JP2001061325A - 自走草刈機 - Google Patents

自走草刈機

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JP2001061325A
JP2001061325A JP23695099A JP23695099A JP2001061325A JP 2001061325 A JP2001061325 A JP 2001061325A JP 23695099 A JP23695099 A JP 23695099A JP 23695099 A JP23695099 A JP 23695099A JP 2001061325 A JP2001061325 A JP 2001061325A
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JP
Japan
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self
cutter
side cutter
propelled mower
slope
Prior art date
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Application number
JP23695099A
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English (en)
Inventor
Akira Nagashima
彬 長島
Masaharu Kocha
正治 古茶
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Kioritz Corp
Original Assignee
Kioritz Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイドカッター部により、低畦及び高畦の両
方の法面の草刈りを合理的に効率良く行うことができ、
しかも、サイドカッター部の重量増、大型化を可及的に
抑えることができて、走行性、作業性を損なうことがな
いようにされた自走草刈機を提供する。 【解決手段】 前輪(2)、後輪(3)、メインカッタ
ー(11)、及び、原動機(8)を有する走行基体部
(10A)と、サイドカッター(12)、及び、該サイ
ドカッター(12)を覆うサイドシールドカバー(7
0)を有するとともに、前記走行基体部(10A)の左
右方向一側部に、前記原動機(8)からの動力を前記サ
イドカッター(12)に伝達するための動力伝達機構
(50)を持つ連結手段(60、80)を介して、上下
方向に傾動可能に、かつ、法面(N)に沿う方向に移動
可能に連結されたサイドカッター部(10S)と、を備
え、 前記連結手段は、前記動力伝達機構(50)を内
蔵するとともに、前記走行基体部(10A)に対して上
下方向に傾動可能でかつ法面(N)に沿う方向に展開可
能なリンク機構(60)を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メインカッターを
有する走行基体部の左右方向一側に、上下方向に傾動可
能にサイドカッター部が連結されてなる自走草刈機に関
する。
【0002】
【従来の技術】この種の自走草刈機の従来例を図9、図
10を参照しながら簡単に説明する。図示例の自走草刈
機1は、主として畦草刈りに使用するもので、畦の上面
に生えている草を刈り取るための短冊状のメインカッタ
ー11を有する走行基体部1Aの左右方向一側(左側)
に、斜面(法面)に生えている草を刈り取るための短冊
状のサイドカッター12を有するサイドカッター部1S
が、上下方向に傾動可能に連結されている。
【0003】前記走行基体部1Aは、前記メインカッタ
ー11の他、該メインカッター11の上方側、左右方向
一側(右側)、及び後方側を覆う、下面が開放されたス
カート状のメインシールドカバー6を備え、このメイン
シールドカバー6の前部側に、支持部材22を介して前
輪2が支持されるとともに、該前輪2の取付高さ位置調
節機構23及びフットガード16が設けられている。前
記メインシールドカバー6の上面側には、前記メインカ
ッター11及び前記サイドカッター12の回転駆動用兼
走行用の動力を発生する原動機(空冷4サイクルガソリ
ンエンジン)8が搭載保持され、また、前記メインシー
ルドカバー6の後部側には、後輪(駆動輪)3、該後輪
