JP2001068011A - n型ダイヤモンド電子放出素子及び電子デバイス - Google Patents

n型ダイヤモンド電子放出素子及び電子デバイス

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JP2001068011A
JP2001068011A JP23896099A JP23896099A JP2001068011A JP 2001068011 A JP2001068011 A JP 2001068011A JP 23896099 A JP23896099 A JP 23896099A JP 23896099 A JP23896099 A JP 23896099A JP 2001068011 A JP2001068011 A JP 2001068011A
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Japan
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electron
diamond semiconductor
semiconductor
electronic device
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JP23896099A
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Hisahiro Ando
寿浩 安藤
Yoichiro Sato
洋一郎 佐藤
Mika Gamo
美香 蒲生
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Japan Science and Technology Agency
National Institute for Research in Inorganic Material
Original Assignee
National Institute for Research in Inorganic Material
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型化及び平板化が可能で電子放出のしきい
値電圧が小さく、ダイヤモンドの負の電子親和力を効果
的に利用することのできる優れたn型ダイヤモンド電子
放出素子及び電子デバイスを提供する。 【解決手段】 基板2上に形成したn型ダイヤモンド半
導体4と、このダイヤモンド半導体の表面を水素化して
水素化表面を形成したNEA状態の表面6と、この表面
近傍に設けたアノード電極7と、n型ダイヤモンド半導
体の一部表面に形成したカソード電極8とを高真空容器
9内に備え、n型ダイヤモンド半導体を冷陰極として電
圧を印加し電子を放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は冷陰極の電子放出
源に利用し、電界により電子を放出するためのn型ダイ
ヤモンドの電子放出素子及び電子デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近時多く使われているブラウン管(以
下、「CRT」という)は表示デバイスとして現時点で
最適なものとされているが、そのサイズ、重量及び消費
電力が小さくできないという解決すべき課題がある。こ
れに代わり、最近では液晶ディスプレイが薄型表示素子
として利用されている。しかし、この液晶ディスプレイ
にも、視野角が狭いこと、大面積化が困難であること、
応答性が遅いこと、輝度が暗いこと等の解決すべき課題
がある。
【0003】これらに対して、最近、真空マイクロエレ
クトロニクスの分野では、マイクロバキューム(超小型
真空管)内に微細な電子エミッターをアレイ状に並べて
電子線を各画素ごとに照射する表示方式が知られてい
る。これは電子放出源として電界放出素子を用いて作製
されることからフィールドエミッターディスプレイ(以
下、「FED」という)と呼ばれている。このFEDで
は電界放出型電子放出素子の微小電極が2次元状に配列
され、電子の偏向及び収束が不要であり、表示装置が薄
型化及び平板化等されている。
【0004】ところで、ダイヤモンドは5.5eVとい
う広いバンドギャップを持つ半導体結晶であり、その水
素化面では負の電子親和力(以下、「NEA」という)
状態が観測され、電子放出素子としての応用が期待され
ている。
【0005】図8は半導体ダイヤモンドのバンド図と真
空中での電子準位(真空準位)との関連を示す図であ
り、(a)は通常の半導体のバンド図、(b)はダイヤ
モンド半導体のバンド図を示す。なお、図8において、
白丸は伝導電子、E0 は真空準位、Ec は伝導帯のエネ
ルギー、Ev は価電子帯のエネルギー、EG はエネルギ
ーギャップ、Xは{E0−Ec }で電子親和力を示す。
