JP2001085709A - 薄膜光電変換モジュール - Google Patents

薄膜光電変換モジュール

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JP2001085709A
JP2001085709A JP26221499A JP26221499A JP2001085709A JP 2001085709 A JP2001085709 A JP 2001085709A JP 26221499 A JP26221499 A JP 26221499A JP 26221499 A JP26221499 A JP 26221499A JP 2001085709 A JP2001085709 A JP 2001085709A
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thin
film photoelectric
electrode layer
conversion unit
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JP26221499A
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English (en)
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Katsuhiko Hayashi
克彦 林
Hideo Yamagishi
英雄 山岸
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】セルの1つが遮光された場合においても、その
セルが過剰に加熱されることのない薄膜光電変換モジュ
ールを提供すること。 【解決手段】本発明の薄膜光電変換モジュール1は、基
板2と該基板2上に形成され且つ直列接続された複数の
薄膜光電変換セル10とを具備する薄膜光電変換モジュ
ール1であって、前記複数の薄膜光電変換セル10は、
それぞれ、透明前面電極層3と、該透明前面電極層3上
に設けられた薄膜光電変換ユニット4と、該薄膜光電変
換ユニット4上に設けられた導電性の透明酸化物層5
と、該透明酸化物層5上に設けられた金属裏面電極層6
と、前記透明前面電極層3と前記金属裏面電極層6とに
挟まれた領域7の一部で前記薄膜光電変換ユニット4の
一方の面と接触する金属部8とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜光電変換モジ
ュールに係り、特には複数の薄膜光電変換セルを直列接
続してなる薄膜光電変換モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】複数の薄膜光電変換セルを直列接続して
なる薄膜光電変換モジュールにおいては、ある薄膜光電
変換セルの受光面に木の葉や鳥の糞などが付着すると、
そのセルの光起電力が低下する。この光起電力の低下を
生じたセルは、発電方向と逆方向に直列接続されたダイ
オードとして振る舞い、極めて大きな抵抗値を示す。そ
のため、複数のセルを直列接続したモジュールにおいて
は、1つのセルの光起電力が低下しただけで、モジュー
ル全体の出力が大幅に低下してしまう。
【0003】ところで、遮光したセルに逆バイアス電圧
を印加して、その絶縁破壊を生じさせた場合、セル内で
は電流が不均一に流れるため、ホットスポット現象と呼
ばれる局所的な加熱が生じる。このような加熱は、セル
を流れる電流が大きい場合には、金属裏面電極層を溶融
させ、最終的にはそのセルの金属裏面電極層と透明前面
電極層とを短絡させる。
【0004】このように金属裏面電極層と透明前面電極
層とが短絡されると、そのセルの抵抗値は短絡前に比べ
て格段に小さくなる。したがって、これらの短絡を生じ
させることにより、モジュールの出力を実用的なレベル
にまで回復させ、遮光されたセルの加熱も停止させるこ
とができる。
【0005】しかしながら、一般に、金属裏面電極層と
透明前面電極層との短絡は容易には生じない。そのた
め、従来のモジュールにおいては、遮光されたセルが極
めて高温にまで加熱されることがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであって、セルの1つが遮光され
た場合においても、そのセルが過剰に加熱されることの
ない薄膜光電変換モジュールを提供することを目的とす
る。
【0007】また、本発明は、高い信頼性を有する薄膜
光電変換モジュールを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するに当たり、まず、以下の事実に着目した。薄
膜光電変換セルにおいては、薄膜光電変換ユニットと金