3に前記原動機8の動力を伝達するためのプロペラシャ
フトや変速機等からなる動力伝達機構9、基体フレーム
5、二股状の操作ハンドル13が設けられている。この
操作ハンドル13には、前記両カッター11、12への
動力伝達を断接するクラッチレバー14、前記原動機8
用のスロットルレバー19等の制御手段が設けられてい
る。
【0004】一方、前記サイドカッター部1Sは、前記
メインシールドカバー6の後部側に、後述する回転伝達
軸40に、その中心軸線Oを回動支点として上下方向に
傾動可能に連結されたケース状支持部材36を介して取
り付けられており、前記サイドカッター12の他、該サ
イドカッター12の上方側、左右方向一側(左側)、及
び後方側を覆う、下面が開放されたスカート状のサイド
シールドカバー7を備え、このサイドシールドカバー7
の前部側の左右方向一側部(左側部)に、支持部材24
を介してサイド車輪4が支持されるとともに、該サイド
車輪4の取付高さ位置調節機構25が設けられ、さらに
前方に突出してフットガード17が設けられている。
【0005】そして、前記原動機8の回転駆動力は、次
のようにして前記メインカッター11及び前記サイドカ
ッター12に伝達されるようになっている。すなわち、
前記原動機8の出力軸8aの回転が、プーリ26、ベル
ト28、及びプーリ27を介して、前記メインシールド
カバー6の左側部の前記回動軸線O上に配在されたメイ
ン中間軸21に伝達され、該メイン中間軸21から前記
メインカッター11の回転軸31に、プーリ32、ベル
ト34、及びプーリ33を介して伝達される。
【0006】また、前記メイン中間軸21から前記サイ
ドカッター12の回転軸52へは、順次、図示していな
い一対の傘歯車→前記回転伝達軸40→図示していない
一対の傘歯車→前記サイドシールドカバー7の右側部の
前記中心軸線O上に配在されたサイド中間軸51→プー
リ53→ベルト55→プーリ54を介して伝達される。
なお、前記両ベルト28、34には、それぞれ前記メイ
ンカッター11及前記サイドカッター12への動力断接
に供されるベルトテンションクラッチのテンションロー
ラ29、35が添設されている。
【0007】このような構成とされた自走草刈機1にお
いては、畦の草刈りを行う際には、前記走行基体部1A
を畦の上面に、前記サイドカッター部1Sを傾動させて
畦の法面に位置させ、前記メインカッター11及び前記
サイドカッター12を回転させながら前進走行させる。
これにより、畦の上面及び法面に生えている草が同時に
刈り取られる。このときの前記サイドカッター12によ
る刈幅(サイド刈幅)Lsは、前記サイドカッター12
の回転直径となり、一定である。
【0008】また、前記サイドカッター部1Sを前記走
行基体部1Aと同じ平面に位置させ、前記メインカッタ
ー11及び前記サイドカッター12を回転させながら前
進走行させることにより、平面の草刈りを幅広に行うこ
とができる。このときの平面の刈幅(全刈幅)Laは、
前記メインカッター11及び前記サイドカッター12の
回転直径の和からそれらの左右方向のオーバーラップ幅
を減じたものとなり、一定である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記した如くの従来の
自走草刈機1においては、前記サイドカッター部1Sに
よる前記サイド刈幅Lsは、単一のサイドカッター12
の回転直径のみに依存しているため、通常の畦(低畦)
には対応できても、段差の大きな高畦においては法面の
刈幅が不足する。
【0010】そこで、前記サイドカッター部1Sによる
サイド刈幅Lsを増大させるべく、前記サイドカッター
を複数枚設ける、大型のロータリーカッターを使用す
る、等の方策が考えられているが、かかる方策では、サ
イド刈幅Lsを多少は増大させることができるものの限
界があり、サイドカッター部の重量増、大型化が避けら
れず、サイドカッター部が位置する片側が重くなり過ぎ
る結果、走行性、作業性が損なわれる等の問題を生じ
る。
【0011】本発明は、前記した如くの従来の自走草刈
機に伴う問題を解消すべくなされたもので、その目的と
するところは、サイドカッター部により、低畦及び高畦
の両方の法面の草刈りを合理的に効率良く行うことがで
き、しかも、サイドカッター部の重量増、大型化を可及
的に抑えることができて、走行性、作業性を損なうこと
がないようにされた自走草刈機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべ
