JP6126462B2 - 積層ゴムホース - Google Patents

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Description

本発明は、複数の層を径方向に積層したゴムホースに関し、特にバイオディーゼル燃料用ホースに関する。
特許文献1,2には、燃料ホースに用いられる加硫接着積層体が開示されている。この加硫接着積層体は、フッ素ゴムからなる最内層と、その径方向外側に隣接し、加硫接着して積層されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下、NBRという)からなる合成ゴム層とを備え、架橋速度向上を目的として、受酸剤である水酸化カルシウムをフッ素ゴムに配合している。
特開2011−201074号公報 特開2011−201075号公報
ところで、近年、生物由来油から作られるバイオディーゼル燃料(Bio Diesel Fuel)が普及している。
特許文献1の加硫接着積層体をバイオディーゼル燃料用のホースに適用した場合、バイオディーゼル燃料に含まれる不飽和脂肪酸が経時劣化(熱や水分等)によって酸化され、酸化されて生成した有機酸(ギ酸や酢酸等)がフッ素ゴムに含まれる水酸化カルシウムと反応し、脂肪酸カルシウム塩が生成し、この脂肪酸カルシウム塩がフッ素ゴムの物性低下及び膨潤を招くという問題がある。
この問題を解決するために、水酸化カルシウムを含有しないフッ素ゴムの使用が考えられるが、水酸化カルシウムを含有しないと、フッ素ゴム層とNBR層との接着性が十分に得られないという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐バイオディーゼル燃料油性に優れ、最内層のフッ素ゴム層とそれに隣接するNBR層との接着性が高い積層ゴムホースを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、最内層を構成するフッ素ゴムの成分及びそれに隣接する内層を構成するNBRの成分を工夫したものである。
具体的には、本発明は、複数のゴム層を径方向に積層してなる積層ゴムホースを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1の発明は、上記ゴム層は、最内層である第1層と、該第1層に隣接してその径方向外側に積層された第2層とを備え、上記第1層は、(A)ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーと、(B)ポリオール架橋剤と、(C)水酸化カルシウムと、を含有し、上記成分(A)100重量部に対して、上記成分(C)が0重量部又は2重量部以下配合されたフッ素ゴムからなり、上記第2層は、(D)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と、(E)金属水酸化物と、(F)1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、DBU塩、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)、DBN塩、及び有機ホスホニウム塩のうち少なくとも1つと、を含有するゴムからなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、最内層を構成するフッ素ゴムに水酸化カルシウムが未配合又は微小量しか配合されていないので、バイオディーゼル燃料を直接酸化させにくくさせる効果があり、また空気酸化や加水分解により酸化されたバイオディーゼル燃料により、ポリオール架橋系フッ素ゴム自体が劣化・膨潤されにくい。したがって、耐バイオディーゼル燃料油性に優れた積層ゴムホースを提供することができる。特に、水酸化カルシウムが未配合の場合(すなわち、フッ素ゴムエラストマー100重量部に対して、水酸化カルシウムが0重量部配合されている場合)には、水酸化カルシウムによるバイオディーゼル燃料の酸化が生じず、また、空気酸化や加水分解によって酸化されたバイオディーゼル燃料によるポリオール架橋系フッ素自体の劣化・膨潤が発生しない。
また、請求項1の発明によれば、第2層のNBRに、フッ素ゴムから脱フッ化水素を行う触媒である上記成分(F)の他に、受酸剤である金属水酸化物が配合されている。そうすると、加硫時の高温条件下において、第2層のNBRと第1層のフッ素ゴムとの界面で、金属水酸化物がフッ素ゴム内で発生する脱フッ化水素を効率良く捕捉する。そのため、フッ素ゴムとNBRが架橋するための、フッ素ゴムが配位結合するためのペンダントが形成され易くなる触媒的効果が一層高まる。その結果、第1層と第2層との接着性が向上する。
以上、請求項1の発明によれば、耐バイオディーゼル燃料油性に優れ、第1層のフッ素ゴムと第2層のNBRとの接着性が高い積層ゴムホースを提供することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記第2層は、上記成分(D)100重量部に対して、上記成分(E)が0.5重量部以上30重量部以下配合されるとともに、上記成分(F)が0.1重量部以上10重量部以下配合されていることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、上記成分(D)NBR100重量部に対して、上記成分(E)金属水酸化物が0.5重量部未満の場合、脱フッ化水素が十分に捕捉されず、触媒的効果が小さいため、フッ素ゴムとNBRとの架橋が不十分となる一方、30重量部を超える場合、スコーチ等の不具合が生じる。また、上記成分(D)NBR100重量部に対して、上記成分(F)が0.1重量部未満の場合、フッ素ゴムとNBRの共架橋が不十分となるため、接着性が弱くなる一方、10重量部を超える場合、ゴムがスコーチしやすく、また、耐熱性や圧縮永久歪の悪化等、ゴム物性の悪化を招く。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、上記フッ素ゴムは、イミダゾール誘導体をさらに含有することを特徴とする。
請求項3の発明によれば、第2層が上記成分(F)を含有することによりNBRとフッ素ゴムとの接着性が向上するものの、スコーチが発生しやすく、加硫後の圧縮永久歪が大きくなるとともに、ムーニー粘度が低下(すなわち軟化)する。したがって、第2層に含有される上記成分(F)は少ないのが望ましい。しかし、上記成分(F)を減らすと、フッ素ゴムとNBRとの接着性が低下する。
そこで、請求項3の発明によれば、第1層を構成するフッ素ゴムに加硫促進剤としてのイミダゾール誘導体をさらに含有させることにより、第1層と第2層との界面において脱フッ化水素が発生し、それと同時に生成した二重結合がNBRと架橋し、第1層と第2層との接着性が向上する。このように、フッ素ゴム側で加硫を促進することにより、第2層のNBRに含まれる上記成分(F)を減らすことができる。その結果、上記成分(F)による上記デメリットを解消することができるとともに、第1層と第2層との接着性を確保することができる。
また、請求項3の発明によれば、比較的高価な上記(F)を減らすことができるので、材料コストの抑制も可能となる。
