JP2001069933A - フライ食品用バッター - Google Patents
フライ食品用バッターInfo
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- JP2001069933A JP2001069933A JP24529899A JP24529899A JP2001069933A JP 2001069933 A JP2001069933 A JP 2001069933A JP 24529899 A JP24529899 A JP 24529899A JP 24529899 A JP24529899 A JP 24529899A JP 2001069933 A JP2001069933 A JP 2001069933A
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- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 冷蔵乃至冷凍して流通されたフライ食品(フ
ライ済み食品)を電子レンジで調理したときに衣のべた
つきがなく、クリスピー感のあるフライ食品を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 ツェイン及び固形脂よりなるバッター、
該バッターで中種をコーティングする電子レンジ調理用
フライ食品の製造法及びそのようなフライ食品である。
このようにすると、冷蔵あるいは冷凍保存後、電子レン
ジで調理したとき前記食感のフライ製品を得ることがで
きる。
ライ済み食品)を電子レンジで調理したときに衣のべた
つきがなく、クリスピー感のあるフライ食品を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 ツェイン及び固形脂よりなるバッター、
該バッターで中種をコーティングする電子レンジ調理用
フライ食品の製造法及びそのようなフライ食品である。
このようにすると、冷蔵あるいは冷凍保存後、電子レン
ジで調理したとき前記食感のフライ製品を得ることがで
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフライ食品
用バッターに関する。さらに、本発明は、このバッター
で中種にコーティングを施す、冷蔵乃至冷凍して流通さ
れる電子レンジ調理用フライ食品の製造法、及びこのよ
うにして得られたフライ食品に関する。本発明のバッタ
ーを用いると、フライ食品を電子レンジで調理したとき
に、衣のべたつきを防止し、クリスピー感のあるフライ
食品を得ることができる。
用バッターに関する。さらに、本発明は、このバッター
で中種にコーティングを施す、冷蔵乃至冷凍して流通さ
れる電子レンジ調理用フライ食品の製造法、及びこのよ
うにして得られたフライ食品に関する。本発明のバッタ
ーを用いると、フライ食品を電子レンジで調理したとき
に、衣のべたつきを防止し、クリスピー感のあるフライ
食品を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】従来の市販のフライ食品のなかには、工
場でフライ食品を製造し、冷蔵乃至冷凍して流通され、
これを消費者が購入し、電子レンジで加熱調理(電子レ
ンジ調理)する形態のものが数多くみられる。このよう
なフライ食品には、電子レンジ対応をうたっているもの
が多い。しかし、このなかには、実際に電子レンジで調
理したときにフライ食品の衣がべたつき、クリスピーな
食感を損なうものがあった。特に、フライ食品が冷蔵乃
至冷凍されて流通されているものではこの傾向が顕著で
あった。
場でフライ食品を製造し、冷蔵乃至冷凍して流通され、
これを消費者が購入し、電子レンジで加熱調理(電子レ
ンジ調理)する形態のものが数多くみられる。このよう
なフライ食品には、電子レンジ対応をうたっているもの
が多い。しかし、このなかには、実際に電子レンジで調
理したときにフライ食品の衣がべたつき、クリスピーな
食感を損なうものがあった。特に、フライ食品が冷蔵乃
至冷凍されて流通されているものではこの傾向が顕著で
あった。
【0003】フライ食品は、通常、薄力粉、全卵、加工
澱粉等を冷水に溶いたバッターで中種を覆い、それにパ
ン粉をつけ、フライにして製造されている。しかし、こ
のようにして製造されたフライ食品は、冷蔵乃至冷蔵し
て流通されると、中種の水分が外部に移行し、衣にべた
