JP2001057452A - レーザ発振装置 - Google Patents

レーザ発振装置

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JP2001057452A
JP2001057452A JP23065799A JP23065799A JP2001057452A JP 2001057452 A JP2001057452 A JP 2001057452A JP 23065799 A JP23065799 A JP 23065799A JP 23065799 A JP23065799 A JP 23065799A JP 2001057452 A JP2001057452 A JP 2001057452A
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temperature
laser
optical bench
housing
cooling medium
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JP23065799A
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Hiroyuki Hayashikawa
洋之 林川
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ発振可能となった直後より、不良の発
生しない安定した加工を行う。 【解決手段】 部分反射鏡および全反射鏡を光学ベンチ
にて保持し、光増幅することにより部分反射鏡よりレー
ザビームを取り出すレーザ発振装置であって、光学ベン
チの冷却を行う冷却媒体の温度を検出する温度センサ、
もしくは光学ベンチを収納した筐体の内部に設置された
温度センサの少なくとも一方を備え、レーザ発振装置運
転開始後、冷却媒体または筐体内雰囲気が一定の制御温
度になるように制御されるとともに、温度センサの少な
くとも一方の検出温度が一定の温度より高いとき、所定
の発振遅延時間経過後にレーザ発振可能とした。これに
より、光学ベンチが熱的バランスをとるために必要な時
間を確保することができ、レーザ発振直後より安定した
レーザ加工を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に常に安定し
た品質のレーザビームが得られるようにしたレーザ発振
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のガスレーザ発振装置を図6に沿っ
て説明する。誘電体よりなる放電管1内には圧力約50
〜100Torrのレーザガス2が循環している。放電
管1周辺に設けられた電極3,4に接続された高電圧電
源装置5は、放電管1内に放電6を発生させる。放電6
によりレーザガス2は励起され、全反射鏡7および部分
反射鏡(部分透過鏡)8を通って外にレーザビーム9と
して出力される。放電管1とともにレーザガスの循環路
を形成する循環管体25の内部は、送風機26によりレ
ーザガスが送られており、放電6および送風機26によ
り上昇したレーザガスの温度を下げるため、熱交換機2
7,28が配置されている。また放電6によりレーザガ
ス2の一部が解離する事で経時的にレーザガス2の純度
が低下してくる。これを抑制しレーザガス2の純度を常
に一定以上のレべルに保つため、レーザガス2の一部を
常時、排気管29を通し排気ポンプ30により排出し、
且つ等量の新しいレーザガスを給気管31より供給して
いる。
【0003】以上が従来のガスレーザ発振装置の構成で
あり、次にその動作について説明する。まず高電圧電源
5に接続された電極3,4ら放電空間6に放電を発生さ
せる。放電空間6内のレーザガスは、この放電エネルギ
ーを得て励起され、その励起されたレーザガスは全反射
鏡7および部分透過鏡8により形成された光共振器で共
振状態となり、部分反射鏡8からレーザビーム9が出力
される。前述したレーザ発振装置の各構成要素は、筐体
10内に収納されており、部分反射鏡8から出力された
レーザビーム9は、筐体10に設けられたビーム取りだ
し口11より取り出され、レーザ加工等の用途に用いら
れる。
【0004】レーザ発振装置は上記の動作によりレーザ
発振を行うが、実際には運転開始後、即座にレーザ発振