さらに、請求項3の発明によれば、イミダゾール誘導体がフッ素ゴムとの相溶性が良好であり、非フッ素ゴムとの架橋に優れているため、第1層と第2層との接着性を一層向上させることができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、上記イミダゾール誘導体は、ポリアミンのフェニルリン酸塩であることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、イミダゾール誘導体がポリアミンのフェニルリン酸塩であり、フッ素ゴムとの相溶性が良いため、フッ素ゴムとNBRとの接着性を一層向上させることができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1つの発明において、上記成分(A)は、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である3元系フッ素ゴムであることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、含フッ素エラストマーがフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である3元系フッ素ゴムであるため、耐薬品性・耐油性・耐燃料性等に優れる。また、上記3元系フッ素ゴムであるため、ガソリンやバイオエタノール燃料のような極めて揮発しやすい燃料を通過する燃料ホースとして使用する場合、耐燃料透過性に優れる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つの発明において、上記成分(E)は、水酸化カルシウムであることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、金属水酸化物が水酸化カルシウムであるため、フッ素ゴム内で発生する脱フッ化水素をより一層効率良く捕捉することができる。そのため、フッ素ゴムとNBRとが架橋するため、フッ素ゴムが配位結合するためのペンダントが形成されやすくなる触媒的効果が一層高まる。
請求項7の発明は、請求項1乃至7のいずれか1つの発明において、上記第2層に隣接してその径方向外側には、補強糸が編み上げられた補強層が形成され、上記補強層に隣接してその径方向外側には、NBR、水素添加NBR、NBR/ポリ塩化ビニル(PVC)のブレンド、NBR/エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)のブレンド、NBR/エチレンアクリルゴム(AEM)のブレンド、NBR/アクリルゴム(ACM)のブレンド、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、及びACMのうち1種のゴム又は2種以上を組み合わせたブレンドゴムからなるカバー層が形成されていることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、第2層の径方向外側に補強糸が編み上げられた補強層が形成され、さらにその径方向外側にカバー層が形成されているので、積層ゴムホースの形状が保持され、また、内部流体に対する耐圧性に優れるとともに、耐候性に優れたカバー層を適用することで、耐久性の高い、柔軟なホースとして使用することができる。
以上説明したように、本発明の積層ゴムホースによると、水酸化カルシウムが配合されず又は微小量しか配合されていないので、耐バイオディーゼル燃料油性に優れた積層ゴムホースを提供することができる上に、第2層のNBRに加硫促進剤である上記成分(F)の他に受酸剤である金属水酸化物が配合されているので、第1層のフッ素ゴムと第2層のNBRとの接着性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る燃料ホースを示す図であって、(a)は断面斜視図であり、(b)は軸心方向に垂直な断面図である。
《発明の実施形態》
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでない。
図1は、本発明の実施形態1に係る燃料ホース(積層ゴムホース)1を示す。この燃料ホース1は、例えば、自動車の燃料注入配管と燃料タンクとの連絡、或いはエンジンへ燃料を送る連絡配管や、余剰の燃料を燃料タンクに戻す連絡配管に用いられるものである。この燃料ホース1は、液体燃料に限らず気体燃料にも使用することができるが、特に、バイオディーゼル燃料に使用することを目的としている。
上記燃料ホース1は、内径及び外径が一端側から他端側まで略一定である円管であって、少なくとも2つの層を径方向に積層して形成されている。図1に示す例では、燃料ホース1は、第1層としての最内層3と、該最内層3に隣接してその径方向外側に積層される第2層としての内層5と、該内層5に隣接してその径方向外側に形成される補強層7と、該補強層7に隣接してその径方向外側に積層されるカバー層としての最外層9との4つの層で形成されている。
上記最内層3は、燃料が通過する燃料通路11を形成している。この最内層3は、直接燃料に接触するため、燃料に対する耐性(耐燃料劣化性、耐燃料腐食性など)を有しているのが好ましい。特に、耐バイオディーゼル燃料油性の観点から、上記最内層3にはフッ素ゴムが用いられる。
このフッ素ゴムは、ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマー及びポリオール架橋剤で構成されている。該ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーとしては、耐薬品性・耐油性・耐燃料性等に優れ、また、ガソリンやバイオエタノール燃料のような極めて揮発しやすい燃料を通過する燃料ホースとする場合に耐燃料透過性に優れるフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体の3元系フッ素ゴムが好ましい。
また、上記最内層3は、加硫促進剤及び受酸としての働きがある水酸化カルシウムを含有している。該最内層3には、含フッ素エラストマー100重量部に対して、水酸化カルシウムが2重量部以下配合されている。このように、最内層3を構成するフッ素ゴムに水酸化カルシウムが微小量しか配合されていないので、燃料通路11を通過して最内層3に接触するバイオディーゼル燃料を直接酸化させにくくする効果があり、また空気酸化や加水分解により酸化されたバイオディーゼル燃料により、ポリオール架橋系フッ素ゴム自体が劣化・膨潤されにくい。
さらに、上記最内層3は、加硫促進剤としてのイミダゾール誘導体をさらに含有してもよい。イミダゾール誘導体としては、ポリアミンのフェニルリン酸塩が用いられるのが好ましい。これは、フッ化水素の加硫促進剤として作用するとともに、NBRとの界面での脱フッ化水素が促進され、共架橋を向上させるからである。
上記内層5は、製造コスト抑制の観点から、比較的安価なNBRで形成されている。
