JPH08321256A - 電子放出陰極、それを用いた電子放出素子、フラットディスプレイ、及び熱電冷却装置、ならびに電子放出陰極の製造方法 - Google Patents

電子放出陰極、それを用いた電子放出素子、フラットディスプレイ、及び熱電冷却装置、ならびに電子放出陰極の製造方法

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JPH08321256A
JPH08321256A JP25535695A JP25535695A JPH08321256A JP H08321256 A JPH08321256 A JP H08321256A JP 25535695 A JP25535695 A JP 25535695A JP 25535695 A JP25535695 A JP 25535695A JP H08321256 A JPH08321256 A JP H08321256A
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semiconductor film
film
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Hiroyoshi Tanaka
博由 田中
Koichi Kodera
宏一 小寺
Masao Uchida
正雄 内田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、生産性がよく、大面積化が容易であ
り、高効率で長寿命な電子放出陰極及びそれを用いた電
子放出素子を提供する。 【解決手段】 粒子状のダイヤモンドを含み、ダイヤモ
ンドの一部が表面から突出しているn形半導体膜からな
る陰極と、真空空間を隔ててn形半導体膜に対向して設
けられた陽極とを有する電子放出素子。ダイヤモンドの
(111)面は負の電子親和力を備えており、真空中に
電子を放出し易くなっているので陰極と陽極との間に電
圧を印加することにより、陰極から高効率で電子を放出
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空下で電子を放
出する電子放出陰極及びそれを用いた電子放出素子、フ
ラットディスプレイ、ならびに熱電冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体微細化技術を用いて、微細な電子
放出素子を集積して作製し、超高速素子等の高機能素子
を実現する研究が近年盛んになってきている。こうした
研究分野は真空マイクロエレクトロニクスと呼ばれ、特
に、フラットディスプレイ(フィールドエミッションデ
ィスプレイ、以下FEDと略す)への応用が注目されて
いる。電子放出素子をFEDに用いれば、従来のブラウ
ン管ディスプレイに比べ、薄型で軽量の表示装置が実現
されると考えられるからである。
【0003】電子放出素子を用いたFEDでは、電子放
出素子が二次元的に配置され、蛍光体を塗布した陽極と
対向して保持される。そして、陰極と陽極との間に電圧
を印加することにより、真空中に電子が引き出され、蛍
光体に電子が衝突することにより、蛍光体が励起発光す
る。
【0004】以下に、従来の電子放出素子について説明
する。一般に、真空中で固体電極から電子を引き出すと
きの電流密度Jは、ファウラー−ノルドハイム(Fow
ler−Nordheim)の式(1)により与えられ
る。
【0005】 J=(A・F2/φ)・exp(−B・φ3/2/F) ・・・・・・・・(1) ここでA、Bは正の定数、Fは電界、φは陰極の仕事関
数である。また電子を引き出す際に印加する電圧をVと
すると、電界Fは、式(2)で与えられる。
【0006】 F=βV ・・・・・・・・(2) ここで、βは陰極の幾何学的形状により決定される定数
である。
【0007】式(1)及び式(2)より、印加電圧Vが
一定の場合、電流密度Jを大きくするためにはβを大き
くするか、あるいはφを小さくすればよい。ただし陰極
として半導体を用いる場合には仕事関数φの代わりに、
真空準位と半導体の伝導帯のエネルギー差で与えられる
電子親和力χを小さくすればよい。βを大きくするため
には鋭い先端を持つように陰極を加工する必要があり、
具体的には例えば、n形シリコン基板をエッチングして
先端をとがらせた突起状の電子放出部を形成する手法が
とられている。
【0008】図18は、鋭い先端を持つ突起状の電子放
出部を備えた従来の電子放出素子の断面構造を概略的に
示している。電子放出素子500は、電子放出部502
を有するシリコン基板504と電子放出部を囲むように
絶縁膜506を介してシリコン基板504上に形成され
たゲート電極508とを有している。電子放出部502
はシリコン基板504をエッチングすることにより得ら
れ、先端が尖った円錐形をしている。また、シリコン基
板504には電極510が設けられている。
【0009】真空下において、電子放出素子500を陽
極と対向させて保持し、電極510を介して、シリコン
基板504に対してゲート電極508に数十〜数百ボル
トの正の電圧を印加すると、電子放出部502は先端が
鋭くなっているため電界が集中するようになる。そし
て、電子放出部502中の電子に対して真空準位が形成
する電位障壁が低く押し下げられ、その電位障壁が薄く
なり、トンネル効果によって電子放出部502の表面か
ら電子が真空中へ引き出される。引き出された電子は、
シリコン基板504と対向し、ゲート電極508に対し
て数百〜数キロボルトの正電圧を印加した陽極に捕獲さ
れる。
【0010】ゲート電極が存在せずシリコン基板504
と電子放出部502のみで構成された電子放出陰極で
は、シリコン基板504に対し数百〜数キロボルトの電
圧を印加した対向する陽極により直接電子が引き出され
捕獲される。
【0011】また、電気的エネルギを熱的エネルギに変
化する従来の熱電装置装置として、図19に示される熱
電冷却装置が知られていた。熱電冷却装置520は、n
形半導体層522とp形半導体層524とが金属板52
6及び528を介して交互に直列に接続された構造を備
えており、端子530及び532の間に電圧を印加する
ことにより、金属板の一方が冷却され、他方は加熱され
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の電子放出素子では、以下に示すような問題点があ
る。
【0013】まず、電子放出部の先端はナノメートルの
オーダで加工する必要があり、高度な半導体プロセス技
術が必要となる。このため、そのような電子放出素子を
用いたFEDを低コストで生産することは困難であると
考えられる。また、電子放出部の先端部分の形状にばら
つきが生じやすく、これにより、FEDの表示が不均一
になるという問題が生じる。更に、真空中、電子放出部
の先端部分にイオン粒子が衝突してスパッタリングされ
やすいために、先端部分が経時変化を起こしやすいとい
う問題がある。このため、長寿命のFEDを期待できな
い。
【0014】上述の電子放出素子を用いてFEDを構成
する場合には、10-8〜10-10Torr程度の高真空
を実現する必要があり、そのような高真空を備えたFE
Dを商業的に生産することは現実的ではない。
【0015】更に、基板としてシリコン基板を用いるた
め、FEDの画面サイズはシリコン基板の大きさにより
決定されてしまい、大画面のFEDを実現できないとい
う問題もある。
【0016】また、従来の熱電冷却装置では、冷却され
る金属板と加熱される金属板とは、n形半導体層522
及びp形半導体層524を介して接合されている。この
ため、加熱される金属板から冷却される金属板へこれら
の半導体層522及び524を介して熱が伝導され、熱
の漏れが大きかった。このため、冷却効率及び加熱効率
が非常に悪かった。
【0017】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的とすることは、安価で、生産性
がよく、大面積化が容易で長寿命な電子放出陰極及びそ
れを用いた電子放出素子を提供することにある。また、
それらを用いたフラットディスプレイ及び効率の高い熱
電冷却装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の電子放出陰極
は、粒子状のダイヤモンドを含み、該ダイヤモンドの一
部が表面から突出しているn形半導体膜を有し、真空空
間を隔てて該n形半導体膜に対向して設けられる陽極と
の間に電圧を印加することにより電子を放出させる構造
