JP2013253152A - 接着剤組成物、それを用いたフィルム状接着剤及び回路接続材料、並びに回路部材の接続構造及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機材料で構成される被着体及び有機材料で構成される被着体のいずれに対しても、十分な接着強度が得られるとともに、高温高湿環境下でも安定した接着強度を得ることが可能な接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物を含有する、接着剤組成物。
【選択図】図1
【解決手段】(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物を含有する、接着剤組成物。
【選択図】図1
Description
本発明は、接着剤組成物、それを用いたフィルム状接着剤及び回路接続材料、並びに回路部材の接続構造及びその製造方法に関する。
半導体及び液晶ディスプレイ等の分野で電子部品を固定したり、回路接続を行うために各種の接着材料が使用されている。
また、液晶ディスプレイとテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package:TCP)との接続やフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits:FPC)とTCPとの接続、FPCとプリント配線板との接続には、回路接続をより確実に行うために、接着剤中に導電性粒子を分散させた異方導電性接着剤が使用されている(例えば、特許文献1〜6参照)。更に、最近では、半導体シリコンチップを基板に実装する場合でも、従来のワイヤーボンドに代えて、半導体シリコンチップを基板に直接実装するいわゆるチップオングラス(Chip−on−glass:COG)が行われており、ここでも異方導電性接着剤が適用されている。
近年、精密電子機器の分野では、回路の高密度化が進んでおり、電極幅及び電極間隔が極めて狭くなっているほか、基板やチップの厚みが薄くなっている。このため、従来のエポキシ樹脂系を用いた回路接続用接着剤の接続条件では、配線の脱落、剥離、位置ずれが生じるなどの問題点があり、COGではチップと基板との熱膨張差に起因する反りが発生する問題があった。さらに低コスト化のためには、スループットを向上させる必要性があり、低温(100〜170℃)、短時間(10秒以内)、換言すれば低温速硬化可能な接着剤が要求されている。また、従来のエポキシ樹脂系を用いた回路接続用接着剤は、用いる重合開始剤がイオン性化合物となること、エポキシの重合体が親水性の高いポリエーテルとなることから、電気的腐食が生じやすい欠点がある。COG用の接着材料に不飽和化合物のラジカル重合を適用すると、低温速硬化は可能となるが、反応点が中性であるラジカル硬化反応では、無機材料で構成される被着体に対して、ラジカル反応的な結合生成は困難なため、十分な接着強度を付与することが難しく、特に高温高湿環境下で接着強度が低下するという問題があった。さらに、無機材料で構成される被着体の表面には、インジウム−錫酸化物や亜鉛−錫酸化物等の透明電極、及びアルミニウム、モリブデン、クロム等の金属電極で構成される回路の保護を目的として、シリコーン樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、アクリル樹脂等を含む有機材料からなる層が形成されている場合がある。この場合、従来の回路接続用接着剤では、無機材料で構成される被着体及び有機材料で構成される被着体(例えば、上記有機材料からなる層)のいずれに対しても十分な接着強度を付与することが困難であった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、無機材料で構成される被着体、及び有機材料で構成される被着体のいずれに対しても、十分な接着強度が得られるとともに、高温高湿環境下でも安定した接着強度を得ることが可能な接着剤組成物、それを用いたフィルム状接着剤及び回路接続材料、並びに回路部材の接続構造及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは、有機アルミニウム錯体とシランカップリング剤を共存させて、さらに分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物を併用することにより、それぞれ単独に用いるよりも、無機材料で構成される被着体に対して高い接着強度が得られるとともに、有機材料からなる被着体に対しても高い接着強度が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の接着剤組成物は、(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物(本明細書において、単に「(D)化合物」ということもある。)と、を含有する。本発明の接着剤組成物は、このような構成を有することにより、無機材料で構成される被着体、及び有機材料で構成される被着体のいずれに対しても、十分な接着強度を得ることができ、且つ、高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を得ることができる。本発明の接着剤組成物は、少なくとも表面が無機材料で構成される被着体に対して高い接着強度を有することから、回路接続材料用として好適に使用することができる。
(A)有機アルミニウム錯体は、下記一般式(1)で表されるものとしてもよい。すなわち、3価のアルミニウム陽イオンにアルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンが配位した構造を有するものとしてもよい。
[一般式(1)中、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンを示す。L1、L2及びL3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。]
[一般式(1)中、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンを示す。L1、L2及びL3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。]
(A)有機アルミニウム錯体を上記一般式(1)で表されるものにすることにより、より一層十分な接着強度を得ることができ、且つ、より一層高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を得ることができる。
(B)シランカップリング剤は、メタクリル基含有シランカップリング剤又はアクリル基含有シランカップリング剤としてもよい。これにより、接着力が更に向上する。
(C)硬化性成分は、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含むものとしてもよい。これにより、上述の効果に加えて、硬化の際にラジカル重合性化合物(例えば、(メタ)アクリレート)のラジカル重合が適用できることにより、接着温度の低温化及び接着時間の短縮化(これらを合わせて「低温速硬化」という)を図ることができる。更に、この接着剤組成物を回路接続材料に用いる場合、低温速硬化が可能となることから、回路部材を接続する際の基板へのダメージや位置ずれを低減することができるとともに、生産効率の向上を図ることができる。
(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物のガラス転移温度は、50℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が50℃以上であることにより、無機材料で構成される被着体、及び有機材料で構成される被着体に対する接着強度をより高めることができるほか、高温高湿環境下での接着強度をさらに高めることができる。上記(D)化合物がウレタン基及びエステル基のうち一方しか有しないものである場合、ガラス転移温度が50℃以上であると、高温高湿環境下における接着強度の低下は抑制されるものの、初期の接着強度が十分ではなくなる。ガラス転移温度の上限としては、特に制限はないが、他の材料との相溶性の観点から200℃程度である。また、接続抵抗の観点から60〜170℃が好ましく、65〜170℃がより好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により測定される値である。具体的には、例えば、パーキンエルマー社製商品名DSC7を使用して、上記(D)化合物を0.01g秤量し、窒素雰囲気下、温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/minで測定を行う。得られた吸熱曲線の変極点前後の直線を延長し、2本の延長線間の2分の1となる直線と吸熱曲線が交差する温度をガラス転移温度とする。
上記(D)化合物は、重量平均分子量が5000〜100000のものであってもよい。また、上記(D)化合物は芳香族基及び/又は環状脂肪族基を有するものであってもよい。
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定できる。具体的には、例えば、検出器として株式会社日立製作所製のL−3300RIを使用し、カラムはGelpackGL−R440+GL−R450+GLR400Mを用い、溶媒はテトラヒドロフランを用い、流量2.05ml/min、注入量200μl及び圧力519.4MPa(53kgf/cm2)の条件で測定を行い、ポリスチレンを用いた検量線から上記(D)化合物の重量平均分子量を算出できる。
また、本発明の接着剤組成物は、更にフィルム形成材を含有していてもよい。フィルム形成材を含有することにより、接着剤組成物をフィルム状に形成することが容易に可能となる。
本発明のフィルム状接着剤は、上記本発明の接着剤組成物をフィルム状に形成してなる。このフィルム状接着剤は、取り扱いが容易であり、基板等の被着体へ容易に設置することができ、接続作業を容易に行うことができる。
本発明の回路接続材料は、上記本発明の接着剤組成物を含有する。