く、本発明に係る自走草刈機は、基本的には、前輪、後
輪、メインカッター、及び、原動機を有する走行基体部
と、サイドカッター、及び、該サイドカッターを覆うサ
イドシールドカバーを有するとともに、前記走行基体部
の左右方向一側部に、前記原動機からの動力を前記サイ
ドカッターに伝達するための動力伝達機構を持つ連結手
段を介して、上下方向に傾動可能に、かつ、法面に沿う
方向に移動可能に連結されたサイドカッター部と、を備
える。
【0013】そして、前記連結手段は、前記動力伝達機
構を内蔵するとともに、前記走行基体部に対して上下方
向に傾動可能でかつ法面に沿う方向に展開可能なリンク
機構を有していることを特徴としている。本発明の好ま
しい態様では、前記連結手段は、前記走行基体部の左右
方向一側部に上下方向に傾動可能でかつ左右方向に移動
可能に支持されたアーム部、及び、前記サイドカッター
部に連結固定された連結固定部を有する位置調節用アー
ムと、前記アーム部の長さ方向に沿う任意の部位を前記
走行基体部に固定する位置調節用固定手段と、からなる
位置設定機構を有する。
【0014】ここでは、前記動力伝達機構は、好ましく
は、同一諸元の複数対の傘歯車で構成される。また、好
ましい態様では、前記リンク機構、前記動力伝達機構、
及び、前記位置調節用アームは、共通の回動軸線を支点
として傾動せしめられる。他の好ましい態様では、前記
走行基体部に設けられた操作ハンドルが、水平面内で1
80°回転せしめられるようにされる。
【0015】また、好ましくは、前記サイドカッターの
下面側に球冠状のサイド接地部材が一体に取り付けられ
る。さらに、前記サイドシールドカバーの前後カバー部
は、好ましくは、その上端を揺動支点として前後方向に
揺動自在とされる。
【0016】このような構成とされた本発明に係る自走
草刈機の好ましい態様においては、高畦の法面の草刈り
を行う際には、まず、例えば、法面のうちの最も上方
(最上段)に位置する部位の草刈りを行うべく、前記サ
イドカッター部を前記走行基体部に最も接近した位置に
寄せる。この操作は、前記位置調節用アームのアーム部
を前記走行基体部の他側方に引いて前記位置調節用固定
手段により固定することにより行う。このとき、前記リ
ンク機構は、前記動力伝達機構を伴って、前記走行基体
部側に縮閉するように折り畳まれ、前記連結手段を構成
する前記リンク機構、前記動力伝達機構、及び前記位置
調節用アーム、並びに、前記サイドカッター部は、法面
の傾斜角度に応じて傾動せしめられて、前記サイド接地
部材は法面最上段に接地する。
【0017】かかる状態で、前記サイドカッターに前記
原動機の動力を前記動力伝達機構を介して伝達してそれ
を回転駆動するとともに、当該自走草刈機を高畦上面
(平面)を一端から他端に向けて直線走行させる。これ
により、法面最上段に生えている草が刈り取られる。な
お、このとき、メインカッターも同時に回転駆動せしめ
れば、高畦上面に生えている草も同時に刈り取られる。
また、前記のようにサイドカッター部を最も前記走行基
体部側に寄せた状態では、低畦の草刈りを行うことがで
きる。
【0018】そして、高畦の他端まで草が刈り取られた
後は、高畦の法面の下方(次段)に生えている草を刈り
取るべく、前記サイドカッター部を前記走行基体部か
ら、例えば、前記サイドカッターによるサイド刈幅分だ
け離間させる。この操作は、前記位置調節用アームのア
ーム部を前記走行基体部から一側方に前記サイド刈幅分
だけ突出させて前記位置調節用固定手段で固定すること
により行う。このとき、前記リンク機構は、前記動力伝
達機構を伴って、法面に沿う方向に展開せしめられ、前
記サイドカッター部は、前記サイド接地部材に支持され
つつ法面最上段から次段に滑るようにして移動せしめら
れる。なお、前記リンク機構を展開しても、前記動力伝
達機構は複数対の傘歯車で構成されているので、動力伝
達には何の支障も生じない。
【0019】次いで、前記メインカッターは止めて、前
記操作ハンドルを水平面内で180°回転させ、当該自
走草刈機を前回とは逆方向(高畦上面の他端から一端側
へ)に走行させる。これにより、法面の次段に生えてい
る草が刈り取られる。以後も同様に、前記サイドカッタ
ー部を前記走行基体部から、例えば、前記サイドカッタ
ーによるサイド刈幅分だけ離間させるとともに、前記操
作ハンドルを水平面内で180°回転させて、当該自走
草刈機を前回とは逆方向に走行させ、法面に生えている
草をサイド刈幅分ずつ(最下段はサイド刈幅以下とな
る)順次刈り取るようにする。