を備えており、そのことにより、上記目的が達成され
る。
【0019】前記ダイヤモンドはp形半導体であっても
のよい。
【0020】本発明の別の電子放出陰極は、粒子状のダ
イヤモンドを含み、該ダイヤモンドの一部が表面から突
出しているカーボン膜を有し、真空空間を隔てて該カー
ボン膜に対向して設けられる陽極との間に電圧を印加す
ることにより電子を放出させる構造を備えており、その
ことにより、上記目的が達成される。
【0021】前記カーボン膜はがn形半導体もしくは疑
似n形半導体であってもよい。
【0022】前記カーボン膜はn形不純物として窒素を
含んでおり、該カーボン膜の一部はダイヤモンド構造を
有する微粒子を含んでいてもよい。
【0023】本発明のさらに別の電子放出陰極は、導電
性膜と、該導電性膜上に形成された第1導電形半導体膜
と、該第1導電形半導体膜上に形成された島状の第2導
電形半導体膜とを有し、真空空間を隔てて該導電性膜に
対向して設けられる陽極との間に電圧を印加することに
より電子を放出させる構造を備えており、そのことによ
り、上記目的が達成される。
【0024】前記第1導電形半導体膜は島状に形成され
ていてもよい。
【0025】本発明のさらに別の電子放出陰極は、導電
性膜と、該導電性膜上に形成された第1導電形半導体膜
と、該第1導電形半導体膜上に形成されており、少なく
とも該第1導電形半導体膜の表面を露出させる複数の開
口部が設けられた第2導電形半導体膜とを有し、真空空
間を隔てて該導電性膜に対向して設けられる陽極との間
に電圧を印加することにより電子を放出させる構造を備
えており、そのことにより、上記目的が達成される。
【0026】前記開口部は導電性膜の表面が露出するよ
うに、前記第1導電形半導体膜にも設けられていてもよ
い。
【0027】前記第1導電形半導体膜及び前記第2導電
形半導体膜の一方は、ボロンをドープしたダイヤモンド
を含んでいてもよい。
【0028】前記第1導電形半導体膜及び前記第2導電
形半導体膜の一方は、ピリジン、ピリダジン、ピリミジ
ン、及び1,3,5−トリアジンからなるグループから
選ばれた材料を原料として製造される窒素を含有した炭
素薄膜から構成されていてもよい。
【0029】本発明の電子放出素子は、粒子状のダイヤ
モンドを含み、該ダイヤモンドの一部が表面から突出し
ているn形半導体膜からなる陰極と、真空空間を隔てて
該n形半導体膜に対向して設けられた陽極とを有し、該
陰極と該陽極との間に電圧を印加することにより、該陰
極から電子を放出させる構造を備えており、そのことに
より、上記目的が達成される。
【0030】本発明の別の電子放出素子は、粒子状のダ
イヤモンドを含み、該ダイヤモンドの一部が表面から突
出しているカーボン膜からなる陰極と、真空空間を隔て
て該n形半導体膜に対向して設けられた陽極とを有し、
該陰極と該陽極との間に電圧を印加することにより、該
陰極から電子を放出させる構造を備えており、そのこと
により、上記目的が達成される。
【0031】本発明のさらに別の電子放出素子は、導電
性膜と、該導電性膜上に形成された第1導電形半導体膜
と、該第1導電形半導体膜上に形成された島状の第2導
電形半導体膜とを有する陰極と、真空空間を隔てて該第
1導電形半導体膜に対向して設けられた陽極とを有し、
該陰極と該陽極との間に電圧を印加することにより、該
陰極から電子を放出させる構造を備えており、そのこと
により、上記目的が達成される。
【0032】本発明のさらに別の電子放出素子は、導電
性膜と、該導電性膜上に形成された第1導電形半導体膜
と、該第1導電形半導体膜上に形成されており、少なく
とも該第1導電形半導体膜の表面を露出させる複数の開
口部が設けられた第2導電形半導体膜とを有する陰極
と、真空空間を隔てて該第1導電形半導体膜に対向して
設けられた陽極とを有し、該陰極と該陽極との間に電圧
を印加することにより、該陰極から電子を放出させる構
造を備えており、そのことにより、上記目的が達成され
る。
【0033】前記陰極と前記陽極との間に設けられてお
り、該陰極の少なくとも一部を露出させる開口部を備え
たゲート電極とを有し、ゲート電極に印加される電圧に
より、該陰極から電子を引き出させてもよい。
【0034】前記陰極及び前記ゲート電極は、互いに交
差するように異なる方向に延びるストライプ状にそれぞ
れ形成されており、該陰極と該ゲート電極が交差する部
分に前記開口部が設けられていてもよい。
【0035】本発明のフラットディスプレイは、支持基
板と、粒子状のダイヤモンドを含み、該ダイヤモンドの
一部が表面から突出しているn形半導体膜からなり、該
支持基板上に設けられた陰極と、透明基板と、透明基板
の表面に設けられた蛍光体とを有し、該支持基板と該透
明基板とが該陰極及び該蛍光体が対向するように保持さ
れており、該支持基板と該透明基板とにより保持された
空間が真空に保たれている構造を備えており、そのこと
により、上記目的が達成される。
【0036】本発明の別のフラットディスプレイは、支
持基板と、粒子状のダイヤモンドを含み、該ダイヤモン
ドの一部が表面から突出しているカーボン膜からなり、
該支持基板上に設けられた陰極と、透明基板と、透明基
板の表面に設けられた蛍光体とを有し、該支持基板と該
透明基板とが該陰極及び該蛍光体が対向するように保持
されており、該支持基板と該透明基板とにより保持され
た空間が真空に保たれている構造を備えており、そのこ
とにより、上記目的が達成される。
【0037】本発明のさらに別のフラットディスプレイ
は、支持基板と、導電性膜と、該導電性膜上に形成され
た第1導電形半導体膜と、該第1導電形半導体膜上に形
成された島状の第2導電形半導体膜とを有しており、該
支持基板上に設けられた陰極と、透明基板と、透明基板
の表面に設けられた蛍光体とを有し、該支持基板と該透
明基板とが該陰極及び該蛍光体が対向するように保持さ
れており、該支持基板と該透明基板とにより保持された
空間が真空に保たれている構造を備えており、そのこと
により、上記目的が達成される。
【0038】本発明のさらに別のフラットディスプレイ
は、支持基板と、導電性膜と、該導電性膜上に形成され
た第1導電形半導体膜と、該第1導電形半導体膜上に形
成されており、少なくとも該第1導電形半導体膜の表面
を露出させる複数の開口部が設けられた第2導電形半導
体膜とを有しており、該支持基板上に設けられた陰極
と、透明基板と、透明基板の表面に設けられた蛍光体と
を有し、該支持基板と該透明基板とが該陰極及び該蛍光
体が対向するように保持されており、該支持基板と該透
明基板とにより保持された空間が真空に保たれている構
造を備えており、そのことにより、上記目的が達成され
る。
【0039】前記陰極と前記蛍光体との間に設けられて
おり、該陰極の少なくとも一部を露出させる開口部を備
えたゲート電極とを有し、ゲート電極に印加される電圧
により、該陰極から電子を引き出させてもよい。
【0040】前記陰極及び前記ゲート電極は、互いに交
差するように異なる方向に延びるストライプ状にそれぞ
れ形成されており、該陰極と該ゲート電極が交差する部
分に前記開口部が設けられていてもよい。
【0041】本発明の熱電冷却装置は、表面を有する第
1の導電性基板と、該第1の導電性基板の該表面上に形
成された陰極と、該表面と対向するように該第1の基板
と真空空間を隔てて保持された第2の導電性基板とを有
し、該第1の導電性基板と該第2の導電性基板との間に
電圧を印加し、陰極から該真空空間を介して該第2の基
板へ電子を放出し、該第1の導電性基板と第の基板との
間に流れる電流により生じる吸熱効果により、該第1の
導電性基板を冷却する構造を備えており、そのことによ
り、上記目的が達成される。
【0042】前記陰極は、粒子状のダイヤモンドを含
み、該ダイヤモンドの一部が表面から突出している第1
導電形半導体膜から構成されていてもよい。
【0043】前記陰極は、粒子状のダイヤモンドを含
み、該ダイヤモンドの一部が表面から突出しているカー
ボン膜から構成されていてもよい。
【0044】前記陰極は、導電性膜と、該導電性膜上に
形成された第1導電形半導体膜と、該第1導電形半導体
膜上に形成されており、少なくとも該第1導電形半導体
膜の表面を露出させる複数の開口部が設けられた第2導
電形半導体膜とを有していてもよい。
【0045】前記陰極は、低い仕事関数表面を有するも
ので構成されていてもよい。
【0046】前記陰極は、多数の微細な突起を有してい
てもよい。
【0047】前記陰極は、半導体から構成されていても
よい。
