JP2014181882A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理空間への不要成分の流入をより抑制する。
【解決手段】熱処理装置10では、被処理物72に対して不活性ガス雰囲気で熱処理を行う処理空間21を形成する処理槽20の周囲を、気密な外周容器40が覆っている。また、外周容器40と処理槽20との間には外周空間41が形成されている。熱処理装置10は、処理空間21,中空部23,外周空間41に不活性ガスを供給する処理空間ガス供給装置60,中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66を備えている。さらに、熱処理装置10は、処理空間21,外周空間41の雰囲気から不活性ガス以外の所定の不要成分を除去する処理空間ガス精製装置50,外周空間ガス精製装置55を備えている。処理槽20は、処理空間21を形成する処理槽壁体22を有しており、処理槽壁体22は断熱材が封入された中空部23を自身の内部に有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱処理装置に関する。
従来、ガラス基板や半導体基板などの被処理物に対して熱処理を行う熱処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、窒素ガスを導入した処理空間を形成する処理槽と、処理空間を加熱するヒーター及びファンと、被処理物を上下に複数配置して指示する物品支持体と、処理空間内の下方に配置され物品支持体を昇降可能な昇降駆動手段と、を備えた熱処理装置が記載されている。この熱処理装置では、被処理物の搬出入時に昇降駆動手段が物品支持体を上下に昇降させることで、処理槽に設けられた搬出入口の開口寸法を小さくして、処理空間と外部との間の雰囲気の流出入を抑制できるとしている。
特許第2585952号公報
しかしながら、特許文献1に記載の熱処理槽では、例えばファンの駆動軸などが処理槽を貫通する部分や処理槽の開口部において、処理空間への外部雰囲気の流入が生じる場合があった。また、熱処理時には処理槽が熱膨張により変形する場合があり、この変形により処理槽の気密性が低下して、処理空間への外部雰囲気の流入が生じる場合があった。そして、処理空間への外部雰囲気の流入により、例えば外部雰囲気に含まれる酸素,水,微粒子などの不要成分が流入して処理空間の酸素濃度及び露点の上昇やクリーン度の低下などが生じ、処理空間の不活性ガス雰囲気を高純度に保てない場合があった。また、処理空間への不要成分の流入があることにより、熱処理前に処理空間の不活性ガスの純度を高めるために要する時間が長くなる場合があった。近年は、熱処理時の不活性ガス雰囲気の高純度化の要求水準が高くなる傾向にあり、処理空間への不要成分の流入を一層抑制することが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、処理空間への不要成分の流入をより抑制することを主目的とする。
本発明の熱処理装置は、
不活性ガス雰囲気の処理空間に配置された被処理物に対して熱処理を行う熱処理装置であって、
前記処理空間を形成する処理槽と、
前記処理空間を加熱する加熱手段と、
前記処理槽の周囲を覆い、該処理槽と自身との間に外周空間を形成する気密な外周容器と、
を備えたものである。
この本発明の熱処理装置は、被処理物に対して不活性ガス雰囲気で熱処理を行う処理空間を形成する処理槽の周囲を、気密な外周容器が覆っている。また、外周容器と処理槽との間には外周空間が形成されている。そのため、外周容器及び外周空間がなく処理槽が外部雰囲気に曝されている場合と比較して、処理空間への外部雰囲気の流入がより抑制される。これにより、処理空間への不要成分の流入をより抑制することができる。なお、不要成分とは、処理空間の雰囲気のうち熱処理時に不要な不活性ガス以外の成分であり、例えば酸素,水,微粒子などである。また、外周容器が処理槽の周囲を覆っていればよく、例えば外周容器と処理槽とが一部接しているなど、外周容器と処理槽との間に外周空間が形成されていない部分があってもよい。ここで、前記加熱手段は、前記処理空間内に配置されて該処理空間を加熱するヒーターとしてもよいし、加熱した前記不活性ガスを前記処理空間内に供給する熱風供給装置としてもよい。また、本発明の熱処理装置は、処理空間の雰囲気を循環させる循環手段を備えるものとしてもよい。さらに、前記処理槽は、処理空間を形成する処理槽壁体と、該壁体の一部を開口させて設けた前記被処理物の処理槽出入口と、を有していてもよい。この場合、前記処理槽は、前記処理槽出入口を閉じることが可能な処理槽扉を有していてもよい。また、前記外周容器は、処理空間を形成する外周壁体と、該外周壁体の一部を開口させて設けた前記被処理物の外周出入口と、を有していてもよい。この場合、前記外周容器は、前記外周出入口を気密に閉じることが可能な外周扉を有していてもよい。
本発明の熱処理装置は、前記処理空間に前記不活性ガスを供給する処理空間ガス供給手段を備えていてもよい。こうすれば、例えば熱処理前などにおいて、処理空間を迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。この場合において、前記処理槽は、前記処理空間の雰囲気を排気する処理空間排気通路を有していてもよい。こうすれば、処理空間排気通路から処理空間の不要成分を排出することができ、処理空間の雰囲気をより迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。なお、前記処理空間排気通路には、処理空間の気圧が所定値以上になると該処理空間排気通路を開放する排気バルブが取り付けられているものとしてもよい。こうすれば、処理空間の気圧を所定値付近に調整することができる。
この場合において、前記処理空間ガス供給手段は、前記処理空間の気圧が前記外周空間の気圧より高くなるように前記不活性ガスを供給するものとしてもよい。こうすれば、処理空間への不要成分の流入をより抑制する効果が高まる。
