JP2002362942A - ガラスフリットおよびアルミニウム電極の被覆方法 - Google Patents

ガラスフリットおよびアルミニウム電極の被覆方法

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JP2002362942A
JP2002362942A JP2001172783A JP2001172783A JP2002362942A JP 2002362942 A JP2002362942 A JP 2002362942A JP 2001172783 A JP2001172783 A JP 2001172783A JP 2001172783 A JP2001172783 A JP 2001172783A JP 2002362942 A JP2002362942 A JP 2002362942A
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glass frit
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aluminum electrode
oxide
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Yasuko Douya
康子 堂谷
Hiroshi Usui
寛 臼井
Tsuneo Manabe
恒夫 真鍋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム電極を被覆して焼成したときにピ
ンホールが発生しにくく、かつ鉛を含有しないガラスフ
リットの提供。 【解決手段】軟化点が600℃以下であってアルカリ金
属酸化物を1モル%以上含有する無鉛ガラス粉末および
400℃における標準生成自由エネルギーがH2Oの4
00℃における標準生成自由エネルギーより大きく、か
つ鉛を含有しない酸化物の粉末を含有するガラスフリッ
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(PDP)、蛍光表示管(VFD)等の電
極、特にアルミニウム電極の被覆に好適なガラスフリッ
トおよびPDPやVFDのアルミニウム電極の被覆方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】PDPやVFD等のアルミニウム電極の
絶縁被覆は、従来、鉛系ガラス粉末を主成分とするガラ
スフリットを用いて、たとえば、次のようにして行われ
ている。すなわち、ガラスフリットをビヒクルと混練し
てガラスペーストとし、該ガラスペーストを電極を被覆
するように塗布後、典型的には530〜600℃で焼成
する。該焼成によりガラスフリットは軟化流動し、典型
的な厚さが20〜50μmである電極被覆焼成体とな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、前記アルミニウ
ム電極被覆用ガラスフリットとして鉛を含有しないもの
が求められている。このようなガラスフリットに用いら
れるガラス粉末として、軟化点を下げるためにアルカリ
金属酸化物(R2O)を1モル%以上含有するSiO2
23−ZnO−R2O系ガラス粉末(以下R2O含有ガ
ラス粉末という)が提案されている。しかし、R2O含
有ガラス粉末を含有するガラスフリットを用いてアルミ
ニウム電極を被覆すると、アルミニウム電極を被覆する
焼成体に大きさが20〜50μm程度のピンホールが発
生し、絶縁不良となることがあった。本発明は、このよ
うなピンホールが発生しにくく、かつ鉛を含有しないガ
ラスフリットの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟化点が60
0℃以下であってアルカリ金属酸化物を1モル%以上含
有する無鉛ガラス粉末および400℃における標準生成
自由エネルギーがH2Oの400℃における標準生成自
由エネルギーより大きく、かつ鉛を含有しない酸化物の
粉末を含有するガラスフリット、を提供する。また、基
体上に形成されたアルミニウム電極の上に前記ガラスフ
リットを塗布し、焼成することを特徴とするアルミニウ
ム電極の被覆方法、を提供する。
【0005】本発明者は、アルミニウム電極上に塗布さ
れたR2O含有ガラス粉末を、典型的には530〜60
0℃で焼成して得られる焼成体に発生するピンホール
が、R 2O含有ガラス粉末をアルミニウムと接触させる
ことなく焼成したときには該ガラス粉末焼結開始前の約
400℃でH2Oガスとなって脱離するR2O含有ガラス
粉末中の水分が、R2O含有ガラス粉末がアルミニウム
と接触することにより該ガラス粉末焼結開始後の約50
0℃においてH2Oガスとなって脱離するようになり、
該H2Oガスが焼成体に捉えられたものであることを見
出した。
【0006】すなわち、前記ピンホールが発生した焼成
体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察す
