JP2001057850A - 含水性可食材を芯材とする被覆菓子およびその製造方法 - Google Patents

含水性可食材を芯材とする被覆菓子およびその製造方法

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JP2001057850A JP11233084A JP23308499A JP2001057850A JP 2001057850 A JP2001057850 A JP 2001057850A JP 11233084 A JP11233084 A JP 11233084A JP 23308499 A JP23308499 A JP 23308499A JP 2001057850 A JP2001057850 A JP 2001057850A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、含水性可食材を芯材とする被覆菓子で
問題となっていた、芯材内部からの水分の滲みだしの問
題を解決すると共に、優れた食感と味わいを有する被覆
菓子を提供することにある。 【解決手段】 含水性可食材からなる芯材、前記芯材の
表面上に被覆形成された可食性粉末剤からなる水分遮断
層、および前記水分遮断層上の全体または一部に被覆形
成された1種以上の可食性コーティング材からなるコー
ティング層、を有してなることを特徴とする、含水性可
食材を芯材とする被覆菓子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含水性可食材を芯
材とする被覆菓子、に関するものである。詳しくは、本
発明は、含水性可食材からなる芯材、前記芯材の表面上
に被覆形成された可食性粉末剤からなる水分遮断層、お
よび前記水分遮断層上に被覆形成された可食性コーティ
ング材からなるコーティング層、を有してなることを特
徴とする含水性可食材を芯材とする被覆菓子、に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ナッツ類、焼き菓子、果肉、ヌガー等を
芯材とし、その外側をチョコレートやクリーム等でコー
ティングした被覆菓子は、味のハーモニーや良好な食感
の観点から、注目されている。ところが、芯材として、
水分を多く含む材料(例えば糖蜜漬けしたフルーツな
ど)を使用し、これにチョコレート等をコーティングす
ると、得られた製品は、時間が経つにつれてその表面に
ピンホール等を生じて、内部の水分(例えば糖蜜)が外
部まで滲みだしてきてしまうことがある。このような滲
みだしを生じた製品は、製品表面がべとつくこととな
り、取扱性も悪化するので、商品としての価値がいきお
い低下することとなる。また、このような製品は、商品
としての外観、あるいは喫食の際の食感等の観点からも
望ましくない。
【0003】そこで従来は、このような芯材からの水分
の滲みだしを防止するため、例えば、糖蜜漬けされたオ
レンジピールのような芯材をチョコレート等でコーティ
ングする前に予め該芯材表面を乾燥させておく方法、あ
るいはコーティングを2度行う方法、のような手段が採
用されていた。
【0004】しかしながら、前者の芯材を予め乾燥させ
る方法では、芯材表面に乾燥ムラが生じ易く、このため
製品の食感(特に硬さ)にばらつきが生じてしまい、一
定の品質の製品を得ることは困難であった。また、後者
のコーティングを2度行う方法では、コーティング層の
製品全体における比率が高くなってしまうため、得られ
た製品の味のバランスが崩れてしまう等の問題が生じて
いた。さらに、前記したオレンジピール等よりもさらに
水分含有量が多いものを芯材として使用する場合には、
前記した従来法により製品内部からの滲みだしの問題を
回避することは困難であった。
【0005】このため、含水性の芯材からの水分の滲み
だしを生じ難い被覆菓子製品であって、優れた食感およ
び味わいを有するもの、が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】[発明の概要]本発明
者らは、今般、芯材として使用される含水性の可食材
を、水分吸着性を有すると考えられる粉末剤、または水
分滲出による芯材表面のべたつきを防止する性質を有す
る粉末剤で覆うことにより、内部の芯材からの水分の滲
出を有効に遮断することができるとの知見を得た。本発
明はかかる知見に基づくものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、可食