本発明の熱処理装置は、前記外周空間に前記不活性ガスを供給する外周空間ガス供給手段を備えていてもよい。こうすれば、例えば熱処理前などにおいて、外周空間を迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。そのため、外周空間から処理空間への雰囲気の流入がある場合でも、処理空間への不要成分の流入を抑制できる。この場合において、前記外周容器は、前記外周空間の雰囲気を排気する外周排気通路を有していてもよい。こうすれば、外周排気通路から外周空間の不要成分を排出することができ、外周空間の雰囲気をより迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。なお、前記外周排気通路には、外周空間の気圧が所定値以上になると該外周排気通路を開放する排気バルブが取り付けられているものとしてもよい。こうすれば、外周空間の気圧を所定値付近に調整することができる。
本発明の熱処理装置において、前記処理槽は、前記処理空間を形成する処理槽壁体を有しており、該処理槽壁体は断熱材が封入された中空部を自身の内部に有していてもよい。こうすれば、熱処理時に外周空間や外周容器が加熱されるのをより抑制することができる。したがって、熱処理時に外周容器が熱膨張で変形して気密性が低下するのをより抑制できる。この場合において、前記中空部は前記処理空間の周囲を覆うように前記処理槽壁体に形成されているものとしてもよい。
この場合において、本発明の熱処理装置は、前記中空部に前記不活性ガスを供給する中空部ガス供給手段を備えてもよい。こうすれば、例えば熱処理前などにおいて、中空部を迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。そのため、中空部から処理空間への雰囲気の流入がある場合でも、処理空間への不要成分の流入を抑制できる。この場合において、前記処理槽は、前記中空部の雰囲気を排気する中空部排気通路を有していてもよい。こうすれば、中空部排気通路から中空部の雰囲気中の不要成分を排出することができ、中空部の雰囲気をより迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。
本発明の熱処理装置は、前記処理空間の雰囲気から前記不活性ガス以外の所定の不要成分を除去する処理空間ガス精製手段を備えていてもよい。こうすれば、処理空間の不活性ガス雰囲気を高純度化しやすい。なお、処理空間ガス精製手段は、前記所定の不要成分として、酸素,水,微粒子のうち1以上を除去するものとしてもよい。
本発明の熱処理装置は、前記外周空間の雰囲気から前記不活性ガス以外の所定の不要成分を除去する外周空間ガス精製手段を備えていてもよい。こうすれば、外周空間から不要成分が除去されるため、外周空間から処理空間への不要成分の流入をより抑制することができる。なお、外周空間ガス精製手段は、前記所定の不要成分として、酸素,水,微粒子のうち1以上を除去するものとしてもよい。また、処理空間ガス精製手段と外周空間ガス精製手段とを共に備える場合、両者が除去する不要成分は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、処理空間ガス精製手段と外周空間ガス精製手段とがそれぞれ複数の不要成分を除去可能な場合には、両者が除去する不要成分の一部が同じであってもよい。
熱処理装置10の縦断面図である。
次に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態である熱処理装置10の縦断面図である。熱処理装置10は、処理槽20と、外周容器40と、ヒーター30と、送風装置32と、集塵フィルター37と、処理空間ガス精製装置50と、外周空間ガス精製装置55と、処理空間ガス供給装置60と、中空部ガス供給装置63と、外周空間ガス供給装置66と、物品支持体70と、昇降装置80とを備えている。この熱処理装置10は、不活性ガス雰囲気の処理空間21に配置された被処理物72に対して所定の熱処理を行う装置である。
処理槽20は、被処理物72に対する熱処理を行う略直方体の処理空間21を形成する部材であり、処理槽壁体22と、中空部23とを備えている。処理槽壁体22は、例えばステンレスなどの鋼材からなる金属製の板状部材を曲げ加工や溶接して形成された略直方体の部材である。この処理槽壁体22は、外周側と内周側との2重の壁体を有しており、自身の内部すなわち両壁体の間に空間である中空部23を有している。中空部23は、処理空間21の周囲を覆うように形成されており、内部には断熱材が封入されている。断熱材としては、例えばロックウール、グラスウール、セラミックウールなどの繊維系断熱材を用いることができる。なお、処理空間21は、熱処理を行う際に不活性ガス雰囲気(例えば窒素雰囲気,アルゴン雰囲気,二酸化炭素雰囲気など)に保たれる。
処理槽壁体22には、処理槽出入口24と、処理空間排気通路26と、貫通孔20a,20bと、が形成されている。処理槽出入口24は、処理槽壁体22の側面(図1の左側面)の一部を開口させて形成された孔である。この処理槽出入口24から被処理物72が搬出入可能である。処理槽出入口24の外側には気密扉である処理槽扉25が取り付けられており、この処理槽扉25によって処理槽出入口24を閉じることができるようになっている。なお、処理槽扉25の内側には、例えば樹脂などの弾性体からなる図示しないパッキンが設けられており、処理槽扉25が処理槽出入口24を閉じるときに処理槽出入口24の開口部の周囲をパッキンが覆うことで、処理槽出入口24を気密に閉じることが可能となっている。処理空間排気通路26は、処理槽壁体22の側面(図1の右側面)下側の一部を開口させて形成された孔である。この処理空間排気通路26は、処理空間21とその周囲の外周空間41とを接続しており、処理空間21の雰囲気を外周空間41に排出するための気体の通路となる。また、処理空間排気通路26は、中空部23とも連通しており、中空部23内の雰囲気を外周空間41に排出するための通路となる。なお、処理空間排気通路26は、処理空間21から雰囲気を排出する通路となればよく、例えば処理槽壁体22を形成した後で孔を空けることで形成してもよいし、処理槽壁体22を形成する際に一部を溶接しないことで設けた隙間として形成してもよい。貫通孔20a,20bは、処理槽壁体22の図1の下面の一部を開口させて形成された孔であり、物品支持体70の下側に取り付けられた支持棒74,75がそれぞれ内部を貫通している。