属裏面電極層との間の密着性を高めること等を目的とし
て、通常、薄膜光電変換ユニットと金属裏面電極層との
間に導電性の透明酸化物層が設けられる。しかしなが
ら、一般に、透明酸化物は金属に比べて高融点である。
そのため、従来の薄膜光電変換ユニットでは金属裏面電
極層と透明前面電極層との間の短絡が妨げられ、セルが
極めて高温にまで加熱されてしまうのである。
【0009】本発明者らは、上記事実に基づいて研究を
重ねた結果、金属裏面電極層と透明前面電極層との間に
位置する領域の一部で金属裏面電極層と薄膜光電変換ユ
ニットとが接触する構造を採用することにより、薄膜光
電変換ユニットと金属裏面電極層との間の密着性を十分
に高いレベルに維持しつつ、セルに局所的に大電流が流
れた際に金属裏面電極層と透明前面電極層との間の短絡
を直ちに生じさせ得ることを見出した。さらに、本発明
者らは、金属裏面電極層と透明前面電極層との間に位置
する領域の一部で、薄膜光電変換ユニットに接して金属
部を設ければ、同様の効果が得られることを見出した。
【0010】すなわち、本発明によると、基板と該基板
上に形成され且つ直列接続された複数の薄膜光電変換セ
ルとを具備する薄膜光電変換モジュールであって、前記
複数の薄膜光電変換セルは、それぞれ、透明前面電極層
と、該透明前面電極層上に設けられた薄膜光電変換ユニ
ットと、該薄膜光電変換ユニット上に設けられた導電性
の透明酸化物層と、該透明酸化物層上に設けられた金属
裏面電極層と、前記透明前面電極層と前記金属裏面電極
層とに挟まれた領域の一部で前記薄膜光電変換ユニット
の一方の面と接触する金属部とを具備することを特徴と
する薄膜光電変換モジュールが提供される。
【0011】本発明において、薄膜光電変換ユニットと
金属部との接触面積は、薄膜光電変換ユニットの一方の
面の透明前面電極層と金属裏面電極層とに挟まれた領域
の面積の0.5%〜10%であることが好ましい。
【0012】また、本発明において、金属部は、例え
ば、前記薄膜光電変換ユニットの裏面側に接するように
及び前記薄膜光電変換ユニットと前記金属裏面電極層と
を連絡するように設けられる。この場合、金属部と金属
裏面電極層とを同一の材料で構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながらより詳細に説明する。なお、各図に
おいて同様の部材には同一の参照符号を付し、重複する
説明は省略する。
【0014】まず、第1の実施形態について、図1及び
図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の
実施形態に係る薄膜光電変換モジュールを概略的に示す
上面図である。図1に示すように、第1の実施形態に係
る薄膜光電変換モジュール1は、透明基板2上に帯状の
薄膜光電変換セル10を集積した構造を有しており、こ
れら薄膜光電変換セル10はその短軸方向に直列接続さ
れて直列アレイ11を形成している。また、直列アレイ
11の両端にはリボン状の銅箔等からなる一対の電極バ
スバー12がそれぞれ接続されている。
【0015】図2は、図1に示す薄膜光電変換モジュー
ル1のA−A線に沿った断面図である。なお、図2に
は、モジュール1の一部のみが描かれている。
【0016】図2に示すように、モジュール1の薄膜光
電変換セル10は、透明基板2上に、透明前面電極層
3、薄膜光電変換ユニット4、透明酸化物層5、及び金
属裏面電極層6を順次積層した構造を有している。すな
わち、このモジュール1は、透明基板2側から入射する
光を光電変換ユニット4により光電変換するものであ
る。
【0017】第1の実施形態に係る光電変換モジュール
1において、透明基板2は、ガラス板や透明樹脂フィル
ム等により構成することができる。透明基板1上に形成
される透明前面電極層3は、ITO膜、SnO2膜、或
いはZnO膜のような透明導電性酸化物層等で構成する
ことができる。透明前面電極層3は単層構造でも多層構
造であってもよい。透明前面電極層3は、蒸着法、CV
D法、或いはスパッタリング法等それ自体既知の気相堆
積法を用いて形成することができる。
【0018】透明前面電極層3の表面は、微細な凹凸を
含む表面テクスチャ構造を有することが好ましい。透明
前面電極層3の表面にこのようなテクスチャ構造を形成
することにより、光電変換ユニット4への光の入射効率
を向上させることができる。
【0019】透明前面電極層3の上に形成される薄膜光
電変換ユニット4は、例えば、透明前面電極層3上にp
型非単結晶シリコン系半導体層、非単結晶シリコン系薄
膜光電変換層、及びn型非単結晶シリコン系半導体層を
順次積層した構造を有する。これらp型半導体層、光電
変換層およびn型半導体層はいずれもプラズマCVD法
により形成することができる。
【0020】p型シリコン系半導体層は、シリコンまた
はシリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等のシリ
コン合金に、ボロンやアルミニウム等のp導電型決定不
純物原子をドープすることにより形成されている。
【0021】p型半導体層上に形成される光電変換層
は、非単結晶シリコン系半導体材料で形成され、そのよ
うな材料には、真性半導体のシリコン(水素化シリコン
等)やシリコンカーバイド及びシリコンゲルマニウム等
のシリコン合金等が含まれる。また、光電変換機能を十
分に備えていれば、微量の導電型決定不純物を含む弱p
型もしくは弱n型のシリコン系半導体材料も用いられ得
る。
【0022】光電変換層上に形成されるn型シリコン系
半導体層は、シリコンまたはシリコンカーバイドやシリ
コンゲルマニウム等のシリコン合金に、燐や窒素等のn
導電型決定不純物原子をドープすることにより形成され
ている。
【0023】光電変換ユニット4上に形成される透明酸
化物層5は、光電薄膜ユニット4と後述する金属裏面電
極層6との接着性を高めること等を目的として設けられ
る。透明酸化物層5は、通常、50nm〜150nmの
厚さを有しており、例えば、ZnOのような導電性の透
明酸化物を用いてスパッタリング法等により形成するこ
とができる。
【0024】透明酸化物層5上に形成される金属裏面電
極層6は電極としての機能を有するだけでなく、透明基
板2から光電変換ユニット4に入射し裏面電極層6に到
達した光を反射して光電変換ユニット4内に再入射させ
る反射層としての機能も有している。金属裏面電極層6
は、銀等を用いて、蒸着法やスパッタリング法等により
形成することができる。
【0025】上述した透明前面電極層3、薄膜光電変換
ユニット4、透明酸化物層5、及び金属裏面電極層6
は、それぞれの成膜後にYAGレーザ等を用いたレーザ
スクライブにより分割され、図1に示すように直列接続
された複数の薄膜光電変換セル10を形成している。
【0026】上記モジュール1には、通常、その裏面側
に、封止樹脂層(図示せず)を介して有機保護フィルム
(図示せず)が設けられる。封止樹脂層は、透明基板2
上に形成された各薄膜光電変換セル10を封止するもの
であり、有機保護フィルムをこれらセル10に接着する
ことが可能な樹脂が用いられる。そのような樹脂として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び光硬化性樹脂等
を挙げることができ、例えば、EVA(エチレン・ビニ
ルアセテート共重合体)、PVB(ポリビニルブチラー
ル)、PIB(ポリイソブチレン)、及びシリコーン樹
脂等を用いることができる。
【0027】有機保護フィルムとしては、ポリフッ化ビ
ニルフィルム(例えば、テドラーフィルム(登録商標
名))のようなフッ素樹脂系フィルム或いはPETフィ
ルムのように耐湿性や耐水性に優れた絶縁性フィルムが
用いられる。有機保護フィルムは、単層構造でもよく、
これらを積層した積層構造であってもよい。さらに、有
機保護フィルムは、アルミニウム等からなる金属箔がこ
れらフィルムで挟持された構造を有してもよい。アルミ
ニウム箔のような金属箔は耐湿性や耐水性を向上させる
機能を有するので、有機保護フィルムをこのような構造
とすることにより、薄膜光電変換セル10をより効果的
に水分から保護することができる。
【0028】これら封止樹脂/有機保護フィルムは、真
空ラミネート法により薄膜光電変換モジュール1の裏面
側に同時に貼着することができる。
【0029】さて、第1の実施形態に係るモジュール1
おいて、透明酸化物層5は、領域7に、底面が薄膜光電
変換ユニット4の表面で構成された孔或いは溝を有して
いる。また、この孔或いは溝内には、金属裏面電極層6
を構成する材料からなる金属部8が形成されている。す
なわち、第1の実施形態に係るモジュール1において、
この孔或いは溝は金属裏面電極層6を構成する材料で充
填されている。なお、領域7は、透明前面電極層3と金
属裏面電極層6とに挟まれた領域であり、セル10に逆
バイアス電圧を印加した際に実効的な電圧が印加される
領域に対応している。
【0030】このモジュール1の電気的特性について、
図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の第1の
実施形態に係るモジュール1のセル10に関する電気的
特性を概略的に示すグラフである。図中、横軸はセル1
0に印加する逆バイアス電圧を示し、縦軸は逆バイアス
電圧印加直後にセル10を流れる電流を示している。ま
た、曲線20は金属部8を設けない場合のデータを示
し、曲線21は金属部8を設けた場合のデータを示して
いる。
【0031】金属部8を有していないモジュールでは、
曲線20に示すように、印加する逆バイアス電圧が所定