つき感を生じ、クリスピー感がなくなるものと考えられ
ている。従来、フライ食品のこのような食感が損なわれ
ることを避けるために、種々の試みがなされている。例
えば、特開平7-327610号公報にはツェインを主成分とす
る被覆層を設けることが、特開平 10-276700号公報には
ツェインを含む衣液を用いることが開示されている。し
かし、これらは、冷蔵乃至冷凍したフライ食品を電子レ
ンジで再加熱したときに、食品が本来有する食感を満足
できる程度に再現することは困難であった。このこと
は、食品を長期に亘って冷蔵乃至冷凍保存するほど困難
性が増大した。
澱粉等を冷水に溶いたバッターで中種を覆い、それにパ
ン粉をつけ、フライにして製造されている。しかし、こ
のようにして製造されたフライ食品は、冷蔵乃至冷蔵し
て流通されると、中種の水分が外部に移行し、衣にべた
つき感を生じ、クリスピー感がなくなるものと考えられ
ている。従来、フライ食品のこのような食感が損なわれ
ることを避けるために、種々の試みがなされている。例
えば、特開平7-327610号公報にはツェインを主成分とす
る被覆層を設けることが、特開平 10-276700号公報には
ツェインを含む衣液を用いることが開示されている。し
かし、これらは、冷蔵乃至冷凍したフライ食品を電子レ
ンジで再加熱したときに、食品が本来有する食感を満足
できる程度に再現することは困難であった。このこと
は、食品を長期に亘って冷蔵乃至冷凍保存するほど困難
性が増大した。
【0004】また、特開平9-206015号公報には融点30℃
以上の油脂含有物を粒状及び/又はフレーク状で含有す
るバッターが、特開平 9-94074号公報には固体脂含有量
が10℃で15〜35%、15℃で0〜10%であるバッター用油
脂が、また、特開平10-271951号公報にはこのバッター
用油脂にグリセリン脂肪酸モノエステルなどを配合した
バッター用油脂がそれぞれ記載されている。しかし、こ
れらは、衣液中に油脂を一部添加する方法であり、製品
を長期に亘って冷蔵乃至冷凍保存し、再加熱して食品の
本来有する食感を再現しようとすることを目的としてな
されたものではなかった。
以上の油脂含有物を粒状及び/又はフレーク状で含有す
るバッターが、特開平 9-94074号公報には固体脂含有量
が10℃で15〜35%、15℃で0〜10%であるバッター用油
脂が、また、特開平10-271951号公報にはこのバッター
用油脂にグリセリン脂肪酸モノエステルなどを配合した
バッター用油脂がそれぞれ記載されている。しかし、こ
れらは、衣液中に油脂を一部添加する方法であり、製品
を長期に亘って冷蔵乃至冷凍保存し、再加熱して食品の
本来有する食感を再現しようとすることを目的としてな
されたものではなかった。
【0005】従って、これらの調理済みフライ食品で
は、冷蔵乃至冷凍保存中に中種からの水分の移行を防
ぎ、衣のべたつき感を解消することは必ずしも充分とは
いえず、電子レンジで調理したとき、フライ食品が本来
有している好ましい食感、風味を満足できる程度に再現
するには至っていない。特に、この傾向は、冷蔵乃至冷
凍して流通したフライ食品を電子レンジで調理したとき
に著しいものがあった。
は、冷蔵乃至冷凍保存中に中種からの水分の移行を防
ぎ、衣のべたつき感を解消することは必ずしも充分とは
いえず、電子レンジで調理したとき、フライ食品が本来
有している好ましい食感、風味を満足できる程度に再現
するには至っていない。特に、この傾向は、冷蔵乃至冷
凍して流通したフライ食品を電子レンジで調理したとき
に著しいものがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フライ食品
を冷蔵乃至冷凍流通したときに生ずるこのような欠点を
防止することを目的としてなされたものである。具体的
には、このようなフライ食品を電子レンジで調理したと
きに衣のべたつきがなく、クリスピー感のあるフライ食
品を得るためのバッターを提供することを目的としてな
されたものである。さらに、このバッターを用いて冷蔵
乃至冷凍されて流通保存され、電子レンジで加熱調理さ
れても衣のべたつきがなく、クリスピー感のあるフライ
食品の製造法及びこのようなフライ食品を提供すること
を目的としてなされたものである。
を冷蔵乃至冷凍流通したときに生ずるこのような欠点を
防止することを目的としてなされたものである。具体的
には、このようなフライ食品を電子レンジで調理したと
きに衣のべたつきがなく、クリスピー感のあるフライ食