【0006】図8に示すように、通常の半導体では正の
電子親和力(以下、「PEA」という)を有しているた
め伝導帯にある電子は真空に放出されないが、負の電子
親和力を有するダイヤモンド半導体表面と真空との間で
は伝導帯にある電子が何のバリアもなく真空中へ放出さ
れることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ダイヤ
モンドにおいてはp型半導体のみが合成可能であって、
伝導帯に電子がほとんど存在しないため、伝導帯に電子
を注入するにはHe放電による紫外線照射によってダイ
ヤモンド中の電子を価電子帯から伝導帯に励起して、電
子が伝導帯の最下端レベルから真空中へ放出されること
になるが、紫外線などによって電子励起することは実用
的でない。
【0008】また、電子放出可能な形状の先端部を有す
るように、ダイヤモンド基板の表面上に成長させたダイ
ヤモンド突起を有する電子放出素子用ダイヤモンド部材
の提案はあるが(特開平10−312735号公報)、
ダイヤモンドの負の電子親和力を効果的に利用するため
には改善の余地がある。
【0009】そこで、本発明は上記の課題にかんがみ、
薄型化及び平板化が可能で電子放出のしきい値電圧が小
さく、ダイヤモンドの負の電子親和力を効果的に利用す
ることのできる優れたn型ダイヤモンド電子放出素子及
び電子デバイスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のn型ダイヤモンド電子放出素子は、n型ダ
イヤモンド半導体と、n型ダイヤモンド半導体表面を水
素化して負の電子親和力を有する水素化表面と、水素化
表面に対向して設けたアノード電極とを備え、n型ダイ
ヤモンド半導体を冷陰極として電子を放出する構成とし
た。また請求項2記載の発明は、上記構成に加え、水素
化表面に対向した面上にアノード電極を一つ以上設けた
ことを特徴とする。さらに請求項3記載の発明は、水素
化表面がマトリックス状に形成されていることを特徴と
するものである。
【0011】請求項4記載の発明は、n型ダイヤモンド
半導体がマトリックス状のメサ構造を有していることを
特徴とする。請求項5記載の発明は、n型ダイヤモンド
半導体表面の一部に酸化表面を形成していることを特徴
とするものである。請求項6記載の発明は、n型ダイヤ
モンド半導体表面が負の電子親和力及び正の電子親和力
を有していることを特徴とする。また、請求項7記載の
発明は、n型ダイヤモンド半導体表面とアノード電極と
の距離を調節することにより電子放出しきい値電圧を可
変にしたことを特徴とするものである。
【0012】このような構成のn型ダイヤモンド電子放
出素子によれば、n型ダイヤモンド半導体を冷陰極とし
てアノード電極にしきい値電圧を印加すると、負の電子
親和力を持つn型ダイヤモンド半導体が伝導帯の電子を
何のバリアもなく真空へ放出する。したがって、本発明
のn型ダイヤモンド電子放出素子は薄型化及び平板化が
可能で電子放出のしきい値電圧がきわめて小さく、ダイ
ヤモンドの負の電子親和力を効果的に利用して、電子を
放出することができる。
【0013】また本発明の電子デバイスのうち請求項8
記載の発明では、n型ダイヤモンド半導体と、n型ダイ
ヤモンド半導体表面を水素化して負の電子親和力を有す
る水素化表面と、水素化表面に対向して設けたアノード
透明電極と、アノード透明電極の表面に塗布した蛍光体
とを備え、n型ダイヤモンド半導体を冷陰極としてアノ
ード透明電極により電子を引き出し、電子が蛍光体に衝
突し発光する構成としている。また、請求項9記載の発
明は、上記構成に加え、アノード透明電極がバイアス電
圧切り換え可能な複数のアノード透明電極であって、複
数のアノード透明電極ごとに蛍光体を塗布している。請
求項10記載の発明は、アノード透明電極がカラーフィ
ルターを備えていることを特徴とする。
【0014】さらに請求項11記載の発明は、水素化表
面がマトリックス状に形成されていることを特徴とす
る。請求項12記載の発明は、n型ダイヤモンド半導体
がマトリックス状のメサ構造を有していることを特徴と
する。請求項13記載の発明は、n型ダイヤモンド半導
体表面の一部に酸化表面を形成していることを特徴とす
る。また請求項14記載の発明は、n型ダイヤモンド半
導体表面が負の電子親和力及び正の電子親和力を有して
いることを特徴とする。
【0015】このような構成の電子デバイスでは、n型
ダイヤモンド半導体を冷陰極とする電子放出源から電子
を引き出し、この電子が蛍光体に衝突し発光する。した
がって、本発明の電子デバイスは薄型化及び平板化が可
能な冷陰極電子源を有する装置を提供することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7に基づき、実質
的に同一又は対応する部材には同一符号を用いて、本発
