JP2001072804A - ゴム組成物及び自動車用燃料輸送ホース - Google Patents

ゴム組成物及び自動車用燃料輸送ホース

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JP2001072804A
JP2001072804A JP2000197881A JP2000197881A JP2001072804A JP 2001072804 A JP2001072804 A JP 2001072804A JP 2000197881 A JP2000197881 A JP 2000197881A JP 2000197881 A JP2000197881 A JP 2000197881A JP 2001072804 A JP2001072804 A JP 2001072804A
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rubber composition
hose
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nbr
plasticizer
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JP2000197881A
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Takahiro Nishiyama
高広 西山
Atsuo Miyajima
敦夫 宮島
Shinobu Kanbe
忍 神戸
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NBR・PVCを基材とする簡易かつ安価な
組成のゴム組成物を用いて、厳しい燃料透過規制に適合
すると共に低温性等も良好な自動車用燃料輸送ホースを
構成する。 【解決手段】 NBR中のAN量が43〜50重量%で
あるNBR・PVCにSP値が8.8以上で分子量が5
50以下である可塑剤を比較的少量添加したゴム組成物
と、これを用いて構成された自動車用燃料輸送ホース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム組成物及び自動
車用燃料輸送ホースに関し、更に詳しくは、簡易かつ安
価な構成によって自動車の厳しい燃料透過規制の達成に
大きく貢献できる自動車用燃料輸送ホースと、これに用
いるゴム組成物とに関する。
【0002】
【従来の技術】米国におけるいわゆるSHED規制と同
様の、自動車からの燃料透過性の規制が、国内及び欧州
においても西暦2000年より実施される。そして周知
のように、自動車からの燃料透過性に対する燃料輸送ホ
ースの寄与率は大変高いため、燃料輸送ホースにおける
高度な燃料不透過性が求められている。
【0003】従来、我が国においては、自動車の燃料配
管におけるフィード回路,リターン回路等のいわゆるリ
キッドラインに用いる燃料ホースにおいて、サワー性を
考慮して、その内層に優れた燃料不透過性を示すFKM
(フッ素ゴム)を用いると言う対策が進んでいるが、ガ
ソリン給油口とガソリンタンクを結ぶフィラーネックホ
ースや、いわゆるベーパーラインを構成するブリーザー
ホース,エバポレーションホースにおいては、汎用的な
NBRやNBR・PVC(NBRとPVCのブレンド
材)が用いられている現状である。
【0004】一方、既にSHED規制の実施されている
米国においては、フィラーネックホースやエバポレーシ
ョンホースとして、内層にFKMや、ポリアミド樹脂,
フッ素樹脂等の樹脂材を用い、外層にNBR・PVC,
ECO(エピクロロヒドリンゴム),CSM(クロロス
ルホン化ポリエチレン)等を用いた仕様が実施されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、わが国
における上記フィラーネックホース,ブリーザーホー
ス,エバポレーションホースの仕様では、実施予定の上
記国内規制に適合する燃料不透過性は得られない。又、
これらのゴム材料では一般的に、燃料油に浸漬された場
合に可塑剤や加硫剤及び加硫剤の反応生成物が抽出さ
れ、特に加硫剤やその反応生成物は燃料ポンプ内の金属
製部品の腐食、燃料配管中の各種バルブの詰まり等の不
具合を起こす場合がある。
【0006】又、米国におけるような、内層にFKMや
樹脂材を用いたフィラーネックホースやエバポレーショ
ンホースならば規制をクリアする燃料不透過性を期待で
