JP2001062545A - 金型スプレー方法 - Google Patents

金型スプレー方法

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JP2001062545A
JP2001062545A JP24440699A JP24440699A JP2001062545A JP 2001062545 A JP2001062545 A JP 2001062545A JP 24440699 A JP24440699 A JP 24440699A JP 24440699 A JP24440699 A JP 24440699A JP 2001062545 A JP2001062545 A JP 2001062545A
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Japan
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spray
mold
release agent
piston
cylinder
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JP24440699A
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English (en)
Inventor
Yoshinari Murakami
工成 村上
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクルタイムを増加することなく、シリン
ダ径を小さくしてコントロール性を向上する。 【解決手段】 スプレー剤タンクとスプレーノズル間の
流通経路途中にあってピストンによって分室されたシリ
ンダ手段の一方にスプレー剤を吸入させるとともに前記
分室の他方にもスプレー剤タンクからスプレー剤を吸入
させ、金型に対するスプレーノズルの噴霧ルート移動途
中で前記シリンダ手段の押出し速度を変更調整しながら
まずピストン分室の一方からスプレー剤の噴霧量をコン
トロールして金型にスプレーし、引続きピストン分室の
他方から前記ピストン分室とは反対方向に前記シリンダ
手段の押出し速度を変更調整しながらスプレー剤の噴霧
量をコントロールして金型にスプレーする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金型スプレー方法に
係り、特に離型剤や保温剤などのスプレー剤をダイカス
トマシンの金型面やスリーブへ噴霧するための金型スプ
レー方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイカストマシンなどの金型は、その形
状から均一な温度分布をもつものは殆ど無く、温度分布
にムラがあるのが実状である。金型の温度分布によっ
て、金型温度の高い部分には離型剤噴霧量を多くし、金
型温度の低い部分には離型剤噴霧量を少量にする必要が
ある。このため、噴霧圧力を一定に保ちながら、スプレ
ーノズルの移動速度を調整し、温度分布に合わせて単位
時間当たりの噴霧量を調整することが行われている。ま
た、離型剤の供給経路に流量調整弁を設け、弁開度を調
整することにより噴霧量をコントロールする方法も知ら
れている。さらに、最近では離型剤とスプレーノズル間
に一次貯溜した後、離型剤をスプレーノズルに供給可能
なシリンダ手段を用いた供給方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金型キャビ
ティ表面などに離型剤をスプレーする際、離型剤の微量
コントロールをしたい場合は、離型剤を一時貯溜しスプ
レーノズルへ供給するシリンダ手段のシリンダ径をでき
るだけ小さくすることが必要となる。しかしながら、シ
リンダ径を小さくすると、コントロール性は向上するが
シリンダ内に吸引した離型剤の量が少ないために、ピス
トンの1ストロークでだけでは離型剤の噴霧量が不足す
る可能性がある。このような場合は、ピストンを再度後
退させながら離型剤をシリンダ内に吸引し、離型剤の不
