JP2001135835A - 薄膜光電変換セルの欠陥修復方法、薄膜光電変換モジュールの製造方法、及び薄膜光電変換モジュールの欠陥修復装置 - Google Patents

薄膜光電変換セルの欠陥修復方法、薄膜光電変換モジュールの製造方法、及び薄膜光電変換モジュールの欠陥修復装置

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JP2001135835A
JP2001135835A JP31717999A JP31717999A JP2001135835A JP 2001135835 A JP2001135835 A JP 2001135835A JP 31717999 A JP31717999 A JP 31717999A JP 31717999 A JP31717999 A JP 31717999A JP 2001135835 A JP2001135835 A JP 2001135835A
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film photoelectric
thin
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JP31717999A
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Katsuhiko Hayashi
克彦 林
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Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】モジュール出力が十分に向上された薄膜光電変
換モジュールを製造することを可能とする薄膜光電変換
セルの欠陥修復方法、薄膜光電変換モジュールの製造方
法、及び薄膜光電変換モジュールの欠陥修復装置を提供
すること。 【解決手段】本発明の欠陥修復方法は、基板2上に第1
の電極層3、薄膜光電変換ユニット4、及び第2の電極
層5を順次積層した構造を有する薄膜光電変換セル10
の欠陥修復方法であって、前記第1の電極層3と前記第
2の電極層5との間に第1の逆バイアス電圧を印加する
ことにより前記薄膜光電変換セル10を流れる電流値を
複数箇所で測定し、前記第1の電極層3と前記第2の電
極層5との短絡部9の位置を前記電流値の違いに基づい
て特定する工程と、前記短絡部9の位置で前記第1の電
極層3と前記第2の電極層5との間に前記第1の逆バイ
アス電圧よりも高い第2の逆バイアス電圧を印加して前
記短絡部9を加熱し、それにより前記短絡部9を絶縁す
る工程とを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜光電変換セル
の欠陥修復方法、薄膜光電変換モジュールの製造方法、
及び薄膜光電変換モジュールの欠陥修復装置に係り、特
には、透明前面電極層と金属裏面電極層との間の短絡を
絶縁する薄膜光電変換セルの欠陥修復方法、薄膜光電変
換モジュールの製造方法、及び薄膜光電変換モジュール
の欠陥修復装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜光電変換モジュールは、複数の薄膜
光電変換セルを基板上で集積化した構造を有している。
それぞれの薄膜光電変換セルは、例えば、透明基板上へ
の前面透明電極層、薄膜光電変換ユニット、及び金属裏
面電極層の成膜とパターニングとを順次行うことにより
形成される。
【0003】ところで、薄膜光電変換ユニットの成膜、
特に大面積の薄膜光電変換ユニットの成膜においては、
ピンホールの発生を避けることはできない。このような
ピンホールは、その後の金属裏面電極層の成膜の際に金
属材料で埋め込まれるため、透明前面電極層と金属裏面
電極層との短絡を生じさせる。すなわち、通常、形成直
後の薄膜光電変換セルはそれぞれ短絡欠陥部部を有して
いることが多い。
【0004】このような短絡部を放置した場合、当然の
如く、期待されるほどのモジュール出力を得ることはで
きない。そこで、薄膜光電変換モジュールの製造プロセ
スにおいては、一般に、薄膜光電変換セルを形成した後
に、上記短絡部を絶縁する欠陥修復工程が実施されてい
る。なお、ここでいう「絶縁する」とは、短絡部の抵抗
値を、要求される電気特性を得るのに充分な値にまで高
めることを言う。
【0005】上述した欠陥を修復する方法としては、例
えば、逆バイアス処理が知られている。この逆バイアス
処理は、短絡部を有する薄膜光電変換セルに、その発電
方向と同方向に電圧を印加すること(薄膜光電変換セル
をダイオードとして考えた場合には逆方向に電圧を印加
すること)により行われる。このような逆バイアス電圧
を印加すると、pin接合等を有する薄膜光電変換セル
では、電流が短絡部に集中して、局所的な発熱を生ず
る。その結果、ピンホールを埋め込む金属が酸化或いは
溶融除去されて、ピンホールの位置で透明前面電極層と
金属裏面電極層とが絶縁される。
【0006】この逆バイアス処理に際しては、従来、薄
膜光電変換セルの2つの電極層、現実的には隣り合う2
つのセルの金属裏面電極層に一対のプローブをそれぞれ
接触させていた。しかしながら、これらプローブの接触
位置は短絡部の位置に関係なく一定であったため、プロ
ーブの接触位置から離れた位置に短絡部がある場合に
は、電圧降下の影響により、短絡部に十分な電圧が印加
