JP2013253151A - 回路接続用接着フィルム、並びに回路部材の接続構造体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくとも一方の回路部材がプラスチック基板から構成される回路部材同士の接続に用いた場合でも、接続抵抗が充分に低く、かつ充分な接着強度が得られる回路接続用接着フィルムを提供すること。
【解決手段】プラスチック基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の基板上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材とを、第一の回路電極と第二の回路電極とが電気的に接続されるように接着するための回路接続用接着フィルムであって、(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、を含有する、回路接続用接着フィルム。
【選択図】図1
【解決手段】プラスチック基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の基板上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材とを、第一の回路電極と第二の回路電極とが電気的に接続されるように接着するための回路接続用接着フィルムであって、(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、を含有する、回路接続用接着フィルム。
【選択図】図1
Description
本発明は、回路接続用接着フィルム、並びに回路部材の接続構造体及びその製造方法に関する。
半導体及び液晶ディスプレイ等の分野で電子部品を固定したり、回路接続を行うために各種の接着材料が使用されている。
例えば、液晶ディスプレイとテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package:TCP)との接続、フレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits:FPC)とTCPとの接続、FPCとプリント配線板との接続には、回路接続をより確実に行うために、接着剤中に導電性粒子を分散させた異方導電性接着剤が使用されている(例えば、特許文献1〜4参照)。更に、半導体シリコンチップを基板に実装する場合でも、従来のワイヤーボンドに代えて、半導体シリコンチップを基板に直接実装するいわゆるチップオングラス(Chip−on−glass:COG)が行われており、ここでも異方導電性接着剤が適用されている。
このような異方導電性接着剤として、例えば特許文献5には、ラジカル重合性樹脂(A)、有機過酸化物(B)、熱可塑性エラストマー(C)、及び所定のリン酸エステル(D)、所定のエポキシシランカップリング剤(E)からなる接着性樹脂組成物中に導電性粒子を含む異方導電性接着剤において、ラジカル重合性樹脂として特定のウレタンアクリレートを用いることを特徴とする異方導電性接着剤が記載されている。また、例えば特許文献6には、絶縁性接着剤と、導電性粒子と、シランカップリング剤を有して成る、厚み方向に導通し、面方向には導通しない導電異方性接着剤が記載されている。
近年、精密電子機器の分野では、回路のフレキシブル化が進んでおり、半導体シリコンチップをポリイミド(PI)及びポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック基板に回路電極等が形成された回路部材(例えば、フレキシブル回路基板)に直接実装するチップオンプラスチック(Chip−on−Plastic:COP)実装が行われ始めている。しかしながら、従来のCOG実装に用いられている回路接続用接着フィルム、及びその接続条件では、フレキシブル回路基板上の回路短絡、熱圧着時のプラスチック基板の変形、プラスチック基板に対する接着力の欠如等の問題点があった。これらの問題点を解決するために、低温(100〜160℃)、短時間(10秒以内)、低圧(10〜30MPa)での接続、換言すれば低温低圧速硬化が可能な回路接続用接着フィルムが求められている。
従来のエポキシ樹脂系を用いた回路接続用接着剤は、高い接着力を得ることができる一方で、低温速硬化のためには活性の高い潜在性硬化剤を使用する必要があり、保存安定性との両立を図ることが困難であった。
また、COP実装用の接着材料として、不飽和化合物のラジカル重合を利用するものを適用した場合、低温低圧速硬化は可能となるものの、反応点が中性であるラジカル硬化反応では、被着体に対して、ラジカル反応的な結合生成は困難なため、充分な接着強度を付与することが難しいという問題があった。さらに、COP実装用のプラスチック基板上には、回路電極である金メッキ及びITO被膜等が形成されるだけではなく、SiN及びSiOx等の被膜が形成される場合もあり、無機材料に対する接着力も向上させる必要がある。
特許文献5に記載の異方導電性接着剤は、特定の2官能のウレタンアクリレートを用いることで、硬化性と接着性、可とう性に優れるものとされている。また、特許文献6に記載の導電異方性接着剤は、シランカップリング剤によって無機物への接着力が向上するとされている。
しかしながら、熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチック基板は、樹脂分子が直鎖状であり、分子の環構造による分子間相互作用によって、結晶部分を形成しやすいため、接着剤組成物及びカップリング剤との共有結合の形成は極めて困難である。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、少なくとも一方の回路部材がプラスチック基板から構成される回路部材同士の接続に用いた場合でも、接続抵抗が充分に低く、かつ充分な接着強度が得られる回路接続用接着フィルムを提供することを目的とする。本発明はまた、上記回路接続用接着フィルムを用いた回路部材の接続構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分とを組み合わせて含有する接着フィルムが、プラスチック基板から構成される回路部材とICチップ等を電気的に接続するために特に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、プラスチック基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の基板上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材とを、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とが電気的に接続されるように接着するための回路接続用接着フィルムであって、(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、を含有する、回路接続用接着フィルムを提供する。
かかる回路接続用接着フィルムによれば、少なくとも一方の回路部材がプラスチック基板から構成される回路部材の接続に用いた場合でも、接続抵抗が充分に低く、かつ充分な接着強度が得られる。また、上記回路接続用接着フィルムは、フィルム状であることから取り扱いが容易であり、基板等の被着体へ容易に設置することができ、接続作業を容易に行うことができる。
上記回路接続用接着フィルムにおいて、(A)有機アルミニウム錯体は、下記一般式(1)で表されるものとしてもよい。すなわち、3価のアルミニウム陽イオンにアルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンが配位した構造を有するものとしてもよい。
[一般式(1)中、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンを示す。L1、L2及びL3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。]
[一般式(1)中、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンを示す。L1、L2及びL3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。]
(A)有機アルミニウム錯体を上記一般式(1)で表されるものにすることにより、より一層充分な接着強度を得ることができる。
(B)シランカップリング剤は、分子内に、少なくとも一つのアルコキシシリル基と、ラジカル重合性オレフィン基と、を有するものとしてもよい。これにより、接着力が更に向上する。
(C)硬化性成分は、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含むものとしてもよい。これにより、上述の効果に加えて、硬化の際にラジカル重合性化合物(例えば、(メタ)アクリレート)のラジカル重合が適用できることにより、接着温度の低温化及び接着圧力の低圧化、並びに接着時間の短縮化(これらを合わせて「低温低圧速硬化」という)を図ることができる。更に、上記回路接続用接着フィルムが、低温低圧速硬化が可能となることから、回路部材を接続する際の基板へのダメージ、及び位置ずれを低減することができるとともに、生産効率の向上を図ることができる。
上記回路接続用接着フィルムは、更に導電性粒子を含んでいてもよい。導電性粒子を含有することにより、接続する電極間(回路電極間等)の接続信頼性を高めることができるとともに、接続抵抗を低減することができる。
上記回路接続用接着フィルムは、(A)有機アルミニウム錯体、(B)シランカップリング剤、(C)硬化性成分及び導電性粒子を含む導電性接着剤層と、該導電性接着剤層の一方の面に形成され、(A)有機アルミニウム錯体、(B)シランカップリング剤及び(C)硬化性成分を含み、導電性粒子を含まない絶縁性接着剤層と、を少なくとも備えるものであってもよい。これにより、接着強度がより優れたものとなる。ここで、導電性接着剤層及び絶縁性接着剤層に含まれる(A)有機アルミニウム錯体、(B)シランカップリング剤及び(C)硬化性成分は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記回路接続用接着フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド等の熱可塑性樹脂などから形成されたプラスチック基板上に回路電極である金メッキ及びITO被膜、さらにはSiN及びSiOx等の被膜が形成された回路部材とICチップ等を電気的に接続するために特に優れているため、例えば、チップオンプラスチック実装用として好適に用いられる。
