JP5072173B2 - 燃料系ホース用熱可塑性エラストマーおよびそれを用いた燃料系ホース、並びにその熱可塑性エラストマーの製法 - Google Patents

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本発明は、燃料系ホース用熱可塑性エラストマーおよびそれを用いた燃料系ホース、並びにその熱可塑性エラストマーの製法に関するものであり、詳しくは、自動車等の燃料〔ガソリン、アルコール混合ガソリン(ガソホール)、アルコール、水素、軽油、ジメチルエーテル、LPG、CNG等〕の輸送ホース等に用いられる燃料系ホース用熱可塑性エラストマーおよびそれを用いた燃料系ホース、並びにその熱可塑性エラストマーの製法に関するものである。
従来より、ガソリン燃料ホース等の燃料系ホースの材料として、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とポリ塩化ビニル(PVC)のブレンドゴム(NBR−PVC)が用いられている(特許文献1参照)。このブレンドゴムは、低ガソリン透過性や耐オゾン性に優れ、さらに、上記NBRとして、中高ニトリルタイプから極高ニトリルタイプのものを使用することにより、蒸散規制のレベルに対応させることが可能である。また、近年、ポリアミド樹脂をマトリックス成分とし、その中にNBRを島構造として分散させた熱可塑性エラストマーも、低ガソリン透過性等に優れるため、この分野において用いられるようになってきている(特許文献2および3参照)。一方、上記のようなブレンドゴム等では対処できないレベルの低ガソリン透過性が要求される場合は、通常、ゴムタイプではなく、ポリアミド樹脂等の樹脂タイプのホースが用いられる。
特開平8−169085号公報 特公昭55−14096号公報 特開2001−49037号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のホースは、その材料中に、環境負荷物質であるPVCを含んでおり、焼却廃棄等の際に塩素化合物の発生が懸念され、しかも、低温性〔極寒地(−30℃程度)での使用時におけるホースのシール性〕にも劣るといった問題もある。また、樹脂タイプのホースは、柔軟性が殆ど無いことから、ホース内の液圧変動の吸収性能が低く、しかも、自動車等の燃料ホースとして用いた場合に振動問題につながる。一方、上記特許文献2および3に記載の熱可塑性エラストマーを用いて形成されたホースは、その材料中に塩素発生物質もなく、また、ポリアミド樹脂をマトリックス成分としていることから低ガソリン透過性等に優れ、さらに、NBRを分散させていることから、ある程度の柔軟性を確保することが可能である。しかし、ポリアミド樹脂マトリックス中にNBRを分散させただけでは、低ガソリン透過性等を確保しつつ、所望の柔軟性を得るには限界があり、未だ改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、柔軟性等に優れるとともに、低ガソリン透過性等のバリア性に優れる燃料系ホース用熱可塑性エラストマーおよびそれを用いた燃料系ホース、並びにその熱可塑性エラストマーの製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(C)を必須成分とし、その(B)成分の重量割合が(A)成分の重量割合より多い熱可塑性エラストマーであって、(A)成分からなるマトリックス中に(B)成分が島構造として分散し、上記島構造以外のマトリックス部分に、(C)を主成分とする微粒子が分散している燃料系ホース用熱可塑性エラストマーを第1の要旨とし、この熱可塑性エラストマーによってホース形状に形成されてなる燃料系ホースを第2の要旨とする。また、本発明は、上記熱可塑性エラストマーの製法であって、上記(A)成分と(C)成分とを高温で混練することにより双方を反応させた後、その中に上記(B)成分のゴムおよびその架橋剤を配合して混練し、上記(B)成分を動的架橋させる、燃料系ホース用熱可塑性エラストマーの製法を第3の要旨とする。
(A)末端にアミノ基を有するポリアミド樹脂。
