JP2001064459A - ゴム組成物およびその架橋ゴム成形体 - Google Patents

ゴム組成物およびその架橋ゴム成形体

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明のゴム組成物は、特定のエチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)、水素化ニトリルゴム(B)、および任意に該ゴム(A)
と該ゴム(B)との中間の溶解度パラメータを有する相溶
化剤(C)、有機過酸化物を特定の割合で含有してなり、
かつ、該ゴム(A)と該ゴム(B)のムーニー粘度〔ML
1+4(100℃)〕をそれぞれa、bとしたとき、aとbと
が、次の関係式を満たすことを特徴としている。2.0
×b≧a≧0.3×b 本発明の架橋ゴム成形体は、上
記のような、本発明のゴム組成物からなることを特徴と
している。 【効果】本発明によれば、引張強度等の機械的強度特
性、耐油性に優れるとともに耐候性、耐オゾン性、耐熱
老化性、耐寒性に優れ、しかも、剥離強度特性に優れる
架橋ゴム成形体を調製できる、共架橋性に優れるゴム組
成物、およびその架橋ゴム成形体を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、エチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム、水素化ニト
リルゴム、および任意に相溶化剤を含むゴム組成物、お
よびその架橋ゴム成形体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン・プロピレン・非共役ジ
エン共重合体ゴム(EPDM)に代表されるエチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、耐油
性に劣るものの、その分子主鎖中に二重結合を有しない
ため、耐侯性、耐オゾン性、耐熱老化性に優れており、
さらにそのガラス転移温度(Tg)が低いため耐寒性に
優れている。エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴムは、それらの特性を活かしてウェザース
トリップスポンジ、ドアグラスランチャンネル、ラジエ
ーターホース、ブレーキ部品などの用途に好適に使用さ
れている。
【0003】一方、水素化ニトリルゴムは、機械的強度
特性、耐油性、耐オゾン性などの特性に優れていること
から、シール材、ホース、ベルト類などの用途に広く用
いられているが、耐寒性に劣るという問題がある。
【0004】上記のようなエチレン・プロピレン・非共
役ジエン共重合体ゴム、水素化ニトリルゴムおよび相溶
化剤を含むゴム組成物が知られており、特開平5−22
2243号公報には、エチレン・プロピレン・非共役ジ
エン共重合体ゴム5〜40重量%、部分水素化不飽和ニ
トリル・共役ジエン系共重合体ゴム40〜90重量%、
およびエチレン・酢酸ビニル共重合体、アクリルゴムま
たはハロゲン化ブチルゴム5〜20重量%を含むゴム組
成物が記載されている。
【0005】このゴム組成物は、水素化ニトリルゴムを
主成分とし、その耐寒性を改善するためにエチレン・プ
ロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムが配合されてい
る。このゴム組成物は、耐寒性のほか共架橋性が改良さ
れ、架橋物の定伸長疲労性が改良されている。
【0006】しかしながら、本願発明者らは、特開平5
−222243号公報に記載されているゴム組成物につ
いて追試したところ、そのゴム組成物は、分散性が向上
し、耐疲労性が向上しているものの、得られる架橋ゴム
成形体は、共架橋性が不十分で、耐圧縮永久歪み性が劣
り、実用性に耐えうるものではないことを確認してい
る。
【0007】そこで、本願発明者らは、鋭意研究し、特
定のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダ
ム共重合体ゴムに、水素化ニトリルゴムを特定の割合で
配合したゴム組成物、およびこの組成物に特定の相溶化
剤を特定の条件を満たす量で配合したゴム組成物が共架
橋性に優れていること、およびこれらのゴム組成物から
機械的強度特性、耐油性に優れるとともに、耐侯性、耐
オゾン性、耐熱老化性、耐寒性に優れ、しかも、剥離強
度特性に優れる架橋ゴム成形体を調製できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、機械的強度特
性、耐油性に優れるとともに、耐侯性、耐オゾン性、耐
熱老化性、耐寒性に優れ、しかも、剥離強度特性に優れ
るゴム成形体特に架橋ゴム成形体を調製できる、共架橋
性に優れたゴム組成物およびその架橋ゴム成形体を提供
することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るゴム組成物は、非共役ポリ
エンが下記一般式〔I〕あるいは〔II〕で表わされる少
なくとも一種のノルボルネン化合物から導かれる構成単
位を有するエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
ランダム共重合体ゴム(A)と、水素化ニトリルゴム
(B)とからなり、かつ、エチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と水素化ニ
トリルゴム(B)との重量比〔(A)/(B)〕が5/95
〜95/5であり、エチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A)のムーニー粘度
〔ML1+4(100℃)〕をa、水素化ニトリルゴム(B)の
ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕をbとしたとき、aと
bとが、関係式 2.0×b≧a≧0.3×b ・・・・・(1) を満たすことを特徴としている。
【0010】
【化3】
【0011】〔式中、nは0〜10の整数であり、R1
は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であ
り、R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル
基である。〕
【0012】
【化4】
【0013】〔式中、R3は水素原子または炭素原子数
1〜10のアルキル基である。〕 本発明に係るゴム組成物は、さらに、前記エチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)と前記水素化ニトリルゴム(B)との中間の溶解
度パラメータ(SP値)を有する相溶化剤(C)を、エ
チレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重
合体ゴム(A)と水素化ニトリルゴム(B)との合計量
100重量部に対して、0.1〜30重量部含有してい
てもよい。
【0014】前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭
素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエン
化合物とのランダム共重合体であり、(i)エチレンと
炭素数原子3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチ
レン/α- オレフィン)が40/60〜95/5の範囲
にあり、(ii)ヨウ素価が0.5〜50の範囲にあり、
(iii)ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕が1〜180の
範囲にある。
【0015】また、前記水素化ニトリルゴム(B)は、
(i)結合不飽和ニトリル量が5〜60重量%の範囲に
あり、(ii)ヨウ素価が0〜120の範囲にあり、(ii
i)ムーニー粘度が〔ML1+4(100℃)〕が1〜180の範
囲にある。
【0016】前記相溶化剤(C)としては、溶解度パラ
メータ(SP値)が8.2〜9.2である、塩素化エチ
レン・α- オレフィン共重合体、エチレン・ビニルエス