足した箇所から引き続き金型へスプレーする必要があ
り、その分生産性が低下するといった新たな問題点があ
る。
【0004】本発明は、上記従来の問題点に着目してな
されたもので、特に、サイクルタイムを増加させること
無く、シリンダ径を小さくしてコントロール性を向上す
るようにした金型スプレー方法を提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、スプレー剤タンクと
スプレーノズル間の流通経路途中にあってピストンによ
って分室されたシリンダ手段の一方にスプレー剤を吸入
させるとともに前記分室の他方にもスプレー剤タンクか
らスプレー剤を吸入させ、金型に対するスプレーノズル
の噴霧ルート移動途中で前記シリンダ手段の押出し速度
を変更調整しながらまずピストン分室の一方からスプレ
ー剤の噴霧量をコントロールして金型にスプレーし、引
続きピストン分室の他方から前記ピストン分室とは反対
方向に前記シリンダ手段の押出し速度を変更調整しなが
らスプレー剤の噴霧量をコントロールして金型にスプレ
ーするようにした。
【0006】また、本発明に係る第2の発明では、スプ
レー剤タンクとスプレーノズル間の流通経路途中にあっ
てピストンによって前方室と後方室とに分室された複数
のシリンダ手段のうち、一方のシリンダ手段の分室のい
ずれかにスプレー剤を吸入させる際には、前記シリンダ
手段と対向する他方のシリンダ手段の分室からスプレー
剤を排出させるとともに、金型に対するスプレーノズル
の噴霧ルート移動途中で前記シリンダ手段の押出し速度
を変更調整しながら、まず一方のシリンダ手段のピスト
ン分室の一方からスプレー剤の噴霧量をコントロールし
ながら金型にスプレーし、スプレー完了後他方のシリン
ダ手段の対向するピストン分室から押出し速度を変更調
整しながら、スプレー剤の噴霧量をコントロールして金
型にスプレーするようにした。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る金型スプレ
ー方法の具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明
する。
【0008】図1は、第1の実施形態に係る金型スプレ
ー装置の構成図である。スプレー対象の金型は可動金型
10Aと固定金型10Bから構成されているが、実施形
態の金型スプレー装置は、金型10A、10Bに形成さ
れているキャビティ12に対して離型剤18を塗布する
装置に適用したものである。塗布用のスプレーノズル1
4はアーム16の下端部に取付けられ、アーム16を図
示しないロボットにより、対象キャビティ12に対面し
て、上下・左右方向と前後方向に移動可能であり、かつ
適宜な角度に回動可能とされている。例えば、図2に示
すように、金型キャビティ12に対して右端上方位置か
ら下降線を辿り、横移動して上昇線を経由して再度下降
移動し、スリーブを横断するようにスプレーノズル14
の移動経路が設定されて駆動制御されるのである。
【0009】上記スプレーノズル14には離型剤18が
供給されるが、その供給源としての離型剤タンク20が
設けられ、この離型剤タンク20からスプレーノズル1
4に至る流通経路23と離型剤タンク20からスプレー
ノズル14に至る流通経路22の途中に離型剤18を一
時的に貯溜するシリンダ手段24が設けられている。シ
リンダ手段24はシリンダ25の内部にピストン26を
収容し、そのロッド28を図1中で右側に移動させると
離型剤タンク20から流通経路23、給排口29を介し
て離型剤タンク20から離型剤18をピストン26の後
方室(ピストン26の左側)に吸入貯溜すると同時に、
すでにピストン26の前方室(ピストン26の右側)に
吸入貯溜されている離型剤18は給排口30から流通経
路22を介して離型剤18をスプレーノズル14に吐出
するが、これらは、離型剤タンク20への戻り流路をソ
レノイドバルブ31、32、33によって開閉制御しつ
つ、スプレーノズル14からの離型剤の噴霧量をコント
ロールして金型10A、10Bの表面にスプレーするよ
うになっている。
【0010】この実施形態ではシリンダ手段24を構成
するシリンダ25の後方室と前方室にはそれぞれ給排口
