JP2001068713A - 薄膜光電変換モジュール - Google Patents
薄膜光電変換モジュールInfo
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Abstract
提供すること。 【解決手段】本発明の薄膜光電変換モジュール1は、基
板2と、該基板2上に形成されそれぞれ複数の薄膜光電
変換セル10を直列接続してなる複数の直列アレイ11
と、該複数の直列アレイ11を並列接続する一対の共通
電極12とを具備し、下記条件下での短絡電流が1A以
上であり、前記複数の直列アレイ11のそれぞれの下記
条件下での短絡電流は600mA以下であることを特徴
とする。 光源 :キセノンランプ 放射照度:100mW/cm2 AM :1.5 温度 :25℃
Description
ュールに関し、特には、複数の薄膜光電変換セルが直列
接続された薄膜光電変換モジュールに関する。
接続してなる薄膜光電変換モジュールは、帯状に形成さ
れた複数の薄膜光電変換セルをその短軸方向に集積した
構造を有している。かかるモジュールにおいては、ある
薄膜光電変換セルの受光面に木の葉や鳥の糞などが付着
すると、その光起電力が低下し、延いてはモジュール全
体の出力が大幅に低下する。これは、光起電力の低下を
生じたセルが、発電方向と逆方向に直列接続されたダイ
オードとして振る舞い、極めて大きな抵抗値を示すため
である。
986号公報は、直列接続された複数の薄膜光電変換セ
ルを分割して複数の直列アレイを形成し、これら直列ア
レイを並列接続することを開示している。これによる
と、いずれかのセルの光起電力がゼロとなった場合にお
いても、モジュール全体の出力が大幅に低下するのを防
止することができる。
題はこれだけではなく、以下に説明するように、より深
刻な問題が存在する。
ードとして振る舞うセルに逆方向耐電圧以上の電圧が印
加されると、その絶縁破壊が生ずる。そのような状態の
セルにおいて電流は均一に流れないため、ホットスポッ
ト現象と呼ばれる局所的な加熱を生ずる。
ない場合には大きな問題とはならない。しかしながら、
大面積のモジュールでは一般に出力電流も大きいため、
絶縁破壊が生じると上記セル内で局所的に大電流が流れ
ることとなる。その結果、金属電極層が溶融して、最終
的にはそのセル自体が破壊されてしまうことがある。
に鑑みてなされたものであり、高い信頼性を有する薄膜
光電変換モジュールを提供することを目的とする。
を解決するに当り、複数の直列アレイが並列接続された
構造において、それぞれのアレイの短絡電流が所定値以
下となるように設計することにより、1つの薄膜光電変
換セルが全く光起電力を生じない場合においてもそのセ
ルの破壊を十分に防止可能となることを見出した。
板上に形成されそれぞれ複数の薄膜光電変換セルを直列
接続してなる複数の直列アレイと、該複数の直列アレイ
を並列接続する一対の共通電極とを具備し、下記条件下
での短絡電流が1A以上の薄膜光電変換モジュールであ
って、前記複数の直列アレイのそれぞれの下記条件下で
の短絡電流は600mA以下であることを特徴とする薄
膜光電変換モジュールが提供される。
れ、基板上に順次形成された第1の電極層と非単結晶シ
リコン系薄膜光電変換ユニットと第2の電極層とで構成
することができる。
換セルは、通常、基板上で縦横格子状の配列構造を呈す
るように設けられる。この場合、複数の直列アレイを複
数の薄膜光電変換セルを縦方向に直列接続し、一対の共
通電極を上記配列構造の縦方向両端部にそれぞれ配置す
ることができる。
のそれぞれの上記条件下での短絡電流は300mA以下
であることが好ましい。
図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、各図に
おいて同様の部材には同一の参照符号を付し、重複する
説明は省略する。
