JP2017516843A - 分枝状フッ素化乳化剤の回収 - Google Patents

分枝状フッ素化乳化剤の回収 Download PDF

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Abstract

分枝状のエーテル含有フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収するための方法であって、(1)陰イオン交換樹脂を回収流体と接触させて、溶出液を形成することであって、この回収流体は、アンモニウム塩、水、及び水混和性溶媒を含み、ここで、フッ素化乳化剤は、式、[Rf−(O−R’f)n−O−CF(CF3)−C(O)O−]iM+iである、接触させることと、(2)陰イオン交換樹脂を溶出液から分離することと、によって行われる、方法が、本明細書に記載される。

Description

本発明は、陰イオン性分枝状フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収することに関する。
一態様によると、フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収することを含む方法であって、陰イオン交換樹脂を回収流体と接触させて、溶出液を形成することであって、この回収流体は、アンモニウム塩、水、及び水混和性溶媒を含み、ここで、フッ素化乳化剤は、式、
[Rf−(O−R’f)−O−CF(CF)−C(O)O+iである、
(式中、Rfは、1〜5個の炭素原子を含むフッ素化アルキル基であり、R’fは、1〜5個の炭素原子を含む二価フッ素化基であり、nは、0、1、2、又は3であり、M+iは、価数iを有する陽イオンを表し、iが1、2、又は3である)、ことと、
陰イオン交換樹脂を溶出液から分離することと、を含む、方法が提供される。
本発明による方法は、次の利点のうちの1つ以上を提供し得る。例えば、本方法は、分枝状フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収することを可能にするように設計され得る。分枝状フッ素化乳化剤は、後続の重合プロセスにおいて再利用するために、その本来の形態へと戻して再生され得る。また、フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収するために使用される回収流体は、簡便かつ費用効率的に製造され得る。更に、本方法は、好都合かつ容易な様式で実行することができる。更に、本方法は、一般に、大量の回収流体を必要とせず、揮発性の高いフッ素化化合物(例えば、エステル)の形成を回避する。
上記要約は、各実施形態を説明することを意図するものではない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の発明を実施するための形態でも記載する。他の特徴、目的、及び利点は、発明を実施するための形態及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
本明細書で使用されるとき、用語
「a」、「an」、及び「the」は、互換的に使用され、1つ以上を意味し、また
「及び/又は」は、記載される事例の一方又は両方が起こり得ることを示すために使用され、例えば、A及び/又はBは、(A及びB)と(A又はB)とを含む。
また本明細書においては、端点によって表わされている範囲には、その範囲内に含まれている全ての数値が含まれている(例えば、1〜10の範囲には、1.4、1.9、2.33、5.75、9.98等が含まれる)。
また本明細書においては、「少なくとも1」の詳細説明には、1以上の全ての数値(例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100等)が含まれている。
2006年に、米国環境保護庁は、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)の工場排出量及び生成物中含有量並びに関連する化学物質を地球規模で2010年までに95%低減させ、PFOAの排出量及び生成物中含有量並びに関連する化学物質を2015年までに廃絶することを目的とした、PFOA Stewardship Programを開始した。この時点では、PFOAは、フルオロポリマーの水性重合に使用される標準的な乳化剤であった。
その費用に起因し、また環境への望ましくない放出を避けるため、PFOAは、フルオロポリマーの製造時に生成される分散液及び廃棄物流(廃水及び排気ガス)から除去されていた。
米国特許第7,754,914号(Fuhrerら)は、(全)フッ素化脂肪酸乳化剤又はそれらの塩を、イオン交換樹脂等の吸着剤粒子から回収することを開示している。この特許では、フッ素化乳化剤を含む吸着剤粒子を、アルコール並びに任意追加的に酸及び水を含む、回収流体と混合する。混合物を加熱して、(全)フッ素化脂肪酸乳化剤のエステル化を起こさせる。次いで、混合物を蒸留して、エステル化されたフッ素化乳化剤を分離及び収集し、これを次いで、エステル誘導体の加水分解によって変換させて、対応するフッ素化酸乳化剤(又はその塩)に戻す。このプロセスにより、揮発性の高いAPFOエステルが形成されるが、PFOAの回収には有効性が高いことがわかった。