ると、アルミニウム電極との界面付近に大きさが20μ
m以上の大きな気泡が存在していた。
【0007】また、アルミニウム電極上に塗布されたR
2O含有ガラス粉末およびアルミニウム電極のないガラ
ス基板上に塗布されたR2O含有ガラス粉末のそれぞれ
について、真空中で600℃になるまで加熱し、脱離ガ
スを質量分析計で分析した。その結果、アルミニウム電
極上に塗布されたものはアルミニウム電極のないガラス
基板上に塗布されたものに比べ、約400℃で脱離する
2Oガスが少なく、一方、約500℃で脱離するH2
ガスが非常に多かった。
【0008】このことから、前記アルミニウム電極との
界面付近に発生する大きさが20μm以上の大きな気泡
は、R2O含有ガラス粉末がアルミニウム電極と接触す
ることにより前記約500℃で脱離するH2Oガスが、
軟化・焼結が始まっている該ガラス粉末またはその焼成
体に捉えられたものであると考えた。
【0009】なお、アルミニウム電極上に塗布された、
2Oを含有しないガラス粉末を焼成して得られる焼成
体には前記ピンホールの発生は認められなかった。この
ことから、前記約500℃におけるH2Oガスの脱離現
象にはガラス粉末中のR2Oも関係していると考えられ
る。
【0010】また、前記R2O含有ガラス粉末がアルミ
ニウムと接触することにより該ガラス粉末焼結開始後の
約500℃において該ガラス粉末中の水分がH2Oガス
となって脱離する現象を、400℃における反応性すな
わち標準生成自由エネルギーがH2Oより高い酸化物の
粉末をR2O含有ガラス粉末に添加することにより抑制
できることを見出し、本発明に至った。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のガラスフリット(以下本
発明のフリットという)は、通常、ガラスペーストまた
はグリーンシートにして使用される。
【0012】前記ガラスペーストは、本発明のフリット
をエチルセルロース等の樹脂およびα−テルピネオー
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト等の溶剤からなるビヒクルと混練したものであって、
その質量百分率表示の含有量は、典型的には、本発明の
フリット:60〜80%、ビヒクル:20〜40%であ
る。
【0013】また、前記グリーンシートは、本発明のフ
リットをアクリル等の樹脂、ジブチルフタレート、ジメ
チルフタレート等の可塑剤およびトルエン、α−テルピ
ネオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル等
の溶剤と混合してスラリーとし、該スラリーをポリエチ
レンテレフタレート(PET)等の支持フィルムにダイ
コート等の方法で塗布し、次に、たとえば100℃で乾
燥して溶剤を除去後、前記支持フィルムから剥がして作
製される。
【0014】グリーンシート中の質量百分率表示の含有
量は、典型的には、本発明のフリット:60〜80%、
樹脂:19〜39%、可塑剤:1〜4%である。なお、
前記支持フィルムの厚さは典型的には20〜100μm
であり、通常、離型剤等により表面処理されている。
【0015】前記ガラスペーストまたは前記グリーンシ
ートは、必要に応じて、シランカップリング剤、チタネ
ート系表面処理剤、アルミネート系表面処理剤、シリカ
ゲル等の増粘剤、等を含有してもよい。
【0016】本発明のフリットはアルミニウム電極の被
覆に好適に用いられる。本発明のフリットを用いて電極
を被覆する場合、前記ガラスペーストをスクリーン印刷
等の方法で電極を被覆するように塗布し、または前記グ
リーンシートを電極を被覆するように貼り付け、典型的
には530〜600℃に保持して焼成される。該焼成に
よって、本発明のフリットは電極を被覆する焼成体とな
る。
【0017】次に、本発明のフリットの成分について説
明する。なお、各成分の含有量は質量百分率で表示す
る。軟化点が600℃以下であってアルカリ金属酸化物
を1モル%以上含有する無鉛ガラス粉末は必須である。
その含有量は60〜99.9%であることが好ましい。
60%未満では焼成体が緻密にならず、電極の被覆に用
いた場合に絶縁不良を起こすおそれがある。99.9%
超ではアルミニウム電極の被覆に用いた場合にピンホー
ルが発生するおそれがある。
【0018】PDP、VFD等のアルミニウム電極の被
覆に用いる場合、前記無鉛ガラス粉末は下記酸化物基準
のモル%表示で、本質的に、SiO2:5〜45%、B2
3:10〜60%、ZnO:20〜60%、Li2O+
Na2O+K2O:1〜25%、MgO+CaO+SrO
+BaO:0〜30%、Bi23:0〜15%、Al2
3+ZrO2:0〜10%、SnO2+CeO2:0〜5
%、CuO+CoO+NiO+MoO3:0〜5%、か
らなることが好ましい。
【0019】次に、この好ましい無鉛ガラス粉末の組成
についてモル%表示で説明する。SiO2はネットワー
クフォーマーであり、必須である。5%未満ではガラス
が不安定になる。好ましくは10%以上である。45%