(B)架橋ゴム。
(C)上記(A)の有するアミノ基と反応する官能基を有する非架橋ゴム。
すなわち、本発明者らは、前記の課題を解決するため、まず、ポリアミド樹脂をマトリックス成分とし、その中にNBRを島構造として分散させた従来の熱可塑性エラストマーについて再検討を行った。そして、そのNBRの重量割合を、ポリアミド樹脂の重量割合よりも多く設定することにより、圧縮永久歪みに優れるようになるとの知見を得た。しかしながら、その構成において、単にNBRの重量割合を多くしただけでは、ホース強度やバリア性の劣化が確認されたことから、このような問題を生じずに所期の柔軟性を確保するため、更に研究を重ねた。そして、その研究の過程で、上記マトリックス成分として、末端アミノ基を有するポリアミド樹脂を用い、そのポリアミド樹脂マトリックス中に、上記アミノ基と反応しうる官能基を有する非架橋ゴムを微粒子状に分散させることを試みた。その結果、アミノ基との反応により、微粒子状非架橋ゴムが安定に分散し、ブリードや再凝集といった問題もなく、マトリックス成分であるポリアミド樹脂に直接的に柔軟性等が付与されるようになり、さらに、NBR等の架橋ゴムを島構造として多量に分散させても、ホース強度やバリア性の劣化を生じることがなく、所望の柔軟性が確保されるようになることを見いだし、本発明に到達した。
本発明の燃料系ホース用熱可塑性エラストマーは、末端にアミノ基を有するポリアミド樹脂マトリックス(海)中に、このマトリックスの重量割合より多い架橋ゴムを、島構造として分散し、さらに、残ったポリアミド樹脂のマトリックス部分に、そのアミノ基と反応する官能基を有する非架橋ゴムを微粒子状に分散してなるものである。このようにポリアミド樹脂がマトリックスとなるため、各種ガスや、オイル、ガソリンのバリア性に優れ、また、安価でゴム特性に富む架橋ゴムの割合が多いことから、低コストで、しかも、圧縮永久歪み特性にも優れる。そして、上記ポリアミド樹脂マトリックスに非架橋ゴムが分散されていることから、柔軟性、耐衝撃性、低温性等にも優れている。そのため、この熱可塑性エラストマーによって形成されるホースは、燃料系ホースとしての用途において優れた性能を発揮することができる。
特に、上記ポリアミド樹脂と、上記架橋ゴムにおけるゴムとの割合が、特定の範囲に設定されていると、より圧縮永久歪み等に優れるようになる。
また、上記非架橋ゴムが、エポキシ基、無水マレイン酸基、カルボキシル基等の官能基を有するゴムであると、上記ポリアミド樹脂マトリックス中での非架橋ゴム微粒子の安定性がより高くなり、製品性に優れるようになる。
さらに、上記非架橋ゴムの含有割合が特定の範囲に設定されていると、より柔軟性等に優れるようになる。
また、上記非架橋ゴムが、ポリアミド樹脂マトリックス中で、平均粒径1μm以下の微粒子状に分散していると、物性低下が抑えられるようになる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の燃料系ホース用熱可塑性エラストマーは、末端にアミノ基を有するポリアミド樹脂(A成分)と、架橋ゴム(B成分)と、上記A成分のアミノ基と反応する官能基を有する非架橋ゴム(C成分)とを用いて得ることができる。そして、この熱可塑性エラストマーは、上記ポリアミド樹脂(A成分)のマトリックス中に、このマトリックスより重量割合が多い状態で、上記架橋ゴム(B成分)が、島構造に分散され、さらに、残ったマトリックスの部分に、上記非架橋ゴム(C成分)を主成分とする微粒子が分散されてなるものである。なお、上記C成分の微粒子とは、殆ど(もしくは全く)架橋反応しない非架橋ゴムが微粒子状に分散された状態を示すものであり、さらに、この微粒子中に、非架橋ゴム以外の成分(A成分)が一部取り込まれることがある(図1の微粒子4の拡大部分参照)ことから、本発明では「非架橋ゴム(C成分)を主成分とする微粒子」とし、この場合も含まれるよう規定している。