本発明の回路部材の接続構造体(本明細書において、「接続構造体」を「接続構造」又は「接続体」ともいう。)は、プラスチック基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の基板上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材と、上記第一及び第二の回路部材の間に設けられ、上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とを対向配置させた状態で上記第一の回路部材及び上記第二の回路部材を接続する回路接続部材と、を備える。上記回路接続部材は、本発明の回路接続用接着フィルムの硬化物からなり、上記第一の回路電極と上記第二の回路電極は電気的に接続されている。
かかる回路部材の接続構造体によれば、本発明の回路接続用接着フィルムを用いることにより、プラスチック基板と回路接続用接着フィルムとが高い接着力で接着するため、良好な回路部材の接続構造体を形成することができる。
本発明の回路部材の接続構造体の製造方法では、上記プラスチック基板の第一の回路電極が形成された面と上記第二の回路基板の第二の回路電極が形成された面との間に上記本発明の回路接続用接着フィルムを配置し、上記第一の回路部材及び第二の回路部材を介して上記回路接続用接着フィルムを加熱及び加圧して硬化させ上記第一の回路部材と上記第二の回路部材とを接続するとともに上記第一の回路電極と上記第二の回路電極とを電気的に接続する。
この回路部材の接続構造体の製造方法によれば、本発明の回路接続用接着フィルムを用いていることにより、少なくとも一方がプラスチック基板から構成される回路部材であっても、接続抵抗が充分に低く、かつ充分な接着強度を有する回路部材の接続構造体を得ることができる。また、回路接続用接着フィルムが、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含むものである場合、低温及び低圧で短時間での接続が可能となり、回路部材へのダメージを抑制することが可能となる。
本発明の回路接続用接着フィルムによれば、少なくとも一方の回路部材がプラスチック基板から構成される回路部材の接続に用いた場合でも、接続抵抗が充分に低く、かつ回路部材同士を高い接着力によって接続することができる。
更に、本発明の回路接続用接着フィルムは、プラスチック基板から構成される回路部材と他の回路部材(例えば、半導体素子、液晶表示素子)を接着するのに好適であり、接着強度に優れる。また、回路接続用接着フィルムは、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含むものである場合、この回路接続用接着フィルムを用いる回路部材の接続構造体の製造方法によれば、低温低圧速硬化が可能であることから、回路部材への悪影響が充分に抑制される。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下の説明において、同一又は相当部分には同一符号を付す場合があり、重複する説明は省略する。また、以下の説明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味するものとする。
〔回路接続用接着フィルム〕
図1は、回路接続用接着フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す回路接続用接着フィルム1は、少なくとも(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分とを含有する。
図1は、回路接続用接着フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す回路接続用接着フィルム1は、少なくとも(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分とを含有する。
図1に示す回路接続用接着フィルム1は、その構成成分の組成物(以下、「接着剤組成物」ともいう。)をフィルム状に形成してなるものである。回路接続用接着フィルム1は、例えば、接着剤組成物を溶媒に溶解したものを支持体(PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等)上に塗工装置を用いて塗布し、接着剤組成物が硬化しない温度で所定時間熱風乾燥することにより作製することができる。また、回路接続用接着フィルム1の厚さは、例えば、10〜50μmとすることができる。
(A)有機アルミニウム錯体は、例えば、アルミニウムに有機基からなる配位子等が結合した分子である。アルミニウムと配位子との結合は、水素結合又は配位結合のいずれであってもよい。有機基としては、例えば、炭素原子、水素原子及び酸素原子から構成される基等が挙げられ、それらは硫黄原子、窒素原子等を更に含んでいてもよい。
(A)有機アルミニウム錯体は、例えば、一般式(2)で示した、3価のアルミニウム陽イオンにアルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンが配位した構造を有するものとすることができる。
[一般式(2)中、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンを示す。L1、L2及びL3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。]
[一般式(2)中、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に、アルコキシ陰イオン、β−ジケトンの共役陰イオン又はβ−ケトエステルの共役陰イオンを示す。L1、L2及びL3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。]
一般式(2)で表される有機アルミニウム錯体の具体例としては、例えば、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスオレイルアセトアセテート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
回路接続用接着フィルムにおける(A)有機アルミニウム錯体の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、(C)硬化性成分100質量部に対し、0.1〜20質量部とすることができる。また、硬化物物性の観点から、0.5〜15質量部とすることが好ましく、1〜10質量部とすることがより好ましい。
(B)シランカップリング剤は、その分子中にアルコキシシラン結合(Si−O−R)を有する化合物である。かかるシランカップリング剤としては特に制限されないが、例えば、分子内に、少なくとも1つアルコキシシリル基(≡Si−O−R)を有する、下記一般式(3)〜(8)で表される化合物を使用することができる。
R11−Si(OR12)3 (3)
R11−SiR13(OR12)2 (4)
R11−Si(R13)2−OR12 (5)
[式(3)〜(5)中、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又は置換フェニル基を示す。]
R11−SiR13(OR12)2 (4)
R11−Si(R13)2−OR12 (5)
[式(3)〜(5)中、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又は置換フェニル基を示す。]
X−R21−Si(OR22)3 (6)
X−R21−SiR23(OR22)2 (7)
X−R21−Si(R23)2−OR22 (8)
[式(6)〜(8)中、R21は、炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R22及びR23は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又は置換フェニル基を示し、Xはウレイド基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、グリシジルオキシ基、イソシアネート基、ビニル基、メタクリレート基、アクリレート基又はメルカプト基を示す。]
X−R21−SiR23(OR22)2 (7)
X−R21−Si(R23)2−OR22 (8)
[式(6)〜(8)中、R21は、炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R22及びR23は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又は置換フェニル基を示し、Xはウレイド基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、グリシジルオキシ基、イソシアネート基、ビニル基、メタクリレート基、アクリレート基又はメルカプト基を示す。]
なお、式(6)〜(8)中のXとして、(メタ)アクリレート等のラジカル重合性オレフィン基としてもよい。これにより、接着力が更に向上する。
(B)シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
回路接続用接着フィルムにおける(B)シランカップリング剤の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、(C)硬化性成分100質量部に対し、0.1〜30質量部とすることができる。また、接着力の観点から、1〜20質量部とすることが好ましく、2〜10質量部とすることがより好ましい。
(C)硬化性成分とは、例えば、熱又はエネルギー線等の外部エネルギーにより硬化する性質を有する成分である。かかる硬化性成分としては特に制限されないが、例えば、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤の組み合わせを含んで構成されるものとしてもよい。ラジカル重合性化合物を含むことにより低温低圧速硬化が可能となる。