を行える訳ではなく、通常運転開始より実際に発振可能
となるまで、2〜3分の時間が必要である。これについ
て図4のフローチャートを用い、運転開始時より順を追
って説明する。運転開始(ステップS1)すると、まず
レーザガス入れ替え(ステップS2)を行う。これは前
回運転時に解離した純度の低下したレーザガスと合わせ
て、運転停止中に外部よりレーザガス中にわずかに侵入
した水分や不純ガスなどを一旦排出し、新鮮なレーザガ
スを再充填するという動作であり、安定したレーザ出力
を得るために必須の動作である。具体的には、給気管3
1よりのレーザガスの供給を停止した状態で、排気管2
9を通じ排気ポンプ30より一旦レーザガスを排出して
しまい、その後改めて給気管31よりレーザガスを供給
する。レーザガス入れ替え(ステップS2)が完了後、
送風機を起動(ステップS3)させ、循環管体25およ
び放電管1内をレーザガス2が循環し始める。ステップ
S3まで完了すると、ここで始めてレーザ発振可能(ス
テップS4)となる。レーザ発振可能(ステップS4)
となれば、即座にレーザ加工開始(ステップS5)が可
能となる。ステップS1からステップS4までは自動的
に行われ、レーザ発振装置を使用するオペレータは、ス
テップS4のレーザ発振可能となった事を確認し、レー
ザ加工を開始する。
【0005】次に、光共振器部分の詳細およびその動作
について説明する。図5は、光共振器の詳細図である。
全反射鏡7、部分透過鏡8および放電管1は、光学ベン
チ12にて保持されている。全反射鏡7と部分透過鏡8
との間で光共振を行うためには、両者はミクロンオーダ
ーでの平行度を保たれている必要がある。そのため光学
ベンチ12には、以下の二つの性能が要求される。
【0006】第一に必要とされるのは、機械的強度であ
る。放電管1内部は50〜100Torr程度の真空状
態であるため、放電管1を保持している光学ベンチ12
には大きな真空力が掛かる。この真空力により曲がって
しまうようでは全反射鏡7と部分透過鏡8との平行度を
保つ事は出来ないため、真空力に耐えられる機械的強度
が必要である。よって通常、鉄やアルミなどの金属材料
で構成されている。
【0007】第二に必要とされる事は、光学ベンチ全体
として、熱的なバランスがとれている事である。前述し
たように光学ベンチ12は通常金属材料で構成されてい
るため、各部で温度差があると、熱膨張率の違いからミ
クロンオーダーでの歪みが発生し、全反射鏡7と部分透
過鏡8との間の平行度が崩れてしまう。しかも光学ベン
チ12は構造上、放電管1よりの放射熱などにさらされ
ているため、熱的なバランスが崩れやすい。よって常に
熱的バランスを保つために、温度制御を行う必要があ
る。前記温度制御は、実際には二つの手法を併用する事
により行われている。一つ目は光学ベンチ12内部に一
定温度の冷却媒体を流す事による温度制御、もう一つは
光学ベンチ12が周辺雰囲気温度の影響を受けない様
に、光学ベンチ周辺の筐体内雰囲気の温度を制御する事
である。
【0008】これらについて、図5および図4のフロー
チャートに沿って、順番に説明する。まず初めに、光学
ベンチ12内部に一定温度の冷却媒体を流す事による温
度制御について説明する。光学ベンチ12内部には、熱
的バランスを保つため、ポンプ14によって冷却媒体1
3が流され、温度調整を行っている。光学ベンチ12内
を流れ、光学ベンチ12との間で熱交換を行った冷却媒
体13は、冷却媒体用熱交換器15によって、チラー1
6より送られる冷却水17との間で熱交換を行う。この
ようにして最終的に光学ベンチ12の熱は、チラー16
によって大気中に排出される。冷却媒体13の配管には
冷却媒体用温度センサ18が備えられており、常に冷却
媒体13の温度を計測している。冷却媒体用温度センサ
18にて得られた冷却媒体の温度情報は、発振器制御装
置19へ送られる。一方、冷却媒体用熱交換器15へ送
られるチラー16の冷却水17の配管には電磁弁20が
挿入されており、電磁弁20の開閉、すなわち冷却媒体
用熱交換器15に冷却水17が流れるか否かは、発振器
制御装置19よりの制御により決まる。発振器制御装置
19は、冷却媒体用温度センサ18よりの温度情報に応
じ、冷却媒体13の温度を設定温度範囲内に保つため
に、適宜電磁弁20の開閉制御を行っている。通常、冷
却媒体13は約28℃に制御されている。チラー16の
冷却水17は約20℃で使用されている。
