JPH11304058A - 燃料用ゴムホース - Google Patents
燃料用ゴムホースInfo
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- JPH11304058A JPH11304058A JP10108099A JP10809998A JPH11304058A JP H11304058 A JPH11304058 A JP H11304058A JP 10108099 A JP10108099 A JP 10108099A JP 10809998 A JP10809998 A JP 10809998A JP H11304058 A JPH11304058 A JP H11304058A
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- Japan
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- rubber
- fuel
- plasticizer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 NBR加硫物層の単層構成でも、所要の耐ガ
ソリン透過性を、耐寒性を維持しながら得られる燃料用
ゴムホースを提供すること。 【解決手段】 ホース本体が、ニトリルゴム(NBR)
に加えて可塑剤を他の副資材とともに含むゴム配合物の
NBR加硫物層を備えた燃料用ゴムホース。NBRを極
高ニトリルタイプとし、前記可塑剤の内の耐寒性可塑剤
の配合量を増大させて、NBR加硫物層の特性値を、ガ
ソリン透過性(カップ法):70 mg/日以下、低温衝撃脆
化温度(JIS K 6301):−23℃以下となるようにし
た。
ソリン透過性を、耐寒性を維持しながら得られる燃料用
ゴムホースを提供すること。 【解決手段】 ホース本体が、ニトリルゴム(NBR)
に加えて可塑剤を他の副資材とともに含むゴム配合物の
NBR加硫物層を備えた燃料用ゴムホース。NBRを極
高ニトリルタイプとし、前記可塑剤の内の耐寒性可塑剤
の配合量を増大させて、NBR加硫物層の特性値を、ガ
ソリン透過性(カップ法):70 mg/日以下、低温衝撃脆
化温度(JIS K 6301):−23℃以下となるようにし
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料用ゴムホース
に関し、特に、フュエルインレットホース(以下「イン
レットホース」)、ブリーザホース、エバポホース等
の、特に、気化(蒸気化)ガソリンに対する耐透過性が
要求される場合に好適な燃料用ゴムホースに関する。こ
こでは、図1に示すような、フュエルタンク12と燃料
給油口14との間を接続するインレットホース16を例
にとり説明するがこれに限られるものではない。例え
ば、図2に示すような、複層ないし単層の配管用燃料用
ゴムホース18にも適用可能である。図2の燃料用ゴム
ホースは、内管20と外管22との間に補強層24を備
えた複層構成である。
に関し、特に、フュエルインレットホース(以下「イン
レットホース」)、ブリーザホース、エバポホース等
の、特に、気化(蒸気化)ガソリンに対する耐透過性が
要求される場合に好適な燃料用ゴムホースに関する。こ
こでは、図1に示すような、フュエルタンク12と燃料
給油口14との間を接続するインレットホース16を例
にとり説明するがこれに限られるものではない。例え
ば、図2に示すような、複層ないし単層の配管用燃料用
ゴムホース18にも適用可能である。図2の燃料用ゴム
ホースは、内管20と外管22との間に補強層24を備
えた複層構成である。
【0002】以下に、本明細書で使用する略語・用語の
一覧を示す。
一覧を示す。
【0003】AN量…結合ニトリル量 NBR…ニトリルゴム PVC…ポリ塩化ビニル NBR/PVC…ニトリルゴム/ポリ塩化ビニルポリブ
レンド phr…ゴム成分(ポリマー成分)100部に対する副資
材の配合部数 本明細書で、配合単位は、特に断らない限り、重量単位
である。また、燃料油としてガソリンを例に採り、説明
をするが、他の燃料油、ガソホール(アルコール添加ガ
ソリン)、軽油等にも本発明のホースは適用可能であ
る。
レンド phr…ゴム成分(ポリマー成分)100部に対する副資
材の配合部数 本明細書で、配合単位は、特に断らない限り、重量単位
である。また、燃料油としてガソリンを例に採り、説明
をするが、他の燃料油、ガソホール(アルコール添加ガ
ソリン)、軽油等にも本発明のホースは適用可能であ
る。
【0004】
【背景技術】上記のようなインレットホース(燃料用ゴ
ムホース)は、例えば、通常、NBR/PVCを成形材