ラジカル重合性化合物は、例えば、ラジカルにより重合する官能基を有する物質である。かかるラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、スチレン誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。また、ラジカル重合性化合物は、モノマー、又はオリゴマーのいずれの状態でも使用することができ、モノマーとオリゴマーとを混合して使用してもよい。
(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エテレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートトリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性ジアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
マレイミド化合物は、例えば、マレイミド基を少なくとも1個有する化合物である。マレイミド化合物としては、例えば、フェニルマレイミド、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用してもよい。
スチレン誘導体は、例えば、スチレンのα−位又は芳香族環における水素原子が置換基で置換された化合物である。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化化合物、アゾ系化合物等の加熱により分解して遊離ラジカルを発生するものが挙げられる。これらは目的とする接続温度、接続時間、保存安定性等により適宜選定されるが、高反応性と保存安定性の点から、半減期10時間の温度が40℃以上、且つ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物、アゾ系化合物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上、且つ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物、アゾ系化合物がより好ましい。
接続時間を10秒以下とした場合、ラジカル重合開始剤の配合量は、充分な反応率を得るために、ラジカル重合性化合物と後述の必要に応じて配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.1〜30質量部とすることが好ましく、0.5〜20質量部とすることがより好ましい。ラジカル重合開始剤の配合量が0.1質量部以上にすることにより充分な反応率を維持しつつ、良好な接着強度及び小さな接続抵抗が得られやすい。一方、ラジカル重合開始剤の配合量が30質量部以下にすることにより接着剤の流動性の低下、接続抵抗の上昇、及び接着剤の保存安定性の低下を抑制しやすい。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられる。また、回路部材の接続端子の腐食を押さえるために、ラジカル重合開始剤中に含有される塩素イオン及び有機酸は5000ppm以下であることが好ましい。これらの中でもパーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド又はシリルパーオキサイドであることが好ましく、高反応性が得られるパーオキシエステル又はパーオキシケタールであることがより好ましい。これらは、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、イソブチリルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルへキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルへキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシエステルとしては、例えば、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロへキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−へキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロへキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−へキシルパーオキシ−2−エチルへキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロへキサン、t−へキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルへキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)へキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキシルモノカーボネート、t−へキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ビス(t−へキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、1,1−ビス(t−へキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロへキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)へキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
シリルパーオキサイドとしては、例えば、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの加熱により遊離ラジカルを発生するラジカル重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができ、更に分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの開始剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
回路接続用接着フィルムにおける(C)硬化性成分の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、回路接続用接着フィルム全量に対して、10〜95質量%とすることができる。また、充分な硬化性を得るために、30〜80質量%とすることが好ましく、40〜60質量%とすることがより好ましい。
本発明の回路接続用接着フィルムは、上記硬化性成分、上記有機アルミニウム錯体及び上記シランカップリング剤を含有するとともに、更にフィルム形成材を含有してもよい。
フィルム形成材は、接着剤組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムに対して、そのフィルムの取り扱いをより容易にし、また、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしないという、フィルムの機械特性等をより一層向上させることができるものである。例えば、フィルム形成材として、液状の硬化性樹脂組成物を固形化する作用を有するポリマーを用いることができる。
かかるフィルム形成材としては、熱可塑性樹脂が好適に用いられ、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂等が挙げられる。さらに、これらポリマー中にはシロキサン結合又はフッ素置換基が含まれていてもよい。これら樹脂は1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中でも、接着強度、相溶性、耐熱性、機械強度等に優れることから、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリエステルウレタン樹脂が好ましい。また、ポリアクリル樹脂も好適に使用可能である。
接着剤組成物をフィルム状に成形する場合、熱可塑性樹脂の分子量が大きいほどフィルム形成性が容易に得られ、またフィルム状接着剤組成物としての流動性に影響する溶融粘度を広範囲に設定できる。熱可塑性樹脂の分子量は、重量平均分子量で、5000〜150000が好ましく、10000〜80000が特に好ましい。重量平均分子量を、5000以上とすることで良好なフィルム形成性が得られやすく、一方、150000以下とすることで他の成分との良好な相溶性が得られやすい。
上記熱可塑性樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定できる。具体的には、例えば、検出器として株式会社日立製作所製のL−3300RIを使用し、カラムはGelpackGL−R440+GL−R450+GLR400Mを用い、溶媒はテトラヒドロフランを用い、流量2.05ml/min、注入量200μl及び圧力519.4MPa(53kgf/cm2)の条件で測定を行い、ポリスチレンを用いた検量線から重量平均分子量又は数平均分子量を算出できる。
上記熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、50℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が50℃以上であることにより、少なくとも一方の回路部材がプラスチック基板から構成される回路部材同士の接続に用いた場合、接着強度をより高めることができるほか、高温高湿環境下での接着強度をさらに高めることができる。ガラス転移温度の上限としては、特に制限はないが、他の材料との相溶性の観点から200℃程度である。また、接続抵抗の観点から60〜170℃が好ましく、65〜170℃がより好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により測定される値である。具体的には、例えば、パーキンエルマー社製商品名DSC7を使用して、上記熱可塑性樹脂を0.01g秤量し、窒素雰囲気下、温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/minで測定を行う。得られた吸熱曲線の変極点前後の直線を延長し、2本の延長線間の2分の1となる直線と吸熱曲線が交差する温度をガラス転移温度とする。