NBRは、フッ素ゴムから脱フッ化水素を行う触媒を含有している。当該触媒は、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、DBU塩、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)、DBN塩、及び有機ホスホニウム塩のうち少なくとも1つで構成されている。このように、フッ素ゴムから脱フッ化水素を行う触媒を含有しているので、加硫時、最内層3との界面において脱フッ化水素が発生し、二重結合が生成され、フッ素ゴムがNBR中の二重結合と架橋する。したがって、最内層3と内層5との接着性が向上する。
一方、上記触媒を用いる場合、NBRとフッ素ゴムとの接着性が向上するものの、スコーチが発生しやすく、加硫後の圧縮永久歪が大きくなるとともに、ムーニー粘度が低下(すなわち軟化)する。したがって、内層5に配合される上記触媒は、少ないのが望ましい。しかし、上記触媒を減らすと、最内層3と内層5との接着性が十分に得られない。
そこで、前述の通り、最内層3を構成するフッ素ゴムにイミダゾール誘導体を含有させることにより、最内層3と内層5との界面において脱フッ化水素が発生し、それと同時に生成した二重結合がNBRと架橋し、最内層3と内層5との接着性が向上する。このように、最内層3側、すなわちフッ素ゴム側で加硫を促進することにより、内層5側、すなわちNBR側の上記触媒を減らすことができるため、上記触媒による上記デメリットを解消することができるとともに、最内層3と内層5との接着性を確保することができる。また、比較的高価な上記触媒を減らすことができるので、材料コストの抑制も可能となる。さらに、イミダゾール誘導体は、フッ素ゴムとの相溶性が良好であり、非フッ素ゴムとの架橋に優れているため、最内層3と内層5との接着性がさらに向上する。
また、NBRは、受酸剤である金属水酸化物を含有している。金属水酸化物は、NBRとフッ素ゴムとの界面においてフッ素ゴムから脱フッ化水素を行う際に生じるフッ化水素を中和する。
上記金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、水酸化鉄、水酸化銅及び水酸化マンガンが挙げられる。フッ素ゴムとNBRとの界面においてフッ素ゴム内で発生する脱フッ化水素が効率良く捕捉され、フッ素ゴムとNBRとを架橋する触媒的効果が高まり、接着性が向上する観点から、金属水酸化物として水酸化カルシウムを用いるのが好ましい。
上記内層5には、NBR100重量部に対して、金属水酸化物が0.5重量部以上30重量部以下配合されるとともに、脱フッ化水素を行う触媒が0.1重量部以上10重量部以下配合されるのが好ましい。NBR100重量部に対して、金属水酸化物が0.5重量部未満の場合、脱フッ化水素が十分に捕捉されず、触媒的効果が小さいため、フッ素ゴムとNBRとの架橋が不十分となる一方、30重量部を超える場合、スコーチ等の不具合が生じる。また、上記成分(D)NBR100重量部に対して、上記触媒が0.1重量部未満の場合、フッ素ゴムとNBRとの架橋が不十分となるため、接着性が悪くなる一方、10重量部を超える場合、ゴムがスコーチし易く、また耐熱性や圧縮永久歪の悪化等、ゴム物性の悪化を招く。
このように、内層5に、フッ素ゴムから脱フッ化水素を行う触媒の他に、受酸剤である金属水酸化物が配合されている。そうすると、加硫時の高温条件下において、内層5と最内層3との界面で、金属水酸化物が最内層3内で発生する脱フッ化水素を効率良く捕捉する。その結果、上記触媒的効果が一層高まる。その結果、最内層3と内層5との接着性が向上する。
なお、上記内層5を構成するNBRには、フッ素ゴムとの接着性向上を目的として、エポキシ樹脂が配合されてもよい。これにより、フッ素ゴムに積層した状態で、未加硫時における優れた粘着性を示し、加硫時にフッ素ゴムとの接着性が向上すると考えられる。また、フッ素ゴム側やカバー層側のような他方に樹脂の硬化剤と配合することで、エポキシ樹脂との化学結合による接着性を向上させることも可能となる。エポキシ樹脂は、NBR100重量部に対し、0.5重量部以上5重量部以下配合されるのが好ましい。エポキシ樹脂が0.5重量部未満の場合、上記効果が発揮されず、5重量部を超える場合、燃料ホース1の強度低下や耐熱性の悪化を招くため、上記範囲で配合するのが好ましい。
上記補強層7は、上記内層5の外周面に補強糸7aがブレード編みされて形成されたものである。補強糸7aとしては、耐熱性・耐薬品性等に優れるポリエステル繊維を用いるのが好ましい。なお、図1(b)において、補強層7を斜線で模式的に示している。
上記最外層9は、温度特性・耐候性等に優れた材料で形成されている。該最外層9に用いられる材料は、NBR、水素添加NBR、NBR/ポリ塩化ビニル(PVC)のブレンド、NBR/エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)のブレンド、NBR/エチレンアクリルゴム(AEM)のブレンド、NBR/アクリルゴム(ACM)のブレンド、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、及びACMのうち1種のゴム又は2種以上を組み合わせたブレンドゴムで構成されている。
上記最外層9としては、低温特性及び耐候性の観点から、ECOが好ましい。ECOは、特に、クロロプレンゴム(CR)と比較して耐ガソリン性及び耐軽油性に優れる。なお、最外層9に用いられる材料は、使用環境及び要求事項に応じて適宜変更可能であり、例えばCR、塩素化ポリエチレン(CPE)又はEPDMを用いてもよい。
このように、内層5の径方向外側に補強糸7aが編み上げられた補強層7が形成され、さらにその径方向外側に最外層9が形成されているので、燃料ホース1の形状が保持され、また、耐候性等の耐久性に優れており、内部から高圧力や負圧がかかる用途でも使用することができる。
《実施例及び比較例》
次に、具体的に実施した実施例及びその比較例について説明する。
−各層を構成する材料の配合−
(フッ素ゴムの配合)
表1は、実施例又は比較例で使用したフッ素ゴムの配合表を示す。表1中のFKM1〜4が実施例に係る配合であり、FKM5,6が比較例に係る配合である。
Figure 0006126462
<FKM1>FKM1は、ポリオール加硫可能な3元フッ素ゴム(フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン=58/22/20(モル%比)、フッ素ゴム含有量69質量%)と、加硫剤としてのBIS−AF(東京化成工業社製 ビスフェノールAF)と、加硫促進剤としてのDBU−B(和光純薬社製 DBU−ベンジルクロライド塩)と、イミダゾール誘導体としてのポリアミンのフェニルリン酸塩(四国化成工業社製 キュアゾールSFZ(登録商標))と、補強材としてのカーボンブラック(東海カーボン社製 シーストS(登録商標))と、酸化マグネシウム(協和化学工業社製 キョーワマグ150(登録商標))と、加硫促進剤としてのアルカリ金属ケイ酸塩(富士化学社製 1号ケイ酸ソーダ)と、を含有している。そして、ポリオール加硫可能な3元フッ素ゴム100重量部に対して、BIS−AFが0.5重量部、DBU−Bが0.5重量部、ポリアミンのフェニルリン酸塩が0.5重量部、カーボンブラックが12.0重量部、酸化マグネシウムが3.0重量部、アルカリ金属ケイ酸塩が3.0重量部配合されている。