29、給排口30が設けられている。この給排口29に
至る流路には方向切替弁としてのソレノイドバルブ31
を介装しており、これを切り替えることによりシリンダ
手段24に離型剤タンク20から離型剤18を吸入動作
をする際には離型剤タンク20と連絡される。また、ソ
レノイドバルブ31とスプレーノズル14との間にはソ
レノイドバルブ33を介装しており、これを切り替える
ことにより押圧動作(図1中のピストン26が左方向に
移動する)の際にスプレーノズル14と連絡されるよう
に構成されている。また、給排口30に至る流路にはソ
レノイドバルブ32を介装しており、これを切替えるこ
とによりシリンダ手段24が吸入動作(図1中のピスト
ン26が左方向に移動する)の際には離型剤タンク20
と連絡される。また、ソレノイドバルブ32とスプレー
ノズル14との間にはソレノイドバルブ33を介装して
おりこれを切り替えることにより、押圧動作(図1中の
ピストン26が右方向に移動する)の際にはスプレーノ
ズル14と連絡されるように流路の切替をなすように構
成されている。
【0011】また、前記シリンダ手段24を駆動するた
めのアクチュエータが設けられている。このアクチュエ
ータには、ピストンロッド28を速度制御しながら往復
作動させるために、図示のように、モータ34とボール
ネジ36を組合わせた直線動作可能な電動アクチュエー
タ38が用いられている。ボールネジ36はピストンロ
ッド28と平行配置され、当該ボールネジ36によって
直線移動されるスライダ40に一体に取付けられた接合
部材42とピストンロッド28をフローティングジョイ
ント44によって連結することにより、ボールネジ36
の回転駆動によってピストン26を往復直線移動させ、
シリンダ手段24のシリンダ25の前方室と後方室の両
方による離型剤18の吸入吐出動作を行なわせることが
できる。
【0012】図示の例では、電動アクチュエータ38を
前進(図1中ピストン26を右側方向)させることによ
り、シリンダ25の後方室内に離型剤20から離型剤1
8を一旦吸入し、吸入完了後、電動アクチュエータ38
を後退移動させるとともに、ソレノイドバルブ31およ
び33を切り替えてスプレーノズル14へ離型剤18を
吐出供給する。この時、ソレノイドバルブ32は、シリ
ンダ25の前方室と離型剤タンク20が連絡状態にあ
り、電動アクチュエータ38が後退移動する際にシリン
ダ25の前方室に離型剤18を吸入することとなる。逆
に電動アクチュエータ38を後退(図1中ピストン26
を左側方向)させることにより、シリンダ25内に離型
剤タンク20から離型剤18を一旦吸入し、吸入完了
後、電動アクチュエータ38を前進移動させるととも
に、ソレノイドバルブ32および33を切り替えてスプ
レーノズル14へ離型剤18を吐出供給する。
【0013】この時、ソレノイドバルブ31はシリンダ
後方室と離型剤タンク20が連絡状態にあり、アクチュ
エータ38が前進移動する際にシリンダ25後方室に離
型剤18を吸入している。スプレーノズル14には離型
剤18の通流経路22、23と併せてエアータンク46
に通じるエア配管48が接続され、このエアー配管48
にエアー流路を開閉操作するソレノイドバルブ50を介
装している。このエアー用ソレノイドバルブ50はソレ
ノイドバルブ31または32が吐出側に切り替えられる
と同時に開放操作され、スプレーノズル14から気液混
合状態で離型剤18が噴霧されるように設定される。
【0014】ここで、当該実施形態では、前記ソレノイ
ドバルブ31、32、33、50の切り替え制御と同時
に、電動アクチュエータ38の速度制御をなすようにコ
ントローラ52を設けている。このコントローラ52
は、金型10A、10Bに対するスプレーノズル14の
噴霧ルート移動途中で前記シリンダ手段24の押出し速
度を変更調整することにより噴霧量を制御するものであ
る。この制御のために、電動アクチュエータ38を構成
しているモータ34にエンコーダ54を取付け、このエ
ンコーダ54の検出信号によってスライダ40の位置ひ
いてはピストン26の位置を検出するようにしている。
【0015】コントローラ52には、スプレーノズル1