回路接続用接着フィルムにおける、上記熱可塑性樹脂の含有量は、回路接続用接着フィルム全量を基準として5〜80質量%であることが好ましく、15〜70質量%であることがより好ましい。5質量%以上とすると良好なフィルム形成性が得られやすく、また、80質量%以下とすると接着剤組成物が良好な流動性を示す傾向にある。
回路接続用接着フィルムが、フィルム形成材、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含有する場合、シランカップリング剤との混合比率は、フィルム形成材、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤の合計100質量部に対してシランカップリング剤が0.01〜25質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましく、0.15〜15質量部であることが更に好ましく、0.2〜10質量部であることが最も好ましい。シランカップリング剤の配合量が上記範囲内であることにより、回路接続用接着フィルムの接着強度を良好にしやすい。
回路接続用接着フィルムには、更に、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びアクリロニトリルのうちの少なくとも一つをモノマー成分とした重合体系アクリルゴム又は共重合体系アクリルゴムを配合することもできる。特に、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用した場合、応力緩和に優れるので好ましい。これらアクリルゴムの重量平均分子量は、回路接続用接着フィルムの凝集力を高める点から20万以上であることが好ましい。
回路接続用接着フィルムには、更に、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、難燃化剤、色素、チキソトロピック剤、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート類等を配合することもできる。
回路接続用接着フィルムは、導電性粒子を含有していてもよい。
導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子及びカーボンなどが挙げられ、充分な保存安定性を得るためには、表層はNi、Cu等の遷移金属類ではなくAu、Ag、白金属の貴金属類が好ましくAuがより好ましい。また、Ni等の遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等を上記金属等の導電物質で被覆したものも使用でき、この場合にも最外層を貴金属類としたものが好ましい。
導電性粒子として非導電性のプラスチック等を導電物質で被覆したもの、又は熱溶融金属粒子を用いると、加熱加圧によりこれらの導電性粒子は変形するため、接続時に電極との接触面積が増加し、回路部材の回路端子の厚みばらつきを吸収し接続信頼性が向上する傾向があるので好ましい。
貴金属類の被覆層の厚みは、良好な抵抗を得る観点から、10nm以上が好ましい。一方、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の層を設ける場合は、貴金属類層の欠損、又は導電性粒子の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発生し、保存安定性の低下を引き起こす傾向があるため、これを防止する観点から、被覆層の厚みは30nm以上が好ましい。なお、被覆層の厚みの上限は特に制限されないが、得られる効果が飽和してくるため、1μm以下とすることが好ましい。
導電性粒子の配合量は、回路接続用接着フィルムにおける導電性粒子以外の成分100体積部に対して0.1〜60体積部とすることが好ましく、この範囲内で用途に応じて適宜調節することが好ましい。なお、導電性粒子が過剰に存在することによる隣接回路の短絡等を防止する観点から、配合量は0.1〜30体積部とすることがより好ましい。
回路接続用接着フィルム1は、2層以上の層からなる多層構成(図示せず)としてもよい。例えば、導電性粒子を含む導電性接着剤層と、該導電性接着剤層の片面に形成された絶縁性の絶縁性接着剤層とを少なくとも有し、導電性接着剤層及び絶縁性接着剤層のいずれにも(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、を少なくとも含むものであってもよい。導電性接着剤層及び絶縁性接着剤層に含まれる(A)有機アルミニウム錯体、(B)シランカップリング剤及び(C)硬化性成分は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
回路接続用接着フィルム1が、多層構成である場合、例えば、各層を別々に作製した後、それぞれの層を貼り合せることにより多層型回路接続用接着フィルムを作製することができる。例えば、導電性粒子を含む導電性接着剤層と、該導電性接着剤層の片面に形成された絶縁性の絶縁性接着剤層との2層型回路接続用接着フィルムである場合、導電性接着剤層の構成成分の組成物を、溶媒に溶解したものを支持体(PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等)上に塗工装置を用いて塗布し、組成物が硬化しない温度で所定時間熱風乾燥することにより、導電性接着剤層を作製する。同様に、絶縁性接着剤層も作製する。次に、導電性接着剤層と、絶縁性接着剤層とを、例えば、ホットロールラミネータを用いて貼り合せることにより、2層型回路接続用接着フィルムを作製することができる。また、導電性接着剤層の厚さは、例えば、1〜10μmとすることができ、絶縁性接着剤層の厚さは、例えば、9〜40μmとすることができ、2層型回路接続用接着フィルム全体の厚さは、例えば、10〜50μmとすることができる。
〔回路部材の接続構造体〕
図2は、回路部材の接続構造体の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示すように、本実施形態の回路部材の接続構造体は、相互に対向するプラスチック基板21から構成される第一の回路部材20及び第二の回路部材30を備えており、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。
図2は、回路部材の接続構造体の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示すように、本実施形態の回路部材の接続構造体は、相互に対向するプラスチック基板21から構成される第一の回路部材20及び第二の回路部材30を備えており、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。
プラスチック基板21から構成される第一の回路部材20は、プラスチック基板21と、プラスチック基板21の主面21a上に形成された回路電極(第一の回路電極)22とを備えている。なお、プラスチック基板21の主面21a上には、場合により絶縁層(図示せず)が形成されていてもよい。
第一の回路部材20としては、例えば、電気的接続を必要とする電極が形成されているものであれば特に制限はない。具体的には、液晶ディスプレイに用いられているITO等で電極が形成されているプラスチック基板から構成される回路部材などが挙げられる。このプラスチック基板は、例えば、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、メタクリル樹脂、環状オレフィン樹脂等から形成される。また、本実施形態では、金、銅、アルミニウム等の金属、又はITO(indiumtinoxide)、窒化ケイ素(SiNX)、二酸化ケイ素(SiO2)等の無機材料からなる材質で表面の少なくとも一部が形成される回路部材等、多種多様な表面状態を有する回路部材を用いることができる。
一方、第二の回路部材30は、回路基板(第二の基板)31と、回路基板31の主面31a上に形成された回路電極(第二の回路電極)32とを備えている。また、回路基板31の主面31a上にも、場合により絶縁層(図示せず)が形成されていてもよい。第二の回路部材30としては、電気的接続を必要とする電極が形成されているものであれば特に制限はない。具体的には例えば、ICチップ等を挙げることができる。また、第二の基板がプラスチック基板であってもよい。
回路接続部材10は、絶縁性物質11及び導電性粒子7を含有している。導電性粒子7は、対向する回路電極22と回路電極32との間のみならず、主面21aと主面31aとの間にも配置されている。回路部材の接続構造体においては、回路電極22及び回路電極32が、導電性粒子7を介して電気的に接続されている。
この回路部材の接続構造体においては、上述したように、対向する回路電極22と回路電極32とが導電性粒子7を介して電気的に接続されている。このため、回路電極22及び回路電極32間の接続抵抗が充分に低減される。したがって、回路電極22及び回路電極32間の電流の流れを円滑にすることができ、回路の持つ機能を充分に発揮することができる。
図4は、回路部材の接続構造体の他の実施形態を示す模式断面図である。図4に示す回路部材の接続構造体は、回路接続部材10が導電性粒子7を含有していないこと以外は、上述した実施形態に係る回路部材の接続構造体と同じである。図4に示す回路部材の接続構造体では、回路電極22と回路電極32とが導電性粒子を介することなく、電気的に接続される。
回路接続部材10は後述するように、上記回路接続用接着フィルムの硬化物により構成されていることから、プラスチック基材21から構成される第一の回路部材20、及び第二の回路部材30に対する回路接続部材10の接着強度が充分に高いものである。また、高温高湿環境下においても安定した接着強度が得られる。また、回路部材の接続構造体では接着強度が充分に高い状態が長期間にわたって持続される。したがって、回路電極22及び回路電極32間の距離の経時的変化が充分に防止され、回路電極22及び回路電極32間の電気特性の長期信頼性を充分に高めることが可能となる。
また、回路接続部材10は、上述の多層構成の回路接続用接着フィルムの硬化物により構成されていてもよい。例えば、導電性粒子を含む導電性接着剤層と、該導電性接着剤層の片面に形成された絶縁性の絶縁性接着剤層とを少なくとも有し、導電性接着剤層及び絶縁性接着剤層のいずれにも(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、を少なくとも含む回路接続用接着フィルムの硬化物により構成されていてもよい。この場合、第一の回路電極22及び第二の回路電極32のうちの少なくとも一方の回路電極の高さが3.0μm以下であり、回路接続用接着フィルム1における導電性接着剤層が、高さが3.0μm以下である回路電極側に配置されていることが好ましい。