PFOAは、フルオロポリマーの重合において、エーテル含有フッ素化カルボン酸又はそれらの塩といったより環境に優しいフッ素化乳化剤で置き換えられている。これらの新しい乳化剤のエステル化及び蒸留は、米国特許公開第2007/0025902号(Hintzerら)に記載されており、この特許公開は、CFO(CFO−CHF−CFCOONHに関して、約88%という陰イオン交換樹脂からの回収効率を示した。回収された乳化剤は、エステル誘導体から酸の形態に戻して再生され、後続の重合に使用することができる。以下の比較例1及び2を参照されたい。
上述のフッ素化乳化剤のエステル化プロセスにより、イオン交換樹脂からフッ素化乳化剤を除去する一方で、同時にフッ素化乳化剤を再利用のために精製することが可能となる。更に、この回収、再生、及び精製は、効率的な様式において最小限の方法ステップで行うことができる。
しかしながら、このエステル化手法(換言すると、遊離酸フッ素化乳化剤をアルコールの存在下で加熱して、エステルを形成する)と続いての蒸留を、エーテル結合及び分枝状の基を含むフッ素化乳化剤に適用する場合、フッ素化乳化剤の回収は、不十分である。例えば、メチルエステル誘導体を蒸留によって分離するのに長時間かかる場合がある。また、分枝状フッ素化乳化剤のメチルエステル誘導体をアンモニアで処理した場合には結果としてアミドが形成されるため、フッ素化乳化剤のメチルエステル誘導体を、使用可能なNH塩(再利用のため)に変換することは困難である。以下の比較例3〜5を参照されたい。
アンモニウム塩、水、及び水混和性溶媒を含む回収流体を利用する方法を使用して、アミド誘導体を形成せずに、分枝及び少なくとも1つのエーテル結合を含むフッ素化乳化剤の十分な回収を提供することができることが発見された。以下の実施例1を参照されたい。任意追加的に、回収されたフッ素化乳化剤を次いで、再利用のためにその本来の形態に戻して再生してもよい。本発明の更なる詳細が以下に説明される。
フッ素化乳化剤を含む水性組成物を、陰イオン交換樹脂と接触させ、この樹脂がフッ素化乳化剤を保持する。そのような水性組成物は、例えば、フッ素化乳化剤を含有するフルオロポリマー生成の廃棄物流又はフルオロポリマー分散液であり得る。本開示は、このフッ素化乳化剤、具体的には、少なくとも1つのエーテル結合を含む分枝状フッ素化乳化剤を、陰イオン交換樹脂から回収することを対象とする。アンモニウム塩、水、及び水混和性溶媒を含む再生液を使用して、分枝状フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収する。
分枝状フッ素化乳化剤
本開示は、少なくとも1つのエーテル結合を含む、式
[Rf−(O−R’f)−O−CF(CF)−C(O)O+iのフッ素化乳化剤(本明細書で以降「分枝状フッ素化乳化剤」と称される)を対象とする
(式中、Rfは、1〜5個の炭素原子を含むフッ素化アルキル基であり、R’fは、1〜5個の炭素原子を含む二価フッ素化基であり、nは、0、1、2、又は3であり、M+iは、価数iを有する陽イオンを表し、iが1、2、又は3である)。
Rfは、1、2、3、4、又は5個の炭素原子を含む一価フッ素化アルキル基である。Rfは、部分的にフッ素化されてもよく、又は完全にフッ素化されてもよく、任意追加的に1つ以上のハロゲン(例えば、Cl又はBr)を含む。例示的なRf基には、−CF、−CFCF、−CFCFCF、−CFCFCHF、−CFCFCFCl、及び−CFCFCFBrが挙げられる。
R’fは、1、2、3、4、又は5個の炭素原子を含む二価フッ素化基であり、R’fは、直鎖状又は分枝状であってもよい。R’fは、部分的にフッ素化されてもよく、又は完全にフッ素化されてもよく、任意追加的に1つ以上のハロゲン(例えば、Cl又はBr)を含む。例示的なR’f基には、−CF−、−CFCF−、−CFCF(CF)−、及び−CF−CF−CF−、−CF−CHF−CF−、−CF−CF−CF−CF−、及びCF−CF(CF)−CF−が挙げられる。
+iは、価数iを有するカチオンを表す。Mは、H、アルカリ金属(例えば、Na、Ca等)、アンモニウム(NH)、及びNRを表し、各Rは、独立して、水素及びC1−C5アルキル基から選択される。
本開示の分枝状フッ素化乳化剤は、少なくとも1つのエーテル結合(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は更には少なくとも4つのエーテル結合)、並びに少なくとも1つの分枝状の基(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は更には少なくとも4つの分枝状の基)を含む。一実施形態において、分枝状フッ素化乳化剤は、炭素−ハロゲン結合を含まず、完全にフッ素化される。