品を得るためのバッターを提供することを目的としてな
されたものである。さらに、このバッターを用いて冷蔵
乃至冷凍されて流通保存され、電子レンジで加熱調理さ
れても衣のべたつきがなく、クリスピー感のあるフライ
食品の製造法及びこのようなフライ食品を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、冷蔵乃至
冷凍して流通され、電子レンジで加熱調理されるフライ
食品(フライ済み食品)について、電子レンジ加熱調理
時の衣のべたつきがなく、クリスピー感のあるフライ食
品を得るため、鋭意研究を重ねた結果、ツェイン及び固
形脂を含有するバッターを作り、このバッターにより中
種をコーティングして中種にこのバッターの層を作って
常法に従ってパン粉をまぶしてフライにすると、このフ
ライ食品を冷蔵乃至冷凍して流通保存し、これを電子レ
ンジで加熱調理してもクリスピー感のあるフライ食品を
得ることができることを見出して本発明をなすに至っ
た。この際、特にバッターによるコーティングを2段階
に分けて行ない、まず、ツェイン及び固形脂からなるバ
ッターでコーティングし、その後、通常のバッターでコ
ーティングするとこの効果が特に著しいことを見出し
た。
冷凍して流通され、電子レンジで加熱調理されるフライ
食品(フライ済み食品)について、電子レンジ加熱調理
時の衣のべたつきがなく、クリスピー感のあるフライ食
品を得るため、鋭意研究を重ねた結果、ツェイン及び固
形脂を含有するバッターを作り、このバッターにより中
種をコーティングして中種にこのバッターの層を作って
常法に従ってパン粉をまぶしてフライにすると、このフ
ライ食品を冷蔵乃至冷凍して流通保存し、これを電子レ
ンジで加熱調理してもクリスピー感のあるフライ食品を
得ることができることを見出して本発明をなすに至っ
た。この際、特にバッターによるコーティングを2段階
に分けて行ない、まず、ツェイン及び固形脂からなるバ
ッターでコーティングし、その後、通常のバッターでコ
ーティングするとこの効果が特に著しいことを見出し
た。
【0008】すなわち、本発明は、ツェイン及び固形脂
よりなるフライ食品用バッターに関する。このさい、ツ
ェインと固形脂とを均質に混和するために、ツェインを
含水エタノール溶液に溶解し、これを加熱溶融した固形
脂に加えて均質に分散させるとツェインと固形脂とを均
質に分散させることができる。この場合、乳化剤、特に
脂肪酸モノグリセリドを用いると加熱溶融した固形脂中
でツェインの沈液を防止し、均質なバッターを得ること
ができる。また、本発明は、これらのバッターを用いて
中種をコーティングしてパン粉を付け油で揚げることよ
りなる、冷蔵乃至冷凍して流通される電子調理用フライ
食品の製造法に関する。本発明では、中種を前記バッタ
ーで一次コーティングし、さらにそれに微粉末パン粉を
付け、その上に通常のバッターで二次コーティングしパ
ン粉を付けて油で揚げてもよい。
よりなるフライ食品用バッターに関する。このさい、ツ
ェインと固形脂とを均質に混和するために、ツェインを
含水エタノール溶液に溶解し、これを加熱溶融した固形
脂に加えて均質に分散させるとツェインと固形脂とを均
質に分散させることができる。この場合、乳化剤、特に
脂肪酸モノグリセリドを用いると加熱溶融した固形脂中
でツェインの沈液を防止し、均質なバッターを得ること
ができる。また、本発明は、これらのバッターを用いて
中種をコーティングしてパン粉を付け油で揚げることよ
りなる、冷蔵乃至冷凍して流通される電子調理用フライ
食品の製造法に関する。本発明では、中種を前記バッタ
ーで一次コーティングし、さらにそれに微粉末パン粉を
付け、その上に通常のバッターで二次コーティングしパ
ン粉を付けて油で揚げてもよい。
【0009】さらに本発明は、これらのバッターで中種
がコーティングされている、冷蔵乃至冷凍して流通され
る電子レンジ調理用フライ食品に関する。本発明は、電
子レンジで加熱調理する全てのフライ食品 (フライ済み
食品) に適用できる。特にパン粉を主成分とする衣を有
するフライ食品に好適であり、このようなフライ食品と
しては、豚かつ、メンチかつ、チキンかつ、コロッケ、
エビフライ等を例示することができる。
がコーティングされている、冷蔵乃至冷凍して流通され
る電子レンジ調理用フライ食品に関する。本発明は、電
子レンジで加熱調理する全てのフライ食品 (フライ済み
食品) に適用できる。特にパン粉を主成分とする衣を有