〔回路部材の接続構造体の製造方法〕
次に、上述した回路部材の接続構造体の製造方法について説明する。図3及び図5は、回路部材を接続する一連の工程図である。
次に、上述した回路部材の接続構造体の製造方法について説明する。図3及び図5は、回路部材を接続する一連の工程図である。
先ず、上述した第一の回路部材20と、回路接続用接着フィルム40を用意する(図3(a)及び図5(a)参照)。回路接続用接着フィルム40は、導電性粒子以外の成分5と、導電性粒子7とを含有する場合(図3)と、導電性粒子以外の成分5のみを含有する場合(図5)がある。以下の説明では、回路接続用接着フィルム40における(C)硬化性成分がラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤である場合について説明する。
回路接続用接着フィルム40の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。回路接続用接着フィルム40の厚さが10μm未満では、回路電極22及び回路電極32間に接着剤組成物が充填不足となる傾向がある。他方、50μmを超えると、回路電極22及び回路電極32間の接着剤組成物を充分に排除しきれなくなり、回路電極22及び回路電極32間の導通の確保が困難となる傾向がある。
次に、回路接続用接着フィルム40を第一の回路部材20の回路電極22が形成されている面上に載せる。なお、回路接続用接着フィルム40が支持体(図示せず)上に付着している場合には、回路接続用接着フィルム40側を第一の回路部材20に向けるようにして、第一の回路部材20上に載せる。このとき、回路接続用接着フィルム40はフィルム状であるため、取り扱いが容易であり、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間に回路接続用接着フィルム40を容易に介在させることができ、第一の回路部材20と第二の回路部材30との接続作業を容易に行うことができる。
そして、回路接続用接着フィルム40を、図3(a)及び図5(a)の矢印A及びB方向に加圧し、回路接続用接着フィルム40を第一の回路部材20に仮接続する(図3(b)及び図5(b)参照)。このとき、加熱しながら加圧してもよい。但し、加熱温度は回路接続用接着フィルム40中の接着剤組成物が硬化しない温度、すなわちラジカル重合開始剤がラジカルを発生する温度よりも低い温度とする。
続いて、図3(c)及び図5(c)に示すように、第二の回路部材30を、第二の回路電極32を第一の回路部材20に向けるようにして(すなわち、第一の回路電極22と第二の回路電極32とが対向配置される状態にして)回路接続用接着フィルム40上に載せる。なお、回路接続用接着フィルム40が支持体(図示せず)上に付着している場合には、支持体を剥離してから第二の回路部材30を回路接続用接着フィルム40上に載せる。
そして、回路接続用接着フィルム40を加熱しながら、図3(c)及び図5(c)の矢印A及びB方向に第一の回路部材20及び第二の回路部材30を介して加圧する。このときの加熱温度は、ラジカル重合開始剤がラジカルを発生可能な温度とする。これにより、ラジカル重合開始剤においてラジカルが発生し、ラジカル重合性化合物の重合が開始される。こうして、回路接続用接着フィルム40が硬化処理され、本接続が行われ、図2及び4に示すような回路部材の接続構造体が得られる。
加熱温度は、例えば、90〜200℃とし、加圧圧力は、例えば、5〜80MPaとし、接続時間は、例えば、1秒〜10分とする。これらの条件は、接着剤組成物、回路部材によって適宜選択され、必要に応じて、後硬化を行ってもよい。例えば、本実施形態のように、(C)硬化性成分がラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤である場合、加熱温度を100〜160℃とし、加圧圧力を10〜30MPaとし、接続時間を10秒以内とし、低温低圧速硬化させることもできる。
上記のようにして、回路部材の接続構造体を製造すると、得られる回路部材の接続構造体において、回路電極22及び回路電極32間の接続抵抗を充分に低減することができる。
また、回路接続用接着フィルム40の加熱により、回路電極22と回路電極32との間の距離を充分に小さくした状態で導電性粒子以外の成分5が硬化して絶縁性物質11となり、第一の回路部材20と第二の回路部材30とが回路接続部材10を介して強固に接続される。すなわち、得られる回路部材の接続構造体においては、回路接続部材10は、上記接着剤組成物を含む回路接続材料の硬化物により構成されていることから、第一の回路部材20又は第二の回路部材30に対する回路接続部材10の接着強度が充分に高くなり、特に高温高湿条件下において充分に接着強度が高くなる。また、回路部材の接続構造体では接着強度が充分に高い状態が長期間にわたって持続される。したがって、得られる回路部材の接続構造体は、回路電極22及び回路電極32間の距離の経時的変化が充分に防止され、回路電極22及び回路電極32間の電気特性の長期信頼性に優れる。
なお、上記実施形態では、回路接続用接着フィルム40に、少なくとも加熱によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤を含むものが用いられているが、このラジカル重合開始剤に代えて、光照射のみでラジカルを発生するラジカル重合開始剤を用いてもよい。この場合、回路接続用接着フィルム40の硬化処理に際して、加熱に代えて光照射を行えばよい。この他にも、必要に応じて、超音波、電磁波等によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤を用いてもよい。また、硬化性成分としてエポキシ樹脂及び潜在性硬化剤を用いてもよい。
また、導電性粒子7の代わりに、他の導電材料を用いてもよい。他の導電材料としては、粒子状又は短繊維状のカーボン、AuめっきNi線等の金属線条などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔合成例1:ウレタンアクリレートUA−1の合成〕
撹拌機、温度計及び塩化カルシウム乾燥管を備えた還流冷却管、並びに窒素ガス導入管を備えた反応容器に、数平均分子量2000のポリカプロラクトンジオール(脂肪族ポリエステルジオール,商品名:プラクセル220EB,ダイセル化学工業株式会社製)2000質量部(1.00モル)、ジブチルスズジラウレート(Aldrich社製)5.53質量部を投入した。充分に窒素ガスを導入した後、70〜75℃に加熱し、イソフォロンジイソシアネート(脂肪族イソシアネート,Aldrich社製)688質量部(3.10モル)を3時間かけて均一に滴下し、反応させた。滴下終了後約10時間反応を継続した。これに2−ヒドロキシエチルアクリレート(Aldrich社製)238質量部(2.05モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(Aldrich社製)0.53質量部を投入し、さらに10時間反応させ、IR測定によりイソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ウレタンアクリレートを得た。得られたウレタンアクリレート(UA−1)の重量平均分子量は10000であった。
撹拌機、温度計及び塩化カルシウム乾燥管を備えた還流冷却管、並びに窒素ガス導入管を備えた反応容器に、数平均分子量2000のポリカプロラクトンジオール(脂肪族ポリエステルジオール,商品名:プラクセル220EB,ダイセル化学工業株式会社製)2000質量部(1.00モル)、ジブチルスズジラウレート(Aldrich社製)5.53質量部を投入した。充分に窒素ガスを導入した後、70〜75℃に加熱し、イソフォロンジイソシアネート(脂肪族イソシアネート,Aldrich社製)688質量部(3.10モル)を3時間かけて均一に滴下し、反応させた。滴下終了後約10時間反応を継続した。これに2−ヒドロキシエチルアクリレート(Aldrich社製)238質量部(2.05モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(Aldrich社製)0.53質量部を投入し、さらに10時間反応させ、IR測定によりイソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ウレタンアクリレートを得た。得られたウレタンアクリレート(UA−1)の重量平均分子量は10000であった。
〔合成例2:ウレタンアクリレートUA−2の合成〕
撹拌機、温度計、及び塩化カルシウム乾燥管を備えた還流冷却管、並びに窒素ガス導入管を備えた反応容器に、数平均分子量2000のポリカプロラクトンジオール(脂肪族ポリカーボネートジオール,商品名:PCDL T5652,旭化成ケミカルズ株式会社製)2000質量部(1.00モル)、ジブチルスズジラウレート(Aldrich社製)5.53質量部を投入した。充分に窒素ガスを導入した後、70〜75℃に加熱し、イソフォロンジイソシアネート(脂肪族イソシアネート、Aldrich社製)666質量部(3.00モル)を3時間かけて均一に滴下し、反応させた。滴下終了後約15時間反応を継続した。これに2−ヒドロキシエチルアクリレート(Aldrich社製)238質量部(2.05モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(Aldrich社製)0.53質量部を投入し、さらに10時間反応させ、IR測定によりイソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ウレタンアクリレートを得た。得られたウレタンアクリレート(UA−2)の重量平均分子量は15000であった。
撹拌機、温度計、及び塩化カルシウム乾燥管を備えた還流冷却管、並びに窒素ガス導入管を備えた反応容器に、数平均分子量2000のポリカプロラクトンジオール(脂肪族ポリカーボネートジオール,商品名:PCDL T5652,旭化成ケミカルズ株式会社製)2000質量部(1.00モル)、ジブチルスズジラウレート(Aldrich社製)5.53質量部を投入した。充分に窒素ガスを導入した後、70〜75℃に加熱し、イソフォロンジイソシアネート(脂肪族イソシアネート、Aldrich社製)666質量部(3.00モル)を3時間かけて均一に滴下し、反応させた。滴下終了後約15時間反応を継続した。これに2−ヒドロキシエチルアクリレート(Aldrich社製)238質量部(2.05モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(Aldrich社製)0.53質量部を投入し、さらに10時間反応させ、IR測定によりイソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ウレタンアクリレートを得た。得られたウレタンアクリレート(UA−2)の重量平均分子量は15000であった。