明によるn型ダイヤモンド電子放出素子及び電子デバイ
スの好適な実施の形態を説明する。図1はこの発明に係
るn型ダイヤモンド電子放出素子の概略図である。図1
を参照すると、本発明に係るn型ダイヤモンド電子放出
素子10は、基板2上に形成されたn型ダイヤモンド半
導体4と、このダイヤモンド半導体の表面を水素化して
水素化表面を形成したNEA状態の表面6と、この表面
近傍に設けたアノード電極7と、n型ダイヤモンド半導
体の一部表面に形成されたカソード電極8とを高真空容
器9内に備え、n型ダイヤモンド半導体を冷陰極として
電圧を印加し電子を放出するものである。
【0017】アノード電極7は金属であればよいが、本
実施の形態では金(Au)を使用した。さらに複数のア
ノード電極を冷陰極のn型ダイヤモンド半導体に対向さ
せて設ければ面電子源となる。また基板2はダイヤモン
ド基板でよい。なお、図1中、dはアノード電極と表面
との距離を示し、3は電源を示す。
【0018】n型ダイヤモンド半導体4については、イ
オウドープしたn型ダイヤモンド半導体が本発明者らに
よる特願平11−124682号に開示した製造方法に
より製造できる。本発明に係るn型ダイヤモンド半導体
表面を水素化した水素化表面は、ダイヤモンド基板上に
イオウをドープしたn型ダイヤモンド半導体を成長させ
た後、例えばマイクロ波プラズマ、高周波プラズマ、直
流放電、熱フィラメント等によって励起した原子状水素
を照射することにより形成することができる。さらに後
述するn型ダイヤモンド半導体表面を酸化した酸化表面
は、ダイヤモンド基板上にイオウをドープしたn型ダイ
ヤモンド半導体を成長させた後、例えば酸素雰囲気中、
300℃以上の温度に加熱するか、液相酸化として硝
酸、クロム酸、塩素酸などの酸化力のある酸中で酸化す
ることにより形成することができる。
【0019】図2はn型ダイヤモンド半導体の紫外線光
電子放出スペクトルを示し、(a)は水素化表面、
(b)は酸化表面からのスペクトルを示す。図2に示す
ように、He放電による紫外線21.2eVによって、
ダイヤモンド中の電子は価電子帯から伝導帯に励起さ
れ、伝導帯の最下端レベルから真空中へ放出されること
になる。図2(a)からわかるように、水素化表面から
の紫外線光電子スペクトルは左端の方が急峻に立ち上が
っており、この急峻なピークが負の電子親和力状態を示
している。また図2(b)からわかるように、酸化表面
からの紫外線光電子スペクトルは正の電子親和力状態を
示す。
【0020】またn型ダイヤモンド半導体を形成後、マ
スク処理などの選択成長により、メサ構造のn型ダイヤ
モンド半導体をマトリックス状に形成可能であり、さら
にマスク処理により水素化表面と酸化表面とをn型ダイ
ヤモンド半導体表面上に作り分けることも可能である。
したがって、冷陰極としてのn型ダイヤモンド半導体の
水素化表面を実質上マトリックス状に形成できる。この
場合、各マトリックスに対応してアノード電極を設けれ
ば、マトリックス状の各n型ダイヤモンド半導体表面か
ら電子を放出可能にすることができる。なお、n型ダイ
ヤモンド半導体はダイヤモンド基板上にホモエピタキシ
ャル成長させているが、Si上のSiCヘテロエピタキ
シャル成長膜などを基板としてn型ダイヤモンド半導体
をへテロエピタキシャル成長させてもよい。
【0021】次に、この発明に係る電子放出の原理を説
明する。図3はp型半導体とn型半導体のエネルギーバ
ンド及び状態密度とフェルミ準位との関係を示す概念図
であり、(a)はn型半導体、(b)はp型半導体を示
す概念図である。なお、図3中、黒丸は電子、白丸は正
孔、εはエネルギー、D(ε)は状態密度、Ec は伝導
帯のエネルギー、Ev は価電子帯のエネルギー、εF
フェルミエネルギーを示す。
【0022】図3に示すように、n型ダイヤモンド半導
体ではドナーイオンとともに伝導帯に伝導電子12が生
成しており、これら電子がキャリアとなって電子移動す
る。すなわち、この場合、伝導帯に生成した電子はダイ
ヤモンド半導体内を拡散し、図8(b)に示したように
負の親和力のため、その表面から真空に電子が放出され
る。なお、図3(b)に示すようにp型ダイヤモンド半
導体では固体内を移動するキャリアは正孔であり、伝導
帯には電子がほとんど存在しないため、いくら表面がN
EA状態となっても電子放出されようがない。
【0023】次に本発明に係るn型ダイヤモンド電子放
出素子の作用について説明する。図4はアノード電極と
冷陰極のn型ダイヤモンド半導体表面との距離dをパラ
メータにした本発明に係るn型ダイヤモンド電子放出素
子の電界放出特性を示す図であり、(a)はdが30μ
m、(b)はdが50μm、(c)はdが70μmの場
合を示す。
【0024】図4に示すように、この発明に係るn型ダ
イヤモンド電子放出素子は一定電圧を超えると電界放出
によってダイヤモンド表面から電子を放出する。そのと