一般に、本開示の分枝状フッ素化乳化剤は、低分子量化合物、例えば、化合物の陰イオン性部分に関して、800g/mol以下、700g/mol以下、600g/mol以下、又は更には500g/mol以下の分子量を有する化合物であり得る。
本開示の例示的な分枝状フッ素化乳化剤としては、CF−CF−CF−O−CF(CF)−C(O)−OH、C−(O−CF−CF(CF))−O−CF(CF)−C(O)OH、C−(O−CF−CF(CF))−O−CF(CF)−C(O)OH、C−(O−CF−CF(CF))−O−CF(CF)−C(O)OH、CF−(O−CF(CF)CF)−O−CF(CF)−C(O)OH、CF−O−(CF−O−CF(CF)−C(O)OH、CF−O−(CF−O−CF(CF)−C(O)OH、及びそれらの対応する塩が挙げられる。
陰イオン交換樹脂
本発明の方法を使用して、様々な分枝状フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収することができる。
フッ素化乳化剤を吸着するために使用することができる陰イオン交換樹脂の例としては、強塩基性、中塩基性、並びに弱塩基性の陰イオン交換樹脂が挙げられる。強塩基性、中塩基性、及び弱塩基性の陰イオン交換樹脂という用語は、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」、John Wiley & Sons,1985,Volume 8,page 347及び「Kirk−Othmer」、John Wiley & Sons,3rd edition,Volume 13,page 687に定義されている。陰イオン交換官能基として、強塩基性陰イオン交換樹脂は、典型的には、四級アンモニウム基を含有し、中強樹脂は通常、三級アミン基を有し、弱塩基性樹脂は通常、二級アミンを有する。市販されている陰イオン交換樹脂の例としては、商標表記「AMBERLITE IRA−402」、「AMBERJET 4200」、「AMBERLITE IRA−67」、及び「AMBERLITE IRA−92」(全てDow Chemical Co.,Midland,MIから入手可能)、商標表記「PUROLITE A845」(Purolite GmbH,Ratingen,Germanyから入手可能)、並びに商標表記「LEWATIT MP−500」(Bayer AG,Leverkusen,Germanyから入手可能)で入手可能なものが挙げられる。
陰イオン交換樹脂は、粒子サイズに単峰性(unimodial)又は多峰性(例えば、二峰性若しくは三峰性)の分布を有し得る。
回収流体
本開示において、アンモニウム塩、水、及び水混和性溶媒を含む回収流体を使用して、分枝状フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収する。
本開示に関連して使用するためのアンモニウム塩には、有機塩並びに無機塩が含まれる。一般に、アンモニウム塩は、無機アンモニウム塩であろう。代替的な実施形態において、アンモニウム塩は、有機アンモニウム塩、特に、塩の陰イオンが有機、例えばカルボン酸陰イオン等であるものであり得る。
本発明の特定の実施形態によると、アンモニウム塩は、一般式、
(NRXに対応するものである
(式中、Rは、独立して、H、又は1〜5個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、nは、1、2、又は3であり、Xは、F、Cl、Br、I、又は陰イオン性有機残基から選択される)。無機陰イオンの具体的な例としては、ハロゲン又はハロゲン含有の無機陰イオン、例えば、F、Cl、Br、I、ClO 、リン酸イオン、硫酸イオン、スルホン酸イオン、並びにHCO 、及びCO 2−、及びOOC−COOを含む炭酸イオンが挙げられる。陰イオン性有機残基の例としては、特に、カルボン酸陰イオン、例えば、HCOO及びCHCOOが挙げられる。
分枝状フッ素化乳化剤を回収するために使用される回収流体中の適切なアンモニウム塩の量は、日常的な実験を通じて当業者により容易に決定することができる。この量は、通常、陰イオン交換樹脂の性質及び陰イオン交換樹脂に吸着される分枝状フッ素化乳化剤の量、並びに/又は所望される回収率に依存するであろう。好適なアンモニウム塩の量は、通常、少なくとも0.1重量%である。具体的な実施形態によると、アンモニウム塩の量は、交換樹脂の溶出に使用される回収流体の総重量に基づいて0.2〜5重量%である。別の実施形態では、1〜3重量%の量のアンモニウム塩が使用される。列挙したアンモニウム塩の量は、単に指針として機能するものであり、述べられた範囲外の量のアンモニウム塩の使用を除外することを意図するものではない。特定の状況では、例えば、0.1重量%未満又は5重量%を超える量のアンモニウム塩が好適である場合もある。
回収流体は水を含む。一実施形態において、水は、例えば、最大45重量%の量で、例えば、0.1〜40重量%の量、又は1〜15重量%の量、又は4〜10重量%の量で使用され得る。