この回路接続材料は、上記本発明の接着剤組成物を含有することから、無機材料で構成される被着体(回路部材等)及び有機材料で構成される被着体(電極又は回路保護材等)のいずれに対しても高い接着強度を有しており、例えば、回路部材同士を接着するのに好適である。また、高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を得ることができる。
また、本発明の回路接続材料は、更に導電性粒子を含有していてもよい。導電性粒子を含有することにより、接続する電極間(回路電極間等)の接続信頼性を高めることができるとともに、接続抵抗を低減することができる。
本発明の回路部材の接続構造(本明細書において、「接続構造」を、「接続構造体」又は「接続体」ともいう。)は、第一の回路基板の主面上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材と、上記第一の回路基板の主面と上記第二の回路基板の主面との間に設けられ、上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とを対向配置させた状態で上記第一の回路部材及び第二の回路部材を接続する回路接続部材と、を備え、上記回路接続部材は、上記本発明の回路接続材料の硬化物からなり、上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とが電気的に接続されている。
この回路部材の接続構造は、回路接続部材が上記本発明の回路接続材料の硬化物からなることから、接着強度の信頼性に優れ、高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を得ることができる。特に、回路接続材料が導電性粒子を含む場合、上記効果に加えて、接続抵抗が十分に低減される。また、上記本発明の回路接続材料は、無機材料で構成される被着体に対しても、十分な接着強度を得ることができ、且つ、高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を得ることができるため、上記第一の回路部材、又は上記第二の回路部材の被着面(接続部材を介して接続される面)の少なくとも一部が無機材料から構成されていてもよい。
本発明の回路部材の接続構造の製造方法では、上記第一の回路基板の主面と上記第二の回路基板の主面との間に上記本発明の回路接続材料を配置し、上記第一及び第二の回路部材を介して上記回路接続材料を加熱及び加圧して硬化させ(硬化処理)上記第一の回路部材と上記第二の回路部材とを接続するとともに上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とを電気的に接続する。
この回路部材の接続構造の製造方法によれば、本発明の回路接続材料を用いていることにより、接着強度の信頼性に優れ、高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を有する回路部材の接続構造を形成することができる。また、上記回路接続材料が、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含むものである場合、上記効果に加えて、低温速硬化が可能となり、回路部材への悪影響が十分に抑制される。また、上記本発明の回路接続材料は、無機材料で構成される被着体に対しても、十分な接着強度を得ることができ、且つ、高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を得ることができるため、上記第一の回路部材、又は上記第二の回路部材の被着面の少なくとも一部が無機材料から構成されていてもよい。
上述のとおり、本発明の回路接続材料は、第一の回路基板の主面上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材とを、上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とを対向配置させた状態で接続するために好適に使用できる。この場合、上記第一の回路部材、又は上記第二の回路部材の被着面の少なくとも一部が無機材料から構成されていてもよい。
本発明の太陽電池モジュールは、電極を有する太陽電池セルと、配線部材と、上記電極と上記配線部材が電気的に接続されるように上記太陽電池セルと上記配線部材を接着する接続部材と、を備え、上記接続部材が、上記本発明の回路接続材料の硬化物からなる。
この太陽電池モジュールは、接続部材が上記本発明の回路接続材料の硬化物からなることから、接着強度の信頼性に優れ、高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を得ることができる。特に、回路接続材料が導電性粒子を含む場合、上記効果に加えて、接続抵抗が十分に低減される。また、回路接続材料が(C)硬化性成分として、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含むものである場合、低温速硬化が可能となることから、接続時に太陽電池セルを劣化させることなく製造することができ、従来よりも高い信頼性を有する太陽電池モジュールとなる。
上述のとおり、本発明の回路接続材料は、電極を有する太陽電池セルと、配線部材とを、上記電極と上記配線部材が電気的に接続されるように上記太陽電池セルと上記配線部材を接続するためにも好適に使用できる。
本発明の接着剤組成物は、無機材料で構成される被着体、及び有機材料で構成される被着体いずれに対しても、十分な接着強度を得ることができ、且つ、高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を得ることができる。
また、本発明のフィルム状接着剤は、取り扱いが容易であり、基板等の被着体へ容易に設置することができ、接続作業を容易に行うことができる。
更に、本発明の回路接続材料は、回路部材(例えば、半導体素子、液晶表示素子)を接着するのに好適である。また、導電性粒子を含有する回路接続材料を用いて作製された回路部材の接続構造は、接続抵抗が十分に低減されており、接着強度(特に、高温高湿環境下)の信頼性に優れる。また、回路接続材料が、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含むものである場合、この回路接続材料を用いる回路部材の接続構造の製造方法によれば、低温速硬化が可能であることから、回路部材への悪影響が十分に抑制される。
以下、場合により図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、以下の説明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味するものとする。
〔接着剤組成物〕
本発明の接着剤組成物は、(C)硬化性成分と、(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物と、を含有する。
本発明の接着剤組成物は、(C)硬化性成分と、(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物と、を含有する。
本発明における(C)硬化性成分とは、熱やエネルギー線等の外部エネルギーにより硬化する性質を有する成分である。かかる(C)硬化性成分としては特に制限されないが、例えば、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤の組み合わせを含んで構成されるものとしてもよい。ラジカル重合性化合物を含むことにより低温速硬化が可能となる。
ラジカル重合性化合物は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質である。かかるラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、スチレン誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。また、ラジカル重合性化合物は、モノマー、又はオリゴマーのいずれの状態でも使用することができ、モノマーとオリゴマーとを混合して使用してもよい。
(メタ)アクリレート化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エテレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートトリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性ジアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。上記(メタ)アクリレート化合物をラジカル重合させることで、(メタ)アクリル樹脂が得られる。
マレイミド化合物は、マレイミド基を少なくとも1個有する化合物である。マレイミド化合物としては、フェニルマレイミド、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用してもよい。
スチレン誘導体は、スチレンのα−位又は芳香族環における水素原子が置換基で置換された化合物である。
