JP2001058844A - 蛍光表示管用ガラス組成物、絶縁材料及び隔壁材料 - Google Patents
蛍光表示管用ガラス組成物、絶縁材料及び隔壁材料Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ＰｂＯ及びアルカリ金属成分を含有しなくて
も、６００℃以下の温度で焼成可能な蛍光表示管用ガラ
ス組成物と、これを用いた絶縁材料及び隔壁材料を提供
する。 【解決手段】 モル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ
２０〜５５％、Ｂ2Ｏ3１５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜２
５％の組成を有するガラス粉末を使用する。
も、６００℃以下の温度で焼成可能な蛍光表示管用ガラ
ス組成物と、これを用いた絶縁材料及び隔壁材料を提供
する。 【解決手段】 モル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ
２０〜５５％、Ｂ2Ｏ3１５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜２
５％の組成を有するガラス粉末を使用する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光表示管用ガラス
組成物と、これを用いた絶縁材料及び隔壁材料に関する
ものである。
組成物と、これを用いた絶縁材料及び隔壁材料に関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】蛍光表示管は、自己発光型のフラットデ
ィスプレーであり、高輝度、低電圧駆動、軽量薄型、高
信頼性といった特徴を活かし、家電、オーディオ、計測
器など幅広い分野で利用されている。蛍光表示管は、一
般に、対向する前面ガラス基板と背面ガラス基板とを封
止した真空容器の中に、フィラメント状カソードと、グ
リッド及び蛍光体層を形成したアノードを設けた３極真
空管である。またアノード電極下には、絶縁膜が形成さ
れている。カソードから放出された熱電子は、メッシュ
状グリッドで加速・制御され、アノード上の蛍光体層を
選択的に励起発光させる。これにより所望の表示を得る
ことができる。また最近では、表示に寄与しない面積を
小さくしたり、デザイン設計の自由度を持たせたり、或
いは輝度効率を高くするために、多数の隔壁（リブとも
いう）の上にグリッドを形成した蛍光表示管も開発され
ている。
ィスプレーであり、高輝度、低電圧駆動、軽量薄型、高
信頼性といった特徴を活かし、家電、オーディオ、計測
器など幅広い分野で利用されている。蛍光表示管は、一
般に、対向する前面ガラス基板と背面ガラス基板とを封
止した真空容器の中に、フィラメント状カソードと、グ
リッド及び蛍光体層を形成したアノードを設けた３極真
空管である。またアノード電極下には、絶縁膜が形成さ
れている。カソードから放出された熱電子は、メッシュ
状グリッドで加速・制御され、アノード上の蛍光体層を
選択的に励起発光させる。これにより所望の表示を得る
ことができる。また最近では、表示に寄与しない面積を
小さくしたり、デザイン設計の自由度を持たせたり、或
いは輝度効率を高くするために、多数の隔壁（リブとも
いう）の上にグリッドを形成した蛍光表示管も開発され
ている。
【０００３】このような蛍光表示管の絶縁膜の形成に
は、ガラス粉末からなる絶縁材料が用いられ、また隔壁
の形成には、ガラス粉末とセラミック粉末を混合した隔
壁材料が広く用いられている。これらの材料は、ガラス
基板の変形を防止するために６００℃以下で焼成できる
ことが重要であり、それゆえガラス粉末には、軟化点が
６３０℃以下のガラスが使用されている。
は、ガラス粉末からなる絶縁材料が用いられ、また隔壁
の形成には、ガラス粉末とセラミック粉末を混合した隔
壁材料が広く用いられている。これらの材料は、ガラス
基板の変形を防止するために６００℃以下で焼成できる
ことが重要であり、それゆえガラス粉末には、軟化点が
６３０℃以下のガラスが使用されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】一般に軟化点が６３０
