
量%を超えると加工性等の面で問題を生じ得る。
【0035】〔可塑剤〕NBR・PVCには、可塑剤が
20〜35phr、より好ましくは25〜30phr配
合される。かかる可塑剤としては、SP値が8.8以
上、より好ましくは9.0以上であり、分子量が550
以下、より好ましくは450以下であることが求められ
る。本発明に好適に用いられる可塑剤として、例えば旭
電化工業社製の商品名「アデカサイザーRS−107」
や、「アデカサイザーRS−540」等のエ−テル−エ
ステル系可塑剤を挙げることができるが、上記の条件に
該当する限りにおいて、これらに限定されない。
【0036】〔CBの添加と導電性〕CBの充填量は、
フィラーホース又はブリーザーホース等の自動車用燃料
輸送ホースと言う用途との関係では、可塑剤の添加量と
CBの充填量とのバランスによって、ゴム組成物の硬度
(JIS K6253)が55〜75度の範囲となるよ
うに調整することが好ましい。このようなCBの充填量
は、可塑剤の添加量との対応や用いるCBの種類又はそ
の組合せ等によって変わるので一律には規定できない
が、例えば30〜100phr程度とすることができ
る。
【0037】一方、本発明の自動車用導電性燃料低透過
ホースに用いるゴム組成物は、その体積固有抵抗値を1
8Ω・cm以下に設定するものである。そのため、用
いるCBの種類やその組合せとしては、特段に限定はさ
れないが、比較的粒径が小さくてストラクチャーの大き
なグレードの導電効果の高いCBが好ましく、これと併
せて又はこれに代えて、必要に応じてアセチレンブラッ
ク,ケッチェンブラック等の導電カーボンを添加するこ
ともできる。又、不透過性を悪化させないCB以外の導
電剤の添加等も可能である。
【0038】
〔基本配合〕
ポリマー 100重量部 酸化亜鉛 5重量部 ステアリン酸 1重量部 老化防止剤 2重量部 カーボンブラック 変量 可塑剤 変量 硫黄 0.5重量部 チウラム系加硫促進剤 1.5重量部 スルフェンアミド系加硫促進剤 1.5重量部。
【0039】上記の基本配合において、「ポリマー」と
はNBR・PVCを指す。これらのNBR・PVCは、
各例の該当欄に示すように、各例において、PVCのブ
レンド量と、NBR中のAN量とが異なるNBR・PV
Cを用いている。又、「加硫促進剤」としては大内新興
化学社製の商品名「ノクセラーTT−G」又は「ノクセ
ラーCZ−G」を用いている。
【0040】一方、表3に示す比較例1においては、下
記のFKM配合に従って未加硫ゴム組成物の配合処方を
設定した。下記のFKM配合において、「ポリマー」と
は、フッ素含量が69%の3元系FKMである住友3M
社製の商品名「Fluorel FE 5731Q」を
指している。 〔FKM配合〕 ポリマー 100重量部 酸化マグネシウム 3重量部 水酸化カルシウム 6重量部 カーボンブラック 変量 次に「可塑剤」としては、実施例1〜5,7〜13,比
較例3〜7,10〜20ではSP値が9.2であり分子
量が434である旭電化工業社製の商品名「アデカサイ
ザーRS107」を、実施例6ではSP値が8.9であ
り分子量が550である旭電化工業社製の商品名「アデ
カサイザーRS700」を、比較例2ではSP値が9.