性コーティング材で被覆された被覆菓子であって、少な
くとも消費者が喫食目的で保存する期間中は内部芯材か
らの外部への水分の滲みだしが防止され、しかも良好な
食感を有する被覆菓子、を提供することを目的とする。
【0008】本発明による含水性可食材を芯材とする被
覆菓子は、含水性可食材からなる芯材、前記芯材の表面
上に被覆形成された可食性粉末剤からなる水分遮断層、
および前記水分遮断層上の全体または一部に被覆形成さ
れた、1種以上の可食性コーティング材からなるコーテ
ィング層、を有してなることを特徴とするものである。
また、本発明による含水性可食材を芯材とする被覆菓子
の製造方法は、芯材である含水性可食材の表面上に、可
食性粉末剤を被覆することにより水分遮断層を形成さ
せ、その水分遮断層上の全体または一部に、1種以上の
コーティング材を被覆することによりコーティング層を
形成させること、を含むことを特徴とするものである。
【0009】本発明の含水性可食材を芯材とする被覆菓
子では、可食性粉末剤からなる水分遮断層が芯材表面上
を覆っているので、芯材中の水分が芯材から外部へ流出
することが妨げられることとなる。このため、菓子外部
への水分流出を防止でき、さらに、コーティング層に生
じたピンホール等によって製品がさらに損傷を受けるこ
とを防止することができる。
【0010】よって、本発明に従うことにより、含水性
可食材を芯材とする被覆菓子に生じ易い、菓子製品表面
のべたつき等の問題を解決することができ、さらには、
液糖を多く含んだフルーツのような水分含有量のさらに
多いものを芯材として用いた場合であっても、良好な食
感と品質保持性の双方に優れた被覆菓子を製造すること
が可能となる。
【0011】また、前記したように、水分の流出が抑え
られるということは、同時に、芯材に含まれる水分を製
品内にさらに長期間保持できることも意味している。こ
のようにして製造された菓子は、このような水分保持効
果によって、一定期間保存した後であっても軟らかな性
状と湿感を呈することができ、これにより、複数種類の
食材の組み合わせにより発現する、より良好な食感と味
わいを達成することができる。
【0012】本発明はまた、前記した従来法のように強
制乾燥させる必要がないため、食感や品質のばらつきが
生じ難くくなるといった利点も有している。また、本発
明の被覆菓子では、コーティング材の使用量を少なくし
てコーティング層を薄くすることができるので、芯材の
素材自体のおいしさを引き出しやすいという利点も有し
ている。さらに、コーティング層を薄くできるというこ
とは、従来の2度コーティング法の場合のように、味の
バランスが崩れたりするといった問題も生じ難くくな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】[発明の具体的説明]含水性可食材 本発明における含水性可食材には、水分を含有する可食
性の材料であればいずれのもの包含されるが、例えば、
青果(例えば生果実)、砂糖漬け食品(例えば甘納豆
等)、糖蜜漬け食品(例えば糖蜜漬けフルーツ若しくは
野菜等)、加工したフルーツ若しくは野菜食品(例え
ば、焼きフルーツ、煮野菜、ジャム類、漬け物類等)、
加工食品(例えばフルーツケーキ等)、ゼリー、寒天等
が、本発明における典型的な含水性可食材として例示す
ることができる。
【0014】本発明の好ましい態様においては、含水性
可食材は、糖蜜漬けフルーツ(例えば糖蜜漬けイチゴや
リンゴ、若しくはオレンジピール等)または糖蜜漬け野
菜のような糖蜜漬け食品であるのが好ましい。本発明の
より好ましい態様においては、含水性可食材は、糖蜜漬
けイチゴまたはオレンジピールであるのが好ましい。
【0015】本発明の被覆菓子における芯材は、前述し
た含水性可食材からなるものである。このとき、本発明
の被覆菓子における芯材は、前記例示の含水性可食材の
単独のものからなることもできるが、2種以上を組み合
わせたものからなることもできる。さらに、本発明にお
ける芯材には、前記例示の材料を未加工状態で利用する
のが普通であるが、さらにこれら材料に加熱・冷凍、乾
燥、さらには凝固剤を用いた凝固処理等のような加工処
理を行った後のものを利用してもよい。
【0016】可食性粉末剤 本発明における可食性粉末剤には、芯材表面にコーティ
ングすることにより芯材内部からの水分の滲出を遮断す
ることができるものであれば、いずれの可食性の粉末材
料も包含される。このような可食性粉末剤としては、水