【0048】前記第1の導電性基板及び前記第2の導電
性基板は同心軸を有する2つの円柱の側面であってもよ
い。
【0049】前記第1の導電性基板と前記第2の導電性
基板はそれぞれフィンを有していてもよい。
【0050】前記第1の導電性基板と前記第2の導電性
基板とは100μm以下の間隙で保持されていてもよ
い。
【0051】本発明の電子放出陰極の製造方法は、粒子
状ダイヤモンドとn型半導体粉末または、カーボン粉末
とを含むペーストを作製する工程と、該ペーストを基板
上に塗布する工程と、該塗布されたペーストを焼成する
工程とを包含し、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0052】本発明の別の電子放出陰極の製造方法は、
粒子状ダイヤモンドを基板上に配置する工程と、ダイヤ
モンドの粒径よりも小さな厚みを備え、ダイヤモンド構
造を部分的に備えたカーボン膜を該基板上に形成する工
程とを包含しており、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0053】本発明のさらに別の電子放出陰極の製造方
法は、ダイヤモンド構造を部分的に備えたカーボン膜を
該基板上に形成する工程と、該カーボン膜に粒子状ダイ
ヤモンドを付着させる工程とを包含しており、そのこと
より、上記目的が達成される。
【0054】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0055】(実施例1)図1(a)は、本発明の第1
の実施例による電子放出素子の斜視図である。電子放出
素子10は、基板12上に設けられた電子放出陰極14
と、電子放出陰極14上に設けられた絶縁膜16と、絶
縁膜16上に設けられたゲート電極18とを有してい
る。導電膜からなるゲート電極18及び絶縁膜16に
は、開口部20が設けられており、その底部において、
電子放出陰極14の一部が露出している。開口部20
は、数nmから数十μm程度の大きさであることが好ま
しい。
【0056】電子放出素子10は、更にゲート電極18
が向かい合うように基板12と数μmから数十μm程度
離れて対向して保持された陽極22を有しており、陽極
22と電子放出陰極14との間の空間は、10-2から1
-5Torr程度の真空に保たれている。電子放出陰極
14とゲート電極18との間に数十から数百ボルトの電
圧を印加し、電子放出陰極14と陽極22との間に数百
から数千ボルトの電圧を印加すると、電子放出陰極14
とゲート電極18との間に印加された電圧により、電放
出陰極14の表面から電子が放出される。この電子の一
部はゲート電極18に入射するが、大部分は陽極22に
向かって放出される。ゲート電極18に印加する電圧に
よって放出される電子の量は調節できる。
【0057】図1(a)では、電子放出素子10は3端
子素子として構成しているが、2端子素子として構成し
てもよい。その場合には、ゲート電極18及び絶縁膜1
6を省略し、電子放出陰極14を直接、陽極22に対向
させればよい。また図1(a)の電子放出素子10にお
いて、ゲート電極18は絶縁膜16を介して電子放出陰
極14上に設けられていたが、図1(b)に示す電子放
出素子11のように、ゲート電極18を電子放出陰極1
4上に直接形成してもよい。この場合ゲート電極18と
電子放出陰極14との間に流れる電流の一部が電子放出
陰極14から開口部20を介して放出される。
【0058】図2は、電子放出陰極14の斜視図であ
る。図2に示されるように電子放出陰極14は、粒子状
のダイヤモンド26が添加されたカーボン膜24からな
る。ダイヤモンド26はp形の導電型を備え、少なくと
も幾つかはカーボン膜24の表面から一部分が突出して
いる。
【0059】カーボン膜24内において、電子は通常カ
ーボン膜24の内部を動き回っているが、カーボン膜2
4を介してダイヤモンド26の表面に電界が印加される
と、カーボン膜24の内部の電子は、ダイヤモンド26
の表面準位へ遷移する。ダイヤモンドは電子親和力が非
常に小さく、電子放出材料として適しているが、特にダ
イヤモンドの(111)面では、電子親和力は負の値
(Negative Electron Affinity)となり、導電準位より
も真空準位が低くなっているため、ダイヤモンド26の
表面準位の電子は、(111)面の導電準位を介して真
空中へ放出されることになる。
【0060】この真空中への電子放出は、負の電子親和
力によるので、高い電圧を必要とせず、しかも大きな遷
移確率でおこる。従って、非常に低い電圧で多くの電子
を放出させることができる。また、この様な電子放出機
構によれば、高い真空状態を必要とせず、10-2から1
-5Torr程度で十分電子放出が可能となる。ダイヤ
モンド表面での電気伝導を高めるために、ダイヤモンド
26の表面は水素原子で終端化されていることが好まし
い。
【0061】電子放出素子10は、例えば以下の方法に
より製造される。
【0062】まず、基板12上に電子放出陰極14を形
成する。カーボンの微粉末にp形の導電性を有するダイ
ヤモンド粒子を混合し、適当な溶媒を添加することによ
りペーストを形成する。ダイヤモンドの粒径は数nmか
ら数μmの範囲にあることが好ましい。その後、印刷に
よって、このペーストから、適切な厚さを備えた膜を基
板12上に形成し、焼成することにより、カーボン膜2
4が得られる。カーボン膜24の表面から確実にダイヤ
モンド26の一部を突出させるには、ダイヤモンド26
の粒径よりも小さな厚みを有するようにカーボン膜24
を形成すればよい。焼成を行うことにより、カーボン膜
24中の炭素とダイヤモンド26との間に原子レベルで
の結合、あるいは原子間の相互作用による表面準位が形
成され、カーボン膜24からダイヤモンド26へ電子が
移動しやすくなる。
【0063】基板12は焼成時に変形しない程度の耐熱
性を有しておればどの様なものでもよく、導電性であっ
ても絶縁性であってもよい。また、上述の方法により、
カーボン膜24を他の基板に形成した後、基板12に付
着させてもよい。
【0064】次に、カーボン膜24からなる電子放出陰
極14上に絶縁膜16及びゲート電極18を形成する。
絶縁膜16には酸化ケイ素や窒化ケイ素などの材料を用
いてもよいし、他の絶縁材料でもよい。また、導電膜1
8には、アルミニウム等の導電性の金属を用いる。
【0065】その後、ゲート電極18及び絶縁膜16を
貫通し、電子放出陰極14の表面が露出するように開口
部20を設ける。
【0066】最後に陽極22を電子放出陰極14に対向
させて設け、陽極22と電子放出陰極14との間の空間
を真空状態で封止するか、または、陽極22及び電子放
出陰極14全体を真空空間に封じ込めることにより、電
子放出素子10が完成する。陽極22は従来の電子放出
素子で用いられる透明電極付ガラス基板や低抵抗シリコ
ン基板等のようなものなど、導電性を有すものであれば
よい。
【0067】上記実施例では、カーボン膜にp形ダイヤ
モンドを添加したが、p形ダイヤモンドに効率よく電子
を注入することができる材料であれば、他の材料からな
る膜を用いてもよい。
【0068】図3は、粒子状のダイヤモンド26が添加
された半導体膜30からなる電子放出陰極14の斜視図
である。半導体膜30は、具体的には、窒素がドープさ
れておりn形または疑似n形のDLC膜(Diamond-like
carbon)と呼ばれるダイヤモンドの微粒子を含むアモル
ファス炭素膜である。DLC膜は、ビッカース硬度20
00から6000kg/mm2程度の硬度を備えてお
り、ラマン散乱スペクトルにおいて、1550cm-1
び1240cm-1付近に特徴的なブロードなスペクトル
がみられることにより同定される。ここで疑似n形とは
電子をキャリアとし、バンドギャップを有しているが、
n形半導体の性質を示さないか、またはわずかに示すも
のをいう。
【0069】半導体膜30を用いる場合には、半導体膜
30に電子を供給するために、アルミニウムからなる基
板32の上に半導体膜30を形成することが好ましい。
アルミニウムを用いることにより半導体膜30と基板3
2との間はオーミック接触が形成される。
【0070】この様な構造の電子放出陰極14を用いる
ことにより、更に、容易に、p形のダイヤモンド26に
電子を供給することができ、低電圧で多くの電子を電子
放出陰極14から放出させることができる。
【0071】ダイヤモンド26が添加された半導体膜3
0は、粒子状のダイヤモンド26を基板32の上に散布
した後、n形のDLC膜からなる半導体膜30を基板3