℃以下のガラスは、軟化点を低下させる成分としてＰｂ
Ｏやアルカリ金属酸化物が含まれており、上記した絶縁
及び隔壁形成材料に用いられるガラス粉末にもこの種の
ガラスが採用されている。
℃以下のガラスは、軟化点を低下させる成分としてＰｂ
Ｏやアルカリ金属酸化物が含まれており、上記した絶縁
及び隔壁形成材料に用いられるガラス粉末にもこの種の
ガラスが採用されている。
【０００５】しかしながらＰｂＯを含むガラスは、ガラ
ス粉末を作製する際の人体への影響や、廃棄物の処理が
問題となっている。またアルカリ金属成分は、電子部品
に対して悪影響を与えることが知られており、蛍光表示
管用材料としてもできる限りアルカリ金属成分を含まな
いものが要求されている。
ス粉末を作製する際の人体への影響や、廃棄物の処理が
問題となっている。またアルカリ金属成分は、電子部品
に対して悪影響を与えることが知られており、蛍光表示
管用材料としてもできる限りアルカリ金属成分を含まな
いものが要求されている。
【０００６】本発明の目的は、ＰｂＯ及びアルカリ金属
成分を含有しなくても、６００℃以下の温度で焼成可能
な蛍光表示管用ガラス組成物と、これを用いた絶縁材料
及び隔壁材料を提供することである。
成分を含有しなくても、６００℃以下の温度で焼成可能
な蛍光表示管用ガラス組成物と、これを用いた絶縁材料
及び隔壁材料を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々検討を
行ったところ、ＰｂＯやアルカリ金属酸化物を用いなく
とも、ＢａＯ、ＺｎＯ、Ｂ2Ｏ3を主成分とするガラス系
において、軟化点が６３０℃以下になる組成範囲が存在
することを見いだし、本発明として提案するものであ
る。
行ったところ、ＰｂＯやアルカリ金属酸化物を用いなく
とも、ＢａＯ、ＺｎＯ、Ｂ2Ｏ3を主成分とするガラス系
において、軟化点が６３０℃以下になる組成範囲が存在
することを見いだし、本発明として提案するものであ
る。
【０００８】即ち、本発明の蛍光表示管用ガラス組成物
は、モル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ ２０〜５５
％、Ｂ2Ｏ3 １５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜２５％の組
成を有することを特徴とする。
は、モル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ ２０〜５５
％、Ｂ2Ｏ3 １５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜２５％の組
成を有することを特徴とする。
【０００９】また本発明の蛍光表示管用絶縁材料は、モ
ル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ２０〜５５％、Ｂ2
Ｏ3 １５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜２５％の組成を有す
るガラス粉末からなることを特徴とする。
ル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ２０〜５５％、Ｂ2
Ｏ3 １５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜２５％の組成を有す
るガラス粉末からなることを特徴とする。
【００１０】また本発明の蛍光表示管用隔壁材料は、モ
ル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ２０〜５５％、Ｂ2
Ｏ3 １５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜２５％の組成を有す
るガラス粉末５０〜９５重量％と、セラミック粉末５〜
５０重量％からなることを特徴とする。
ル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ２０〜５５％、Ｂ2
Ｏ3 １５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜２５％の組成を有す
るガラス粉末５０〜９５重量％と、セラミック粉末５〜