上記A成分のポリアミド樹脂としては、末端にアミノ基を有するものであれば、特に限定はなく、例えば、ラクタムの重合物、ジアミンとジカルボン酸の縮合物、アミノ酸の重合物、これらの共重合体およびブレンド物等があげられる。具体的には、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6とナイロン66との共重合体またはこれら二種類以上のブレンド体等が好適に用いられる。
上記A成分のポリアミド樹脂とともに用いられる架橋ゴム(B成分)は、硫黄、過酸化物等の架橋剤の配合(通常、B成分に対して1〜3重量%)により架橋するものであって、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。また、上記架橋剤として、過酸化物系架橋剤を用いると、マトリックス成分であるポリアミド樹脂との結合性も高くなり、海−島構造が安定して形成されることから、より耐久性および成形性に優れたものが得られるようになるため好ましい。そして、これらゴムには、通常、架橋剤の他に、充填剤、補強剤、加工助剤、導電剤、架橋促進剤、老化防止剤、可塑剤等が適宜配合される。
上記架橋ゴム(B成分)の重量割合は、先に述べたように、上記A成分のポリアミド樹脂の重量割合より多くなっている。特に、上記A成分のポリアミド樹脂と、B成分の架橋ゴムとの割合が、重量比で、(A成分)/(B成分)=45/55〜10/90の範囲に設定されていると好ましく、より好ましくは、(A成分)/(B成分)=30/70〜45/55の範囲である。すなわち、このような範囲内であると、バリア性に劣ることなく、より圧縮永久歪み等に優れるようになるからである。
上記A成分およびB成分とともに用いられる非架橋ゴム(C成分)は、上記エラストマー中で、殆ど、もしくは、全く架橋反応を生じないもののことであり、上記A成分であるポリアミド樹脂の有するアミノ基と反応しうる官能基を有するものが用いられる。このような官能基としては、例えば、エポキシ基、無水マレイン酸基、カルボキシル基等があげられる。そして、上記非架橋ゴムが、エポキシ基、無水マレイン酸基およびカルボキシル基のうちの少なくとも一つの官能基を有する非架橋ゴムであると、A成分であるポリアミド樹脂マトリックスとの結合性が高くなるため、非架橋ゴム(C成分)微粒子の再凝集やブリードが抑えられ、その結果、ポリアミド樹脂マトリックス中での非架橋ゴム微粒子の安定性がより高くなり、好ましい。このような非架橋ゴムは、例えば、アクリルゴム、エポキシ化天然ゴム、マレイン酸変性EPDM、マレイン酸変性NBR等があげれられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、アクリルゴムが、柔軟性低下を達成しやすい点で、好ましい。
上記特定の非架橋ゴム(C成分)の含有割合は、特に限定はないが、上記A成分のポリアミド樹脂と、B成分の架橋ゴムとの合計100重量部(以下、「部」と略す)に対し、1〜30部の範囲に設定されていることが好ましく、特に好ましくは5〜20部の範囲内である。すなわち、上記特定の非架橋ゴムの含有割合がこのような範囲に設定されていると、より柔軟性等に優れるようになるからである。
本発明の燃料系ホース用熱可塑性エラストマーは、例えば、次のようにして調製することができる。すなわち、まず、A成分であるポリアミド樹脂と、C成分である非架橋ゴムとを、ニーダー,バンバリーミキサー,ロール,二軸混練機等の混練機を用いて高温(約200℃)で混練し、かつ双方を反応させる。この反応は、混練時に粘度が上がることにより確認することができる。ついで、この中に、B成分である架橋ゴムを、架橋剤等とともに配合するか、あるいは、予め上記架橋ゴムおよび架橋剤等を混合したものを配合し、さらに混練を続け(約200℃)、上記B成分を動的架橋させることにより、調製することができる。このようにして、図1に示すように、非架橋ゴム3が微粒子状に分散されたポリアミド樹脂1のマトリックス中に、架橋ゴム2が島構造になるよう分散された熱可塑性エラストマーを得ることができる。なお、図1に示される微粒子4は、非架橋ゴム3のみによって形成される場合もあるが、通常、上記微粒子4の拡大図に示されるように、この微粒子中に、A成分であるポリアミド樹脂1が部分的に取り込まれる。
