JP2015003990A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】平坦化用途や封止用途に好適な樹脂組成物、その樹脂組成物によって平坦化された平坦化基板、その樹脂組成物によって封止された表示装置及び光半導体装置、並びにその樹脂組成物を用いた平坦化基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る樹脂組成物は、環状オレフィン樹脂と、有機過酸化物と、ポリマー系界面活性剤と、炭化水素系溶媒とを含有し、上記ポリマー系界面活性剤の質量平均分子量が10000〜100000であり、且つ、SP値が8.0〜10.0(cal/cm1/2である。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、その樹脂組成物によって平坦化された平坦化基板、その樹脂組成物によって封止された表示装置及び光半導体装置、並びにその樹脂組成物を用いた平坦化基板の製造方法に関する。
従来、環状オレフィン樹脂を含有する樹脂組成物は、種々の用途に用いられている。
例えば、特許文献1には、基板を平坦化する平坦化膜を形成するための樹脂組成物として、環状オレフィン樹脂を含有するものが記載されている。
また、特許文献2には、表示装置が備える有機EL素子や液晶表示素子等の表示素子、あるいは光半導体装置が備える太陽電池素子、CCD、CMOS等の光半導体素子を封止するための樹脂組成物として、環状オレフィン樹脂を含有するものが記載されている。
ここで、上記のような樹脂組成物を平坦化用途に用いる場合には、平坦性は勿論のこと、基板への密着性も重要な要求特性となる。また、封止用途に用いる場合には、ガスバリア性や基材への密着性が重要な要求特性となる。
しかし、これらの要求特性を満足する、平坦化用途や封止用途に好適な樹脂組成物は、従来提案されていないのが現状であった。
特開2006−106214号公報 特開2012−209375号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、平坦化用途や封止用途に好適な樹脂組成物、その樹脂組成物によって平坦化された平坦化基板、その樹脂組成物によって封止された表示装置及び光半導体装置、並びにその樹脂組成物を用いた平坦化基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた。その結果、環状オレフィン樹脂と、有機過酸化物と、特定のポリマー系界面活性剤と、炭化水素系溶媒とを含有する樹脂組成物が平坦化用途や封止用途に好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様は、環状オレフィン樹脂と、有機過酸化物と、ポリマー系界面活性剤と、炭化水素系溶媒とを含有し、上記ポリマー系界面活性剤の質量平均分子量が10000〜100000(GPCによるポリスチレン換算分子量。本明細書において同じ。)であり、且つ、SP値が8.0〜10.0(cal/cm1/2である樹脂組成物である。
なお、本明細書において「ポリマー系界面活性剤」とは、シリコーン系界面活性剤を含まない概念である。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様に係る樹脂組成物から形成された平坦化膜を有する平坦化基板である。
また、本発明の第3の態様は、第1の態様に係る樹脂組成物によって封止されてなる表示装置であり、本発明の第4の態様は、第1の態様に係る樹脂組成物によって封止されてなる光半導体装置である。
また、本発明の第5の態様は、第1の態様に係る樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する工程と、上記塗布膜を加熱する工程と、を含む平坦化基板の製造方法である。
本発明によれば、平坦化用途や封止用途に好適な樹脂組成物、その樹脂組成物によって平坦化された平坦化基板、その樹脂組成物によって封止された表示装置及び光半導体装置、並びにその樹脂組成物を用いた平坦化基板の製造方法を提供することができる。
≪樹脂組成物≫
本発明に係る樹脂組成物は、環状オレフィン樹脂と、有機過酸化物と、ポリマー系界面活性剤と、炭化水素系溶媒とを含有するものである。以下、本発明に係る樹脂組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
<環状オレフィン樹脂>
環状オレフィン樹脂としては、環状オレフィンモノマーに由来する構成単位を主鎖に含むものであれば、特に限定されず、従来公知の環状オレフィン樹脂を用いることができる。具体例としては、環状オレフィンモノマーの重合体又はその水素添加物や、環状オレフィンモノマーとα−オレフィンモノマーとの共重合体又はその水素添加物等が挙げられる。環状オレフィンモノマーやα−オレフィンモノマーは、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状オレフィンモノマーとしては、例えば下記式(a1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015003990
上記式(a1)中、R1a〜R12aは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の炭化水素基を示し、nは0〜2の整数を示す。n=2の場合、R5a〜R8aは、繰り返し単位毎に同一であっても異なっていてもよい。