５０重量％からなることを特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】本発明の蛍光表示管用ガラス組成
物は、ＢａＯ−ＺｎＯ−Ｂ2Ｏ3系のガラスからなる。こ
の系のガラスは、Ｂ2Ｏ3が５０モル％以下の範囲におい
て、軟化点が６３０℃以下となる組成領域が存在する。
またこの領域では熱膨張係数が高くなる傾向があるた
め、本発明ではＺｎＯを比較的多く含有させて、ガラス
基板に適合した熱膨張係数に調整している。
物は、ＢａＯ−ＺｎＯ−Ｂ2Ｏ3系のガラスからなる。こ
の系のガラスは、Ｂ2Ｏ3が５０モル％以下の範囲におい
て、軟化点が６３０℃以下となる組成領域が存在する。
またこの領域では熱膨張係数が高くなる傾向があるた
め、本発明ではＺｎＯを比較的多く含有させて、ガラス
基板に適合した熱膨張係数に調整している。
【００１２】以下に、ガラス組成を上記のように限定し
た理由を述べる。
た理由を述べる。
【００１３】ＢａＯは軟化点を下げる成分であり、その
含有量は５〜４０％、好ましくは１０〜３０％である。
ＢａＯが５％より少ないとその効果が十分でなく、４０
％より多いと熱膨張係数が高くなり、ガラス基板のそれ
と適合しなくなるため好ましくない。
含有量は５〜４０％、好ましくは１０〜３０％である。
ＢａＯが５％より少ないとその効果が十分でなく、４０
％より多いと熱膨張係数が高くなり、ガラス基板のそれ
と適合しなくなるため好ましくない。
【００１４】ＺｎＯは軟化点を下げるとともに、熱膨張
係数を低下させる成分であり、その含有量は２０〜５５
％、好ましくは３０〜５０％である。ＺｎＯが２０％よ
り少ないと上記効果を得ることが難しくなり、５５％よ
り多いとガラス中に結晶が析出して緻密な焼結体が得ら
れなくなるため好ましくない。
係数を低下させる成分であり、その含有量は２０〜５５
％、好ましくは３０〜５０％である。ＺｎＯが２０％よ
り少ないと上記効果を得ることが難しくなり、５５％よ
り多いとガラス中に結晶が析出して緻密な焼結体が得ら
れなくなるため好ましくない。
【００１５】Ｂ2Ｏ3はガラスの骨格を構成する成分であ
り、その含有量は１５〜５０％、好ましくは２０〜５０
％である。Ｂ2Ｏ3が１５％より少ないとガラス化が困難
となる。一方、Ｂ2Ｏ3が５０％より多いと軟化点が６３
０℃以下にならない。このため６００℃以下の温度で焼
成すると、絶縁材料の場合には平滑な表面を有する焼成
膜が得られず、絶縁特性が悪化する。また隔壁材料の場
合には、緻密な焼結体が得られなくなる。このため何れ
の場合もパネル特性が低下してしまう。
り、その含有量は１５〜５０％、好ましくは２０〜５０
％である。Ｂ2Ｏ3が１５％より少ないとガラス化が困難
となる。一方、Ｂ2Ｏ3が５０％より多いと軟化点が６３
０℃以下にならない。このため６００℃以下の温度で焼
成すると、絶縁材料の場合には平滑な表面を有する焼成
膜が得られず、絶縁特性が悪化する。また隔壁材料の場
合には、緻密な焼結体が得られなくなる。このため何れ
の場合もパネル特性が低下してしまう。
【００１６】ＳｉＯ2はガラスの骨格を形成する成分で
あるとともに、熱膨張係数を低下させる効果があり、そ
の含有量は０〜２５％、好ましくは２〜１５％である。
ＳｉＯ2が２５％より多いと軟化点が６３０℃以下にな
らず、６００℃以下の温度で焼成すると、平滑な絶縁膜
や緻密な隔壁が得られなくなり、パネル特性が低下して
しまう。
あるとともに、熱膨張係数を低下させる効果があり、そ
の含有量は０〜２５％、好ましくは２〜１５％である。
ＳｉＯ2が２５％より多いと軟化点が６３０℃以下にな
らず、６００℃以下の温度で焼成すると、平滑な絶縁膜
や緻密な隔壁が得られなくなり、パネル特性が低下して
しまう。
【００１７】また上記成分の他にも、本発明の効果を損
なわない範囲で他の成分を添加することができる。例え
ば耐水性や耐薬品性を向上させるためにＭｇＯ、Ｃａ
Ｏ、ＳｒＯ等のアルカリ土類金属酸化物や、Ａｌ2Ｏ3、
ＺｒＯ2、ＴｉＯ2を、またガラス安定化のためにＰ2Ｏ5
を添加してもよい。なお他成分の添加量は２０モル％以
下、好ましくは１５モル％以下に制限すべきである。た
だしＰｂＯは環境上の観点から、またアルカリ金属酸化
物は電気的特性の観点から、実質的に含まないことが望