するフライ食品に好適であり、このようなフライ食品と
しては、豚かつ、メンチかつ、チキンかつ、コロッケ、
エビフライ等を例示することができる。
【0010】本発明のフライ食品用バッター(以下、単
にバッターということもある)に用いるツェインは、疎
水性の蛋白質を多く含むトウモロコシ蛋白質である。ま
た、固形脂は、常温で固形の全ての食用油脂を使用する
ことができる。なかでも、バター、マーガリン、ショー
トニング、牛脂、ラードなどが好ましく使用できる。こ
のツェインと前記固形脂を必須成分として含有する本発
明のバッターで、フライ食品の中種をコーティングし、
衣をつけて油揚げしてフライ食品を製造すると、冷蔵乃
至冷凍して流通された後に電子レンジで調理しても、良
好なクリスピー感が失われず、心地良いさくさく感を保
持される。これは、疎水性タンパク質を多く含むツェイ
ンで中種を覆う皮膜を作り、中種から衣への水分移行が
防止され、さらに、固形油脂の同様な皮膜を作ること
で、相乗的な効果を得ることができたためである。さら
に、本発明は、比較的安価なラードなどの固形油脂を併
用することによって、高価なツェイン使用量を低減する
ことができるものであるので、フライ食品の製造コスト
を下げることができる。このような効果を有するバッタ
ーは、固形脂とツェインが固形脂70〜99重量%、ツェイ
ン 0.1〜10重量%程度の成分割合で含有することが好ま
しい。さらに、高価なツェインを多く配合してもそれに
見合う効果が得られなくなることから、効率的及び経済
的な面から上記ツェインの配合割合は、0.1 〜3%程度
がより好ましい。
にバッターということもある)に用いるツェインは、疎
水性の蛋白質を多く含むトウモロコシ蛋白質である。ま
た、固形脂は、常温で固形の全ての食用油脂を使用する
ことができる。なかでも、バター、マーガリン、ショー
トニング、牛脂、ラードなどが好ましく使用できる。こ
のツェインと前記固形脂を必須成分として含有する本発
明のバッターで、フライ食品の中種をコーティングし、
衣をつけて油揚げしてフライ食品を製造すると、冷蔵乃
至冷凍して流通された後に電子レンジで調理しても、良
好なクリスピー感が失われず、心地良いさくさく感を保
持される。これは、疎水性タンパク質を多く含むツェイ
ンで中種を覆う皮膜を作り、中種から衣への水分移行が
防止され、さらに、固形油脂の同様な皮膜を作ること
で、相乗的な効果を得ることができたためである。さら
に、本発明は、比較的安価なラードなどの固形油脂を併
用することによって、高価なツェイン使用量を低減する
ことができるものであるので、フライ食品の製造コスト
を下げることができる。このような効果を有するバッタ
ーは、固形脂とツェインが固形脂70〜99重量%、ツェイ
ン 0.1〜10重量%程度の成分割合で含有することが好ま
しい。さらに、高価なツェインを多く配合してもそれに
見合う効果が得られなくなることから、効率的及び経済
的な面から上記ツェインの配合割合は、0.1 〜3%程度
がより好ましい。
【0011】本発明では、ツェインと固形脂とからなる
バッターで中種をコーティングする。このさい、ツェイ
ンと固形脂とからなる1次バッターで中種をコーティン
グし、次いで、小麦粉、全卵、加工澱粉等の通常のバッ
ター成分を冷水に溶解して作成した2次バッターでコー
ティングしてもよく、また、前記1次バッターのみを用
いて中種をコーティングしたり、あるいは1次バッター
と2次バッターとを混合して乳化させたバッターを作
り、これを用いてもよい。しかし、前記の1次バッター
と2次バッターとを作成し、中種をこれらのバッターで
順次コーティングすることが望ましい。このようにする
と融点の高い固形脂を用いることで、バッターは冷蔵乃
至冷凍保存期間中固形のままで中種をコーティングし、
中種から衣への水分移行を防止することができる。さら
に微粉パン粉、2次バッター、パン粉で中種をコーティ
ングすることにより、層状の構造にすることによってよ
りクリスピー感を付与する効果がある。
バッターで中種をコーティングする。このさい、ツェイ
ンと固形脂とからなる1次バッターで中種をコーティン
グし、次いで、小麦粉、全卵、加工澱粉等の通常のバッ
ター成分を冷水に溶解して作成した2次バッターでコー
ティングしてもよく、また、前記1次バッターのみを用
いて中種をコーティングしたり、あるいは1次バッター
と2次バッターとを混合して乳化させたバッターを作
り、これを用いてもよい。しかし、前記の1次バッター