1a〜R8aの具体例としては、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;等が挙げられる。
また、R9a〜R12aの具体例としては、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ステアリル基等の炭素数1〜20のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20のアリール基;トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基等の炭素数6〜20のアルキルアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等の炭素数6〜20のアラルキル基;等が挙げられる。
9a及びR10a、R11a及びR12aは、互いに結合して2価の炭化水素基を形成していてもよい。そのような2価の炭化水素基の具体例としては、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基等が挙げられる。
また、R9a又はR10aとR11a又はR12aとは、互いに結合して環を形成していてもよい。形成される環は単環であっても多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、これらの環の組み合わせからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基等の置換基を有していてもよい。
上記式(a1)で表される環状オレフィンモノマーの具体例としては、ビシクロヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)、6−メチルノルボルネン、6−エチルノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン等のノルボルネン又はその誘導体;テトラシクロ−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセン、10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン等のテトラシクロ−3−ドデセン又はその誘導体;等が挙げられる。
α−オレフィンモノマーとしては、炭素数2〜20のα−オレフィンモノマーが好ましい。具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらの中では、入手容易性等の観点からエチレンが特に好ましい。
環状オレフィン樹脂として環状オレフィンモノマーとα−オレフィンモノマーとの共重合体を用いる場合、環状オレフィンモノマーに由来する構成単位の割合は、共重合体中、5〜30モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。
環状オレフィン樹脂の質量平均分子量は、50000〜200000が好ましく、50000〜150000がより好ましい。
このような環状オレフィン樹脂を製造するための、重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用できる。例えば、環状オレフィンモノマー、あるいは環状オレフィンモノマー及びα−オレフィンモノマーを反応器に導入し、そこに重合触媒や重合溶媒を加え、所定の反応温度、反応圧力にすることで、環状オレフィン樹脂を得ることができる。なお、具体的な重合形態は、溶液重合、バルク重合、及びスラリー重合のいずれも採用することができる。
なお、環状オレフィン樹脂としては、市販品を用いることも可能である。市販されている環状オレフィン樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(Topas Advanced Polymers製)、アペル(登録商標)(三井化学製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン製)、アートン(登録商標)(JSR製)等が挙げられる。
樹脂組成物中の環状オレフィン樹脂の含有量は、特に限定されないが、例えば5〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。このような範囲にすることにより、樹脂組成物の成膜性や塗布膜厚等を適度に調整することができる。
<有機過酸化物>
有機過酸化物としては、例えば下記式(b1)〜(b7)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015003990
上記式(b1)〜(b7)中、R1bは、それぞれ独立に1価の炭化水素基を示し、R2bは、それぞれ独立に2価の炭化水素基を示す。
1bの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20のアリール基、あるいはそれらが結合した基(アルキルアリール基、アラルキル基等)等が挙げられる。
2bの具体例としては、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、あるいはそれらが結合した基(アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アリーレンアルキレンアリーレン基等)等が挙げられる。