ましい。
なわない範囲で他の成分を添加することができる。例え
ば耐水性や耐薬品性を向上させるためにＭｇＯ、Ｃａ
Ｏ、ＳｒＯ等のアルカリ土類金属酸化物や、Ａｌ2Ｏ3、
ＺｒＯ2、ＴｉＯ2を、またガラス安定化のためにＰ2Ｏ5
を添加してもよい。なお他成分の添加量は２０モル％以
下、好ましくは１５モル％以下に制限すべきである。た
だしＰｂＯは環境上の観点から、またアルカリ金属酸化
物は電気的特性の観点から、実質的に含まないことが望
ましい。
【００１８】本発明の蛍光表示管用絶縁材料は、基本的
に上記組成を有するガラス粉末のみからなるが、必要に
応じてセラミック粉末、例えばアルミナ、ジルコニア、
ジルコン、チタニア、コージエライト、ムライト、シリ
カ、ウイレマイト、酸化錫、酸化亜鉛等を合量で１０重
量％以下添加することは差し支えない。
に上記組成を有するガラス粉末のみからなるが、必要に
応じてセラミック粉末、例えばアルミナ、ジルコニア、
ジルコン、チタニア、コージエライト、ムライト、シリ
カ、ウイレマイト、酸化錫、酸化亜鉛等を合量で１０重
量％以下添加することは差し支えない。
【００１９】また蛍光表示管用隔壁材料は、形状維持の
目的で上記ガラス粉末に加えてセラミック粉末を含有す
ることが好ましい。この場合、その混合割合はガラス粉
末５０〜９５重量％、セラミック粉末５〜５０重量％、
特にガラス粉末６０〜９０重量％、セラミック粉末１０
〜４０重量％であることが望ましい。セラミック粉末が
５０％より多いと焼結性が不十分となって緻密な隔壁を
形成することが困難になり、５％より少ないと形状維持
効果が小さくなる。なおセラミック粉末としては、例え
ばアルミナ、ジルコニア、ジルコン、チタニア、コージ
エライト、ムライト、シリカ、ウイレマイト、酸化錫、
酸化亜鉛等を１種又は２種以上組み合わせて使用するこ
とができる。
目的で上記ガラス粉末に加えてセラミック粉末を含有す
ることが好ましい。この場合、その混合割合はガラス粉
末５０〜９５重量％、セラミック粉末５〜５０重量％、
特にガラス粉末６０〜９０重量％、セラミック粉末１０
〜４０重量％であることが望ましい。セラミック粉末が
５０％より多いと焼結性が不十分となって緻密な隔壁を
形成することが困難になり、５％より少ないと形状維持
効果が小さくなる。なおセラミック粉末としては、例え
ばアルミナ、ジルコニア、ジルコン、チタニア、コージ
エライト、ムライト、シリカ、ウイレマイト、酸化錫、
酸化亜鉛等を１種又は２種以上組み合わせて使用するこ
とができる。
【００２０】また本発明の絶縁材料や隔壁材料は、Ｍｎ
−Ｆｅ−Ａｌ−Ｏ系、Ｃｒ−Ｃｕ−Ｏ系、Ｃｒ−Ｆｅ−
Ｃｏ−Ｏ系、Ｃｏ−Ｏ系等の黒色顔料を２０重量％まで
含有することもできる。
−Ｆｅ−Ａｌ−Ｏ系、Ｃｒ−Ｃｕ−Ｏ系、Ｃｒ−Ｆｅ−
Ｃｏ−Ｏ系、Ｃｏ−Ｏ系等の黒色顔料を２０重量％まで
含有することもできる。
【００２１】次に、本発明の蛍光表示管用絶縁材料及び
隔壁材料の使用方法を説明する。
隔壁材料の使用方法を説明する。
【００２２】本発明の材料は、例えばペーストの形態で
使用することができる。ペーストの形態で使用する場
合、上述したガラス粉末、及び必要に応じてセラミック
粉末とともに、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を使用す
る。ガラス粉末及びセラミック粉末のペースト中の含有
量としては、３０〜９０重量％程度が一般的である。
使用することができる。ペーストの形態で使用する場
合、上述したガラス粉末、及び必要に応じてセラミック
粉末とともに、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を使用す
る。ガラス粉末及びセラミック粉末のペースト中の含有
量としては、３０〜９０重量％程度が一般的である。
【００２３】熱可塑性樹脂は、乾燥後の膜強度を高め、
また柔軟性を付与する成分であり、その含有量は、０．
１〜２０重量％程度が一般的である。熱可塑性樹脂とし
てはポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラー
ル、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアク
リレート、エチルセルロース等が使用可能であり、これ
らを単独あるいは混合して使用する。
また柔軟性を付与する成分であり、その含有量は、０．
１〜２０重量％程度が一般的である。熱可塑性樹脂とし
てはポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラー
ル、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアク
リレート、エチルセルロース等が使用可能であり、これ
らを単独あるいは混合して使用する。
【００２４】可塑剤は、乾燥速度をコントロールすると
ともに、乾燥膜に柔軟性を与える成分であり、その含有
量は０〜１０重量％程度が一般的である。可塑剤として
はブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート、
ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジ
ブチルフタレート等が使用可能であり、これらを単独あ
るいは混合して使用する。
ともに、乾燥膜に柔軟性を与える成分であり、その含有
量は０〜１０重量％程度が一般的である。可塑剤として
はブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート、
ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジ
ブチルフタレート等が使用可能であり、これらを単独あ
るいは混合して使用する。
【００２５】溶剤は材料をペースト化するための材料で
あり、その含有量は１０〜３０重量％程度が一般的であ
る。溶剤としては、例えばターピネオール、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、２，２，４
−トリメチル−１，３−ペンタジオールモノイソブチレ
ート等を単独または混合して使用することができる。
あり、その含有量は１０〜３０重量％程度が一般的であ
る。溶剤としては、例えばターピネオール、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、２，２，４
−トリメチル−１，３−ペンタジオールモノイソブチレ
ート等を単独または混合して使用することができる。
【００２６】ペーストの作製は、ガラス粉末、セラミッ
ク粉末、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を用意し、これ
を所定の割合で混練することによりペーストとすること
ができる。
ク粉末、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を用意し、これ
を所定の割合で混練することによりペーストとすること
ができる。
【００２７】このようなペーストを用いて、絶縁膜や隔
壁を形成するには、まずこれらのペーストをスクリーン
印刷法にて、所定の膜厚になるまで、積層して形成した
後、乾燥させ、焼成すればよい。
壁を形成するには、まずこれらのペーストをスクリーン
印刷法にて、所定の膜厚になるまで、積層して形成した
後、乾燥させ、焼成すればよい。
【００２８】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【００２９】表１は、本発明の実施例（試料Ｎｏ．１〜
４）及び比較例（試料Ｎｏ．５）を示している。
４）及び比較例（試料Ｎｏ．５）を示している。
【００３０】
【表１】
【００３１】各試料は次のようにして調製した。まず表
に示す組成となるように各種酸化物、炭酸塩等のガラス
原料を調合し、均一に混合した後、白金坩堝に入れて１
２５０℃で２時間溶融して均一なガラス体を得た。次い
でこれをアルミナボールミルで粉砕し、目開き５３μｍ
の網篩で分級した。
に示す組成となるように各種酸化物、炭酸塩等のガラス
原料を調合し、均一に混合した後、白金坩堝に入れて１
２５０℃で２時間溶融して均一なガラス体を得た。次い
でこれをアルミナボールミルで粉砕し、目開き５３μｍ
の網篩で分級した。
【００３２】得られたガラス粉末について熱膨張係数及
び軟化点を測定した。その結果、Ｎｏ．１〜４の各試料
は熱膨張係数が７７．６〜８７．１×１０-7／℃、軟化