〔合成例3:ポリエステルウレタン樹脂PEU−1の合成〕
ジガルボン酸としてテレフタル酸(Aldrich社製)、ジオールとしてプロピレングリコール(Aldrich社製)及びネオペンチルグリコール(Aldrich社製)、ジイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(Aldrich社製)を用い、テレフタル酸/プロピレングリコール/ネオペンチルグリコール/4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの質量比が59/21/3/17となるように加え、ポリエステルウレタン樹脂を合成した。得られたポリエステルウレタン樹脂の数平均分子量は25000、ガラス転移温度は106℃であった。得られたポリエステルウレタン樹脂(PEU−1)をメチルエチルケトンとトルエンの1:1溶媒に固形分32質量%となるように溶解した。
ジガルボン酸としてテレフタル酸(Aldrich社製)、ジオールとしてプロピレングリコール(Aldrich社製)及びネオペンチルグリコール(Aldrich社製)、ジイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(Aldrich社製)を用い、テレフタル酸/プロピレングリコール/ネオペンチルグリコール/4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの質量比が59/21/3/17となるように加え、ポリエステルウレタン樹脂を合成した。得られたポリエステルウレタン樹脂の数平均分子量は25000、ガラス転移温度は106℃であった。得られたポリエステルウレタン樹脂(PEU−1)をメチルエチルケトンとトルエンの1:1溶媒に固形分32質量%となるように溶解した。
〔実施例1〕
(A)有機アルミニウム錯体としてビス(エチルアセトアセテート)(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(和光純薬株式会社製)、(B)シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(和光純薬株式会社製)、(C)硬化性成分として、ラジカル重合性化合物であるウレタンアクリレートUA−1及びM313(製品名新中村化学工業株式会社製,製品名)とラジカル重合開始剤であるジラウロイルパーオキサイドを用いた。フィルム形成材としてフェノキシ樹脂(商品名:YP−70,新日鐵化学(株)製)を用いた。また、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金属層を設けた平均粒径3μm、比重2.5の導電性粒子を作製して用いた。表1に示した混合比(質量比)となるよう各成分を配合し、厚み40μmのPET樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、5分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが20μmの接着フィルムを得た。
(A)有機アルミニウム錯体としてビス(エチルアセトアセテート)(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(和光純薬株式会社製)、(B)シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(和光純薬株式会社製)、(C)硬化性成分として、ラジカル重合性化合物であるウレタンアクリレートUA−1及びM313(製品名新中村化学工業株式会社製,製品名)とラジカル重合開始剤であるジラウロイルパーオキサイドを用いた。フィルム形成材としてフェノキシ樹脂(商品名:YP−70,新日鐵化学(株)製)を用いた。また、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金属層を設けた平均粒径3μm、比重2.5の導電性粒子を作製して用いた。表1に示した混合比(質量比)となるよう各成分を配合し、厚み40μmのPET樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、5分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが20μmの接着フィルムを得た。
〔実施例2〕
フィルム形成材としてフェノキシ樹脂の代わりに、ポリエステルウレタン樹脂PEU−1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、接着フィルムを得た。
フィルム形成材としてフェノキシ樹脂の代わりに、ポリエステルウレタン樹脂PEU−1を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、接着フィルムを得た。
〔実施例3〕
ラジカル重合性化合物であるウレタンアクリレートUA−1の代わりに、ウレタンアクリレートUA−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、接着フィルムを得た。
ラジカル重合性化合物であるウレタンアクリレートUA−1の代わりに、ウレタンアクリレートUA−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、接着フィルムを得た。
〔実施例4〕
フィルム形成材としてフェノキシ樹脂の代わりに、ポリエステルウレタン樹脂PEU−1を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、接着フィルムを得た。
フィルム形成材としてフェノキシ樹脂の代わりに、ポリエステルウレタン樹脂PEU−1を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、接着フィルムを得た。
〔比較例1〕
(A)有機アルミニウム錯体を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、接着フィルムを得た。各成分の混合比は表1に示した。
(A)有機アルミニウム錯体を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、接着フィルムを得た。各成分の混合比は表1に示した。
〔比較例2〕
(B)シランカップリング剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、接着フィルムを得た。各成分の混合比は表1に示した。
(B)シランカップリング剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、接着フィルムを得た。各成分の混合比は表1に示した。
〔比較例3〕
(A)有機アルミニウム錯体を使用しなかったこと以外は実施例2と同様にして、接着フィルムを得た。各成分の混合比は表1に示した。
(A)有機アルミニウム錯体を使用しなかったこと以外は実施例2と同様にして、接着フィルムを得た。各成分の混合比は表1に示した。
〔比較例4〕
(B)シランカップリング剤を使用しなかったこと以外は実施例2と同様にして、接着フィルムを得た。各成分の混合比は表1に示した。
(B)シランカップリング剤を使用しなかったこと以外は実施例2と同様にして、接着フィルムを得た。各成分の混合比は表1に示した。
[接続抵抗の評価]
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、ポリイミド基板(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm、表面にITO(酸化インジウム錫)配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ50μm)を有するもの)又は、ポリエチレンテレフタレート基板(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm、表面に金配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ50μm)を有するもの)に2×20mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.7mm×17.2mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装した。得られた接続構造体の隣接回路間の抵抗値(14端子測定した中の平均値)を、マルチメータを用いて測定した。なお、上記抵抗値は、接続直後(表2中、「抵抗値(試験前)」と表示)と、高温高湿試験(85℃、85%RH)を48時間行った後(表2中、「抵抗値(試験後)」と表示)に測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、ポリイミド基板(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm、表面にITO(酸化インジウム錫)配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ50μm)を有するもの)又は、ポリエチレンテレフタレート基板(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm、表面に金配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ50μm)を有するもの)に2×20mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.7mm×17.2mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装した。得られた接続構造体の隣接回路間の抵抗値(14端子測定した中の平均値)を、マルチメータを用いて測定した。なお、上記抵抗値は、接続直後(表2中、「抵抗値(試験前)」と表示)と、高温高湿試験(85℃、85%RH)を48時間行った後(表2中、「抵抗値(試験後)」と表示)に測定した。
