JP2001060575A - 超臨界乾燥装置 - Google Patents
超臨界乾燥装置Info
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Abstract
ると共に、圧力を保持する為の機構も比較的容易に達成
することのでき、しかも溶媒が高熱部分に接触して爆発
する危険性を回避できる様な超臨界乾燥装置の構造を提
供する。 【解決手段】 温度と圧力により超臨界状態を制御して
被処理物を乾燥する超臨界乾燥装置において、温度制御
装置を備えた超臨界溶媒収納容器を外部容器内に配置
し、外部容器内圧力を介して超臨界溶媒収納容器内の圧
力を制御する様に構成したものである。
Description
る湿潤ゲルから超臨界雰囲気中で液相を除去して乾燥す
ることによって、半導体装置の素材として有用な多孔質
誘電体を製造する為の半導体プロセス用超臨界乾燥装置
に関するものであり、特に高い処理能力(高スループッ
ト性)を備えた超臨界乾燥装置に関するものである。
半導体集積回路(LSI)の演算速度を向上させ、消費
電力を低減する為に、配線部分の容量性接合(配線容
量)の低減が要望されている。そして、配線容量を低減
する為の最も根本的な方法は、導体同士がショートしな
い様に分離する絶縁体(誘電体)の比誘電率を低減する
ことである。LSIに用いられる最も一般的な誘電体
は、二酸化ケイ素(SiO2:比誘電率約3.9)であ
る。これに対して、空気の比誘電率は1.0を僅かに超
えるに過ぎないので、少なくとも部分的に固体誘電体を
空気で置換することによって、誘電体の比誘電率を劇的
に低減することが可能である。
として、超臨界乾燥した多孔質体(エアロゲル)が知ら
れている。このエアロゲルを形成するには、まず原料と
なる金属アルコキシドと有機溶媒を混合した溶液を調整
し、これを加水分解して湿潤ゲルを得る。そして、湿潤
ゲルを溶媒中で十分熟成した後、超臨界乾燥法によって
溶媒を乾燥させるものである。こうした超臨界乾燥法で
は、殆ど収縮を起こさずに上記湿潤ゲルから液相を除去
して極めて気孔率の高い多孔質体を得ることができる。
カエアロゲル)は、テトラメトキシシラン(TMO
S)、或はテトラエトキシシラン(TEOS)を出発原
料として、溶媒にメタノールやエタノール等のアルコー
ル類、加水分解の為の触媒としてアンモニア水を用いる
方法が一般的である。また、薄膜形状のシリカエアロゲ
ルを形成するには、スピンコート法やディップコート法
等のより基材上に湿潤ゲルを形成して超臨界乾燥する手
法が用いられている。
の手法としては、溶媒(通常、アルコール類)そのものを
超臨界状態にした後に、乾燥させる「アルコール乾燥
法」と、超臨界状態にした流体(通常液化二酸化炭素:
CO2)を流し込み、溶媒を溶かし込んでから取り去る
「CO2抽出法」の2つの方法が知られている。
媒がアルコールの単相であるため、CO2抽出法に比べ
て圧力・温度の制御が単純でありプロセスが容易である
というメリットがある。しかしながらこの方法では、ア
ルコールの超臨界状態まで加熱・加圧する必要があり、
特に温度面において処理装置にかかる負担が大きくなる
という問題がある。例えば、エタノールの超臨界点は2
41℃、6.1MPaであるが、これを超える条件とし
て通常260℃、8.0MPa程度で処理されている。
これに対して、CO2抽出法の場合の処理条件は、80
℃、15MPa程度である。
装置としては、圧力保持と温度保持を兼ねた単一容器を
容器ごとに加圧・加熱するオートクレーブ(圧力釜)方
式が採用されている。例えば、特開平5−296662
号には、典型的な例としてオートクレーブ型超臨界乾燥
装置が開示されている。この超臨界乾燥装置について図
面を用いて説明する。
図である。この装置では、図示する様に圧力容器と温度
容器を兼ね備えたステンレス製容器1、加圧の為の窒素
を容器内に圧送する窒素ボンベ2、および圧力を調整す
る為の圧力調整弁3が備えられている。また、容器1内
はOリング5やパッキン6によって、密閉された状態と
される。そして、容器1内は容器の外側に設置されたヒ
ータ4によって加熱され、容器1内に溶媒7および被処
理物8を収納した状態で超臨界状態を達成するように構
成されている。しかしながら、こうした超臨界乾燥装置
においては、下記(1)〜(4)に示す様な問題があ
る。
要となり、容器の熱容量が極めて大きくなるため、容器
の昇温・降温に長時間を要し、結果的に超臨界乾燥のプ
ロセスのスループット(単位時間当たりの処理能力)を