ラジカル重合開始剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物等の加熱により分解して遊離ラジカルを発生するものが挙げられる。これらは目的とする接続温度、接続時間、保存安定性等により適宜選定されるが、高反応性と保存安定性の点から、半減期10時間の温度が40℃以上、且つ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物、アゾ系化合物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上、且つ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物、アゾ系化合物がより好ましい。接続時間を10秒以下とした場合、ラジカル重合開始剤の配合量は、十分な反応率を得るために、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.1〜40質量部とすることが好ましく、0.1〜30質量部とすることがより好ましい。ラジカル重合開始剤の配合量が0.1質量部未満では、十分な反応率を得ることができず、良好な接着強度や小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向にある。一方、ラジカル重合開始剤の配合量が40質量部を超えると、接着剤の流動性が低下したり、接続抵抗が上昇したり、接着剤の保存安定性が低下する傾向にある。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられる。また、回路部材の接続端子の腐食を押さえるために、ラジカル重合開始剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましい。これらの中でもパーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドから選定されることが好ましく、高反応性が得られるパーオキシエステル、パーオキシケタールから選定されることがより好ましい。これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
ジアシルパーオキサイドとしては、イソブチリルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルへキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルへキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシエステルとしては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロへキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−へキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロへキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−へキシルパーオキシ−2−エチルへキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロへキサン、t−へキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルへキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)へキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキシルモノカーボネート、t−へキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
パーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−へキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、1,1−ビス(t−へキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとしては、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
シリルパーオキサイドとしては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの加熱により遊離ラジカルを発生するラジカル重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができ、更に分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの開始剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
接着剤組成物における(C)硬化性成分の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、接着剤組成物全量に対して、10〜95質量%とすることができる。また、接続抵抗の低減の観点から、30〜80質量%とすることが好ましく、40〜70質量%とすることがより好ましい。
(A)有機アルミニウム錯体は、アルミニウムに有機基からなる配位子が結合した分子である。アルミニウムと配位子との結合は、水素結合又は配位結合のいずれであってもよい。有機基としては、炭素原子、水素原子及び酸素原子から構成される基であればよく、硫黄原子、窒素原子等を更に含んでいてもよい。
(A)有機アルミニウム錯体は、一般式(1)で示した、3価のアルミニウム陽イオンにアルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンが配位した構造を有するものとすることができる。
[一般式(1)中、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンを示す。L1、L2及びL3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。]
[一般式(1)中、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンを示す。L1、L2及びL3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。]
一般式(1)で表される有機アルミニウム錯体の具体例としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスオレイルアセトアセテート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
接着剤組成物における(A)有機アルミニウム錯体の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、(C)硬化性成分100質量部に対し、0.01〜30質量部とすることができる。また、接着力向上の観点から、1〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
(B)シランカップリング剤は、その分子中に有機官能基及び加水分解性基を有する化合物であり、例えば、ビニル基含有シランカップリング剤、エポキシ基含有シランカップリング剤、スチリル基含有シランカップリング剤、メタクリル基含有シランカップリング剤、アクリル基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、ウレイド基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤、スルフィド基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤、アリル基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらの中でも、接着力向上の観点から、メタクリル基含有シランカップリング剤又はアクリル基含有シランカップリング剤であることが好ましい。
上記加水分解性基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、アセトキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
上記ビニル基含有シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
上記エポキシ基含有シランカップリング剤としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記スチリル基含有シランカップリング剤としては、例えば、p−スチリルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記メタクリル基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記アクリル基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記ウレイド基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記メルカプト基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記スルフィド基含有シランカップリング剤としては、例えば、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。
上記イソシアネート基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アリル基含有シランカップリング剤としては、例えば、アリルトリメトキシシラン等が挙げられる。
接着剤組成物における(B)シランカップリング剤の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、(C)硬化性成分100質量部に対し、0.01〜30質量部とすることができる。また、接着力向上の観点から、0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.1〜5質量部とすることがより好ましい。
(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物は、ウレタン基及びエステル基をその主鎖中に有するポリマーであることが好ましい。上記化合物は、例えば、ポリエステルポリオールとジイソシアネートとの反応により得られる。この反応による得られるエステルウレタン化合物は、一般的にポリエステルウレタン樹脂と称される場合がある。これらのポリエステルウレタン樹脂は、例えば、東洋紡績株式会社製商品名バイロンURシリーズとして商業的に入手可能である。