【0020】このように、本発明に係る自走草刈機にお
いては、サイドカッター部を法面に沿って、例えば、サ
イド刈幅分づつ移動させて、往復走行させることによ
り、法面の草刈りを段階的に行うようにされているの
で、サイドカッター部により、低畦及び高畦の両方の法
面の草刈りを合理的に効率良く行うことができ、しか
も、サイドカッター部は、比較的小型軽量の単一のサイ
ドカッターを備えればよいので、重量増、大型化を可及
的に抑えることができ、走行性、作業性を損なうことは
ない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1〜図4は、本発明に係る
自走草刈機の一実施形態を示している。本実施形態の自
走草刈機10は、前述した図9、図10に示される従来
の自走草刈機1と同様に、主として畦草刈り取りに使用
するものであり、前記従来の自走草刈機1のサイドカッ
ター部1Sが法面に沿う方向には移動できないのに対
し、本実施形態のサイドカッター部10Sは法面に沿う
方向に移動可能とされているが、従来の自走草刈機1の
走行基体部1Aと本実施形態の自走草刈機10の走行基
体部10Aとは略同一構成であるので、従来の自走草刈
機1の走行基体部1Aの各部に対応する本実施形態の自
走草刈機10の走行基体部10Aの各部には、同一の符
号を付している。
【0022】本実施形態の自走草刈機10の前記走行基
体部1Aは、前記メインカッター11の他、該メインカ
ッター11の上面側、左右方向一側(右側)、及び後方
側を覆う下面が開放されたスカート状のメインシールド
カバー6を備え、このメインシールドカバー6の前部側
に、支持部材22を介して前輪2が支持されるととも
に、該前輪2の取付高さ位置調節機構23及びフットガ
ード16が設けられている。前記メインシールドカバー
6の上面側には、前記メインカッター11及びサイドカ
ッター12の回転駆動用兼走行用の動力を発生する原動
機(空冷4サイクルガソリンエンジン)8が搭載保持さ
れ、また、前記メインシールドカバー6の後部側には、
後輪(駆動輪)3、該後輪3に前記原動機8の動力を伝
達するためのプロペラシャフトや変速機等からなる動力
伝達機構9、基体フレーム5が設けられ、さらに、図
3、図4に示される如くに、前記原動機8の後方側に
は、倒立U字状のハンドル支持フレーム15が立設さ
れ、このハンドル支持フレーム15の上部に、平面視円
形のハンドル反転用案内保持部材37が水平に取り付け
られている。
【0023】該ハンドル反転用案内保持部材37は、前
記ハンドル支持フレーム15に取り付けられた円板状の
固定保持部37aと、二股状の操作ハンドル13の先端
U字状部13a(図2)が外周に固着され、前記固定保
持部37aに対してその中心線C回りに回動可能とされ
た円筒状の回動部37bと、該回動部37b上に取り付
けられたカバー部37cと、からなっており、前記操作
ハンドル13を、図2おいて実線で示される通常位置か
ら、仮想線で示される反転位置へと、前記中心線Cを回
動支点として水平面内で180°回動させ得るようにな
っている。また、前記ハンドル反転用案内保持部材37
には、図示はしていないが、前記操作ハンドル13を前
記通常位置と前記反転位置とで固定係止する止め具等か
らなる固定係止手段が設けられている。
【0024】前記操作ハンドル13には、前記カッター
11、12への動力伝達を断接するクラッチレバー1
4、前記原動機8用のスロットルレバー19等の制御手
段が設けられている。なお、詳細は図示しないが、前記
クラッチレバー14や前記スロットルレバー19等とク
ラッチ及びスロットル弁等とを結ぶケーブル類は、前記
操作ハンドル13が前記通常位置と前記反転位置との間
で180°回動せしめられるとき、もつれて絡み合うこ
とを避けるため、それらの中間部は前記中心線C上に束
ねられて配在されている。
【0025】一方、本実施形態の自走草刈機10の前記
サイドカッター部10Sは、短冊状のサイドカッター1
2を覆う、下面が開口した角箱状のサイドシールドカバ
ー70、及び、サイド接地部材90を有し、前記走行基
体部10Aの左右方向一側部(左側部)に、前記原動機
8からの動力を前記サイドカッター12に伝達するため
の動力伝達機構50(図7)を内蔵したリンク機構60
と、位置調節用アーム81等からなる位置設定機構80
と、を有する連結手段を介して、上下方向に傾動可能
に、かつ、法面に沿う方向に移動可能に連結されている
(後で詳述)。