と2次バッターとを作成し、中種をこれらのバッターで
順次コーティングすることが望ましい。このようにする
と融点の高い固形脂を用いることで、バッターは冷蔵乃
至冷凍保存期間中固形のままで中種をコーティングし、
中種から衣への水分移行を防止することができる。さら
に微粉パン粉、2次バッター、パン粉で中種をコーティ
ングすることにより、層状の構造にすることによってよ
りクリスピー感を付与する効果がある。
【0012】本発明におけるツェインと固形脂とよりな
るバッターは、加熱溶融した固形脂に、ツェインを20%
含有するアルコール水溶液を1〜20%配合し、これをホ
モジナイザーなどで攪拌、混合して均一な混合物を得る
ことができる。アルコールとしてはエタノールが望まし
く、また、 0.1〜50%水を含むアルコールが望ましい。
本発明のバッターは、バッター成分の固形脂とツェイン
に加えて、さらにグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤
を添加することが望ましい。乳化剤の添加によって加熱
溶融した固形脂中にツェインが均一に分散し、安定なバ
ッターを作ることができる。グリセリン脂肪酸エステル
等の乳化剤の使用量は 0.5〜5 重量%程度が望ましい。
るバッターは、加熱溶融した固形脂に、ツェインを20%
含有するアルコール水溶液を1〜20%配合し、これをホ
モジナイザーなどで攪拌、混合して均一な混合物を得る
ことができる。アルコールとしてはエタノールが望まし
く、また、 0.1〜50%水を含むアルコールが望ましい。
本発明のバッターは、バッター成分の固形脂とツェイン
に加えて、さらにグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤
を添加することが望ましい。乳化剤の添加によって加熱
溶融した固形脂中にツェインが均一に分散し、安定なバ
ッターを作ることができる。グリセリン脂肪酸エステル
等の乳化剤の使用量は 0.5〜5 重量%程度が望ましい。
【0013】このように調製した1次バッターで中種を
コーティングし、パン粉を付着し、そして中種をコーテ
ィング前の状態に乾燥するか、又は微粉パン粉を付着し
てから、2次バッターで中種をコーティングし、そこに
パン粉を付着した後、油揚げして、本発明のフライ食品
を調製することができる。パン粉は通常フライ食品の製
造に用いられるものが用いられ、その使用量も従来のフ
ライ食品の製造に用いられる使用量と同様であり、バッ
ターによりコーティングされた中種に通常の方法によっ
て付着することができる。
コーティングし、パン粉を付着し、そして中種をコーテ
ィング前の状態に乾燥するか、又は微粉パン粉を付着し
てから、2次バッターで中種をコーティングし、そこに
パン粉を付着した後、油揚げして、本発明のフライ食品
を調製することができる。パン粉は通常フライ食品の製
造に用いられるものが用いられ、その使用量も従来のフ
ライ食品の製造に用いられる使用量と同様であり、バッ
ターによりコーティングされた中種に通常の方法によっ
て付着することができる。
【0014】本発明におけるバッターは、中種に対し
て、1〜10重量%付着するよう中種をコーティングす
る。そして、前記パン粉の付着された中種をフライす
る。フライは、揚物用油、サラダ油等を 160〜210 ℃に
加熱し、この中で1〜5分程度油揚げする。フライ後、
これを室温に放冷し、0〜10℃で冷蔵するかあるいは−
10℃以下で冷凍保管する。冷凍保管する場合は、前記−
15℃以下で冷凍し、これを−15℃以下の恒温器に入れて
保管してもよい。冷蔵保管期間は前記フライ食品が流通
の場に供せられる期間で通常は1週間〜1ヶ月程度であ
る。また、冷凍保管期間は12ヶ月程度であるが、クリス
ピー感が維持できる期間としては、2ヶ月以内が望まし
い。電子レンジの加熱調理は、通常の加熱調理に従って
行われる。
て、1〜10重量%付着するよう中種をコーティングす
る。そして、前記パン粉の付着された中種をフライす
る。フライは、揚物用油、サラダ油等を 160〜210 ℃に
加熱し、この中で1〜5分程度油揚げする。フライ後、
これを室温に放冷し、0〜10℃で冷蔵するかあるいは−
10℃以下で冷凍保管する。冷凍保管する場合は、前記−
15℃以下で冷凍し、これを−15℃以下の恒温器に入れて
保管してもよい。冷蔵保管期間は前記フライ食品が流通
の場に供せられる期間で通常は1週間〜1ヶ月程度であ
