JP2001062313A - フッ素化乳化剤の溶出法 - Google Patents

フッ素化乳化剤の溶出法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】アニオン交換樹脂に結合したフッ素化乳化剤を
溶出する方法の提供。 【解決手段】 該樹脂を a)水、 b)式 M−X [式中、Mがアルカリ金属イオンまたはアルキル基中の
炭素原子数1〜4のアルキルアンモニウム−イオンであ
りそしてXは水酸基、フッ化物または塩化物である]で
表される化合物および c)他の成分a)およびb)を完全に溶解しそしてアニ
オン交換樹脂から乳化剤を溶出するのに十分な量のアニ
オンX- を提供する少なくとも1種類の有機溶剤より成
る混合物と接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアニオン交換樹脂からフ
ッ素化乳化剤を溶出する方法、この方法を実施するため
の相応する混合物およびその溶出液を後処理することに
関する。
【0002】
【発明の構成】特に本発明は、アニオン交換樹脂に結合
したフッ素化乳化剤を溶出する方法において、該樹脂を
実質的に a)水、 b)式 M−X [式中、Mがアルカリ金属イオンまたはアルキルアンモ
ニウムイオンでありそしてXは水酸基、フッ化物または
塩化物である]で表される化合物および c)他の成分a)およびb)を完全に溶解しそしてアニ
オン交換樹脂から乳化剤を溶出するのに十分な量のアニ
オンX- を提供する少なくとも1種類の有機溶剤より成
る混合物と接触させることを特徴とする、上記方法に関
する。
【0003】溶出のための混合物は好ましくは実質的に a)15〜40重量%の水、 b)1〜10重量%の化合物M−Xおよび c)60〜70重量%の溶剤を含有する。
【0004】特に有利な混合物は実質的に a)18〜35重量%の水、 b)2〜8重量%の化合物M−Xおよび c)60〜70重量%の溶剤で組成されている。
【0005】個々にまたは混合物として使用できる有利
な溶剤は、炭素原子数1〜4のアルカノール、アセト
ン、アルキル基がメチルまたはエチルを意味するモノグ
リコールおよびジグリコールのモノ−およびジアルキル
エーテルである。特に有利な溶剤はメタノール、ジメチ
ルモノグリコールエーテルおよびジメチルジグリコール
エーテルである。
【0006】特に有利なカチオンM+ はリチウム、ナト
リウム、カリウム、テトラメチルアンモニウムおよびテ
トラエチルアンモニウムである。有利なアニオンX-
水酸基である。驚くべきことに特に有利な水溶液はアル
カリ金属水酸化物およびアンモニアのそれである。
【0007】溶出すべきフッ素化乳化剤は久しい以前か
ら知られており、テロゲンとしては作用しないので、特
にフッ素化オレフィンの重合で使用される。これらは、
アルキル基が部分的にまたは好ましくは完全にフッ素化
されておりそして一般に線状であるかまたは末端で分岐
している実質的にフッ素化されたアルカンカルボン酸お
よび−スルホン酸である。特に有利なのは以下でPFO
Aとも称する過フッ素化オクタン酸であり、ここではこ
の略語で他の通例のフッ素化乳化剤をも意味し得る。
【0008】アニオン交換樹脂を使用するPFOAの回
収法は久しい以前から公知であり、例えば米国特許第
3,882,153号明細書およびヨーロッパ特許
(B)第014,431号明細書に記載されている。排
水からPFOAを回収する特に有利な回収法は国際特許
出願公開(A)第99/62,858号明細書および同
第99/62,830号明細書に記載されている。
【0009】アニオン交換樹脂は水性系からPFOAを
除く際に非常に有効である。強塩基性アニオン交換樹脂
は特に排水および類似の溶液からPFOAを実質的に定
量的に除去する。実際には、存在するPFOAの95%
より多くがこの様にして回収できる。イオン交換樹脂の
全能力を利用できる。
【0010】しかしながらイオン交換樹脂にPFOAを
吸着する強度は溶出をより困難にする。例えば負荷した
強塩基性カチオン交換樹脂をアンモニア、水酸化ナトリ
ウムまたは塩化カリウムの1モル濃度水溶液で溶出する
場合には、たった0.1mmol/L程度の溶出液中P
FOA濃度が得られる。しかしながらかゝる相当な量の
廃水の後処理は経済的でない。
【0011】他方、弱塩基性アニオン交換樹脂は水性系
からPFOAを回収するのに効率が良くない。それ故に
これらの樹脂は過早に“拡散”破過(brakthrough) さ
れ、即ちPFOAは処理された水性系中に少量戻ってし
まう。それ故に大容量の排水からPFOAを約5ppm
以下(7.5×10-6mol/Lに相当する)の水準に
確実に減らすことは不可能である。この低い濃度は、P
FOAの生分解性が弱いので環境保護の理由から望まれ
ている。これは例えば限外濾過によって濃厚化する際に
使用される様に、特に非イオン系乳化剤を含有する排水
に利用される(ヨーロッパ特許(B)第632,009
号明細書)。
【0012】ヨーロッパ特許出願(B)第014,43
1明細書に開示された方法ではPFOAは水溶性溶剤、
例えばメタノールと少量の鉱酸、例えば硫酸または塩酸
との混合物を使用してアニオン交換樹脂から溶出され
る。この方法では、400mmol/LまでのPFOA
を含有する溶出液は89重量%のメタノール、4重量%
の硫酸および7重量%の水の混合物を使用して得られ
る。この溶出液を一般に二つの層に分けられ、下側層は
実質的にPFOAより成りそして上側層はほぼ溶出用混
合物に一致する。しかしながら大規模では、この層分離
は確実には生じない。これは溶出のための上側層の回収
が実際には不可能であることを意味する(それ故に例え
ば連続的方法を更に困難とする)。イオン交換樹脂の再