4の移動ルート(図2参照)と、このルート上で金型温
度分布にしたがって要求される必要離型剤流量との関係
が予め設定され記憶されている。また、スプレーノズル
14の移動ルートとシリンダ手段24の位置の関係も設
定されているので、コントローラ52は、エンコーダ5
4からの位置信号を入力し、当該位置におけるピストン
26の押出し速度が上記必要離型剤流量を確保するよう
にモータ34の出力を制御するのである。
【0016】ところで、前記コントローラ52による離
型剤流量の設定処理は次のようにして行なえばよい。図
2(1)に示しているように、スプレーノズル14の移
動ルート〜を設定する。これは、サイクル時間が短
くなるように、また金型形状および温度分布をもとにオ
ペレータが決定する。また、金型形状から金型温度が高
くなる部分を経験から想定して流量値を設定する。図2
(1)の場合には、ゲート部分(ルート付近)と判断
し、その付近(ルートと)に対して離型剤量を多く
し、その他の経路は金型温度があまり高くならないもの
と判断して離型剤量を少なくする。この状態で、スプレ
ーを実施し、製品、金型の状態、金型温度からオペレー
タは流量を調整して、最適流量を決定する。これは例え
ば、次表のように設定される。
【0017】
【表1】
【0018】したがって、コントローラ52にはこの表
1に相当するデータが設定記憶されており、スプレーノ
ズル14を移動させるロボットからの同期信号により、
ノズル移動ルート毎に表1に設定されている流量となる
ようにエンコーダ54からの位置信号を検知しつつ吐出
流量の制御をなすのである。一方、データベースなどを
用いて離型剤流量の設定を自動的に行なわせることもで
きる。これは金型温度と離型剤流量、スプレー速度(ノ
ズル動作速度)、スプレー距離との関係から現在の金型
温度を入力することによって、最適な金型温度(離型剤
付着に最適な温度:例えば200〜250℃)になるよ
うな離型剤流量をデータベース(事前に作成しておく)
から決定するものである。
【0019】このように決定された各移動ルート毎に流
量にしたがって離型剤18の吐出動作が行われるが、こ
れをショット毎に調整する。例えば、目標温度に対して
現ショットにおける金型温度がその範囲内にあるか否か
を温度センサによりチェックし、範囲内であれば流量は
最適とみなしてそのまま継続する。範囲外であれば、前
ショット温度との比較を行ない、その程度によって次シ
ョットの流量を計算し変更する。この部分はデータベー
スを元に計算すればよい。オペレータによる手動設定の
場合も、データベースを利用した自動設定の場合も、金
型10A、10Bに対するスプレーノズル14の噴霧ル
ート移動途中で前記シリンダ手段24の押出し速度を変
更調整することにより噴霧量を制御する。
【0020】このコントローラ52による離型剤18の
流量制御は、金型スプレーロボットと連携して行われ
る。これは、図3に示すように、金型スプレーロボット
による処理工程では、各ノズル移動ルート(i=1〜
N)の設定(ステップ100)毎に、各ルートに対応す
る同期信号が出力され(ステップ110)、金型スプレ
ーロボットの作動をなさしめ(ステップ120)、移動
ルートの更新を行ないつつ(ステップ130)、最終ル
ートに達するまで繰返して終了する。
【0021】一方、コントローラ52では、各ノズル移
動ルート(i=1〜N)に対応する吐出流量の定量保持
ルートが設定され(ステップ200)、金型スプレーロ
ボットからの同期信号を監視する処理が行なわれる(ス
テップ210)。同期信号に対応するルート単位に離型
剤18のスプレー流量がメモリから読み込まれ(ステッ
プ220)、各ルート毎に設定された離型剤量となるよ
うに電動アクチュエータ38を駆動してスプレー処理が
行なわれる(ステップ230)。この時、コントローラ
52はシリンダ25の前進限あるいは後退限に到達した
がどうかを監視し、前進限、後退限に到達後、コントロ
ーラ52は今までの進行方向とは逆の動作指令を出力す
る。同期信号によるルート変更信号が発生するまではエ
ンコーダ54による位置信号を検出しながら、吐出速度