ヒーター30は、処理空間21内を加熱する装置である。ヒーター30は、例えば通電により発熱する発熱体などを備えている。ヒーター30は、処理槽20の処理槽壁体22の内周面のうち図1の上面に配置され、処理空間21の雰囲気を例えば200〜300℃に加熱する。
送風装置32は、処理空間21の雰囲気を循環させる装置であり、処理槽20の側面(図1の右側面)上側の一部に取り付けられている。この送風装置32は、ファン33と、回転軸34と、モーター35と、を備えている。ファン33は、回転により周囲の雰囲気を図1の下向きに送風する装置である。回転軸34は、処理槽20の処理槽壁体22及び中空部23を貫通しており、モーター35からの駆動力をファン33に伝達してこれを回転させる。モーター35は、処理槽20の処理槽壁体22の外表面に取り付けられており、回転軸34を介してファン33を回転させる。ファン33の送風の風量は、特に限定するものではないが、例えば50Nm3/h〜5000Nm3/hの範囲で調節可能である。送風装置32は、ファン33を回転させることにより、処理空間21の雰囲気を処理空間21内で循環させる。本実施形態では、ファン33が回転することにより、ファン33から集塵フィルター37,物品支持体70,ヒーター30の順に処理空間21内の雰囲気が循環する。なお、図1では、ファン33による処理空間21内の雰囲気の循環の向きを白抜きの矢印で示した。処理空間21の雰囲気が処理空間21内で循環することにより、ヒーター30で加熱された処理空間21の雰囲気が処理空間21内全体に行き渡って処理空間21全体や被処理物72が加熱される。また、循環の向きは、処理空間21の雰囲気が集塵フィルター37を通過した直後に被処理物72に到達するように定められている。
集塵フィルター37は、処理空間21の微粒子を除去して処理空間21のクリーン度を高めるための装置である。この集塵フィルター37は、処理空間21内の物品支持体70の近傍(図1では右側)に配置されている。集塵フィルター37は、例えばステンレスなどで形成されたフィルターである。また、集塵フィルター37は、送風装置32により送風された処理空間21の雰囲気を例えば層流となるように整流してから物品支持体70(被処理物72)に送る役割も有する。
外周容器40は、処理槽20の周囲を覆い、処理槽20と外周容器40との間に外周空間41を形成する気密な部材である。外周容器40は、例えばステンレスなどの鋼材からなる金属製の板状部材を曲げ加工や溶接して略直方体に形成されている。処理槽壁体22は外周容器40上に載置されており、外周容器40の内周面のうち図1の下面は、処理槽壁体22の外周面のうち図1の下面と接している。そのため、外周空間41は、処理槽壁体22の周囲のうち下面以外を覆うように形成されている。また、外周容器40は、支持台90の上面に固定されて支持されている。
外周容器40には、外周出入口44,貫通孔40a,40bが形成されている。外周出入口44は、外周容器40の側面(図1の左側面)の一部を開口させて形成された孔である。この外周出入口44は、処理槽出入口24の開口の延長上に開口しており、外周出入口44及び処理槽出入口24を介して、処理空間21へ被処理物72が搬出入可能である。外周出入口44の外側には気密扉である外周扉45が取り付けられており、この外周扉45によって外周出入口44を閉じることができるようになっている。なお、外周扉45の内側には、例えばシリコン樹脂などの弾性体からなる図示しないパッキンが設けられており、外周扉45が外周出入口44を閉じるときに外周出入口44の開口部の周囲をパッキンが覆うことで、外周出入口44を気密に閉じることが可能となっている。このため、外周扉45が閉じられた状態では、外周容器40は気密の状態を保つことができる。
貫通孔40a,40bは、処理槽壁体22の図1の下面の一部を開口させて形成された孔である。この貫通孔40a,40bは、それぞれ処理槽壁体22の貫通孔20a,20bと連通しており、物品支持体70の下側に取り付けられた支持棒74,75がそれぞれ内部を貫通している。また、貫通孔40a,40bの下側には、ベローズ48,49が取り付けられている。ベローズ48,49は長手方向(図1の上下方向)に伸縮可能に構成された金属製の部材であり、これにより支持棒74,75が図1の上下方向に移動可能になっている。このベローズ48,49は、上面が開口され下面が封止された有底筒状に形成されており、上面の開口はそれぞれ貫通孔40a,40bに連通している。ベローズ48,49は、それぞれが支持棒74,75の周囲(側面及び下面)を覆っている。このため、支持棒74,75は外周容器40の外部には露出していない。また、ベローズ48,49と貫通孔40a,40bとは例えば溶接や封止材などにより封止されている。このため、外周容器40は気密の状態を保つことができる。
また、外周容器40は、側面(図1の右側面)下部の一部を配管46が貫通している。配管46には排気バルブ47が接続されており、配管46,排気バルブ47を介して外周空間41の雰囲気を熱処理装置10の外部へ排出することができるようになっている。排気バルブ47は、外周空間41の気圧が例えば10Pa〜1000Paの範囲の所定の圧力を超えると開放されて外周空間41の雰囲気を外部に排気し、所定の圧力以下では閉鎖(封止)されるようになっている。これにより、外周空間41の気圧は所定の圧力付近に調整される。なお、外周容器40のうち配管46が貫通する部分は例えば溶接や封止材などにより封止されている。これにより、配管46の周辺などから外周空間41の雰囲気が漏れないようにしており、外周容器40を気密に保つことができる。