<FKM2>FKM2は、FKM1と略同じ成分を含有しているが、イミダゾール誘導体であるポリアミンのフェニルリン酸塩を含有していない点でFKM1と異なっている。
<FKM3>FKM3は、FKM2と略同じ成分を含有しているが、受酸剤としての水酸化カルシウム(近江化学工業社製 カルディック2000)を含有している点、及び、3元フッ素ゴム100重量部に対して、水酸化カルシウムが1.0重量部、アルカリ金属ケイ酸塩が2.5重量部配合されている点でFKM2と異なっている。
<FKM4>FKM4は、FKM3と同じ成分を含有しているが、3元フッ素ゴム100重量部に対して、水酸化カルシウムが2.0重量部、アルカリ金属ケイ酸塩が2.0重量部配合されている点でFKM3と異なっている。
<FKM5>FKM5は、FKM3と同じ成分を含有しているが、3元フッ素ゴム100重量部に対して、水酸化カルシウムが3.0重量部、アルカリ金属ケイ酸塩が1.5重量部配合されている点でFKM3と異なっている。
<FKM6>FKM6は、FKM3と略同じ成分を含有しているが、アルカリ金属ケイ酸塩を含有していない点、及び、3元フッ素ゴム100重量部に対して、水酸化カルシウムが6.0重量部配合されている点でFKM3と異なっている。
(NBRの配合)
表2は、実施例及び比較例で使用したNBRの配合表を示す。表2中のNBR1〜6が実施例に係る配合であり、NBR7〜9が比較例に係る配合である。
Figure 0006126462
<NBR1>NBR1は、NBR(JSR社製 N220S)と、補強材としてのFEFカーボンブラック(東海カーボン社製 シーストSO(登録商標))と、可塑剤(大日本インキ化学工業社製 モノサイザーW−260(登録商標))と、加硫助剤としての酸化亜鉛(白水化学工業社製 酸化亜鉛第3種)と、ステアリン酸(花王社製 ルナックS30(登録商標))と、加硫促進剤CZ(大内新興化学社製 ノクセラーCZ−G(登録商標))と、加硫促進剤TT(大内新興化学社製 ノクセラーTT−P(登録商標))と、硫黄系加硫剤(大内新興化学社製 バルノックR(登録商標))と、硫黄(サルファックス200S(登録商標))と、老化防止剤RD(大内新興化学社製 ノクラックRD(登録商標))と、老化防止剤MB(大内新興化学社製 ノクラックMB(登録商標))と、受酸剤としての水酸化カルシウム(近江化学工業社製 カルビット)と、DBUフェノール樹脂塩(ダイソー社製 P−152)と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製 JER828(登録商標))と、を含有している。そして、NBR100重量部に対して、FEFカーボンブラックが60重量部、可塑剤が15重量部、亜鉛華3号が5重量部、ステアリン酸が1重量部、加硫促進剤が3重量部、硫黄系加硫剤が1重量部、硫黄が1重量部、老化防止剤が2重量部、水酸化カルシウムが2重量部、DBUフェノール樹脂塩が1重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が2重量部配合されている。NBR1の特徴としては、水酸化カルシウムを含有するとともに、DBU塩が少量配合され、かつエポキシ樹脂を含有している点にある。
<NBR2>NBR2は、NBR1と略同じ成分を含有しているが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有していない点でNBR1と異なっている。NBR2の特徴としては、水酸化カルシウムを含有するとともに、DBU塩が少量配合されている点にある。
<NBR3>NBR3は、NBR2と同じ成分を含有しているが、DBUフェノール樹脂塩がNBR2よりも多く配合されている点でNBR2と異なっており、NBR100重量部に対して3重量部配合されている。NBR3の特徴としては、水酸化カルシウムを含有するとともに、DBU塩がNBR2よりも多く配合されている点にある。
<NBR4>NBR4は、NBR2と略同じ成分を含有しているが、DBUフェノール樹脂塩を含有しない一方、DBUナフトエ酸塩(ダイソー社製 DA−500)を含有する点でNBR2と異なっている。DBUナフトエ酸塩は、NBR100重量部に対して、3重量部配合されている。NBR4の特徴としては、水酸化カルシウムを含有するとともに、DBUがNBR2よりも多く配合され、かつDBU塩の構成がNBR3と異なる点にある。
<NBR5>NBR5は、NBR2と略同じ成分を含有しているが、DBUフェノール樹脂塩を含有しない一方、DBNフェノールボラック樹脂塩(サンアプロ社製 U−CAT− SA881(登録商標))を含有する点でNBR2と異なっている。DBNフェノールボラック樹脂塩は、NBR100重量部に対して、3重量部配合されている。NBR5の特徴としては、水酸化カルシウムを含有するとともに、DBN塩がNBR2のDBU塩よりも多く配合されている点にある。
<NBR6>NBR6は、NBR2と略同じ成分を含有しているが、DBUフェノール樹脂塩を含有しない一方、フッ素ゴムから脱フッ化水素を行う触媒としての有機ホスホニウム塩(日本化学工業社製 ゼオネットPB(登録商標))を含有する点でNBR2と異なっている。有機ホスホニウム塩は、NBR100重量部に対して、3重量部配合されている。NBR6の特徴としては、水酸化カルシウムを含有するとともに、DBU塩を含有せず、かつ有機ホスホニウム塩を含有している点にある。
<NBR7>NBR7は、NBR2と略同じ成分を含有しているが、水酸化カルシウムを含有せず、DBUフェノール樹脂塩がNBR2よりも多く配合されている点でNBR2と異なっている。DBUフェノール樹脂塩は、NBR100重量部に対して、3重量部配合されている。NBR7の特徴としては、水酸化カルシウムを含有せず、かつDBU塩が配合されている点にある。
<NBR8>NBR8は、NBR7と略同じ成分を含有しているが、DBUフェノール樹脂塩を含有しない一方、有機ホスホニウム塩を含有する点でNBR7と異なっている。有機ホスホニウム塩は、NBR100重量部に対して、3重量部配合されている。NBR8の特徴としては、水酸化カルシウム及びDBU塩を含有しない一方、有機ホスホニウム塩を含有する点にある。
<NBR9>NBR9は、NBR7と略同じ成分を含有しているが、DBUフェノール樹脂塩を含有しない点でNBR7と異なっている。NBR9の特徴としては、水酸化カルシウム、DBU及び有機ホスホニウム塩のいずれも含有しない点にある。
(エピクロルヒドリンゴムの配合)
表3は、比較例の内層5で使用したエピクロルヒドリンゴム(ECO)の配合表を示す。ECO1は比較例に係る配合である。
Figure 0006126462