超では軟化点が高くなりすぎる。好ましくは35%以
下、より好ましくは20%以下である。
【0020】B23はガラスを安定化させ、または流動
性を増加させる成分であり必須である。10%未満では
ガラスが不安定になる。好ましくは15%以上である。
60%超では化学的安定性が低下する。好ましくは40
%以下、より好ましくは35%以下である。
【0021】ZnOはガラスを安定化させ、または軟化
点を低下させる成分であり、必須である。20%未満で
はガラスが不安定になる、または軟化点が高くなりすぎ
る。60%超ではガラス化が困難になる。好ましくは5
0%以下である。
【0022】Li2O、Na2OおよびK2Oはいずれも
ガラスの軟化点を低下させる成分であり、いずれか1種
以上を含有しなければならない。これら3成分の含有量
の合計Li2O+Na2O+K2Oが1%未満では軟化点
が高くなりすぎる。好ましくは3%以上、より好ましく
は6%以上である。Li2O+Na2O+K2Oが25%
超では化学的耐久性が低下する、または電気絶縁性が低
下するおそれがある。好ましくは15%以下である。
【0023】MgO、CaO、SrOおよびBaOはい
ずれも必須ではないが、ガラスを安定化させるために合
計で30%まで含有してよい。これら4成分の含有量の
合計MgO+CaO+SrO+BaOが30%超ではガ
ラス化が困難になるおそれがある。好ましくは20%以
下、より好ましくは15%以下である。また、MgO、
CaO、SrOおよびBaOのいずれか1種以上を含有
する場合、MgO+CaO+SrO+BaOは好ましく
は2%以上、より好ましくは4%以上である。
【0024】Bi23は必須ではないが、軟化点を低下
させるために15%まで含有してよい。15%超では化
学的耐久性が低下する。好ましくは10%以下、より好
ましくは5%以下である。
【0025】Al23およびZrO2はいずれも必須で
はないが、化学的耐久性を高くするために合計で10%
まで含有してよい。これらの合計Al23+ZrO2
10%超では軟化点が高くなりすぎる。好ましくは7%
以下、より好ましくは3%以下である。
【0026】SnO2およびCeO2はいずれも必須では
ないが、化学的耐久性を高くするために合計で5%まで
含有してよい。これらの合計SnO2+CeO2が5%超
では軟化点が高くなりすぎる。
【0027】CuO、CoO、NiOおよびMoO3
いずれも必須ではないが、アルミニウム電極被覆に使用
したときの前記ピンホールの発生を抑制するために、合
計で5%まで含有してよい。これら4成分の含有量の合
計CuO+CoO+NiO+MoO3が5%超ではガラ
スが不安定になる。また、焼成体が着色し、特に焼成体
がアルミニウム電極と接している部分で強く着色し、好
ましくないことがある。CuO+CoO+NiO+Mo
3は、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.
1%以下、特に好ましくは0.01%以下である。
【0028】前記好ましい無鉛ガラス粉末は本質的に上
記成分からなるが、その他の成分を本発明の目的を損な
わない範囲で含有してもよい。
【0029】400℃における標準生成自由エネルギー
ΔG400がH2OのΔG400(=−425kJ/モルO2
より大きく、かつ鉛を含有しない酸化物の粉末(以下単
に酸化物粉末という。)は前記ピンホール発生を抑制す
る効果があり、必須である。
【0030】酸化物粉末の含有量は0.1〜10%であ
ることが好ましい。0.1%未満では前記ピンホール発
生抑制効果が小さいおそれがある。より好ましくは0.
5%以上である。10%超では焼結性が低下するおそれ
がある。より好ましくは5%以下である。
【0031】前記金属酸化物粉末の50%径(D50)は
15μm以下であることが好ましい。15μm超では焼
成体が不均一になるおそれがある、または前記ピンホー
ル発生抑制効果が小さいおそれがある。より好ましくは
10μm以下であり、典型的には0.5〜10μmであ
る。
【0032】酸化物粉末は金属酸化物の粉末であること
が好ましい。前記金属酸化物は、Cu2O(ΔG400=−
260kJ/モルO2)、CuO(ΔG400=−190k
J/モルO2)、CoO(ΔG400=−370kJ/モル
2)、Co34(ΔG400=−330kJ/モル
2)、MoO3(ΔG400=−220kJ/モルO2)、
Bi23(ΔG400=−220kJ/モルO2)、NiO
(ΔG400=−350kJ/モルO2)およびTeO
2(ΔG400=−240kJ/モルO2)からなる群から
選ばれる1種以上であることが好ましい。前記金属酸化
物はMoO3であることがより好ましい。
【0033】CdO(ΔG400=−380kJ/モル
2)、Tl2O(ΔG400=−80kJ/モルO2)、S
23(ΔG400=−350kJ/モルO2)およびHg
O(ΔG400=10kJ/モルO2)はいずれも、ΔG
400がH2OのΔG400より大きく、かつ鉛を含有しない
金属酸化物であるが、環境に負荷を与えるおそれがある