処理空間ガス精製装置50は、処理空間21の雰囲気から不活性ガス以外の所定の不要成分を除去する装置であり、ファン51と、吸着フィルター52と、配管53,54とを備えている。ファン51は、回転により配管53を介して処理空間21の雰囲気を吸引し、吸着フィルター52に送風する。ファン51の送風の風量は、特に限定するものではないが、例えば10Nm3/h〜1000Nm3/hの範囲で調節可能である。吸着フィルター52は、ファン51により処理空間21の雰囲気が送られると、不活性ガスについては透過し、不活性ガス以外の所定の不要成分を吸着して除去するものである。吸着フィルター52は、例えばゼオライト,シリカゲルなどを有するフィルターである。本実施形態では、吸着フィルター52は、所定の不要成分として酸素,水,微粒子を除去するものとした。配管53,54は、それぞれ処理槽壁体22のうち図1の上面を貫通しており、吸着フィルター52で不要成分を除去する際の処理空間21の雰囲気の流路となるものである。配管53は、処理空間21から吸着フィルター52への雰囲気の流路となるものであり、配管54は、吸着フィルター52で不要成分を除去された雰囲気が戻る際の処理空間21への流路となる。なお、処理槽壁体22のうち配管53,54が貫通する部分は例えば溶接や封止材などによって封止し、配管53,配管54の周辺などから処理空間21の雰囲気が漏れないようにすることが好ましい。
外周空間ガス精製装置55は、外周空間41の雰囲気から不活性ガス以外の所定の不要成分を除去する装置であり、ファン56と、吸着フィルター57と、配管配管58,59とを備えている。ファン56は、回転により配管58を介して外周空間41の雰囲気を吸引し、吸着フィルター57に送風する。ファン56の送風の風量は、特に限定するものではないが、例えば10Nm3/h〜1000Nm3/hの範囲で調節可能である。吸着フィルター57は、ファン56により外周空間41の雰囲気が送られると、不活性ガスについては透過し、不活性ガス以外の所定の不要成分を吸着して除去するものである。吸着フィルター57は、例えばゼオライト,シリカゲルなどを有するフィルターである。本実施形態では、吸着フィルター57は、所定の不要成分として酸素,水,微粒子を除去するものとした。配管58,59は、それぞれ外周容器40のうち図1の右側面を貫通しており、吸着フィルター57で不要成分を除去する際の外周空間41の雰囲気の流路となるものである。配管58は、外周空間41から吸着フィルター57への雰囲気の流路となるものであり、配管59は、吸着フィルター57で不要成分を除去された雰囲気が戻る際の処理空間21への流路となる。なお、外周容器40のうち配管58,59が貫通する部分は例えば溶接や封止材によって封止されている。これにより、配管53,配管54の周辺などから処理空間21の雰囲気が漏れないようにしており、外周容器40を気密に保つことができる。
処理空間ガス供給装置60は、外周容器40の外部に配置され、処理空間21に不活性ガスを供給する装置である。この処理空間ガス供給装置60は、外周容器40及び処理槽壁体22を貫通する配管61によって処理空間21に接続されており、この配管61を介して処理空間21に不活性ガスを供給する。中空部ガス供給装置63は、外周容器40の外部に配置され、中空部23に不活性ガスを供給する装置である。この中空部ガス供給装置63は、外周容器40及び処理槽壁体22の外周側を貫通する配管64によって中空部23に接続されており、この配管64を介して中空部23に不活性ガスを供給する。
外周空間ガス供給装置66は、外周容器40の外部に配置され、外周空間41に不活性ガスを供給する装置である。この外周空間ガス供給装置66は、外周容器40を貫通する配管67によって外周空間41に接続されており、この配管67を介して外周空間41に不活性ガスを供給する。処理空間ガス供給装置60,中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66の不活性ガスの供給量は、特に限定するものではないが、例えば10Nm3/h〜1000Nm3/hの範囲で調節可能である。また、本実施形態では、処理空間ガス供給装置60からの不活性ガスの供給量が、中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66からの不活性ガスの供給量より多くなるように設定されている。処理空間ガス供給装置60,中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66は、高純度すなわち不要成分が少ない不活性ガスを供給することが好ましい。なお、外周容器40のうち配管61,64,67が貫通する部分は例えば溶接や封止材によって封止されている。これにより、配管61,64,67の周辺などから外周空間41の雰囲気が漏れないようにしており、外周容器40を気密に保つことができる。また、処理槽壁体22のうち配管61,64が貫通する部分は、例えば溶接や封止材によって封止しておき、配管61,64の周辺などから処理空間21や中空部23の雰囲気が漏れないようにすることが好ましい。
物品支持体70は、複数の被処理物72を処理空間21内で支持する部材である。この物品支持体70は、枠体の中に複数の物品支持板を上下に離間して配置した構成をしており、この各物品支持板状に被処理物72が載置可能になっている。これにより、複数の被処理物72を同時に処理空間21の雰囲気に晒すことができるようになっている。物品支持体70の下側には、長手方向が図1の上下方向になるように支持棒74,75が取り付けられている。支持棒75,75は、上述したようにそれぞれ貫通孔20a,20bを貫通し、それぞれ貫通孔40a,40bを貫通している。被処理物72は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに用いるガラス基板や、半導体集積回路,パワー半導体素子に用いる半導体基板などの板状の部材である。