きのしきい値電圧はこれまで知られている電界電子放出
素子に比較して非常に小さく、1nAの電流を得るため
に必要なバイアス電圧は11.8V/mmである。さら
に図3から明らかなように、しきい値電圧はアノード電
極とダイヤモンド半導体表面との距離を調節することに
より可変である。
【0025】n型ダイヤモンド電子放出素子はn型ダイ
ヤモンド半導体表面を水素化してNEAを示す状態であ
るが、n型ダイヤモンド半導体表面を酸化してPEAを
示す状態にすることもできる。図5はイオウをドープし
たn型ダイヤモンド半導体の電界放出特性を示す図であ
り、(a)は水素化ダイヤモンド表面からの電界放出特
性、(b)は酸化ダイヤモンド表面からの電界放出特性
を示す。なお、アノード電極と冷陰極のn型ダイヤモン
ド半導体表面との距離が50μmである。
【0026】図5(b)に示すように、ダイヤモンド表
面が酸化されている場合には表面と真空準位との関係が
PEA状態にあるため、その分のエネルギーを与えない
と伝導帯にある電子も真空中へ放出されない。図5
(a)に示すようにダイヤモンド表面が水素化状態にあ
るとNEA状態となり、n型ダイヤモンド半導体の伝導
帯にある電子はほとんど何の抵抗もなく真空中に飛び出
すこととなる。したがって、n型ダイヤモンド半導体表
面がNEA状態に形成されているかPEA状態に形成さ
れているかで電子放出の有無を調整可能である。
【0027】このような本発明に係るn型ダイヤモンド
電子放出素子は、冷陰極としてのn型ダイヤモンド半導
体とアノード電極とを電子線源として、例えば電子線回
折装置、X線管及び電子顕微鏡等に利用できる。
【0028】次にこの発明に係る電子デバイスについて
説明する。この電子デバイスはn型ダイヤモンド電子放
出素子をFEDに適用したものであるが、電子デバイス
はFEDに限らず電子線源を必要とする装置であっても
よい。
【0029】図6はこの発明に係る電子デバイスの概略
図である。図6を参照すると、本発明に係る電子デバイ
ス20は、基板2上に形成されたn型ダイヤモンド半導
体4と、このダイヤモンド半導体4の表面を水素化して
水素化表面を形成したNEA状態の表面6と、この表面
に対向して設けられたガラス基板11と、このガラス基
板上に形成されn型ダイヤモンド半導体表面と対向した
アノード透明電極12と、このアノード透明電極の表面
に塗布された蛍光体14と、n型ダイヤモンド半導体の
一部表面に形成されたカソード電極8とを高真空容器1
6内に備えている。
【0030】この高真空容器16は、10-8Torr以
下の気圧に設定しておくのが望ましい。なお、図6中、
3は電源を示し、18の矢印は見る方向を示す。
【0031】図6に示した例では、蛍光体14はアノー
ド透明電極12全面に塗布されているが、バイアス電圧
の切り換え可能な複数のアノード透明電極をガラス基板
上に形成し、この複数のアノード透明電極ごとに対応し
て蛍光体を塗布し画素としてもよい。さらに各画素ごと
にR、G、Bのカラーフィルターを設けるのが望まし
い。
【0032】このような構成の電子デバイスでは、バイ
アス電圧を印加し、n型ダイヤモンド半導体4を冷陰極
として、アノード透明電極12により電子を真空中に引
き出し、アノード透明電極12に塗布された蛍光体14
に衝突させて発光させるものである。さらに上述したよ
うに、冷陰極としてのn型ダイヤモンド半導体の水素化
表面を実質上マトリックス状に形成して電子源とし、各
アノード透明電極に形成した画素に対応して電子を放出
するように制御することも可能である。
【0033】図7は図6で示した電子デバイスを矢印1
8方向から撮影した発光写真である。図7の白い輝点は
本発明に係る電子デバイスの蛍光体が実際に光っている
ことを示す。このように本発明に係る電子デバイスで
は、電子親和力が負のn型ダイヤモンド半導体を冷陰極
として用いているため、きわめて低いバイアス電圧で電
子を引き出して画素に衝突させ発光させることができ
る。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、この
発明のn型ダイヤモンド電子放出素子は、薄型化及び平
板化が可能で電子放出のしきい値電圧が小さく、ダイヤ
モンドの負の電子親和力を効果的に利用して、電子を放
出することができるという効果を有する。また本発明の
電子デバイスでは、薄型化及び平板化が可能な冷陰極電
子源を有する装置を提供することができるという効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るn型ダイヤモンド電子放出素子
の概略図である。
【図2】この発明に係るn型ダイヤモンド半導体の紫外
線光電子放出スペクトルを示す図である。
【図3】p型半導体とn型半導体のエネルギーバンド及
び状態密度とフェルミ準位との関係を示す概念図であ
る。