きるものの、FKMやフッ素樹脂は高価であるし、FK
Mや樹脂材を用いた内層は反応性が乏しいことから外層
材との接着処理に加重的な技術力と加工コストを要し、
更にFKMを用いたホースを蛇腹形状等に加工する際に
は製造方法が複雑になる、等の種々の問題を伴う。
【0007】そこで本発明は、NBR・PVCを基材と
する簡易かつ安価な構成のゴム組成物を用いて、自動車
の厳しい燃料透過規制の達成に貢献できる自動車用燃料
輸送ホースを構成することを、解決すべき課題とする。
本願発明者は、各種NBR・PVCを基材とする種々の
組成のゴム材料について、実際のガソリン(米国エバポ
規制評価用PHASE II ガソリン及び欧州エバポ規制
評価用ガソリン)を用いて評価した処、燃料不透過性に
おいてFKMに対抗可能で、かつ低温性や加工性等の面
でも実用的な性質を示し、かつ、加硫剤やその反応生成
物の燃料油への抽出量も低減可能な組成領域があること
を新たに発見し、本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム)とPVC(ポリ塩化ビニル)とのブレンド材を
基材とし、自動車用燃料輸送ホースに用いるゴム組成物
であって、前記NBR中のAN量(結合アクリロニトリ
ル含有量)が43〜50重量%であり、かつ、前記ゴム
組成物には、SP(溶解度パラメーター)値が8.8以
上であって分子量が550以下の可塑剤が添加されてい
る、ゴム組成物である。
【0009】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
第1発明に係る可塑剤の添加量がゴム組成物のポリマー
成分100重量部に対して15〜35重量部である、ゴ
ム組成物である。
【0010】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
第1発明又は第2発明に係るゴム組成物が、以下の
(1)〜(5)のいずれか一以上に該当する、ゴム組成
物である。 (1)前記AN量が45〜48重量%である。 (2)可塑剤の前記SP値が9.0以上である。 (3)可塑剤の前記分子量が450以下である。 (4)前記可塑剤の添加量が前記ゴム組成物のポリマー
成分100重量部に対して20〜30重量部である。 (5)前記ブレンド材中のPVCのブレンド量が25〜
40重量%である。
【0011】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
第1発明〜第3発明のいずれかに係るゴム組成物の単一
層からなる、自動車用燃料輸送ホースである。
【0012】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
ブレンド材におけるPVCのブレンド量が25重量%以
上である前記第1発明〜第3発明に係るゴム組成物を用
いた内層と、その外側に補強糸層を介して又は介さずに
設けられた単数又は複数の外層とからなる、自動車用燃
料輸送ホースである。
【0013】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
第4発明又は第5発明に係る自動車用燃料輸送ホース
が、フィラーネックホース,ブリーザーホース又はエバ
ポレーションホースである、自動車用燃料輸送ホースで
ある。
【0014】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)従来、
NBR・PVCにおけるNBR中のAN量を36〜42
重量%程度の高い領域に調整すると、その耐燃料性(即
ち、耐燃料膨潤性)を向上させることができる、との指
摘がなされることはあった。しかし、評価用のPHAS
EIIガソリンや欧州エバポ規制評価用ガソリンを用いた
本願発明者の研究によれば、かかるAN量高領域のNB
R・PVCは、明らかに燃料不透過性が不十分である。
【0015】一方、同じ研究の過程で、NBR中のAN
量を更に43〜50重量%程度の極めて高い領域に設定
すると、FKMに匹敵する優れた燃料不透過性が得られ
ることが分かった。
【0016】但し、このようにAN量を極めて高く設定
すると、燃料ホースとして必要な低温性(−30°C程
度にも達する極寒地での使用時におけるホースの柔軟
性)の悪化が懸念される。そして一般的に、ゴム材料の
低温性改善対策としては可塑剤の添加量を増量すること
が考えられるが、これによって逆に燃料不透過性の阻害
を来すと言う矛盾が起こる。
【0017】しかしながら本願発明者は、NBR・PV