を一定に保持し、ルートの更新(ステップ240)毎に
設定された流量となるように制御する。この例では、同
一直線ルートでは同一流量となるように設定している
が、動作経路点(図2(1)の●箇所)を任意に設定す
ることで直線ルート上で流量を変更するように設定する
ことも可能である。また、単一ルート上で流量変化曲線
を設定してアナログ的に流量を調整するようにしてもよ
い。
【0022】このように構成された金型スプレー装置を
用いたスプレー方法は、次のようになる。シリンダ25
の前方室と後方室のどちらにも離型剤18を吸入する
が、最初にシリンダ25の後方室へ離型剤タンク20か
ら離型剤18を吸入する動作では、ソレノイドバルブ3
1、32をOFF(閉)とし、シリンダ手段24が離型
剤タンク20に連絡している状態とする。このような状
態下で電動アクチュエータ38のモータ34に、前進指
令信号を出力し、位置信号を監視しつつ、シリンダ25
の前進限までピストン26を前進させて停止する。これ
により、シリンダ25の後方室に離型剤タンク20から
離型剤18が吸入される。
【0023】このような吸入動作が完了した後、シリン
ダ25の後方室に貯溜された離型剤18の吐出動作に入
るが、これはまず、図示しないマシンまたはロボットな
どからの同期信号をもとに、電動アクチュエータ38へ
後退指令信号が出力される。そのとき、ソレノイドバル
ブ31、33にON(開)信号が出力され、シリンダ手
段24とスプレーノズル14とが連絡状態にあり、同時
にソレノイドバルブ50にON信号が出力されエアーも
ノズル14に供給される。電動アクチュエータ38への
後退指令信号は、予め設定された離型剤流量に対応する
アクチュエータ動作速度である。
【0024】図示しないマシンまたはロボットなどから
の同期信号をもとに、予め設定された流量に対応するア
クチュエータ38の動作速度がスプレーノズル14の移
動経路中に変更され、これによってスプレーノズル14
をルートに沿って定速移動させる最中にスプレー中の離
型剤流量は可変される。流量が「0」の場合には、アク
チュエータ38への後退指令信号を「0」にする(前進
ストップ)とともに、ソレノイドバルブ31、32、3
3、50も閉状態にする。
【0025】シリンダ25の後方室に貯溜された離型剤
18をピストン26の後退に伴って金型の表面にスプレ
ーしている間に、ソレノイドバルブ32はOFF(閉)
となっており、シリンダ25の前方室と離型剤タンク2
0とは連通された状態となっている。このため、離型剤
18はシリンダ25の前方室へ貯溜されることとなる。
このため、ピストン26が後退移動するにしたがってシ
リンダ25の前方室内には離型剤18が貯溜されること
となり、シリンダ25の後方室内に貯溜された離型剤1
8の吐出動作が完了した時は、シリンダ25の前方室内
に離型剤18が貯溜されている状態を呈することとな
る。
【0026】なお、シリンダ25が後退動作途中に後退
限に到達した場合には、コントローラ52はアクチュエ
ータ38に前進指令信号を出力するとともに、ソレノイ
ドバルブ31、33はOFF(閉)信号を出力するとと
もにソレノイドバルブ32はON(開)信号を出力し、
シリンダ25の前方室とスプレーノズル14とが連通状
態となり、同時にソレノイドバルブ50にもON(開)
信号が出力されエアーもスプレーノズル14に供給さ
れ、離型剤18が吐出される。シリンダ25の前方室に
貯溜された離型剤18を、ピストン26の前進に伴って
金型表面にスプレーしている間に、ソレノイドバルブ3
1はOFF(閉)となり、シリンダ25の後方室と離型
剤タンク20が連通状態となっているので、ピストン2
5の前進によってシリンダ25の後方室には離型剤24
が吸入・貯溜されることとなる。
【0027】このような処理を行なう第1の実施形態に
よれば、1台のアクチュエータ38に対してシリンダ手
段24のピストン前方室および後方室に離型剤18を貯
溜させることによって、スプレー中にシリンダ手段24
のピストン前方室あるいは後方室のどちらか離型剤18
が不足しても、他方の分室には離型剤18が貯溜されて
いるから、アクチュエータ38の動作方向を切り替える