【0026】そして、前記原動機8の回転駆動力は、次
のようにして前記メインカッター11に伝達されるよう
になっている。すなわち、前記原動機8の出力軸8aの
回転が、プーリ26、ベルト28、及びプーリ27を介
して、前記メインシールドカバー6の左側部に沿って前
後方向に伸びる回動軸線O上に直立状に配在されたメイ
ン中間軸21に伝達され、該メイン中間軸21から前記
メインカッター11の回転軸31に、プーリ32、ベル
ト34、及びプーリ33を介して伝達される。
【0027】また、前記メイン中間軸21から前記サイ
ドカッター12の回転軸78(図7)へは、図5、図6
を参照すればよくわかるように、順次、前記メイン中間
軸21に外嵌固定された傘歯車41→メイン軸受ケース
38に軸支されて前記回動軸線Oに配設されたメイン回
転伝達軸40の前端部に外嵌固定された傘歯車42→メ
イン回転伝達軸40→該メイン回転伝達軸40の後端部
に外嵌固定された傘歯車43→該傘歯車43に噛合する
傘歯車44を含む前記リンク機構60に内蔵された動力
伝達機構50を介して伝達される。なお、前記両ベルト
28、34には、それぞれ前記メインカッター11及び
前記サイドカッター12への動力断接に供されるベルト
テンションクラッチのテンションローラ29、35が添
設されている。
【0028】かかる構成において、前記サイドカッター
部10Sを前記リンク機構60、前記位置設定機構80
を介して、図4において仮想線で示される如くに、前記
回転伝達軸40の回動軸線Oを回動支点として上下方向
に傾動させたとしても、前記メイン軸受ケース38内で
噛合している傘歯車43−44が噛み合ったまま変位せ
しめられるだけで、その噛み合いは常に継続されるの
で、傾動具合如何によって動力伝達系に何ら不具合は生
じない。
【0029】前記リンク機構60は、図1〜図6に加え
て図7を参照すればよくわかるように、前記メイン軸受
ケース38の後部に上方に向けて突設された上向軸受ケ
ース部38Aの上端面(鍔状部38a)に、その下端面
(鍔状部61a)が前記回動軸線Oと平行な面内で回動
自在に対接せしめられた逆立L字状の基端側軸受ケース
61と、該基端側軸受ケース61にその基端側(前記走
行基体部10A側)が横向きに連結固定された第一直管
リンク65と、該第一直管リンク65の他端側(前記サ
イドカッター部10S側)が連結固定されたT字状の中
間上側軸受ケース66と、該中間上側軸受ケース66の
下端面(鍔状部66a)にその上端面(鍔状部67a)
が前記回動軸線Oと平行な面内で回動自在に対接せしめ
られたT字状の中間下側軸受ケース67と、該中間下側
軸受ケース67にその一端側(前記走行基体部10A
側)が横向きに連結固定された第二直管リンク68と、
該第二直管リンク68の他端側(前記サイドカッター部
10S側)が連結固定されたL字状の終端側軸受ケース
91と、該終端側軸受ケース91の真下に連結固定され
たサイド軸受ケース92と、を備えている。
【0030】ここでは、前記上向軸受ケース部38Aの
鍔状部38aの外周側にリング状押さえ部材62がボル
ト類63、63、…で固定されており、前記基端側軸受
ケース61の前記鍔状部61aは、前記リング状押さえ
部材62により、前記上向軸受ケース38Aの前記鍔状
部38aから離間することなく相対回動し得るようにさ
れている。
【0031】また、前記中間上側軸受ケース66と前記
中間下側軸受ケース67とは、それらを縦方向に貫通す
るように配在されてその両端がボルト類56A、56B
により当該中間上側軸受ケース66及び中間下側軸受ケ
ース67に締結された中間縦支軸56により、それらの
鍔状部66a、67aが対面して相対回動し得るように
されている。前記サイド軸受ケース92の外周側には、
回動スリーブ93が回動自在に外嵌保持されており、こ
の回動スリーブ93に前記サイドシールドカバー70の
内周穴部が外挿されて溶接等により固定されている。
【0032】一方、前記リンク機構60に内蔵された動
力伝達機構50は、同一諸元の複数対の傘歯車で構成さ
れており、前記上向軸受ケース部38A内と前記基端側
軸受ケース61内とを架け渡すように配在された基端側
縦回転伝達軸51、該基端側縦回転伝達軸51の上下端
部に外嵌固定された傘歯車44、52、前記基端側縦回
転伝達軸51に直交するように前記第一直管リンク65
内に配在された第一回転伝達軸54、該第一回転伝達軸
54の両端部に外嵌固定された傘歯車53、55、前記
中間縦支軸56に回動自在に外嵌された共通の回動スリ