る。また、冷凍保管期間は12ヶ月程度であるが、クリス
ピー感が維持できる期間としては、2ヶ月以内が望まし
い。電子レンジの加熱調理は、通常の加熱調理に従って
行われる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により、さ
らに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に
限定されるものではない。なお、以下において%及び部
は、いずれも重量基準を意味する。
らに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に
限定されるものではない。なお、以下において%及び部
は、いずれも重量基準を意味する。
【0016】
【実施例1】40%含水エタノール(エタノール60容量
%、水40容量%、以下同じ) 中にツェイン(昭和産業
(株)製、「昭和ツェインDP」)が20%含まれるよう
に均一に溶解してツェイン溶液を調製した。40℃に加
熱、溶解したラードに、前記ツェイン溶液が1%含まれ
るように添加し、TKホモジナイザーにより10000rpmで
攪拌し、均一に分散させて1次バッターを調製した。別
途、薄力粉19%、全卵10%、加工澱粉5%及び冷水66%
を攪拌、混合して2次バッターを調製した。次いで、別
途用意したコロッケの中種を、1次バッター、微粉パン
粉、2次バッター、及びパン粉の順序で覆い衣をつけ
た。衣の付いたコロッケ中間品を 180℃に加熱したサラ
ダ油で3分間揚げてコロッケを調製した。前記コロッケ
を室温下に冷却後、品温が10℃以下になるまで冷却し、
包装し、10℃の恒温器に入れて2週間保存した。
%、水40容量%、以下同じ) 中にツェイン(昭和産業
(株)製、「昭和ツェインDP」)が20%含まれるよう
に均一に溶解してツェイン溶液を調製した。40℃に加
熱、溶解したラードに、前記ツェイン溶液が1%含まれ
るように添加し、TKホモジナイザーにより10000rpmで
攪拌し、均一に分散させて1次バッターを調製した。別
途、薄力粉19%、全卵10%、加工澱粉5%及び冷水66%
を攪拌、混合して2次バッターを調製した。次いで、別
途用意したコロッケの中種を、1次バッター、微粉パン
粉、2次バッター、及びパン粉の順序で覆い衣をつけ
た。衣の付いたコロッケ中間品を 180℃に加熱したサラ
ダ油で3分間揚げてコロッケを調製した。前記コロッケ
を室温下に冷却後、品温が10℃以下になるまで冷却し、
包装し、10℃の恒温器に入れて2週間保存した。
【0017】
【実施例2】40%含水エタノール中にツェインが20%含
まれるように均一に溶解してツェイン溶液を調製した。
40℃に加熱、溶解したラードに、前記ツェイン溶液が1
%含まれるように添加して、TKホモジナイザーにより
10000rpm で撹拌し、混合して2次バッターを調製し
た。次いで、別途用意したコロッケの中種を、1次バッ
ター、微粉パン粉、2次バッター、及びパン粉の順序で
覆い衣をつけた。衣のついたコロッケ中間品を 180℃に
加熱したサラダ油で3分間挙げてコロッケを調製した。
前記コロッケを室温下に冷却後、−15℃の冷凍庫で冷却
し、包装した。これを、−15℃の冷凍庫に入れ、2週間
保存した。この冷凍庫は1日2回の霜取り工程(デフロ
スト)をとり、そのとき庫内は0℃になるように設定し
た。
まれるように均一に溶解してツェイン溶液を調製した。
40℃に加熱、溶解したラードに、前記ツェイン溶液が1
%含まれるように添加して、TKホモジナイザーにより
10000rpm で撹拌し、混合して2次バッターを調製し
た。次いで、別途用意したコロッケの中種を、1次バッ
ター、微粉パン粉、2次バッター、及びパン粉の順序で
覆い衣をつけた。衣のついたコロッケ中間品を 180℃に
加熱したサラダ油で3分間挙げてコロッケを調製した。
前記コロッケを室温下に冷却後、−15℃の冷凍庫で冷却
し、包装した。これを、−15℃の冷凍庫に入れ、2週間
保存した。この冷凍庫は1日2回の霜取り工程(デフロ
スト)をとり、そのとき庫内は0℃になるように設定し
た。
【0018】
【比較例1】薄力粉19%、全卵10%、加工澱粉5%及び
冷水66%を攪拌、混合してバッターを調製した。別途用
意した実施例1で用いたものと同じロットのコロッケの
中種に、前記バッター及びパン粉をその順序で付け、 1
80℃に加熱したサラダ油で3分間揚げてコロッケを調製
した。該コロッケを、実施例1と同様に、室温下に放冷