回収流体はまた、水混和性溶媒も含む。「水混和性溶媒」とは、一般に、水中で少なくとも5重量%、例えば、少なくとも10重量%又は少なくとも20重量%の溶解度を有する有機溶媒を意味する。好適な水混和性溶媒は、典型的に、例えば、アルコール、ケトン、エーテル、及びこれらの混合物を含む、極性溶媒である。溶媒の具体的な例としては、例えばメタノール、エタノール、及びプロパノールといった1〜5個の炭素原子を有する低級脂肪族アルコール;グリコール、モノアルキルエーテル及びジアルキルエーテル、又はモノグリコール及びジグリコール(アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する);並びにアセトン及びメチルエチルケトン等のケトンが挙げられる。
水混和性溶媒の量は、広範囲で異なり得るが、通常、アンモニウム塩を溶解させるのに十分な量であるべきである。ある実施形態によると、水混和性有機溶媒の量は、回収流体の総重量に基づいて、少なくとも50重量%である。例示的な範囲は、50〜99重量%、又は60〜90重量%、又は90〜98重量%である。
回収流体は、分枝状フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収するのを補助し得る更なる成分を含有してもよい。例えば、塩基を用いて、回収流体のpHを調節してもよい。一実施形態において、分枝状フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収するのに使用される回収流体のpHは、5、6、7、又は更には8を超える、好ましくは6又は7を超えるpHである。回収流体のpHが6を超える場合、分枝状フッ素化乳化剤のエステル化が生じることはないと考えられる。使用され得る好適な塩基は、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等である。使用され得る他の塩基には、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アルミニウム、又はアルコラート、例えばナトリウムメチラート等が挙げられる。存在する場合、回収流体に含まれる塩基の量は、通常、最大で約5重量%である。例示的な範囲は、総重量に基づいて、0.1〜5重量%又は0.5〜2重量%である。
一実施形態において、回収流体は、強酸(例えば、硫酸、硝酸等)を実質的に含まない。
方法
分枝状フッ素化乳化剤が負荷された陰イオン交換樹脂は、上述の回収流体を負荷陰イオン交換樹脂と接触させることによって、回収流体により溶出され得る。典型的には、乳化剤の回収は、回収流体を、カラムに保持されている負荷陰イオン交換樹脂の上にポンプで送ることによって行われる。カラムを出ると、溶出液は、分枝状フッ素化乳化剤又はその誘導体を含有することになる。分枝状フッ素化乳化剤又はその誘導体は、次いで、液相(例えば、水/有機溶媒)の蒸留、抽出、又は蒸発といった好適な分離方法によってこの溶出液から回収され得る。あるいは、陰イオン交換樹脂を、負荷陰イオン交換樹脂を回収流体と共に穏やかに撹拌することによって、回収流体で処理し、続いて陰イオン交換樹脂を溶出液(すなわち、分枝状フッ素化乳化剤又はその誘導体を含む回収流体)から、例えば濾過によって、分離してもよい。
分枝状フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収するのに必要な回収流体の量は、陰イオン交換樹脂に吸着される分枝状フッ素化乳化剤の量及び性質、並びに回収流体の組成に依存する。通常、塩化アンモニウムをアンモニウム塩として含む回収流体が、非常に有効であることがわかっている。
陰イオン交換樹脂からの分枝状フッ素化乳化剤の除去は、典型的に、室温、例えば、15〜30℃の温度で実施される。しかしながら、本方法はまた、より高温で、例えば20〜80℃の温度で行われてもよい。分枝状フッ素化乳化剤の回収は、そのような高温では幾分効率がよりよいが、高温での回収は、回収費用を増加させ得る。通常、負荷陰イオン交換樹脂をまず水で洗浄した後、水/有機溶媒混合物で洗浄し、任意追加的に最後に純粋な有機溶媒で洗浄して、可能性のある混入物質を除去することによって、樹脂の状態を調節することも望ましいであろう。本開示の方法の実施に必要ではないが、そのような状態調節により、溶出の際に陰イオン交換樹脂を損傷することを防ぐことができる。
上述のように、回収流体中に含有される分枝状フッ素化乳化剤は、適切な分離方法を使用して回収流体から分離することができる。回収した分枝状フッ素化乳化剤が誘導体形態である場合、後で再利用するために、乳化剤を更に処理して、その本来の形態に戻して変換及び/又は精製することができる。
具体的な実施形態において、分枝状フッ素化乳化剤が、その遊離酸形態では蒸気揮発性であるものである場合、分枝状フッ素化乳化剤をその遊離酸形態にするために回収流体を酸性化し、続いて、回収流体を蒸留して、分枝状フッ素化乳化剤をその遊離酸形態で回収することによって、溶出液から容易に分離することができる。
一実施形態において、分枝状フッ素化乳化剤の酸形態は、好ましくは減圧下において、標準的な蒸留によって精製することができる。