<ECO1>ECO1は、エピクロルヒドリンゴム(CHC)(ダイソー社製 エピクロマーC(登録商標))と、補強材としてのFEFカーボンブラック(東海カーボン社製 シーストSO(登録商標))と、可塑剤(旭電化工業社製 アデカイザーRS−107(登録商標))と、加工助剤(花王社製 スプレンダーR−300(登録商標))と、酸化マグネシウム(協和化学工業社製 キョーワマグ150(登録商標))と、炭酸カルシウム(白石工業社製 軽質炭酸カルシウム赤玉)と、加硫剤(ダイソー社製 ダイソネットXL21S(登録商標)、P−152)と、加硫促進剤(大内新興化学社製 ノクセラーBZ(登録商標))と、老化防止剤1(大内新興化学社製 ノクラックNBC(登録商標))と、老化防止剤2(協和化学工業社製 ハイドロタルサイトDHT−4A)と、スコーチ防止剤(大内新興化学社製 リターダーCTP)と、エポキシ樹脂(三菱化学社製 JER828(登録商標))と、を含有している。そして、エピクロルヒドリンゴム100重量部に対して、FEFカーボンブラックが60重量部、可塑剤が10重量部、加工助剤が2重量部、酸化マグネシウムが3重量部、炭酸カルシウムが3重量部、キノキサリン系加硫剤が1.5重量部、DBUフェノール樹脂塩が0.5重量部、加硫促進剤が1.5重量部、老化防止剤が2重量部、スコーチ防止剤が0.5重量部、エポキシ樹脂が4重量部配合されている。
(実施例の最外層で使用したゴムの配合)
表4は、実施例に係る燃料ホース1の最外層9(カバー層)に使用したゴムの配合表を示す。GECO1は実施例に係る配合である。
Figure 0006126462
<GECO1>GECO1は、エピクロルヒドリンゴム(CHC)(ダイソー社製 エピクロマーCG−104(登録商標))と、補強材としてのFEFカーボンブラック(東海カーボン社製 シーストSO(登録商標))と、可塑剤(旭電化工業社製 アデカサイザーRS−107(登録商標))と、加工助剤(花王社製 スプレンダーR−300(登録商標))と、酸化マグネシウム(協和化学工業社製 キョーワマグ150(登録商標))と、加硫剤(ダイソー社製 ダイソネットXL21S(登録商標))と、DBUフェノール樹脂塩(ダイソー社製 P−152)と、加硫促進剤(大内新興化学社製 ノクセラーBZ(登録商標))と、老化防止剤1(大内新興化学社製 ノクラックNBC(登録商標))と、老化防止剤2(協和化学工業社製 ハイドロタルサイトDHT−4A)と、スコーチ防止剤(大内新興化学社製 リターダーCTP)と、を含有している。そして、エピクロルヒドリンゴム100重量部に対して、FEFカーボンブラックが60重量部と、可塑剤が10重量部と、加工助剤が2重量部と、受酸剤が1.5重量部と、キノキサリン系加硫剤が0.5重量部と、DBU−樹脂塩が0.5重量部と、加硫促進剤が1.5重量部と、老化防止剤が2重量部と、スコーチ防止剤が0.5重量部配合されている。
−各層を構成する材料の性能試験−
最内層3を構成するFKM1〜6及び内層5を構成するNBR1〜9及びECO1の性能試験を行った。FKM1〜6、NBR1〜9及びECO1の性能は、耐バイオディーゼル燃料油性(以下、耐BDF性という)、耐軽油性及び圧縮永久歪の3つの指標で評価した。
(FKM1〜6の性能試験の要領)
<耐BDF性試験の要領>
耐BDF性の試験は、以下の要領で行った。すなわち、試験に用いたFKM1〜6は、表1の配合に基づいて生成されたフッ素ゴム生成物を170℃×15分プレス架橋した後に、オーブンで150℃×4時間でさらに加熱処理して得た。得られたFKM1〜6を、大豆油メチルエステル(Soybean Oil Methyl Ester、SME)100%に、加水分解によるバイオディーゼル燃料の酸化劣化の加速を目的として、水を2Vol%含有させた試験液に120℃×1000時間浸漬し、試験前と試験後の各FKMの体積変化率及び硬度変化量を測定して行った。硬度測定条件は、JIS K6253タイプAデュロメータで行った。
<耐軽油性試験の要領>
耐軽油性の試験は、以下の要領で行った。すなわち、試験に用いたFKM1〜6は、表1の配合に基づいて生成したフッ素ゴム生成物を、上記耐BDF性試験と同様に、170℃×15分プレス架橋した後に、オーブンで150℃×4時間加熱処理して得た。得られたFKM1〜6を、燃料(特3号軽油(出光興産製))に120℃×1000時間浸漬し、試験前と試験後の各FKMの体積変化率及び硬度変化量を測定した。硬度測定条件は、上記の耐BDF性の試験と同じであった。
<圧縮永久歪試験の要領>
圧縮永久歪の試験は、以下の要領で行った。すなわち、試験に用いたFKM1〜6は、表1の配合表に基づいて生成したフッ素ゴム生成物を、
(架橋度1)170℃×10分プレス架橋、
(架橋度2)170℃×15分プレス架橋、
(架橋度3)170℃×15分プレス架橋後オーブンにて120℃×4時間加熱処理、
(架橋度4)170℃×15分プレス架橋後オーブンにて150℃×4時間加熱処理、
により得た。各FKMについて4個のテストピースが得られた(つまり、合計24個のテストピースが得られた)。得られた各テストピースに対し、JIS K6262に準拠して、120℃×70時間後の歪率(%)を測定した。なお、圧縮永久歪の測定においては、各FKMの架橋度による比較ができるように表1をベースに加硫曲線が同じになるように別途スコーチ調整を行った。
(NBR1〜9及びECO1の性能試験の要領)
<耐BDF性試験の要領>
耐BDF性の試験は、FKM1〜6と同じ要領で行った。試験に用いたNBR1〜9は、表2の配合に基づいて生成されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム組成物を架橋度1の条件で架橋することにより得た。また、試験に用いたECO1は、表3の配合に基づいて生成されたエピクロルヒドリンゴム組成物を架橋度4で架橋することにより得た。なお、NBR1〜9及びECO1においては、FKM1〜6よりも耐熱性が劣り、硬度変化に別の因子が含まれてしまうため、耐BDF性を体積変化率を基準に評価した。
<耐軽油性試験の要領>
耐軽油性の試験は、FKM1〜6と同じ要領で行った。試験に用いたNBR1〜9は、表2の配合に基づいて生成されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム組成物を架橋度1で架橋することにより得た。また、試験に用いたECO1は、表3の配合に基づいて生成されたエピクロルヒドリンゴム組成物を耐BDF性試験と同様に架橋度4で架橋することにより得た。
<圧縮永久歪試験の要領>
圧縮永久歪の試験は、FKM1〜6と同じ要領で行った。なお、NBR1〜9については、表2の配合に基づいて生成したアクリロニトリル−ブタジエンゴム組成物を、架橋度1及び架橋度2の架橋により得た。各NBRについて2個のテストピースが得られた(つまり、合計18個のテストピースが得られた)。また、ECO1については、表3の配合に基づいて生成したエピクロルヒドリンゴム組成物を架橋度1〜4の架橋により得た。
(性能試験の結果)
表5はFKM1〜6の性能試験結果を示し、表6はNBR1〜9及びECO1の性能試験結果を示す。
Figure 0006126462
Figure 0006126462
ここで、耐BDF性試験の体積変化率及び硬度変化量は、±0に近いほど優れている。また、スコーチ評価において、◎が最もスコーチし難く、◎から、○、△、×の順にスコーチし易くなる。×に近づくにつれて、硫黄によって加硫反応が進むため、標準配合においてスコーチしやすくなり、ゴム混練工程や、ホース押出工程といった加硫工程よりも前の工程において、ゴムのヤケが発生しやすくなるという問題がある。
FKM1〜6の性能試験結果から、以下のことが分かった。