2上に形成することにより得られる。DLC膜からなる
半導体膜30をまず基板32上に形成し、ダイヤモンド
26を半導体膜30に押しつけて、その後、焼成しても
よい。
【0072】DLC膜は以下のような方法により製造さ
れる。
【0073】真空に排気したチャンバ内にピリジンの蒸
気を導入する。ピリジンに不活性ガスをバブリングして
チャンバに導入してもよい。次に、チャンバ内のピリジ
ンに数十から数百ボルトの電圧を印加して、気化したピ
リジンをイオン化し、イオン化した粒子を数千ボルトの
電圧で加速してチャンバ内に取り付けた基板に堆積させ
る。堆積した膜には窒素原子が含まれるのでn形半導体
として機能する。ピリジン以外には、ピリダジン、ピリ
ミジン及びそれらの誘導体を用いてもよい。またピラジ
ンや1,3,5−トリアジン及びこれらの誘導体をベン
ゼンなどの溶媒に溶解して用いてもよい。
【0074】以上説明したように、本実施例の電子放出
陰極は、粒子状のダイヤモンドがカーボン膜あるいはn
形半導体膜中に分散されており、印刷等の方法により形
成することができる。したがって、大面積の電子放出陰
極を容易に、また安価で作製することができる。また、
電子放出面は平面状であるため、電極の劣化が抑制で
き、電子放出機構が従来とは異なるため、低真空下でも
電子を放出させることができる。また、電極の単位面積
当たりのダイヤモンドの粒子数を制御することにより、
電子放出量を容易に制御することができ、従来に比べて
単位面積当たりの電流量もかなり大きくすることができ
る。
【0075】上記実施例において、半導体膜30として
DLC膜を用いたが、シリコンやゲルマニウムなどの他
の半導体からなる膜を用いてもよい。
【0076】(実施例2)図4(a)は、本発明の第2
の実施例による電子放出素子の斜視図である。電子放出
素子40は、基板42上に設けられた電子放出陰極44
と、電子放出陰極44上に設けられた絶縁膜46と、絶
縁膜46上に設けられたゲート電極48とを有してい
る。ゲート電極48及び絶縁膜46には、開口部50が
設けられており、その底部において、電子放出陰極44
の一部が露出している。
【0077】電子放出素子40は、更に開口部50が向
かい合うように電子放出陰極44と対向して保持された
陽極22を有しており、陽極22と電子放出陰極44と
の間の空間は、10-2から10-5Torr程度の真空に
たもたれている。電子放出陰極44とゲート電極48と
の間に数十から数百ボルトの電圧を印加し、電子放出陰
極44と陽極22との間に数百から数千ボルトの電圧を
印加すると、電子放出陰極44とゲート電極48との間
に印加された電圧により、電子放出陰極44の表面から
電子が放出される。この電子の一部はゲート電極48に
入射するが、大部分は陽極22に向かって放出される。
ゲート電極48に印加する電圧によって放出される電子
の量は調節できる。
【0078】図4(b)は、電子放出陰極44の断面を
示している。電子放出陰極44は、導電膜52と導電膜
52上に形成されたn形半導体膜54と、半導体膜54
上に形成された島状のp形半導体膜56とを有してい
る。
【0079】図4(a)及び(b)では、電子放出素子
40は3端子素子として構成しているが、2端子素子と
して構成してもよい。その場合には、図5に示すよう
に、ゲート電極48及び絶縁膜46を省略し、電子放出
陰極44を直接、陽極22に対向させればよい。また図
4(a)の電子放出素子40において、ゲート電極48
は絶縁膜46を介して電子放出陰極44上に設けられて
いたが、図4(C)に示すように、ゲート電極48を電
子放出陰極44上に直接形成してもよい。この場合ゲー
ト電極48と電子放出陰極44との間に流れる電流の一
部が電子放出陰極44から開口部50を介して放出され
る。
【0080】以下に本実施例で用いる電子放出素子40
の動作について説明する。
【0081】n形半導体とp形半導体を接触させると接
合面ではキャリアは密度の高い方から低い方へ拡散する
ため、接合面近傍でキャリアが消滅し、熱平衡状態では
n形半導体とp形半導体との間で拡散電位が形成され
る。その大きさをeVDとすると、p形半導体の伝導帯
の下端はn形半導体の伝導帯の下端よりもeVDだけエ
ネルギー準位が高くなる。このため、p形半導体におい
て少数キャリアとなる電子を伝導帯へ注入すれば、n形
半導体の伝導帯から電子を放出させるよりもp形半導体
の伝導帯から電子を放出させる方がエネルギー的に優位
となる。
【0082】図6は、電子を引き出して捕獲するための
陽極22(図4)に対して導電膜52に負の電圧を印加
した場合の電子放出陰極44のエネルギーバンドを模式
的に示している。
【0083】導電膜52、n形半導体膜54、及びp形
半導体膜56では、それぞれのフェルミ準位62、6
4、及び66は図6に示されるように位置している。ま
た、p形半導体膜56の伝導帯端と真空準位との間には
電位障壁68が形成される。
【0084】陽極22と導電膜52との間に印加された
電圧によって、導電膜52から電子70がn形半導体膜
54の伝導帯に注入される。この電子70は印加電圧に
より、エネルギー準位のより高いp形半導体膜56の伝
導帯へ注入される。上述したように、p形半導体膜56
では、n形半導体膜54の伝導帯に比べて疑似的に電子
親和力が小さくなる。このため、p形半導体膜56に注
入された電子70は、印加電圧によって薄くなった真空
準位が形成する電位障壁68をトンネリングすることに
よって真空空間へ放出され、陽極に捕獲される。
【0085】ここで注意すべきことは、p形半導体膜5
6中の少数キャリアである電子70の振舞いである。p
形半導体膜56の伝導帯中の電子70は、熱エネルギー
等によりp形半導体膜56の価電子帯およびp形半導体
56の表面準位から励起されて生成する場合と、n形半
導体膜54から注入される場合がある。p形半導体膜5
6中の電子70がp形半導体膜56中の多数キャリアで
ある正孔72と再結合して消滅することを避けるために
は、p形半導体膜56中を流れる電子70が真空へ放出
される間に移動する距離がp形半導体膜56中の電子7
0の拡散長より小さくすればよい。したがってn形半導
体膜54とp形半導体膜56の薄膜を堆積したpn接合
においては、p形半導体膜56の膜厚を小さくすればよ
い。ただし膜厚の非常に小さい薄膜を均一に製膜するの
は困難である。そこで本実施例における電子放出素子で
は、島状のp形半導体膜56がn形半導体膜54上に部
分的に堆積されている。
【0086】図7は、n形半導体膜54およびp形半導
体膜56の接合部分を示す拡大断面図である。p形半導
体膜56の厚さWが電子の拡散長よりも短い場合、軌道
76に示されるように、電子はp形半導体膜56を横切
って放出される。
【0087】一方、Wが拡散長より大きい場合、図7に
示すように、軌道76に沿って電子を放出することは困
難である。しかし、pn接合界面74付近では、n形半
導体膜54から注入される電子70はp形半導体膜56
の表面へ拡散することができる。このとき、p形半導体
膜56の表面へ拡散した電子70は、軌道80に示され
るように、p形半導体膜56中の正孔と再結合する前に
真空空間へ放出可能となる。またp形半導体膜56を構
成する半導体の種類によってはp形半導体膜56の表面
に到達した電子がp形半導体膜56の表面を移動し、軌
道78で示されるように電子70を放出することも可能
である。なお、図7に示される軌道76、78および8
0は説明のため示した例であり、電子放出の経路はこの
軌道に限定されるものではない。
【0088】以上のように本実施例によれば、n形半導
体膜上に部分的に堆積したp形半導体膜を設けることに
より、疑似的に電子親和力を低下させ、p形半導体膜中
を拡散した電子がp形半導体膜表面に到達しやすいた
め、効果的に電子を放出することができる。
【0089】図4(a)、4(b)及び図5を参照し
て、電子放出素子40の製造方法の一例を説明する。
【0090】まず基板42上に電子放出陰極44を形成
する。基板42上に導電膜52を形成し、導電膜52上
にはn形半導体膜54を形成する。その後、p形半導体
膜56がn形半導体膜54を完全に覆ってしまわないよ
うに短時間でp形半導体膜56の堆積を完了させる。あ
るいは、n形半導体膜54を完全に覆うp形半導体層を
形成した後、選択エッチングによりp形半導体層の一部
を除去し、島状のp形半導体膜56としてもよい。ま
た、n形半導体膜54上に島状の開口を有するマスクを
設けてp形半導体層を形成し、マスクを除去するか、粒
子状のp形半導体を表面に分散させてp形半導体膜56