テル共重合体またはエチレン・不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体が好ましく用いられる。
【0017】本発明に係るゴム組成物は、エチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)および水素化ニトリルゴム(B)の他に、さら
に、架橋剤として有機過酸化物(D)を含有していても
よく、また、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A)、水素化ニトリルゴム
(B)および相溶化剤(C)の他に、さらに、架橋剤と
して有機過酸化物を含有していてもよい。
【0018】本発明に係る架橋ゴム成形体は、上記のよ
うな、本発明に係るゴム組成物からなることを特徴とし
ている。
【0019】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るゴム組成物お
よびその架橋ゴム成形体について具体的に説明する。
【0020】本発明に係るゴム組成物は、エチレン・α
- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)、水素化ニトリルゴム(B)、および任意に相溶
化剤(C)、架橋剤として有機過酸化物を含有してい
る。
【0021】エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴム(A) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、
炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエ
ンとがランダムに共重合したポリマーである。
【0022】このような炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチ
ル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペ
ンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセ
ン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、
3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデ
セン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセ
ン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらの中では、
プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ま
しい。
【0023】これらのα- オレフィンは、単独で、ある
いは2種以上組み合わせて用いられる。エチレンとα-
オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)
は、40/60〜95/5、好ましくは55/45〜9
0/10、さらに好ましくは60/40〜85/15の
範囲にあることが望ましい。エチレンとα- オレフィン
とのモル比が上記範囲にあるエチレン・α- オレフィン
・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)を用いる
と、低温下でもゴム弾性を損なうことがなく、耐寒性に
優れ、機械的強度特性に優れた架橋ゴム成形体を提供で
きるゴム組成物が得られる。
【0024】本発明で用いられる非共役ポリエンは、下
記の一般式〔I〕または〔II〕で表わされるノルボルネ
ン化合物である。
【0025】
【化5】
【0026】一般式〔I〕において、nは0〜10の整
数であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜10の
アルキル基であり、R2は水素原子または炭素原子数1
〜5のアルキル基である。
【0027】R1のアルキル基としては、具体的には、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、
n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、ネオペ
ンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
【0028】R2のアルキル基の具体例としては、上記
1の具体例のうち、炭素原子数1〜5のアルキル基が
挙げられる。
【0029】
【化6】
【0030】一般式〔II〕において、R3は水素原子ま
たは炭素原子数1〜10のアルキル基である。R3のア
ルキル基の具体例は、上記R1のアルキル基の具体例と
同じアルキル基を挙げることができる。
【0031】上記一般式〔I〕または〔II〕で表わされ
るノルボルネン化合物としては、具体的には、5-メチレ
ン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-(2-
プロペニル)-2-ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2-ノ
ルボルネン、5-(1-メチル-2-プロペニル)-2-ノルボル
ネン、5-(4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(1-メ
チル-3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(5-ヘキセニ
ル)-2-ノルボルネン、5-(1-メチル-4-ペンテニル)-2
-ノルボルネン、5-(2,3-ジメチル-3-ブテニル)-2-ノ
ルボルネン、5-(2-エチル-3-ブテニル)-2-ノルボルネ
ン、5-(6-ヘプテニル)-2-ノルボルネン、5-(3-メチ
ル-5-ヘキセニル)-2-ノルボルネン、5-(3,4-ジメチル
-4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(3-エチル-4-ペ
ンテニル)-2-ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2-ノ
ルボルネン、5-(2-メチル-6-ヘプテニル)-2-ノルボル
ネン、5-(1,2-ジメチル-5-ヘキセシル)-2-ノルボルネ
ン、5-(5-エチル-5-ヘキセニル)-2-ノルボルネン、5-
(1,2,3-トリメチル-4-ペンテニル)-2-ノルボルネンな
ど挙げられる。これらのなかでも、5-ビニル-2-ノルボ
ルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-(2-プロペニ
ル)-2-ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2-ノルボルネ
ン、5-(4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(5-ヘキ
セニル)-2-ノルボルネン、5-(6-ヘプテニル)-2-ノル
ボルネン、5-(7-オクテニル)-2-ノルボルネンが好ま
しい。
【0032】これらのノルボルネン化合物は、単独で、
あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。上
記ノルボルネン化合物たとえば5-ビニル-2-ノルボルネ
ンの他に、本発明の目的とする物性を損なわない範囲
で、以下に示す非共役ポリエンと併用することもでき
る。
【0033】このような非共役ポリエンとしては、具体
的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエ
ン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサ
ジエン、4,5-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,
6-オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒ
ドロインデン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチ
レン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボル
ネン、5-ビニリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-
5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5
-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-
ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン等
のトリエンなどが挙げられる。
【0034】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)のヨ
ウ素価は、0.5〜50(g/100g)、好ましくは
0.8〜40(g/100g)、さらに好ましくは1〜3
0(g/100g)、特に好ましくは1.5〜25(g/1
00g)である。エチレン・α- オレフィン・非共役ポリ
エンランダム共重合体ゴム(A)は、そのヨウ素価が上
記範囲内にあると、架橋効率が大きく、水素化ニトリル
ゴム(B)との共架橋性に優れ、しかも、耐熱老化性
(耐環境劣化性)に優れた架橋ゴム成形体を提供できる
ゴム組成物が得られるため好ましい。また、高価なノル
ボルネン化合物の使用割合が少なくて済むので、コスト
面でも好ましい。
【0035】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、
そのムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕をa、水素化ニト
リルゴム(B)のムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕をb
としたとき、aとbとが、下記の関係式(1)を満たし
ている。
【0036】 2.0×b≧a≧0.3×b ・・・・・(1) 本発明では、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕が1〜1
80、好ましくは2〜150、さらに好ましくは3〜1
20の範囲にあるエチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体ゴム(A)を用いるのが望まし
い。
【0037】ムーニー粘度が上記範囲にあるエチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム
(A)は、水素化ニトリルゴム(B)とのブレンド性が
良好である。また、このようなムーニー粘度を有するエ
チレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重
合体ゴム(A)を用いると、加工性に優れたゴム組成物
が得られる。
【0038】〔共重合体ゴム(A)の調製〕上記のよう
なエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム
共重合体ゴム(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20
のα- オレフィンと非共役ポリエンとを、オレフィン重
合用触媒の存在下に、通常、液相でランダム共重合させ
ることにより調製することができる。
【0039】このようなオレフィン重合用触媒として
は、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニ
ウム(Ti)等の遷移金属化合物と、有機アルミニウム
化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)とからなるチ
ーグラー型触媒などが使用できる。また、元素の周期律
表第IVB族から選ばれる繊維金属のメタロセン化合物
と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオ
ン性化合物とからなるメタロセン触媒を用いることもで
きる。
【0040】共重合反応を行なう際、プロピレン等のα
- オレフィンを溶媒として用いることもできるが、炭化
水素溶媒を用いるのが好ましい。このような炭化水素溶
媒としては、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化
水素およびそのハロゲン誘導体;シクロヘキサン、メチ
ルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭
化水素およびそのハロゲン誘導体;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素およびクロロベンゼン
等のハロゲン誘導体などが用いられる。
【0041】これらの溶媒は、単独で、あるいは2種以
上組合わせて用いることができる。水素化ニトリルゴム(B) 本発明で用いられる水素化ニトリルゴム(B)は、不飽
和ニトリルと共役ジエンとがランダムに共重合した不飽
和ニトリル・共役ジエン系共重合体ゴム中の共役ジエン
単位部分を部分的にまたは完全に水素化したポリマーで
ある。
【0042】上記不飽和ニトリルとしては、具体的に
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げ
られる。上記共役ジエンとしては、具体的には、1,3-ブ
タジエン、2,8-ジメチル-1,3-ブタジエン、イソプレ
ン、1,3-ペンタジエンなどが挙げられる。
【0043】不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体ゴ
ムは、不飽和ニトリルおよび共役ジエンの他に、エチレ
ン性不飽和モノマーまたは非共役ジエンが共重合されて
いてもよい。
【0044】このような共重合可能なエチレン性不飽和
モノマーとしては、具体的には、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸お
よびその塩;メチルアクリレート、ブチルアクリレート
等の不飽和カルボン酸のアルキルエステル;アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N,N'-ジメチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN-置
換(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0045】また、上記非共役ジエンとしては、具体的
には、5-ビニル-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン、1,4-ヘキサジエンなどが挙げられる。不飽和ニトリ
ル・共役ジエン系共重合体ゴム中に占める結合不飽和ニ
トリル量は、架橋ゴム成形体の耐油性の面から通常5〜
60重量%、好ましくは10〜50重量%であることが
望ましい。
【0046】このような不飽和ニトリル・共役ジエン系
共重合体ゴムの水素化は、たとえば水素化用触媒を、平
均粒子径10μm以下の粉末状シリカ担体または平均粒
子径5mμm〜10μm、比表面積5〜2000m2
gのカーボン担体に担持させた担体担持触媒の存在下
に、溶液中で、上記不飽和ニトリル・共役ジエン系共重
合体ゴムを水素化することにより行なうことができる。
【0047】上記シリカ担体としては、触媒活性および
水素化ニトリルゴム(B)中にシリカを残存させること
を考慮すると、平均粒子径が10μm以下のシリカが好
ましい。すなわち、平均粒子径10μm以下のシリカが
水素化ニトリルゴム(B)中に残存しても、架橋ゴムの
優れた機械的強度特性を保持することができる。
【0048】シリカは、触媒活性を示し、上記範囲の平
均粒子径を有するものであれば特に限定されるものでは
ないが、一般的には、シリカゲル;シリカゾル;ゴム用
あるいは樹脂用等の補強剤として使用されるシリカ;ラ
テックスの充填剤等に使用されるシリカ;接着剤、塗
料、インキ用に使用されるシリカ;増粘剤用シリカ;紙
コーティング用シリカ;水分散用シリカ;薄層クロマト
グラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマト
グラフィー、液体クロマトグラフィー用のシリカなどを
使用することができる。
【0049】また、上記カーボン担体としては、触媒活
性および水素化ニトリルゴム(B)中にカーボンを残存
させることを考慮すると、平均粒子径が5mμm〜10
μm、好ましくは20mμm〜10μmであり、比表面
積が5〜2000m2/g、好ましくは20〜2000
2/gであるカーボンが望ましい。
【0050】このようなカーボンとしては、粉末状活性
炭;着色用、ゴム用等の補強剤として、あるいは電気伝
導用の充填剤等として使用される石油系の重質油、天然
ガス等を原料としてファーネス法、チャンネル法の製造
方式を用いて製造されるカーボンブラックなどが使用で
きる。
【0051】カーボンブラックとしては、具体的には、
ガスファーネス法で製造されるFEFカーボンブラッ
ク、HMFカーボンブラック、SRFカーボンブラッ
ク;オイルファーネス法で製造されるSAFカーボンブ
ラック;各種グレードのHAFカーボンブラック、IS
AFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、CF
カーボンブラック;チャンネル法で製造されるカラー用
のHCCカーボンブラック、MCCカーボンブラック;
ゴム用等のEPCカーボンブラック、MPCカーボンブ
ラックなどが挙げられる。
【0052】カーボンブラックは、触媒活性および水素
化ニトリルゴム(B)の架橋物性への影響を考慮して適
宜選択すれば良いが、上記カーボンブラックの中では、
SRF、FEF、CFタイプのカーボンブラックが好ま
しく、特にCFタイプのカーボンブラックが好ましい。
【0053】水素化触媒は、水素化活性を有する金属あ
るいは非金属触媒であれば何でもよく、触媒が水素化後
の不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体ゴム中に残存
しても悪影響を及ぼさないものであれば特に限定はされ
ない。
【0054】具体的には、Fe、Co、Ni、Ru、R
h、Pd、Ir、Os、Pt、Cr、Te、Mn、T
i、V、Zr、Mo、Wなどが挙げられる。これらの金
属は単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いること
もできる。
【0055】その他にも、Pdと、周期律表第Ia族、
第IIa族、第IIIa族、第IIIb族、第IVa族、第IVb
族、第Va族、第VIa族、第VIIa族の金属あるいは非
金属、Ag、Au、Sb、Te等とを併用した触媒も活
性が高く好ましい。水素化効率、および水素化ニトリル
ゴム(B)中に触媒が残存したときに悪影響を及ぼさな
いこと等の点から特にPd系触媒が好ましい。
【0056】金属または非金属をシリカ担体またはカー
ボン担体へ担持させるには、通常の担体担持触媒の調製
方法を用いれば良い。たとえば上記のような金属あるい
は非金属元素をそのまま、上記シリカ担体またはカーボ
ン担体に担持させることによって担持触媒が得られる
し、また、これらの元素の各種塩の水溶液等を上記シリ
カ担体またはカーボン担体に含浸させた後、還元するこ
とによって担持触媒が得られる。
【0057】担体への触媒金属および/または非金属の
担持量は、担体100重量%当たり、0.001〜30
重量%、好ましくは0.01〜10重量%である。触媒
の使用量は、水素化する不飽和ニトリル・共役ジエン系
共重合体ゴムの種類および目標とする水素化率により適
宜決めれば良いが、水素化ニトリルゴム(B)中に触媒
が残存して架橋物の諸特性に与える影響を考慮すると、
不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体ゴム当たり、2
000重量ppm以下、好ましくは1000重量ppm
以下である。
【0058】水素化反応は、溶液重合で重合した不飽和
ニトリル・共役ジエン系共重合体ゴムを使用するとき
は、この共重合体ゴムの溶液をそのままの状態で行なわ
れ、また、固形の不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合
体ゴムを使用するときは、この共重合体ゴムを溶媒に溶
解して溶液の状態で行なわれる。不飽和ニトリル・共役
ジエン系共重合体ゴム溶液の濃度は1〜70重量%、好
ましくは1〜40重量%である。溶媒としては、触媒に
悪影響を与えないで、水素化される不飽和ニトリル・共
役ジエン系共重合体ゴムを溶解するものであれば特に制
限はなく、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、
アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、シクロヘ
キサノンなどが用いられる。
【0059】水素化の反応温度は0〜300℃、好まし
くは20〜150℃である。反応温度は150℃を超え
ても差し支えないが、副反応が起こるため、選択的水素
化反応上望ましくない。
【0060】水素化反応における水素圧は、大気圧〜3
00kg/cm2、好ましくは5〜200kg/cm2
範囲である。水素化反応終了後、担体担持触媒を含む水
素化ニトリルゴム溶液から水素化ニトリルゴム(B)を
分離するには、通常、重合体溶液から重合体を回収する
際に使用される方法をそのまま用いれば良い。
【0061】たとえば(1)水素化ニトリルゴム溶液を
水蒸気と直接接触させる水蒸気凝固法、(2)加熱回転
ドラム上に水素化ニトリルゴム溶液を滴下させ溶媒を蒸
発させるドラム乾燥方法、(3)水素化ニトリルゴム溶
液に貧溶媒を添加して水素化ニトリルゴムを沈澱させる
方法等が挙げられる。
【0062】このような分離方法を用いることによって
担体担持触媒を含有する水素化ニトリルゴムが溶液より
分離され、水切り工程、熱風乾燥、減圧乾燥あるいは押
出し乾燥等の乾燥工程を経て水素化ニトリルゴム(B)
が固形分として回収される。
【0063】このような水素化方法は、特公昭60−5
8242号公報、特公昭62−61045号公報などに
詳しく記載されている。本発明で用いられる水素化ニト
リルゴム(B)としては、具体的には、ブタジエン・ア
クリロニトリル共重合体ゴム(NBR)、イソプレン・
ブタジエン・アクリロニトリル共重合体ゴム、イソプレ
ン・アクリロニトリル共重合体ゴム等の水素添加物;ブ
タジエン・メチルアクリレート・アクリロニトリル共重
合体ゴム、ブタジエン・アクリル酸・アクリロニトリル
共重合体ゴム等の水素添加物などが挙げられる。
【0064】本発明で用いられる水素化ニトリルゴム
(B)としては、結合不飽和ニトリル量は、架橋ゴムの
耐油性の面から5〜60重量%、好ましくは10〜50
重量%の範囲にあることが望ましい。
【0065】また、水素化ニトリルゴム(B)は、ヨウ
素価が0〜120、好ましくは0〜80の範囲にあるこ
とが望ましい。ヨウ素価が上記範囲にある水素化ニトリ
ルゴム(B)を用いると、耐熱性に優れた架橋ゴム成形
体を提供できるゴム組成物が得られる。
【0066】本発明で用いられる水素化ニトリルゴム
(B)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン
ランダム共重合体ゴム(A)のムーニー粘度〔ML
1+4(100℃)〕をa、水素化ニトリルゴム(B)のムーニ
ー粘度〔ML1+4(100℃)〕をbとしたとき、aとbと
が、下記の関係式(1)を満たしている。
【0067】 2.0×b≧a≧0.3×b ・・・・・(1) 水素化ニトリルゴム(B)のムーニー粘度〔ML1+4(10
0℃)〕は1〜180、好ましくは2〜150、さらに好
ましくは3〜120の範囲にあることが望ましい。
【0068】本発明では、上記関係式(1)を満たす、
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴム(A)と水素化ニトリルゴム(B)とを組合
せて使用する。この場合、これらのゴム(A)、(B)
は、それぞれ前記ムーニー粘度の範囲にあるものを使用
するのが好ましい。
【0069】エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合体ゴム(A)と水素化ニトリルゴム(B)のム