料として、射出成形またはブロー成形等で製造してい
た。NBR/PVCは、耐ガソリン性等に優れると共
に、NBRのみに比して耐オゾン性及び耐候性に優れて
いるためである。
ムホース)は、例えば、通常、NBR/PVCを成形材
料として、射出成形またはブロー成形等で製造してい
た。NBR/PVCは、耐ガソリン性等に優れると共
に、NBRのみに比して耐オゾン性及び耐候性に優れて
いるためである。
【0005】そして、昨今の環境保全運動の高まりか
ら、ガソリンの大気中への揮散を制限する法規制が強化
される方向にある。このため、インレットホースにおい
ても、従来にもまして、耐ガソリン透過性の格段の向上
が要望されるようになってきた。
ら、ガソリンの大気中への揮散を制限する法規制が強化
される方向にある。このため、インレットホースにおい
ても、従来にもまして、耐ガソリン透過性の格段の向上
が要望されるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、NBR/PV
Cのみからなるインレットホースでは、従来では上記要
望に応えるのは、困難であった。そこで、FKM層をホ
ース内周面に同時押出により形成することが考えられる
(特開平2−190692号公報等参照)。しかし、F
KMは高コストゴムであるとともに、NBR/PVCに
対する接着性に問題を生じ易かった。特に、インレット
ホースの如く、蛇腹部を備えている場合、該部における
接着性により問題が生じ易いのに加えて、射出成形又は
ブロー成形等により形成された蛇腹部に薄層のFKM層
を形成することは実質的に困難である。
Cのみからなるインレットホースでは、従来では上記要
望に応えるのは、困難であった。そこで、FKM層をホ
ース内周面に同時押出により形成することが考えられる
(特開平2−190692号公報等参照)。しかし、F
KMは高コストゴムであるとともに、NBR/PVCに
対する接着性に問題を生じ易かった。特に、インレット
ホースの如く、蛇腹部を備えている場合、該部における
接着性により問題が生じ易いのに加えて、射出成形又は
ブロー成形等により形成された蛇腹部に薄層のFKM層
を形成することは実質的に困難である。
【0007】また、特開平4−366082号公報に
は、可溶性ポリアミドを用いてインレットホースの内周
面又は外周面に耐ガソリン透過性の薄層を形成する技術
が提案されている。しかし、当該技術の場合、薄層を形
成するための別の工程が必要であるとともに、蛇腹部に
均一な膜厚の薄層を形成することは困難であると推定さ
れる。
は、可溶性ポリアミドを用いてインレットホースの内周
面又は外周面に耐ガソリン透過性の薄層を形成する技術
が提案されている。しかし、当該技術の場合、薄層を形
成するための別の工程が必要であるとともに、蛇腹部に
均一な膜厚の薄層を形成することは困難であると推定さ
れる。
【0008】本発明は、上記にかんがみて、NBR/P
VC製の燃料用ゴムホースにおいて、NBR加硫物層が
単層構成でも、耐寒性を確保しながら所要の耐ガソリン
透過性を得ることができる燃料用ゴムホースを提供する
ことを目的とする。
VC製の燃料用ゴムホースにおいて、NBR加硫物層が
単層構成でも、耐寒性を確保しながら所要の耐ガソリン
透過性を得ることができる燃料用ゴムホースを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料用ゴムホー
スは、上記課題を、下記構成により解決するものであ
る。
スは、上記課題を、下記構成により解決するものであ
る。
【0010】本発明の一つは、ホース本体が、ニトリル
ゴム(NBR)に加えて可塑剤を他の副資材とともに含
むゴム配合物のNBR加硫物層を備えた燃料用ゴムホー
スにおいて、NBRを極高ニトリルタイプとし、可塑剤
の内の耐寒性可塑剤の配合量を増大させて、NBR加硫
物層の特性値を、ガソリン透過性(カップ法):70 mg/
日以下、低温衝撃脆化温度(JIS K 6301):−23℃以
下となるようにしたことを特徴とする。
ゴム(NBR)に加えて可塑剤を他の副資材とともに含
むゴム配合物のNBR加硫物層を備えた燃料用ゴムホー
スにおいて、NBRを極高ニトリルタイプとし、可塑剤
の内の耐寒性可塑剤の配合量を増大させて、NBR加硫
物層の特性値を、ガソリン透過性(カップ法):70 mg/
日以下、低温衝撃脆化温度(JIS K 6301):−23℃以
下となるようにしたことを特徴とする。
【0011】本発明の他の一つは、ホース本体が、ニト
リルゴム(NBR)に加えて可塑剤を他の副資材ととも
に含むNBRゴム配合物のNBR加硫物層を備えた燃料
用ゴムホースにおいて、NBRの結合ニトリル量(AN
量)が45%以上であり、可塑剤として脂肪族二塩基酸