所望される場合、回収された分枝状フッ素化乳化剤は、好適な塩に変換してもよい。例えば、蒸留した分枝状フッ素化乳化剤をアンモニア溶液中に収集することによって、分枝状フッ素化乳化剤のアンモニウム塩を得ることができる。分枝状フッ素化乳化剤をその遊離酸形態に変換する前に、使用される有機溶媒(複数可)を溶出液から除去することが望ましい場合がある。したがって、有機溶媒及び水が、まず、蒸留によって除去され得、続いて残りの混合物を酸性化して、分枝状フッ素化乳化剤をその遊離酸形態に変換させた後、分枝状フッ素化乳化剤の蒸留を行ってもよい。
フルオロポリマーの製造におけるフルオロエーテル含有カルボン酸及びその塩の低減を対象とする米国特許公開第2009/281261号(Brothersら)は、分枝状フルオロエーテルカルボン酸及びその塩において低温で脱炭酸が起こることを認識している。理論に制限されることを望むものではないが、少なくとも1つのエーテル結合を含む分枝状フッ素化乳化剤は、直鎖状の対応物よりも脱炭酸がより生じやすいだけでなく、より水に溶けやすいと考えられている。したがって、蒸留プロセスは、分枝状フッ素化乳化剤ではそれほど有効ではなく、結果として、脱炭酸を回避するために減圧が適用される。
一実施形態において、分枝状フッ素化乳化剤は、米国特許第5,312,935号(Mayerら)に記載の酸化プロセスを用いて、酸形態へと精製することができる。この特許は、乳化剤、例えば、ペルフルオロオクタン酸のナトリウム塩を高温(60℃〜混合物の沸点)において酸性水溶液中で酸化剤(例えば、APS)で処理することについて記載している。
本開示では、分枝状フッ素化乳化剤が廃棄物流又は分散液から除去されるだけでなく、回収された分枝状フッ素化乳化剤は、任意追加的に、再利用のために再生及び/又は精製することができる。回収された分枝状フッ素化乳化剤は、フッ素化モノマーの水性エマルション重合の既知の手順に従って、1つ以上のフッ素化モノマーの水性エマルション重合に使用することができる。回収された分枝状フッ素化乳化剤を使用してエマルション重合することができるフッ素化モノマーの例としては、部分的及び完全にフッ素化したガス状モノマーを含むガス状フッ素化モノマー、例えば、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ素化ビニルエーテル、及び特には全フッ素化ビニルエーテル、例えばペルフルオロメチルビニルエーテル等を含む、フッ素化オレフィンが挙げられる。フッ素化モノマーは、更なるモノマーと共重合してもよく、これらの更なるモノマーは、例えば、エチレン及びプロピレン等のオレフィン等、フッ素化されていない場合がある。
本開示の例示的な実施形態は以下に記載される。
実施形態1.フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収するための方法であって、
該陰イオン交換樹脂を回収流体と接触させて、溶出液を形成することであって、該回収流体は、アンモニウム塩、水、及び水混和性溶媒を含み、該フッ素化乳化剤は、式、
[Rf−(O−R’f)−O−CF(CF)−C(O)O+iである、
(式中、Rfは、1〜5個の炭素原子を含むフッ素化アルキル基であり、R’fは、1〜5個の炭素原子を含む二価フッ素化基であり、nは、0、1、2、又は3であり、M+iは、価数iを有する陽イオンを表し、iが1、2、又は3である)、ことと、
該陰イオン交換樹脂を該溶出液から分離することと、を含む、方法。
実施形態2.該フッ素化乳化剤が、(i)n=0及びRf=CF(CF−、並びに(ii)n=1及びRf=CF−及びR’f=−CF(CF)CF−、のうちの少なくとも1つから選択される、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.該アンモニウム塩が、式、
(NRXである、
(式中、各Rは、独立して、H、及び1〜5個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、nは、1又は2であり、Xは、F、Cl、Br、I、及び陰イオン性有機残基から選択される)、実施形態1〜2のいずれか1つに記載の方法。
実施形態4.該水混和性溶媒が、1〜5個の炭素原子を有する脂肪族アルコールである、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5.該回収流体が、強酸を実質的に含まない、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6.該回収流体が、6を超えるpHを有する、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7.該アンモニウム塩の量が、該回収流体の総重量に対して0.2〜5重量%である、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8.該接触が、20〜80℃の温度で行われる、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9.