昇降装置80は、物品支持体70を図1の上下方向に昇降させる装置である。昇降装置80は、モーター81と、昇降板82と、ボールネジ83と、を備えている。モーター81は、ボールネジ83を回転駆動させる。昇降板82は、ベローズ48,49の底面を介して支持棒74,支持棒75を図1の下側から指示する板状の部材である。昇降板82は、上下方向にボールネジ83が貫通しており、ボールネジ83が貫通する貫通孔の内周面はネジが切られて雌ねじとなっている。ボールネジ83は、昇降板82を貫通しており、モーター81からの駆動力で回転する部材である。ボールネジ83は、側面の周囲にネジが切られて雄ねじとなっており、昇降板82の貫通孔と螺合している。この昇降装置80では、モーター81からの駆動力でボールネジ83が回転することで、昇降板82が図1の上下に移動可能になっている。そして、昇降板82が上下に移動すると、ベローズ48,49はそれに合わせて伸縮し、昇降板82により支持棒74,75が上下に移動する。これにより、昇降装置80は支持棒74,75を介して物品支持体70を昇降することができる。なお、昇降装置80は、支持台90の内部に配置されている。
次に、こうして構成された熱処理装置10を用いて被処理物72に熱処理を行う様子について説明する。まず、熱処理装置10の外周扉45,処理槽扉25を開放した状態で、被処理物72を処理空間21に搬入し、物品支持体70の物品支持板に載置する(工程(a))。これは、例えば図示しないアームにより被処理物72を搬送し、外周出入口44,処理槽出入口24を経て被処理物72を物品支持体70の物品支持板に載置することで行う。このとき、昇降装置80により物品支持体70を適宜昇降させて、物品支持体70の物品支持板が処理槽出入口24の正面近くに位置するようにし、被処理物72を物品支持板上に載置する。そして、被処理物72を1つ載置すると次の物品支持板が処理槽出入口24の正面近くに位置するように昇降装置80により物品支持体70を昇降させ、次の被処理物72を物品支持板状に載置する。これを繰り返し行うことで、物品支持体70に複数の被処理物72を載置する。なお、被処理物72を搬入する際には、ヒーター30,モーター35,処理空間ガス精製装置50,外周空間ガス精製装置55,処理空間ガス供給装置60,中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66は停止した状態としておけばよい。また、この時点では処理空間21や外周空間41は例えば大気雰囲気になっている。
続いて、外周扉45及び外周出入口44を閉じた状態にして、処理空間ガス供給装置60,中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66から不活性ガスを供給する(工程(b))。これにより、処理空間21,中空部23,外周空間41内は、酸素濃度が低下して、不活性ガス雰囲気になっていく。なお、処理空間21及び中空部23は、上述した処理空間排気通路26を介して外周空間41と接続されているため、処理空間21,中空部23の雰囲気は処理空間排気通路26を通って外周空間41に排気される。これにより、処理空間21,中空部23の大気や水分,微粒子などが排気されて、処理空間21,中空部23の雰囲気が速やかに不活性ガス雰囲気に置換されていく。また、外周空間41は、上述した配管46及び排気バルブ47を介して外部と接続されており、不活性ガスの供給により外周空間41の気圧が高まると、排気バルブ47が開放される。これにより、外周空間41の大気や水分,微粒子などが排気されて、外周空間41の雰囲気が速やかに不活性ガス雰囲気に置換されていく。なお、このとき、外周空間41の気圧にかかわらず排気バルブ47を開放しておくものとしてもよい。また、上述したように、処理空間ガス供給装置60からの不活性ガスの供給量は、中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66からの不活性ガスの供給量より多くなるように設定されているため、処理空間21の気圧は中空部23や外周空間41の気圧よりも高く保たれる。
工程(b)により、不活性ガスを供給して処理空間21及び外周空間41の酸素濃度を低下させると、次に、処理空間ガス精製装置50のファン51及び外周空間ガス精製装置55のファン56の運転を開始すると共に、ヒーター30及び送風装置32の運転を開始して、被処理物72に熱処理を行う(工程(c))。これにより、吸着フィルター52,吸着フィルター57により処理空間21,外周空間41の雰囲気から不活性ガス以外の不要成分が除去される。また、ヒーター30及び送風装置32により処理空間21の雰囲気を所定の熱処理温度(例えば200℃〜300℃)に保たれ、被処理物72に対して所定の熱処理が行われる。ファン51,ファン56の運転開始のタイミングは、吸着フィルター52や吸着フィルター57の処理能力に応じて処理空間21や外周空間41の酸素濃度が適切な濃度まで低下(例えば、10000ppm以下など)した時点となるよう、例えば予め実験により定めることができる。また、ファン51やファン56の送風の風量は、処理空間21及び外周空間41の酸素濃度,露点,クリーン度が被処理物72の熱処理に適した範囲になるよう、例えば予め実験により定めることができる。例えば、酸素濃度が1ppm〜1000ppm、露点が−60℃以下、クリーン度(FED規格)がクラス10以下となるようにファン51やファン56の送風の風量を定めてもよい。なお、工程(c)の間は、処理空間ガス供給装置60,中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66からの不活性ガスの供給を停止してもよいし、工程(b)からそのまま供給を継続してもよいし、供給量を変更してもよい。