ので、これらの粉末は含有しないことが好ましい。
【0034】また、PdO(ΔG400=−100kJ/
モルO2)、Rh23(ΔG400=−150kJ/モルO
2)、RuO2(ΔG400=−200kJ/モルO2)、O
sO 4(ΔG400=−130kJ/モルO2)はいずれ
も、ΔG400がH2OのΔG400より大きく、かつ鉛を含
有しない金属酸化物であるが、非常に高価であるので、
この点からはこれらの粉末は含有しないことが好まし
い。
【0035】本発明のフリットは、必須ではないが、焼
成体の熱膨張係数の調整、強度向上、等のためにセラミ
ックスフィラーを39.9%まで含有してもよい。3
9.9%超では焼結性が低下する。前記セラミックスフ
ィラーとして、非晶質シリカ、アルミナ、ムライト、ジ
ルコン、コーディエライト、チタン酸アルミニウム、β
−スポデュメン、β−石英固溶体、β−ユークリプタイ
ト等の低膨張セラミックスの粉末が例示される。
【0036】また、本発明のフリットは、必須ではない
が、焼成体を着色させるために耐熱顔料を39.9%ま
で含有してもよい。39.9%超では焼結性が低下す
る。前記耐熱顔料として、チタニア等の白色顔料、Fe
−Mn複酸化物系黒色顔料、Fe−Co−Cr複酸化物
系黒色顔料、Fe−Mn−Al複酸化物系黒色顔料、等
が例示される。
【0037】本発明のフリットは、前記無鉛ガラス粉末
60〜99.9%、酸化物粉末0.1〜10%、セラミ
ックスフィラー0〜39.9%、耐熱顔料0〜39.9
%から本質的になることが好ましい。この好ましい態様
においては本質的にこれら4成分からなるが、本発明の
目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよ
い。
【0038】次に、本発明のアルミニウム電極の被覆方
法について説明する。本発明のフリットが塗布される基
体は限定されないが、典型的には、ガラス基板、セラミ
ックス基板、ガラスセラミックス基板等の基板である。
なお、これら基板の厚さは典型的には1〜5mmであ
る。
【0039】PDPまたはVFDの基板としては、通
常、ガラス転移点が550〜620℃、50〜350℃
における平均線膨張係数が80×10-7〜90×10-7
/℃であるガラスからなるガラス基板が用いられてい
る。そのようなガラスとして、ソーダライムシリケート
ガラス等のSiO2−Al23−R2O−R’O(R’O
はアルカリ土類金属酸化物)系ガラスが例示される。
【0040】基板はこれに限定されず、無アルカリシリ
ケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス等の
ガラスからなるガラス基板でもよいし、アルミナ、ジル
コニア等のセラミックスからなるセラミックス基板でも
よいし、結晶化ガラス等からなるガラスセラミックス基
板でもよい。
【0041】アルミニウム電極は通常、前記基体上に真
空蒸着法等によって成膜され、その上に感光性レジスト
を塗布し、マスクを通して露光し、現像した後、加熱処
理してレジストパターンを形成し、レジストのない部分
を酸等でエッチングすることによってパターニングした
後レジストを剥離して形成される。
【0042】本発明のアルミニウム電極の被覆方法にお
いては、たとえば、本発明のフリットをガラスペースト
とし、これをスクリーン印刷、ブレードコート等によっ
てアルミニウム電極の上に塗布し、焼成する。また、た
とえば、本発明のフリットをグリーンシートとし、これ
をアルミニウム電極の上に貼り付け、焼成する。なお、
本発明のアルミニウム電極の被覆方法における「アルミ
ニウム電極の上への本発明のフリットの塗布」とは、前
記ガラスペーストのアルミニウム電極の上への塗布、お
よび前記グリーンシートのアルミニウム電極の上への貼
り付け、を含む。前記焼成は、典型的には530〜60
0℃に5〜60分間保持して行われ、該焼成によって、
本発明のフリットは電極を被覆する焼成体となる。
【0043】
【実施例】表1のSiO2〜Al23の欄にモル%表示
で示した組成となるように原料を調合、混合し、該混合
された原料を白金ルツボに入れて1300℃で60分間
溶解してガラスとした。得られたガラスをアルミナ製ボ
ールミルで18時間粉砕してガラス粉末とした(ガラス
粉末A、B)。得られたガラス粉末について、軟化点
(単位:℃)をDTAにより、D50(単位:μm)をレ
ーザー回折式粒度分布計によりそれぞれ測定した。結果
を表1に示す。
【0044】ガラス粉末AまたはBと、CuO粉末(D
50=4.8μm)、Cu2O粉末(D50=2.5μ
m)、MoO3粉末(D50=6.2μm)、Bi23
末(D50=11.9μm)またはCoO粉末(D50
6.7μm)とを、表2に質量百分率表示で示す組成と
なるように調合、混合してガラスフリットとした。例1
〜5は実施例であり、例6、7は酸化物粉末を含有せず
比較例である。
【0045】例1〜7のガラスフリット74質量部に、
質量百分率表示でエチルセルロースを10%、α−テル