水酸化カルシウム非含有のFKM1,2は、同等の性能を有していた。また、FKM1,2は、他のFKM3〜6と比較して、耐BDF性、耐軽油性及び圧縮永久歪のいずれについても優れていた。また、FKM1はイミダゾール誘導体を含有する一方、FKM2は有していなかったが、イミダゾール誘導体の有無による性能の差は見られなかった。
FKM3は、水酸化カルシウムを含有する点でFKM2と異なり、耐BDF性及び圧縮永久歪がFKM2よりも劣っていた。これは、水酸化カルシウムを含有することにより、バイオディーゼル燃料に含まれる不飽和脂肪酸が酸化され、酸化したバイオディーゼル燃料がフッ素ゴムを劣化・膨潤させたものと考えられる。
FKM4〜6は、水酸化カルシウムの含有量が増加し、耐BDF性及び圧縮永久歪がいずれも悪化している。特に、フッ素ゴム100重量部に対して水酸化カルシウムが3重量部配合されているFKM5が、2重量部配合されているFKM4よりも著しく悪化した。したがって、最内層3を構成するフッ素ゴムは、耐BDF性の観点から、フッ素ゴム100重量部に対して水酸化カルシウムを2重量部以下含有するのが好ましいと言える。
また、水酸化カルシウムが3重量部以上配合されたFKM5,6は、NBR9よりも耐BDF性が劣るため、バイオディーゼル燃料用ホースとして使用できないものと考えられる。
次に、NBR1〜9及びECO1について、以下のことが分かった。
NBR1は、他のNBR及びECO1と比較して、耐BDF性、耐軽油性及び圧縮永久歪に優れ、また、スコーチ調整がし易いものであった。
NBR2は、エポキシ樹脂を含有しない点でNBR1と異なり、NBR1よりも圧縮永久歪が優れていた。
NBR3は、DUBフェノール樹脂塩の含有量がNBR2よりも多い点で異なり、NBR2よりも圧縮永久歪が劣り、また、スコーチ調整し難いものであった。
NBR4,5は、NBR3と同等の性能であった。
NBR6は、NBR3よりも圧縮永久歪が若干劣っていた。
NBR7,8は、NBR1,2よりも耐BDF性及び圧縮永久歪が劣り、また、スコーチ調整し難いものであった。
NBR9は、他のNBRよりも圧縮永久歪に優れ、また、他のNBRよりもスコーチ調整がし易いものであった。
ECO1は、NBR1〜9よりも耐BDF性、圧縮永久歪が劣っていた。
−燃料ホースの性能試験−
実施例及び比較例に係る燃料ホース1の性能試験を行った。
(性能試験に用いた燃料ホースの構成)
実施例1〜6に係る燃料ホース1は、第1層である最内層3をFKM1で構成し、第2層である内層5をNBR1〜6で構成したものである。
実施例7〜12に係る燃料ホース1は、最内層3をFKM2で構成し、内層5をNBR1〜6で構成したものである。
実施例13〜15に係る燃料ホース1は、最内層3をFKM3で構成し、内層5をNBR1〜3で構成したものである。
実施例16〜18に係る燃料ホース1は、最内層3をFKM4で構成し、内層5をNBR1〜3で構成したものである。
比較例1〜3に係る燃料ホース1は、最内層3をFKM2で構成し、内層5をNBR7〜9で構成したものである。
比較例4〜6に係る燃料ホース1は、最内層3をFKM4で構成し、内層5をNBR7〜9で構成したものである。
比較例7〜9に係る燃料ホースは、最内層3をFKM5で構成し、内層5をNBR7〜9で構成したものである。
比較例10〜12に係る燃料ホース1は、最内層3をFKM6で構成し、内層5をNBR7〜9で構成したものである。
比較例13に係る燃料ホース1は、最内層3をFKM2で構成し、内層5をECO1で構成したものである。
比較例14に係る燃料ホース1は、最内層3をFKM6で構成し、内層5をECO1で構成したものである。
(性能試験に用いた燃料ホースの製造方法)
燃料ホースは、以下の要領で製造した。すなわち、フッ素ゴム未加硫組成物が最内層3、NBRまたはECO未加硫組成物が内層5となるように二重押出機によりフレキシブルマンドレルを使用することなく同時に押出し成型した。この内管ゴムホースの内径は6.9mm、肉厚は2.0mmで、そのうち最内層3の肉厚を0.5mmとした。この内管ゴムホースにポリエステル繊維からなる補強層7を編み角40°でブレード編みにより編み上げ、その外側に表4のカバー層配合表の配合に基づいて生成されたエピクロルヒドリン系ゴム未加硫組成物を最外層9として押出し被覆した。この未加硫ゴムホースの肉厚は3.2mmとした。この未加硫ゴムホースに同一径の金属製マンドレルを圧縮空気を使って挿入した。これを、直接蒸気加硫により、所定の加硫条件にて加硫した後、金属製マンドレルを引き抜いて、洗浄、加熱処理して所望の燃料ホースを得た。
架橋条件は、
(架橋度5)8kgf/cm圧力下で12分蒸気加硫、
または、
(架橋度6)8kgf/cm圧力下で12分蒸気加硫後、オーブンにて120℃×4時間加熱処理であった。
(燃料ホースの性能試験の要領)
燃料ホース1の性能試験を行った。燃料ホース1の性能は、最内層3のフッ素ゴムと内層5のNBRとの接着強度、耐BDF性、継手締結保持力、材料コスト、及び製造コストの5つの指標で評価した。
<接着強度試験の要領>
製造した燃料ホース1を長さ2.5cmに切り取り、軸線に沿って最内層3と内層5との間を周方向に角度90°程度剥離させてサンプルを作成した。このサンプルを特許第2810429号公報の図2に記載の製品剥離試験治具にセットし、最内層3と内層5とを剥離した。具体的には、上記サンプルの中空部に金属製の棒を貫通させ、この棒の両端を上方に引っ張り上げる一方、剥離された内層5、補強層7及び最外層9の端末を把持して下方に引っ張り、最内層3と内層5とを剥離した。引張速度は温度23℃において速度50mm/分で行った。
<耐BDF性試験の要領>
前述の各材料FKM1〜6、NBR1〜9、及びECO1の耐BDF性の試験結果に基づいて、バイオディーゼル燃料に対する適性度を評価した。試験結果において、◎は耐BDF性が最も良いことを示し、◎から、○、△、×の順に耐BDF性が悪化することを示している。
<継手締結保持力試験の要領>
製造した燃料ホース1をパイプに挿入し、熱を120℃×7時間かけた後の締結保持力を試験した。試験結果において、◎が最も締結保持力が大きいことを示し、◎から、○、△、×の順に締結保持力が低下していることを示している。
<材料コスト・製造コストの評価要領>
材料コスト及び製造コストについて比較を行った。具体的には、材料コストについては、各材料に必要な材料費が安価なほど低コストを示し、製造コストについては、安定したホース性能が得られる架橋に要する時間が短いほど低コストであることを示す。試験結果において、◎が最も低コストであることを示し、◎から、○、△、×の順にコストが高くなることを示している。
(性能試験の結果)
表7は実施例に係る燃料ホースの性能試験の結果を示し、表8は比較例に係る燃料ホース1の性能試験の結果を示す。各表の最下段には、各燃料ホースの総合判定を示している。総合判定において、◎がバイオディーゼル燃料用ホースとしての適性に最も優れていることを示し、◎から、○、△、×の順に燃料ホースとしての適性が悪化していることを示している。
Figure 0006126462
Figure 0006126462