【0009】以下、動作のプロセスを図4のフローチャ
ートに沿って説明する。運転開始(ステップS1)後、
冷却媒体温度確認(ステップS6)へと進む。ここでは
冷却媒体用温度センサ18よりの信号が発振器制御装置
19へ送られる。次に冷却媒体13温度が28℃より高
いか低いかの判定を行う(ステップS7)。もし冷却媒
体13温度が28℃以上であると、冷却媒体用電磁弁2
0開の指令を出す(ステップS8)。これにより電磁弁
20が開き、冷却媒体用熱交換器15に冷却水17が流
れ、冷却媒体13が冷やされる。一方冷却媒体13温度
が28℃未満であると、冷却媒体用電磁弁20閉の指令
を出す(ステップS9)。これにより電磁弁20が閉
じ、冷却媒体用熱交換器15へ冷却水17が流れなくな
るため、冷却媒体13はそれ以上冷やされなくなる。ス
テップS8、ステップS9の処理を終えると、再度ステ
ップS6に戻り、冷却媒体温度確認を行う。この繰り返
しを行う事で、冷却媒体13の温度はほぼ一定に保たれ
る。このほぼ一定温度に保たれた冷却媒体13を内部に
流す事で、光学ベンチ12内部温度も、ほぼ一定かつ均
一に保たれる事になる。
【0010】次にもう一方の、光学ベンチ12周辺の筐
体内雰囲気の温度制御について説明する。筐体10内部
においては、放電管1を初めとする放電部周辺よりかな
りの量の発熱があり、そのまま放置しておくと、筐体1
0内の温度は上昇を続け、その温度上昇の影響により光
学ベンチ12の熱的バランスが崩れてしまう。よって光
学ベンチ12の熱的バランスを保つため、筐体10内部
の温度を光学ベンチ12とほぼ同一の温度になるよう保
つ必要がある。筐体10内には、筐体内雰囲気とチラー
よりの冷却水17との間で熱交換を行うためのラジエー
タ21、ラジエータ21内に筐体内雰囲気を強制的に通
過させるためのファン22、および筐体内雰囲気温度を
検出するための筐体内温度センサ23が備えられてい
る。筐体内温度センサ23にて得られた筐体内雰囲気温
度情報は、発振器制御装置19へ送られる。一方、ラジ
エータ21へ送られるチラー16の冷却水17の配管に
は電磁弁24が挿入されており、電磁弁24の開閉、す
なわちラジエータ21に冷却水17が流れるか否かは、
発振器制御装置19よりの制御により決まる。発振器制
御装置19は、筐体内温度センサ23よりの温度情報に
応じ、筐体内雰囲気温度を設定温度範囲内に保つため
に、適宜電磁弁24の開閉制御を行っている。筐体内雰
囲気温度は、光学ベンチ12と同じ温度、すなわち約2
8℃に制御されている。
【0011】以下、動作のプロセスをフローチャート図
4に沿って説明する。本動作のプロセスは、前出した冷
却媒体温度制御と基本的には同じ制御を行っている。運
転開始(ステップS1)後、筐体内雰囲気温度確認(ス
テップS10)へと進む。ここでは筐体内温度センサ2
3よりの信号が発振器制御装置19へ送られる。次に筐
体内雰囲気温度が28℃より高いか低いかの判定を行う
(ステップS11)。もし筐体内雰囲気温度が28℃以
上であると、冷却媒体用電磁弁24開の指令を出す(ス
テップS12)。これにより電磁弁24が開き、ラジエ
ータ21に冷却水17が流れ、筐体内雰囲気が冷やされ
る。一方筐体内雰囲気温度が28℃未満であると、冷却
媒体用電磁弁24閉の指令を出す(ステップS13)。
これにより電磁弁24が閉じ、ラジエータ21へ冷却水
17が流れなくなるため、筐体内雰囲気はそれ以上冷や
されなくなる。ステップS12、ステップS13の処理
を終えると、再度ステップS10に戻り、筐体内雰囲気
温度確認を行う。この繰り返しを行う事で、筐体内雰因
気温度はほぼ一定に保たれる。このほぼ一定温度に保た
れた冷却媒体13を筐体10内部に流す事で、光学ベン
チ12温度も、ほぼ一定かつ均一に保たれる事になる。
【0012】以上がレーザ発振器の温度制御動作であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図4のフローチャート
に示すように、レーザ発振装置は、運転スタート時より
前記の温度制御をスタートし、運転中は常にこの温度制
御を行っている。ところが現行のこの方式では、ある条
件下にて問題が発生する事がある。
【0014】レーザ発振装置は、運転停止時には温度制
御は全くなされていないため、運転停止時のレーザ発振
装置全体の温度は、外気温度と同じになる。例えば外気