点が６１５℃以下であった。またこれらの試料を蛍光表
示管の絶縁材料として使用したところ、６００℃の焼成
で、均一で平滑な焼成膜が得られた。これに対してＮ
ｏ．５の試料は、軟化点が６５３℃と高いために、６０
０℃の焼成では平滑な焼成膜が得られなかった。
び軟化点を測定した。その結果、Ｎｏ．１〜４の各試料
は熱膨張係数が７７．６〜８７．１×１０-7／℃、軟化
点が６１５℃以下であった。またこれらの試料を蛍光表
示管の絶縁材料として使用したところ、６００℃の焼成
で、均一で平滑な焼成膜が得られた。これに対してＮ
ｏ．５の試料は、軟化点が６５３℃と高いために、６０
０℃の焼成では平滑な焼成膜が得られなかった。
【００３３】次にガラス粉末試料と各種のセラミック粉
末を表に示す割合で混合し、隔壁材料として使用したと
ころ、Ｎｏ．１〜４の各試料は６００℃の焼成で良好な
焼結性を示した。これに対して比較例であるＮｏ．５の
試料は、６００℃で焼成すると緻密な焼成膜が得られ
ず、焼結性が悪かった。
末を表に示す割合で混合し、隔壁材料として使用したと
ころ、Ｎｏ．１〜４の各試料は６００℃の焼成で良好な
焼結性を示した。これに対して比較例であるＮｏ．５の
試料は、６００℃で焼成すると緻密な焼成膜が得られ
ず、焼結性が悪かった。
【００３４】なお熱膨張係数は、各試料を粉末プレス成
型し、焼成した後、直径４ｍｍ、長さ４０ｍｍの円柱状
に研磨加工し、ＪＩＳ Ｒ３１０２に基づいて測定した
後、３０〜３００℃の温度範囲における値を求めた。ガ
ラスの軟化点はマクロ型示差熱分析計を用いて測定し、
第四の変曲点の値を軟化点とした。焼成膜の平滑性及び
焼結性は、以下のようにして評価した。まず各試料をエ
チルセルロースの５％ターピネオール溶液に混合し、３
本ロールミルにて混練してペースト化した。次いでこの
ペーストを窓板ガラス（熱膨張係数８５×１０-7／℃）
の上にスクリーン印刷法で塗布し、膜厚２００μｍの塗
布膜を形成した。続いて、電気炉にて６００℃で１０分
間焼成した。得られた焼成膜を触針式表面粗さ計を用い
て平滑性を評価し、表面粗さＲａが１μｍ以下のものを
「○」、１μｍを超えるものを「×」として記載した。
また焼結性については、焼成膜の上に油性インクを塗り
つけた後、アルコールで拭き取り、インクが良好に拭き
取れるものを「○」、インクが染み込んで拭き取り困難
なものを「×」として表中に示した。
型し、焼成した後、直径４ｍｍ、長さ４０ｍｍの円柱状
に研磨加工し、ＪＩＳ Ｒ３１０２に基づいて測定した
後、３０〜３００℃の温度範囲における値を求めた。ガ
ラスの軟化点はマクロ型示差熱分析計を用いて測定し、
第四の変曲点の値を軟化点とした。焼成膜の平滑性及び
焼結性は、以下のようにして評価した。まず各試料をエ
チルセルロースの５％ターピネオール溶液に混合し、３
本ロールミルにて混練してペースト化した。次いでこの
ペーストを窓板ガラス（熱膨張係数８５×１０-7／℃）
の上にスクリーン印刷法で塗布し、膜厚２００μｍの塗
布膜を形成した。続いて、電気炉にて６００℃で１０分
間焼成した。得られた焼成膜を触針式表面粗さ計を用い
て平滑性を評価し、表面粗さＲａが１μｍ以下のものを
「○」、１μｍを超えるものを「×」として記載した。
また焼結性については、焼成膜の上に油性インクを塗り
つけた後、アルコールで拭き取り、インクが良好に拭き
取れるものを「○」、インクが染み込んで拭き取り困難
なものを「×」として表中に示した。
【００３５】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蛍光表示
管用ガラス組成物は、ＰｂＯやアルカリ金属成分を含有
しなくても、６００℃以下の温度で焼成可能である。
管用ガラス組成物は、ＰｂＯやアルカリ金属成分を含有
しなくても、６００℃以下の温度で焼成可能である。
【００３６】また本発明の絶縁材料や隔壁材料は、上記
した特徴を有するガラス粉末を用いるため、６００℃以
下の焼成温度で平滑な絶縁膜や緻密な隔壁を形成するこ
とが可能である。しかもＰｂＯやアルカリ金属酸化物を
含まないガラス粉末を使用するため、環境上の問題を起
こしたり、蛍光表示管の性能に悪影響を与えることがな
い。それゆえ蛍光表示管の絶縁材料や隔壁材料として好
適である。
した特徴を有するガラス粉末を用いるため、６００℃以