を形成してもよい。p形半導体膜は数nmから数μm程
度の大きさを有する島状に形成することが好ましい。導
電膜52からn形半導体膜54への電子注入を容易にす
るため、導電膜52とn形半導体膜54はオーミック接
触を形成するような組み合わせを選択する。これによ
り、電子放出陰極44が形成される。
【0091】なお、n形半導体膜54及びp形半導体膜
56としては、ボロンやリン、窒素などをドープしたダ
イヤモンドやDLC膜を用いることができる。
【0092】電子放出陰極44上に絶縁膜46及びゲー
ト電極48を形成する。絶縁膜46には酸化ケイ素や窒
化ケイ素などの材料を用いてもよいし、他の絶縁材料で
もよい。また、導電膜ゲート電極48には、アルミニウ
ム等の導電性の金属を用いる。その後、ゲート電極48
及び絶縁膜46を貫通し、電子放出陰極44の表面が露
出するように開口部50を設ける。図5に示す構造の電
子放出素子を作製する場合には、ゲート電極48及び絶
縁膜46を形成しなくてよい。
【0093】最後に陽極22を電子放出陰極44に対向
させて設け、陽極22と電子放出陰極44との間の空間
を真空に保つか、または、陽極22及び電子放出陰極4
4全体を真空空間に封じ込めることにより、電子放出素
子40が完成する。
【0094】上記実施例で説明した電子放出陰極44を
種々に改変することが可能である。以下に、他の構造を
備えた電子放出陰極を説明する。
【0095】図8は、電子放出陰極80の断面を模式的
に示している。電子放出陰極80は、基板42上に形成
された導電膜82と、導電膜82上に島状に形成された
n形半導体膜84と、n形半導体膜84の一部と重なる
ように導電膜82上に形成された島状のp形半導体膜8
6とを有している。島状のn形半導体膜84及び島状の
p形半導体膜86は、上述の電子放出陰極44で説明し
たのと同じ方法により形成することができる。
【0096】電子放出陰極80は、図4(a)あるいは
図5に示される電子放出陰極44にかえて電子放出素子
40に用いることにより、同様に電子を放出させること
ができる。
【0097】n形半導体膜84とp形半導体膜86との
界面が表面に露出しているので、その界面付近におい
て、n形半導体膜84の内部あるいは表面を通ってp形
半導体膜86中を拡散した電子はp形半導体表面に容易
に到達することができる。p形半導体ではn形半導体に
比べて電圧印加状態で擬似的に電子親和力が減少してい
るので、p形半導体膜86の表面から、効率よく電子を
放出させることができる。
【0098】図9に示される電子放出陰極90は、基板
42上に形成された導電膜92と、導電膜92上に島状
に形成されたn形半導体膜94と、n形半導体膜94上
に形成されたp形半導体膜96とを有している。この構
造は、導電膜92を完全に覆うn形半導体層を形成し、
更に島状のp形半導体膜96をn形半導体層上に形成
し、p形半導体膜96をマスクとして、n形半導体層を
エッチングして、島状のn形半導体膜94を得ることに
より形成される。
【0099】電子放出陰極90も、図4(a)あるいは
図5に示される電子放出陰極44にかえて電子放出素子
40に用いることにより、同様に電子を放出させること
ができる。
【0100】n形半導体膜94とp形半導体膜96との
界面が表面に露出しているので、その界面付近におい
て、n形半導体膜94の内部あるいは表面を通ってp形
半導体膜96中を拡散した電子はp形半導体表面に容易
に到達することができる。p形半導体ではn形半導体に
比べて電圧印加状態で擬似的に電子親和力が減少してい
るので、p形半導体膜96の表面から、効率よく電子を
放出させることができる。
【0101】図10に示される電子放出陰極100は、
基板42上に形成された導電膜102と、導電膜102
上に形成されたn形半導体膜104と、開口部108を
有し、n形半導体膜104上に形成されたp形半導体膜
106とを有している。導電膜102を完全に覆うn形
半導体膜104を形成し、開口108を規定する島状の
マスクをn形半導体膜104上に形成した後、p形半導
体膜106をn形半導体膜104上に形成し、マスクを
リフトオフ法により除去することによって、開口108
を有するp形半導体膜106が得られる。
【0102】電子放出陰極100も、図4(a)に示さ
れる電子放出陰極44にかえて電子放出素子40に用い
ることにより、同様に電子を放出させることができる。
【0103】n形半導体膜104とp形半導体膜106
との界面が表面に露出しているので、その界面付近にお
いて、n形半導体膜104の内部あるいは表面を通って
p形半導体膜106中を拡散した電子はp形半導体表面
に容易に到達することができる。p形半導体ではn形半
導体に比べて電圧印加状態で擬似的に電子親和力が減少
しているので、p形半導体膜106の表面から、効率よ
く電子を放出させることができる。
【0104】図11に示される電子放出陰極110は、
基板42上に形成された導電膜112と、導電膜112
上に形成されたn形半導体膜114と、n形半導体膜1
14上に形成されたp形半導体膜116とを有してい
る。n形半導体膜114及びp形半導体膜116には、
開口118が複数形成されており、開口118の底部に
おいて導電膜112の一部が露出している。開口118
はフォトレジストを用いたエッチングまたは陽極酸化等
の方法により形成することができる。フォトレジストを
用いたエッチングによれば、μmオーダーの直径を有す
る開口118が形成できる。また、陽極酸化によれば、
nmオーダーの直径を有する開口118が形成できる。
開口118の直径や数に特に制限はない。
【0105】電子放出陰極110も、図4(a)に示さ
れる電子放出陰極44にかえて電子放出素子40に用い
ることにより、同様に電子を放出させることができる。
【0106】n形半導体膜114とp形半導体膜116
との界面が表面に露出しているので、その界面付近にお
いて、n形半導体膜114の内部あるいは表面を通って
p形半導体膜116中を拡散した電子はp形半導体表面
に容易に到達することができる。p形半導体ではn形半
導体に比べて電圧印加状態で擬似的に電子親和力が減少
しているので、p形半導体膜116の表面から、効率よ
く電子を放出させることができる。
【0107】以上の説明から明らかなように、本実施例
の電子放出陰極は、n形半導体膜から電子が供給され、
かつn形半導体膜とp形半導体膜との接合部分近傍が真
空中に露出した構造を備えている。従って、n形半導体
膜からp形半導体膜へ注入された電子が、p形半導体膜
内で正孔と再結合する前に、真空中へ放出可能な経路が
形成され、n形半導体に比べて電圧印加状態で擬似的に
電子親和力の小さいp形半導体から効率的に電子を放出
することができる。
【0108】また、突起状の電子放出部が必要ないた
め、種々の基板上に形成可能であり、大面積を備えた電
子放出陰極を形成することも容易である。また、突起が
ないため電界の集中が起こりにくく、電極の経時変化は
非常に小さい。
【0109】上記実施例では、導電膜が基板42上に形
成されているが、基板自身が導電性を有するものであれ
ば、基板上の導電膜は特に必要でない。また基板および
n形半導体膜を一体とみなしてn形半導体基板を用いて
も差し支えない。
【0110】またp形半導体として、ボロンをドープし
たダイヤモンドを用いた場合、ダイヤモンドの電子親和
力は他の物質に比べて非常に小さく、結晶面によっては
電子親和力が負になるため、実施例1で説明したように
更に効果的な電子放出素子が得られる。シリコン等を用
いた電子放出素子では雰囲気に汚染され酸化膜を形成す
るためある程度の高真空が必要であるが、ダイヤモンド
は雰囲気に対して不活性であるという特徴もあり、10
-2Torr程度の比較的低真空でも動作する。ダイヤモンド
表面での電気伝導を顕著にするため、ダイヤモンド表面
は水素終端されていることが好ましい。
【0111】n形半導体としてもダイヤモンドを用いれ
ばよいが、満足な特性を有するn形ダイヤモンドを得る
ことは困難である。従って、実施例1において説明した
ダイヤモンドの微粒子を含むDLC膜をn形半導体膜に
用いることが好ましい。この場合には、導電膜としてア
ルミニウムを選択すれば、良好なオーミック接触が得ら
れる。
【0112】また、上記実施例では、導電膜上にn形半
導体膜が形成され、n形半導体膜上にp形半導体膜が形
成された電子放出陰極を説明したが、p形半導体膜を導
電膜上に形成し、p形半導体膜上にn形半導体膜を形成
してもよい。pn接合界面が真空中に露出する限り、本