上記式(b1)〜(b7)で表される有機過酸化物の具体例としては、ジ(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
また、上記式(b1)〜(b7)以外で表される有機過酸化物の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソブチリルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジスクシン酸パーオキサイド、ジ−(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド等が挙げられる。
上記の有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の中でも、上記式(b1),(b2),(b4),(b7)で表される有機過酸化物が好ましい。また、樹脂組成物を封止用途に用いる場合には、封止対象への熱による影響を低減するため、有機過酸化物としては、10時間半減期温度が200℃以下であるものが好ましく、30〜120℃であるものがより好ましく、30〜100℃であるものが特に好ましい。
特に好ましい有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートが挙げられる。
なお、有機過酸化物としては、日油製、化薬アクゾ製の市販品を用いることも可能である。
樹脂組成物中の有機過酸化物の含有量は、環状オレフィン樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜7質量部がより好ましく、1〜5質量部が特に好ましい。このような範囲にすることにより、樹脂組成物の基板・基材への密着性を高めることができる。
<ポリマー系界面活性剤>
ポリマー系界面活性剤としては、質量平均分子量が10000〜100000であり、且つ、SP値が8.0〜10.0(cal/cm1/2であるものであれば、特に限定されず、従来公知のポリマー系界面活性剤を用いることができる。
ポリマー系界面活性剤の質量平均分子量は、10000〜50000が好ましく、10000〜40000がより好ましく、10000〜30000が特に好ましい。また、ポリマー系界面活性剤のSP値は、8.0〜9.5(cal/cm1/2が好ましく、8.0〜9.0(cal/cm1/2がより好ましい。このような範囲にすることにより、基板・基材への密着性を保ちながら、成膜した際の平坦性をより向上させることができる。
ここで、SP値(δ)は、複数の物質の相溶性及び親和性の指標として用いられるものである。2つの物質のSP値の差は、その2つの物質が相溶するために必要なエネルギーと密接な関係があり、SP値の差が小さいほど2つの物質が相溶するために必要なエネルギーは小さなものとなる。すなわち、2つの物質が存在した場合、一般に、SP値の差が小さいほど親和性が高く、相溶性が高いものとなる。
SP値は、実験によって求めることもできるが、計算によって求めることもできる。計算によってSP値を求める方法は幾つか提案されているが、本明細書においては、フェドアーズ(Fedors)の方法(Polymer Engineering and Science, 1974, Vol.4, No.2)に基づき、分子構造からSP値を算出することとする。フェドアーズの方法では、下記式(I)に従ってSP値が算出される。
SP値(δ)=(ΣΔE/ΣΔV)1/2[(cal/cm1/2]・・・(I)
但し、ΔEは、物質に含まれる原子又は原子団の蒸発エネルギー(cal/mol)を示し、ΔVは、該原子又は原子団のモル容積(cm/mol)を示す。
ポリマー系界面活性剤の種類としては、特に限定されるものではないが、アクリル系界面活性剤、ビニルエーテル系界面活性剤、アクリル/ビニルエーテル系界面活性剤等が挙げられる。その中でも、ビニルエーテル系界面活性剤が特に好ましい。
アクリル系界面活性剤は、主としてアクリル系モノマーを重合させて得られるポリマーからなる界面活性剤をいう。その中でも、少なくともアクリル酸アルキルエステルを重合させて得られるポリマーであることが好ましく、少なくともアルキル基の炭素数が2〜9であるアクリル酸アルキルエステルを重合させて得られるポリマーであることがより好ましい。アルキル基の炭素数が2〜9であるアクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸n−プロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸イソブチルエステル、アクリル酸t−ブチルエステル、アクリル酸n−オクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸イソノニルエステル等が挙げられる。
上記アクリル系界面活性剤は、上記アクリル酸アルキルエステルのみを重合させて得られるポリマーであってもよいが、他のモノマーをさらに重合させたものであってもよい。この場合、アクリル酸アルキルエステルは、重合させるモノマーの全体中、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