なお、表8中のハイフンは、最内層3と内層3とが未接着であり、ホースとして使用不能であることが明らかであったため、試験を行わなかったことを示している。
これらの試験結果によれば、最内層3を構成するフッ素ゴムにフッ素ゴム100重量部に対して水酸化カルシウムを2重量部以下配合する一方、内層5を構成するNBRに水酸化カルシウムを含有させるとともに、NBRにDBU塩、DBN塩及び有機ホスホニウム塩等の少なくとも1つを含有させることにより、最内層3のフッ素ゴムと内層5のNBRとの接着性に優れた燃料ホース1が得られたことがわかる。
すなわち、例えば実施例1〜18について見ると、最内層3がフッ素ゴム100重量部に対して水酸化カルシウムが2重量部以下配合されたFKM1〜4で構成されるとともに、内層5がDBU塩、DBN塩及び有機ホスホニウム塩を含有し且つ水酸化カルシウムが配合されたNBRで構成されている。この結果、実施例1〜18に係る燃料ホース1は、フッ素ゴムとNBRとの接着強度が50N/2.5cm以上と高かった。これに対し、例えば比較例9について見ると、最内層3がフッ素ゴム100重量部に対して水酸化カルシウムが3重量部配合されたFKM5で構成されるとともに、内層5がDBU塩、DBN塩及び有機ホスホニウム塩並びに水酸化カルシウムを含有しないNBRで構成されている。この結果、比較例9に係る燃料ホース1は、フッ素ゴムとNBRとが接着しなかった。これは、フッ素ゴムに比較例9の2倍の水酸化カルシウムが配合されている比較例12(フッ素ゴム100重量部に対して水酸化カルシウムが6重量部配合)についても同様であった。
さらに詳しく見てみると、内層5を構成するNBRが水酸化カルシウムを含有することにより、内層5と最内層3との接着性が向上することがわかる。
すなわち、例えば実施例7〜12について見ると、最内層3がFKM2で構成されるとともに、内層5が水酸化カルシウムを含有するNBR1〜6で構成されている。この結果、上述のように、実施例7〜12に係る燃料ホース1は、最内層3と内層5とが接着していた。これに対し、例えば比較例1〜3について見ると、最内層3が実施例7〜12と同様にFKM2で構成されるとともに、内層5が水酸化カルシウムを含有しないNBR7〜9で構成されている。その結果、比較例1〜3に係る燃料ホース1は、最内層3と内層5とが未接着であった。このことは、最内層3がFKM4で構成されるとともに内層5がNBR1〜6で構成される実施例16〜18に対し、同じく最内層3がFKM4で構成されるとともに内層5がNBR7〜9で構成される比較例4〜6についても同様であった。これは、内層5を構成するNBRに含有された水酸化カルシウムがNBRとフッ素ゴムとの架橋を促進しているためと考えられる。
また、詳しく見ると、最内層3を構成するフッ素ゴムが水酸化カルシウムを含有する場合よりも、含有しない場合のほうがホース性能に優れることがわかる。
すなわち、例えば実施例7〜9及び13〜18について見ると、水酸化カルシウムを含有しないFKM2を使用した実施例7〜9に係る燃料ホース1は、水酸化カルシウムを含有するフッ素ゴム(FKM3,4)を使用した実施例13〜18と比較して、最内層3と内層5との接着強度が若干劣るものの、使用に何ら問題はなく、その一方で、水酸化カルシウムを含有しないため、耐BDF性に優れていた。
さらに、詳しく見ると、燃料ホース1は、最内層3を構成するフッ素ゴム中の水酸化カルシウムの含有量が少ないほど、性能に優れることがわかる。
すなわち、例えば実施例13〜18について見ると、水酸化カルシウムをフッ素ゴム100重量部に対して1重量部含有するFKM3を使用した実施例13〜15に係る燃料ホース1は、水酸化カルシウムを2重量部含有するFKM4を使用した実施例16〜18に係る燃料ホース1と比較して、最内層3と内層5との接着強度が若干劣るものの、使用に何ら問題はなく、その一方で、水酸化カルシウムの含有量が少ないため、耐BDF性に優れていた。
また、詳しく見ると、内層5を構成するNBRがDBU塩または有機ホスホニウム塩を含有することにより、最内層3と内層5との接着性が向上することがわかる。
すなわち、例えば比較例7〜9について見ると、DBU塩を含有するNBR7を使用した比較例7に係る燃料ホース1及び有機ホスホニウム塩を含有するNBR8を使用した比較例8に係る燃料ホース1は、接着性が30N/2.5cmと低いものの、最内層3と内層5とが接着している。一方、DBU塩及び有機ホスホニウム塩のいずれも含有しないNBR9を使用した比較例9に係る燃料ホース1は、最内層3と内層5とが接着していない。このことは、比較例10〜12についても言える。これは、DBU塩または有機ホスホニウム塩が最内層3を構成するフッ素ゴムから脱フッ化水素を行って、フッ素ゴムとNBRとの架橋が促進されるためと考えられる。
また、上記試験結果によれば、最内層3を構成するフッ素ゴムがイミダゾール誘導体を含有すると、最内層3と内層5との接着性が向上することがわかる。
すなわち、例えば、実施例1〜6について見ると、最内層3がイミダゾール誘導体であるポリアミンのフェニルリン酸塩を含有するFKM1で構成されている。この結果、実施例1〜6に係る燃料ホース1は、最内層3と内層5との接着強度が80N/2.5cm以上であった。これに対し、例えば、実施例7〜12について見ると、最内層3は、上記イミダゾール誘導体を含有していない点以外はFKM1と同一の配合であるFKM2で構成されている。この結果、実施例7〜12に係る燃料ホース1は、最内層3と内層5との接着強度が80N/2.5cm以下であった。これは、フッ素ゴムに加硫促進剤としてのイミダゾール誘導体をさらに含有させることにより、最内層3と内層5との界面において脱フッ化水素が発生し、それと同時に生成した二重結合がNBRと架橋し、最内層3と内層5との接着性が向上するためと考えられる。
次に、各実施例の試験結果について見てみる。
実施例1に係る燃料ホース1は、いずれの指標も優れていた。
実施例2に係る燃料ホース1は、内層5を構成するNBR2がビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有しないため、実施例1に係る燃料ホース1と比較して、接着強度が若干劣っていたが、使用に問題はなかった。
実施例3〜6に係る燃料ホース1は、実施例1に係る燃料ホース1と比較して、継手締結保持力が劣っていたが、使用に問題はなかった。
実施例7〜12に係る燃料ホース1は、最内層3を構成するFKM2がイミダゾール誘導体を含有しないため、実施例1〜6に係る燃料ホース1と比較して、接着強度が劣るものの、使用に問題はなかった。
実施例13,14に係る燃料ホース1は、実施例1〜3に係る燃料ホース1と比較して、接着強度が高かったが、最内層3を構成するFKM3が水酸化カルシウムを含有し、耐BDF性に劣るため、使用には注意を要した。
実施例15〜18に係る燃料ホース1は、実施例13,14に係る燃料ホース1と比較して、接着強度が高かったものの、最内層3を構成するFKM4が水酸化カルシウムをFKM3よりも多く含有するため、耐BDF性が劣り、使用には注意を要した。但し、NBR9の耐軽油性と同等レベルの耐BDF性を有しているため、ホースとして使用できる範囲と考えられる。
続いて、各比較例の試験結果について見てみる。