ーニー粘度が上記関係式(1)を満たす場合、これらの
ゴムは相溶性に優れているため、本発明に係るゴム組成
物から得られる架橋ゴム成形体は、剥離強度特性に優れ
る。
【0070】水素化ニトリルゴム(B)は、エチレン・
α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)お
よび水素化ニトリルゴム(B)の合計量100重量部に
対して、95〜5重量部、好ましくは93〜7重量部、
さらに好ましくは90〜10重量部の割合で用いられ
る。
【0071】相溶化剤(C) 本発明で任意に用いられる相溶化剤(C)は、溶解度パ
ラメータ(SP値)が、エチレン・α- オレフィン・非
共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と水素化ニト
リルゴム(B)との中間にある重合体であり、具体的に
は、溶解度パラメータ(SP値)が8.2〜9.2の範
囲にある重合体を挙げることができる。
【0072】このような相溶化剤(C)としては、たと
えば塩素化エチレン・α- オレフィン共重合体、エチレ
ン・ビニルエステル共重合体、エチレン・不飽和カルボ
ン酸エステル共重合体、クロロスルホン化ポリエチレ
ン、クロロプレンゴム、アクリルゴムなどが挙げられ
る。これらの中では、塩素化エチレン・α- オレフィン
共重合体、エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレ
ン・不飽和カルボン酸エステル共重合体が好ましい。
【0073】相溶化剤(C)は、エチレン・α- オレフ
ィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およ
び水素化ニトリルゴム(B)の合計量100重量部に対
して、0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜25重
量部の割合で用いられる。
【0074】〔塩素化エチレン・α- オレフィン共重合
体〕相溶化剤(C)として使用される塩素化エチレン・
α- オレフィン共重合体は、塩素含量が15〜50重量
%、好ましくは25〜40重量%であることが望まし
い。
【0075】また、塩素化エチレン・α- オレフィン共
重合体のムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、物性、作
業性の点から1〜180、好ましくは2〜150、さら
に好ましくは3〜120の範囲にあることが望ましい。
【0076】このような塩素化エチレン・α- オレフィ
ン共重合体は、通常エチレン・α-オレフィン共重合体
を塩素化することにより得られる。たとえば、(1)エ
チレン・α- オレフィン共重合体を粉砕して細粒化し、
この細粒を水性懸濁状態にして、約70〜90℃の温度
で分子状塩素と接触させる方法、(2)四塩化炭素、ク
ロロホルム、テトラクロロエチレン等の塩素に対して安
定な溶媒中にエチレン・α- オレフィン共重合体を溶解
し、均一な溶液状態として分子状塩素と接触させる方
法、あるいは(3)N-クロロアセトアミド、N-クロロサ
クシニイミド、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイ
ン等の塩素化合物を、ロールやバンバリー等でエチレン
・α-オレフィン共重合体中に均一に練込み、塩素を遊
離する温度に加熱する方法などの方法によって、エチレ
ン・α- オレフィン共重合体を塩素化することができ
る。
【0077】特に、上記(2)の方法で、四塩化炭素、
クロロホルム等のハロゲン系溶媒中で、ラジカル開始剤
の存在下に塩素を吹込む方法が好ましい。上記(1)〜
(3)の方法において、エチレン・α- オレフィン共重
合体の塩素化は、塩素含有量が15〜50重量%の範囲
内になるように行なわれる。
【0078】エチレン・α- オレフィン共重合体の塩素
化反応終了後は、以下のような処理がなされる。すなわ
ち、水性懸濁状態でエチレン・α- オレフィン共重合体
の塩素化を行なった場合、この塩素化により生成した塩
素化エチレン・α- オレフィン共重合体を水洗すること
により、塩素化エチレン・α- オレフィン共重合体から
分子状塩素、副生する塩化水素を除き、塩素化エチレン
・α- オレフィン共重合体を乾燥させる。
【0079】また、溶液状態でエチレン・α- オレフィ
ン共重合体の塩素化を行なった場合には、その反応溶液
を、過剰のメタノール等の塩素化エチレン・α- オレフ
ィン共重合体の貧溶媒中に投入して沈澱物を生成させ、
次いで、この沈澱物を濾過し、この貧溶媒で洗浄した後
乾燥させ、塩素化エチレン・α- オレフィン共重合体を
得る。
【0080】〔エチレン・ビニルエステル共重合体〕相
溶化剤(C)として使用されるエチレン・ビニルエステ
ル共重合体としては、エチレンと、ギ酸ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステルとの共重
合体が挙げられる。
【0081】エチレン・ビニルエステル共重合体として
は、エチレンとビニルエステルとの割合が、ビニルエス
テル/エチレンの重量比で20/80〜60/40、好
ましくは25/75〜45/55であるものが望まし
い。
【0082】このようなエチレン・ビニルエステル共重
合体の製造法としては、一般には反応温度150〜25
0℃、反応圧力500〜3000kg/cm2の条件
で、エチレンおよびビニルエステルをバルク重合法でラ
ジカル共重合する方法が採用できるが、溶液重合あるい
は乳化重合でも製造が可能である。
【0083】〔エチレン・不飽和カルボン酸エステル共
重合体〕相溶化剤(C)として使用されるエチレン・不
飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレンと
α,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体が挙げ
られる。
【0084】α,β−不飽和カルボン酸エステルを構成
するα,β−不飽和カルボン酸成分としては、具体的に
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などが挙げ
られる。
【0085】また、α,β−不飽和カルボン酸エステル
を構成するアルコール成分としては、炭素原子数1〜1
0程度の直鎖または分岐状のアルコールが好ましく、具
体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n-プロパノール、イソブタノール、n-ブタノール、
sec-ブタノール、n-へキサノール、n-オクタノール、2-
エチルヘキサノール、n-デカノールなどが挙げられる。
【0086】上記不飽和カルボン酸エステルの具体例と
しては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸フェニル、マレイン酸ジメチル
などが挙げられる。
【0087】エチレン・ビニルエステル共重合体として
は、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとの割合が、
不飽和カルボン酸エステル/エチレンの重量比で20/
80〜60/40、好ましくは25/75〜45/55
であるものが望ましい。
【0088】エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重
合体の製造法としては、一般には反応温度150〜25
0℃、反応圧力500〜3000kg/cm2の条件
で、エチレンおよび不飽包和カルボン酸エステルをバル
ク重合法でラジカル共重合する方法が採用できるが、溶
液重合あるいは乳化重合でも製造が可能である。
【0089】ゴム組成物 本発明に係るゴム組成物は、上記のエチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)5
〜95重量部と、水素化ニトリルゴム(B)95重量部
と、任意に相溶化剤(C)0.1〜30重量部とを含有
している(ゴム(A)およびゴム(B)の合計量は10
0重量部とする)。これらの各成分の配合量がそれぞれ
上記範囲内にある場合、得られるゴム組成物は、ゴム
(A)とゴム(B)との共架橋性に優れ、耐寒性、耐油