Cに対して、SP値が8.8以上であって分子量が55
0以下の可塑剤を添加することにより、次の,の理
由から、上記の矛盾についても解決可能であることを解
明した。
【0018】即ち、分子量が550以下の可塑剤は、
低温時粘性が低く、NBR・PVCを基材とするゴム組
成物の低温性を顕著に改善する。又、SP値が8.8以
上である可塑剤は、上記AN量のNBRを含むNBR・
PVC基材に対しても良好に相溶すると共に、ゴム組成
物の燃料不透過性を余り阻害しない。
【0019】従って、SP値が8.8以上であって分
子量が550以下の可塑剤を添加する場合、比較的少量
の添加によってゴム組成物の有効な低温性改善を期待で
き、かつ少量添加により優れた燃料不透過性を有するこ
とができる。
【0020】なお、NBR中のAN量が43重量%未満
であると上記のようにゴム組成物の燃料不透過性が不十
分となるが、AN量が50重量%を超えると、可塑剤の
添加によって対策し難い程に低温性が悪化する。又、可
塑剤のSP値が8.8未満であると、NBR・PVC基
材に対する相溶性の不足からブリードしてしまい、ゴム
組成物の低温性向上を望み難い。更に、可塑剤の分子量
が550を超えると、低温時粘性の増加の点から、ゴム
組成物の低温性向上を望み難い。
【0021】以上の点に加え、第1発明のゴム組成物
は、燃料油に浸漬された場合における加硫剤やその反応
生成物の抽出量が少ないので、これらの抽出物に起因す
る燃料ポンプ内の金属製部品の腐食、燃料配管中の各種
バルブの詰まり等の不具合を起こし難い。
【0022】(第2発明の作用・効果)第1発明におけ
る上記可塑剤の添加量は、ゴム組成物のポリマー成分
(NBR・PVC基材)100重量部に対して15〜3
5重量部と言う、比較的低充填のレベルに設定すること
が、特に好ましい。可塑剤の添加量が上記の範囲を超え
ると、極高AN量のNBR・PVCによって期待できる
筈の優れた燃料不透過性を維持できなくなり、可塑剤の
添加量が上記の範囲を下回ると、可塑剤の添加効果自体
が不十分となる。
【0023】(第3発明の作用・効果)第3発明のよう
に、(1)NBR・PVCにおけるNBR中のAN量が
45〜48重量%であるとき、(2)可塑剤のSP値が
9.0以上であるとき、(3)可塑剤の分子量が450
以下であるとき、及び、(4)可塑剤の添加量が20〜
30phr(parts per hundred parts of rubber )で
あるとき、上記した第1発明又は第2発明の作用・効果
を特に良好に実現することができる。
【0024】又、第1発明及び第2発明のゴム組成物は
耐オゾン性を考慮したNBR・PVCブレンド材である
が、第3発明のように、(5)該ブレンド材中のPVC
のブレンド量を25重量%以上とすることにより、充分
な耐オゾン性を確保できると共に、そのブレンド量を4
0重量%以下とすることにより、良好な加工性等を維持
することができる。
【0025】(第4発明〜第6発明の作用・効果)第1
発明〜第3発明のいずれかに係るゴム組成物を用いて単
層からなる自動車用燃料輸送ホースを構成し、又はこの
ゴム組成物層を内層とする複層構造の自動車用燃料輸送
ホースを構成することにより、簡易かつ安価な構成によ
って自動車の厳しい燃料透過規制の達成に貢献できると
共に低温性や加工性等の実用面でも優れた自動車用燃料
輸送ホースを提供することができる。
【0026】又、これらの自動車用燃料輸送ホースを、
フィラーネックホース,ブリーザーホース又はエバポレ
ーションホースに、特に好ましく適用することができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第6発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第6発明を一括して指してい
る。
【0028】〔ゴム組成物〕第1発明〜第3発明に係る
ゴム組成物は、NBR・PVCを基材とし、自動車用燃
料輸送ホースに用いられるものである。ゴム組成物に
は、少なくとも下記の可塑剤が添加される。又、実際に
は補強用CBも充填され、必要に応じて公知の各種加硫
剤,加硫促進剤,老化防止剤等も添加される。
【0029】上記CBの充填量は限定されないが、自動
車用燃料輸送ホースと言うゴム組成物の用途との関係で
は、可塑剤の添加量とCBの充填量とのバランスによっ
て、ゴム組成物の硬度(JIS K6253)が55〜
75度の範囲となるように調整することが好ましい。加
硫剤は、一般的にNBR・PVCに用いられるものを使