アクリル系界面活性剤の市販品としては、1970、230、LF−1980、LF−1982、LF−1983、LF−1984、LHP−95,LHP−96,UVX−35,UVX−36,UVX−270、UVX−271、UVX−272、AQ−7120、AQ−7130(以上、楠本化成製)、BYK−350、BYK−352,BYK−354,BYK−355、BYK−358、BYK−380、BYK−381,BYK−392(以上、ビックケミー製)、ポリフローNo.7、ポリフローNo.50E、ポリフローNo.85、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95、フローレンAC−220F(以上、共栄社化学製)等が挙げられる。
ビニルエーテル系界面活性剤は、主としてビニルエーテル系モノマーを重合させて得られるポリマーからなる界面活性剤をいう。その中でも、少なくともアルキルビニルエーテルを重合させて得られるポリマーであることが好ましく、少なくともアルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルビニルエーテルを重合させて得られるポリマーであることがより好ましい。アルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
上記ビニルエーテル系界面活性剤は、上記アルキルビニルエーテルのみを重合させて得られるポリマーであってもよいが、他のモノマーをさらに重合させたものであってもよい。この場合、アルキルビニルエーテルは、重合させるモノマーの全体中、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
ビニルエーテル系界面活性剤の市販品としては、フローレンAC−326F(共栄社化学製)等が挙げられる。
アクリル/ビニルエーテル系界面活性剤は、主としてアクリル系モノマー及びビニルエーテル系モノマーを重合させて得られるポリマーからなる界面活性剤をいう。アクリル系モノマーとしては、アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキル基の炭素数が2〜9であるアクリル酸アルキルエステルがより好ましい。また、ビニルエーテル系モノマーとしては、アルキルビニルエーテルが好ましく、アルキル基の炭素数が1〜8であるアルキルビニルエーテルがより好ましい。
上記アクリル/ビニルエーテル系界面活性剤は、上記アクリル酸アルキルエステル及び上記アルキルビニルエーテルのみを重合させて得られるポリマーであってもよいが、他のモノマーをさらに重合させたものであってもよい。この場合、アクリル酸アルキルエステル及びアルキルビニルエーテルは、重合させるモノマーの全体中、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
アクリル/ビニルエーテル系界面活性剤の市販品としては、フローレンAC−300、フローレンAC−303、フローレンAC−324(以上、共栄社化学製)等が挙げられる。
樹脂組成物中のポリマー系界面活性剤の含有量は、環状オレフィン樹脂100質量部に対して0.01〜2.00質量部が好ましく、0.04〜0.50質量部がより好ましく、0.07〜0.20質量部が特に好ましい。このような範囲にすることにより、基板・基材への密着性を保ちながら、成膜した際の平坦性をより向上させることができる。
<炭化水素系溶媒>
炭化水素系溶媒としては、環状オレフィン樹脂、有機過酸化物、ポリマー系界面活性剤を溶解可能なものであれば、特に限定されず、従来公知の炭化水素系溶媒を用いることができる。具体例としては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;等が挙げられる。これらの炭化水素系溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<その他の成分>
本発明に係る樹脂組成物は、さらに、硬化促進剤、密着増強剤等を含有していてもよい。
<樹脂組成物の調製>
本発明に係る樹脂組成物は、炭化水素系溶媒以外の各成分を炭化水素系溶媒に溶解することにより、容易に調製することができる。
このようにして調製される樹脂組成物は、成膜した際の平坦性、基板・基材への密着性に優れたものである。
また、この樹脂組成物は、ガスバリア性にも優れたものである。例えば、本発明に係る樹脂組成物を用いることにより、膜厚10μmの樹脂膜を形成した場合の40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度を3.7g/m・day以下とすることができる。
≪平坦化基板及びその製造方法≫
本発明に係る平坦化基板は、本発明に係る樹脂組成物から形成された平坦化膜を有するものである。また、本発明に係る平坦化基板の製造方法は、基板上に本発明に係る樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する工程と、上記塗布膜を加熱する工程と、を含むものである。
基板としては、特に限定されず、ガラス基板、樹脂基板、シリコン基板、金属基板等が挙げられる。この中でもガラス基板、特にソーダガラス基板が好ましい。従来、液晶表示装置の液晶パネルにおいては、基板間の間隔を正確に調整することが重要であるため、平坦性に優れた無アルカリガラス基板が用いられている。本発明に係る樹脂組成物によってソーダガラス基板の表面を高度に平坦化することができれば、無アルカリガラス基板の代わりに安価なソーダガラス基板を用いることができ、液晶パネルの製造コストを下げることが可能となる。