性、ゴム弾性および剥離強度特性に優れる架橋ゴム成形
体を提供することができる。本発明に係るゴム組成物
は、意図する用途、性能に応じて、エチレン・α- オレ
フィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、
水素化ニトリルゴム(B)および相溶化剤(C)の他
に、ゴム補強剤、充填剤、軟化剤、架橋剤(加硫剤)、
加硫促進剤、架橋助剤などの添加剤を、本発明の目的を
損なわない範囲で配合することができる。
【0090】上記ゴム補強剤としては、具体的には、S
RF、GPF、FEF、HAF、ISAP、SAF、F
T、MTなどのカーボンブラック、微粉ケイ酸などが挙
げられる。
【0091】また、充填剤としては、具体的には、軽質
炭酸カルシウム、重費炭酸カルシウム、タルク、クレー
などがあげられる。これらのゴム補強剤および充填剤の
種類および配合量は、その用途に応じて適宜選択できる
が、これらの配合量は、通常、エチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)および
水素化ニトリルゴム(B)の合計量100重量部に対し
て、最大300重量部、好ましくは200重量部以下と
するのが望ましい。
【0092】軟化剤としては、通常、ゴムに用いられる
軟化剤が用いられる。軟化剤としては石油系軟化剤が好
ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いら
れる。軟化剤の配合量は、エチレン・α- オレフィン・
非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)および水素
化ニトリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、
最大150重量部、好ましくは100重量部以下とする
のが望ましい。
【0093】本発明に係るゴム組成物は、未架橋(未加
硫)のまま用いることもできるが、架橋ゴム(加硫ゴ
ム)として用いた場合に最もその特性を発揮することが
できる。すなわち、木発明に係るゴム組成物から、機械
的強度特性、耐侯性、耐オゾン性、耐寒性および耐油性
に優れた架橋ゴム成形体を得ることができる。
【0094】本発明に係るゴム組成物から架橋ゴム成形
体を製造する際に使用する架橋剤としては、有機過酸化
物系の架橋剤が好ましい。有機過酸化物系の架橋剤とし
ては、通常、ゴムの過酸化物架橋に使用される有機過酸
化物であればよい。たとえば、ジクミルペルオキシド、
ジ-t-ブチルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシ-3,
3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルヒドロペルオ
キシド、t-ブチルクミルペルオキシド、ベンゾイルペル
オキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ
ン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペ
ルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、α,α′-ビス(t-ブチルペル
オキシ-m-イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。
これらの中では、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチル
ペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチ
ルシクロヘキサンが好ましい。これらの有機過酸化物
は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用され
る。
【0095】有機過酸化物は、エチレン・α- オレフィ
ン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)および
水素化ニトリルゴム(B)の合計量100gに対して、
通常0.0003〜0.05モル、好ましくは0.00
1〜0.03モルの範囲で使用されるが、要求される物
性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0096】架橋剤として有機過酸化物を使用するとき
は、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤とし
ては、具体的には、イオウ;p-キノンジオキシム等の
キノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジ
メタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリル
フタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合
物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げ
られる。このような架橋助剤は、使用する有機過酸化物
1モルに対して、0.5〜2モル、好ましくは約等モル
の量で用いられるのが望ましい。
【0097】ゴム組成物およびその架橋ゴム成形体の調
本発明に係るゴム組成物は、たとえば以下の方法により
調製される。すなわちバンバリーミキサーなどのミキサ
ー類を用いて、前記エチレン・α- オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、水素化ニトリル
ゴム(B)および任意に相溶化剤(C)、さらには充填
剤、軟化剤などを80〜150℃の温度で3〜10分間
混練し、次いで、オープンロールなどのロール類を用い
て、架橋剤(加硫剤)、任意に架橋助剤または加硫促進
剤などを追加混合し、ロール温度40〜60℃で5〜3
0分間混練した後、混練物を押出し、リボン状またはシ
ート状の未架橋配合ゴムを調製する。
【0098】このようにして調製された未架橋配合ゴム
は、押出成形機、カレンダーロールまたはプレスにより
意図する形状に成形され、成形と同時に、または成形物
を加硫槽内に導入し、120〜270℃の温度で1〜3
0分間加熱し、架橋ゴムとする。このような架橋を行な
う際には金型を用いてもよいし、また金型を用いなくて
もよい。金型を用いない場合には、成形、架橋の工程は
通常、連続的に実施される。
【0099】前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体ゴム(A)と水素化ニトリルゴ
ム(B)と任意に相溶化剤(C)とを前記割合でブレン
ドして得られた、本発明に係るゴム組成物は、ゴムアロ
イ化している。このようなゴム組成物から得られる架橋
ゴム成形体は、水素化ニトリルゴムの欠点であった耐候
性、耐寒性が改良されるだけでなく、エチレン・α- オ
レフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムの欠点
であった耐油性も改良されている。また、前述した特開
平5−222243号公報に記載されているゴム組成物
よりも、共架橋性がさらに向上している。
【0100】
【発明の効果】本発明に係るゴム組成物は、特定のエチ
レン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合
体ゴム、特定の水素化ニトリルゴム、および任意に特定
の相溶化剤を特定の割合で含有しているので、共架橋性
に優れ、引張強度等の機械的強度特性、耐油性に優れる
とともに耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性、耐寒性に優
れ、しかも、剥離強度特性に優れる架橋ゴム成形体を提
供することができる。
【0101】本発明に係る架橋ゴム成形体は、本発明に
係るゴム組成物からなるので、機械的強度特性、耐油性
に優れるとともに耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性、耐
寒性に優れ、しかも、剥離強度特性に優れる。
【0102】本発明に係るゴム組成物から得られる架橋