0であり分子量が391であるDOPを、比較例8では
SP値が8.5であり分子量が371であるDOAを、
比較例9ではSP値が9.2であり分子量が850であ
る旭電化工業社製の商品名「アデカサイザーRS73
5」を、それぞれ表に示すphr単位で用いている。
【0041】次に「カーボンブラック」としては、表中
のカーボン種の表記に従い、「HAF」としては昭和キ
ャボット社製の商品名「ショウブラックN330」を、
「FEF」としては東海カーボン社製の商品名「シース
トSO」を、「FT」としては旭カーボン社製の商品名
「アサヒサーマル」を、それぞれ表に示すphr単位で
用いている。
【0042】次に、所定の実施例及び比較例には、上記
カーボンブラックに代えて、又はこれに追加して、導電
カーボンであるアセチレンブラック又はケッチェンブラ
ックを添加している。即ち、実施例8,9,11,12
には表中に「アセチレン」と表記された電気化学工業社
製の商品名「アセチレンブラック」を、又、実施例1
0,13,比較例19には表中に「ケッチェン」と表記
されたケッチェンインターナショナル社製の商品名「ケ
ッチェンブラックEC」を、それぞれ表に示すphr単
位で添加している。
【0043】更に、実施例1〜12、比較例1〜11及
び比較例18〜20には白色充填剤を添加していない
が、実施例13,比較例12〜比較例17には、表4の
「白色充填剤種」の欄に表記した種類の白色充填剤を
「白色充填剤添加量」の欄に表記したphr単位で添加
している。これらの白色充填剤は、具体的には、「シリ
カ」としては日本シリカ工業社製の商品名「ニプシール
ER」を、「炭酸カルシウム」としては白石カルシウム
社製の商品名「白艶華CC」を、マイカとしてはレプコ
社製の商品名「レプコマイカM−200」を、「タルク
1」としては日本タルク社製の商品名「ミクロエースK
−1」を、「タルク2」としては Sierra Talc社製の商
品名「ミストロンベーパー」を、それぞれ用いた。
【0044】又、老化防止剤としては、精工化学社製の
商品名「オゾノン3C」,「ノンフレックスRD」等を
用いた。
【0045】(評価用試験片の調製)比較例1を除く上
記各例に係る未加硫のゴム組成物を、各例に係る配合処
方に従ってバンバリーミキサー及びオープンロールによ
って混練りし、混練りした各例に係る未加硫状態のゴム
組成物を150°C、30分間のプレス加硫にて2mm
の厚みでシート状に成形して、各例に係るシート状の評
価用試験片を調製した。
【0046】又、比較例1については、未加硫のFKM
を比較例1に係る配合処方に従ってオープンロールによ
って混練りし、混練りした未加硫状態のFKM組成物を
160°C、45分間のプレス加硫にて2mmの厚みで
シート状に成形して、比較例1に係るシート状の評価用
試験片を調製した。 (初期物性の評価)各例に係る評価用試験片を用い、J
IS K 6251及び6253に準じて、初期物性と
して、引張り強さ(MPa),伸び(%)及び硬さを評
価した。その結果を表1〜表5に示す。これらの初期物
性については、引張り強さが10.0MPa以上、伸び
が300%以上、硬さが55〜75であることが好まし
い、と考えられる。
【0047】(ガソリン透過性の評価−PHASE I
I)各例に係る評価用試験片を用い、CUP法によりガ
ソリン透過性を評価した。具体的な方法を図2によって
説明すると、外周に雄ネジ4を備えたカップ5を、その
開口部を上向きにして(図示とは上下逆向きにして)お
いて、内部に100mLの評価用PHASE II ガソリ
ン6を注入したもとで、前記開口部に評価用試験片7を
被せ、この評価用試験片7の端縁部に沿って試験片保護
用の金属リング8を重ねたもとで、更にその上に試験片
支持用のメッシュ金網9を重ねる。
【0048】次いで内周に雌ネジ10を備えた締付け用
キャップ11を前記カップ5の開口部に螺合して、その
段部12によりメッシュ金網9、金属リング8及び評価
用試験片7をカップ5の開口端部に強く押付け、開口部
を完全に封鎖する。この状態で、図2のように全体を倒
立させて静置するのである。
【0049】評価に当たり、まず前処理として、上記の
方法により評価用試験片を40°Cで7日間ガソリンに
浸漬(片面浸漬)した。次に、一旦ガソリンを入替え
て、入替え直後の評価治具の全体重量W0 (mg)を測
定した後、再度評価用試験片を40°Cで3日間のガソ
リンに浸漬に供して、当該3日経過後の評価治具の全体
重量W1 (mg)を測定した。こうして得られた全体重
量測定値W0 ,W1 から、次の式1により透過係数(m
g・mm/cm2/day)を算出した。式1中、tは
評価用試験片の厚さ(mm)であり、Aはガソリンに対
する評価用試験片の接触面積(cm2)即ちガソリン透
過面の面積である。
【0050】 透過係数=〔(W0 −W1 )×t/3A〕・・・式1 算出された各例の透過係数を表1〜表5に示すが、透過
係数は10以下であることが好ましい、と考えられる。
【0051】(ガソリン透過性の評価−欧州評価用ガソ
リン)上記と同様にして、欧州評価用ガソリンを用いて
ガソリン透過性の評価を行った。各例の透過係数を表1
〜表5に示すが、透過係数は30以下であることが好ま