そして、このようにして得られる熱可塑性エラストマーにおいて、上記C成分の非架橋ゴムが、ポリアミド樹脂マトリックス中で、平均粒径1μm以下の微粒子状に分散していると好ましく、より好ましくは、平均粒径0.5〜1μmの範囲である。このような範囲の平均粒径に設定することにより、物性低下が抑えられるため、好ましい。
ここで、本発明の燃料系ホースは、例えば、前記のようにして調製した本発明の熱可塑性エラストマー(組成物)を、ホース状に押し出し成形した後、全体を所定の条件で架橋することにより作製することができる。なお、上記架橋ゴムからなる島は、ホース状に押出形成する際に、略球状から、押出方向に偏平した形状となる。また、このホース成形に際し、必要に応じて、マンドレルを用いても差し支えない。
このようにして得られる本発明の燃料系ホースにおいて、その厚みは、特に限定はないが、通常、1.5〜12mmの範囲内であり、また、その内径は、通常、5〜50mmの範囲内である。
なお、本発明の燃料系ホースは、単層構造に限定されるものではなく、2層以上の多層構造であっても差し支えない。この場合、他の樹脂層や,ゴム層や,補強糸層等を形成してもよい。
そして、本発明の燃料系ホースは、自動車の燃料用ホースとして好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば、トラクターや耕運機等の燃料用ホース等にも用いることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔ポリアミド樹脂(ナイロン11)(A成分)〕
ATOFINA社製、リルサンBESN P20
〔NBR(B成分)〕
日本ゼオン社製、ニポールDN202(AN量:31)
〔アクリルゴム(C成分)〕
日本ゼオン社製、AR22
〔酸化亜鉛〕
三井金属社製、酸化亜鉛2種
〔ステアリン酸〕
花王社製、ルナックS30
〔可塑剤〕
旭電化工業社製、アデカサイザーRS107
〔加硫促進剤〕
三新化学社製、サンセラーCZ−G
〔硫黄〕
鶴見化学工業社製、サルファックスT10
〔過酸化物〕
日本油脂社製、ペロキシモンF40
〔実施例1〜5、比較例1〜4〕
後記の表1〜2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、以下のようにして熱可塑性エラストマー組成物を調製した。なお、表にもあるように、酸化亜鉛、ステアリン酸、可塑剤、加硫促進剤、硫黄および過酸化物の割合は、B成分100部に対する配合割合である。
すなわち、上記熱可塑性エラストマー組成物の調製は、まず、A成分であるポリアミド樹脂を、ニーダーを用いて200℃×15分間混練し(C成分のあるものは、ポリアミド樹脂とともに添加して平均粒径1μm以下となるまで混練し)、ついで、この中に、B成分であるゴムおよびその架橋剤等を同時に配合し、混練を続け(200℃×3分)、上記B成分を動的架橋させることにより行われた。なお、上記C成分の平均粒径は、上記組成物を硬化させてなる成形体の断面を画像解析装置により測定した値である。
このようにして得られた実施例品および比較例品の燃料系ホース用熱可塑性エラストマーを用い、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表3〜4に併せて示した。
〔常態物性〕
各ホース用熱可塑性エラストマー組成物を用い、これを厚み2mmのシート状にし、230℃で5分間プレス成形して、サンプルシート(120mm×120mm×厚み2mm)を作製した。そして、ホース自体の常態物性に代えて、このサンプルシートを用い、JIS K6251に準じて、常態物性(TB,EB)を測定した。
TB:破断点強度(MPa)
EB:破断点伸び(%)
〔硬さ〕
各ホース用熱可塑性エラストマー組成物を用い、これを厚み2mmのシート状にし、230℃で5分間プレス成形して、サンプルシート(120mm×120mm×厚み2mm)を作製した。そして、そのサンプルシートの硬さを、JIS K6253に準じて測定した。そして、その硬さが90未満のものを○、90以上のものを×として表示した。
〔耐ガソリン透過性(カップ法)〕