ことによって、シリンダ手段24のピストン前方室ある
いは後方室のどちらかの離型剤18をスプレーノズル1
4へ供給できるので、スプレーサイクル中に離型剤18
が不足する事態を防止できるとともに、離型剤18の再
吸引によるサイクルアップ防止ができる。また、図2に
示す動作経路に対してスプレー剤の必要最小量の安定し
た供給が可能であり、鋳造品の品質向上などの効果は第
1の実施形態と同様に実施できる。
【0028】このような処理を行なう第1の実施形態に
よれば、スプレーノズル14の動作速度を一定に保持し
つつ、離型剤18の噴霧流量を任意に制御することがで
き、サイクルタイムを増加することなく、金型温度分布
に適した離型剤の量をコントロールできるので、短時間
かつ最適なスプレー作業を実施することができ、スプレ
ーノズル14の動作経路に対して離型剤18や保温剤な
どのスプレー剤の必要最小量の供給が可能となる。した
がって、鋳造品の品質を向上させることができ、同時に
スプレー剤の飛散量を軽減することができ、また、スプ
レー剤の使用量低減を実現できる。さらに、温度分布に
見合う適性な量のスプレー剤が常時供給塗布されるの
で、金型寿命の延命効果があり、ブリスタ発生を抑制で
きるので製品欠陥が少なくなるなどの利点が得られる。
【0029】図4には第2の実施形態に係る金型スプレ
ー装置の構成を示している。この第2の実施形態に係る
装置は、複数のシリンダ手段24、24Aとスプレーノ
ズル14による塗布作業を実現するためのもので、ピス
トン26、26Aによって隔室される各シリンダ25、
25Aの前方室と後方室にそれぞれ離型剤18の吸引吐
出経路を複数設けるとともに、各シリンダ25、25A
の前方室と後方室の対向する形で使用することを可能
し、これを一つの電動アクチュエータ38によって作動
させるようにしている点に特徴がある。すなわち、電動
アクチュエータ38のスライダ40に取付けられている
接合部材42に複数のシリンダ手段24、24Aを連結
しており、これらを独立した通流経路22、22Aによ
り離型剤タンク20とスプレーノズル14に連絡してい
る。各流通経路22、22Aにはソレノイドバルブ3
2、32Aが介装され、これらを切り替えることにより
それぞれシリンダ手段24、24Aの吸入動作の際には
離型剤タンク20と連絡され、押圧動作の際にはスプレ
ーノズル14もしくは離型剤タンク20への戻り流路と
連絡されるように流路の切替えをなすように構成されて
いる。
【0030】同様にスプレーノズル14にはエアータン
ク46に通じるエアー配管48が接続され、このエア配
管48にエアー流路を開閉操作するソレノイドバルブ5
0を介装している。このエアー用ソレノイドバルブ50
は離型剤用ソレノイドバルブ32または32Aが吐出側
に切り替えられると同時に開放操作され、スプレーノズ
ル14から気液混合状態でシリンダ25または25Aに
貯溜された離型剤18が噴霧されるように設定される。
前記塗布用のスプレーノズル14はアーム16の下端部
に取付けられ、アーム16を図示しないロボットによ
り、対象金型キャビティ12に対面して、上下・左右方
向と前後方向に移動可能であり、かつ適宜な角度に回動
可能とされている。り
【0031】離型剤18の塗布制御するコントローラ5
2が設けられているが、このコントローラ52は、第1
の実施形態と同様に、電動アクチュエータ38の速度制
御をなすことによりスプレーノズル14からの噴霧量を
制御するとともに、スプレーノズル14に対して離型剤
18の供給量をばらつきなく、安定して供給できるよう
になっている。
【0032】その他の構成は第1の実施形態と同様であ
るので、同一構成要素には同一の番号を付し説明を省略
する。このような構成に係る第2の実施形態による吸入
動作と吐出動作は以下のようになる。まず、吸入動作
は、各ソレノイドバルブ32、32A、50をOFF
(閉)とし、シリンダ手段24、24Aが離型剤タンク
20に連絡している状態とする。電動アクチュエータ3
8のモータ54に、後退指令信号を出力し、位置信号を
監視しつつ、シリンダ25、25Aの原点までピストン
26、26Aを後退させて停止する。これにより、各リ