ポリエステルポリオールは、例えば、ジカルボン酸とジオールとの反応により得られる。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等の芳香族や脂肪族ジカルボン酸が好ましい。ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールのようなグリコール類が好ましい。
ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの、芳香族、脂環族、又は脂肪族のジイソシアネートが好適に用いられる。
ポリエステルウレタン化合物のガラス転移温度は、50℃以上であることが好ましい。ポリエステルウレタン化合物は、ポリエステルポリオールやジイソシアネートの種類や、分子量等を適宜調整することにより、そのガラス転移温度を50℃以上とすることができる。
ガラス転移温度が室温以上のポリエステルウレタン化合物は、フィルム形成材としても使用することができる。ただし、本発明においては、上記(D)化合物とフィルム形成材のいずれにも該当する場合は、上記(D)化合物に分類する。
ポリエステルウレタン化合物は、アニオン性を有することが好ましい。これにより、接着強度が更に向上する。アニオン性を有するポリエステルウレタン化合物は、ポリエステルポリオールとジイソシアネートとの反応の際に、側鎖にスルホン酸基やカルボキシル基を有するジオールやジアミン類を共重合させることにより得られる。
ポリエステルウレタン化合物は、ベンゼン環等を含む芳香族基や、シクロヘキサン環等を含む環状脂肪族基を有することが好ましい。
ポリエステルウレタン化合物は、2種類以上混合して使用することができる。例えば、芳香族ポリエステルポリオールと脂肪族ジイソシアネートとの反応により得られるものと、脂肪族ポリエステルポリオールと芳香族ジイソシアネートとの反応により得られるものとを組み合わせることができる。
ポリエステルウレタン化合物は、重量平均分子量が5000〜100000であることが好ましい。重量平均分子量が5000未満であると、フィルム状に成形する際のフィルム形成性が低下する傾向にあり、重量平均分子量が100000を超えると、溶剤への溶解性や相溶性が低下して、フィルム状に成形するための塗工液を調整することが困難となる傾向にある。より好ましくは10000〜70000である。
ポリエステルウレタン化合物は、ラジカル重合性を有する不飽和二重結合及び/又はエポキシ基を有していることが好ましい。これにより、回路接続材料を硬化するときに、接着剤組成物中のエポキシ樹脂やラジカル重合性化合物と反応して、回路接続材料の硬化物の弾性率や耐熱性が向上する。
接着剤組成物における(D)化合物の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、接着剤組成物全量に対して、10〜95質量部とすることができる。また、接着力の向上の観点から、20〜95質量部とすることが好ましく、20〜70質量部とすることがより好ましい。
本発明の接着剤組成物は、上記(C)硬化性成分、上記(A)有機アルミニウム錯体、上記(B)シランカップリング剤及び上記(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物を含有するとともに、更にフィルム形成材を含有してもよい。
フィルム形成材とは、液状物を固形化し、構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムに対して、そのフィルムの取り扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械特性等を付与するものであり、通常の状態でフィルムとしての取り扱いができるものである。かかるフィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、接着強度、相溶性、耐熱性、機械強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂は2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子量まで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。具体的には、2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015とをアルカリ金属水酸化物の存在下において非反応性溶媒中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、樹脂の機械的特性や熱的特性の点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1としアルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下で沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で反応固形分が50質量部以下で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。
2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。
2官能フェノール類は2個のフェノール性水酸基を持つものであり、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類等が挙げられる。
また、フェノキシ樹脂はラジカル重合性の官能基や、その他の反応性化合物により変性されていてもよい。フェノキシ樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用してもよい。
接着剤組成物におけるフィルム形成材の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、接着剤組成物全量に対して10〜60質量部とすることが好ましく、15〜50質量部とすることがより好ましい。
接着剤組成物が、フィルム形成材、分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含有する場合、シランカップリング剤との混合比率は、接着剤組成物の接着強度向上の観点から、フィルム形成材、分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤の合計100質量部に対してシランカップリング剤が0.01〜25質量部であることが好ましい。また、0.1〜20質量部であることがより好ましく、0.5〜15質量部であることが更に好ましく、1〜10質量部であることが最も好ましい。
本発明の接着剤組成物には、更に、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びアクリロニトリルのうちの少なくとも一つをモノマー成分とした重合体又は共重合体を配合することもできる。特に、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用した場合、応力緩和に優れるので好ましい。これらアクリルゴムの重量平均分子量は、接着剤組成物の凝集力を高める点から20万以上であることが好ましい。
また、本発明の接着剤組成物には、更に、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、難燃化剤、色素、チキソトロピック剤、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート類等を配合することもできる。
以上説明した構成を有する接着剤組成物の使用形態は特に制限されないが、例えば、上記各成分をトルエン、酢酸エチル等の有機溶媒に溶解及び/又は分散させた溶液、或いは、この溶液から溶媒を除去して所定の形状に成形した成形体(例えば、後述するフィルム状接着剤)として使用することができる。
〔回路接続材料〕
本発明の回路接続材料は、上述した接着剤組成物を含有する。また、上記回路接続材料は、導電性粒子を含有していてもよい。
本発明の回路接続材料は、上述した接着剤組成物を含有する。また、上記回路接続材料は、導電性粒子を含有していてもよい。
導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Pd、Cu、はんだ等を含有する金属粒子、カーボン粒子等が挙げられる。十分な保存安定性を得る観点から、導電性粒子の表層はNi、Cu等の遷移金属類ではなくAu、Ag、Pd、白金属の貴金属類であることが好ましくAuであることがより好ましい。Ni等の遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。また、導電性粒子として、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等を上記金属等の導電物質で被覆した複合粒子も使用でき、この場合にも最外層を貴金属類としたものが好ましい。導電性粒子は、例えば、銅からなる金属粒子に銀を被覆した粒子であってもよい。また、導電性粒子として、特開2005−116291号公報に記載されるような、微細な金属粒子が多数、鎖状に繋がった形状を有する金属粉末を用いることもできる。
導電性粒子として非導電性のプラスチック等を導電物質で被覆したものや、熱溶融金属粒子を用いると、加熱加圧によりこれらの導電性粒子は変形するため、接続時に電極との接触面積が増加し、回路部材の回路端子の厚みばらつきを吸収し接続信頼性が向上する傾向があるので好ましい。
貴金属類の被覆層の厚みは、良好な抵抗を得る観点から、10nm以上が好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の層を設ける場合は、貴金属類層の欠損や導電性粒子の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発生し、保存安定性の低下を引き起こす傾向があるため、これを防止する観点から、被覆層の厚みは30nm以上が好ましい。なお、被覆層の厚みの上限は特に制限されないが、得られる効果が飽和してくるため、1μm以下とすることが好ましい。
