JP2001218514A - 歩行型草刈機の切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成で上下刈刃間の非切断スペースを省
略し、回転軸への草の巻付きを防止することができる歩
行型草刈機の切断装置を提供する。 【解決手段】回転軸１，１に装着の上下二段の刈刃２，
３の内、少なくとも上方の上刈刃２，２を該回転軸１，
１に対して傾斜して取付けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、畦や農道あるいは
傾斜地等の草を刈取る為の歩行型草刈機の切断装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】地面に対して垂直に設けた左右一対の回
転軸に、直交して上下二段に刈刃を装着した歩行型草刈
機がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の歩行型
草刈機においては、上下の刈刃が各々水平に装着されて
いる為、図５に示す如く該上下の刈刃２，３間に非切断
スペースＡが発生してしまい、長寸の草がその稈身方向
に沿って該スペースＡに取込まれた際に切断することが
できず容易に回転軸１に巻付いてしまうといった問題が
発生していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】地面に対して垂直に設け
た左右一対の回転軸１，１に、上下二段に刈刃２，３を
装着してなる歩行型草刈機において、該上下の刈刃２，
３の内少なくとも上方の上刈刃２，２を、回転軸１，１
に対して傾斜して装着すると共に該上刈刃２，２の最下
部と下方の下刈刃３，３の最上部を略同高さに配置して
なる歩行型草刈機の切断装置の構成とした。

【０００５】

【発明の作用及び効果】本発明の歩行型草刈機において
は、上下の刈刃２，３の内少なくとも上刈刃２，２を回
転軸１，１に対して傾斜して装着したものであるから、
傾斜状態で回転する刈刃２，２によってその切断可能範
囲Ｂが上下方向に拡大し、取込んだ草を確実に切断する
ことができる。又、上記刈刃２，３は、上刈刃２，２の
最下部と下刈刃３，３の最上部を略同高さに配置してい
る為、該上刈刃２，２による切断可能範囲Ｂと下刈刃
３，３による切断可能範囲Ｃ間に上記従来技術の如く非
切断スペースＡが形成されることなく、上下の刈刃２，
３間の全範囲に渡って切断することができ、回転軸１，
１への草の巻付きを防止することができるのである。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本発明の切断装置を有する歩行型
草刈機は、機体の中央に設けるギヤケース４後部に原動
機５を取付け、該ギヤケース４から左右に延設した支持
杆６，６先端に、下方に向けてアーム７，７を設置し、
該アーム７，７下端部に走行用の駆動輪８を取着して走
行可能に構成している。９は、駆動輪８の上側を覆う機
体カバーであり、前記支持杆６，６の下方に取着してい
る。 ギヤケース４の下方には、前方へ向けて取付枠１０を延
設しており、該取付枠１０下方に、刈刃２，３の回転軌
跡を覆う刈刃カバー１１を取付けている。１，１は、地
面に対し垂設の左右一対の回転軸であり、上下二段に刈
刃２，３を装着すると共に、上端部で刈刃カバー１１を
嵌通し、該嵌通部にプーリ１２，１２を固着している。
１３は伝動ベルトであって、ギヤケース４の出力軸に固
着の出力プーリ１４と前記回転軸１，１に固着のプーリ
１２，１２間に巻き掛けることで、回転軸１，１を回転
駆動する。

【０００７】左右一対の回転軸１，１には、それぞれ板
状の刈刃２，３を上下に平面視９０度位相をずらせて取
付けており、該回転軸１，１は、平面視前側で中央に向
うように互いに逆回転する。刈刃２，３は図３に示す如
く下方の下刈刃３，３を回転軸１，１に直交して装着す
ると共に、上方の上刈刃２，２を回転軸１，１に対して
傾斜して装着しており、該上刈刃２，２の最下部を下刈
刃３，３の取付け高さに接近して略同高さに配置するこ
とで、上刈刃２，２による切断可能範囲Ｂと下刈刃３，
３間に非切断スペースＡが形成されないようにしてい
る。