【図4】アノード電極と冷陰極のn型ダイヤモンド半導
体表面との距離dをパラメータにした本発明に係るn型
ダイヤモンド電子放出素子の電界放出特性を示す図であ
る。
【図5】イオウをドープしたn型ダイヤモンド半導体の
電界放出特性を示す図である。
【図6】この発明に係る電子デバイスの概略図である。
【図7】この発明に係る電子デバイスを外部から撮影し
た発光写真である。
【図8】半導体ダイヤモンドのバンド図と真空中での電
子準位(真空準位)との関連を示す図である。
【符号の説明】
2 基板 4 n型ダイヤモンド半導体 6 表面 7 アノード電極 8 カソード電極 9,16 高真空容器 10 n型ダイヤモンド電子放出素子 11 ガラス基板 12 アノード透明電極 14 蛍光体 20 電子デバイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 洋一郎 茨城県つくば市並木1−1 無機材質研究 所内 (72)発明者 蒲生 美香 茨城県つくば市二の宮1−25−13 ルネス 柳橋302 Fターム(参考) 5C031 DD09 DD17 5C035 BB03 BB10 5C036 EE01 EE03 EE14 EF01 EF06 EF09 EG12 EH04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型ダイヤモンド半導体と、このn型ダ
    イヤモンド半導体表面を水素化して負の電子親和力を有
    する水素化表面と、この水素化表面に対向して設けたア
    ノード電極とを備え、 上記n型ダイヤモンド半導体を冷陰極として電子を放出
    する、n型ダイヤモンド電子放出素子。
  2. 【請求項2】 前記水素化表面に対向した面上に前記ア
    ノード電極を一つ以上設けたことを特徴とする、請求項
    1記載のn型ダイヤモンド電子放出素子。
  3. 【請求項3】 前記水素化表面がマトリックス状に形成
    されていることを特徴とする、請求項1又は2記載のn
    型ダイヤモンド電子放出素子。
  4. 【請求項4】 前記n型ダイヤモンド半導体がマトリッ
    クス状のメサ構造を有していることを特徴とする、請求
    項1〜3のいずれかに記載のn型ダイヤモンド電子放出
    素子。
  5. 【請求項5】 前記n型ダイヤモンド半導体表面の一部
    に酸化表面を形成していることを特徴とする、請求項1
    〜4のいずれかに記載のn型ダイヤモンド電子放出素
    子。
  6. 【請求項6】 前記n型ダイヤモンド半導体表面が負の
    電子親和力及び正の電子親和力を有していることを特徴
    とする、請求項1〜5のいずれかに記載のn型ダイヤモ
    ンド電子放出素子。
  7. 【請求項7】 前記n型ダイヤモンド半導体表面と前記
    アノード電極との距離を調節することにより電子放出し
    きい値電圧を可変にしたことを特徴とする、請求項1〜
    6のいずれかに記載のn型ダイヤモンド電子放出素子。
  8. 【請求項8】 n型ダイヤモンド半導体と、このn型ダ
    イヤモンド半導体表面を水素化して負の電子親和力を有
    する水素化表面と、この水素化表面に対向して設けたア
    ノード透明電極と、このアノード透明電極の表面に塗布
    した蛍光体とを備え、 上記n型ダイヤモンド半導体を冷陰極として上記アノー
    ド透明電極により電子を引き出し、この電子が上記蛍光
    体に衝突し発光する、電子デバイス。
  9. 【請求項9】 前記アノード透明電極がバイアス電圧切
    り換え可能な複数のアノード透明電極であって、この複
    数のアノード透明電極ごとに蛍光体を塗布していること
    を特徴とする、請求項8記載の電子デバイス。
  10. 【請求項10】 前記アノード透明電極がカラーフィル
    ターを備えていることを特徴とする、請求項8又は9記
    載の電子デバイス。
  11. 【請求項11】 前記水素化表面がマトリックス状に形
    成されていることを特徴とする、請求項8〜10のいず
    れかに記載の電子デバイス。
  12. 【請求項12】 前記n型ダイヤモンド半導体がマトリ
    ックス状のメサ構造を有していることを特徴とする、請
    求項8〜11のいずれかに記載の電子デバイス。
  13. 【請求項13】 前記n型ダイヤモンド半導体表面の一
    部に酸化表面を形成していることを特徴とする、請求項
    8〜12のいずれかに記載の電子デバイス。
  14. 【請求項14】 前記n型ダイヤモンド半導体表面が負
    の電子親和力及び正の電子親和力を有していることを特
    徴とする、請求項8〜13のいずれかに記載の電子デバ
    イス。
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