平坦化基板を製造するには、まず、スピンコータ、ロールコータ、スプレーコータ、スリットコータ等を用いて、基板上に本発明に係る樹脂組成物を塗布し、塗布膜を形成する。
次いで、塗布膜を加熱することにより、平坦化膜を形成する。加熱条件としては、例えば50〜250℃、3〜20分間の条件が好ましい。なお、加熱条件は、段階的に加熱温度を高めた多段階加熱であってもよい。平坦化膜の膜厚は、10〜1000μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
≪表示装置及び光半導体装置≫
本発明に係る表示装置及び光半導体装置は、本発明に係る樹脂組成物によって封止されてなるものである。より詳細には、表示装置が備える有機EL素子や液晶表示素子等の表示素子、あるいは光半導体装置が備える太陽電池素子、CCD、CMOS等の光半導体素子が、本発明に係る樹脂組成物によって封止されてなるものである。
本発明に係る樹脂組成物を用いた封止方法は特に限定されるものではない。例えば、表示素子や光半導体素子を本発明に係る樹脂組成物によって覆った後、加熱することにより、表示素子や光半導体素子を封止することができる。
加熱温度としては、例えば50〜250℃が好ましく、加熱時間としては、ホットプレート等の枚葉処理では1〜20分間、オーブン等のバッチ処理では30〜300分間が好ましい。なお、加熱条件は、段階的に加熱温度を高めた多段階加熱であってもよい。特に好ましい加熱条件としては、50〜100℃で1〜10分間加熱した後、80〜150℃で1〜10分間加熱し、さらに100〜250℃で1〜10分間(ホットプレート等の枚葉処理の場合)又は30〜300分間(オーブン等のバッチ処理の場合)加熱する条件が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記式(1)で表される環状オレフィン樹脂(三井化学製「APL8008T」、質量平均分子量:100000)100質量部と、有機過酸化物(日油製「パークミルD」)2質量部と、ポリマー系界面活性剤としてビニルエーテル系界面活性剤(共栄社化学製「フローレンAC−326F」、質量平均分子量:25000、SP値:約8.5(cal/cm1/2)0.1質量部とを、350質量部のデカリンに溶解し、樹脂組成物を調製した。なお、下記式中の各構成単位の横に記載されている数値は、各構成単位のモル比(%)を意味する。
Figure 2015003990
[膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードの測定]
調製した樹脂組成物を、スピンコータ(ミカサ製「MS−A150」)を用いてソーダガラス基板(100mm×100mm×1mm)上に塗布し(目標膜厚70μm)、加熱することにより、樹脂膜を形成した。加熱条件は80℃で5分間、140℃で5分間、次いで220℃で30分間とした。
得られた樹脂膜について、表面形状測定装置(アルバック製「Dektak 3ST」)を用いて、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビード(樹脂膜端面形状)を測定した。結果を表1に示す。なお、用いたソーダガラス基板のRaは223Åである。
[うねりの測定]
調製した樹脂組成物を、スピンレスコータ(東京応化工業製「TN25200S−CLT」)を用いてソーダガラス基板(370mm×470mm×0.7mm)上に塗布し(目標膜厚10μm)、加熱することにより、樹脂膜を形成した。加熱条件は80℃で5分間、次いで100℃で180分間とした。
得られた樹脂膜について、表面粗さ形状測定装置(東京精密製「SURFCOM 1500D」)を用いて、うねりを測定した。結果を表1に示す。なお、用いたソーダガラス基板のうねりは0.23μmである。
[クロスカット試験]
上記[膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードの測定]で得られた樹脂膜について、JIS D0202の試験方法に従ってクロスカット試験を行った。具体的には、樹脂膜に対して碁盤目状にクロスカットを入れて100個の枡目を作り、次いで粘着テープを用いてピーリング試験を行い、100個の枡目中、剥離しなかった桝目の数を調べた。結果を表1に示す。
[ガスバリア性試験]
調製した樹脂組成物を、スピンコータ(ミカサ製「MS−A150」)を用いてポリイミド膜(水蒸気透過度:28.2g/m・day)上に塗布し、ホットプレートを用いて90℃で5分間、次いで180℃で5分間加熱することにより、膜厚10μmの樹脂膜を形成した。
そして、水蒸気透過度計(Lyssy製「L80−5000」)を使用することにより、樹脂膜の40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度を測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
有機過酸化物として「パーカドックス16」(化薬アクゾ製)2質量部を用いたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビード、うねりを測定するとともに、クロスカット試験及びガスバリア性試験を行った。ただし、樹脂膜を形成する際の加熱条件はいずれも、80℃で5分間、次いで100℃で180分間とした。結果を表1に示す。