されず、短絡部を絶縁できないことがあった。また、そ
のような短絡部を絶縁するためにより大きな逆バイアス
電圧を印加した場合には、耐電圧を超える電圧がセルに
加わってセルが破壊される、過剰な発熱が生じてピンホ
ールが拡大される、或いは隣り合う薄膜光電変換セル間
で電極層のエッジ部が短絡されるという問題を生じてい
た。
【0007】このような問題に対し、特開平10−42
02号公報は、逆バイアス処理に、複数のプローブを有
する印加部材等を用いることを開示している。このよう
な印加部材を用いた場合、セルには比較的均一に逆バイ
アス電圧が印加され、電圧降下に基づく問題を回避する
ことができる。
【0008】しかしながら、特開平10−4202号公
報が開示する方法であっても、逆バイアス処理を施した
際に、正常部がダメージを受けることがある。そのた
め、従来の逆バイアス処理では、モジュール出力を向上
させる効果が不十分となることがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、モジュール出力が十分に
向上された薄膜光電変換モジュールを製造することを可
能とする薄膜光電変換セルの欠陥修復方法、薄膜光電変
換モジュールの製造方法、及び薄膜光電変換モジュール
の欠陥修復装置を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、正常部へのダメージを抑
制しつつ欠陥を修復することが可能な薄膜光電変換セル
の欠陥修復方法、薄膜光電変換モジュールの製造方法、
及び薄膜光電変換モジュールの欠陥修復装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するに当り、まず、以下の事実に着目した。薄膜光
電変換セルに逆バイアス電圧を印加した場合に観測され
る電流値は、プローブの接触位置に応じて異なり、プロ
ーブを短絡部の位置で接触させた場合に最大となる。こ
れは、薄膜光電変換セルの電極は層状であるため、比較
的大きな電圧降下が生じることに起因している。
【0012】本発明者は、上記事実に基づいて鋭意研究
を重ねた結果、印加する逆バイアス電圧を比較的低いレ
ベルに設定し、複数箇所で上記電流値を測定することに
より、セルにダメージを与えることなく短絡部の位置を
特定することができることを見出した。さらに、本発明
者は、短絡部の位置或いはその近傍にプローブを接触さ
せて逆バイアス処理を行えば、短絡部に対して十分な逆
バイアス電圧を印加することができるだけでなく、その
他の領域への過剰な電圧の印加が電圧降下により防止さ
れ得ることを見出した。
【0013】すなわち、本発明によると、基板上に第1
の電極層、薄膜光電変換ユニット、及び第2の電極層を
順次積層した構造を有する薄膜光電変換セルの欠陥修復
方法であって、前記第1の電極層と前記第2の電極層と
の間に第1の逆バイアス電圧を印加することにより前記
薄膜光電変換セルを流れる電流値をその長手方向に沿っ
て複数箇所測定し、前記第1の電極層と前記第2の電極
層との短絡部の位置を前記電流値の違いに基づいて特定
する工程と、前記短絡部の位置で前記第1の電極層と前
記第2の電極層との間に前記第1の逆バイアス電圧より
も高い第2の逆バイアス電圧を印加して前記短絡部を加
熱し、それにより前記短絡部を絶縁する工程とを含むこ
とを特徴とする薄膜光電変換セルの欠陥修復方法が提供
される。
【0014】また、本発明によると、基板上に第1の電
極層、薄膜光電変換ユニット、及び第2の電極層を順次
積層した構造をそれぞれ有し且つ相互に直列接続された
複数の薄膜光電変換セルを形成する工程と、前記複数の
薄膜光電変換セルの少なくとも1つにおいて、前記第1
の電極層と前記第2の電極層との間に第1の逆バイアス
電圧を印加することにより流れる電流値をその長手方向
に沿って複数箇所測定し、前記第1の電極層と前記第2
の電極層との短絡部の位置を前記電流値の違いに基づい
て特定する工程と、前記短絡部の位置で前記第1の電極
層と前記第2の電極層との間に前記第1の逆バイアス電
圧よりも高い第2の逆バイアス電圧を印加して前記短絡
部を加熱し、それにより前記短絡部を絶縁する工程とを
含むことを特徴とする薄膜光電変換モジュールの製造方
法が提供される。
【0015】さらに、本発明によると、基板上に第1の
電極層、薄膜光電変換ユニット、及び第2の電極層を順
次積層した構造をそれぞれ有し且つ相互に直列接続され
た複数の薄膜光電変換セルを有する薄膜光電変換モジュ
ールの各薄膜光電変換セルに形成された短絡部を絶縁処
理する欠陥修復装置であって、:それぞれ相互に離間さ
れた一対の端子からなる複数の端子対を、該複数の端子
対のそれぞれにおいて前記一対の端子の一方が前記複数
の薄膜光電変換セルの隣り合う2つの一方と接触するよ
うに及び前記一対の端子の他方が前記複数の薄膜光電変
換セルの隣り合う2つの他方と接触するように配列して
なる端子対アレイと;前記端子対アレイを前記薄膜モジ
ュールの第2の電極層に対して相対的に接離移動させる
移動機構と;前記端子対アレイに接続され、前記複数の
端子対のいずれか1つを選択して該選択された端子対に
対して第1の電圧及び該第1の電圧よりも高い第2の電
圧のいずれか一方を印加する電力供給機構と;前記選択
された端子対を流れる電流値を測定する電流計測手段
と;前記電力供給機構と前記電流計測手段とに接続さ
れ、前記第1の電圧を印加した際に前記電流計測手段で