低下させる。
熱されるために、圧力保持のための機構が難しくなる。
具体的には、パッキンやOリングに耐熱性および耐アル
コール性が要求されるが、生産装置として繰り返し使用
できる材料ではない。
囲気からパーティクル等の流入を防止できる程度の高い
清浄性が要求されるのであるが、その為には装置全体を
クリーンルーム或はこれに相当する環境に常時設置する
必要があり、また装置自体の素材にも高い清浄性が要求
されることになる。
ら吹き出した高温のアルコール蒸気がヒータに接触する
と、爆発の危険性がある。このため、特に生産装置とし
てはヒータを隔離するなどの防爆の手段を講じる必要が
ある。
情に着目してなされたものであって、その目的は、容器
の熱容量を大幅に小さくすることができると共に、圧力
を保持する為の機構も比較的容易に達成することので
き、しかも溶媒が高熱部分に接触して爆発する危険性を
回避できる様な超臨界乾燥装置の構造を提供することに
ある。
のできた本発明に係る超臨界乾燥装置とは、温度と圧力
により超臨界状態を制御して被処理物を乾燥する超臨界
乾燥装置において、温度制御装置を備えた超臨界溶媒収
納容器を外部容器内に配置し、外部容器内圧力を介して
超臨界溶媒収納容器内の圧力を制御する様に構成したも
のである点に要旨を有するものである。
構成として、前記超臨界溶媒収納容器は、溶媒および被
処理物を収納した後に密閉できる構造であり、且つこの
超臨界溶媒収納容器の外壁には、外部容器内圧力が超臨
界溶媒収納容器内圧力よりも一定圧力以上高くなったと
きに開口動作する圧力調整弁と、外部容器内圧力が超臨
界溶媒収納容器内圧力よりも一定圧力以上下がったとき
に開口動作する溶媒排出弁とを備えたものである構成が
挙げられる。
出弁から排出される溶媒は、超臨界溶媒収納容器の外側
で且つ外部容器の内側に設置された回収容器により回収
する様にすれば良く、また前記温度制御装置としては発
熱体または誘導加熱体を採用できる。
における課題を解決するという観点から、温度と圧力に
より超臨界状態を制御して被処理物を乾燥する超臨界乾
燥装置の構成について様々な角度から検討した。その結
果、上記のように温度制御装置を備えた超臨界溶媒収納
容器を外部容器内に配置した二重容器の構造とし、外部
容器内圧力を介して超臨界溶媒収納容器内の圧力を制御
する様に構成すれば、上記目的が見事に達成されること
を見出し、本発明を完成した。
上記の様に二重容器構造とすることによって、次のよう
な作用・効果が発揮される。まず、本発明の超臨界乾燥
装置によれば、内部容器に相当する超臨界溶媒収納容器
かかる圧力(容器の内外の圧力差)を比較的小さくする
ことができるので、容器の構造強度に対する要求が小さ
くなり、容器厚を大幅に薄くすることができる。従っ
て、超臨界溶媒収納容器の熱容量を大幅に小さくするこ
とが可能となり、超臨界乾燥処理プロセスに関わる昇温
・降温時間を飛躍的に短くすることができ、高スループ
ット性が達成される。
℃程度)に保持することができるので、パッキンやO−
リングの素材として、テフロン等の耐アルコール性を有
し繰り返し使用できる樹脂材料を用いることができる。
また、外部容器そのものを、テフロンやFRP(繊維強
化プラスチックス)等の材料で構成することも可能であ
る。
は、密閉したまま容易に外部容器から取り出すことがで
きるので、この容器のみを清浄な環境に移動して開封・
封止することが可能である。これによって、装置全体を
クリーンルーム或はこれに相当する環境に設置する必要
がない。また、外部容器にはそれほど清浄性が要求され
ないので、材料・構成が比較的自由に選択できる。
成を採用できるので、加熱によってこの容器内に収納さ
れた溶媒や被処理物が汚染されることがなくなる。ま
た、超臨界溶媒収納容器から排出される溶媒を、超臨界
溶媒収納容器の外側で且つ外部容器の内側に設置された
回収容器により回収する様にするか、或は高周波誘導に
よって加熱する構成を採用する場合には、溶媒が高熱部
分に接触して爆発する危険性を回避することができる。
作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより
下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後
記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施すること
も勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範