ピネオールを90%それぞれ含有するビヒクル26質量
部を加え、混練してガラスペーストとした。
【0046】得られたガラスペーストを、表面全体にア
ルミニウムが蒸着されている、大きさが1.0cm×
1.5cmのガラス板のアルミニウム蒸着表面に塗布
し、150℃に15分間保持して乾燥後、570℃に1
0分間保持する焼成を行い焼成体とした。
【0047】焼成後、ガラス板を二つに割り破断面をS
EMを用いて観察した。焼成体の厚さは15〜40μm
であった。また、SEMの視野内(約120μm)で観
察された大きさが20μm超の気泡の個数N20、15
μm以上20μm未満の気泡の個数N15、10μm以
上15μm未満の気泡の個数N10、5μm以上10μ
m以下の気泡の個数N5、を数えた。なお、気泡の断面
形状が円形でないものについてはその長径を大きさとし
た。N20、N15はいずれも0であることが好まし
い。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム電極の被
覆に用いたときにピンホールが発生しにくく、かつ鉛を
含有しないガラスフリットが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA09 BB01 DA03 DA04 DB01 DB02 DC03 DC04 DC05 DC06 DD01 DE04 DE05 DE06 DF01 EA01 EA02 EA03 EA04 EA10 EB01 EB02 EB03 EB04 EC01 EC02 EC03 EC04 ED01 ED02 ED03 ED04 EE01 EE02 EE03 EE04 EF01 EF02 EF03 EF04 EG01 EG02 EG03 EG04 FA01 FA10 FB01 FC01 FC02 FC03 FD01 FE01 FE02 FE03 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 FL02 FL03 GA01 GA02 GA03 GA04 GA10 GB01 GC01 GD01 GD02 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH08 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 MM05 MM06 NN40 PP01 PP02 PP03 PP06 PP11 5C027 AA05 AA06 5C040 FA10 GD07 GD09 JA04 JA09 KA09 MA23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟化点が600℃以下であってアルカリ金
    属酸化物を1モル%以上含有する無鉛ガラス粉末および
    400℃における標準生成自由エネルギーがH2Oの4
    00℃における標準生成自由エネルギーより大きく、か
    つ鉛を含有しない酸化物の粉末を含有するガラスフリッ
    ト。
  2. 【請求項2】酸化物の粉末の50%径が15μm以下で
    ある請求項1に記載のガラスフリット。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のガラスフリット
    であって、質量百分率表示で、前記無鉛ガラス粉末60
    〜99.9%、前記酸化物の粉末0.1〜10%、セラ
    ミックスフィラー0〜39.9%および耐熱顔料0〜3
    9.9%から本質的になるガラスフリット。
  4. 【請求項4】無鉛ガラス粉末が下記酸化物基準のモル%
    表示で、本質的に、 SiO2 5〜45%、 B23 10〜60%、 ZnO 20〜60%、 Li2O+Na2O+K2O 1〜25%、 MgO+CaO+SrO+BaO 0〜30%、 Bi23 0〜15%、 Al23+ZrO2 0〜10%、 SnO2+CeO2 0〜5%、 CuO+CoO+NiO+MoO3 0〜5%、 からなる請求項1、2または3に記載のガラスフリッ
    ト。
  5. 【請求項5】アルミニウム電極の被覆に用いられる請求
    項1、2、3または4に記載のガラスフリット。
  6. 【請求項6】酸化物が金属酸化物である請求項1〜5の
    いずれかに記載のガラスフリット。
  7. 【請求項7】金属酸化物がCu2O、CuO、CoO、
    Co34、MoO3、Bi23、NiOおよびTeO2
    らなる群から選ばれる1種以上である請求項6に記載の
    ガラスフリット。
  8. 【請求項8】金属酸化物がMoO3である請求項6に記
    載のガラスフリット。
  9. 【請求項9】基体上に形成されたアルミニウム電極の上
    に請求項1〜8のいずれかに記載のガラスフリットを塗
    布し、焼成することを特徴とするアルミニウム電極の被
    覆方法。
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