該回収流体の総重量に対する該水混和性溶媒の重量%が、50重量%〜99重量%である、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10.該水及び水混和性溶媒を該溶出液から除去して、濃縮物を得ることを更に含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11.該溶出液又は該濃縮物を酸性化して、該フッ素化乳化剤の遊離酸形態を生成することを更に含む、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12.溶出液、濃縮物、及び/又は該フッ素化乳化剤の遊離酸形態を蒸留することを更に含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13.該フッ素化乳化剤をその本来の形態に戻して再生することを更に含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の方法。
本開示の利点及び実施形態を以降の実施例によって更に例示するが、これらの実施例において列挙される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に制限するものと解釈されるべきではない。これらの実施例では、全ての百分率、割合、及び比率は、特に断らない限り重量を基準とする。
全ての材料は、別途示されるか明らかでない限り、例えば、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)から市販されているか、又は当業者に既知である。
これらの略号が、以下の実施例で使用される:g=グラム、kg=キログラム、min=分、mol=モル;cm=センチメートル、hr=時間;mm=ミリメートル、ml=ミリリットル;L=リットル;mbar=ミリバール;及びwt=重量。
材料
陰イオン交換樹脂:Dow Chemical Co.(Midland,MI)から商標表記「AMBERJET 4200 OH」で入手可能な四級アミン官能基(N(CH)を含む強塩基性イオン交換樹脂。
乳化剤1:Anles(St.Petersburg,Russia)から入手可能なCF−CF−CF−O−CF(CF)−C(O)−O
乳化剤2:米国特許公開第2007/0025902号に記載の化合物11の調製に記載されるように合成することができる、CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−C(O)−ONH
比較例1
60重量%のメタノール、20重量%の水、及び20重量%の硫酸(濃縮)を含む回収流体を調製した。
300mlの陰イオン交換樹脂を、ローラで24時間、1Lのフラスコにおいて55gの乳化剤2を含有する水溶液と混合した。次いで、負荷樹脂をカラムに移し(イオン交換カラムを形成する)、3Lの脱イオン水で洗浄した。
600mLの回収流体(上述)を、約1.5L/時間の流量で5時間カラムに循環させた。回収流体を、供給槽の上部からカラムを通して供給槽へとポンプで戻した(流れの方向はカラムの上から下)。溶出は室温で行った。回収ステップ中に、対応するメチルエステル(CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−C(O)−O−CH)の形成に起因して、槽で相分離が生じた。対応するメチルエステルから本質的になる下相を分離した。
樹脂を1.8Lのメタノール/水(90:10重量%)溶液で洗浄した後、1.2Lの脱イオン水で洗浄した。いずれの洗浄も300ml/時間の流量で行った。洗浄溶液及び槽の上相を16時間の期間にわたり静置させて、更なる相分離を達成した。下相を分離させ、上述のメチルエステル相に添加した。メタノール、水、硫酸、及び乳化剤の残渣メチルエステル誘導体を主に含む、槽に残っている上相を、大気圧下で精留(蒸留)した。精製したメタノールは、少量(10ppm未満)の乳化剤2のメチルエステル誘導体を含有しており、これを後続の再生プロセスに用いた。再生した陰イオン交換樹脂もまた、再利用可能であった。
収集した乳化剤2のメチルエステル誘導体の総量は、対応する乳化剤のメチルエステルで作成した較正曲線を使用して、GC(ガスクロマトグラフィー)によって判定した。乳化剤の全体的な回収効率を計算すると、約85.4%であった。
比較例2
60重量%のメタノール、20重量%の水、及び20重量%の硫酸(濃縮)を含む回収流体を調製した。
46.8gの乳化剤2が負荷された300mlの陰イオン交換樹脂(負荷度=樹脂1ml当たり0.16g)を、機械的攪拌器、温度計、凝縮器、セパレータ、及び加熱ジャケットを備えるフラスコからなる蒸留装置に移した。
回収流体(600ml)をフラスコに添加した。混合物を還流させ、凝縮された蒸気が2つの液相に分離した。下相は除去したが、上相は蒸留フラスコに戻した。下相の90%超が、蒸留の最初の5時間で分離した。蒸留は、下相の増加が観察されなくなったときに終了した(およそ8時間の蒸留時間)。留出液の全下相(43.8g)が、メチルエステル誘導体からなっていた(純度=96%)。対応する乳化剤のメチルエステルを用いて作成した較正曲線を使用して、下相をGCによって分析した。