被覆前の粒子の形状が真球状の上記導電性粒子において、その表層の形状は、特に制限されないが、平滑又は凹凸状を選択できる。平滑とは、被覆層又は貴金属類層の欠損等を除き、導電性粒子の形状が真球状に近い場合を指す。凹凸状とは、被覆層又は貴金属類層の欠損等を除き、10nmよりも大きな凸部が導電性粒子の表層部に設けられていることを指す。
また、導電性粒子としては、上記導電性粒子の表面を絶縁性粒子により被覆したものや、ハイブリダイゼーション等の方法により上記導電性粒子の表面に絶縁性の材料からなる絶縁層が設けられたものを用いることもできる。このような導電性粒子を用いることで、隣接する導電性粒子同士の接触による短絡が生じにくくなる。
導電性粒子の平均粒径は、1〜20μmであることが好ましい。導電性粒子の平均粒径は、粒度分布測定装置(例えば、BeckmanCoulter社製、LS13 320)を用いて測定することができる。
導電性粒子の配合量は、接着剤組成物100体積部に対して0.1〜60体積部とすることが好ましく、この範囲内で用途に応じて適宜調節することが好ましい。なお、導電性粒子が過剰に存在することによる隣接回路の短絡等を防止する観点から、配合量は0.1〜30体積部とすることがより好ましい。
上記回路接続材料は、回路間の接続、回路と配線部材等の導電体との接続に好適に用いることができる。例えば、上記回路接続材料は、第一の回路基板の主面上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材とを、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを対向配置させた状態で接続するための使用、電極を有する太陽電池セルと、配線部材とを、上記電極と上記配線部材が電気的に接続されるように上記太陽電池セルと上記配線部材を接続するための使用に好適である。
〔フィルム状接着剤〕
図1は、フィルム状接着剤の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すフィルム状接着剤1は、上述した接着剤組成物をフィルム状に形成してなるものである。このフィルム状接着剤1によれば、取り扱いが容易であり、被着体へ容易に設置することができ、接続作業を容易に行うことができる。
図1は、フィルム状接着剤の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すフィルム状接着剤1は、上述した接着剤組成物をフィルム状に形成してなるものである。このフィルム状接着剤1によれば、取り扱いが容易であり、被着体へ容易に設置することができ、接続作業を容易に行うことができる。
フィルム状接着剤1は、接着剤組成物を硬化させたときのガラス転移温度が5℃以上異なる2種以上の層からなる多層構成(図示せず)としてもよい。
フィルム状接着剤1は、例えば、接着剤組成物を溶媒に溶解したものを支持体(PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等)上に塗工装置を用いて塗布し、接着剤組成物が硬化しない温度で所定時間熱風乾燥することにより作製することができる。また、フィルム状接着剤1の厚さは、例えば、1〜50μmとすることができる。
上記フィルム状接着剤は、溶媒に溶解したときに上記導電性粒子を配合せず、フィルム状接着剤を作製した後に導電性粒子を配置することができる。例えば、特開2000−149677号公報、特開2002−327155号公報又は国際公開第2005/054388号に記載された方法を採用することができる。具体的には、導電性粒子を含有しないフィルム状接着剤を作製し、帯電させた導電性粒子をフィルム状接着剤へ散布し接着剤内へ押し込む方法や、上記フィルム状接着剤とは別の支持体上に設置された粘着剤層に導電性粒子を単層に充填して、2軸延伸法で支持体ともに粘着剤層を引き伸ばした後、上記フィルム状接着剤へ導電性粒子を転写する方法や、導電性粒子を配置するための貫通孔又は凹部が設けられたコアフィルムに導電性粒子を充填し、上記フィルム状接着剤へ導電性粒子を転写する方法などである。
フィルム状接着剤1の少なくとも片面に、導電性粒子を含まない2種以上の層を積層し、多層構成(図示せず)としてもよい。
〔回路部材の接続構造〕
図2は、回路部材の接続構造の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示すように、本実施形態の回路部材の接続構造は、相互に対向する第一の回路部材20及び第二の回路部材30を備えており、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。第一の回路部材20又は第二の回路部材30は無機材料から構成されていてもよい。また、接続部材との被着面の少なくとも一部が無機材料から構成されていてもよい。さらに、例えば、回路電極22又は32の少なくとも一方が有機材料からなる層を有していてもよい。
図2は、回路部材の接続構造の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示すように、本実施形態の回路部材の接続構造は、相互に対向する第一の回路部材20及び第二の回路部材30を備えており、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。第一の回路部材20又は第二の回路部材30は無機材料から構成されていてもよい。また、接続部材との被着面の少なくとも一部が無機材料から構成されていてもよい。さらに、例えば、回路電極22又は32の少なくとも一方が有機材料からなる層を有していてもよい。
第一の回路部材20は、回路基板(第一の回路基板)21と、回路基板21の主面21a上に形成された回路電極(第一の回路電極)22とを備えている。なお、回路基板21の主面21a上には、場合により絶縁層(図示せず)が形成されていてもよい。
一方、第二の回路部材30は、回路基板(第二の回路基板)31と、回路基板31の主面31a上に形成された回路電極(第二の回路電極)32とを備えている。また、回路基板31の主面31a上にも、場合により絶縁層(図示せず)が形成されていてもよい。
第一の回路部材20及び第二の回路部材30としては、電気的接続を必要とする電極が形成されているものであれば特に制限はない。具体的には、液晶ディスプレイに用いられているITO等で電極が形成されているガラス又はプラスチック基板、プリント配線板、セラミック配線板、フレキシブル配線板、半導体シリコンチップ等が挙げられ、これらは必要に応じて組み合わせて使用される。このように、本実施形態では、プリント配線板やポリイミド等の有機物からなる材質をはじめ、銅、アルミニウム等の金属やITO(indiumtinoxide)、窒化ケイ素(SiNX)、二酸化ケイ素(SiO2)等の無機材料からなる材質のように多種多様な表面状態を有する回路部材を用いることができる。
回路接続部材10は、絶縁性物質11及び導電性粒子7を含有している。導電性粒子7は、対向する回路電極22と回路電極32との間のみならず、主面21aと主面31aとの間にも配置されている。回路部材の接続構造においては、回路電極22及び回路電極32が、導電性粒子7を介して電気的に接続されている。すなわち、導電性粒子7が回路電極22及び回路電極32の双方に直接接触している。
ここで、導電性粒子7は、電気的接続を得ることができる導電性を有していれば特に制限はないが、Au、Ag、Ni、Pd、Cu、Co、はんだ等の金属粒子やカーボン等がある。また、非導電性のガラス、セラミックス、プラスチック等を上記金属等の導電物質で被覆したものも使用できる。このとき、被覆する金属層の厚さは十分な導電性を得るためには10nm以上が好ましい。
この回路部材の接続構造においては、上述したように、対向する回路電極22と回路電極32とが導電性粒子7を介して電気的に接続されている。このため、回路電極22及び回路電極32間の接続抵抗が十分に低減される。したがって、回路電極22及び回路電極32間の電流の流れを円滑にすることができ、回路の持つ機能を十分に発揮することができる。なお、回路接続部材10が導電性粒子7を含有していない場合には、回路電極22と回路電極32とが直接接触することで、電気的に接続される。
回路接続部材10は後述するように、上記接着剤組成物を含む回路接続材料の硬化物により構成されていることから、第一の回路部材20又は第二の回路部材30に対する回路接続部材10の接着強度が十分に高くなり、特に高温高湿環境下において安定した接着強度が得られる。また、回路部材の接続構造では接着強度が十分に高い状態が長期間にわたって持続される。したがって、回路電極22及び回路電極32間の距離の経時的変化が十分に防止され、回路電極22及び回路電極32間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることが可能となる。
〔回路部材の接続構造の製造方法〕
次に、上述した回路部材の接続構造の製造方法について説明する。
次に、上述した回路部材の接続構造の製造方法について説明する。
先ず、上述した第一の回路部材20と、フィルム状回路接続材料40を用意する(図3(a)参照)。フィルム状回路接続材料40は、回路接続材料をフィルム状に成形してなるものである。回路接続材料は、接着剤組成物5と、導電性粒子7とを含有する。ここで、接着剤組成物5には上述した本発明の接着剤組成物が用いられる。以下の説明では、接着剤組成物5における硬化性成分がラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤である場合について説明する。なお、回路接続材料が導電性粒子7を含有しない場合でも、その回路接続材料は絶縁性接着剤として異方導電性接着に使用でき、特にNCP(Non−Conductive Paste)と呼ばれることもある。また、回路接続材料が導電性粒子7を含有する場合には、その回路接続材料はACP(Anisotropic Conductive Paste)と呼ばれることもある。
フィルム状回路接続材料40の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。フィルム状回路接続材料40の厚さが10μm未満では、回路電極22及び回路電極32間に回路接続材料が充填不足となる傾向がある。他方、50μmを超えると、回路電極22及び回路電極32間の接着剤組成物を十分に排除しきれなくなり、回路電極22及び回路電極32間の導通の確保が困難となる傾向がある。