値(例えば8V)を超えても、逆バイアス電圧印加直後
にセルを流れる電流は小さい。これは、金属部8を設け
ない場合に金属裏面電極層と透明前面電極層との短絡を
生じさせるには、少なくとも透明酸化物層が溶融される
温度にまで加熱されねばならないため、金属裏面電極層
と透明前面電極層との短絡が直ちには生じないからであ
る。
【0032】それに対し、金属部8を設けたモジュール
1においては、曲線21に示すように、セル10に所定
の(例えば8V以上の)逆バイアス電圧を印加すると、
電圧印加直後からセル10を極めて大きな電流が流れ
る。これは、金属部8を設けた場合、金属裏面電極層6
と透明前面電極層3とを短絡させるのに透明酸化物層5
を溶融させる必要がないため、所定の逆バイアス電圧を
印加することによりそれらの短絡が直ちに生じるからで
ある。
【0033】このように、本実施形態に係るモジュール
1では、セル10に所定の逆バイアス電圧を印加した場
合に、金属部8と透明前面電極層3との間の短絡が透明
酸化物層5により妨げられることがない。したがって、
金属裏面電極層6と透明前面電極層3との間の短絡を直
ちに生じさせることができる。すなわち、セル10の1
つが遮光された際に、そのセル10が過剰に加熱される
のを防止することができ、高い信頼性を実現することが
できる。
【0034】上述した短絡は、8V以上の逆バイアス電
圧が印加された場合に生ずることが好ましい。薄膜光電
変換モジュール1の製造においては、セル10の欠陥部
を補修すること等を目的として逆バイアス電圧を印加す
ることがある。通常、そのような逆バイアス処理は8V
未満の電圧で行われるので、上述した短絡が8V以上の
逆バイアス電圧が印加された場合に生ずるように設計す
ることにより、逆バイアス処理時の不所望な短絡を防止
することができる。
【0035】また、本実施形態に係るモジュール1で
は、通常、上述した短絡が10V以下の逆バイアス電圧
で直ちに生ずるように設計される。この場合、セル10
が200℃以上に加熱されるのを防止することができ
る。
【0036】上記短絡を生じさせ得る逆バイアス電圧の
大きさは、金属部8のサイズや数等により制御すること
ができる。1つのセル10には、好ましくは、1個〜3
個の金属部8が設けられる。また、金属部8と薄膜光電
変換ユニット4との接触面積は、好ましくは、薄膜光電
変換ユニット4の一方の面の領域7に位置する部分の
0.5%〜10%となるように設計され、より好ましく
は1%程度となるように設計される。
【0037】本実施形態において、金属部8と金属裏面
電極層6とは同一の材料からなる。したがって、透明酸
化物層5にレーザスクライブ等により金属部8に対応す
る孔或いは溝を形成した後に金属裏面電極層6を成膜す
ることにより、金属部8と金属裏面電極層6とを同時に
形成することができる。
【0038】以上説明した第1の実施形態においては、
透明酸化物層8の孔或いは溝内に金属部8が形成された
構造を採用したが、他の構造を採用することも可能であ
る。
【0039】図4は、本発明の第2の実施形態に係る薄
膜光電変換モジュールを概略的に示す断面図である。図
4に示すモジュール1は、図2に示すモジュール1とほ
ぼ同様の構造を有しているが、金属部8が透明前面電極
層3上に形成されている点で異なっている。
【0040】図4に示すモジュール1においても、セル
10に所定の逆バイアス電圧を印加した場合に、金属部
8と金属裏面電極層6との間の短絡が透明酸化物層5に
より妨げられることがない。したがって、金属裏面電極
層6と透明前面電極層3との間の短絡を直ちに生じさせ
ることができる。すなわち、セル10の1つが遮光され
た際に、そのセル10が過剰に加熱されるのを防止する
ことができる。
【0041】なお、本実施形態においては、金属部8と
金属裏面電極層6とは別体として形成される。したがっ
て、金属部8と金属裏面電極層6とをそれぞれ異なる材
料で構成することができる。金属部8に用いられる材料
としては、例えば、銀やアルミニウム等を挙げることが
できる。
【0042】また、金属部8をバナジウムやクロム等で
構成した場合、あるセル10の金属裏面電極層6と透明
前面電極層3とを短絡させたとしても、そのセル10に
順方向に電圧を印加することにより金属裏面電極層6と
透明前面電極層3とを再び絶縁状態とすることができ
る。すなわち、セル10が破壊されたとしても、容易に
修復することができる。
【0043】上記第1及び第2の実施形態のモジュール
1では、金属部8が薄膜光電変換ユニット4と直接接触
した構造を採用したが、金属部8と薄膜光電変換ユニッ
ト4とは必ずしも直接接触させる必要はない。例えば、
金属部8と薄膜光電変換ユニット4との間に金属部8に
比べて高融点の導電性薄膜を介在させた場合、すなわ