<実施例3>
ポリマー系界面活性剤として、アクリル系界面活性剤である「ポリフローNo.95」(共栄社化学製、質量平均分子量:20000、SP値:約9.8(cal/cm1/2)0.1質量部を用いたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードを測定するとともに、クロスカット試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
ポリマー系界面活性剤の添加量を0.2質量部としたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、塗布時の目標膜厚を30μmとしたほかは実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードを測定するとともに、クロスカット試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例5>
塗布時の目標膜厚を30μmとしたほかは実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードを測定するとともに、クロスカット試験を行った。結果を表1に示す。
<実施例6>
ポリマー系界面活性剤の添加量を0.07質量部としたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、塗布時の目標膜厚を30μmとしたほかは実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードを測定するとともに、クロスカット試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
有機過酸化物及びポリマー系界面活性剤を添加しなかったほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、塗布時の目標膜厚を40μmとしたほかは実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビード、うねりを測定するとともに、クロスカット試験及びガスバリア性試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
ポリマー系界面活性剤を添加しなかったほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビード、うねりを測定するとともに、クロスカット試験及びガスバリア性試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例3〜6>
ポリマー系界面活性剤の代わりに、シリコーン系界面活性剤である「ポリフローKL−401」、「ポリフローKL−402」、「ポリフローKL−403」、又は「ポリフローKL−700」(以上、共栄社化学製)を用いたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物は白濁しており、以降の実験には用いなかった。
<比較例7>
ポリマー系界面活性剤として、アクリル系界面活性剤である「ポリフローNo.75」(共栄社化学製、質量平均分子量:3000、SP値:約9.9(cal/cm1/2)0.1質量部を用いたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードを測定するとともに、クロスカット試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例8>
ポリマー系界面活性剤として、アクリル系界面活性剤である「ポリフローNo.77」(共栄社化学製、質量平均分子量:3000、SP値:約10.3(cal/cm1/2)0.1質量部を用いたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードを測定するとともに、クロスカット試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例9>
ポリマー系界面活性剤として、アクリル系界面活性剤である「ポリフローNo.99C」(共栄社化学製、質量平均分子量:8000、SP値:約9.7(cal/cm1/2)0.1質量部を用いたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードを測定するとともに、クロスカット試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例10>
ポリマー系界面活性剤として、オレフィン系界面活性剤である「フローレンAC−2300C」(共栄社化学製、質量平均分子量:3500、SP値:約8.5(cal/cm1/2)0.1質量部を用いたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
そして、実施例1と同様にして、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードを測定するとともに、クロスカット試験を行った。結果を表1に示す。
<比較例11>