測定された前記電流値に関する情報を前記選択された端
子対に対応して記憶し、前記複数の端子対の中から前記
電流値が最大となるものを選択するのとともに、前記電
力供給機構の出力及びその供給先を制御する制御機構と
を具備することを特徴とする欠陥修復装置が提供され
る。
【0016】本発明においては、通常、欠陥が十分に修
復されたことを確認する目的で、短絡部を絶縁する工程
の後に、短絡部の位置を特定する工程が再度行われる。
ここで欠陥が十分に修復されていないと判断された場
合、例えば、絶縁すべき別の短絡部が見出された場合に
は、短絡部を絶縁する工程が再度行われる。すなわち、
本発明において、1つのセルに複数の短絡部が存在する
場合、通常、短絡部の位置を特定する工程と短絡部を絶
縁する工程とが繰り返し行われる。
【0017】本発明において、第1の逆バイアス電圧は
0.1V〜2Vであることが好ましい。この場合、短絡
部の位置を正確に特定することができ、しかも、その際
にセルに殆どダメージを与えることがない。
【0018】また、本発明において、第2の逆バイアス
電圧は2V〜10Vであることが好ましい。この場合、
短絡部を確実に絶縁することができるのとともに、正常
部へのダメージをより良好に抑制することができる。
【0019】本発明の方法により、直列接続された複数
の薄膜光電変換セルの欠陥を修復する場合、セルへの逆
バイアス電圧の印加は、例えば、電源に接続された一対
の導電部を、隣り合うセルの金属裏面電極層にそれぞれ
接触させることにより行うことができる。隣り合う2つ
のセルの一方の透明前面電極層と他方の金属裏面電極層
とは電気的に接続されているため同電位である。したが
って、このような方法によると、上記一方のセルに逆バ
イアス電圧を印加することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながらより詳細に説明する。なお、各図において同様
の部材には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略
する。
【0021】図1は、本発明の一実施形態に係る欠陥修
復工程を実施する前の薄膜光電変換モジュールを概略的
に示す断面図である。図1に示す薄膜光電変換モジュー
ル1は、透明基板2上に複数の薄膜光電変換セル10-n
を集積した構造を有している。また、それぞれの薄膜光
電変換セル10-nは、透明基板2上に、透明前面電極層
3、薄膜光電変換ユニット4、及び金属裏面電極層5を
順次積層した構造を有している。すなわち、このモジュ
ール1は、透明基板2側から入射する光を光電変換ユニ
ット4により光電変換するものである。
【0022】図1に示すモジュール1は、例えば以下に
示す方法により製造することができる。まず、透明基板
2の一方の主面上に、透明前面電極層3を大面積の薄膜
として形成する。透明基板2は、ガラス板や透明樹脂フ
ィルム等により構成することができる。また、透明前面
電極層3は、ITO膜、SnO2膜、或いはZnO膜の
ような透明導電性酸化物層等で構成することができる。
透明前面電極層3は単層構造でも多層構造であってもよ
い。透明前面電極層3は、蒸着法、CVD法、或いはス
パッタリング法等それ自体既知の気相堆積法を用いて形
成することができる。
【0023】透明前面電極層3の表面には、微細な凹凸
を含む表面テクスチャ構造を形成することが好ましい。
透明前面電極層3の表面にこのようなテクスチャ構造を
形成することにより、光電変換ユニット4への光の入射
効率を向上させることができる。表面テクスチャ構造を
形成する方法に特に制限はなく、公知の様々な方法を用
いることができる。
【0024】次に、大面積の薄膜として形成した透明前
面電極層3にYAGレーザ等を用いたレーザスクライブ
により溝部6を形成して、透明前面電極層3を各セル1
0-nに対応して分割する。なお、各セル10-nは短冊状
の形状を有しており、その短軸方向に集積されている。
【0025】次に、透明前面電極層3上に薄膜光電変換
ユニット4を形成する。薄膜光電変換ユニット4は、例
えば、透明前面電極層3上にp型非単結晶シリコン系半
導体層、非単結晶シリコン系薄膜光電変換層、及びn型
非単結晶シリコン系半導体層を順次積層した構造を有す
る。これらp型半導体層、光電変換層およびn型半導体
層はいずれもプラズマCVD法により形成することがで
きる。
【0026】p型シリコン系半導体層は、シリコンまた
はシリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等のシリ
コン合金に、ボロンやアルミニウム等のp導電型決定不
純物原子をドープすることにより形成されている。
【0027】p型半導体層上に形成される光電変換層
は、非単結晶シリコン系半導体材料で形成され、そのよ
うな材料には、真性半導体のシリコン(水素化シリコン
等)やシリコンカーバイド及びシリコンゲルマニウム等
のシリコン合金等が含まれる。また、光電変換機能を十
分に備えていれば、微量の導電型決定不純物を含む弱p
型もしくは弱n型のシリコン系半導体材料も用いられ得
る。
【0028】光電変換層上に形成されるn型シリコン系
半導体層は、シリコンまたはシリコンカーバイドやシリ
コンゲルマニウム等のシリコン合金に、燐や窒素等のn
導電型決定不純物原子をドープすることにより形成され
ている。
【0029】上述した薄膜光電変換ユニット4の形成に