エステル系可塑剤を含み、該脂肪族二塩基酸エステル系
可塑剤の配合量が25〜60 phrであることを特徴とす
る。
リルゴム(NBR)に加えて可塑剤を他の副資材ととも
に含むNBRゴム配合物のNBR加硫物層を備えた燃料
用ゴムホースにおいて、NBRの結合ニトリル量(AN
量)が45%以上であり、可塑剤として脂肪族二塩基酸
エステル系可塑剤を含み、該脂肪族二塩基酸エステル系
可塑剤の配合量が25〜60 phrであることを特徴とす
る。
【0012】
【手段の詳細な説明】次に、上記手段の各構成について
詳細な説明を行う。
詳細な説明を行う。
【0013】A.本発明の燃料用ゴムホースは、ホース
本体が、ニトリルゴム(NBR)に加えてカーボンブラ
ック(CB)及び可塑剤を他の副資材とともに含むゴム
配合物のNBR加硫物層を備えていることを前提的構成
要件とする。このとき、通常、ゴム配合物の原料ゴムと
してNBRにPVCをブレンドしたものを使用すること
が望ましい。耐オゾン性に優れるためである。また、ホ
ース本体は、単層構成であることが、生産性の見地から
望ましい。
本体が、ニトリルゴム(NBR)に加えてカーボンブラ
ック(CB)及び可塑剤を他の副資材とともに含むゴム
配合物のNBR加硫物層を備えていることを前提的構成
要件とする。このとき、通常、ゴム配合物の原料ゴムと
してNBRにPVCをブレンドしたものを使用すること
が望ましい。耐オゾン性に優れるためである。また、ホ
ース本体は、単層構成であることが、生産性の見地から
望ましい。
【0014】ここで、NBRとPVCのブレンド比は、
前者/後者=30/70〜90/10、望ましくは、6
0/30〜80/20とする。PVC量が過剰である
と、樹脂的性質が増大し、耐寒性(耐低温性)及び耐圧
縮永久歪み性に問題を生じ易くなる。また、PVC量が
過少であると、PVCのブレンド効果(耐オゾン性・耐
候性・耐油性の向上)を奏し難い。なお、PVCのブレ
ンド比が0〜10部の範囲でも、勿論本発明の技術的範
囲に属する。
前者/後者=30/70〜90/10、望ましくは、6
0/30〜80/20とする。PVC量が過剰である
と、樹脂的性質が増大し、耐寒性(耐低温性)及び耐圧
縮永久歪み性に問題を生じ易くなる。また、PVC量が
過少であると、PVCのブレンド効果(耐オゾン性・耐
候性・耐油性の向上)を奏し難い。なお、PVCのブレ
ンド比が0〜10部の範囲でも、勿論本発明の技術的範
囲に属する。
【0015】PVCとしては、重合度700〜1600
のストレートポリマー又はペーストポリマーを使用す
る。
のストレートポリマー又はペーストポリマーを使用す
る。
【0016】また、上記他の副資材とは、通常、NBR
系のゴム配合物に配合される、亜鉛華、ステアリン酸、
老化防止剤、硫黄、加硫促進剤等を挙げることができ
る。
系のゴム配合物に配合される、亜鉛華、ステアリン酸、
老化防止剤、硫黄、加硫促進剤等を挙げることができ
る。
【0017】B.本発明の特徴的構成は、NBRを極高
ニトリルタイプとし、可塑剤の内の耐寒性可塑剤(低温
可塑剤)の配合量を増大させて、NBR加硫物層の特性
値を、ガソリン透過性(カップ法):70 mg/日以下、低
温衝撃脆化温度(JIS K 6301):−23℃以下となるよ
うにしたことにある。
ニトリルタイプとし、可塑剤の内の耐寒性可塑剤(低温
可塑剤)の配合量を増大させて、NBR加硫物層の特性
値を、ガソリン透過性(カップ法):70 mg/日以下、低
温衝撃脆化温度(JIS K 6301):−23℃以下となるよ
うにしたことにある。
【0018】(1) ここで、NBRとして、極高ニトリル
タイプ、通常、AN量(結合ニトリル量)45%以上、
望ましくは47%以上のものを使用するのは、耐ガソリ
ン透過性を確保するためである。即ち、結合ニトリル量
45%未満では、70 mg/日以下の耐ガソリン透過性(カ
ップ法)を確保し難い。
タイプ、通常、AN量(結合ニトリル量)45%以上、
望ましくは47%以上のものを使用するのは、耐ガソリ
ン透過性を確保するためである。即ち、結合ニトリル量
45%未満では、70 mg/日以下の耐ガソリン透過性(カ
ップ法)を確保し難い。
【0019】ここで、カップ法とは、図1に示すような
フランジ付きのカップ(内径:34mm、カップ内高さ:
25mm)26に、燃料油28を17cc投入し、フラン
ジ部30に試験片32を載せ、更に、金網34を介して
押えリング36で押えて、ボルト38でセットし、続い
て、該カップ組立体を反転させて、燃料油の逸散量を経
時測定する方法である。数値は、1mm厚に換算したとき
の値である。
フランジ付きのカップ(内径:34mm、カップ内高さ:
25mm)26に、燃料油28を17cc投入し、フラン