ゴム成形体は、上記のような効果を有するので、オイル
シールパッキン;振動部のカバー材;オイル周りのホー
ス、燃料ホース;ブレーキ;燃料機器系、ランプソケッ
ト等のカバー材;ゴムロール、油圧ホース等の工業用ゴ
ム部品;電線;電気絶縁部品;半導電部品;アノードキ
ャップ、コンデンサーパッキン、クーラー用パッキン等
の電気・電子部品;ゴム引布、ルーフィングシート、ガ
スホース等の土木建築用品などの用途に、広く用いるこ
とができる。
【0103】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。
【0104】なお、実施例および比較例で用いたエチレ
ン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
ゴムの組成、ヨウ素価およびムーニー粘度の測定は、下
記の方法に従って行なった。 (1)共重合体ゴムの組成 共重合体ゴムの組成は、13C−NMR法で測定した。 (2)共重合体ゴムのヨウ素価 共重合体ゴムのヨウ素価は、滴定法により求めた。 (3)共重合体ゴムのムーニー粘度〔ML1+4(100
℃)〕 共重合体ゴムのムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、
JIS K6300(1994)に従って測定した。
【0105】また、実施例および比較例で行なった架橋
ゴムの物性試験は、下記の方法に従って行なった。 (1)引張試験 JIS K 6251(1993)に従って、測定温度2
5℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行な
い、架橋ゴムシートの破断時の引張強度(TB)を測定
した。 (2)硬さ試験 JIS K6253(1993)に従い、スプリング硬
さ(JIS A硬度)を求めた。 (3)圧縮永久歪み試験 JIS K6263に従い、150℃で22時間老化さ
せた試験片について、圧縮永久歪み(CS)を求めた。 (4)耐油試験 JIS K6258(1993)に規定されている浸漬
試験に準拠して耐油試験を行ない、試験片の体積変化率
(△V(%))を求めた。なお、試験油としてJIS 3
号油を用いた。試験条件は100℃で72時間である。 (5)剥離試験 配合ゴムを分出しし、135mm×120mm×1.2
mmの未架橋ゴムシートを2枚調製し、引裂き試験機の
チャック挟みしろ作製用に140mm×30mm×0.
1mmのテフロンシートを長手方向を合わせて挟んで、
135mm×120mm×2mmの金型に入れて架橋接
着を行なった。
【0106】次に、この架橋シートを25mm幅に打抜
き、測定温度25℃、引張速度50mm/分の条件で剥
離試験を行ない、剥離強度を測定した。 (6)共架橋性 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
重合体ゴムの配合物(1)の重量パーセントをx、水素
化ニトリルゴムの配合物(2)の重量パーセントをyと
する。ここで、x+y=100重量%とする。
【0107】下記の共架橋性の算出式において、HO
は、上記配合物(1)と配合物(2)をx:yの比で混
ぜたゴム配合物からなる架橋ゴムシートの引張強度であ
り、AOは、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体ゴムの配合物からなる架橋ゴムシー
トの引張強度であり、BOは、水素化ニトリルゴムの配
合物からなる架橋ゴムシートの引張強度である。
【0108】共架橋性(%)=〔H0×100〕/
〔(A0× x/100)+(B0× y/100)〕
【0109】
【比較例1】まず、第1表に示す配合剤を、容量1.7
リットルのバンバリーミキサー〔(株)神戸製鋼所製〕
を用いて混練した。混練方法は、まずエチレン・プロピ
レン・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム
(A−1)〔ML1+4(100℃)=58、エチレン含量=6
8モル%、ヨウ素価=10(g/100g)〕100重量部を
30秒素練りし、次いで、亜鉛華5重量部、ステアリン
酸1重量部、カーボンブラック50重量部、軟化剤10
重量部を入れ、2分間混練した。その後、ラムを上昇さ
せ掃除を行ない、さらに1分間混練を行ない、約150
℃で排出し、未架橋のゴム配合物(1−1)を得た。こ
の混練は充填率70%で行なった。
【0110】このゴム配合物(1−1)100重量部
を、8インチロ−ル(前ロールの表面温度50℃、後ロ
ールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、
後ロールの回転数18rpm)に10分間巻き付けて、
ジクミルパーオキサイド(DPC)100%濃度品〔三
井化学(株)製、商品名 三井DCP〕1.35重量部
を加えて3分間混練した後、得られた混練物(1−2)
をシート状に分出しし、未架橋ゴムシートを得た。
【0111】得られた未架橋ゴムシートを160℃で2
0分間プレスし、厚み2mmの架橋ゴムシートを調製
し、この架橋ゴムシートについて、引張試験、硬さ試
験、永久歪み試験、耐油性試験、低温ねじり試験、剥離
試験を上記試験方法に従って行なった。また引張試験の
引張強度より共架橋性を上記式により算出した。
【0112】また、JIS K6262(1993)に
準拠して圧縮永久歪み測定用サンプルを160℃で25
分架橋した。このサンプルを用いて圧縮永久歪み試験を
上記方法に従って行なった。これらの結果を第2表に示
す。
【0113】
【表1】
【0114】
【実施例1】比較例1において、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)100重量部の代わりに、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)75重量部と、水素化ニトリルゴム(B)として
日本ゼオン(株)より市販されているゼットポール20
20L(商標)〔水素化NBR;ML1+4(100℃)=5
7.5、結合アクリロニトリル量=36重量%、ヨウ素
価=28(g/100g)〕25重量部を用いた以外は、比較
例1と同様に行なった。
【0115】結果を第2表に示す。
【0116】
【実施例2】実施例1において、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)75重量部を25重量部に、また、ゼットポール
2020L(商標;日本ゼオン(株)製〕25重量部を
75重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なっ
た。
【0117】結果を第2表に示す。
【0118】
【比較例2】比較例1において、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)100重量部の代わりに、ゼットポール2020
L(商標;日本ゼオン(株)製〕100重量部を用いた
以外は、比較例1と同様に行なった。
【0119】結果を第2表に示す。
【0120】
【表2】
【0121】
【比較例3】比較例1において、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)の代わりに、エチレン・プロピレン・5-エチリデ
ン-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−2)
〔ML1+4(100℃)=40、エチレン含量=66モル%、
ヨウ素価=13(g/100g)〕を用いた以外は、比較例1
と同様に行なった。
【0122】結果を第3表に示す。
【0123】
【比較例4】実施例1において、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)75重量部の代わりに、比較例3で用いたエチレ
ン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネンランダ
ム共重合体ゴム(A−2)75重量部を用いた以外は、
実施例1と同様に行なった。
【0124】結果を第3表に示す。
【0125】
【比較例5】実施例2において、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)25重量部の代わりに、比較例3で用いたエチレ