しい、と考えられる。なお、上記PHASE II ガソリ
ンと欧州評価用ガソリンとの内容を末尾の表6に示す。
【0052】(低温性の評価)JIS K 6261記
載の低温衝撃脆化試験にて低温脆化温度(°C)を測定
し、その結果を表1〜表5に示した。低温脆化温度は−
20°C以下であることが好ましい、と考えられる。
【0053】(体積固有抵抗の評価)各例に係る評価用
試験片について、JIS K 6911に準じ、印加電
圧は1Vとした試験方法により、その体積固有抵抗値
(Ω・cm)を測定した。その結果を表1〜表5に示し
た。体積固有抵抗値は108Ω・cm以下であることが
好ましい、と考えられる。
【0054】(耐オゾン性,ブリード,加工性の評価
各例に係る評価用試験片について、耐オゾン性,ブリー
ドの有無(加硫後、常温にて1週間放置した後のシート
表面の状態を観察)及び加工性(加工性の問題がないか
否かをバンバリー,ロール加工性、ホース押出し性によ
って判定)を判定し、その結果を表1〜表5に示した。
耐オゾン性については、JIS K 6259に準じ
て、かつ、試験片を Fuel Cに40°Cで48時間浸漬
した後、40°Cで48時間真空乾燥したものを、40
%伸長させた状態で40°Cにおいて50pphmのオ
ゾンを含む空気に168時間晒し、クラック発生の有無
により判定した。
【0055】(燃料油抽出量の評価)各実施例及び比較
例1〜3に係る評価用試験片について、その20gを2
mm角に裁断し、Fuel B(JIS K6258)20
0mLに40°Cで168時間浸漬した後、浸漬液(抽
出液)を10mLまで濃縮させ、遠心管に移して遠心分
離した。そして上澄み液を除去し、沈殿物を蒸発乾固さ
せて重量を測定し、上記サンプル重量20gに対する割
合(wt%)を計算した。その結果を該当する表に示し
たが、0.2wt%以下であることが好ましい、と考え
られる。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用燃料輸送ホースの実施形態例を示す断
面図である。
【図2】ガソリン透過性の評価方法を示す図である。
【符号の説明】 1 ホース 1a 内層 2 補強糸層 3 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 11/04 F16L 11/04 (72)発明者 加藤 和宏 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 神戸 忍 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NBR(アクリロニトリル−ブタジエン
    ゴム)のAN量(結合アクリロニトリル含有量)が43
    〜50重量%であるNBR・PVC(NBRとポリ塩化
    ビニルとのブレンド材)を基材とし、自動車用導電性燃
    料低透過ホースに用いるゴム組成物であって、 SP(溶解度パラメーター)値が8.8以上であって分
    子量が550以下の可塑剤を添加したもとで、CB(カ
    ーボンブラック)の添加によってその体積固有抵抗値を
    108Ω・cm以下としたことを特徴とするゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記可塑剤の添加量が前記ゴム組成物に
    対して20〜35phrであることを特徴とする請求項
    1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記ゴム組成物が以下(1)〜(5)の
    いずれか一以上に該当することを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載のゴム組成物。 (1)NBRの前記AN量が45〜48重量%である。 (2)可塑剤の前記SP値が9.0以上である。 (3)可塑剤の前記分子量が450以下である。 (4)可塑剤の前記添加量がゴム組成物に対して25〜
    30phrである。 (5)前記NBR・PVC中のPVCブレンド量が25
    〜40重量%である。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    ゴム組成物を用いたことを特徴とする自動車用導電性燃
    料低透過ホース。
  5. 【請求項5】 前記自動車用導電性燃料低透過ホースが
    フィラーホース又はブリーザーホースであることを特徴
    とする請求項4に記載の自動車用導電性燃料低透過ホー
    ス。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009179687A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Nippon Zeon Co Ltd ニトリル共重合体ラテックス組成物およびニトリル共重合体ゴム組成物
WO2018051528A1 (ja) * 2016-09-13 2018-03-22 タイガースポリマー株式会社 耐放射線塩化ビニル樹脂組成物

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