ジ部30に試験片32を載せ、更に、金網34を介して
押えリング36で押えて、ボルト38でセットし、続い
て、該カップ組立体を反転させて、燃料油の逸散量を経
時測定する方法である。数値は、1mm厚に換算したとき
の値である。
【0020】(2) 耐寒性可塑剤の配合量を増大させる、
通常、25〜60 phr(望ましくは30〜45 phr)と
するのは、耐寒性をホースに得るためである。通常、耐
寒性可塑剤が25 phr未満では、十分な耐寒性、即ち、
低温衝撃脆化温度(JIS K 6301):−23℃以下を得難
い。また、耐寒性可塑剤の配合量が、60 phrを越える
と、NBR加硫物層に可塑剤ブリードが発生し易い。
通常、25〜60 phr(望ましくは30〜45 phr)と
するのは、耐寒性をホースに得るためである。通常、耐
寒性可塑剤が25 phr未満では、十分な耐寒性、即ち、
低温衝撃脆化温度(JIS K 6301):−23℃以下を得難
い。また、耐寒性可塑剤の配合量が、60 phrを越える
と、NBR加硫物層に可塑剤ブリードが発生し易い。
【0021】耐寒性可塑剤としては、汎用のものが使用
可能であるが、混和性(相溶性)・非ブリード性の見地
から、アジピン酸エステル系可塑剤、特に、アジピン酸
とジエチレングリコールモノアルキルエーテル(いわゆ
るカルビトール:UCC社商品名)(アルキル炭素数:
1〜6)との中性エステル及びそれらの混合物が望まし
い。具体的には、ジメチルカルビトールアジペート、ジ
エチルカルビトールアジペート、ジプロピルカルビトー
ルアジペート、ジブチルカルビトールアジペート、ジヘ
キシルカルビトールアジペート等を挙げることができ
る。。ここで、アルキル炭素数が大き過ぎると、相対的
に溶解度パラメータ(SP値)が低くなり、AN量が多
くてSP値が高いNBRとの混和性が低下して望ましく
ない。
可能であるが、混和性(相溶性)・非ブリード性の見地
から、アジピン酸エステル系可塑剤、特に、アジピン酸
とジエチレングリコールモノアルキルエーテル(いわゆ
るカルビトール:UCC社商品名)(アルキル炭素数:
1〜6)との中性エステル及びそれらの混合物が望まし
い。具体的には、ジメチルカルビトールアジペート、ジ
エチルカルビトールアジペート、ジプロピルカルビトー
ルアジペート、ジブチルカルビトールアジペート、ジヘ
キシルカルビトールアジペート等を挙げることができ
る。。ここで、アルキル炭素数が大き過ぎると、相対的
に溶解度パラメータ(SP値)が低くなり、AN量が多
くてSP値が高いNBRとの混和性が低下して望ましく
ない。
【0022】上記汎用の耐寒性可塑剤としては、アジピ
ン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル
(DIDA)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、テト
ラヒドロフタル酸ジオクチル(NOTP)等の脂肪族二
塩基酸エステル系、オレイン酸ブチル(BO)、アセチ
ルリシノール酸メチル(MAR)等の脂肪酸エステル系
のものをが使用可能である。
ン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル
(DIDA)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、テト
ラヒドロフタル酸ジオクチル(NOTP)等の脂肪族二
塩基酸エステル系、オレイン酸ブチル(BO)、アセチ
ルリシノール酸メチル(MAR)等の脂肪酸エステル系
のものをが使用可能である。
【0023】この際、耐寒性可塑剤以外に、フタル酸エ
ステル系、リン酸エステル系、芳香族カルボン酸エステ
ル系等の他の汎用可塑剤(特に、移行性の少ないもの)
を、適宜併用することも勿論できる。
ステル系、リン酸エステル系、芳香族カルボン酸エステ
ル系等の他の汎用可塑剤(特に、移行性の少ないもの)
を、適宜併用することも勿論できる。
【0024】(3) カーボンブラック(CB)としては、
汎用のものを使用可能であるが、高吸油タイプ、即ち、
DBP吸油量 100ml/100g 以上、望ましくは 120ml/100
g 〜140ml/100gであるものを使用することが、NBR加
硫物層のブリードを抑制する観点から望ましい。該CB
の配合量は30〜70phr 、望ましくは、40〜60ph
rとする。CBの配合量が過少では、加硫物の所定の強
度を確保しがたい。逆に、配合量が過多では、加硫物の
可撓性が低下するとともに、強度的に過剰品質となる
(コスト高となる。)。
汎用のものを使用可能であるが、高吸油タイプ、即ち、
DBP吸油量 100ml/100g 以上、望ましくは 120ml/100