陰イオン交換樹脂を、フラスコ中の残りの液体(上相)から(濾過又はデカンテーションにより)分離した。液体は、メタノール、水、硫酸、及び残渣メチルエステル誘導体からなっていた。この液体を大気圧下で蒸留した。精製したメタノールは、乳化剤2のメチルエステル誘導体をわずかに含有しており、後続の再生プロセスに使用した。再生したイオン交換樹脂もまた、再利用可能であった。
メチルエステル誘導体(CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−C(O)−O−CH、96%)からなる下相(43.8g)を、分留によって更なるステップにおいて精製した。41.5g(回収率=90%)のメチルエステル誘導体を、30mbar(3kPa)において沸点約60℃で収集した。メチルエステル誘導体を、60〜80℃でアンモニア水溶液により鹸化させて(100%の変換率)、乳化剤2を得、メタノールを蒸留により除去した。
結果として得られた乳化剤2の水溶液(CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−C(O)−ONH )を、テトラフルオロエチレン重合のための乳化剤として使用して、リサイクルプロセス後に「重合グレード」の生成物が示された。重合プロセスにおいて、未使用の乳化剤とリサイクルした乳化剤との間に偏差は観察されなかった。
比較例3
40重量%のメタノール、40重量%の水、及び20重量%の硫酸(濃縮)を含む回収流体を調製した。
55gの乳化剤1が負荷された300mlの陰イオン交換樹脂(負荷度=樹脂1ml当たり0.18g)を、温度計、凝縮器、セパレータ、機械的攪拌器、及び加熱ジャケットを備えるフラスコからなる蒸留装置に移した。
回収流体(600ml)をフラスコに添加した。混合物を還流条件下で加熱し、凝縮した蒸気が2つの液相に分離した。
メチルエステル誘導体(GCにより測定した純度=89%)からなる36.5gの下相は除去したが、上相は蒸留フラスコに戻した。蒸留は、下相の増加が観察されなくなったときに終了した(およそ24時間の蒸留時間)。
上相を含む蒸留フラスコを、83℃から100℃にゆっくりと加熱し、それによって、8時間にわたって240gのメタノールを蒸発させ、別個のフラスコ中に凝縮させた。対応する乳化剤のメチルエステルを用いて作成した較正曲線を使用して、凝縮したメタノール相をGCによって分析し、1.6gのメチルエステル誘導体を含有することがわかった。
合計すると、第1の蒸留からは乳化剤1のメチルエステル誘導体が36.5g(純度=89%)、凝縮メタノール相中には乳化剤1のメチルエステル誘導体が1.6gあることがわかった。これは、乳化剤の全体的な回収効率が約67%であることに相当する。
比較例4
60重量%のメタノール、20重量%の水、及び20重量%の硫酸(濃縮)を含む回収流体を調製した。
1つのベッドボリューム(BV)に相当する300mlの陰イオン交換樹脂を、ローラにおいて24時間、1Lのフラスコ中で24時間69.9gの乳化剤1と混合した。負荷樹脂を次いで、カラムに移し(イオン交換カラムを形成する)、1.5Lの脱イオン水で洗浄した。負荷度は樹脂1ml当たり0.2gの乳化剤であった。
回収流体(上述)を、5BV/時間の流量でカラムに循環させた。回収流体を、フラスコの上部からカラムを通してフラスコへとポンプで戻した(流れの方向はカラムの上から下)。この手順の間に、下相(乳化剤のメチルエステル誘導体6.8g、GCによる分析で純粋)がフラスコに形成された。
再生の後、樹脂を1.8l(=6BV)のメタノール−水(90:10重量%)の溶液で洗浄した後、1.2L(=4BV)の脱イオン水で洗浄した。洗浄はいずれも、1.5L/時間の流量で行い、これは、5BV/時間に相当する。
合計すると、乳化剤1のメチルエステル誘導体(CFCFCF−O−CF(CF)−C(O)−O−CH)49.9gが見出され、このうち6.8gが下相中にあり、43.1gは上相及び洗浄液から回収された(蒸留前に)。乳化剤の全体的な回収効率を計算すると、76%であった。
上記からの上相及び洗浄溶液を蒸留して、乳化剤のメチルエステル誘導体を単離した。蒸留は、温度計、凝縮器、カラム、機械的攪拌器、及び加熱ジャケットを有する1Lのフラスコにおいて行った。溶液を、100:1の還流比で33時間還流させた。蒸留は、蒸留残渣中の温度が118℃で終了した。結果として得られた単離された純粋なメチルエステル(42.3g)は、大気圧下で109℃の沸点を有する。
比較例5
乳化剤1のメチルエステル誘導体(CF−CF−CF−O−CF(CF)−C(O)−OCH)152g、451gの水、及び122gの25%アンモニア水溶液を、温度計、凝縮器、機械的攪拌器、及びサーモスタット(ヒータ)を備えるフラスコに置いた。混合物を1週間82℃で加熱した。結果として得られた生成物のGC分析は、CF−CF−CF−O−CF(CF)−C(O)−OCHの75%が、CF−CF−CF−O−CF(CF)−C(O)−ONHに変換され、25%がCF−CF−CF−O−CF(CF)−C(O)−ONH に変換されたことを示した。