ーブ軸57Aの両端部に設けられた傘歯車57、58、
前記中間縦支軸56に直交するように前記第二直管リン
ク68内に配在された第二回転伝達軸59と、該第二回
転伝達軸59の両端部に外嵌固定された傘歯車75、7
6と、該傘歯車76に噛合する傘歯車77が上端部に外
嵌固定され、前記終端側軸受ケース91内と前記サイド
軸受ケース92内とを架け渡すように配在されたサイド
カッター回転軸78と、からなっている。
【0033】前記サイドカッター12は、前記サイドカ
ッター回転軸78の下端部に取付板96を介してボルト
類95、97、97、…により、前記サイドカッター回
転軸78に直交する面内で回転するように取り付けられ
ており、前記サイド軸受ケース92、前記回動スリーブ
93、及び前記サイドカッター回転軸78の下部は、そ
れらに刈り取られた草が絡まったりしないようにすべ
く、前記サイドカッター12の上面側と前記取付板96
との間に挟圧固定された球体状の保護ケース部材94で
覆われている。また、前記サイドカッター12の下面側
には、球冠状サイド接地部材90が、前記ボルト類95
により取付固定されている。
【0034】前記サイドシールドカバー70は、図7及
び図8を参照すればよくわかるように、前記サイドカッ
ター12の上面側及び左右両側を覆う断面概略M字状の
本体カバー部71と、この本体カバー部71の前後両上
端部に配置されたヒンジ部材73、73を揺動支点とし
て前後方向に揺動自在とされた前後カバー部72、72
と、からなっている。この前後カバー部72、72は、
法面Nの草刈り時(走行時)には、前方に位置する草に
押されて、図8において仮想線で示される如くに内方側
に揺動せしめられて、前記サイドカッター12の前方を
開放する。これによって、前記サイドカッター12によ
る草刈り作業性が向上する。
【0035】また、前記位置設定機構80は、前記走行
基体部10Aの左右方向一側部に、前記回動軸線O上に
配在された支軸82、この支軸82に回動自在に保持さ
れた保持スリーブ83、該保持スリーブ83に溶接等に
より直交状に固定された案内スリーブ84、該案内スリ
ーブ84に摺動自在に嵌挿された直線状のアーム部81
aと前記サイドシールドカバー70の本体カバー部71
の上面に溶接等により固定された連結固定部81bとか
らなるL字状の位置調節用アーム81、及び、前記アー
ム部81aの左右長さ方向に沿う任意の部位を前記走行
基体部10S側に固定する位置調節用固定手段を有して
いる。
【0036】該位置調節用固定手段は、前記アーム部8
1aに長さ方向に沿って所定間隔(例えば、前記サイド
刈幅Lsの半分程度)をあけて形成された所要数の位置
設定用穴86、86、…と、前記案内スリーブ84に穿
設された係止穴84aと、該係止穴84aを介して前記
多数の位置設定用穴86、86、…のいずれかに挿入し
て前記位置調節用アーム81を係止する係止ピン85
と、からなっている。この位置設定機構80により、前
記位置調節用アーム81の前記走行基体部10Aからの
左右方向一側(左側)への突出量、言い換えれば、前記
サイドカッター部10Sの法面Nに沿う方向(左右方
向)の位置が任意に設定される。
【0037】このような構成とされた本実施形態の自走
草刈機10においては、高畦の法面Nの草刈りを行う際
には、まず、例えば、法面Nのうちの最も上方(最上
段)に位置する部位の草刈りを行うべく、前記サイドカ
ッター部10Sを、図2〜図4において実線で示される
如くに、前記走行基体部10Aに最も接近した位置に寄
せる。この操作は、前記位置調節用アーム81の前記ア
ーム部81aを前記走行基体部10Aの他側方(右側
方)に引いて前記係止ピン85等により係止固定するこ
とにより行う。このとき、前記リンク機構60は、前記
動力伝達機構50を伴って、前記走行基体部10A側に
縮閉するように折り畳まれ、前記連結手段を構成する前
記リンク機構60、前記動力伝達機構50、及び前記位
置調節用アーム81、並びに、前記サイドカッター部1
0Sは、法面Nの傾斜角度に応じて傾動せしめられて、
前記サイド接地部材90は法面N最上段に接地する。
【0038】かかる状態で、前記サイドカッター10S
に前記原動機8の動力を前記動力伝達機構50を介して
伝達してそれを回転駆動するとともに、当該自走草刈機
10を高畦上面(平面)Mを一端から他端に向けて直線
走行させる。これにより、法面N最上段に生えている草
が刈り取られる。なお、このとき、前記メインカッター
11も同時に回転駆動せしめれば、高畦上面に生えてい