ポリマー系界面活性剤として、アクリル系界面活性剤である「ポリフローWS−314」(共栄社化学製、質量平均分子量:20000、SP値:約11.5(cal/cm1/2)0.1質量部を用いたほかは実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物は白濁しており、以降の実験には用いなかった。
<比較例12>
下記式(2)で表される構成単位からなるシロキサン樹脂(質量平均分子量2300)100質量部と、光酸発生剤(サンアプロ製「CPI−210S」)5質量部とを、150質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解し、樹脂組成物を調製した。なお、下記式中の各構成単位の横に記載されている数値は、各構成単位のモル比(%)を意味する。
Figure 2015003990
[膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードの測定]
調製した樹脂組成物を、スピンコータ(ミカサ製「MS−A150」)を用いてソーダガラス基板(100mm×100mm×1mm)上に塗布し(目標膜厚40μm)、90℃で4分間加熱した。その後、塗布膜に500mJ/cmのghi線を照射し、さらに90℃で4分間加熱することにより、樹脂膜を形成した。
得られた樹脂膜について、表面形状測定装置(アルバック製「Dektak 3ST」)を用いて、膜厚、表面粗さ(Ra)、ビード(樹脂膜端面形状)を測定した。結果を表1に示す。
[クロスカット試験]
上記[膜厚、表面粗さ(Ra)、ビードの測定]で得られた樹脂膜について、JIS D0202の試験方法に従ってクロスカット試験を行った。具体的には、樹脂膜に対して碁盤目状にクロスカットを入れて100個の枡目を作り、次いで粘着テープを用いてピーリング試験を行い、100個の枡目中、剥離しなかった桝目の数を調べた。結果を表1に示す。
[ガスバリア性試験]
調製した樹脂組成物を、スピンコータ(ミカサ製「MS−A150」)を用いてポリイミド膜(水蒸気透過度:28.2g/m・day)上に塗布し、ホットプレートを用いて90℃で5分間加熱した。その後、膜に500mJ/cmのghi線を照射し、さらに90℃で5分間加熱することにより、膜厚10μmの樹脂膜を形成した。
そして、水蒸気透過度計(Lyssy製「L80−5000」)を使用することにより、樹脂膜の40℃、相対湿度90%における水蒸気透過度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2015003990
表1から分かるように、環状オレフィン樹脂と、有機過酸化物と、特定条件(質量平均分子量10000〜100000、SP値8.0〜10.0(cal/cm1/2)を満たすポリマー系界面活性剤と、炭化水素系溶媒とを含有する樹脂組成物を用いた場合には、平坦性、基板との密着性、ガスバリア性に優れた樹脂膜を形成することができた(実施例1〜6)。
一方、環状オレフィン樹脂と炭化水素系溶媒とを含有する樹脂組成物を用いた場合には、基板との密着性が非常に劣る結果となった(比較例1)。基板との密着性は、比較例1の組成に対してさらに有機過酸化物を含有させることにより改善されたが、樹脂膜の平坦性が非常に劣る結果となった(比較例2)。
また、比較例2の組成に対してさらにシリコーン系界面活性剤を含有させた場合には、樹脂組成物が白濁してしまい、評価に用いることができなかった(比較例3〜6)。
シリコーン系界面活性剤の代わりに特定条件を満たさないポリマー系界面活性剤を含有させた場合には、樹脂組成物が白濁するか、又は白濁しないものの樹脂膜の平坦性が不十分であった(比較例7〜11)。
また、環状オレフィン樹脂の代わりにシロキサン樹脂を用いた場合には、基板との密着性は良好であったものの、樹脂膜自体の表面荒れにより平坦性が顕著に悪くなり、しかも、ガスバリア性が非常に劣る結果となった(比較例12)。

Claims (8)

  1. 環状オレフィン樹脂と、有機過酸化物と、ポリマー系界面活性剤と、炭化水素系溶媒とを含有し、
    前記ポリマー系界面活性剤の質量平均分子量が10000〜100000であり、且つ、SP値が8.0〜10.0(cal/cm1/2である樹脂組成物。
  2. 前記有機過酸化物の含有量が前記環状オレフィン樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 基板の平坦化用途に用いられる請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 表示装置及び/又は光半導体装置の封止用途に用いられる請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1又は2記載の樹脂組成物から形成された平坦化膜を有する平坦化基板。
  6. 請求項1又は2記載の樹脂組成物によって封止されてなる表示装置。
  7. 請求項1又は2記載の樹脂組成物によって封止されてなる光半導体装置。
  8. 基板上に請求項1又は2記載の樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成する工程と、
    前記塗布膜を加熱する工程と、を含む平坦化基板の製造方法。
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