囲に含まれるものである。
成例を示す概略説明図である。この装置は、溶媒7およ
び被処理物8を収納する超臨界溶媒収納容器10、およ
びこの超臨界溶媒収納容器10を内部に設置することの
できる外部容器11とからなる。そして外部容器11は
例えばFRPからなり、O−リング12によって密閉さ
れ、窒素ボンベ13からの窒素ガスが流量調整弁14を
介して外部容器11内に圧送されることによって、外部
容器11内の圧力が高圧になるようにされる。尚、図中
15は、超臨界乾燥が終了したときに開いて、外部容器
11内の窒素ガスを排出する為の排出弁である。
テンレス鋼からなり、溶媒7および被処理物8を収納し
た状態で密閉できる構造であり、その外側には、温度制
御装置としての誘導コイル18a(誘導発熱体)が備え
られている。そして、誘導コイル18aは外部容器11
の外側に置かれた高周波誘導電源18bに接続されてお
り、この高周波誘導電源18bからの電圧を誘導コイル
18aに印加することによって超臨界溶媒収納容器10
が加熱される。尚、誘導コイル18aは、通常のヒータ
(発熱体)を採用しても良いが、溶媒が高熱部分に接触
しても爆発する危険性がないという観点からして、高周
波誘導によって加熱する構成を採用することが好まし
い。
は上部外壁)には、外部容器11内圧力(以下、便宜上
「外圧」と呼ぶことがある)が超臨界溶媒収納容器10
内圧力(以下、便宜上「内圧」と呼ぶことがある)より
も一定圧力以上(例えば、0.1MPa以上)高くなる
と開口動作する様に調整された圧力調整弁16aが備え
られている。また、内部容器へのパーティクル流入を抑
えるという観点からして、この圧力調整弁16aには、
フィルター(図示せず)を介在させることが好ましい。
の部分(この図では下部外壁)には、外圧が内圧よりも
一定圧力以上(例えば、0.1MPa以上)下がったと
きに開口動作する様に調整された溶媒排出弁16bが備
えられている。また、超臨界溶媒収納容器10の外側で
且つ外部容器11の内側には、回収容器17aが設置さ
れており、前記溶媒排出弁16bから適宜排出される溶
媒は、この回収容器17aに回収される様に構成されて
いる。尚、この回収容器17aに関連して、図示する様
に、外部容器11の外側に第2回収容器17bを設け、
前記回収容器17a内に一旦蓄えられた溶媒を、プロセ
ス終了後の適切な時期に弁19を開いて第2回収容器1
7bに回収する様にしても良い。
ロセスについて説明する。まず、表面に2000Åの酸
化膜と1000Åのアルミ薄膜(下部電極)を形成した
シリコン基板上に、TMOSを出発原料とした湿潤ゲル
膜を回転塗布法によって形成した。
3に示した圧力・温度相図(超臨界溶媒収納容器10
内)に従って前記湿潤ゲル膜を超臨界乾燥した。クリー
ンルーム内において、前記湿潤ゲル膜とエタノールを前
記図2に示した装置の超臨界溶媒収納容器10内に封入
し、次いでこの超臨界溶媒収納容器10を外部容器11
内に配置した後、外部容器11を密閉した。
ボンベ13からの窒素ガスを外部容器11内に圧送して
外部容器11内圧力(外圧)を8.1MPaまで加圧す
る。この過程で圧力調整弁16aが開口動作し、エタノ
ールと湿潤ゲル膜を収納した超臨界溶媒収納容器10内
が8.0MPaまで加圧(内圧)されることになる(図
3の経路a)。
コイル18aによって260℃まで昇温する。この昇温
過程で、超臨界溶媒収納容器10内圧力(内圧)が外部
容器11内圧力(外圧)よりも高くなると、溶媒排出弁
16bが開口動作してエタノールが排出され、回収容器
17aに回収される。即ち、溶媒排出弁16bは、この
段階では安全弁としての機能を発揮することになる。ま
た、このとき排出される溶媒は超臨界状態であるが、内
部容器から吐出すると同時に冷却されて液体状態に戻
る。そして結果的に、内圧は8.0MPa程度に保持さ
れ(図3の経路b)、超臨界状態が維持されて超臨界乾
燥が進行する。
器11内の窒素ガスを排出し、外部容器11内を0.1
MPa(大気圧)まで減圧すると(図3の経路c)、溶
媒排出弁16bが開口動作し、超臨界溶媒収納容器10
からエタノールが排出されて回収容器17aに回収され
る。また、窒素ボンベ13から圧力:0.2MPa程度
になる様に乾燥窒素ガスを流通させ、超臨界溶媒収納容
器10内のエタノールを完全に除去した後、、超臨界溶
媒収納容器10を室温まで冷却する。そして、最終的に
超臨界溶媒収納容器10を外部容器11から取り出し、
クリーンルーム内で開封して被処理物8を取り出す。