次に、フィルム状回路接続材料40を第一の回路部材20の回路電極22が形成されている面上に載せる。なお、フィルム状回路接続材料40が支持体(図示せず)上に付着している場合には、フィルム状回路接続材料40側を第一の回路部材20に向けるようにして、第一の回路部材20上に載せる。このとき、フィルム状回路接続材料40はフィルム状であり、取り扱いが容易である。このため、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間にフィルム状回路接続材料40を容易に介在させることができ、第一の回路部材20と第二の回路部材30との接続作業を容易に行うことができる。
そして、フィルム状回路接続材料40を、図3(a)の矢印A及びB方向に加圧し、フィルム状回路接続材料40を第一の回路部材20に仮接続する(図3(b)参照)。このとき、加熱しながら加圧してもよい。但し、加熱温度はフィルム状回路接続材料40中の接着剤組成物が硬化しない温度、すなわちラジカル重合開始剤がラジカルを発生する温度よりも低い温度とする。
続いて、図3(c)に示すように、第二の回路部材30を、第二の回路電極32を第一の回路部材20に向けるようにして(すなわち、第一の回路電極22と第二の回路電極32とが対向配置される状態にして)フィルム状回路接続材料40上に載せる。なお、フィルム状回路接続材料40が支持体(図示せず)上に付着している場合には、支持体を剥離してから第二の回路部材30をフィルム状回路接続材料40上に載せる。
そして、フィルム状回路接続材料40を加熱しながら、図3(c)の矢印A及びB方向に第一の回路部材20及び第二の回路部材30を介して加圧する。このときの加熱温度は、ラジカル重合開始剤がラジカルを発生可能な温度とする。これにより、ラジカル重合開始剤においてラジカルが発生し、ラジカル重合性化合物の重合が開始される。こうして、フィルム状回路接続材料40が硬化処理され、本接続が行われ、図2に示すような回路部材の接続構造が得られる。
加熱温度は、例えば、90〜200℃とし、接続時間は例えば1秒〜10分とする。これらの条件は、使用する用途、接着剤組成物、回路部材によって適宜選択され、必要に応じて、後硬化を行ってもよい。例えば、本実施形態のように、接着剤組成物5における硬化性成分がラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤である場合、加熱温度を100〜170℃とし、接続時間を10秒以内とし、低温速硬化させることもできる。
上記のようにして、回路部材の接続構造を製造すると、得られる回路部材の接続構造において、導電性粒子7を対向する回路電極22及び回路電極32の双方に接触させることが可能となり、回路電極22及び回路電極32間の接続抵抗を十分に低減することができる。
また、フィルム状回路接続材料40の加熱により、回路電極22と回路電極32との間の距離を十分に小さくした状態で接着剤組成物5が硬化して絶縁性物質11となり、第一の回路部材20と第二の回路部材30とが回路接続部材10を介して強固に接続される。すなわち、得られる回路部材の接続構造においては、回路接続部材10は、上記接着剤組成物を含む回路接続材料の硬化物により構成されていることから、第一の回路部材20又は第二の回路部材30に対する回路接続部材10の接着強度が十分に高くなり、特に高温高湿条件下において十分に接着強度が高くなる。また、回路部材の接続構造では接着強度が十分に高い状態が長期間にわたって持続される。したがって、得られる回路部材の接続構造は、回路電極22及び回路電極32間の距離の経時的変化が十分に防止され、回路電極22及び回路電極32間の電気特性の長期信頼性に優れる。
なお、上記実施形態では、接着剤組成物5として、少なくとも加熱によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤を含むものが用いられているが、このラジカル重合開始剤に代えて、光照射のみでラジカルを発生するラジカル重合開始剤を用いてもよい。この場合、フィルム状回路接続材料40の硬化処理に際して、加熱に代えて光照射を行えばよい。この他にも、必要に応じて、超音波、電磁波等によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤を用いてもよい。また、接着剤組成物5における硬化性成分としてエポキシ樹脂及び潜在性硬化剤を用いてもよい。
また、上記実施形態では、フィルム状回路接続材料40を用いて回路部材の接続構造を製造しているが、フィルム状回路接続材料40に代えて、フィルム状に形成されていない回路接続材料を用いてもよい。この場合でも、回路接続材料を溶媒に溶解させ、その溶液を、第一の回路部材20又は第二の回路部材30のいずれかに塗布し乾燥させれば、第一の回路部材20及び第二の回路部材30間に回路接続材料を介在させることができる。
また、導電性粒子7の代わりに、他の導電材料を用いてもよい。他の導電材料としては、粒子状、又は短繊維状のカーボン、AuめっきNi線などの金属線条等が挙げられる。
〔太陽電池モジュール〕
本発明の接着剤組成物及び回路接続材料は、複数の太陽電池セルが電気的に接続された太陽電池モジュールにも好適に用いることができる。以下、本実施形態に係る太陽電池モジュールについて説明する。
本発明の接着剤組成物及び回路接続材料は、複数の太陽電池セルが電気的に接続された太陽電池モジュールにも好適に用いることができる。以下、本実施形態に係る太陽電池モジュールについて説明する。
本実施形態に係る太陽電池モジュールは、電極を有する太陽電池セルと、配線部材と、上記電極と上記配線部材が電気的に接続されるように上記太陽電池セルと上記配線部材を接着する接続部材と、を備える。そして、上記接続部材は、上記回路接続材料の硬化物を含有する。
図4は、太陽電池モジュールの一実施形態を示す模式断面図である。図4に示すように、太陽電池モジュール200は、太陽電池セル100A及び配線部材94を備えており、太陽電池セル100A及び配線部材94の間には、これらを電気的に接続する接続部材95が設けられている。
太陽電池セル100Aは、基板92上に電極96を有し、該電極96を介して配線部材94と電気的に接続している。なお、電極96を備える側の面が受光面98である。太陽電池セル100Aには、受光面98と反対側の裏面99に、裏面電極97が設けられている。基板92は、例えばSiの単結晶、多結晶、及び非結晶のうち少なくとも一つからなるものである。
配線部材94は、太陽電池セル100Aと他の部材とを電気的に接続するための部材である。例えば、図4においては、配線部材94により、太陽電池セル100Aの電極96と、太陽電池セル100Bの裏面電極97とが電気的に接続されている。
図4に示す太陽電池モジュール200においては、接続部材95により、配線部材94と太陽電池セル100Bの裏面電極97とが電気的に接続するように、配線部材94と太陽電池セル100Bとが接着されている。
接続部材95は、例えば絶縁性物質及び導電性粒子を含有するものであってよい。接続部材95が導電性粒子を含有する場合、太陽電池セル100Aの電極96と配線部材94とは、導電性粒子を介して電気的に接続され得る。また、太陽電池セル100Bの裏面電極97と配線部材94もまた、導電性粒子を介して電気的に接続され得る。
図4に示す太陽電池モジュール200は、接続部材95が上記回路接続材料の硬化物により構成されている。このことから、太陽電池セル100A及び配線部材94間に対する接続部材95の接着強度は十分高く、かつ、高温高湿環境下でも長期間にわたって安定した接着強度を得ることができる。また、接続部材95が導電性粒子を含有する場合、太陽電池セル100A及び配線部材94間の接続抵抗は十分小さくなっている。さらに、上記回路接続材料が(C)硬化性成分として、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含むものである場合、低温速硬化が可能となることから、図4に示す太陽電池モジュール200は、接続時に太陽電池セル100Aを劣化させることなく製造することができ、従来よりも高い信頼性を有することが可能である。
また、図4に示す太陽電池モジュール200は、上述した回路部材の接続構造の製造方法における第一の回路部材20及び第二の回路部材30として、太陽電池セル100A及び配線部材94を用いて、上述した回路部材の接続構造の製造方法と同様の方法で製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔ポリエステルウレタン樹脂の合成〕
(ポリエステルポリオールの調製方法)
撹拌機、温度計、コンデンサー、真空発生装置及び窒素ガス導入管が備え付けられたヒーター付きステンレス製オートクレーブに、ジカルボン酸及びジオールを所定の比率で投入し、更に、触媒としての三酸化アンチモンを上記ジカルボン酸100molに対して0.003molの比率で、界面活性剤としての水酸化コリンを上記ジカルボン酸100molに対して4molの比率でそれぞれ投入した。次いで、0.35MPaの窒素圧下で2.5時間かけて250℃まで昇温し、そのまま1時間撹拌した。その後、大気圧(760mmHg)まで30mmHg/分の条件で減圧し、そのまま250℃で3時間撹拌した。次いで、25℃まで冷却した後、白色沈殿を取り出し、水洗後、真空乾燥することでポリエステルポリオールを得た。
(ポリエステルポリオールの調製方法)
撹拌機、温度計、コンデンサー、真空発生装置及び窒素ガス導入管が備え付けられたヒーター付きステンレス製オートクレーブに、ジカルボン酸及びジオールを所定の比率で投入し、更に、触媒としての三酸化アンチモンを上記ジカルボン酸100molに対して0.003molの比率で、界面活性剤としての水酸化コリンを上記ジカルボン酸100molに対して4molの比率でそれぞれ投入した。次いで、0.35MPaの窒素圧下で2.5時間かけて250℃まで昇温し、そのまま1時間撹拌した。その後、大気圧(760mmHg)まで30mmHg/分の条件で減圧し、そのまま250℃で3時間撹拌した。次いで、25℃まで冷却した後、白色沈殿を取り出し、水洗後、真空乾燥することでポリエステルポリオールを得た。