発明の効果は得られる。
【0113】(実施例3)本実施例では、実施例1及び
2で説明した電子放出陰極あるいは電子放出素子を用い
たフラットディスプレイについて説明する。
【0114】図12(a)は、フラットディスプレイ1
50の断面構造を概略的に示している。図12(a)で
は、実施例2において説明した図5に示される電子放出
陰極44を用いた例を示しているが、実施例1及び実施
例2において説明したいずれの電子放出陰極を用いても
よい。
【0115】フラットディスプレイ150において、支
持基板152上に実施例2で説明した導電膜52、n形
半導体膜54、及びp形半導体膜56を有する電子放出
陰極44が形成されている。
【0116】フラットディスプレイ150は更にガラス
などからなる透明基板156を有しており、透明基板1
56上には、ITOなどからなる透明電極158とその
上に蛍光体膜160とが設けられている。蛍光体膜16
0は、ZnO:Zn等の無機材料、あるいは蛍光色素や
蛍光性導電性高分子等の有機材料で構成されている。透
明基板156と支持基板152とは、透明電極158及
び電子放出陰極44が対向するように絶縁体154を挟
んで適当な間隔を隔てて保持されており、透明基板15
6と支持基板152により形成される空間162は真空
に保たれている。
【0117】フラットディスプレイ150において、透
明電極158と電子放出陰極44との間に電圧を印加す
ることにより、実施例2において説明したように電子放
出陰極44から電子が放出され、加速される。加速され
た電子は透明電極158上の蛍光体膜160に衝突し、
励起発光する。
【0118】なお、透明電極158は必ずしも必要では
なく、透明電極158の代わりに電子放出陰極44と透
明基板156との間に公知の加速手段を設けてもよい。
この場合には、蛍光体の表面にアルミニウム薄膜などを
もうけることが好ましい。
【0119】また、図12(b)に示すように、電子放
出陰極44に近接して電子を引き出すためのゲート電極
を設けてもよい。図12(b)に示されるフラットディ
スプレイ170は、電子放出陰極44上に絶縁膜46を
介してゲート電極48が設けられている。図4(c)を
参照して説明したように絶縁膜46は省略し、ゲート電
極48を電子放出陰極44上に設けてもよい。図12
(b)において、図12(a)のフラットディスプレイ
パネル150と同一の構成要素には同じ参照符号を付し
ている。フラットディスプレイ170において、ゲート
電極48と電子放出陰極44との間に印加された電圧に
より電子が電子放出陰極44から引き出され、陽極であ
る透明電極158により加速され、透明電極158上の
蛍光体膜160が励起発光する。
【0120】図12(a)のフラットディスプレイ15
0は2端子構造であり、簡単な構造である。一方、図1
2(b)のフラットディスプレイ170は3端子でやや
構造が複雑となるが、ゲート電極を有するために、階調
表示が比較的容易となる。
【0121】また、フラットディスプレイを複数の画素
で構成するには、図13に示すような構造を備えた電子
放出陰極を用いてもよい。図13は、一画素分の電子放
出陰極の構成を説明する斜視図である。図13に示され
るように、Y方向に延びるストライプ状の信号電極線1
80を形成し、その上に実施例1あるいは2で説明した
電子放出陰極を形成する。ここでは、電子放出陰極44
を用いて説明する。そして、信号電極線180と交差す
るように絶縁膜184を介してX方向に延びるストライ
プ状のゲート電極線182が信号電極線180上に形成
されている。ゲート電極線182及び信号電極線180
の交差部分において、電子放出陰極44の表面が露出す
るように開口部186がゲート電極線182に設けられ
ている。ゲート電極線182と交差していない電子放出
陰極44の部分は必要に応じて絶縁膜を形成してもよ
い。
【0122】この様な構造を複数の信号電極線180及
び複数のゲート電極線182を用いて形成し、マトリク
ス状の画素を構成した基板を形成し、蛍光膜が設けられ
た透明電極を保持する透明基板と対向させれば、複数の
画素からなるフラットディスプレイが実現する。
【0123】(実施例4)実施例1及び実施例2で説明
したように、本発明の電子放出陰極は、真空下におい
て、高効率で多くの電子を放出することができる。この
特徴を利用することにより、新規な構造を備えた熱電冷
却装置が実現する。
【0124】図14は、熱電冷却装置200の断面を模
式的に示している。熱電冷却装置200は、第1の導電
性基板202と第1の導電性基板202上に形成された
陰極204と、第2の導電性基板206とを有してい
る。陰極204は、具体的には、実施例1または2にお
いて説明される電子放出陰極のいずれかを用いることが
できる。第1の導電性基板202と第2の導電性基板2
06とは、陰極204が内側となるように対向して保持
されており、封止ガラス208によって、第1の導電性
基板202と第2の導電性基板206との間の空間21
0が真空に保たれている。また、第1の導電性基板20
2と第2の導電性基板206との間隔は100μm以下
に保たれている。
【0125】第2の基板206に対して、第1の導電性
基板202がマイナスとなるように電圧を印加すると、
電源から流れる電子は、第1の導電性基板202から陰
極204へに移る。この際、ペルチェ効果により、第1
の導電性基板202から吸熱する。
【0126】陰極204は実施例1あるいは2で説明し
たように、高効率で真空中へ電子を放出することできる
ため、第1の導電性基板202から陰極204へ流れ込
んだ電子は、真空空間210へ引き出される。その際、
電子蒸発効果により第1の導電性基板202または、陰
極204から熱を奪う。
【0127】放出された電子は真空空間210に引き出
された後、対向する第2の導電性基板206に入射す
る。この際、電子は自己のポテンシャルエネルギーと運
動エネルギーを熱として放出し、第2の導電性基板20
6を加熱する。
【0128】従って、熱電冷却装置200を動作させる
と、第1の導電性基板202は冷却され、第2の基板2
06は加熱される。この2つの導電性基板202及び2
06は真空空間210を介して保持されているため、真
空空間210が第2の基板206から第1の基板202
へ熱が伝導するのを防ぎ、熱量の漏れによる冷却及び加
熱効率の低下を防ぐことができる。加熱量は第1の導電
性基板202で奪う熱量が大きいほど、また電子を引き
出す為の電圧が大きいほど大きくなる。
【0129】従って、高効率・高出力の熱電冷却装置が
得られる。また、電極を金属板と薄膜で構成することが
できるので、従来のペルチェ素子の様に希少金属を大量
に用いる必要がなく、省資源の点で有効である。また構
成材料が少量ですむため、軽量、低コストで製作でき
る。また真空間隙を狭く構成しており、非常に薄い冷却
装置が実現できる。
【0130】この様な熱電冷却装置に種々の改変を施す
ことが可能である。
【0131】図15に示される熱電冷却装置220は、
図14に示される熱電冷却装置200の陰極204の代
わりに、n形半導体膜222と半導体膜222の表面に
設けられた酸化セシウム膜224からなる陰極226を
有している。更に、第2の導電体基板206の第1の導
電性基板202と対向する面に、p形半導体膜232と
酸化セシウム膜234とからなる陽極236を備えてい
る。
【0132】酸化セシウムは仕事関数が小さいため、こ
の様な構成によっても真空中へ高効率で電子を放出する
ことができる。また、陰極226を構成する半導体膜と
陽極236を構成する半導体膜を反対の導電型を有する
半導体で形成することにより、第1の導電性基板202
と第2の導電性基板206との間に印加すべき電圧を小
さくすることができる。更に、電流の流れを逆にするこ
とにより、第2の導電性基板206を冷却し、第1の導
電性基板202を加熱することもできる。
【0133】図16に示される熱電冷却装置240は、
図15に示される熱電冷却装置220の陰極226の代
わりに、複数の微小突起244をその表面に備えたn形
半導体膜242を有している。また、陽極236の代わ
りに複数の微小突起244をその表面に備えたp形半導
体膜246を有している。
【0134】この様な構造によれば、仕事関数が比較的
大きい半導体材料であっても電子を真空中に放出するこ
とができる。
【0135】この様な微小突起244は、n形半導体膜
242及びp形半導体膜246に直接形成してもよい
し、第1の導電性基板202及び第2の導電性基板20