g 〜140ml/100gであるものを使用することが、NBR加
硫物層のブリードを抑制する観点から望ましい。該CB
の配合量は30〜70phr 、望ましくは、40〜60ph
rとする。CBの配合量が過少では、加硫物の所定の強
度を確保しがたい。逆に、配合量が過多では、加硫物の
可撓性が低下するとともに、強度的に過剰品質となる
(コスト高となる。)。
【0025】(4) NBR加硫物層の特性値である、ガソ
リン透過性(カップ法):70 mg/日以下、低温衝撃脆化
温度(JIS K 6301):−23℃以下は、燃料用ゴムホー
スに要求される特性である。なお、この際、可塑剤非ブ
リード(常温)となるようにすることが望ましい。加硫
ゴム層の耐寒性(耐低温性)の経時的低下をもたらさな
いとともに、複層構成としたとき、隣接層に悪影響を与
えないためである。
リン透過性(カップ法):70 mg/日以下、低温衝撃脆化
温度(JIS K 6301):−23℃以下は、燃料用ゴムホー
スに要求される特性である。なお、この際、可塑剤非ブ
リード(常温)となるようにすることが望ましい。加硫
ゴム層の耐寒性(耐低温性)の経時的低下をもたらさな
いとともに、複層構成としたとき、隣接層に悪影響を与
えないためである。
【0026】(5) 上記配合ゴムは混練して押出用ゴム材
料とし、図1や図2に示す燃料ゴムホースを押出等によ
り製造する。
料とし、図1や図2に示す燃料ゴムホースを押出等によ
り製造する。
【0027】本発明の燃料ゴムホースは、単層とするこ
とが望ましいが、図2に示すような複層としても良い。
その場合は、内管20を耐燃料油性の見地から、本発明
の加硫ゴム層とする。
とが望ましいが、図2に示すような複層としても良い。
その場合は、内管20を耐燃料油性の見地から、本発明
の加硫ゴム層とする。
【0028】このとき、単層とした場合、所要の耐燃料
油透過性を得るためには、NBR加硫物ゴム層の肉厚
は、通常、1mm以上、望ましくは3〜6mmとする。
油透過性を得るためには、NBR加硫物ゴム層の肉厚
は、通常、1mm以上、望ましくは3〜6mmとする。
【0029】
【発明の作用・効果】本発明の燃料用ゴムホースは、上
記のように、ベースポリマーとしてAN極高のNBRを
使用し、かつ、可塑剤の内、耐寒性可塑剤を多量配合す
ることにより、後述の実施例で示すごとく、NBR加硫
物層の単層構成でも、耐寒性を確保しながら所要の耐ガ
ソリン透過性を得ることができる。したがって、昨今の
ガソリンの大気中への揮散を制限する法規制の強化に単
層でも対応可能となり、燃料用ゴムホースの生産性も向
上する。
記のように、ベースポリマーとしてAN極高のNBRを
使用し、かつ、可塑剤の内、耐寒性可塑剤を多量配合す
ることにより、後述の実施例で示すごとく、NBR加硫
物層の単層構成でも、耐寒性を確保しながら所要の耐ガ
ソリン透過性を得ることができる。したがって、昨今の
ガソリンの大気中への揮散を制限する法規制の強化に単
層でも対応可能となり、燃料用ゴムホースの生産性も向
上する。
【0030】
【試験例】以下、本発明の効果を確認するために行なつ
た、試験例について説明をする。
た、試験例について説明をする。
【0031】表1に示す配合処方のNBR/PVCゴム
配合物から成形した4mmtシートを直径34mmφに打ち
抜いた後、170℃×10分の条件で圧縮加硫成形を行
って各試験片を調製をした。
配合物から成形した4mmtシートを直径34mmφに打ち
抜いた後、170℃×10分の条件で圧縮加硫成形を行
って各試験片を調製をした。
【0032】なお、表1において使用したCBの吸油量
及び可塑剤は、下記の通りである。
及び可塑剤は、下記の通りである。
【0033】MAF:吸油量 132ml/100g SRF:吸油量 68ml/100g DBCA:ジブチルカルビトールアジペート(SP値:
9.1) そして、各試験片について、ガソリン透過性(使用ガソ
リン:イソオクタン/トルエン=60/40)を、前記
カップ法に従って測定をした。40日経過後の累積ガソ
リン透過量を表1に示す。なお、ガソリン透過量は、前
述の如く試験片の厚さに関係なく、すべて1mm厚当たり
の換算値である。
9.1) そして、各試験片について、ガソリン透過性(使用ガソ
リン:イソオクタン/トルエン=60/40)を、前記
カップ法に従って測定をした。40日経過後の累積ガソ
リン透過量を表1に示す。なお、ガソリン透過量は、前
述の如く試験片の厚さに関係なく、すべて1mm厚当たり
の換算値である。
【0034】また、低温性は、JIS K 6301に規定する低
温衝撃脆化試験に基づいて行った。
温衝撃脆化試験に基づいて行った。
【0035】ブリード性は、ブリードの「有り」、「無