分吸着性を有すると考えられるもの、または水分滲出に
伴う前記芯材表面のべたつきを防止できる性質を有する
ものが挙げられる。具体的には、このような可食性粉末
剤としては、例えば、α化澱粉(例えば、馬鈴薯架橋α
化澱粉、甘藷架橋α化澱粉、タピオカ架橋α化澱粉、コ
ーン架橋α化スターチ、ワキシコーン架橋α化澱粉
等)、澱粉(例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タ
ピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、小麦澱粉、小麦架
橋澱粉、甘藷加工澱粉等)、糖類(例えば、トレハロー
ス、マンニトール、無水結晶マルトース、マルチトー
ル、ラクチトール等)、乳製品類(例えば、乳糖、脱脂
粉乳、全粉乳、ホエーパウダー等)、シクロデキストリ
ン、粉末オブラート、粉末ゼラチン、油脂類(例えば、
粉末油脂(油分100〜30%、糖類、カゼインの賦形
剤10〜70%のもの)等)、乳化剤(例えばグリセリ
ン脂肪酸エステル等)、タルク、炭酸カルシウム、二酸
化ケイ素、油脂コーティング粉糖、などが好ましい例と
して挙げられる。
【0017】本発明の好ましい態様においては、可食性
粉末剤としては、α化澱粉が好ましい。このような可食
性粉末剤は、天然産のものであっても、合成されたもの
であってもよい。また、これら可食性粉末剤には、市販
のものをそのまま若しくは加工した後に使用することが
できる。
【0018】本発明においては、可食性粉末剤として、
前記例示のものを単独で使用することもできるが、2種
以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明にお
ける可食性粉末剤は、前記例示のものの他に、コーティ
ング性、層安定性または得られる風味等を考慮して、香
料、調味料、着色剤、結合剤、吸湿剤等の任意の可食性
補助成分をさらに含んでもよい。この場合、用いる可食
性補助成分の配合量は、使用目的、望まれる効果等の観
点から適宜選択することができる。
【0019】本発明における可食性粉末剤の粒径は、前
記含水性可食材からなる芯材の表面上を覆うことによ
り、芯材内部からの水分滲出を防止できるのであれば、
いずれの大きさであってもよい。このような可食性粉末
剤の粒径は、使用される含水性可食材の種類、状態、そ
の水分含量、または、使用される可食性粉末剤の種類、
適用手段等により、種々変化させることができる。
【0020】例えば、このような可食性粉末剤の平均粒
径としては、一般的には100μm程度以下であるのが
普通であるが、本発明においては、平均粒径が例えば1
0〜100μm程度のものであっても使用可能である。
【0021】本発明においては、芯材を覆う可食性粉末
剤の量は、芯材からの水分滲出を防止するのに有効かつ
充分な量であるのが好ましい。本発明の一つの態様にお
いては、該可食性粉末剤の量は、例えば、芯材の重量に
対して3重量%以上である。
【0022】本発明の被覆菓子における水分遮断層は、
前記可食性粉末剤からなるものである。このとき水分遮
断層は、前記含水性可食材からなる芯材の表面上をこの
可食性粉末剤が覆うことにより形成される。このような
水分遮断層により、内部芯材から滲みだしてくる水分が
外部に滲出することが防止される。
【0023】また、水分遮断層は、前記芯材の表面全体
上を、この可食性粉末剤が均一に覆うことにより形成さ
れたものであるのが好ましい。なお、ここでいう「均
一」とは、少なくとも芯材内部からの水分滲出が実質的
に防止できる程度に芯材を可食性粉末剤が覆っている状
態であって、同時に、製造された菓子製品に形態上、性
状上、または食感上の不均衡を生ずることがない程度
に、芯材表面上を可食性粉末剤が覆っている状態をい
う。すなわち、本発明においては、芯材表面上に可食性
粉末剤で覆った場合に、該表面上で局所的に覆っている
該粉末剤量が多かったり、少なかったりする箇所が生じ
て、食する部分により食感上の不均衡がある状態、すな
わち所謂ムラのある状態は望ましいものではないが、排
除するものでもない。
【0024】従って、可食性粉末剤が均一に芯材表面を
覆っている状態には、少なくとも芯材内部からの水分滲
出を防止できる程度に芯材を可食性粉末剤が覆っている
のであれば、芯材表面を可食性粉末剤の粒子が密に覆う
場合だけでなく、微視的に見れば該粒子同士が断続した
部分も存在しつつ覆っているような状態も含まれる。す
なわち、本発明における水分遮断層には、一般的には層