る草も同時に刈り取られる。また、前記のようにサイド
カッター部10Sを最も前記走行基体部10A側に寄せ
た状態では、低畦の草刈りを行うことができる。
【0039】そして、高畦の他端まで草が刈り取られた
後は、高畦の法面Nの次段に生えている草を刈り取るべ
く、前記サイドカッター部10Sを前記走行基体部10
Aから、例えば、前記サイドカッター10Sによるサイ
ド刈幅Ls分だけ離間させる。この操作は、前記位置調
節用アーム81の前記アーム部81aを、前記走行基体
部10Sから一側方(左)に前記サイド刈幅Ls分だけ
更に突出させて前記係止ピン85で係止固定することに
より行う。このとき、前記リンク機構60は、前記動力
伝達機構50を伴って、法面Nに沿う方向に展開せしめ
られ、前記サイド接地部材90は法面N最上段から次段
に滑るようにして移動せしめられる。なお、前記リンク
機構60を展開しても、前記動力伝達機構50は複数対
の傘歯車で構成されているので、動力伝達には何の支障
も生じない。また、前記サイドシールドカバー70は、
前記位置調節用アーム81の連結固定部81bに連結さ
れているので、その向きは走行方向と平行な初期姿勢を
保つ。
【0040】次いで、前記メインカッター11は止め
て、前記操作ハンドルを水平面内で180°回転させ、
当該自走草刈機10を前回とは逆方向(高畦上面の他端
から一端側へ)に走行させる。これにより、法面の下方
(次段)に生えている草が刈り取られる。以後も同様
に、前記サイドカッター部10Sを前記走行基体部10
Aから、例えば、前記サイドカッター12によるサイド
刈幅Ls分だけ離間させるとともに、前記操作ハンドル
13を水平面内で180°回転させて、当該自走草刈機
10を前回とは逆方向に走行させ、法面Nに生えている
草をサイド刈幅Ls分ずつ(最下段はサイド刈幅Ls以
下となる)順次刈り取るようにする。
【0041】このように、本実施形態の自走草刈機10
においては、サイドカッター部10Sを法面Nに沿っ
て、例えば、サイド刈幅Ls分づつ移動させて往復走行
させることにより、法面Nの草刈りを段階的に行うよう
にされているので、前記サイドカッター部10Sによ
り、低畦及び高畦の両方の法面Nの草刈りを合理的に効
率良く行うことができ、しかも、サイドカッター部は、
比較的小型軽量の単一のサイドカッターを備えればよい
ので、重量増、大型化を可及的に抑えることができ、走
行性、作業性を損なうことはない。以上、本発明の実施
形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限
定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発
明の精神を逸脱しない範囲で、設計において、種々の変
更ができるものである。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明によれば、サイドカッター部により低畦及び高畦の両
方の法面の草刈りを合理的に効率良く行うことができ、
しかも、サイドカッター部の重量増、大型化を可及的に
抑えることができて、走行性、作業性を損なうことがな
いようにされた自走草刈機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自走草刈機の一実施形態を示す平
面図。
【図2】図1に示される自走草刈機のサイドカッター部
の移動状態の説明に供される平面図。
【図3】図2に示される自走草刈機の後面図。
【図4】図2に示される自走草刈機の左側面図。
【図5】図1のV−V矢視断面図。
【図6】図1のVI−VI矢視断面図。
【図7】図1に示される自走草刈機のサイドカッター
部、リンク機構、及び動力伝達機構を示す断面図。
【図8】図1に示される自走草刈機のサイドカッター部
の断面図。
【図9】従来の自走草刈機の一例を示す斜視図。
【図10】図9に示される自走草刈機の平面図。
【符号の説明】
2 前輪 3 後輪 4 サイド車輪 8 原動機 10 自走草刈機 10A 走行基体部 10S サイドカッター部 11 メインカッター 12 第一サイドカッター 13 操作ハンドル 43−44 傘歯車 50 動力伝達機構 52−53 傘歯車 58−75 傘歯車 60 リンク機構(連結手段) 70 シールドカバー 72 前後カバー部 76−77 傘歯車 80 位置設定機構(連結手段) 81 位置調節用アーム 81a アーム部 81b 連結固定部 85 係止ピン(位置調節用固定手段) 90 サイド接地部材 O 回動軸線 N 法面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B083 AA02 BA13 BA17 BA18 CA09 CA28 EA03 EA06 EA12 EA18 GA02 GA06 HA02 HA25 HA33 HA59