工程(c)を所定時間継続して行って熱処理が完了すると、外周出入口44及び外周扉45を開放して被処理物72を搬出する(工程(d))。これは、例えば図示しないアームを用いて、被処理物72を物品支持体70から取り出し、処理槽出入口24,外周出入口44を経て外周容器40の外部に搬出することで行う。このとき、上述した工程(a)(搬入時)と同様に、適宜昇降装置80により物品支持体70を昇降させて、複数の被処理物72のうちアームで取り出す対象となる被処理物72が処理槽出入口24の正面に来るようにする。物品支持体70に載置された複数の被処理物72の搬出が終了すると、次の被処理物72の熱処理を行うべく工程(a)〜工程(d)を再び行う。このように、工程(a)〜工程(d)を繰り返し実行することで、複数の被処理物72の熱処理を順次行っていく。なお、工程(d)においては、ヒーター30,送風装置32,処理空間ガス精製装置50,外周空間ガス精製装置55,処理空間ガス供給装置60,中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66の運転は停止してもよい。また、アームによる被処理物72の搬出入経路も高純度の不活性ガス雰囲気である場合には、工程(d)の間もヒーター30,送風装置32,処理空間ガス精製装置50,外周空間ガス精製装置55,処理空間ガス供給装置60,中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66の運転は継続しておき、2回目以降の工程(b)は省略してもよい。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の処理槽20が本発明の処理槽に相当し、ヒーター30が加熱手段に相当し、外周容器40が外周容器に相当する。また、処理空間ガス供給装置60が処理空間ガス供給手段に相当し、外周空間ガス供給装置66が外周空間ガス供給手段に相当し、処理槽壁体22が処理槽壁体に相当し、中空部23が中空部に相当し、中空部ガス供給装置63が中空部ガス供給手段に相当し、処理空間ガス精製装置50が処理空間ガス精製手段に相当し、外周空間ガス精製装置55が外周空間ガス精製手段に相当する。
以上説明した本実施形態の熱処理装置10では、被処理物72に対して不活性ガス雰囲気で熱処理を行う処理空間21を形成する処理槽20の周囲を、気密な外周容器40が覆っている。また、外周容器40と処理槽20との間には外周空間41が形成されている。そのため、外周容器40及び外周空間41がなく処理槽20が外部雰囲気に晒されている場合と比較して、処理空間21への外部雰囲気の流入がより抑制される。これにより、処理空間21への不要成分の流入をより抑制することができる。したがって、例えば上述した工程(b)において速やかに酸素濃度を低下させたり、工程(c)において速やかに不要成分を除去することができる。また、工程(c)において処理空間21の雰囲気をより高純度の不活性ガス雰囲気にすることができる。
また、処理空間21に不活性ガスを供給する処理空間ガス供給装置60を備えているため、例えば工程(b)などの熱処理前などにおいて処理空間21の不要成分の量を迅速に低下させることができるなど、処理空間21を迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。しかも、処理槽20は、処理空間21の雰囲気を排気する処理空間排気通路26を有しているため、処理空間排気通路26から処理空間21の不要成分を排出することができ、処理空間21の雰囲気をより迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。また、処理空間ガス供給装置60は、処理空間21の気圧が外周空間41の気圧より高くなるように不活性ガスを供給するため、処理空間21への不要成分の流入をより抑制する効果が高まる。
さらに、外周空間41に不活性ガスを供給する外周空間ガス供給装置66を備えているため、例えば工程(b)などの熱処理前などにおいて外周空間41の不要成分の量を迅速に低下させることができるなど、外周空間41を迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。したがって、外周空間41から処理空間21への雰囲気の流入がある場合でも、処理空間21への不要成分の流入を抑制できる。しかも、外周容器40は、外周空間41の雰囲気を排気する配管46を有しているため、配管46から外周空間41の不要成分を排出することができ、外周空間41の雰囲気をより迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。
そして、処理槽20は、処理空間21を形成する処理槽壁体22を有しており、処理槽壁体22は断熱材が封入された中空部23を自身の内部に有している。このため、熱処理時に外周空間41や外周容器40が加熱されるのをより抑制することができる。したがって、熱処理時に外周容器40が熱膨張で変形して気密性が低下するのをより抑制できる。
そしてまた、中空部23に不活性ガスを供給する中空部ガス供給装置63を備えているため、例えば工程(b)などの熱処理前などにおいて中空部23の不要成分の量を迅速に低下させることができるなど、中空部23を迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。そのため、中空部23から処理空間21への雰囲気の流入がある場合でも、処理空間21への不要成分の流入を抑制できる。しかも、処理槽20は、処理空間排気通路26を有しており、この処理空間排気通路26により中空部23の雰囲気を排気することができるため、中空部23の雰囲気中の不要成分を排出することができ、中空部23の雰囲気をより迅速に不活性ガス雰囲気にすることができる。