(例えば薄膜の状態)のように観念されるものの他に、
層状にはならずに前記のように単に可食性粉末剤の粒子
に覆われている状態(断続のある部分も含む状態)も含
まれる。
【0025】可食性コーティング材 本発明における可食性コーティング材としては、芯材で
ある含水性可食材を覆って、形態の安定した被覆菓子を
形成できるのであれば、いずれの可食性素材も使用可能
であるが、例えば、チョコレート、クリーム、食用油
脂、シェラック等が典型的なものとして例示される。
【0026】本発明においては、このような可食性コー
ティング材としては、チョコレートまたはクリームが好
ましい。本発明のさらに好ましい態様においては、前記
可食性コーティング材はチョコレートであるのが好まし
い。なお、ここでいうチョコレートには、ホワイトチョ
コレート、ビターチョコレート、スイートチョコレー
ト、またはミルクチョコレート等のような公知ないし市
場において入手可能な各種のチョコレートが含まれる。
【0027】本発明においては、可食性コーティング材
として、前記例示のものを単独で使用することもできる
が、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0028】また、本発明における可食性コーティング
材は、前記例示のものの他に、コーティング性、層安定
性または付加される風味等を考慮して、香料、調味料、
洋酒、果汁、着色剤、光沢剤、結合剤等の任意の可食性
補助成分をさらに含んでもよい。この場合、用いる可食
性補助成分の配合量は、使用目的等の観点から適宜選択
することができる。
【0029】さらに、本発明における可食性コーティン
グ材は、上記で例示したもの及び補助成分の他に、さら
に固形物を含むことも可能である。このような固形物と
しては、例えば、ナッツ類(例えば、アーモンド、カシ
ュナッツ、ピーナッツ、マロン等)、焼き菓子類(例え
ば、ビスケット、クラッカー、米菓等)、パフ類(例え
ばライスパフ等)、乾燥フルーツ類(例えばレーズン
等)、フレーク状チョコレートなどのような可食性のあ
る固形物が例示される。このような固形物を可食性コー
ティング材が含むことにより、前記例示のコーティング
材のみで製造した被覆菓子とは、異なった食感および風
味を菓子製品に与えることができる。
【0030】また、本発明においては、前記固形物を、
可食性コーティング材がコーティング層を形成した後
に、そのコーティング層上に付着させ、菓子製品を製造
することもできる。
【0031】固形物の使用量は、可食性コーティング材
のコーティング性を妨げるものでない限り、適宜選択す
ることができる。
【0032】本発明においては、1種以上の可食性コー
ティング材を用いて、前記の水分遮断層上の全体または
一部を覆うことにより、コーティング層を形成させる。
従って、コーティング材によるコーティング層は、前記
の水分遮断層の全面上を覆うように形成されてもよい
が、該水分遮断層の一部のみを覆うようにコーティング
層を形成して、残りの部分については水分遮断層が露出
していてもよい。また、この露出部分に別の可食性コー
ティング材や前記固形物を適用することもできる。コー
ティング層はまた、1層のみでなく2以上の層からなっ
ていてもよい。すなわち、該コーティング層は、同一若
しくは異なる種類の可食性コーティング材による積層構
造により形成されていてもよい。
【0033】コーティング層の厚み、換言すれば、使用
される可食性コーティング材の量は、使用する可食性コ
ーティング材の種類または芯材の種類、得られる食感も
しくは風味等を考慮して、適宜選択することができる。
【0034】本発明においては、可食性コーティング材
の使用量は、例えば、最終製品の10〜50重量%程度
であり、好ましくは25〜35重量%程度である。
【0035】本発明によれば、従来の製品に比べてコー
ティング層の厚さを薄くすることができるので、本発明
に従う被覆菓子は、従来にない良好な食感を有すること
ができ、さらに芯材との間でハーモニーのあるの食感と
味わいを達成することができる。
【0036】被覆菓子の製造方法 本発明の含水性可食材を芯材とする被覆菓子は、以下の
ようにして製造することができる。先ず、含水性可食材
を用意し、その含水性可食材の表面上に、可食性粉末剤
を被覆することにより、水分遮断層を形成させる。この
ような可食性粉末剤の被覆処理は、使用する可食性粉末
剤の種類、性質、芯材である含水性可食材の種類等を考
慮して、慣用の手段および装置を適宜選択して行うこと