伴い、透明前面電極層3に形成した溝部6は薄膜光電変
換ユニット4を構成する材料で埋め込まれる。なお、上
述した薄膜光電変換ユニット4には不可避的にピンホー
ル9が形成される。例えば、一般的なサイズのモジュー
ル1では、通常、各セル10-nに少なくとも1つのピン
ホール9が形成される。
【0030】以上のようにして薄膜光電変換ユニット4
を形成した後、YAGレーザ等を用いたレーザスクライ
ブにより光電変換ユニット4に溝部7を形成する。溝部
7は、あるセル10-n(例えばセル10-1)の透明前面
電極層3とそれに隣り合うセル10-n(例えばセル10
-2)の裏面金属電極層5とを電気的に接続するために設
けられる。
【0031】次に、光電変換ユニット4上に金属裏面電
極層5を形成する。この金属裏面電極層5は電極として
の機能を有するだけでなく、透明基板2から光電変換ユ
ニット4に入射し裏面電極層5に到達した光を反射して
光電変換ユニット4内に再入射させる反射層としての機
能も有している。金属裏面電極層5は、銀やアルミニウ
ム等を用いて、蒸着法やスパッタリング法等により、例
えば200nm〜400nm程度の厚さに形成すること
ができる。また、金属裏面電極層5と光電変換ユニット
4との間には、例えば両者の間の接着性を向上させるた
めに、ZnOのような非金属材料からなる透明導電性薄
膜(図示せず)を設けることができる。
【0032】上述した金属裏面電極層5の形成に伴い、
光電変換ユニット4に形成した溝部7は金属材料で埋め
込まれ、溝部7の位置で金属裏面電極層5と透明前面電
極層3とが電気的に接続される。また、それとともに、
ピンホール9が金属材料で埋め込まれ、ピンホール9の
位置でも金属裏面電極層5と透明前面電極層3とが電気
的に接続される。
【0033】次に、YAGレーザ等を用いたレーザスク
ライブにより金属裏面電極層5に溝部8を形成して、各
セル10-n間で金属裏面電極層5を電気的に絶縁する。
さらに、YAGレーザ等を用いたレーザスクライブによ
り発電領域を確定し、セル10-nが形成する列の両端部
に一対の電極バスバー(図示せず)を設けることによ
り、図1に示す構造を得る。
【0034】上述した方法により得られたモジュール1
には、図1に示すように、単一のセル10-n内において
ピンホール9の位置で透明前面電極層3と金属裏面電極
層とが短絡されている。このような短絡を放置した場
合、上記の通り、期待されるほどのモジュール出力を得
ることはできない。そこで、本実施形態に係る薄膜光電
変換モジュール1の製造プロセスにおいては、薄膜光電
変換セル10-nを形成した後に、以下に説明する欠陥修
復工程が実施される。
【0035】まず、欠陥修復工程を説明する前に、欠陥
の修復に用いる欠陥修復装置について説明する。
【0036】図2は、本発明の一実施形態に係る薄膜光
電変換モジュール1の欠陥修復装置を概略的に示す斜視
図である。また、図3は、本発明の一実施形態に係る薄
膜光電変換モジュール1の欠陥修復装置を概略的に示す
図である。図2及び図3に示す欠陥修復装置21は、端
子対アレイであるプローブ列と、第1の移動機構と、第
2の移動機構と、電源25と、切替手段26と、電流計
27と、制御機構28とを有している。なお、図2及び
図3において、第1の移動機構と第2の移動機構とは省
略されている。また、プローブ列は、フレーム22-1,
22-2に支持されたプローブ23(a,b,c,・・
・)で構成されている。
【0037】プローブ列は、フレーム22-1に取り付け
られた第1のプローブ23(a,b,c,・・・)と、
フレーム22-2に取り付けられた第2のプローブ23
(a,b,c,・・・)とで構成されている。これらプ
ローブ23(a,b,c,・・・)は、フレーム22-1
とフレーム22-2との間で複数のプローブ対を形成して
おり、図2において、1つのプローブ対を構成する一対
のプローブ23には同一の参照符号(a,b,c,・・
・)が付されている。
【0038】プローブ23は、フレーム22-1,22-2
のそれぞれにおいて、所定の間隙を隔てて一列に配列さ
れている。プローブ23の間隔が狭いほど、短絡部9の
位置をより高い精度で特定すること及び短絡部9の絶縁
処理に伴う正常部のダメージをより良好に抑制すること
ができ、一般に10cm以下であれば十分である。一
方、プローブ23の間隔が過剰に狭い場合は、欠陥修復
工程に長時間を要することがある。したがって、プロー
ブ23の間隔は2cm以上であることが好ましい。
【0039】また、プローブ23は、フレーム22-1,
22-2により相互に絶縁されており、各プローブ23に
は配線24-1,24-2の一端が接続されている。配線2
4-1,24-2の他端は、切替手段26と接続されてお
り、所望のプローブ対に対して選択的に電力を供給する
ことが可能とされている。
【0040】第1の移動機構は、図3の矢印30に示す
ように、各プローブ23をモジュール1の金属裏面電極
層5に対して相対的に接離移動させるものである。具体
的には、第1の移動機構は、後述する第2の移動機構に
より各プローブ23とモジュール1とを平行移動させる
際にそれらを離間し、薄膜光電変換セル10-nに逆バイ
アス電圧を印加する際に各プローブ23を金属裏面電極
層5に接触させるものである。
【0041】第1の移動機構は、フレーム22-1,22
-2を移動させるもの、モジュール1を移動させるもの、
及びそれら両方を移動させるもののいずれであってもよ