そしてまた、処理空間21の雰囲気から不活性ガス以外の所定の不要成分を除去する処理空間ガス精製装置50を備えているため、例えば工程(c)など熱処理中において、処理空間21の不活性ガス雰囲気を高純度化しやすい。
そしてまた、外周空間41の雰囲気から不活性ガス以外の所定の不要成分を除去する外周空間ガス精製装置55を備えているため、例えば工程(c)など熱処理中において、外周空間41から不要成分を除去することができる。これにより、外周空間41から処理空間21への不要成分の流入をより抑制することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、外周容器40の下側に取り付けられた昇降装置80により物品支持体70を昇降させるものとしたが、昇降装置80は外周容器40の上側に取り付けてもよいし、左右に取り付けても良い。また、昇降装置80を備えないものとしてもよい。昇降装置80を備えない場合、例えば処理槽出入口24及び外周出入口44の開口を広くして、物品支持体70を昇降させなくとも複数の被処理物72を搬出入可能に構成してもよい。
上述した実施形態では、処理空間ガス供給装置60は、処理空間21が中空部23や外周空間41よりも気圧が高くなるように不活性ガスを供給するものとしたが、これに限られない。例えば、処理空間21,中空部23,外周空間41の気圧が同程度になるようにしてもよい。
上述した実施形態では、熱処理装置10は処理空間ガス供給装置60,中空部ガス供給装置63及び外周空間ガス供給装置66を備えるものとしたが、これらのうちいずれか1以上を備えないものとしてもよい。
上述した実施形態では、熱処理装置10は処理空間ガス精製装置50及び外周空間ガス精製装置55を備えるものとしたが、これらのうち少なくとも一方を備えないものとしてもよい。
上述した実施形態では、処理槽壁体22は中空部23を有するものとしたが、中空部23を備えないものとしてもよい。
上述した実施形態では、処理空間排気通路26は処理空間21と外周空間41との間を接続しているものとしたが、処理空間排気通路26は外周空間41を介さず処理空間21と外部との間を接続する配管としてもよい。この場合、この配管に排気バルブ47と同様に排気バルブを設けてもよい。また、排気バルブ47よりも高い気圧で処理空間排気通路26に設ける排気バルブが開放されるようにして、処理空間21の気圧が外周空間41の気圧よりも高くなるように調整してもよい。あるいは、処理空間排気通路26や配管46は排気バルブを備えないものとし、処理空間排気通路26となる配管の内径が配管46の内径よりも小さくなるようにすることで、処理空間21の気圧が外周空間41の気圧よりも高くなるように調整してもよい。
上述した実施形態では、処理空間ガス精製装置50及び外周空間ガス精製装置55がともに酸素,水,微粒子を除去するものとしたが、除去する不要成分は酸素,水,微粒子のうち1以上としてもよい。また、処理空間ガス精製装置50と外周空間ガス精製装置55とで除去する不要成分は同じであってもよいし、異なっていてもよいし、一部が同じであってもよい。
上述した実施形態では、処理空間ガス精製装置50は外周容器40の外部に配置されるものとしたが、外周空間41に配置してもよいし、処理空間21に配置してもよい。また、外周空間ガス精製装置55は外周容器40の外部に配置されるものとしたが、外周空間41に配置してもよい。
上述した実施形態では、処理空間排気通路26は中空部23とも接続されて中空部23内の雰囲気を外周空間41に排出するものとしたが、処理空間排気通路26は処理空間21の雰囲気を排出することができればよく、中空部23とは接続されていなくともよい。この場合、処理槽壁体22が、処理空間排気通路26とは別に中空部23の雰囲気を外周空間41又は外周容器40の外部に排出するための中空部排気通路を有していてもよい。
[実施例1]
図1に示した構成の熱処理装置10を実施例1とした。なお、外周容器40の寸法は縦3200mm,横3200mm,高さ3500mmとした。また、処理槽壁体22の外寸は縦2800mm,横2800mm,高さ3000mmとし、内寸(処理空間21の大きさ)は縦2500mm,横2500mm,高さ2800mmとした。
[比較例1]
外周容器40,外周空間ガス精製装置55,中空部ガス供給装置63,外周空間ガス供給装置66を備えない点以外は、実施例1と同様の熱処理装置を比較例1とした。なお、ベローズ48,49は、貫通孔20a,20bに溶接した。また、処理空間排気通路26は形成しなかった。
[評価試験1]
実施例1について、ヒーター30を動作させず処理空間21の温度を25℃とし、処理空間ガス供給装置60による処理空間21への窒素(10ppm以下、クリーン度がクラス10)の供給量を400L/minとし、中空部ガス供給装置63による中空部23への窒素の供給量を0L/min(供給しない)とし、外周空間ガス供給装置66による外周空間41への窒素の供給量を100L/minとする条件で(以下、条件1ともいう)、処理空間21の雰囲気が大気雰囲気から酸素濃度5000ppmに到達するまでに要する時間を測定した。同様に、比較例1について、ヒーター30を動作させず処理空間21の温度を25℃とし、処理空間ガス供給装置60による処理空間21への窒素の供給量を500L/minとする条件で(以下、条件2ともいう)、処理空間21の雰囲気が大気雰囲気から酸素濃度5000ppmに到達するまでに要する時間を測定した。条件1,2及び測定した時間を表1に示す。
Figure 2014181882
表1に示すように、比較例1(条件2)では酸素濃度が5000ppmまで低下するのに3時間を要したのに対し、実施例1では2時間であった。すなわち、実施例1(条件1)における窒素の供給量の総和と、比較例1(条件2)における窒素の供給量は同じであるにもかかわらず、処理空間21の酸素濃度の低下は実施例1の熱処理装置10の方が早かった。実施例1では、外周容器40及び外周空間41が存在することにより、処理空間21への不要成分の流入がより抑制されて、速やかに酸素濃度を低下させることができていると考えられる。