し」を目視により判定をした。
し」を目視により判定をした。
【0036】本発明の各実施例は、良好な耐ガソリン透
過性を示すとともに、耐寒性においても優れていること
が分る。
過性を示すとともに、耐寒性においても優れていること
が分る。
【0037】これに対し、極高ニトリルタイプNBR用
いているが、耐寒性可塑剤の配合量が過少である比較例
1は、耐寒性を得難い。
いているが、耐寒性可塑剤の配合量が過少である比較例
1は、耐寒性を得難い。
【0038】また、高ニトリルタイプNBRの比較例2
及び中高ニトリルタイプの比較例3では、いずれも良好
な耐ガソリン透過性を得られないことが分かる。
及び中高ニトリルタイプの比較例3では、いずれも良好
な耐ガソリン透過性を得られないことが分かる。
【0039】
【表1】
【図1】本発明を適用するインレットホースの装着態様
断面図である。
断面図である。
【図2】同じく燃料ホースの他の一例を示す斜視図であ
る。
る。
【図3】燃料透過試験の一つであるカップ法の説明用断
面図である。
面図である。
16 フュエルインレットホース(燃料ゴムホース) 18 配管用の燃料用ゴムホース 20 内管(NBR加硫物層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 秀之 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 中原 靖 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 竹内 勝政 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 ホース本体が、ニトリルゴム(NBR)
に加えて可塑剤を他の副資材とともに含むゴム配合物の
NBR加硫物層を備えた燃料用ゴムホースにおいて、 前記NBRを極高ニトリルタイプとし、前記可塑剤の内
の耐寒性可塑剤の配合量を増大させて、 前記NBR加硫物層の特性値を、ガソリン透過性(カッ
プ法):70 mg/日以下、衝撃脆化温度(JIS K 6301):
−23℃以下となるようにしたことを特徴とする燃料用
ゴムホース。 - 【請求項2】 ホース本体が、ニトリルゴム(NBR)
に加えてカーボンブラック(CB)及び可塑剤を他の副
資材とともに含むゴム配合物のNBR加硫物層を備えた
燃料用ゴムホースにおいて、 前記NBRのAN量(結合ニトリル量)が45wt%以上
であり、 前記可塑剤として脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤を含
み、該脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤の配合量が25
〜60 phrであることを特徴とする燃料用ゴムホース。 - 【請求項3】 前記脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
が、アジピン酸とジエチレングリコールモノアルキルエ
ーテルとの中性エステルであることを特徴とする請求項
2記載の燃料用ゴムホース。 - 【請求項4】 前記ゴム配合物の原料ゴムがNBR/P
VCであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の燃料用ゴムホース。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10108099A JPH11304058A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 燃料用ゴムホース |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10108099A JPH11304058A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 燃料用ゴムホース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11304058A true JPH11304058A (ja) | 1999-11-05 |
Family
ID=14475858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10108099A Withdrawn JPH11304058A (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 燃料用ゴムホース |
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