実施例1〜4の抵抗値については、48時間後に上昇する傾向があるが、有機アルミニウム錯体を配合しない比較例1及び3と比較して、試験前及び48時間後の抵抗値は低く、良好に接続が可能であった。また、シランカップリング剤を配合しなかった比較例2及び4は、接続ができなかった。
[ICチップとSiN被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、表面に厚さ2000ÅのSiN被膜を形成したポリイミドフィルム(外形38mm×28mm、厚さ0.025mm)に、2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装し、ICチップとSiN被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体(表3中、「PI/SiN基板」と表記)を作製した。更に、接続直後のせん断接着強度をボンドテスタ(Dyge社製)を使用して測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、表面に厚さ2000ÅのSiN被膜を形成したポリイミドフィルム(外形38mm×28mm、厚さ0.025mm)に、2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装し、ICチップとSiN被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体(表3中、「PI/SiN基板」と表記)を作製した。更に、接続直後のせん断接着強度をボンドテスタ(Dyge社製)を使用して測定した。
[ICチップとポリイミドフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、ポリイミドフィルム(外形38mm×28mm、厚さ0.025mm)に、2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装し、ICチップとポリイミドフィルムとの接続構造体(表3中、「PI基板」と表記)を作製した。接続直後のせん断接着強度をボンドテスタ(Dyge社製)を使用して測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、ポリイミドフィルム(外形38mm×28mm、厚さ0.025mm)に、2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装し、ICチップとポリイミドフィルムとの接続構造体(表3中、「PI基板」と表記)を作製した。接続直後のせん断接着強度をボンドテスタ(Dyge社製)を使用して測定した。
[ICチップとITO被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、表面に厚さ1000ÅのITO被膜を形成したポリイミドフィルム(外形38mm×28mm、厚さ0.025mm)に、2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装し、ICチップとITO被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体(表3中、「PI/ITO基板」と表記)を作製した。接続直後のせん断接着強度をボンドテスタ(Dyge社製)を使用して測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、表面に厚さ1000ÅのITO被膜を形成したポリイミドフィルム(外形38mm×28mm、厚さ0.025mm)に、2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装し、ICチップとITO被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体(表3中、「PI/ITO基板」と表記)を作製した。接続直後のせん断接着強度をボンドテスタ(Dyge社製)を使用して測定した。
[ICチップとTi被膜付ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、表面に厚さ300Åのチタン被膜を形成したポリエチレンテレフタレートフィルム(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm)に、2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を160℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装し、ICチップとTi被膜付ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接続構造体(表3中、「PET/Ti基板」と表記)を作製した。接続直後のせん断接着強度をボンドテスタ(Dyge社製)を使用して測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の接着フィルムを、表面に厚さ300Åのチタン被膜を形成したポリエチレンテレフタレートフィルム(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm)に、2×15mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.0mm×10mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm)を160℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)荷重をかけて加熱加圧して実装し、ICチップとTi被膜付ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接続構造体(表3中、「PET/Ti基板」と表記)を作製した。接続直後のせん断接着強度をボンドテスタ(Dyge社製)を使用して測定した。
有機アルミニウム錯体とシランカップリング剤を配合した実施例1及び2は、有機アルミニウム化合物を配合しない比較例1及び3とそれぞれ比較して、高いせん断強度を示し、有機アルミニウム錯体とシランカップリング剤を配合することで接着力が向上することが分かった。また、シランカップリング剤を配合しない比較例2及び4は、接続構造体の接着強度が著しく低下した。さらに、UA−2を用いた実施例3及び4についても、良好な接着力が得られた。
〔実施例5〕
[導電性接着剤層の作製]
(A)有機アルミニウム錯体としてビス(エチルアセトアセテート)(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(和光純薬株式会社製)、(B)シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(和光純薬株式会社製)、(C)硬化性成分として、ラジカル重合性化合物であるウレタンアクリレートUA―2及びM313(新中村化学工業株式会社製,製品名)とラジカル重合開始剤であるジラウロイルパーオキサイドを用いた。フィルム形成材としてPEU−1を用いた。また、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金属層を設けた平均粒径3μm、比重2.5の導電性粒子を作製して用いた。表4に示した混合比(質量比)となるよう各成分を配合し、厚み40μmのPET樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、5分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが6μmの導電性接着剤層を作製した。
[導電性接着剤層の作製]
(A)有機アルミニウム錯体としてビス(エチルアセトアセテート)(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(和光純薬株式会社製)、(B)シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(和光純薬株式会社製)、(C)硬化性成分として、ラジカル重合性化合物であるウレタンアクリレートUA―2及びM313(新中村化学工業株式会社製,製品名)とラジカル重合開始剤であるジラウロイルパーオキサイドを用いた。フィルム形成材としてPEU−1を用いた。また、ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金属層を設けた平均粒径3μm、比重2.5の導電性粒子を作製して用いた。表4に示した混合比(質量比)となるよう各成分を配合し、厚み40μmのPET樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、5分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが6μmの導電性接着剤層を作製した。
[絶縁性接着剤層の作製]
(A)有機アルミニウム錯体としてビス(エチルアセトアセテート)(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(和光純薬株式会社製)、(B)シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(和光純薬株式会社製)、(C)硬化性成分として、ラジカル重合性化合物であるウレタンアクリレートUA―1及びM313(新中村化学工業株式会社製,製品名)とラジカル重合開始剤であるジラウロイルパーオキサイドを用いた。フィルム形成材としてフェノキシ樹脂(商品名:YP−70,新日鐵化学(株)製)を用いた。表4に示した混合比(質量比)となるよう各成分を配合し、厚み40μmのPET樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、5分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが14μmの絶縁性接着剤層を作製した。