[評価試験2]
実施例1について、ヒーター30を動作させず処理空間21の温度を25℃とし、処理空間ガス供給装置60による処理空間21への窒素の供給量を50L/minとし、中空部ガス供給装置63による中空部23への窒素の供給量を10L/minとし、外周空間ガス供給装置66による外周空間41への窒素の供給量を20L/minとし、処理空間ガス精製装置50のファン51の送風量(=処理空間ガス精製装置50による不要成分除去を行う雰囲気の処理量)を20m3/hとし、外周空間ガス精製装置55のファン56の送風量を10m3/hとする条件で(以下、条件3ともいう)、酸素濃度が5000ppmの状態から1時間経過した後の、処理空間21の酸素濃度(ppm),露点(℃),クリーン度(c/cft)を測定した。同様に、実施例1について、酸素濃度が5000ppmの状態から6時間経過した後の、処理空間21の酸素濃度(ppm),露点(℃),クリーン度(c/cft)を測定した点以外は、条件3と同じ条件で(以下、条件4ともいう)測定を行った。同様に、実施例1について、ヒーター30を作動させて処理空間21を250℃に保った点以外は条件4と同じ条件で(以下、条件5ともいう)、酸素濃度が5000ppmの状態から6時間経過した後の、処理空間21の酸素濃度(ppm),露点(℃),クリーン度(c/cft)を測定した。比較例1について、ヒーター30を動作させず処理空間21の温度を25℃とし、処理空間ガス供給装置60による処理空間21への窒素の供給量を80L/minとする条件で(以下、条件6ともいう)、酸素濃度が5000ppmの状態から6時間経過した後の、処理空間21の酸素濃度(ppm),露点(℃),クリーン度(c/cft)を測定した。同様に、比較例1について、ヒーター30を作動させて処理空間21を250℃に保った点以外は条件6と同じ条件で(以下、条件7ともいう)、酸素濃度が5000ppmの状態から6時間経過した後の、処理空間21の酸素濃度(ppm),露点(℃),クリーン度(c/cft)を測定した。条件3〜条件7及び測定した酸素濃度(ppm),露点(℃),クリーン度(c/cft)を表2に示す。
Figure 2014181882
表2に示すように、実施例1(条件3〜条件5)のいずれも、比較例1(条件6,条件7)と比べて酸素濃度が低く、露点が低く、クリーン度が高かった。すなわち、実施例1(条件3〜条件5)における窒素の供給量の総和と、比較例1(条件6,条件7)における窒素の供給量とは同じであるにもかかわらず、実施例1では処理空間21の酸素濃度が低く、露点が低く、クリーン度が高い状態に維持されていた。実施例1では、外周容器40及び外周空間41が存在することにより、処理空間21への不要成分の流入がより抑制されて、処理空間21の窒素が高純度に保たれていると考えられる。
10 熱処理装置、20 処理槽、20a,20b 貫通孔、21 処理空間、22 処理槽壁体、23 中空部、24 処理槽出入口、25 処理槽扉、26 処理空間排気通路、30 ヒーター、32 送風装置、33 ファン、34 回転軸、35 モーター、37 集塵フィルター、40 外周容器、40a,40b 貫通孔、41 外周空間、44 外周出入口、45 外周扉、46 配管、47 排気バルブ、48,49 ベローズ、50 処理空間ガス精製装置、51 ファン、52 吸着フィルター、53,54 配管、55 外周空間ガス精製装置、56 ファン、57 吸着フィルター、58,59 配管、60 処理空間ガス供給装置、61 配管、63 中空部ガス供給装置、64 配管、66 外周部ガス供給装置、67 配管、70 物品支持体、72 被処理物、74,75 支持棒、80 昇降装置、81 モーター、82 昇降板、83 ボールネジ、90 支持台。

Claims (8)

  1. 不活性ガス雰囲気の処理空間に配置された被処理物に対して熱処理を行う熱処理装置であって、
    前記処理空間を形成する処理槽と、
    前記処理空間を加熱する加熱手段と、
    前記処理槽の周囲を覆い、該処理槽と自身との間に外周空間を形成する気密な外周容器と、
    を備えた熱処理装置。
  2. 請求項1に記載の熱処理装置であって、
    前記処理空間に前記不活性ガスを供給する処理空間ガス供給手段、
    を備えた熱処理装置。
  3. 請求項2に記載の熱処理装置であって、
    前記処理空間ガス供給手段は、前記処理空間の気圧が前記外周空間の気圧より高くなるように前記不活性ガスを供給する、
    熱処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱処理装置であって、
    前記外周空間に前記不活性ガスを供給する外周空間ガス供給手段、
    を備えた熱処理装置。
  5. 前記処理槽は、前記処理空間を形成する処理槽壁体を有しており、該処理槽壁体は断熱材が封入された中空部を自身の内部に有している、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  6. 請求項5に記載の熱処理装置であって、
    前記中空部に前記不活性ガスを供給する中空部ガス供給手段、
    を備えた熱処理装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱処理装置であって、
    前記処理空間の雰囲気から前記不活性ガス以外の所定の不要成分を除去する処理空間ガス精製手段、
    を備えた熱処理装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱処理装置であって、
    前記外周空間の雰囲気から前記不活性ガス以外の所定の不要成分を除去する外周空間ガス精製手段、
    を備えた熱処理装置。
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