用できるが、特に低硫黄の硫黄系促進剤加硫系が好まし
い。
【0030】シリカ,炭酸カルシウム等の白色充填剤
は、ゴム組成物の燃料不透過性を悪化させる恐れがあ
り、かつタルク,マイカ等の板状結晶の白色充填剤にお
いては燃料不透過性には効果が見られるもののゴム組成
物の低温性を著しく阻害する恐れがあるため、添加しな
いか、又は添加するとしても10phrまで、とするこ
とが好ましい。
【0031】〔NBR・PVC〕ゴム組成物の基材であ
るNBR・PVCについては、そのNBRとしてAN量
が43〜50重量%(特に好ましくは45〜48重量
%)のものを用いる、と言う点以外には特段の限定がな
く、この種の用途に用いられる任意の種類のNBRとP
VCをブレンドすれば良い。
【0032】NBR・PVC中のPVCの配合量は限定
されないが、一般的な耐オゾン性を考慮して、ブレンド
材中の25〜40重量%とすることが好ましい。PVC
の配合量が25重量%未満であると耐オゾン性が不足す
る恐れがあり、PVCの配合量が40重量%を超えると
加工性等の面で問題を生じ得る。
【0033】〔可塑剤〕NBR・PVCのブレンド材に
は、可塑剤が15〜35phr、より好ましくは20〜
30phr配合される。かかる可塑剤としては、SP値
が8.8以上、より好ましくは9.0以上であり、分子
量が550以下、より好ましくは450以下であること
が求められる。本発明に好適に用いられる可塑剤とし
て、例えば旭電化工業社製の商品名「アデカサイザーR
S−107」や、「アデカサイザーRS−540」等の
エ−テル−エステル系可塑剤を挙げることができるが、
上記の条件に該当する限りにおいて、これらに限定され
ない。
【0034】〔自動車用燃料輸送ホース〕本発明の自動
車用燃料輸送ホースは、第1発明〜第3発明に係るゴム
組成物を用いて、例えば図1(a)に示すような単一層
からなるホース1として、又は、図1(b)〜図1
(d)に示すように、該ゴム組成物を用いた内層1a
と、その外側に補強糸層2を介して又は介さずに設けら
れた外層3(図示の外層3はいずれも単一層であるが、
複層構造を備えていても良い。)とからなる複層構造の
ホースとして、構成することができる。図1(b)の外
層3は内層1aと同じゴム組成物からなり、図1(c)
及び図1(d)の外層3は、CSM,ECO等の耐候性
ゴム材料からなる。
【0035】なお、上記図1(b)〜図1(d)に示す
複層構造の自動車用燃料輸送ホースにおいては、内層1
aの構成材料として、PVCのブレンド量が25重量%
以上であるNBR・PVCブレンド材が使用されてい
る。
【0036】上記各種のホースを構成する際において、
ゴム組成物の加硫条件及びホースの製造条件は、通常の
NBR・PVCに用いられる条件で対応することがで
き、押出し成形法のみならず、インジェクション成形法
等も採用することができる。
【0037】自動車用燃料輸送ホースは、自動車の燃料
配管である限りにおいて用途の限定なく使用することが
できるが、とりわけフィラーネックホース,ブリーザー
ホース又はエバポレーションホースとして好適に用いら
れる。
【0038】
〔基本配合〕
ポリマー 100重量部 酸化亜鉛 5重量部 ステアリン酸 1重量部 老化防止剤 2重量部 カーボンブラック 変量 可塑剤 変量 硫黄 0.5重量部 チウラム系加硫促進剤 1.5重量部 スルフェンアミド系加硫促進剤 1.5重量部。
【0039】上記の基本配合において、「ポリマー」と
は、NBR・PVCを指している。これらのNBR・P
VCは、各例の該当欄に示すように、各例において、P
VCのブレンド量と、NBR中のAN量とが異なるNB
R・PVCを用いている。
【0040】一方、末尾の表2に示した比較例1におい
ては、下記のFKM配合に従って未加硫ゴム組成物の配
合処方を設定した。下記のFKM配合において、「ポリ
マー」とは、フッ素含量が69%の3元系FKMである
住友3M社製の商品名「Fluorel FE 573
1Q」を指している。 〔FKM配合〕 ポリマー 100重量部 酸化マグネシウム 3重量部 水酸化カルシウム 6重量部 カーボンブラック 変量 次に「可塑剤」としては、実施例1〜5,7,8,比較
例3〜7,10〜17ではSP値が9.2であり分子量
が434である旭電化工業社製の商品名「アデカサイザ
ーRS107」を、実施例6ではSP値が8.9であり
分子量が550である旭電化工業社製の商品名「アデカ
サイザーRS700」を、比較例2ではSP値が9.0
であり分子量が391であるDOPを、比較例8ではS