ち、金属部8と薄膜光電変換ユニット4とを導電性薄膜
を介して間接接触させた場合、その薄膜の融点が透明酸
化物層5の融点以下であり且つその膜厚が透明酸化物層
5の膜厚の50%以下であれば、直接接触させた場合ほ
どではないが、上述した効果を得ることができる。
【0044】また、第1及び第2の実施形態は、透明基
板2上に、透明前面電極層3、p−i−n接合を有する
薄膜光電変換ユニット4、透明酸化物層5、及び金属裏
面電極層6を順次積層した構造に関するものであるが、
他の構造を採用することもできる。例えば、基板上に、
金属裏面電極層、透明酸化物層、n−i−p接合を有す
る薄膜光電変換ユニット、及び透明前面電極層を順次積
層した構造を採用することができる。また、薄膜光電変
換ユニット4をタンデム型とすることも可能である。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例)図5は、本発明の実施例に係る薄膜光電変換
モジュールを概略的に示す上面図である。なお、図5に
示す薄膜光電変換モジュール1は、金属部8の形状が異
なること以外は、図1及び図2に示す薄膜光電変換モジ
ュールとほぼ同様の構造を有している。したがって、図
5に示す薄膜光電変換モジュール1の製造方法について
は、図2及び図5を参照しながら説明する。
【0046】まず、YAGレーザを用いて基板1の長辺
に平行にレーザスキャンすることにより、ガラス基板2
の一方の主面に形成されたSnO2膜3をスクライブし
て複数の帯状パターンに分割した。
【0047】次に、プラズマCVD法により、SnO2
膜3上に、厚さ10nmのp型水素含有非晶質シリコン
カーバイド層、厚さ300nmのi型水素含有非晶質シ
リコン層、及び厚さ10nmのn型水素含有微結晶シリ
コン層を順次成膜した。なお、p型水素含有非晶質シリ
コンカーバイド層は不純物としてボロンをドープされ、
i型水素含有非晶質シリコン層はノンドープであり、n
型水素含有微結晶シリコン層は燐をドープされている。
以上のようにして、p−i−n接合を有する薄膜光電変
換ユニット4を形成した。
【0048】その後、YAGレーザを用いて基板1の長
辺に平行にレーザスキャンすることにより、この薄膜光
電変換ユニット4のスクライブを行い、薄膜光電変換ユ
ニット4を複数の帯状パターンに分割した。
【0049】次に、薄膜光電変換ユニット4上に、スパ
ッタ法により、厚さ100nmのZnO膜5を形成し
た。このZnO膜5の成膜は、マスク蒸着により、上述
した複数の帯状パターンの一端から幅2mmの領域に成
膜されないように行った。すなわち、上述した複数の帯
状パターンの一端に縦10mm×横2mmの非成膜領域
15がそれぞれ形成されるようにZnO膜5を成膜し
た。
【0050】さらに、ZnO膜5及び非成膜領域15上
に、スパッタ法により、厚さ300nmのAg膜6を成
膜した。なお、本実施例において、非成膜領域15上に
形成したAg膜6は金属部8を兼ねている。これらZn
O膜5及びAg膜6についても、YAGレーザを用いた
レーザスクライブを行い、複数の帯状パターンに分割し
た。
【0051】以上のようにして、縦10mm×横800
mmの薄膜光電変換セル10を縦方向に(基板2の短辺
に平行に)50段直列接続してなる直列アレイ11を形
成した。なお、この直列アレイ11において、個々のセ
ル10には、それぞれ1個の金属部8が設けられてい
る。また、図2に示す領域5の面積はおよそ76cm2
である。
【0052】以上のようにして直列アレイ11を形成し
た後、直列アレイ11の両端部に一対の電極バスバー1
2をそれぞれ取り付けることにより、図5に示すモジュ
ール1を得た。
【0053】上述した方法で10枚のモジュール1を製
造し、それぞれについて、光源としてキセノンランプを
用いた放射照度100mW/cm2、AM1.5のソー
ラーシュミレータにより出力特性を調べた。なお、測定
温度は25℃とした。その結果、直列アレイ11の開放
電圧は43Vであり、短絡電流は1Aであった。
【0054】次に、これらモジュール1をそれぞれ短絡
して、上記照射条件下で出力電流の変化を観測した。な
お、このとき、それぞれのモジュール1においては、セ
ル10の1つには光を照射せずに、その光起電力をゼロ
とした。すなわち、遮光したセル10に42Vの逆バイ
アス電圧を印加した。
【0055】出力電流が大きく増加した時点でSnO2
膜3とAg膜6とが短絡されたと判断し、光照射開始か
ら出力電流が大きく増加するまでの時間を測定した。そ
の結果、これらモジュール1の出力電流は、光照射開始
直後に1Aに達し、その後はほぼ一定であった。また、
遮光したセル10が過剰に加熱されることはなく、その
温度が200℃に達することはなかった。
【0056】(比較例)金属部8を設けずに上記実施例