後、品温が10℃以下になるまで冷却し、包装し、10℃の
恒温器に入れて2週間保存した。
冷水66%を攪拌、混合してバッターを調製した。別途用
意した実施例1で用いたものと同じロットのコロッケの
中種に、前記バッター及びパン粉をその順序で付け、 1
80℃に加熱したサラダ油で3分間揚げてコロッケを調製
した。該コロッケを、実施例1と同様に、室温下に放冷
後、品温が10℃以下になるまで冷却し、包装し、10℃の
恒温器に入れて2週間保存した。
【0019】
【比較例2】1次バッターとして40℃に溶解したラード
を用いた他は、実施例1と全く同じ条件でコロッケを調
製した。該コロッケを、実施例1と同様に、室温下に冷
却し、品温が10℃以下になるまで冷却し、包装し、10℃
の恒温器に入れて2週間保存した。
を用いた他は、実施例1と全く同じ条件でコロッケを調
製した。該コロッケを、実施例1と同様に、室温下に冷
却し、品温が10℃以下になるまで冷却し、包装し、10℃
の恒温器に入れて2週間保存した。
【0020】〔官能検査〕前記実施例1及び2ならびに
比較例1及び2の製造直後のコロッケ及び前記2週間保
存後官能検査を行なった。500Wの電子レンジで1個当り
1分間加熱調理を行い、10名の専門パネルにより、クリ
スピー感について評価した。次の評価基準で評価し、そ
の結果を表1に示す。実施例と比較例は、2週間後の評
価において、1%の危険率で有意に差があった。 評価基準 2点… かなりない 3点… ややない 4点… わずかにない 5点… どちらともいえない 6点… わずかにある 7点… ややある 8点… かなりある
比較例1及び2の製造直後のコロッケ及び前記2週間保
存後官能検査を行なった。500Wの電子レンジで1個当り
1分間加熱調理を行い、10名の専門パネルにより、クリ
スピー感について評価した。次の評価基準で評価し、そ
の結果を表1に示す。実施例と比較例は、2週間後の評
価において、1%の危険率で有意に差があった。 評価基準 2点… かなりない 3点… ややない 4点… わずかにない 5点… どちらともいえない 6点… わずかにある 7点… ややある 8点… かなりある
【0021】
【表1】
【0022】本発明のバッターを用いたフライ類は、そ
の製品の衣部分を試料として、エタノールで抽出、濾過
し、SDS-PAGE電気泳動を行うことにより、ツェイン特有
のバンドを検出することができる。このことにより、バ
ッターにツェインが用いられていることを識別すること
ができる。また、同様に、衣部分を試料として、スダン
III 染色液によって衣の一次バッターの皮膜の脂肪部分
を染色することができる。このことにより、衣に固形脂
による皮膜が用いられていることを識別することができ
る。
の製品の衣部分を試料として、エタノールで抽出、濾過
し、SDS-PAGE電気泳動を行うことにより、ツェイン特有
のバンドを検出することができる。このことにより、バ
ッターにツェインが用いられていることを識別すること
ができる。また、同様に、衣部分を試料として、スダン
III 染色液によって衣の一次バッターの皮膜の脂肪部分
を染色することができる。このことにより、衣に固形脂
による皮膜が用いられていることを識別することができ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明は、ツェイン及び固形脂よりなる
バッター、該バッターで中種をコーティングされている
電子レンジ調理用フライ食品及びその製造法である。こ
のようにすると、冷蔵あるいは冷凍保存後、電子レンジ
で調理したとき前記クリスピー感のあるフライ製品を得
ることができる。
バッター、該バッターで中種をコーティングされている
電子レンジ調理用フライ食品及びその製造法である。こ
のようにすると、冷蔵あるいは冷凍保存後、電子レンジ
で調理したとき前記クリスピー感のあるフライ製品を得
ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4B025 LB07 LG11 LG22 LG32 LK01 LP10 4B035 LC03 LE18 LG05 LG12 LG15 LK13 LP07 LP16 LP27 LP43 4B036 LF13 LH06 LH13 LH15 LK03 LP03 LP12 LP17
Claims (6)
- 【請求項1】 ツェイン及び固形脂からなることを特徴
とするフライ食品用バッター。 - 【請求項2】 含水エタノール溶液にツェインを溶解