6に微小突起を設け、その表面にn形半導体膜242及
びp形半導体膜246を形成することによって微小突起
244を形成してもよい。
【0136】また、熱電冷却装置の外形を改変すること
もできる。
【0137】図17に示される熱電冷却装置300は、
第1の導電性基板として機能する導電性円筒302と、
その表面に形成された陰極304と、導電性円筒302
と同軸を有するように保持された第2の導電性基板とし
て機能する導電性円筒306と、その内壁に設けられた
陽極308とを有している。
【0138】陰極304及び陽極308には、図15及
び16を用いて説明したいずれの陰極及び陽極を用いて
もよい。また、陰極304に実施例1及び実施例2で説
明したいずれかの電子放出陰極を用い、陽極308は設
けなくてもよい。
【0139】導電性円筒302と導電性円筒306とは
真空空間310を保つように封止材312で固定されて
おり、導電性円筒302の内壁、及び導電性円筒306
の外壁にはそれぞれ複数のフィン314及び316が設
けられている。
【0140】電源から流れだした電子は、導電性円筒3
02に入り、その表面に形成された陰極304に移る際
に、ペルチェ効果による熱を吸収する。この吸熱作用に
よってフィン314の周囲を流れる流体から熱が奪わ
れ、流体は冷却される。一方、陰極304に入った電子
は、導電性円筒306と導電性円筒302との間に印加
された電圧により、陰極304の表面から引き出され、
真空空間310を飛翔し、陽極308を経て、導電性円
筒306に入る。その際に電子は自己の有していたエネ
ルギーを放出し、導電性円筒306を加熱する。この放
熱された熱はフィン316を介してその外部を流れる流
体に与えられ、流体は加熱される。この様な構造によれ
ば、非常にコンパクトに流体の冷却、加熱ができ、高い
効率が得られる。
【0141】導電性円筒302及び導電性円筒306
は、第1の導電性基板及び第2の導電性基板としてそれ
ぞれ機能すればよく、円筒以外にも多角形状のものでも
良いが、円筒形状であれば熱効率がさらに良好になる。
【0142】上記説明から明らかなように、本実施例の
熱電冷却装置によれば、加熱体と冷却体とが微小な真空
間隙により隔絶されているため、高温側から低温側への
漏れ熱量が著しく低減される。また、真空間隙は微小で
あるため、空間電荷効果による電子への障壁が小さく電
子放出が効率よく行われる。また、実施例1あるいは実
施例2で説明したように効率の良い電子放出陰極を用い
ており、電子が真空中へ放出される際、電子蒸発効果に
より著しく大きな冷却効果が得られる。従って、高効率
で高出力、かつ軽量の熱電冷却装置が得られる。
【0143】上記実施例3及び4では、実施例1及び2
で説明した電子放出素子を用いた応用例としてフラット
ディスプレイ及び熱電冷却装置を説明したが、本発明の
電子放出陰極及び電子放出素子は高速動作するスイッチ
ング素子等にも応用可能である。
【0144】
【発明の効果】本発明によれば、経時劣化が小さく、大
面積化が容易で低い真空度においても高効率で電子を放
出することができ、安価で量産性に優れた電子放出陰極
及び電子放出素子が得られる。また、この電子放出電極
を用いた高輝度で寿命が長く、大きな画面を備えたフラ
ットディスプレイが得られる。さらに、電子放出電極を
用いた高効率で高出力、かつ軽量の熱電冷却装置が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、第1の実施例による電子
放出素子の斜視図である。
【図2】図1の電子放出素子に用いられる本発明による
電子放出陰極の斜視図である。
【図3】本発明の別の電子放出陰極の斜視図である。
【図4】(a)は、第2の実施例による電子放出素子の
斜視図であり、(b)はその断面図である。(c)は、
第2の実施例による電子放出素子の別な構造を示す断面
図である。
【図5】本発明の別の電子放出素子の断面図である。
【図6】図4及び図5に示される電子放出素子に用いら
れる電子放出陰極の模式的なエネルギバンド図である。
【図7】図4及び図5に示される電子放出素子に用いら
れる電子放出陰極から電子が放出される様子を説明する
模式図である。
【図8】本発明の別の電子放出陰極の断面図である。
【図9】本発明の別の電子放出陰極の断面図である。
【図10】本発明の別の電子放出陰極の断面図である。
【図11】本発明の別の電子放出陰極の断面図である。
【図12】(a)及び(b)は、本発明のフラットディ
スプレイの模式的な断面図である。
【図13】図12に示すフラットディスプレイに好適に
用いることのできる1画素分の電子放出陰極の構造を示
す斜視図である。
【図14】本発明の熱電冷却装置の模式的な断面図であ
る。
【図15】本発明の別の熱電冷却装置の模式的な断面図
である。
【図16】本発明の更に別の熱電冷却装置の模式的な断
面図である。
【図17】本発明の更に別の熱電冷却装置の斜視図であ
る。
【図18】従来の電子放出素子の断面図である。
【図19】従来の熱電冷却装置の斜視図である。
【符号の説明】
10、40 電子放出素子 12、42 基板 14、44、80、90、100、110 電子放出陰
極 16、46 絶縁膜 18、48 ゲート電極 20、50 開口部 22 陽極 24 カーボン膜 26 ダイヤモンド 30 半導体膜 52、82、92、102、112 導電膜 54 84、94、104、114 n形半導体膜 56 86、96、106、116 p形半導体膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 31/15 H01J 31/15 C H01L 35/32 H01L 35/32 A

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子状のダイヤモンドを含み、該ダイヤ
    モンドの一部が表面から突出しているn形半導体膜を有
    し、真空空間を隔てて該n形半導体膜に対向して設けら
    れる陽極との間に電圧を印加することにより電子を放出
    させる電子放出陰極。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンドがp形半導体である請
    求項1に記載の電子放出陰極。
  3. 【請求項3】 粒子状のダイヤモンドを含み、該ダイヤ
    モンドの一部が表面から突出しているカーボン膜を有
    し、真空空間を隔てて該カーボン膜に対向して設けられ
    る陽極との間に電圧を印加することにより電子を放出さ
    せる電子放出陰極。
  4. 【請求項4】 前記カーボン膜がn形半導体もしくは疑
    似n形半導体である請求項3に記載の電子放出陰極。
  5. 【請求項5】 前記カーボン膜はn形不純物として窒素
    を含んでおり、該カーボン膜の一部はダイヤモンド構造
    を有する微粒子を含む請求項3に記載の電子放出陰極。
  6. 【請求項6】 導電性膜と、 該導電性膜上に形成された第1導電形半導体膜と、 該第1導電形半導体膜上に形成された島状の第2導電形
    半導体膜とを有し、 真空空間を隔てて該導電性膜に対向して設けられる陽極
    との間に電圧を印加することにより電子を放出させる電
    子放出陰極。
  7. 【請求項7】 前記第1導電形半導体膜は島状に形成さ
    れている請求項6に記載の電子放出陰極。
  8. 【請求項8】 導電性膜と、 該導電性膜上に形成された第1導電形半導体膜と、 該第1導電形半導体膜上に形成されており、少なくとも
    該第1導電形半導体膜の表面を露出させる複数の開口部
    が設けられた第2導電形半導体膜とを有し、 真空空間を隔てて該導電性膜に対向して設けられる陽極
    との間に電圧を印加することにより電子を放出させる電
    子放出陰極。
  9. 【請求項9】 前記開口部は導電性膜の表面が露出する
    ように、前記第1導電形半導体膜にも設けられている請
    求項8に記載の電子放出陰極。
  10. 【請求項10】 前記第1導電形半導体膜及び前記第2
    導電形半導体膜の一方は、ボロンをドープしたダイヤモ
    ンドを含む請求項6から9のいずれかに記載の電子放出
    陰極。
  11. 【請求項11】 前記第1導電形半導体膜及び前記第2
    導電形半導体膜の一方は、ピリジン、ピリダジン、ピリ
    ミジン、及び1,3,5−トリアジンからなるグループ
    から選ばれた材料を原料として製造される窒素を含有し