温度が40℃であれば、レーザ発振装置の光学ベンチ1
2、冷却媒体13、筐体内雰囲気などの温度は、全て4
0℃になる。運転スタート時より温度制御を始める事に
なるが、制御温度である28℃に下がって初めて温度制
御が可能となり、それまでに12〜13分の時間を要す
る。これは光学ベンチ12自体が、ある程度の熱容量を
持っているためである。制御温度28℃と運転スタート
時の温度との差が大きいほど、温度制御が可能となるま
での時間が必要となる。これは言い換えると、運転スタ
ート時の外気温度次第で、光学ベンチ12が熱的に安定
するまでの時間が変化するということである。
【0015】前述したように全反射鏡7および部分透過
鏡8のミクロンオーダでの平行度を保つ為には、これら
を保持している光学ベンチ12が熱的に安定している必
要がある。光学ベンチの熱的安定性が損なわれると、全
反射鏡7と部分透過鏡8の平行度が崩れた状態で光共振
を行うことになるため、レーザビーム9のエネルギ分布
の均一性が崩れ、レーザビーム9の品質が悪化する。こ
の状態でレーザ加工を行うと、加工不良となってしま
う。
【0016】現行のレーザ発振装置は、図4に示すよう
に、運転開始後より2〜3分間の「レーザガス入れ替
え」(ステップS2)「送風機起動」(ステップS3)
の後、「レーザ発振可能」(ステップS4)となり、
「レーザ加工開始」(ステップS5)が可能となる。し
かしその時点で、温度制御がまだ出来ておらず、光学ベ
ンチの熱的バランスが崩れたままであると、当然取り出
されるレーザビーム9の品質は悪く、加工不良が発生す
る。
【0017】また、上記従来の問題点の解決方法とし
て、光学ベンチ12自体に温度センサを設け、常に光学
ベンチ12の温度を監視するという手法が試みられた。
光学ベンチ12が熱的に安定か不安定状態かを見極め、
光学ベンチ12が熱的に不安定であると判断したときに
は、自動的に発振不可状態とする、もしくはアラームを
出し、レーザ発振装置のオペレータに注意を喚起すると
いう狙いであった。しかしこの手法では満足のいく結果
が得られなかった。すなわち、光学ベンチ12は熱容量
が大きいため、仮にある部分に温度センサを付け、温度
センサの部分が制御温度に達した事を確認出来たとして
も、光学ベンチ12の他の部分の温度がまだ制御温度に
達していないという場合があるからである。よって現実
的に光学ベンチ12そのものの温度を監視しても大きな
効果は得られない。
【0018】したがって、この発明の目的は、かかる問
題点を解決するためになされたもので、レーザ発振可能
となった直後より、不良の発生しない安定した加工を行
う事の出来るレーザ発振装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めにこの発明の請求項1記載のレーザ発振装置は、光軸
方向に配置された放電管の一端に部分反射鏡、他端に全
反射鏡をそれぞれ配置するとともに、部分反射鏡および
全反射鏡を光学ベンチにて保持し、光増幅することによ
り部分反射鏡よりレーザビームを取り出すレーザ発振装
置であって、光学ベンチの冷却を行う冷却媒体の温度を
検出する温度センサ、もしくは光学ベンチを収納した筐
体の内部に設置された温度センサの少なくとも一方を備
え、レーザ発振装置運転開始後、冷却媒体または筐体内
雰囲気が一定温度になるように制御されるとともに、温
度センサの少なくとも一方の検出温度が一定温度より高
いとき、所定の発振遅延時間経過後にレーザ発振可能と
したことを特徴とする。
【0020】このように、光学ベンチの冷却を行う冷却
媒体の温度を検出する温度センサ、もしくは光学ベンチ
を収納した筐体の内部に設置された温度センサの少なく
とも一方を備え、レーザ発振装置運転開始後、冷却媒体
または筐体内雰囲気が一定温度になるように制御される
とともに、温度センサの少なくとも一方の検出温度が一
定温度より高いとき、所定の発振遅延時間経過後にレー
ザ発振可能としたので、光学ベンチが熱的バランスをと
るために必要な時間を確保することができる。これによ
りレーザ発振直後より安定したレーザ加工を行うことが
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図1およ
び図2に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形