(ポリエステルウレタン樹脂の調製方法)
上述したジカルボン酸とジオールとの反応によって得られたポリエステルポリオールを十分に乾燥した後、トルエンに溶解し、撹拌機、滴下漏斗、還流冷却機及び窒素ガス導入管を取り付けた四つ口フラスコに投入した。また、触媒としてジブチル錫ラウレートをポリエステルポリオール100質量部に対して0.02質量部となる量投入した。
上述したジカルボン酸とジオールとの反応によって得られたポリエステルポリオールを十分に乾燥した後、トルエンに溶解し、撹拌機、滴下漏斗、還流冷却機及び窒素ガス導入管を取り付けた四つ口フラスコに投入した。また、触媒としてジブチル錫ラウレートをポリエステルポリオール100質量部に対して0.02質量部となる量投入した。
一方、ジイソシアネートをトルエンに溶解し、上記の滴下漏斗に入れた。反応系内を乾燥窒素で置換してから加熱を開始し、還流が始まったら滴下漏斗内の溶液を一度に半分加えて激しく撹拌した。残りの溶液は3時間かけて滴下し、滴下後さらに1時間撹拌した。次いで、25℃まで冷却することで得られた沈殿を、ジメチルホルムアミドに溶解し、これにメタノールをジメチルホルムアミドと等量加えて冷蔵庫(5℃)内に一晩放置した。放置後に得られた沈殿を真空乾燥することで、目的とするポリエステルウレタン樹脂を得た。
(ポリエステルウレタン樹脂A〜Bの合成)
ジガルボン酸としてテレフタル酸又はイソフタル酸を、ジオールとしてネオペンチルグリコールを、ジイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、表1に示す質量比となるようにそれぞれ用い、上記手順に従って各種ポリエステルウレタン樹脂A〜Bを得た。
ジガルボン酸としてテレフタル酸又はイソフタル酸を、ジオールとしてネオペンチルグリコールを、ジイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを、表1に示す質量比となるようにそれぞれ用い、上記手順に従って各種ポリエステルウレタン樹脂A〜Bを得た。
〔実施例1〕
(A)有機アルミニウム錯体としてアルミキレートD(川研ファインケミカル株式会社製品名)、(B)シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランSZ6030(東レ・ダウコーニング株式会社製品名)、(C)硬化性成分としてラジカル重合性化合物であるUA5500(根上工業株式会社製品名)及びM313(東亞合成株式会社製品名)とラジカル重合開始剤であるパーロイルL(日油株式会社製品名)、(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する有機化合物として上記ポリエステルウレタン樹脂Aを用いた。バインダー(フィルム形成材)としてフェノキシ樹脂(YP−70,新日鐵化学株式会社製商品名)を用いた。また、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金属層を設けた平均粒径3μm、比重2.5の導電性粒子を作製して用いた。表2に示した混合比となるよう各成分を配合し、厚み50μmのPET樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、5分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが20μmのフィルム状接着剤を得た。
(A)有機アルミニウム錯体としてアルミキレートD(川研ファインケミカル株式会社製品名)、(B)シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランSZ6030(東レ・ダウコーニング株式会社製品名)、(C)硬化性成分としてラジカル重合性化合物であるUA5500(根上工業株式会社製品名)及びM313(東亞合成株式会社製品名)とラジカル重合開始剤であるパーロイルL(日油株式会社製品名)、(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する有機化合物として上記ポリエステルウレタン樹脂Aを用いた。バインダー(フィルム形成材)としてフェノキシ樹脂(YP−70,新日鐵化学株式会社製商品名)を用いた。また、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金属層を設けた平均粒径3μm、比重2.5の導電性粒子を作製して用いた。表2に示した混合比となるよう各成分を配合し、厚み50μmのPET樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、5分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが20μmのフィルム状接着剤を得た。
〔実施例2〕
(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する有機化合物として上記ポリエステルウレタン樹脂Bを用いたこと以外は実施例1と同様な方法でフィルム状接着剤を得た。各成分の混合比は表2に示した。
(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する有機化合物として上記ポリエステルウレタン樹脂Bを用いたこと以外は実施例1と同様な方法でフィルム状接着剤を得た。各成分の混合比は表2に示した。
〔比較例1〕
(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する有機化合物を使用しなかったこと以外は実施例1と同様な方法でフィルム状接着剤を得た。各成分の混合比は表1に示した。
(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する有機化合物を使用しなかったこと以外は実施例1と同様な方法でフィルム状接着剤を得た。各成分の混合比は表1に示した。
〔比較例2〕
(A)有機アルミニウム錯体を使用しなかったこと以外は実施例1と同様な方法でフィルム状接着剤を得た。各成分の混合比は表2に示した。
(A)有機アルミニウム錯体を使用しなかったこと以外は実施例1と同様な方法でフィルム状接着剤を得た。各成分の混合比は表2に示した。
[接続体の作製1]
実施例1〜2及び比較例1〜2のフィルム状接着剤をガラス基板(コーニング#1737、外形38mm×28mm、厚さ0.5mm、表面にITO(酸化インジウム錫)配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ100μm)を有するもの)に2×20mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.7mm×17.2mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ100μm)を表3に示す実装条件(温度と時間)で、80MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装した。また、保存安定性の測定に用いたフィルム状接着剤も同様に実装した。
実施例1〜2及び比較例1〜2のフィルム状接着剤をガラス基板(コーニング#1737、外形38mm×28mm、厚さ0.5mm、表面にITO(酸化インジウム錫)配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ100μm)を有するもの)に2×20mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.7mm×17.2mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ100μm)を表3に示す実装条件(温度と時間)で、80MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装した。また、保存安定性の測定に用いたフィルム状接着剤も同様に実装した。
[接続体の作製2]
実施例1〜2及び比較例1〜2のフィルム状接着剤をガラス基板(コーニング#1737、外形38mm×28mm、厚さ0.5mm)に2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ100μm)を150℃5秒で、80MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装し、IC/ガラス接続構造体を作製した。
実施例1〜2及び比較例1〜2のフィルム状接着剤をガラス基板(コーニング#1737、外形38mm×28mm、厚さ0.5mm)に2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ100μm)を150℃5秒で、80MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装し、IC/ガラス接続構造体を作製した。
[接続体の作製3]
実施例1〜2及び比較例1〜2のフィルム状接着剤を表面全面ITO膜付きガラス基板(コーニング#1737、外形38mm×28mm、厚さ0.5mm)に2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ100μm)を150℃5秒で、80MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装し、IC/ITO接続構造体を作製した。
実施例1〜2及び比較例1〜2のフィルム状接着剤を表面全面ITO膜付きガラス基板(コーニング#1737、外形38mm×28mm、厚さ0.5mm)に2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ100μm)を150℃5秒で、80MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装し、IC/ITO接続構造体を作製した。
[接続体の作製4]