    た炭素薄膜からなる請求項6から9のいずれかに記載の
    電子放出陰極。
  12. 【請求項12】 粒子状のダイヤモンドを含み、該ダイ
    ヤモンドの一部が表面から突出しているn形半導体膜か
    らなる陰極と、 真空空間を隔てて該n形半導体膜に対向して設けられた
    陽極と、を有し、 該陰極と該陽極との間に電圧を印加することにより、該
    陰極から電子を放出させる電子放出素子。
  13. 【請求項13】 粒子状のダイヤモンドを含み、該ダイ
    ヤモンドの一部が表面から突出しているカーボン膜から
    なる陰極と、 真空空間を隔てて該n形半導体膜に対向して設けられた
    陽極と、を有し、 該陰極と該陽極との間に電圧を印加することにより、該
    陰極から電子を放出させる電子放出素子。
  14. 【請求項14】 導電性膜と、該導電性膜上に形成され
    た第1導電形半導体膜と、該第1導電形半導体膜上に形
    成された島状の第2導電形半導体膜とを有する陰極と、 真空空間を隔てて該第1導電形半導体膜に対向して設け
    られた陽極と、を有し、 該陰極と該陽極との間に電圧を印加することにより、該
    陰極から電子を放出させる電子放出素子。
  15. 【請求項15】 導電性膜と、該導電性膜上に形成され
    た第1導電形半導体膜と、該第1導電形半導体膜上に形
    成されており、少なくとも該第1導電形半導体膜の表面
    を露出させる複数の開口部が設けられた第2導電形半導
    体膜とを有する陰極と、 真空空間を隔てて該第1導電形半導体膜に対向して設け
    られた陽極と、を有し、 該陰極と該陽極との間に電圧を印加することにより、該
    陰極から電子を放出させる電子放出素子。
  16. 【請求項16】 前記陰極と前記陽極との間に設けられ
    ており、該陰極の少なくとも一部を露出させる開口部を
    備えたゲート電極とを有し、ゲート電極に印加される電
    圧により、該陰極から電子を引き出させる、請求項12
    から15のいずれかに記載の電子放出素子。
  17. 【請求項17】 前記陰極及び前記ゲート電極は、互い
    に交差するように異なる方向に延びるストライプ状にそ
    れぞれ形成されており、該陰極と該ゲート電極が交差す
    る部分に前記開口部が設けられている請求項16に記載
    の電子放出素子。
  18. 【請求項18】 支持基板と、 粒子状のダイヤモンドを含み、該ダイヤモンドの一部が
    表面から突出しているn形半導体膜からなり、該支持基
    板上に設けられた陰極と、 透明基板と、 該透明基板の表面に設けられた蛍光体とを有し、 該支持基板と該透明基板とが該陰極及び該蛍光体が対向
    するように保持されており、該支持基板と該透明基板と
    により保持された空間が真空に保たれているフラットデ
    ィスプレイ。
  19. 【請求項19】 支持基板と、 粒子状のダイヤモンドを含み、該ダイヤモンドの一部が
    表面から突出しているカーボン膜からなり、該支持基板
    上に設けられた陰極と、 透明基板と、 透明基板上の表面に設けられた蛍光体とを有し、 該支持基板と該透明基板とが該陰極及び該蛍光体が対向
    するように保持されており、該支持基板と該透明基板と
    により保持された空間が真空に保たれているフラットデ
    ィスプレイ。
  20. 【請求項20】 支持基板と、 導電性膜と、該導電性膜上に形成された第1導電形半導
    体膜と、該第1導電形半導体膜上に形成された島状の第
    2導電形半導体膜とを有しており、該支持基板上に設け
    られた陰極と、 透明基板と、 透明基板の表面に設けられた蛍光体とを有し、 該支持基板と該透明基板とが該陰極及び該蛍光体が対向
    するように保持されており、該支持基板と該透明基板と
    により保持された空間が真空に保たれているフラットデ
    ィスプレイ。
  21. 【請求項21】 支持基板と、 導電性膜と、該導電性膜上に形成された第1導電形半導
    体膜と、該第1導電形半導体膜上に形成されており、少
    なくとも該第1導電形半導体膜の表面を露出させる複数
    の開口部が設けられた第2導電形半導体膜とを有してお
    り、該支持基板上に設けられた陰極と、 透明基板と、 透明基板の表面に設けられた蛍光体とを有し、 該支持基板と該透明基板とが該陰極及び該蛍光体が対向
    するように保持されており、該支持基板と該透明基板と
    により保持された空間が真空に保たれているフラットデ
    ィスプレイ。
  22. 【請求項22】 前記陰極と前記蛍光体との間に設けら
    れており、該陰極の少なくとも一部を露出させる開口部
    を備えたゲート電極とを有し、ゲート電極に印加される
    電圧により、該陰極から電子を引き出させる、請求項1
    9から21のいずれかに記載のフラットディスプレイ。
  23. 【請求項23】 前記陰極及び前記ゲート電極は、互い
    に交差するように異なる方向に延びるストライプ状にそ
    れぞれ形成されており、該陰極と該ゲート電極が交差す
    る部分に前記開口部が設けられている請求項22に記載
    のフラットディスプレイ。
  24. 【請求項24】 表面を有する第1の導電性基板と、 該第1の導電性基板の該表面上に形成された陰極と、 該表面と対向するように該第1の基板と真空空間を隔て
    て保持された第2の導電性基板と、を有し、該第1の導
    電性基板と該第2の導電性基板との間に電圧を印加し、
    陰極から該真空空間を介して該第2の基板へ電子を放出
    し、該第1の導電性基板と第の基板との間に流れる電流
    により生じる吸熱効果により、該第1の導電性基板を冷
    却する熱電冷却装置。
  25. 【請求項25】 前記陰極は、粒子状のダイヤモンドを
    含み、該ダイヤモンドの一部が表面から突出しているn
    形半導体膜からなる、請求項24に記載の熱電冷却装
    置。
  26. 【請求項26】 前記陰極は、粒子状のダイヤモンドを
    含み、該ダイヤモンドの一部が表面から突出しているカ
    ーボン膜からなる、請求項24に記載の熱電冷却装置。
  27. 【請求項27】 前記陰極は、導電性膜と、該導電性膜
    上に形成された第1導電形半導体膜と、該第1導電形半
    導体膜上に形成されており、少なくとも該第1導電形半
    導体膜の表面を露出させる複数の開口部が設けられた第
    2導電形半導体膜とを有している、請求項24に記載の
    熱電冷却装置。
  28. 【請求項28】 前記陰極は、低い仕事関数表面を有す
    るもので構成されることを特徴とする請求項24に記載
    の熱電冷却装置。
  29. 【請求項29】 前記陰極は、多数の微細な突起を有す
    る請求項24に記載の熱電冷却装置。
  30. 【請求項30】 前記陰極は、半導体からなる請求項2
    4に記載の熱電冷却装置。
  31. 【請求項31】 前記第1の導電性基板及び前記第2の
    導電性基板は同心軸を有する2つの円柱の側面である請
    求項24に記載の熱電冷却装置。
  32. 【請求項32】 前記第1の導電性基板と前記第2の導
    電性基板はそれぞれフィンを有する請求項31に記載の
    熱電冷却装置。
  33. 【請求項33】 前記第1の導電性基板と前記第2の導
    電性基板とは100μm以下の間隙で保持されている請
    求項24から33のいずれかに記載の熱電冷却装置。
  34. 【請求項34】 粒子状ダイヤモンドとn型半導体粉末
    または、カーボン粉末とを含むペーストを作製する工程
    と、 該ペーストを基板上に塗布する工程と、 該塗布されたペーストを焼成する工程と、を包含する電
    子放出陰極の製造方法。
  35. 【請求項35】 粒子状ダイヤモンドを基板上に配置す
    る工程と、ダイヤモンドの粒径よりも小さな厚みを備
    え、ダイヤモンド構造を部分的に備えたカーボン膜を該
    基板上に形成する工程と、を包含する電子放出陰極の製
    造方法。
  36. 【請求項36】 ダイヤモンド構造を部分的に備えたカ
    ーボン膜を該基板上に形成する工程と、 該カーボン膜に粒子状ダイヤモンドを付着させる工程
    と、を包含する電子放出陰極の製造方法。
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