態のレーザ発振装置のフローチャートである。
【0022】このレーザ発振装置は、図5および図6に
示したものと同様に、光軸方向に配置された放電管の一
端に部分反射鏡8、他端に全反射鏡7をそれぞれ配置す
るとともに、部分反射鏡8および全反射鏡7を光学ベン
チ12にて保持し、光増幅することにより部分反射鏡8
よりレーザビームを取り出す。また、光学ベンチ12の
冷却を行う冷却媒体13の温度を検出する温度センサ1
8、もしくは光学ベンチ12を収納した筐体10の内部
に設置された温度センサ23の少なくとも一方を備えて
おり、この実施の形態ではレーザ発振装置運転開始時に
おける筐体内雰囲気温度を示す温度センサ23の検出温
度が一定の温度より高いとき、自動的にレーザ発振遅延
時間を設ける制御を行うように構成されている。
【0023】以下、図1のフローチャートに沿って説明
する。運転開始(ステップS1)後、冷却媒体温度確認
(ステップS6)および筐体内雰囲気温度確認(ステッ
プS10)へと進む点は、従来例と同じである。筐体内
雰囲気温度確認(ステップS10)の次のステップとし
て、従来と同様の制御温度28℃に対する判定(ステッ
プ11)と並行し、制御温度より上の温度、この実施の
形態では40℃という温度に対して、それ以上か、それ
末満か、の判定を行う(ステップS1a)。40℃未満
であれば、従来例と同様のステップ、すなわちレーザガ
ス入れ替え(ステップS2a)、送風機起動(ステップ
S3a)、レーザ発振可能(ステップS4)と進む。こ
の場合、運転開始(ステップS1)からレーザ発振可能
(ステップS4)までの所要時間は約2〜3分である。
【0024】一方、40℃以上であった場合には、以下
の2つの処理を並行して進める。一つはレーザガス入れ
替え(ステップS2b)、送風機起動(ステップS3
b)と進むステップ。もう一つは、タイマリセット(ス
テップS2c)、タイマカウント(ステップS3c)と
進み、タイマのカウントを始める。タイマカウント15
分(ステップS3d)にて、経過時間を見張り、タイマ
カウントが15分経過すると、次のステップへ進む。送
風機起動(ステップS3b)およびタイマカウント15
分(ステップS3d)が共に完了すると、両者のAND
判定(ステップS3e)を経て、レーザ発振可能(ステ
ップS4)へと進む。
【0025】以上のフローから明らかなように、この実
施の形態においては、運転開始時に筐体内雰囲気温度が
40℃以上であれば、タイマーカウント15分の処理を
行い、いわば自動的に発振遅延時間を設けるようにして
いる。これにより本来運転開始より2〜3分でレーザ発
振可能となっていた所が、運転開始より15分でレーザ
発振可能となる。
【0026】この時の運転開始後の経過時間と、光学ベ
ンチ温度および加工状態について、従来例との比較を行
いながら説明する。図2はこの発明の実施の形態におけ
る運転開始からの時間と加工状態についての説明図、図
3は従来例における運転開始からの時間と加工状態につ
いての説明図である。
【0027】まず従来例について、図3によって説明す
る。運転開始時に外気温が40℃以上である場合、当然
光学ベンチ温度も40℃以上となっている。運転開始と
同時に温度制御シーケンスが開始するため、冷却媒体1
3、および筐体内雰囲気により、光学ベンチ温度は制御
温度28℃を目指し、冷却されていく。しかし光学ベン
チ12そのものの熱容量が大きいため、制御温度28℃
にまで下がるには、約12〜13分の時間を要する。一
方レーザガス入れ替え、送風機起動のステップは、約2
〜3分で完了するため、運転開始の約2〜3分後にはレ
ーザ発振可能となる。しかしレーザ発振そのものは可能
となっていても、その時点では、光学ベンチ12はまだ
熱的バランスがとれておらず、光学的には不安定な状態
であるため、レーザ発振により取り出されるレーザビー
ムの品質は低い状態である。この状態でレーザ加工を開
始するとすると、当然加工不良が発生してしまう。
【0028】一方この実施の形態に関して、図2によっ
て説明する。運転開始時に筐体内雰囲気温度センサが、
外気温が40℃以上であることを検出すると、通常行わ
れるレーザガス入れ替え、送風機起動と並行して、自動
的に15分の発振遅延時間が設けられ、タイマが15分
のカウントを開始する。送風機の起動までは約2〜3分
で完了し、その後タイマカウントが完了するまで、さら
に約12〜13分の時間が設けられる事になる。その間