【０００８】刈刃カバー１１は、刈刃２，３の左右側方
から駆動輪８の両側部へ向けて狭めた形状の左右側面板
１５，１５と、刈刃２，３上方から機体カバー９までに
致る上面板１６とで形成しており、該側面板１５，１５
と上面板１６とを一体的に形成すると共に、刈刃カバー
１１前部を前方上方に向けて起立し、その前端中央を後
方に向けて凹んだ形状として、該前端の形状に沿って左
右ガイド１７を取付けている。左右ガイド１７は、その
先端を刈刃カバー１１に接触することなく開放してお
り、ガイド１７に巻き付いた草が該開放端から外れるよ
うにしている。１８は、刈刃カバー１１前方に形成の草
取込口である。

【０００９】ギヤケース４上部に立設のハンドル支軸１
９上端には、上方後方へ向けてブラケット２０を突設し
ており、該ブラケット２０に、ピン２１でハンドル杆２
２を上下回動可能に取付けている。ハンドル杆２２の先
端には、操向杆２３を取付けており、該操向杆２３に
は、原動機５につながるアクセルレバー２４、原動機５
から駆動輪８への動力伝動を断続する走行クラッチレバ
ー２５等の操縦装置を設けている。

【００１０】２６は、前記プーリ１２，１２，１４，及
び伝動ベルト１３を覆う伝動カバーであり、伝動部の保
護をすると共にその上方から刈高さ安定用のガイド輪２
７取着用のステー２８を延設している。ステー２８は、
機体の左右中央から前方に向けて延設しており、その先
端にガイドブラケット２９を固着し、該ガイドブラケッ
ト２９によって上記ガイド輪２７を取着する。

【００１１】以上の構成の歩行型草刈機を用いて前進走
行しながら草刈作業を行うと、刈刃カバー１１左右前端
に取付けた左右ガイド１７によって機体正面の草を左右
外方へ逃がすことなく確実に取込口１８内へ案内し、回
転軸１，１に装着の上刈刃２，２及び下刈刃３，３によ
って切断する。この時、上記上刈刃２，２は回転軸１，
１に対して傾斜して装着しているので、正面視該上刈刃
２，２の回転軌跡、即ち該上刈刃２，２による切断可能
範囲Ｂが上下方向に幅広となり、取込んだ草を該範囲Ｂ
内に確実に捕られて切断することができる。従って、例
え長寸の草がその稈身方向に沿って取込まれたとして
も、傾斜する上刈刃２，２が草の稈身に対し一定の角度
を有して接当し、一分間に数千回転する該刈刃２，２に
より細断放出することができる。又、該上刈刃２，２は
その最下部を下方の下刈刃３，３の取付高さに近接して
略同高さに配置しているので、上刈刃２，２による切断
可能範囲Ｂと下刈刃３，３間に非切断スペースＡを形成
することなく上下の刈刃２，３間の全範囲に渡って切断
することができ、回転軸１，１への草の巻付きを防止す
るのである。尚、本実施形態においては上刈刃２，２の
み傾斜して取付ける構成としたが、該構成に限定するこ
となく、例えば図４に示す如く上下の刈刃２，３を共に
傾斜して取付ける構成としてもよい。又、請求の範囲の
項に図面との対照と便利にする為に番号を記すが、この
記載により本発明は添付図面の構造に限定されるもので
はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示す一部省略した側断面
図。

【図２】本発明の実施形態を示す全体平面図。

【図３】本発明の実施形態を示す主要部の正面図。

【図４】別実施形態の主要部の正面図。

【図５】従来例の主要部の正面図。

【符号の説明】

１ 回転軸 ２ 上刈刃 ３ 下刈刃 Ａ 非切断スペース Ｂ 切断可能範囲 Ｃ 切断可能範囲

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】地面に対して垂直に設けた左右一対の回転
   軸（１），（１）に、上下二段に刈刃（２），（３）を
   装着してなる歩行型草刈機において、該上下の刈刃
   （２），（３）の内少なくとも上方の上刈刃（２），
   （２）を、回転軸（１），（１）に対して傾斜して装着
   すると共に該上刈刃（２），（２）の最下部と下方の下
   刈刃（３），（３）の最上部を略同高さに配置してなる
   歩行型草刈機の切断装置。