膜光電変換モジュールを概略的に示す上面図である。図
1に示す薄膜光電変換モジュール1は、透明基板2上に
複数の薄膜光電変換セル10を集積した構造を有してい
る。なお、図1において、これら薄膜光電変換セル10
は縦方向に直列接続された複数の直列アレイ11を形成
しており、これら直列アレイ11は、リボン状の銅箔等
からなる一対の共通電極である電極バスバー12により
並列接続されている。
参照しながら、さらに詳しく説明する。図2は、図1に
示す薄膜光電変換モジュール1のA−A線に沿った断面
図である。なお、図2には、モジュール1の一部のみが
描かれている。
電変換セル10は、透明基板2上に、透明前面電極層
3、薄膜光電変換ユニット4、及び金属裏面電極層5を
順次積層した構造を有している。このモジュール1は、
透明基板2側から入射する光を光電変換ユニット4によ
り光電変換するものである。
において、透明基板2は、ガラス板や透明樹脂フィルム
等により構成することができる。
3は、ITO膜、SnO2膜、或いはZnO膜のような
透明導電性酸化物層等で構成することができる。透明前
面電極層3は単層構造でも多層構造であってもよい。透
明前面電極層3は、蒸着法、CVD法、或いはスパッタ
リング法等それ自体既知の気相堆積法を用いて形成する
ことができる。
含む表面テクスチャ構造を有することが好ましい。透明
前面電極層3の表面にこのようなテクスチャ構造を形成
することにより、光電変換ユニット4への光の入射効率
を向上させることができる。
電変換ユニット4は、例えば、図2に示すように、透明
前面電極層3上にp型非単結晶シリコン系半導体層4
1、非単結晶シリコン系薄膜光電変換層42、及びn型
非単結晶シリコン系半導体層43を順次積層した構造を
有する。これらp型半導体層41、光電変換層42およ
びn型半導体層43はいずれもプラズマCVD法により
形成することができる。
またはシリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等の
シリコン合金に、ボロンやアルミニウム等のp導電型決
定不純物原子をドープすることにより形成されている。
層42は、非単結晶シリコン系半導体材料で形成され、
そのような材料には、真性半導体のシリコン(水素化シ
リコン等)やシリコンカーバイド及びシリコンゲルマニ
ウム等のシリコン合金等が含まれる。また、光電変換機
能を十分に備えていれば、微量の導電型決定不純物を含
む弱p型もしくは弱n型のシリコン系半導体材料も用い
られ得る。
ン系半導体層43は、シリコンまたはシリコンカーバイ
ドやシリコンゲルマニウム等のシリコン合金に、燐や窒
素等のn導電型決定不純物原子をドープすることにより
形成されている。
裏面電極層5は電極としての機能を有するだけでなく、
透明基板2から光電変換ユニット4に入射し裏面電極層
5に到達した光を反射して光電変換ユニット4内に再入
射させる反射層としての機能も有している。金属裏面電
極層5は、銀等を用いて、蒸着法やスパッタリング法等
により形成することができる。
ト4との間には、例えば両者の間の接着性を向上させる
ために、ZnOのような非金属材料からなる透明導電性
薄膜(図示せず)を設けることができる。
ユニット4、及び金属裏面電極層5は、それぞれの成膜
後にYAGレーザ等を用いたレーザスクライブにより分
割され、図1に示すように格子状に配列した複数の薄膜
光電変換セル10を形成している。また、上述したよう
に、これら薄膜光電変換セル10は、相互に並列接続さ
れた複数の直列アレイ11を形成している。
かのセル10が遮光されてその光起電力が低下したとし
ても、直列構造のみで構成した場合ほどモジュール1の
出力が大幅に低下することはない。また、これら直列ア
レイ11は、光源にキセノンランプを用い、放射照度を
100mW/cm2、AM(Air Mass)を1.