ができる。また、可食性粉末剤の被覆は、含水性可食材
の表面上に均一に行われるのが好ましい。
【0037】また、このとき必要に応じて、可食性粉末
剤を使用する前に、含水性可食材に前処理を施すことも
できる。このような前処理としては、例えば、含水性可
食材が糖蜜漬けフルーツである場合には、該フルーツか
ら糖蜜をその後の処理工程の妨げにならない程度に除く
工程、すなわち蜜切り処理、が挙げられる。より具体的
な例により説明すれば、糖蜜漬けされたフルーツ(例え
ば糖蜜漬け丸粒イチゴ)を使用する場合には、その表面
上に可食性粉末剤を被覆する前に、入手された糖蜜漬け
フルーツをメッシュネット上に載せ、少なくとも3時間
以上(好ましくは24時間以上)自重で蜜切りさせるの
が好ましい。従って、このような処理を該前処理として
行うことができる。
【0038】一方、可食性コーティング材を別途用意す
る。このとき、例えば該コーティング材がチョコレート
であるような場合には、必要に応じてチョコレートの調
温処理等を行っておいてもよい。
【0039】このように別途用意された1種以上の可食
性コーティング材を、芯材表面に形成された水分遮断層
上にコーティングして、エンロービング処理を行う。こ
のようなエンロービング処理は、使用するコーティング
材の種類、性質、芯材である含水性可食材、および可食
性粉末剤の種類等を考慮して、慣用の手段または装置を
適宜選択して行うことができる。また、このエンロービ
ング処理により形成されるコーティング層は、菓子製品
全体を覆うように形成されてもよいが、一部のみを覆う
ように形成されてもよい。
【0040】前記のエンロービング処理後、必要に応じ
て、可食性コーティング材をコーティングした被覆菓子
を冷却することができる。以上のようにして、本発明の
水性可食材を芯材とする被覆菓子が形成される。
【0041】このようにして製造された被覆菓子は、少
なくとも消費者が喫食目的で保存する期間中は内部芯材
から水分の滲みだしを起こさないものであり、同時に、
既に前述したように軟らかな性状と質感を呈するもので
ある。通常は、上記のような製造方法により作られた被
覆菓子製品は、包装され箱詰めされた後、流通にのせら
れて消費者のもとへ送られる。本発明の被覆菓子の食べ
方としては、そのまま又は必要に応じて冷蔵庫で冷やし
て食べるのが好ましい。
【0042】
【実施例】下記は、本発明の例を示して本発明を具体的
に説明するものである。本発明は、これらに限定される
ものではない。
【0043】試験1 芯材として糖蜜漬けフルーツ、具体的にはオレンジピー
ル、を用いて下記の試験を行った。次に、下記に示した
処理を行い、芯材表面上に水分遮断層を形成させた(例
1B〜1E)。また、比較例として、芯材表面に可食性
粉末剤を使用しない場合の試験も行った(例1A)。
【0044】水分遮断層を形成させるための処理 ・例1A: 未処理。 ・例1B: 可食性粉末剤として、α化澱粉を使用した
本発明)。 ・例1C: 可食性粉末剤は使用せずに、オレンジピー
ルについて常温で24時間、自重蜜切りのみを行った。 ・例1D: 可食性粉末剤として、ココアパウダーを使
用した。 ・例1E: 芯材表面のべたつきをなくすため、該表面
をアルコールで処理した。
【0045】次に、可食性コーティング材としてチョコ
レートを使用して、芯材表面上にさらにコーティングを
行い、これらを冷却した。これにより、コーティング層
をさらに形成させ、被覆菓子を製造した。製造された被
覆菓子をそれぞれプラスチックフィルムにより包装し
て、モデル製品とし、これら温度25℃、湿度65%の
条件下に放置して、製品の状態を経時的に観察した。
【0046】結果を下記表1に示す。なお、表中におい
て、「○」は芯材内部からの水分の滲みだしが起こら
ず、良好な製品品質を示している状態を示している。一
方、「×」は内部からの水分の滲みだしが起こっている
場合であり、また、「××」は滲みだした水分に含まれ
ていた糖が製品一部表面で乾燥して白色化している状態
であって、前記「×」の場合よりさらに品質が悪化した
状態を示している。さらに「×××」は滲みだした水分
と糖により製品表面にべたつきを生じている場合であ
り、これは前記「××」の場合よりも品質が悪化した状
態である。
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果から分かるように、芯材のオレ
ンジピール表面上に何も処理せずにチョコレートコーテ
ィングを行った場合(例1A)は、製造後3日目で、菓