いが、通常はフレーム22-1,22-2を鉛直方向に移動
させる機構である。また、第1の移動機構は、パルスモ
ータ等を用いた一般的な構造を有し得る。
【0042】一方、第2の移動機構は、図3の矢印31
に示すように、フレーム22-1,22-2をモジュール1
の金属裏面電極層5に対して相対的に平行移動させるも
のである。第2の移動機構によると、例えば、あるセル
10-n(例えばセル10-1)の欠陥修復が終了した後、
まだ欠陥修復を行っていないセル10-n(例えばセル1
0-2)を直ちにフレーム22-1の直下に位置させるこ
と、すなわち欠陥修復を連続的に行うことが可能とな
る。
【0043】第2の移動機構も第1の移動機構と同様
に、フレーム22-1,22-2を移動させるもの、モジュ
ール1を移動させるもの、及びそれら両方を移動させる
もののいずれであってもよい。通常、第2の移動機構
は、モジュール1を水平方向に移動させる機構である。
また、第2の移動機構も第1の移動機構と同様に、パル
スモータ等を用いた一般的な構造を有し得る。
【0044】なお、図2及び図3に示す装置21にはフ
レーム22は2つのみ設けられているが、より多くのフ
レーム22を設けてもよい。この場合、フレーム22と
モジュール1との相対移動の回数を減らすことができ、
したがって、より短い時間で欠陥修復を行うことができ
る。また、図2及び図3においてフレーム22-1,22
-2は別体として描かれているが、一体化されていてもよ
い。
【0045】各プローブ対に電力を供給する電源25
は、出力電圧を少なくとも2値間で切替可能であること
が必要である。電源25は制御手段28と接続されてお
り、制御手段からの信号に応じて出力電圧を切り替え得
る。電源25は、上記条件を満たしていれば、直流電源
でも交流電源でもよく、或いはパルス状の直流電圧を出
力するものであってもよい。
【0046】切替手段26は電源25に接続されてお
り、配線24-1,24-2を介してプローブ対に電力を供
給するものである。また、切替手段26は制御手段28
と接続されており、プローブ列の中から特定のプローブ
対を電源25からの電力の供給先として選択すること、
さらには、電源25からの電力を供給するプローブ対を
順次切り替えることが可能である。
【0047】切替手段26と電源25とを接続する配線
には電流計27が設けられている。電流計27は、プロ
ーブ対を隣り合う2つのセル10-nの金属裏面電極層5
にそれぞれ接触させた際に、それらセル10-nの一方を
流れる電流値を測定するものである。電流計27は、上
記セル10-nの一方を流れる電流値を測定可能であれ
ば、必ずしも切替手段26と電源25とを接続する配線
に設ける必要はない。また、電流計27は制御手段28
と接続されており、電流計27による測定値は制御手段
28へと送られる。
【0048】制御手段28は、上述したように、電源2
5と切替手段26と電流計27とに接続されている。制
御手段28は、電源25の出力電圧と切替手段26によ
る電力供給先の切り替えとを制御し、電力供給先、電流
計27からの測定値、及び必要に応じて出力電圧に関す
る情報を記憶する。また、制御手段27は、特定のセル
10-nについて得られた情報から、例えば最大電流値が
得られたプローブ対の位置を短絡部の位置と判断して、
そのプローブ対に選択的により大きな電圧が印加される
ように、電源25と切替手段26とを制御する。なお、
通常、切替手段28は第1の移動機構の動作及び第2の
移動機構の動作も制御可能とされている。
【0049】以上説明した欠陥修復装置によるモジュー
ル1の欠陥の修復は、例えば、以下に示す方法により行
われる。
【0050】まず、モジュール1をそのセル10-nが形
成された面がフレーム21-1,21-2と対向するように
及びフレーム21-1,21-2の長手方向とセル10-nの
長手方向とが一致するように配置する。次に、第1の移
動機構を用いて、モジュール1の隣り合う2つのセル1
0-n、例えばセル10-1,10-2がフレーム21-1,2
1-2の直下に位置するように位置合わせする。その後、
第2の移動機構を用いて、フレーム21-1,21-2を降
下させ、プローブ23を隣り合うセル10-1,10-2の
金属裏面電極層5に接触させる。なお、ここでは、第1
及び第2の移動機構の動作は制御手段28で制御するこ
ととする。
【0051】次に、上述した第1及び第2の移動機構の
動作が完了した後、電源25から切替手段26に電力を
供給する。切替手段26は、制御手段28からの信号に
より、例えば、まず最初に電力の供給先としてプローブ
対23aを選択する。また、電源25の出力電圧は、制
御手段28により、セル10-nに悪影響を与えることな
く後述する電流値の測定を精度良く行うことができる程
度に低いレベル、例えば0.1V〜2V程度に制御す
る。
【0052】このような操作によりプローブ対23aに
電力を供給すると、プローブ対23aと接触する2つの
セル10-nの一方において、透明前面電極層3と金属裏
面電極層5との間に電圧が印加される。例えば、図1に
示すようにセル10-1の透明前面電極層3とセル10-2
の裏面金属電極層5とは電気的に接続されているため、
セル10-1の金属裏面電極層5に印加する電圧の極性を
正とし、セル10-2の金属裏面電極層5に印加する電圧
の極性を負とすることにより、セル10-1の透明前面電
極層3と裏面金属電極層5との間に図中下向きの電圧を