下の焼成温度で平滑な絶縁膜や緻密な隔壁を形成するこ
とが可能である。しかもＰｂＯやアルカリ金属酸化物を
含まないガラス粉末を使用するため、環境上の問題を起
こしたり、蛍光表示管の性能に悪影響を与えることがな
い。それゆえ蛍光表示管の絶縁材料や隔壁材料として好
適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4G062 AA03 AA08 AA09 AA15 BB01 BB05 BB08 CC10 DA01 DA02 DA03 DA04 DB01 DC04 DC05 DD01 DE04 DE05 DE06 DF01 EA01 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG03 EG04 EG05 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM07 MM24 NN26 NN32 PP01 PP02 PP03 PP04 PP05 PP06 PP13 PP15 PP16 5C036 EE17 EF02 EF05 EG01 EG06 EH11 EH22
Claims (4)
- 【請求項１】 モル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ
２０〜５５％、Ｂ2Ｏ3 １５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜
２５％の組成を有することを特徴とする蛍光表示管用ガ
ラス組成物。 - 【請求項２】 ＰｂＯ及びアルカリ金属酸化物を実質的
に含有しないことを特徴とする請求項１の蛍光表示管用
ガラス組成物。 - 【請求項３】 モル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ
２０〜５５％、Ｂ2Ｏ3 １５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜
２５％の組成を有するガラス粉末からなることを特徴と
する蛍光表示管用絶縁材料。 - 【請求項４】 モル％でＢａＯ ５〜４０％、ＺｎＯ
２０〜５５％、Ｂ2Ｏ3 １５〜５０％、ＳｉＯ2 ０〜
２５％の組成を有するガラス粉末５０〜９５重量％と、
セラミック粉末５〜５０重量％からなることを特徴とす
る蛍光表示管用隔壁材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11236160A JP2001058844A (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 蛍光表示管用ガラス組成物、絶縁材料及び隔壁材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11236160A JP2001058844A (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 蛍光表示管用ガラス組成物、絶縁材料及び隔壁材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001058844A true JP2001058844A (ja) | 2001-03-06 |
Family
ID=16996668
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11236160A Pending JP2001058844A (ja) | 1999-08-23 | 1999-08-23 | 蛍光表示管用ガラス組成物、絶縁材料及び隔壁材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001058844A (ja) |
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-
1999
- 1999-08-23 JP JP11236160A patent/JP2001058844A/ja active Pending
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