比較例1〜6に係る燃料ホース1は、内層5を構成するNBR7〜9が水酸カルシウムを含有しないため、最内層3と内層5とが接着しなかった。
比較例7,8に係る燃料ホース1は、継手締結保持力が低く、また、最内層3を構成するFKM5が水酸化カルシウムを含有するため、最内層3と内層5とが接着するものの、その接着強度は30N/2.5cmと低く、さらに、水酸化カルシウムの含有量がフッ素ゴム100重量部に対して3重量部と多いため、耐BDF性に劣っていた。
比較例9に係る燃料ホース1は、内層5を構成するNBRがDBU塩、DBN塩及び有機ホスホニウム塩並びに水酸化カルシウムを含有しないため、最内層3と内層5とが接着しなかった。
比較例10,11に係る燃料ホース1は、継手締結保持力が低く、また、最内層3を構成するFKM6がフッ素ゴム100重量部に対して水酸化カルシウムを6重量部含有しているため、耐BDF性に劣っていた。また、比較例10,11に係る燃料ホース1は、長い加硫時間を必要とするため、製造コストが嵩んだ。
比較例12に係る燃料ホース1は、比較例9に係る燃料ホースと同様に内層5を構成するNBRがDBU塩、DBN塩及び有機ホスホニウム塩並びに水酸化カルシウムを含有しないため、最内層3と内層5とが接着しなかった。
比較例13に係る燃料ホース1は、内層5がエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴムで構成されているので、内層5がNBRで構成されている実施例7に係る燃料ホース1と比較して、接着強度が高いものの、長い加硫時間が必要なため、製造コストが嵩んだ。また、比較的高価なエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴムを使用しているため、材料コストも嵩んだ。
比較例14に係る燃料ホース1は、最内層3がフッ素ゴム100重量部に対して水酸化カルシウムが6重量部配合されたFKM6で構成されており、フッ素ゴム中に水酸化カルシウムが多く含有されていた。その結果、比較例14に係る燃料ホース1は、水酸化カルシウムを含有しないFKM2で最内層3が構成された比較例13に係る燃料ホース1と比較して、耐BDF性に劣るものであった。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、積層ゴムホースをバイオディーゼル燃料用の燃料ホース1として説明したが、これに限定されず、通常の軽油、ディーゼル燃料、ガソリン、アルコールガソリン(バイオエタノールなど)、アルコールといった他の燃料を対象とするホースや、ガソリン蒸気等の直接燃料が通らないエバポホースでもよく、また、その他に、水素、ジメチルエーテルなどの燃料輸送用ホースとしても用いることができる。
また、上記実施形態では、補強層7及び最外層9が形成されているが、これに限定されず、補強層7及び最外層9のいずれか一方が形成されてもよく、または、いずれも形成されていなくてもよい。ただし、燃料ホース1の耐久性向上の観点から、補強層7及び最外層9が形成されているのが好ましい。
さらに、上記実施形態では、補強糸7aがブレード編みされていたが、これに限定されず、例えば、ニッティング編みやスパイラル編み等の他の編み上げ方法で編んでもよい。
さらにまた、本発明に係る積層ゴムホースは、自動車産業に限定されず、産業機械や電気・電子機器類などの幅広い技術分野において使用することが可能である。
以上説明したように、本発明に係る積層ゴムホースは、耐バイオディーゼル燃料油性に優れ、最内層のフッ素ゴム層とそれに隣接するNBR層との接着性が高いホースを提供する用途に適用することができる。
1 燃料ホース(積層ゴムホース)
3 最内層(第1層)
5 内層(第2層)
7 補強層
7a 補強糸
9 カバー層

Claims (7)

  1. 複数のゴム層を径方向に積層してなる積層ゴムホースであって、
    上記ゴム層は、最内層である第1層と、該第1層に隣接してその径方向外側に積層された第2層とを備え、
    上記第1層は、
    (A)ポリオール架橋可能な含フッ素エラストマーと、
    (B)ポリオール架橋剤と、
    (C)水酸化カルシウムと、を含有し、
    上記成分(A)100重量部に対して、上記成分(C)が0重量部又は2重量部以下配合されたフッ素ゴムからなり、
    上記第2層は、
    (D)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と、
    (E)金属水酸化物と、
    (F)1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、DBU塩、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)、DBN塩、及び有機ホスホニウム塩のうち少なくとも1つと、を含有するゴムからなることを特徴とする積層ゴムホース。
  2. 請求項1に記載の積層ゴムホースにおいて、
    上記第2層は、上記成分(D)100重量部に対して、上記成分(E)が0.5重量部以上30重量部以下配合されるとともに、上記成分(F)が0.1重量部以上10重量部以下配合されていることを特徴とする積層ゴムホース。
  3. 請求項1又は2に記載の積層ゴムホースにおいて、
    上記フッ素ゴムは、イミダゾール誘導体をさらに含有することを特徴とする積層ゴムホース。
  4. 請求項3に記載の積層ゴムホースにおいて、
    上記イミダゾール誘導体は、ポリアミンのフェニルリン酸塩であることを特徴とする積層ゴムホース。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層ゴムホースにおいて、
    上記成分(A)は、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である3元系フッ素ゴムであることを特徴とする積層ゴムホース。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の積層ゴムホースにおいて、
    上記成分(E)は、水酸化カルシウムであることを特徴とする積層ゴムホース。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の積層ゴムホースにおいて、
    上記第2層に隣接してその径方向外側には、補強糸が編み上げられた補強層が形成され、
    上記補強層に隣接してその径方向外側には、NBR、水素添加NBR、NBR/ポリ塩化ビニル(PVC)のブレンド、NBR/エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)のブレンド、NBR/エチレンアクリルゴム(AEM)のブレンド、NBR/アクリルゴム(ACM)のブレンド、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、及びACMのうち1種のゴム又は2種以上を組み合わせたブレンドゴムからなるカバー層が形成されていることを特徴とする積層ゴムホース。
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