印加することができる。
【0053】ここで、薄膜光電変換ユニット4は透明前
面電極層3側からp型半導体層、i型半導体層、及びn
型半導体層を順次積層した構造であるので、セル10-1
は図中上向きを順方向とするダイオードと考えることが
できる。したがって、上述したようにセル10-1の透明
前面電極層3と裏面金属電極層5との間に図中下向きの
電圧を印加した場合、すなわち逆バイアス電圧を印加し
た場合には、電流は主に裏面金属電極層5から短絡部9
を介して透明前面電極層3へと流れる。
【0054】セル10-1を流れた電流値は電流計27に
より観測し、プローブ対23aを選択した場合に得られ
たデータとして制御部28に記憶させる。これにより、
セル10-1に関するプローブ対23aを用いた測定を終
了する。
【0055】次に、上記測定を他のプローブ対23(2
3b,23c,・・・)についても実施して、セル10
-1に関する全てのデータを得る。
【0056】上述したように、透明前面電極層3及び裏
面金属電極層5は薄膜状であるので、比較的高い電気抵
抗率を有している。そのため、電流計27により観測さ
れる電流値は、電力の供給先として選択したプローブ対
23と短絡部9との間の距離に応じて異なる。すなわ
ち、短絡部9から最も近いプローブ対23で電流値が最
大となる。したがって、制御手段28で、セル10-1に
関して得られたデータを比較することにより、短絡部9
の位置を特定することができる。なお、観測される電流
の最大値が十分に小さい場合、例えば約10mA以下で
ある場合は、セル10-1において短絡部9は存在しない
ものと判断することができる。
【0057】このようにして短絡部9の位置を特定した
後、制御手段28により、切替手段26において電力を
供給すべきプローブ対23、すなわち短絡部9から最も
近いプローブ対23を選択する。このとき、制御手段2
8により、電源25からの出力電圧を、短絡部9を絶縁
するのに十分であり且つその他の領域へ印加される電圧
が電圧降下により十分に低いレベルとなる程度、例えば
2V〜10V程度とすれば、正常部へのダメージを抑制
しつつ欠陥を修復することができる。
【0058】通常、上記欠陥修復工程を終えた後、上記
短絡部9が絶縁されたこと及び別の短絡部が存在しない
ことを確認するために、再度、セル10-1について短絡
部の位置を特定する工程を実施する。ここで短絡部9が
完全に絶縁されていない場合或いは新たな短絡部が見出
された場合は、上記短絡部絶縁工程を実施する。このよ
うに、短絡部の位置を特定する工程と短絡部を絶縁する
工程とを繰り返し行うことにより、セル10-1の全ての
短絡部を絶縁する。
【0059】上述した方法によりセル10-1の欠陥を修
復した後、第2の移動機構を用いて、フレーム21-1,
21-2を上昇させ、プローブ23をセル10-1,10-2
の金属裏面電極層5から離間させる。次に、第1の移動
機構を用いて、欠陥修復工程を施していないセル10、
例えばセル10-2がフレーム21-1の直下に位置するよ
うに位置合わせする。さらに、第2の移動機構を用い
て、フレーム21-1,21-2を下降させ、プローブ23
を金属裏面電極層5に接触させる。その後、セル10-2
についても、上述した欠陥修復工程を実施する。
【0060】以上の処理を全てのセル10に対して実施
した後、通常、モジュール1の裏面側に封止樹脂層(図
示せず)を介して有機保護フィルム(図示せず)を設け
る。この封止樹脂層は、透明基板2上に形成された各薄
膜光電変換セル10を封止するものであり、有機保護フ
ィルムをこれらセル10に接着することが可能な樹脂が
用いられる。そのような樹脂としては、例えば、EVA
(エチレン・ビニルアセテート共重合体)等を用いるこ
とができる。また、有機保護フィルムとしては、ポリフ
ッ化ビニルフィルム(例えば、テドラーフィルム(登録
商標名))等が用いられる。これら封止樹脂/有機保護
フィルムは、真空ラミネート法により薄膜光電変換モジ
ュール1の裏面側に同時に貼着することができる。
【0061】以上説明したように、本実施形態による
と、比較的低いレベルの逆バイアス電圧を印加すること
により短絡部9の位置が特定され、さらにこの短絡部9
に対して選択的により高いレベルの逆バイアス電圧を印
加することにより短絡部9の絶縁が行われる。したがっ
て、本実施形態によると、正常部へのダメージを抑制し
つつ欠陥を修復すること、すなわち、モジュール出力が
十分に向上された薄膜光電変換モジュール1を製造する
ことが可能である。
【0062】また、上述したように、本実施形態による
と、セル10において複数箇所で電流値が測定される。
そのため、欠陥修復前の電流値データを蓄積して欠陥が
発生した位置の分布を調べること等により、前工程の問
題を容易に発見することができる。例えば、欠陥がラン
ダムに発生せずに常に一定の場所に偏って発生する場合
や、欠陥修復後の電流値データから特定の位置で常に高
い電流値が観測される場合等には、薄膜光電変換ユニッ
ト4が不均一な厚さに形成されていると判断することが
できる。
【0063】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。
【0064】(実施例)以下に示す方法により、図1に
示す薄膜光電変換モジュール1を作製し、その後、図2
及び図3に示す欠陥修復装置21を用いてモジュール1
の欠陥を修復した。