5、及び温度を25℃とした場合に、短絡電流が600
mA以下となるように設計されている。このように設計
した場合、いずれかのセル10の光起電力がゼロになっ
たとしても、そのセル10の金属裏面電極層5が溶融す
る程度にまで加熱されることはない。したがって、セル
10が破壊されるのを防止することができる。
は、300mA以下であることが好ましく、200mA
以下であることがより好ましい。直列アレイ11の短絡
電流が小さいほど、セル10の破壊をより良好に防止す
ることができる。
る上記効果は、ホットスポット現象が発生した際に高温
に加熱されるような条件、すなわち、モジュール1の短
絡電流が大きい場合に特に顕著である。したがって、本
発明は、モジュール1の上記条件下での短絡電流が1A
以上の場合に有効であり、特に短絡電流が1.2A以上
の場合により有効となる。
現象が発生し易い条件、すなわち、これら直列アレイ1
1の開放電圧が大きい場合に特に顕著である。したがっ
て、これら直列アレイ11のそれぞれの上記条件下での
開放電圧が10V以上である場合、或いは、これら直列
アレイ11のそれぞれの集積数が12個以上である場合
により有効となる。
12に垂直な方向の長さはモジュール1に要求される出
力特性等に依存して決定され、例えば、300mmない
し1000mmの範囲内に設定される。また、薄膜光電
変換セル10の共通電極12と平行な方向の長さは、個
々の直列アレイ11の短絡電流に基づいて決定され、例
えば、400mm以下とすることにより、個々の直列ア
レイ11の短絡電流を上記範囲内とすることができる。
なお、セル10の共通電極12と平行な方向の長さは、
150mm以上であることが好ましい。セル10を過剰
に小さくした場合、セル10を得るための分割工程によ
り多くの時間が必要となり、しかも、光電変換に有効な
面積が減少する。
面側に、封止樹脂層(図示せず)を介して有機保護フィ
ルム(図示せず)が設けられる。この封止樹脂層は、透
明基板2上に形成された各薄膜光電変換セル10を封止
するものであり、有機保護フィルムをこれらセル10に
接着することが可能な樹脂が用いられる。そのような樹
脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び光硬化
性樹脂等を挙げることができ、例えば、EVA(エチレ
ン・ビニルアセテート共重合体)、PVB(ポリビニル
ブチラール)、PIB(ポリイソブチレン)、及びシリ
コーン樹脂等を用いることができる。
ニルフィルム(例えば、テドラーフィルム(登録商標
名))のようなフッ素樹脂系フィルム或いはPETフィ
ルムのように耐湿性や耐水性に優れた絶縁性フィルムが
用いられる。有機保護フィルムは、単層構造でもよく、
これらを積層した積層構造であってもよい。さらに、有
機保護フィルムは、アルミニウム等からなる金属箔がこ
れらフィルムで挟持された構造を有してもよい。アルミ
ニウム箔のような金属箔は耐湿性や耐水性を向上させる
機能を有するので、有機保護フィルムをこのような構造
とすることにより、薄膜光電変換セル10をより効果的
に水分から保護することができる。
空ラミネート法により薄膜光電変換モジュール1の裏面
側に同時に貼着することができる。
明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る薄膜光
電変換モジュールを概略的に示す上面図である。図3に
示す薄膜光電変換モジュール1は、図1のモジュール1
と同様に透明基板2上に複数の薄膜光電変換セル10を
集積した構造を有しているが、図1のモジュール1とは
共通電極12の形状等が異なっている。
〜15cで主に構成されている。領域15a〜15cの
それぞれでは、複数の直列アレイ11が共通電極12
a,12bにより並列接続されている。また、共通電極
12a,12bは、領域15a〜15cの全てに共用さ
れている。すなわち、図3のモジュール1では、領域1
5a〜15cの全ての直列アレイ11が並列接続されて
いる。
サイズを大幅に変更することなく各直列アレイ11の集
積数を減少させることができる。したがって、低電圧出
力が望まれる場合に特に有用である。
透明電極層3、p−i−n接合を有する薄膜光電変換ユ
ニット4、及び金属電極層5を順次積層した構造に関す
るものであるが、他の構造を採用することもできる。例
えば、基板上に、金属電極層、n−i−p接合を有する
薄膜光電変換ユニット、及び透明電極層を順次積層した
構造を採用することができる。また、薄膜光電変換ユニ
ット4をタンデム型とすることも可能である。
1を以下に示す方法により作製した。まず、YAGレー
ザを用いて基板1の長辺に平行にレーザスキャンするこ
とにより、ガラス基板2の一方の主面に形成されたSn
O2膜3をスクライブして複数の帯状パターンに分割し
た。
2膜3上に、厚さ10nmのp型水素含有非晶質シリコ