P値が8.5であり分子量が371であるDOAを、比
較例9ではSP値が9.2であり分子量が850である
旭電化工業社製の商品名「アデカサイザーRS735」
を、それぞれ表に示すphr単位で用いている。
【0041】次に「カーボンブラック」としては、表中
のカーボン種の表記に従い、「HAF」としては昭和キ
ャボット社製の商品名「ショウブラックN330」を、
「FEF」としては東海カーボン社製の商品名「シース
トSO」を、「SRF」としては東海カーボン社製の商
品名「シーストS」を、それぞれ表に示すphr単位で
用いている。
【0042】更に、実施例1〜実施例8、及び比較例1
〜比較例11には白色充填剤を添加していないが、比較
例12〜比較例17には、表4の「白色充填剤種」の欄
に表記した種類の白色充填剤を「白色充填剤添加量」の
欄に表記したphr単位で添加している。これらの白色
充填剤は、具体的には、「シリカ」としては日本シリカ
工業社製の商品名「ニプシールER」を、「炭酸カルシ
ウム」としては白石カルシウム社製の商品名「白艶華C
C」を、マイカとしてはレプコ社製の商品名「レプコマ
イカM−200」を、「タルク1」としては日本タルク
社製の商品名「ミクロエースK−1」を、「タルク2」
としては Sierra Talc社製の商品名「ミストロンベーパ
ー」を、それぞれ用いた。
【0043】又、老化防止剤としては、精工化学社製の
商品名「オゾノン3C」,「ノンフレックスRD」等を
用いた。
【0044】(評価用試験片の調製)比較例1を除く上
記各例に係る未加硫のNBR・PVCを、各例に係る配
合処方に従ってバンバリーミキサー及びオープンロール
によって混練りし、混練りした各例に係る未加硫状態の
ゴム組成物を150°C、30分間のプレス加硫にて2
mmの厚みでシート状に成形して、各例に係るシート状
の評価用試験片を調製した。
【0045】又、比較例1については、未加硫のFKM
を比較例1に係る配合処方に従ってオープンロールによ
って混練りし、混練りした未加硫状態のゴム組成物を1
60°C、45分間のプレス加硫にて2mmの厚みでシ
ート状に成形して、シート状の評価用試験片を調製し
た。 (初期物性の評価)各例に係る評価用試験片を用い、J
IS K 6251及び6253に準じて、初期物性と
して、引張り強さ(MPa),伸び(%)及び硬さを評
価した。その結果を表1〜表4に示す。これらの初期物
性については、引張り強さが10.0MPa以上、伸び
が300%以上、硬さが55〜75であることが好まし
い、と考えられる。
【0046】(ガソリン透過性の評価−PHASE I
I)各例に係る評価用試験片を用い、CUP法によりガ
ソリン透過性を評価した。具体的な方法を図2によって
説明すると、外周に雄ネジ4を備えたカップ5を、その
開口部を上向きにして(図示とは上下逆向きにして)お
いて、内部に100mLの評価用PHASE II ガソリ
ン6を注入したもとで、前記開口部に評価用試験片7を
被せ、この評価用試験片7の端縁部に沿って試験片保護
用の金属リング8を重ねたもとで、更にその上に試験片
支持用のメッシュ金網9を重ねる。
【0047】次いで内周に雌ネジ10を備えた締付け用
キャップ11を前記カップ5の開口部に螺合して、その
段部12によりメッシュ金網9、金属リング8及び評価
用試験片7をカップ5の開口端部に強く押付け、開口部
を完全に封鎖する。この状態で、図2のように全体を倒
立させて静置するのである。
【0048】評価に当たり、まず前処理として、上記の
方法により評価用試験片を40°Cで7日間ガソリンに
浸漬(片面浸漬)した。次に、一旦ガソリンを入替え
て、入替え直後の評価治具の全体重量W0(mg)を測
定した後、再度評価用試験片を40°Cで3日間のガソ
リンに浸漬に供して、当該3日経過後の評価治具の全体
重量W1(mg)を測定した。こうして得られた全体重
量測定値W0,W1から、次の式1により透過係数(m
g・mm/cm/day)を算出した。式1中、tは
評価用試験片の厚さ(mm)であり、Aはガソリンに対
する評価用試験片の接触面積(cm)即ちガソリン透
過面の面積である。
【0049】 透過係数=〔(W0 −W1 )×t/3A〕・・・式1 算出された各例の透過係数を表1〜表4に示すが、透過
係数は10以下であることが好ましい、と考えられる。
【0050】(ガソリン透過性の評価−欧州評価用ガソ
リン)上記と同様にして、欧州評価用ガソリンを用いて
ガソリン透過性の評価を行った。各例の透過係数を表1
〜表4に示すが、透過係数は30以下であることが好ま