子内部からの水分の浸みだしが起こり、製品の品質を維
持することはできなかった。同様に、例1C〜1Eの場
合も、製造後3〜8日で水分の浸みだしが生じ、製造初
期の品質を維持することはできなかった。
【0049】一方、可食性粉末剤としてα化澱粉を使用
した場合(例1B)については、14日間放置したもの
であっても、菓子内部からの水分の浸みだしは起こら
ず、被覆菓子は製造当初の品質を維持することができ
た。すなわち、本発明に従う構成を被覆菓子が採用する
ことにより、水分を多く含むオレンジピールを芯材とし
て使用した場合であっても、品質保持性の高い被覆菓子
製品を製造できることがわかった。
【0050】試験2 芯材として糖蜜漬けイチゴを用いて下記の試験を行っ
た。該糖漬けイチゴは、6メッシュのネット上にのせ、
24時間自重で密切りを行った後に本試験に使用した。
芯材表面上をコーティングする可食性粉末剤として、α
化澱粉を使用した。このとき、使用するα化澱粉の量
を、該イチゴ重量に対して0、1、2、3、4、5およ
び10重量%に設定して、それぞれ芯材表面上に均一に
適用し、可食性粉末剤からなる水分遮断層を形成させ
た。
【0051】次に、可食性コーティング材としてチョコ
レートを使用して、芯材表面上にさらにコーティングを
行った後、冷却し、コーティング層を形成させて、被覆
菓子を製造した。製造された被覆菓子をそれぞれプラス
チックフィルムにより包装して、モデル製品とし、これ
ら温度25℃、湿度65%の条件下に放置して、製品の
状態を経時的に観察した。
【0052】結果を下記表2に示す。なお、表中におい
て、「○」は芯材内部からの水分の滲みだしが起こら
ず、良好な製品品質を示している状態を示している。一
方、「×」は内部からの水分の滲みだしが起こっている
状態を示している。
【0053】
【表2】
【0054】可食性粉末剤であるα化澱粉を全く使用し
ないか、あるいはその使用量が2%以下である場合に
は、糖蜜漬けイチゴにα化澱粉を充分にコーティングす
ることができなかった。このため、表2の結果から分か
るように、得られた菓子製品は満足のいく品質保持性を
得ることはできなかった。
【0055】一方、α化澱粉を該イチゴ重量に対して3
重量%以上使用した場合には、製品を10日間放置した
場合であっても、菓子内部からの水分の浸みだしは起こ
らず、被覆菓子製品は製造当初の状態を維持することが
できた。すなわち、本発明に従う被覆菓子の構成を採用
し、さらにα化澱粉の使用量が3重量%以上である場合
には、水分を多く含んだ糖漬けイチゴを芯材として使用
した場合であっても、品質保持性の高い被覆菓子製品を
製造できることがわかった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水性可食材からなる芯材、 前記芯材の表面上に被覆形成された可食性粉末剤からな
    る水分遮断層、および前記水分遮断層上の全体または一
    部に被覆形成された、1種以上の可食性コーティング材
    からなるコーティング層、 を有してなることを特徴とする、含水性可食材を芯材と
    する被覆菓子。
  2. 【請求項2】含水性可食材が、糖蜜漬けフルーツであ
    る、請求項1に記載の被覆菓子。
  3. 【請求項3】含水性可食材が、糖蜜漬けイチゴである、
    請求項2に記載の被覆菓子。
  4. 【請求項4】水分遮断層を構成する可食性粉末剤の量
    が、芯材からの水分滲出を防止するのに充分な量であ
    る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆菓子。
  5. 【請求項5】可食性粉末剤が、α化澱粉である、請求項
    1〜4のいずれか一項に記載の被覆菓子。
  6. 【請求項6】コーティング層のコーティング材が、チョ
    コレートである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    被覆菓子。
  7. 【請求項7】芯材である含水性可食材の表面上に、可食
    性粉末剤を被覆することにより水分遮断層を形成し、 その水分遮断層上の全体または一部に、1種以上のコー
    ティング材を被覆することによりコーティング層を形成
    すること、を含むことを特徴とする、含水性可食材を芯
    材とする被覆菓子の製造方法。
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