に光学ベンチ温度は制御温度である28℃にまで下が
り、冷却媒体および筐体内雰囲気による温度制御が始ま
り、光学ベンチ12は熱的に安定する。タイマが15分
カウント後、レーザ発振可能となった時には、最初から
高品質なレーザビームを取り出す事が出来、良好なレー
ザ加工を行う事が出来る。
【0029】以上のようにこの実施の形態によれば、光
学ベンチ12を収納した筐体10の内部に設置された温
度センサ23を備え、レーザ発振装置運転開始時におけ
る温度センサ23の検出温度が40℃以上であれば、レ
ーザ発振遅延時間を設ける制御シーケンスによりレーザ
発振遅延時間を自動的に延長することで、光学ベンチ1
2が熱的バランスをとるために必要な時間を確保するこ
とができる。
【0030】また、光学ベンチ12自体に温度センサを
設け、常に光学ベンチ12の温度を監視するという手法
が試みられたが、従来例に記載したように大きな効果を
得ることができず、むしろこの発明の実施の形態に示す
ように、運転開始時の温度を計測し、それから制御温度
まで冷却できる時間を発振遅延時間として設けるほう
が、より確実に効果を出す事が出来る。
【0031】なお、温度センサ18,23の少なくとも
一方の検出温度が一定の温度(28℃)より高いときで
あれば、40℃以外の温度のときにレーザ発振遅延時間
を設ける制御を行う構成にしてもよい。
【0032】
【発明の効果】この発明のレーザ発振装置によれば、光
学ベンチの冷却を行う冷却媒体の温度を検出する温度セ
ンサ、もしくは光学ベンチを収納した筐体の内部に設置
された温度センサの少なくとも一方を備え、レーザ発振
装置運転開始後、冷却媒体または筐体内雰囲気が一定温
度になるように制御されるとともに、温度センサの少な
くとも一方の検出温度が一定温度より高いとき、所定の
発振遅延時間経過後にレーザ発振可能としたので、光学
ベンチが熱的バランスをとるために必要な時間を確保す
ることができる。これによりレーザ発振直後より安定し
たレーザ加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態におけるレーザ発振装置
のフローチャートである。
【図2】この発明の実施の形態における運転開始からの
時間と加工状態についての説明図である。
【図3】従来例における運転開始からの時間と加工状態
についての説明図である。
【図4】従来例のフローチャートである。
【図5】レーザ発振装置における光共振器部を示す概念
図である。
【図6】レーザ発振装置の模式図である。
【符号の説明】
1 放電管 2 レーザガス 3 電極 4 電極 5 高電圧電源装置 6 放電 7 全反射鏡 8 部分透過鏡 9 レーザビーム 10 筐体 11 ビーム取りだし口 12 光学ベンチ 13 冷却媒体 14 ポンプ 15 冷却媒体用熱交換器 16 チラー 17 冷却水 18 冷却媒体用温度センサ 19 発振器制御装置 20 電磁弁 21 ラジエータ 22 ファン 23 筐体内温度センサ 24 電磁弁 25 循環管体 26 送風機 27 熱交換器 28 熱交換器 29 排気管 30 排気ポンプ 31 給気管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸方向に配置された放電管の一端に部
    分反射鏡、他端に全反射鏡をそれぞれ配置するととも
    に、前記部分反射鏡および全反射鏡を光学ベンチにて保
    持し、光増幅することにより前記部分反射鏡よりレーザ
    ビームを取り出すレーザ発振装置であって、前記光学ベ
    ンチの冷却を行う冷却媒体の温度を検出する温度セン
    サ、もしくは前記光学ベンチを収納した筐体の内部に設
    置された温度センサの少なくとも一方を備え、レーザ発
    振装置運転開始後、冷却媒体または筐体内雰囲気が一定
    温度になるように制御されるとともに、前記温度センサ
    の少なくとも一方の検出温度が前記一定温度より高いと
    き、所定の発振遅延時間経過後にレーザ発振可能とした
    ことを特徴とするレーザ発振装置。
JP23065799A 1999-08-17 1999-08-17 レーザ発振装置 Pending JP2001057452A (ja)

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