実施例1〜2及び比較例1〜2のフィルム状接着剤を表面全面PI膜付きガラス基板(コーニング#1737、外形38mm×28mm、厚さ0.5mm)に2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を150℃5秒で、80MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装し、IC/PI接続構造体を作製した。
実施例1〜2及び比較例1〜2のフィルム状接着剤を表面全面PI膜付きガラス基板(コーニング#1737、外形38mm×28mm、厚さ0.5mm)に2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を150℃5秒で、80MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装し、IC/PI接続構造体を作製した。
[接続抵抗の評価]
接続体の作製1で得たICチップ/ITOパターン付きガラス基板接続体の隣接回路間の抵抗値(14端子測定した中の最大値)を、マルチメータを用いて、測定し、その結果を表3に示した。なお、上記抵抗値は、接続直後(表3中、「高温高湿試験前」と表示)と、高温高湿試験(85℃、85%RH)を100時間行った後(表3中、「高温高湿試験後」と表示)に測定した。以上のようにして行った抵抗測定では、実施例1、2、及び比較例1では高温高湿試験前後で共に10Ω以下と良好な値を示した。また、比較例2では高温高湿試験後に接続できなくなった。
接続体の作製1で得たICチップ/ITOパターン付きガラス基板接続体の隣接回路間の抵抗値(14端子測定した中の最大値)を、マルチメータを用いて、測定し、その結果を表3に示した。なお、上記抵抗値は、接続直後(表3中、「高温高湿試験前」と表示)と、高温高湿試験(85℃、85%RH)を100時間行った後(表3中、「高温高湿試験後」と表示)に測定した。以上のようにして行った抵抗測定では、実施例1、2、及び比較例1では高温高湿試験前後で共に10Ω以下と良好な値を示した。また、比較例2では高温高湿試験後に接続できなくなった。
[接着強度の測定]
接続体の作製2、3及び4により得た、IC/ガラス接続構造体、IC/ITO接続構造体及びIC/PI接続構造体について、接続直後のせん断接着強度(高温高湿試験前接着強度、表4中「高温高湿試験前」と表示)と、高温高湿試験(85℃、85%RH)を100時間行った後のせん断接着強度(高温高湿試験後接着強度、表4中「高温高湿試験後」と表示)とを、ボンドテスタ(DAGE社製)を用いて測定した。それぞれの接続構造体について独立に2回測定を行った。測定結果の平均値をそれぞれ表4に示す。以上のようにして行った接着強度の測定では、実施例1及び2では、高温高湿試験前後でいずれの構造体でも高い接着強度だった。一方、ポリエステルウレタン化合物を含まない比較例1では、IC/PI接続構造で接着強度が低くなった。また、有機アルミニウム錯体を含まない比較例2ではいずれの接続構造体でも接着強度が低くなった。
接続体の作製2、3及び4により得た、IC/ガラス接続構造体、IC/ITO接続構造体及びIC/PI接続構造体について、接続直後のせん断接着強度(高温高湿試験前接着強度、表4中「高温高湿試験前」と表示)と、高温高湿試験(85℃、85%RH)を100時間行った後のせん断接着強度(高温高湿試験後接着強度、表4中「高温高湿試験後」と表示)とを、ボンドテスタ(DAGE社製)を用いて測定した。それぞれの接続構造体について独立に2回測定を行った。測定結果の平均値をそれぞれ表4に示す。以上のようにして行った接着強度の測定では、実施例1及び2では、高温高湿試験前後でいずれの構造体でも高い接着強度だった。一方、ポリエステルウレタン化合物を含まない比較例1では、IC/PI接続構造で接着強度が低くなった。また、有機アルミニウム錯体を含まない比較例2ではいずれの接続構造体でも接着強度が低くなった。
[接続構造体の外観]
上記接続構造体の界面の外観を表5に示す。以上のようにして行った接続構造体の外観観察では、実施例1及び2ではいずれの接続構造体でも剥離がほとんど生じなかったのに対して、比較例1及び2ではIC/ITO接続構造やIC/PI接続構造で剥離が比較的多く生じた。
上記接続構造体の界面の外観を表5に示す。以上のようにして行った接続構造体の外観観察では、実施例1及び2ではいずれの接続構造体でも剥離がほとんど生じなかったのに対して、比較例1及び2ではIC/ITO接続構造やIC/PI接続構造で剥離が比較的多く生じた。
表2〜5に示した結果から明らかなように、実施例1及び2の接着剤フィルム及びそれを用いた回路部材の接続構造によれば、比較例1及び2の接着剤フィルム及びそれを用いた回路部材の接続構造と比較して、接続抵抗が十分に低減されており、ガラスやITOなどの無機材料で構成される被着体だけでなく、被着体の表面に構成された有機材料からなる層に対しても十分な接着強度が得られることが確認された。また、長期間の高温高湿試験後においても接続抵抗と接着強度とが十分に維持され、接続面の外観も良好であることが確認された。
1…フィルム状接着剤、5…接着剤成分、7…導電性粒子、10…回路接続部材、11…絶縁性物質、20…第一の回路部材、21…回路基板(第一の回路基板)、21a…主面、22…回路電極(第一の回路電極)、30…第二の回路部材、31…回路基板(第二の回路基板)、31a…主面、32…回路電極(第二の回路電極)、40…フィルム状回路接続材料、92…基板、94…配線部材、95…接続部材、96…電極、97…裏面電極、98…受光面、99…裏面、100A,100B…太陽電池セル、200…太陽電池モジュール。
Claims (18)
- (A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物を含有する、接着剤組成物。
- 前記(B)シランカップリング剤が、メタクリル基含有シランカップリング剤又はアクリル基含有シランカップリング剤である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
- 前記(C)硬化性成分が、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- 前記(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物のガラス転移温度が50℃以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- 前記(D)分子内にウレタン基及びエステル基を有する化合物の重量平均分子量が5000〜100000である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- 更にフィルム形成材を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着剤組成物をフィルム状に形成してなるフィルム状接着剤。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着剤組成物を含有する、回路接続材料。
- 更に導電性粒子を含有する、請求項9に記載の回路接続材料。
- 第一の回路基板の主面上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、
第二の回路基板の主面上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材と、
前記第一の回路基板の主面と前記第二の回路基板の主面との間に設けられ、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを対向配置させた状態で前記第一の回路部材及び第二の回路部材を接続する回路接続部材と、を備え、
前記回路接続部材が、請求項9又は10に記載の回路接続材料の硬化物からなり、
前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とが電気的に接続されている、回路部材の接続構造。 - 前記第一の回路部材、又は前記第二の回路部材の被着面の少なくとも一部が無機材料から構成されている、請求項11に記載の回路部材の接続構造。
- 請求項11又は12に記載の回路部材の接続構造の製造方法であって、
前記第一の回路基板の主面と前記第二の回路基板の主面との間に請求項9又は10に記載の回路接続材料を配置し、前記第一の回路部材及び第二の回路部材を介して前記回路接続材料を加熱及び加圧して硬化させ前記第一の回路部材と前記第二の回路部材とを接続するとともに前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを電気的に接続する、回路部材の接続構造の製造方法。 - 前記第一の回路部材、又は前記第二の回路部材の被着面の少なくとも一部が無機材料から構成されている、請求項13に記載の回路部材の接続構造の製造方法。
- 第一の回路基板の主面上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の回路基板の主面上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材とを、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを対向配置させた状態で接続するための、請求項9又は10に記載の回路接続材料の使用。
- 前記第一の回路部材、又は前記第二の回路部材の被着面の少なくとも一部が無機材料から構成されている、請求項15に記載の使用。
- 電極を有する太陽電池セルと、配線部材と、前記電極と前記配線部材が電気的に接続されるように前記太陽電池セルと前記配線部材を接続する接続部材と、を備え、
前記接続部材が、請求項9又は10に記載の回路接続材料の硬化物を含有する、太陽電池モジュール。 - 電極を有する太陽電池セルと、配線部材とを、前記電極と前記配線部材が電気的に接続されるように前記太陽電池セルと前記配線部材を接続するための、請求項9又は10に記載の回路接続材料の使用。
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