【0065】まず、一方の主面にSnO2膜3を有する
910mm×450mmのガラス基板を準備した。次
に、YAGレーザを用いて基板1の長辺に平行にレーザ
スキャンすることにより、SnO2膜3をスクライブし
て複数の帯状パターンに分割した。
【0066】その後、プラズマCVD法により、SnO
2膜3上に、厚さ10nmのp型水素含有非晶質シリコ
ンカーバイド層、厚さ300nmのi型水素含有非晶質
シリコン層、及び厚さ10nmのn型水素含有微結晶シ
リコン層を順次成膜した。なお、p型水素含有非晶質シ
リコンカーバイド層は不純物としてボロンをドープさ
れ、i型水素含有非晶質シリコン層はノンドープであ
り、n型水素含有微結晶シリコン層は燐をドープされて
いる。以上のようにして、p−i−n接合を有する薄膜
光電変換ユニット4を形成した。
【0067】次に、YAGレーザを用いて基板1の長辺
に平行にレーザスキャンすることにより、この薄膜光電
変換ユニット4のスクライブを行い、薄膜光電変換ユニ
ット4を複数の帯状パターンに分割した。
【0068】次に、薄膜光電変換ユニット4上に、スパ
ッタ法により、厚さ90nmのZnO膜(図示せず)及
び厚さ300nmのAg膜5を順次成膜して裏面電極層
を形成した。この裏面電極層についても、同様に、YA
Gレーザを用いたレーザスクライブを行い、複数の帯状
パターンに分割した。
【0069】続いて、YAGレーザを用いて基板2の短
辺に平行にレーザスクライブを行い、SnO2膜3、薄
膜光電変換ユニット4、及び裏面電極層をそれぞれ基板
2の長辺方向に分割した。その後、YAGレーザ等を用
いたレーザスクライブにより発電領域を確定した。以上
のようにして、それぞれ890mm×8.5mmのサイ
ズを有し且つ基板2の短辺に平行な方向に直列接続され
た50段の薄膜光電変換セル10を形成した。
【0070】さらに、セル10が形成する直列アレイの
両端部に一対の電極バスバー(図示せず)を設けること
により、図1に示すモジュール1を得た。
【0071】以上説明した方法で10枚のモジュール1
を製造し、それぞれについて、光源としてキセノンラン
プを用いた放射照度100mW/cm2、AM1.5の
ソーラーシュミレータにより出力特性を調べた。なお、
測定温度は25℃とした。その結果、モジュール1の最
大出力は平均で30Wであった。
【0072】次に、これらモジュール1のそれぞれに対
し、図2及び図3に示す装置21を用いて上述した欠陥
修復処理を施した。なお、フレーム22-1,22-2のそ
れぞれにおけるプローブ23の間隔は5cmとし、プロ
ーブ23としては金属からなり直径1mm程度で先端が
曲面で構成されたものを用いた。また、短絡部9の位置
を特定する工程においては逆バイアス電圧として1Vの
矩形波を0.5秒間印加し、短絡部9を絶縁する工程に
おいては逆バイアス電圧として8Vの矩形波を0.5秒
間印加した。
【0073】それぞれのセル10について、観測される
電流値が全て10mA以下となるまで欠陥修復工程を繰
り返し行い、全てのセル10の欠陥修復工程を終了した
後に、上記条件下でモジュール1の出力特性を調べた。
その結果、モジュール1の最大出力の平均値は35Wに
まで向上した。
【0074】(比較例)上記実施例に示したのと同様の
方法により図1に示す薄膜光電変換モジュール1を10
枚製造した。これらモジュール1について、上記実施例
1に示したのと同様の条件下で出力特性を調べたとこ
ろ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0075】次に、これらモジュール1について、従来
の欠陥修復処理を実施した。すなわち、短絡部9の位置
を特定する工程を実施せず、短絡部9を絶縁する工程に
おいて全てのプローブに等しい電圧を同時に印加したこ
と以外は上記実施例と同様にしてセル10の欠陥を修復
した。なお、本比較例においては、短絡部9を絶縁する
際に、逆バイアス電圧として8Vの矩形波を0.5秒間
印加した。また、各セル10につき欠陥修復工程は1回
のみ行った。
【0076】全てのセル10の欠陥修復工程を終了した
後に、上記条件下でモジュール1の出力特性を調べた。
その結果、モジュール1の最大出力の平均値は33.5
Wまで向上したに過ぎず、上記実施例ほど出力を向上さ
せる効果は得られなかった。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
比較的低いレベルの逆バイアス電圧を印加することによ
り短絡部の位置が特定され、短絡部の絶縁はより高いレ
ベルの逆バイアス電圧をこの短絡部の位置或いはその近
傍に印加することにより行われる。そのため、本発明に
よると、正常部へのダメージを抑制しつつ欠陥を修復す
ること、換言すると、モジュール出力が十分に向上され
た薄膜光電変換モジュールを製造することが可能であ
る。
【0078】すなわち、本発明によると、モジュール出
力が十分に向上された薄膜光電変換モジュールを製造す
ることを可能とする薄膜光電変換セルの欠陥修復方法、
薄膜光電変換モジュールの製造方法、及び薄膜光電変換
モジュールの欠陥修復装置が提供される。また、本発明
によると、正常部へのダメージを抑制しつつ欠陥を修復
することが可能な薄膜光電変換セルの欠陥修復方法、薄
膜光電変換モジュールの製造方法、及び薄膜光電変換モ
ジュールの欠陥修復装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る欠陥修復工程を実施