しい、と考えられる。なお、末尾の表5にPHASE I
I ガソリンと欧州評価用ガソリンとの内容を示す。
【0051】(低温性の評価)JIS K 6261記
載の低温衝撃脆化試験にて低温脆化温度(°C)を測定
し、その結果を表1〜表4に示した。低温脆化温度は−
20°C以下であることが好ましい、と考えられる。
【0052】(耐オゾン性,ブリード,加工性の評価
各例に係る評価用試験片について、耐オゾン性,ブリー
ドの有無(加硫後、常温にて1週間放置した後のシート
表面の状態を観察)及び加工性(加工性の問題がないか
否かをバンバリー,ロール加工性、ホース押出し性によ
って判定)を判定し、その結果を表1〜表4に示した。
耐オゾン性については、JIS K 6259に準じ
て、かつ、試験片をFuel Cに40°Cで48時間浸漬
した後、40°Cで48時間真空乾燥したものを、40
%伸長させた状態で40°Cにおいて50pphmのオ
ゾンを含む空気に168時間晒し、クラック発生の有無
により判定した。
【0053】(燃料油抽出量の評価)各実施例及び比較
例1〜3に係る評価用試験片について、その20gを2
mm角に裁断し、Fuel B(JIS K6258)20
0mLに40°Cで168時間浸漬した後、浸漬液(抽
出液)を10mLまで濃縮させ、遠心管に移して遠心分
離した。そして上澄み液を除去し、沈殿物を蒸発乾固さ
せて重量を測定し、上記サンプル重量20gに対する割
合(wt%)を計算した。その結果を該当する表に示し
たが、0.2wt%以下であることが好ましい、と考え
られる。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用燃料輸送ホースの実施形態例を示す断
面図である。
【図2】ガソリン透過性の評価方法を示す図である。
【符号の説明】 1 ホース 1a 内層 2 補強糸層 3 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 11/04 F16L 11/04 11/08 11/08 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NBR(アクリロニトリル−ブタジエン
    ゴム)とPVC(ポリ塩化ビニル)とのブレンド材を基
    材とし、自動車用燃料輸送ホースに用いるゴム組成物で
    あって、 前記NBR中のAN量(結合アクリロニトリル含有量)
    が43〜50重量%であり、かつ、前記ゴム組成物に
    は、SP(溶解度パラメーター)値が8.8以上であっ
    て分子量が550以下の可塑剤が添加されていることを
    特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記可塑剤の添加量が前記ゴム組成物の
    ポリマー成分100重量部に対して15〜35重量部で
    あることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記ゴム組成物が、以下の(1)〜
    (5)のいずれか一以上に該当することを特徴とする請
    求項1又は請求項2のいずれかに記載のゴム組成物。 (1)前記AN量が45〜48重量%である。 (2)可塑剤の前記SP値が9.0以上である。 (3)可塑剤の前記分子量が450以下である。 (4)前記可塑剤の添加量が前記ゴム組成物のポリマー
    成分100重量部に対して20〜30重量部である。 (5)前記ブレンド材中のPVCのブレンド量が25〜
    40重量%である。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    ゴム組成物の単一層からなることを特徴とする自動車用
    燃料輸送ホース。
  5. 【請求項5】 前記ブレンド材におけるPVCのブレン
    ド量が25重量%以上である請求項1〜請求項3のいず
    れかに記載のゴム組成物を用いた内層と、その外側に補
    強糸層を介して又は介さずに設けられた単数又は複数の
    外層とからなることを特徴とする自動車用燃料輸送ホー
    ス。
  6. 【請求項6】 前記自動車用燃料輸送ホースが、フィラ
    ーネックホース,ブリーザーホース又はエバポレーショ
    ンホースであることを特徴とする請求項4又は請求項5
    のいずれかに記載の自動車用燃料輸送ホース。
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