ン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネンランダ
ム共重合体ゴム(A−2)25重量部を用いた以外は、
実施例2と同様に行なった。
【0126】結果を第3表に示す。
【0127】
【実施例3】実施例2において、相溶化剤(C)として
三井Du−Pont(株)製のEV45X(商標)〔M
FR(ASTM D 1238,190゜C、2.16kg)=100g/10
分、酢酸ビニル含量=46%、SP値=8.37〕10
重量部をバンバリーミキサーにて配合した以外は、実施
例2と同様に行なった。
【0128】結果を第3表に示す。
【0129】
【表3】
【0130】
【比較例6】実施例3において、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)の代わりに、比較例3で用いたエチレン・プロピ
レン・5-エチリデン-2-ノルボルネンランダム共重合体
ゴム(A−2)を用いた以外は、実施例3と同様に行な
った。
【0131】結果を第4表に示す。
【0132】
【比較例7】実施例2において、エチレン・プロピレン
・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A
−1)の代わりに、エチレン・プロピレン・ジシクロペ
ンタジエンランダム共重合体ゴム(A−3)〔ML
1+4(100℃)=38、エチレン含量=68モル%、ヨウ素
価=12(g/100g)〕を用いた以外は、実施例2と同様
に行なった。なお、エチレン・プロピレン・ジシクロペ
ンタジエンランダム共重合体ゴム(A−3)の配合物か
らなる架橋ゴムシートの引張強度(TB)は、19.8
MPaであった。
【0133】結果を第4表に示す。
【0134】
【表4】
【0135】第2表、第3表および第4表より明らかな
ように、各実施例で得られた架橋ゴムシートは、いずれ
も共架橋性が85%以上であり、圧縮永久歪みが25%
以下であり、耐油性の指標であるΔVが100%以下で
あり、架橋前のゴム組成物は共架橋性に優れ、その架橋
ゴムシートは、耐熱老化性(熱老化後の圧縮永久歪み
性)および耐油性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/18 C08L 33/18 (72)発明者 有 野 恭 巨 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 武 石 敦 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 (72)発明者 川 崎 雅 昭 千葉県市原市千種海岸3番地 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA07 AA13 AA16 AB11 AC05 AC43 AC44 AC45 AC48 AC56 AC65 AC66 AC73 AC75 AC77 AC82 AC83 AC94 AE02 AE08 AE30 GA05 GA06 GB07 GC02 4J002 AC093 AC11X BB063 BB073 BB10W BB14W BB15W BB17W BB19W BB243 BB273 BG043 EK016 EK036 EK046 FD010 FD146 FD203 GJ02 GM00 GM01 GQ00 GQ01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非共役ポリエンが下記一般式〔I〕あるい
    は〔II〕で表わされる少なくとも一種のノルボルネン化
    合物から導かれる構成単位を有するエチレン・α- オレ
    フィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)
    と、 水素化ニトリルゴム(B)とからなり、かつ、 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
    重合体ゴム(A)と水素化ニトリルゴム(B)との重量
    比〔(A)/(B)〕が5/95〜95/5であり、 エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共
    重合体ゴム(A)のムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕を
    a、水素化ニトリルゴム(B)のムーニー粘度〔ML
    1+4(100℃)〕をbとしたとき、aとbとが、関係式 2.0×b≧a≧0.3×b ・・・・・(1) を満たすことを特徴とするゴム組成物; 【化1】 〔式中、nは0〜10の整数であり、 R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基
    であり、 R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基で
    ある〕、 【化2】 〔式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のア
    ルキル基である〕。
  2. 【請求項2】さらに、前記エチレン・α- オレフィン・
    非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と前記水素
    化ニトリルゴム(B)との中間の溶解度パラメータ(S
    P値)を有する相溶化剤(C)を、エチレン・α- オレ
    フィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)お
    よび水素化ニトリルゴム(B)の合計量100重量部に
    対して、0.1〜30重量部含有していることを特徴と
    する請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポ
    リエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと、炭
    素原子数3〜20のα- オレフィンと、非共役ポリエン
    化合物とのランダム共重合体であり、(i)エチレンと
    炭素数原子3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチ
    レン/α- オレフィン)が40/60〜95/5の範囲
    にあり、(ii)ヨウ素価が0.5〜50の範囲にあり、
    (iii)ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕が1〜180の
    範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の
    ゴム組成物。
  4. 【請求項4】前記水素化ニトリルゴム(B)は、(i)
    結合不飽和ニトリル量が5〜60重量%の範囲にあり、
    (ii)ヨウ素価が0〜120の範囲にあり、(iii)ムー
    ニー粘度が〔ML1+4(100℃)〕が1〜180の範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成
    物。
  5. 【請求項5】前記相溶化剤(C)は、溶解度パラメータ
    (SP値)が8.2〜9.2である、塩素化エチレン・
    α- オレフィン共重合体、エチレン・ビニルエステル共
    重合体またはエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重
    合体であることを特徴とする請求項2に記載のゴム組成
    物。
  6. 【請求項6】さらに、架橋剤として有機過酸化物を含有
    していることを特徴とする請求項1または2に記載のゴ
    ム組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成
    物からなることを特徴とする架橋ゴム成形体。
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