する前の薄膜光電変換モジュールを概略的に示す断面
図。
【図2】本発明の一実施形態に係る薄膜光電変換モジュ
ールの欠陥修復装置を概略的に示す斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係る薄膜光電変換モジュ
ールの欠陥修復装置を概略的に示す図。
【符号の説明】
1…薄膜光電変換モジュール 2…透明基板 3…透明前面電極層 4…薄膜光電変換ユニット 5…裏面金属電極層 6〜8…溝 9…ピンホールまたは短絡部 10…薄膜光電変換セル 21…欠陥修復装置 22…フレーム 23…プローブ 24…配線 25…電源 26…切替手段 27…電流計 28…制御機構 30,31…矢印

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に第1の電極層、薄膜光電変換ユ
    ニット、及び第2の電極層を順次積層した構造を有する
    薄膜光電変換セルの欠陥修復方法であって、 前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に第1の逆
    バイアス電圧を印加することにより前記薄膜光電変換セ
    ルを流れる電流値を複数箇所で測定し、前記第1の電極
    層と前記第2の電極層との短絡部の位置を前記電流値の
    違いに基づいて特定する工程と、 前記短絡部の位置で前記第1の電極層と前記第2の電極
    層との間に前記第1の逆バイアス電圧よりも高い第2の
    逆バイアス電圧を印加して前記短絡部を加熱し、それに
    より前記短絡部を絶縁する工程とを含むことを特徴とす
    る薄膜光電変換セルの欠陥修復方法。
  2. 【請求項2】 前記短絡部を絶縁する工程の後に、前記
    短絡部の位置を特定する工程を再度行うことを特徴とす
    る請求項1に記載の欠陥修復方法。
  3. 【請求項3】 前記短絡部の位置を特定する工程と前記
    短絡部を絶縁する工程とを繰り返し行うことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の薄膜光電変換セルの欠陥修
    復方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の逆バイアス電圧は0.1V〜
    2Vであり、前記第2の逆バイアス電圧は2V〜10V
    であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載の薄膜光電変換セルの欠陥修復方法。
  5. 【請求項5】 基板上に第1の電極層、薄膜光電変換ユ
    ニット、及び第2の電極層を順次積層した構造をそれぞ
    れ有し且つ相互に直列接続された複数の薄膜光電変換セ
    ルをそれぞれ短冊状に形成する工程と、 前記複数の薄膜光電変換セルの少なくとも1つにおい
    て、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間に第1
    の逆バイアス電圧を印加することにより流れる電流値を
    その長手方向に沿った複数箇所で測定し、前記第1の電
    極層と前記第2の電極層との短絡部の位置を前記電流値
    の違いに基づいて特定する工程と、 前記短絡部の位置で前記第1の電極層と前記第2の電極
    層との間に前記第1の逆バイアス電圧よりも高い第2の
    逆バイアス電圧を印加して前記短絡部を加熱し、それに
    より前記短絡部を絶縁する工程とを含むことを特徴とす
    る薄膜光電変換モジュールの製造方法。
  6. 【請求項6】 基板上に第1の電極層、薄膜光電変換ユ
    ニット、及び第2の電極層を順次積層した構造をそれぞ
    れ有し且つ相互に直列接続された複数の薄膜光電変換セ
    ルを有する薄膜光電変換モジュールの各薄膜光電変換セ
    ルに形成された短絡部を絶縁処理する欠陥修復装置であ
    って、 それぞれ相互に離間された一対の端子からなる複数の端
    子対を、該複数の端子対のそれぞれにおいて前記一対の
    端子の一方が前記複数の薄膜光電変換セルの隣り合う2
    つの一方と接触するように及び前記一対の端子の他方が
    前記複数の薄膜光電変換セルの隣り合う2つの他方と接
    触するように配列してなる端子対アレイと、 前記端子対アレイを前記薄膜モジュールの第2の電極層
    に対して相対的に接離移動させる移動機構と、 前記端子対アレイに接続され、前記複数の端子対のいず
    れか1つを選択して該選択された端子対に対して第1の
    電圧及び該第1の電圧よりも高い第2の電圧のいずれか
    一方を印加する電力供給機構と、 前記選択された端子対を流れる電流値を測定する電流計
    測手段と、 前記電力供給機構と前記電流計測手段とに接続され、前
    記第1の電圧を印加した際に前記電流計測手段で測定さ
    れた前記電流値に関する情報を前記選択された端子対に
    対応して記憶し、前記複数の端子対の中から前記電流値
    が最大となるものを選択するのとともに、前記電力供給
    機構の出力及びその供給先を制御する制御機構とを具備
    することを特徴とする欠陥修復装置。
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