実施例1:
2600gのメタノール(87.6重量%)、300gの水(10重量%)、及び70gの塩化アンモニウム(2.4重量%)を含む回収流体を調製した。
55.6gの乳化剤1が負荷された300mlの陰イオン交換樹脂(負荷度=樹脂1ml当たり0.18g)を、カラムに移した。
回収流体(上述)を、2〜3BV/時間(1ベッドボリュームは300mlに相当する)の流量でカラムを通してポンプで送った。回収流体を、カラムを通してポンプで送り、収集した(カラムを通る流れの方向は、上から下)。各ベッドボリューム後に、溶出液中の塩誘導体(CF−CF−CF−O−CF(CF)−C(O)−ONH )の量をGCによって判定した。結果を下記表1に示す。
Figure 2017516843
上の表1に示されるように、おおよそで最初の5ベッドボリュームの回収流体(約2時間)後に、ほぼ全ての量の乳化剤が回収される。
収集された溶出液(メタノール、水、及び残渣乳化剤を含む)を、(回転式蒸発器を用いて)蒸発させて、メタノール及び水を除去し、乳化剤1のアンモニウム塩が残った。
蒸発させた後、168mlの硫酸を残渣に添加し、相の分割が生じた。下相はペルフルオロプロポキシプロピオン酸(CF−CF−CF−O−CF(CF)−C(O)−OH、42.4g、HPLCで分析した純度:100%)を含んでいた。乳化剤の全体的な回収効率を計算すると、87%であった。
次いで、樹脂を、再利用のために、600ml/時間(約2BV/時間)の流量を用いて1500ml(=5BV)の脱イオン水で洗浄した。
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の予測可能な修正及び変更が当業者には自明であろう。本発明は、例示の目的のために本明細書に記載されている実施形態に限定されるべきではない。

Claims (10)

  1. フッ素化乳化剤を陰イオン交換樹脂から回収するための方法であって、
    前記陰イオン交換樹脂を回収流体と接触させて、溶出液を形成することであって、前記回収流体は、アンモニウム塩、水、及び水混和性溶媒を含み、前記フッ素化乳化剤は、式、
    [Rf−(O−R’f)−O−CF(CF)−C(O)O+iである、
    (式中、Rfは、1〜5個の炭素原子を含むフッ素化アルキル基であり、R’fは、1〜5個の炭素原子を含む二価フッ素化基であり、nは、0、1、2、又は3であり、M+iは、価数iを有する陽イオンを表し、iが1、2、又は3である)、ことと、
    前記陰イオン交換樹脂を前記溶出液から分離することと、を含む、方法。
  2. 前記フッ素化乳化剤が、(i)n=0及びRf=CF(CF−、並びに(ii)n=1及びRf=CF−及びR’f=−CF(CF)CF−、のうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アンモニウム塩が、式、
    (NRXである、
    (式中、各Rは、独立して、H及び1〜5個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、nは、1又は2であり、Xは、F、Cl、Br、I、及び陰イオン性有機残基から選択される)、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記水混和性溶媒が、1〜5個の炭素原子を有する脂肪族アルコールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記回収流体が、強酸を実質的に含まない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記回収流体が、6を超えるpHを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記アンモニウム塩の量が、前記回収流体の総重量に対して、0.2〜5重量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記接触が、20〜80℃の温度で行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記回収流体の総重量に対する前記水混和性溶媒の重量%が、50重量%〜99重量%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記水及び水混和性溶媒を前記溶出液から除去して、濃縮物を得ることと、
    前記濃縮物を酸性化して、前記フッ素化乳化剤の遊離酸形態を生成することと、
    前記フッ素化乳化剤の前記遊離酸形態を蒸留することと、を更に含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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