ンカーバイド層41、厚さ300nmのi型水素含有非
晶質シリコン層42、及び厚さ10nmのn型水素含有
微結晶シリコン層43を順次成膜した。なお、p型水素
含有非晶質シリコンカーバイド層41は不純物としてボ
ロンをドープされ、i型水素含有非晶質シリコン層42
はノンドープであり、n型水素含有微結晶シリコン層4
3は燐をドープされている。以上のようにして、p−i
−n接合を有する薄膜光電変換ユニット4を形成した。
に平行にレーザスキャンすることにより、この薄膜光電
変換ユニット4のスクライブを行い、薄膜光電変換ユニ
ット4を複数の帯状パターンに分割した。
ッタ法により、厚さ90nmのZnO膜(図示せず)及
び厚さ300nmのAg膜5を順次成膜して裏面電極層
を形成した。この裏面電極層についても、同様に、YA
Gレーザを用いたレーザスクライブを行い、複数の帯状
パターンに分割した。
辺に平行にレーザスクライブを行い、SnO2膜3、薄
膜光電変換ユニット4、及び裏面電極層をそれぞれ基板
2の長辺方向に分割した。以上のようにして、縦10m
m×横200mmの薄膜光電変換セル10を縦方向に
(基板2の短辺に平行に)50段直列接続してなる直列
アレイ11を4個形成した。
を取り付けてこれら直列アレイ11同士を並列接続し
た。さらに、基板2の直列アレイ11を形成した面に、
EVA層(図示せず)を介してフッ素樹脂系シート(商
標名:テドラー;図示せず)をラミネートすることによ
りモジュール1を得た。
を製造し、それぞれについて、光源としてキセノンラン
プを用いた放射照度100mW/cm2、AM1.5の
ソーラーシュミレータを用いて出力特性を調べた。な
お、測定温度は25℃とした。
Vであり、短絡電流は1Aであった。また、それぞれの
直列アレイ11については、開放電圧が44Vであり、
短絡電流は250mAであった。
して、上記照射条件下に放置した。なお、このとき、そ
れぞれのモジュール1においては、セル10の1つには
光を照射せずに、その光起電力をゼロとした。1分経過
後、それぞれのモジュール1についてセル10が破壊さ
れたかどうかを調べた。その結果、全てのモジュール1
において、セル10の破壊は見られなかった。
ライブを行わずに、縦10mm×横800mmの薄膜光
電変換セルを縦方向に50段直列接続してなる直列アレ
イを1個形成したこと以外は上記実施例と同様にして薄
膜光電変換モジュールを10枚製造した。
同様の条件で出力特性を調べた。その結果、モジュール
の開放電圧は44Vであり、短絡電流は1Aであった。
て、上記照射条件下に放置した。なお、このとき、それ
ぞれのモジュールにおいては、セルの1つには光を照射
しなかった。1分経過後、それぞれのモジュールについ
てセルが破壊されたかどうかを調べた。その結果、10
枚のモジュールにおいてセルの破壊が生じた。
それぞれの直列アレイの短絡電流が所定値以下となるよ
うに設計されるため、1つの薄膜光電変換セルが全く光
起電力を生じない場合においてもそのセルの破壊を十分
に防止することが可能である。すなわち、本発明による
と、高い信頼性を有する薄膜光電変換モジュールが提供
される。
ジュールを概略的に示す上面図。
に沿った断面図。
ジュールを概略的に示す上面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板と、該基板上に形成されそれぞれ複
数の薄膜光電変換セルを直列接続してなる複数の直列ア
レイと、該複数の直列アレイを並列接続する一対の共通
電極とを具備し、下記条件下での短絡電流が1A以上の
薄膜光電変換モジュールであって、 前記複数の直列アレイのそれぞれの下記条件下での短絡
電流は600mA以下であることを特徴とする薄膜光電
変換モジュール。 光源 :キセノンランプ 放射照度:100mW/cm2 AM :1.5 温度 :25℃ - 【請求項2】 前記複数の薄膜光電変換セルは、それぞ
れ、前記基板上に順次形成された第1の電極層と非単結
晶シリコン系薄膜光電変換ユニットと第2の電極層とを
具備することを特徴とする請求項1に記載の薄膜光電変
換モジュール。 - 【請求項3】 前記複数の薄膜光電変換セルは前記基板
上で縦横格子状の配列構造を呈することを特徴とする請
求項1または2に記載の薄膜光電変換モジュール。 - 【請求項4】 前記複数の直列アレイは前記複数の薄膜
光電変換セルを縦方向に直列接続してなり、前記一対の
共通電極は前記配列構造の縦方向両端部にそれぞれ配置
されたことを特徴とする請求項3に記載の薄膜光電変換
モジュール。 - 【請求項5】 前記複数の直列アレイのそれぞれの前記
条件下での短絡電流は300mA以下であることを特徴
とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の薄膜光
電変換モジュール。
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