図2に示すように、まず、フランジ付きのSUS製カップ(内径Φ:66mm、カップ内高さD:40mm)20を準備し、この中に、ガソリン100ccを入れた。その後、上記カップのフランジ部21に、先の評価で作製したサンプルシート(試料)10を載せ、更に、金網(16メッシュ)11を介してパッキン12で押えて、ボルト13でセットした。このようにして組立てられたものを逆さまにし、40℃オーブンに投入した。そして、1日毎にカップ重量を測定し、その減少量(透過量Q)を算出した。この値をもとに、下記の式(1)に従い、透過係数(mg・mm/cm2 ・day)を求めた。そして、上記透過係数が25(mg・mm/cm2 ・day)未満であれば○と評価し、25(mg・mm/cm2 ・day)以上であれば×と評価した。
上記結果から、全実施例の熱可塑性エラストマーをプレス成形してなるシート(全実施例品のホース)は、常態物性に優れるとともに、柔軟性やガスバリア性に優れ、自動車用ホース等の燃料系ホース材料として優れていることがわかる。
これに対して、比較例品のシートは、本発明において要求される柔軟性やガスバリア性を全て満足することができないことがわかる。
本発明の燃料系ホース用熱可塑性エラストマーにおける各材料の分散状態を示す模式図である。 耐ガソリン透過性(カップ法)の試験方法を示す説明図である。
1 ポリアミド樹脂
2 架橋ゴム
3 非架橋ゴム
4 微粒子

Claims (8)

  1. 下記の(A)〜(C)を必須成分とし、その(B)成分の重量割合が(A)成分の重量割合より多い熱可塑性エラストマーであって、(A)成分からなるマトリックス中に(B)成分が島構造として分散し、上記島構造以外のマトリックス部分に、(C)を主成分とする微粒子が分散していることを特徴とする燃料系ホース用熱可塑性エラストマー。
    (A)末端にアミノ基を有するポリアミド樹脂。
    (B)架橋ゴム。
    (C)上記(A)の有するアミノ基と反応する官能基を有する非架橋ゴム。
  2. 上記(A)成分のポリアミド樹脂と、(B)成分の架橋ゴムとの割合が、重量比で、(A)/(B)=45/55〜10/90の範囲に設定されている請求項1記載の燃料系ホース用熱可塑性エラストマー。
  3. 上記(C)成分の非架橋ゴムが、エポキシ基、無水マレイン酸基およびカルボキシル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基を有するゴムである請求項1または2記載の燃料系ホース用熱可塑性エラストマー。
  4. 上記(C)成分の非架橋ゴムの含有割合が、上記(A)成分のポリアミド樹脂と、(B)成分の架橋ゴムとの合計100重量部に対し、1〜30重量部の範囲に設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料系ホース用熱可塑性エラストマー。
  5. 上記(C)成分の非架橋ゴムが、ポリアミド樹脂マトリックス中で、平均粒径1μm以下の微粒子状に分散している請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料系ホース用熱可塑性エラストマー。
  6. 上記()成分の架橋ゴムを主成分とする微粒子が、その微粒子中に上記(A)成分のポリアミド樹脂を部分的に取り込んだものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料系ホース用熱可塑性エラストマー。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーによってホース形状に形成されてなることを特徴とする燃料系ホース。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマーの製法であって、上記(A)成分と(C)成分とを高温で混練することにより双方を反応させた後、その中に上記(B)成分のゴムおよびその架橋剤を配合して混練し、上記(B)成分を動的架橋させることを特徴とする燃料系ホース用熱可塑性エラストマーの製法。
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