(A)有機アルミニウム錯体としてビス(エチルアセトアセテート)(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(和光純薬株式会社製)、(B)シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(和光純薬株式会社製)、(C)硬化性成分として、ラジカル重合性化合物であるウレタンアクリレートUA―1及びM313(新中村化学工業株式会社製,製品名)とラジカル重合開始剤であるジラウロイルパーオキサイドを用いた。フィルム形成材としてフェノキシ樹脂(商品名:YP−70,新日鐵化学(株)製)を用いた。表4に示した混合比(質量比)となるよう各成分を配合し、厚み40μmのPET樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、5分の熱風乾燥によって接着剤層の厚みが14μmの絶縁性接着剤層を作製した。
[2層型回路接続用接着フィルムの作製]
上記導電性接着剤層と上記絶縁性接着剤層とを、ホットロールラミネータを用いて貼り合わせ、2層型回路接続用接着フィルムを得た。
上記導電性接着剤層と上記絶縁性接着剤層とを、ホットロールラミネータを用いて貼り合わせ、2層型回路接続用接着フィルムを得た。
〔実施例6〕
絶縁性接着剤層のラジカル重合性化合物として、ウレタンアクリレートUA―1及びM313(新中村化学工業株式会社製,製品名)に代えて、ウレタンアクリレートUA−2及びM313(新中村化学工業株式会社製,製品名)を用いたこと以外は実施例5と同様に、2層型回路接続用接着フィルムを得た。各成分の混合比(質量比)は表4に示した。
絶縁性接着剤層のラジカル重合性化合物として、ウレタンアクリレートUA―1及びM313(新中村化学工業株式会社製,製品名)に代えて、ウレタンアクリレートUA−2及びM313(新中村化学工業株式会社製,製品名)を用いたこと以外は実施例5と同様に、2層型回路接続用接着フィルムを得た。各成分の混合比(質量比)は表4に示した。
[接続抵抗の評価]
実施例5及び6の2層型回路接続用接着フィルムを、ポリイミド基板(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm、表面にITO(酸化インジウム錫)配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ50μm、高さ0.1μm)を有するもの)又は、ポリエチレンテレフタレート基板(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm、表面に金配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ50μm、高さ0.2μm)を有するもの)に、導電性接着剤層がポリイミド基板又はポリエチレンテレフタレート基板に接するように、2×20mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.7mm×17.2mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm、バンプの高さ15μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装した。得られた接続構造体の隣接回路間の抵抗値(14端子測定した中の平均値)を、マルチメータを用いて測定した。なお、上記抵抗値は、接続直後(表5中、「抵抗値(試験前)」と表示)と、高温高湿試験(85℃、85%RH)を24時間行った後(表5中、「抵抗値(24時間後)」と表示)に測定した。
実施例5及び6の2層型回路接続用接着フィルムを、ポリイミド基板(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm、表面にITO(酸化インジウム錫)配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ50μm、高さ0.1μm)を有するもの)又は、ポリエチレンテレフタレート基板(外形38mm×28mm、厚さ0.125mm、表面に金配線パターン(パターン幅50μm、ピッチ50μm、高さ0.2μm)を有するもの)に、導電性接着剤層がポリイミド基板又はポリエチレンテレフタレート基板に接するように、2×20mmの大きさでPET樹脂フィルムから転写した。ICチップ(外形1.7mm×17.2mm、厚さ0.55mm、バンプの大きさ50μm×50μm、バンプのピッチ50μm、バンプの高さ15μm)を130℃5秒の条件で、30MPa(バンプ面積換算)の荷重をかけて加熱加圧して実装した。得られた接続構造体の隣接回路間の抵抗値(14端子測定した中の平均値)を、マルチメータを用いて測定した。なお、上記抵抗値は、接続直後(表5中、「抵抗値(試験前)」と表示)と、高温高湿試験(85℃、85%RH)を24時間行った後(表5中、「抵抗値(24時間後)」と表示)に測定した。
実施例5及び6の2層型回路接続用接着フィルムを用いた場合でも、試験前及び24時間後の抵抗値は低く、良好に接続が可能であった。
[接着強度の測定]
実施例5及び6の2層型回路接続用接着フィルムを用い、上記[ICチップとSiN被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]、[ICチップとポリイミドフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]、[ICチップとITO被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]、及び[ICチップとTi被膜付ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]と同様に、接着強度を測定した。なお、2層型回路接続用接着フィルムは、導電性接着剤層がポリイミドフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルム側になるように配置した。
実施例5及び6の2層型回路接続用接着フィルムを用い、上記[ICチップとSiN被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]、[ICチップとポリイミドフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]、[ICチップとITO被膜付ポリイミドフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]、及び[ICチップとTi被膜付ポリエチレンテレフタレートフィルムとの接続構造体における接着強度の測定]と同様に、接着強度を測定した。なお、2層型回路接続用接着フィルムは、導電性接着剤層がポリイミドフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルム側になるように配置した。
実施例5及び6の2層型回路接続用接着フィルムは、いずれも接着力が良好であった。
1,40…回路接続用接着フィルム、5…導電性粒子以外の成分、7…導電性粒子、10…回路接続部材、11…絶縁性物質、20…第一の回路部材、21…プラスチック基板、21a…主面、22…回路電極(第一の回路電極)、30…第二の回路部材、31…回路基板(第二の回路基板)、31a…主面、32…回路電極(第二の回路電極)。
Claims (9)
- プラスチック基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、第二の基板上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材とを、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とが電気的に接続されるように接着するための回路接続用接着フィルムであって、
(A)有機アルミニウム錯体と、(B)シランカップリング剤と、(C)硬化性成分と、を含む、回路接続用接着フィルム。 - 前記(B)シランカップリング剤が、分子内に、少なくとも一つのアルコキシシリル基と、ラジカル重合性オレフィン基と、を有する、請求項1又は2に記載の回路接続用接着フィルム。
- 前記(C)硬化性成分が、ラジカル重合性化合物及びラジカル重合開始剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路接続用接着フィルム。
- 導電性粒子を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路接続用接着フィルム。
- 前記(A)有機アルミニウム錯体、前記(B)シランカップリング剤、前記(C)硬化性成分及び前記導電性粒子を含む導電性接着剤層と、
該導電性接着剤層の一方の面に形成され、前記(A)有機アルミニウム錯体、前記(B)シランカップリング剤及び前記(C)硬化性成分を含み、前記導電性粒子を含まない絶縁性接着剤層と、を少なくとも備える、請求項5に記載の回路接続用接着フィルム。 - チップオンプラスチック実装用である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の回路接続用接着フィルム。
- プラスチック基板上に第一の回路電極が形成された第一の回路部材と、
第二の基板上に第二の回路電極が形成された第二の回路部材と、
前記第一及び第二の回路部材の間に設けられ、前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを対向配置させた状態で前記第一の回路部材及び第二の回路部材を接続する回路接続部材と、を備え、
前記回路接続部材が、請求項1〜7のいずれか一項に記載の回路接続用接着フィルムの硬化物からなり、
前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とが電気的に接続されている、回路部材の接続構造体。 - 請求項8に記載の回路部材の接続構造体の製造方法であって、
前記プラスチック基板の第一の回路電極が形成された面と前記第二の回路基板の第二の回路電極が形成された面との間に請求項1〜7のいずれか一項に記載の回路接続用接着フィルムを配置し、前記第一の回路部材及び第二の回路部材を介して前記回路接続用接着フィルムを加熱及び加圧して硬化させ前記第一の回路部材と前記第二の回路部材とを接続するとともに前記第一の回路電極と前記第二の回路電極とを電気的に接続する、回路部材の接続構造体の製造方法。
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