ンダ25の前方室に離型剤タンク20から離型剤18が
吸入される(図4)。
【0033】このような吸入動作が完了した後、吐出動
作に入るが、これはまず、図示しないマシンまたはロボ
ットなどからの同期信号をもとに、電動アクチュエータ
38へ前進指令信号が出力される。そのとき、ソレノイ
ドバルブ32、50にON(開)信号が出力され、シリ
ンダ手段24とスプレーノズル14とが連絡状態にあ
り、同時にエアーもノズル14に供給される。電動アク
チュエータ38へ前進指令信号は、予め設定された流量
に対応するアクチュエータ動作速度である。
【0034】図示しないマシンまたはロボットなどから
の同期信号をもとに、予め設定された流量に対応するア
クチュエータ38の動作速度がスプレーノズル14の移
動経路中に変更され、これによってスプレーノズル14
をルートに沿って定速移動させる最中にスプレー中の離
型剤流量は可変される。スプレーノズル14への流量が
「0」の場合には、アクチュエータ38への前進指令信
号を「0」にする(前進ストップ)とともに、ソレノイ
ドバルブ32、32A、33、50も閉状態にする。
【0035】なお、シリンダ25が前進動作途中そに前
進限に到達した場合には、コントローラ52は、アクチ
ュエータ38に後退指令信号を出力するとともに、ソレ
ノイドバルブ32はOFF(閉)信号を出力するととも
にソレノイドバルブ32A、33はON(開)信号を出
力し、シリンダ25Aの後方室とスプレーノズル14と
が連通状態となり、同時にソレノイドバルブ50にもO
N(開)信号が出力されエアーもスプレーノズル14に
供給され、離型剤18が吐出される。シリンダ25Aの
後方室に貯溜された離型剤18を、ピストン26Aの後
退に伴って金型表面にスプレーしている間に、ソレノイ
ドバルブ32はOFF(閉)となり、シリンダ25の前
方室と離型剤20が連通状態となっているので、ピスト
ン25A(25)の後退によってシリンダ25の前方室
には離型剤18が吸入、貯溜されることとなる。
【0036】このような第2の実施形態によれば、1台
の電動アクチュエータ38に対して複数台のシリンダ手
段24、24Aの一方のシリンダ手段24の前方室と他
方のシリンダ24Aの後方室に離型剤18を貯溜させる
ことによって、シリンダ手段24または24Aを同時に
駆動できるように設置させているため、各スプレーノズ
ル14からの離型剤供給量のばらつきを無くすことがで
きるとともに、低コスト、省スペースの装置とすること
ができる。1台のアクチュエータ38で複数のシリンダ
手段24、24Aを配設しても、ソレノイドバルブ3
2、32Aの切替えによってそれぞれスプレーノズル1
4に離型剤18を連続して供給したり停止することが可
能となるので、必要以上にスプレーしたり、同じ経路
(ポイント)に何度もスプレーするようなことを防止で
きる。また、図4に示すような動作経路に対して離型剤
18や保温剤などスプレー剤の必要最小量の供給が可能
となり、鋳造品の品質向上などの効果は第1の実施形態
と同様に実現できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、スプレ
ー剤タンクとスプレーノズル間の流通経路途中で一旦シ
リンダ手段のピストン分室の両方か、あるいは複数台の
シリンダ手段の一方のシリンダ手段のピストン前方室と
他方のシリンダ手段のピストン後方室にスプレー剤を吸
入させ、金型に対するスプレーノズルの噴霧ルート移動
途中で前記シリンダの押出し速度を変更調整することに
より、噴霧量をコントロールできるので、サイクルタイ
ムを増大することなく金型温度分布に適した噴霧量コン
トロールが可能となる。また、金型表面へスプレー剤を
スプレー中に、シリンダが前進限あるいは後退限に到達
した際には、対向するシリンダ分室のスプレー剤を切り
替えることによって、金型にスプレー剤をスプレー中に
スプレー剤が不足するといった事態が防止できるととも
に、シリンダ内のピストン分室の両方とも有効利用でき
ることから、シリンダの小径化、小ストローク化などが
でき、低コスト、省スペースが可能となる。また、シリ
ンダ径を小径化することで、流量制御の分解能を向上さ