生には約5充填床(bed)容量の溶出液混合物が必要
である。これは火災の原因となり得る実質的に約5〜1
0m3 の溶出液混合物を意味する。
【0013】対照的に、これらの欠点のない上述の混合
物が本発明に従って使用される。更に、本発明の方法は
溶出液の簡単で効果的な後処理を可能とする。即ち、最
初に揮発性成分が実質的に含まれなくなるまで溶出液を
水蒸気蒸留に付し、そしてその後に水蒸気蒸留残留物中
の乳化剤の酸を十分に強い酸を使用して遊離させる。遊
離された乳化剤酸を次いで有利には留去し、そして乳化
剤酸がフッ素化オレフィンの重合の際にアンモニウム塩
の状態で一般に使用されるので、便宜的にアンモニア水
溶液中に集める。
【0014】それ故に本発明は、フッ素化された乳化剤
の大規模な溶出を確実に制御できる経済的な方法および
それを重合で使用するための要求を満足する程の純度で
回収することに関する。
【0015】本発明を以下の実施例によって更に詳細に
説明する。
【0016】
【実施例】実施例:以下の溶出液混合物の溶出力は、溶
出混合物の最初の充填床容量分がイオン交換塔を通った
後で、溶出液中のPFOA濃度を測定することによって
測る。この塔は30cmの長さおよび6.5cmの直径
を有しそして400mLの市販のアニオン交換樹脂 R)
AMBERLITE 402(高塩基性)が充填されて
いる。この樹脂を、通り抜けるまでペルフルオロオクタ
ナート(APFOA)溶液(3M社の製品:登録商標F
C143)を導入しそして2Lの脱イオン水で洗浄す
る。
【0017】600mLの溶出液混合物を塔に流した後
にサンプルを採取し、PFOAの含有量を内部標準を使
用してガスクロマトグラフにより分析しながらのメチル
エステルに転化することによって分析する。検出限界は
ここでは5ppmである。
【0018】以下の実施例においてPFOAの含有量は
ppmで示す。溶出速度は200mL/時である。
【0019】溶出混合物の組成は重量%で示す。使用し
た溶出混合物のいずれも混和性に不足があるものはな
い。他に指摘がない限り、溶出は室温で実施した。
【0020】比較例(室温):PFOAを水溶液で溶出
する。 実施例1〜3:水性/有機性溶液で溶出する。
【0021】30,000ppmより多いAPFOA溶
出濃度は工業的に許容できると見なされている。
【0022】 *) OS2= 第二有機溶剤 ME = ジメチルモノグリコールエーテル、 DE = ジメチルジグリコールエーテル、 Ac = アセトン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴエルナー・シユヴエルトフエーゲル ドイツ連邦共和国、84503アルトエッテイ ング、オーベレル・グラースヴエーク、16 ツエー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン交換樹脂に結合したフッ素化乳
    化剤を溶出する方法において、該樹脂を a)水、 b)式 M−X [式中、Mがアルカリ金属イオンまたは炭素原子数1〜
    4のアルキル基を持つアルキルアンモニウムイオンであ
    りそしてXは水酸基、フッ化物または塩化物である]で
    表される化合物および c)他の成分a)およびb)を完全に溶解しそしてアニ
    オン交換樹脂から乳化剤を溶出するのに十分な量のアニ
    オンX- を提供する少なくとも1種類の有機溶剤よりな
    る混合物と接触させることを特徴とする、上記方法。
  2. 【請求項2】 混合物が実質的に a)15〜40重量%の水、 b)1〜10重量%の化合物M−Xおよび c)60〜70重量%の溶剤で組成されている請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 混合物の組成が次の通りである請求項2
    に記載の方法。 a)18〜35重量%の水、 b)2〜8重量%の化合物M−Xおよび c)60〜70重量%の溶剤。
  4. 【請求項4】 溶剤が炭素原子数1〜4のアルカノー
    ル、アセトン、そのアルキル基がメチルまたはエチルで
    あるモノグリコールおよびジグリコールのモノ−および
    ジジアルキルエーテルより成る群から選択される請求項
    1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 溶剤がメタノールおよび/またはジメチ
    ルモノグリコールエーテルまたはジメチルジグリコール
    エーテルである請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 化合物M−XのMがリチウム、ナトリウ
    ム、カリウム、テトラメチルアンモニウムまたはテトラ
    エチルアンモニウムでありそしてXが水酸基である請求
    項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 成分b)がアルカリ金属水酸化物アンモ
    ニア溶液である請求項1〜6のいずれか一つに記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載した様に得られる溶出液
    を後処理する方法において、 a)該溶出液を揮発性成分が実質的に含まれなくなるま
    で水蒸気蒸留に付し、そして b)水蒸気蒸留残留液中の乳化剤を十分に強い酸を使用
    して遊離酸として除くことを特徴とする、上記方法。
  9. 【請求項9】 乳化剤を遊離酸の状態で留去させそして
    アンモニア水溶液中でアンモニウム塩として回収する請
    求項8に記載の方法。
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