時間、降温に10時間を要するものとなるが、本発明の
装置を用いれば昇温に1時間、降温に2時間程度で済
み、処理時間を大幅に短縮することができた。しかも、
超臨界処理後の6インチ基板のパーティクル数(0.2
μm以上)は20個以下であり、LSIレベルでの清浄
性を確保することができた。
器の熱容量を大幅に小さくすることができ、しかも圧力
を保持する為の機構も比較的容易に達成することのでき
る超臨界乾燥装置の構造が実現できた。
概略説明図である。
スの圧力・温度相図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 温度と圧力により超臨界状態を制御して
被処理物を乾燥する超臨界乾燥装置において、温度制御
装置を備えた超臨界溶媒収納容器を外部容器内に配置
し、外部容器内圧力を介して超臨界溶媒収納容器内の圧
力を制御する様に構成したものであることを特徴とする
超臨界乾燥装置。 - 【請求項2】 前記超臨界溶媒収納容器は、溶媒および
被処理物を収納した後に密閉できる構造であり、且つこ
の超臨界溶媒収納容器の外壁には、外部容器内圧力が超
臨界溶媒収納容器内圧力よりも一定圧力以上高くなった
ときに開口動作する圧力調整弁と、外部容器内圧力が超
臨界溶媒収納容器内圧力よりも一定圧力以上下がったと
きに開口動作する溶媒排出弁とを備えたものである請求
項1に記載の超臨界乾燥装置。 - 【請求項3】 前記溶媒排出弁から排出される溶媒を、
超臨界溶媒収納容器の外側で且つ外部容器の内側に設置
された回収容器により回収する様に構成されたものであ
る請求項2に記載の超臨界乾燥装置。 - 【請求項4】 前記温度制御装置は発熱体または誘導加
熱体である請求項1〜3のいずれかに記載の超臨界乾燥
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23438799A JP4350843B2 (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | 超臨界乾燥装置 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP4350843B2 JP4350843B2 (ja) | 2009-10-21 |
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ID=16970211
Family Applications (1)
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---|---|
JP (1) | JP4350843B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005509280A (ja) * | 2001-10-03 | 2005-04-07 | 東京エレクトロン株式会社 | 複数の半導体基板の高圧加工用チャンバ |
US7211145B2 (en) | 2002-04-24 | 2007-05-01 | Tokyo Electron Limited | Substrate processing apparatus and substrate processing method |
JP2007227511A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Ntt Advanced Technology Corp | 多孔質膜の形成方法 |
JP2013198871A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Japan Environmental Safety Corp | 抜油装置および抜油方法 |
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-
1999
- 1999-08-20 JP JP23438799A patent/JP4350843B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2013198871A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Japan Environmental Safety Corp | 抜油装置および抜油方法 |
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