せることができるので、流量コントロール精度が向上す
る。さらに、動作経路に対して離型剤や保温剤などのス
プレー剤の必要最小量の供給が可能となることから、下
記のような優れた効果を奏する。すなわち、 鋳造品の品質が向上する。 スプレー剤の飛散量の減少を図ることができ、スプ
レー剤の低減化が実現できる。 金型寿命を図ることができる。 ブリスタ発生が抑制できるので、成形品の欠陥が少
なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る金型スプレー装置の全体
構成図である。
【図2】同装置のスプレーノズルの移動経路の説明図と
側面図である。
【図3】同装置のコントローラによる処理と金型スプレ
ーロボットによる処理の関係を示すフローチャートであ
る。
【図4】第2の実施形態に係る金型スプレー装置の全体
構成図である。
【符号の説明】
10A、10B 金型 12 金型キャビティ 14 スプレーノズル 16 アーム 18 離型剤 20 離型剤タンク 22、23 流通経路 24、24A シリンダ手段 25、25A シリンダ 26、26A ピストン 28 ピストンロッド 29、29A 給排口 30、30A 給排口 31 ソレノイドバルブ 32、32A ソレノイドバルブ 33 ソレノイドバルブ 34 モータ 36 ボールネジ 38 電動アクチュエータ 40 スライダ 42 接合部材 44 フローティングジョイント 46 エアタンク 48 エア配管 50 ソレノイドバルブ 52 コントローラ 54 エンコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29C 33/58 B29C 33/58

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプレー剤タンクとスプレーノズル間の
    流通経路途中にあってピストンによって分室されたシリ
    ンダ手段の一方にスプレー剤を吸入させるとともに前記
    分室の他方にもスプレー剤タンクからスプレー剤を吸入
    させ、金型に対するスプレーノズルの噴霧ルート移動途
    中で前記シリンダ手段の押出し速度を変更調整しながら
    まずピストン分室の一方からスプレー剤の噴霧量をコン
    トロールして金型にスプレーし、引続きピストン分室の
    他方から前記ピストン分室とは反対方向に前記シリンダ
    手段の押出し速度を変更調整しながらスプレー剤の噴霧
    量をコントロールして金型にスプレーすることを特徴と
    する金型スプレー方法。
  2. 【請求項2】 スプレー剤タンクとスプレーノズル間の
    流通経路途中にあってピストンによって前方室と後方室
    とに分室された複数のシリンダ手段のうち、一方のシリ
    ンダ手段の分室のいずれかにスプレー剤を吸入させる際
    には、前記シリンダ手段と対向する他方のシリンダ手段
    の分室からスプレー剤を排出させるとともに、金型に対
    するスプレーノズルの噴霧ルート移動途中で前記シリン
    ダ手段の押出し速度を変更調整しながら、まず一方のシ
    リンダ手段のピストン分室の一方からスプレー剤の噴霧
    量をコントロールしながら金型にスプレーし、スプレー
    完了後他方のシリンダ手段の対向するピストン分室から
    押出し速度を変更調整しながら、スプレー剤の噴霧量を
    コントロールして金型にスプレーすることを特徴とする
    金型スプレー方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106111418A (zh) * 2016-08-17 2016-11-16 浙江亚恩材料工程技术有限公司 喷涂设备载体

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CN106111418A (zh) * 2016-08-17 2016-11-16 浙江亚恩材料工程技术有限公司 喷涂设备载体

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