し、これを加熱溶融した固形脂に加えて均質に分散させ
てなる請求項1に記載のフライ食品用バッター。 - 【請求項3】 ツェイン、固形脂及び乳化剤からなるこ
とを特徴とするフライ食品バッター。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のフライ
食品用バッターを用いて中種をコーティングすることを
特徴とする、冷蔵乃至冷凍して流通される電子レンジ調
理用フライ食品の製造法。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のフライ
食品用バッターを用いて中種を一次コーティングし、微
粉パン粉を付け、通常のバッターを用いて二次コーティ
ングし、さらにその上をパン粉でコーティングすること
を特徴とする、冷蔵乃至冷凍して流通される電子レンジ
調理用フライ食品の製造法。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載のフライ
食品用バッターで中種がコーティングされていることを
特徴とする、冷蔵乃至冷凍して流通される電子レンジ調
理用フライ食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24529899A JP2001069933A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | フライ食品用バッター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24529899A JP2001069933A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | フライ食品用バッター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001069933A true JP2001069933A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17131601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24529899A Pending JP2001069933A (ja) | 1999-08-31 | 1999-08-31 | フライ食品用バッター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001069933A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1935254A1 (en) * | 2006-12-22 | 2008-06-25 | Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO | Coating for microwavable food product |
-
1999
- 1999-08-31 JP JP24529899A patent/JP2001069933A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1935254A1 (en) * | 2006-12-22 | 2008-06-25 | Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO | Coating for microwavable food product |
WO2008078997A1 (en) * | 2006-12-22 | 2008-07-03 | Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno | Coating for microwavable food product |
US20100062116A1 (en) * | 2006-12-22 | 2010-03-11 | Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurweten Schappelijk Onderzoek Tno | Coating for microwavable food product |
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