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪(2)、後輪(3)、メインカッタ
    ー(11)、及び、原動機(8)を有する走行基体部
    (10A)と、サイドカッター(12)、及び、該サイ
    ドカッター(12)を覆うサイドシールドカバー(7
    0)を有するとともに、前記走行基体部(10A)の左
    右方向一側部に、前記原動機(8)からの動力を前記サ
    イドカッター(12)に伝達するための動力伝達機構
    (50)を持つ連結手段(60、80)を介して、上下
    方向に傾動可能に、かつ、法面(N)に沿う方向に移動
    可能に連結されたサイドカッター部(10S)と、を備
    えた自走草刈機(10)において、 前記連結手段は、前記動力伝達機構(50)を内蔵する
    とともに、前記走行基体部(10A)に対して上下方向
    に傾動可能でかつ法面(N)に沿う方向に展開可能なリ
    ンク機構(60)を有していることを特徴とする自走草
    刈機。
  2. 【請求項2】 前記連結手段は、前記走行基体部(10
    A)の左右方向一側部に上下方向に傾動可能でかつ左右
    方向に移動可能に支持されたアーム部(81a)、及
    び、前記サイドカッター部(10S)に連結固定された
    連結固定部(81b)を有する位置調節用アーム(8
    1)と、前記アーム部(81a)の長さ方向に沿う任意
    の部位を前記走行基体部(10A)に固定する位置調節
    用固定手段(85)と、からなる位置設定機構(80)
    を有していることを特徴とする請求項1に記載の自走草
    刈機。
  3. 【請求項3】 前記動力伝達機構(50)は、同一諸元
    の複数対の傘歯車(43−44、52−53、55−5
    7、58−75、76−77)で構成されていることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の自走草刈機。
  4. 【請求項4】 前記リンク機構(60)、前記動力伝達
    機構(50)、及び、前記位置調節用アーム(81)
    は、共通の回動軸線(O)を支点として傾動せしめられ
    るようになっていることを特徴とする請求項2又は3に
    記載の自走草刈機。
  5. 【請求項5】 前記走行基体部(10A)に設けられた
    操作ハンドル(13)が、水平面内で180°回転せし
    められるようにされていることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか一項に記載の自走草刈機。
  6. 【請求項6】 前記サイドカッター(12)の下面側に
    球冠状のサイド接地部材(90)が一体に取り付けられ
    ていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項
    に記載の自走草刈機。
  7. 【請求項7】 前記サイドシールドカバー(70)の前
    後カバー部(72、72)は、その上端を揺動支点とし
    て前後方向に揺動自在とされていることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれか一項に記載の自走草刈機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009183170A (ja) * 2008-02-04 2009-08-20 Orec Co Ltd 草刈機
JP2018074969A (ja) * 2016-11-11 2018-05-17 株式会社システック 畦法面草処理装置

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JP2009183170A (ja) * 2008-02-04 2009-08-20 Orec Co Ltd 草刈機
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