と同様の方法により10枚のモジュールを製造した。す
なわち、金属部8のための非成膜領域15を形成せずに
ZnO膜5を成膜したこと以外は上記実施例と同様の方
法により10枚のモジュールを製造した。
【0057】これらモジュールについても上記実施例と
同様の条件で出力特性を調べた。その結果、直列アレイ
の開放電圧は43Vであり、短絡電流は1Aであった。
【0058】次に、これらモジュール1をそれぞれ短絡
して、上述したのと同様の照射条件下で出力電流の変化
を観測した。なお、このとき、それぞれのモジュール1
においては、セル10の1つには光を照射せずに、その
光起電力をゼロとした。すなわち、遮光したセル10に
42Vの逆バイアス電圧を印加した。
【0059】出力電流が大きく増加した時点でSnO2
膜3とAg膜6とが短絡されたと判断し、光照射開始か
ら出力電流が大きく増加するまでの時間を測定した。そ
の結果、これらモジュール1の出力電流は、光照射開始
から1秒後に急激に増加し、最終的には1Aに達した。
また、遮光したセル10は過剰に加熱され、その温度は
200℃を遥かに超えた。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
透明前面電極層と金属裏面電極層とに挟まれた領域の一
部で薄膜光電変換ユニットの一方の面と接触する金属部
が設けられる。このような金属部を設けた場合、透明前
面電極層と金属裏面電極層とを比較的低温で短絡させる
ことができる。
【0061】したがって、本発明によると、セルの1つ
が遮光された場合においても、そのセルが過剰に加熱さ
れることのない薄膜光電変換モジュールが提供される。
また、本発明によると、高い信頼性を有する薄膜光電変
換モジュールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る薄膜光電変換モ
ジュールを概略的に示す上面図。
【図2】図1に示す薄膜光電変換モジュールのA−A線
に沿った断面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る薄膜光電変換モ
ジュールの薄膜光電変換セルに印加した逆バイアス電圧
とそれにより流れる電流との関係の一例を示すグラフ。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る薄膜光電変換モ
ジュールを概略的に示す断面図。
【図5】本発明の実施例に係る薄膜光電変換モジュール
を概略的に示す上面図。
【符号の説明】
1…薄膜光電変換モジュール 2…基板 3…透明前面電極層 4…薄膜光電変換ユニット 5…透明酸化物層 6…金属裏面電極層 7,15…領域 8…金属部 10…薄膜光電変換セル 11…直列アレイ 12…電極バスバー 20,21…曲線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と該基板上に形成され且つ直列接続
    された複数の薄膜光電変換セルとを具備する薄膜光電変
    換モジュールであって、 前記複数の薄膜光電変換セルは、それぞれ、 透明前面電極層と、 該透明前面電極層上に設けられた薄膜光電変換ユニット
    と、 該薄膜光電変換ユニット上に設けられた導電性の透明酸
    化物層と、 該透明酸化物層上に設けられた金属裏面電極層と、 前記透明前面電極層と前記金属裏面電極層とに挟まれた
    領域の一部で前記薄膜光電変換ユニットの一方の面と接
    触する金属部とを具備することを特徴とする薄膜光電変
    換モジュール。
  2. 【請求項2】 前記薄膜光電変換ユニットと前記金属部
    との接触面積は、薄膜光電変換ユニットの一方の面の前
    記透明前面電極層と前記金属裏面電極層とに挟まれた領
    域の面積の0.5%〜10%であることを特徴とする請
    求項1に記載の薄膜光電変換モジュール。
  3. 【請求項3】 前記金属部は前記薄膜光電変換ユニット
    の裏面側に接するように及び前記薄膜光電変換ユニット
    と前記金属裏面電極層とを連絡するように設けられたこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜光電変換
    モジュール。
  4. 【請求項4】 前記金属部と前記金属裏面電極層とは同
    一の材料からなることを特徴とする請求項3に記載の薄
    膜光電変換モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010001729A1 (ja) * 2008-06-30 2010-01-07 シャープ株式会社 太陽光発電装置の補修方法と太陽光発電装置

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