JP2002208746A - ガス制御方法及びレーザコントローラ - Google Patents

ガス制御方法及びレーザコントローラ

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JP2002208746A
JP2002208746A JP2001001214A JP2001001214A JP2002208746A JP 2002208746 A JP2002208746 A JP 2002208746A JP 2001001214 A JP2001001214 A JP 2001001214A JP 2001001214 A JP2001001214 A JP 2001001214A JP 2002208746 A JP2002208746 A JP 2002208746A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザガスの組成を適正に保ち、良好なレー
ザ発振を可能とするエキシマレーザ装置を提供する。 【解決手段】 レーザガスを所定の組成比で封入したレ
ーザチャンバ(2)と、放電を起こしてレーザガスを励起
する放電電極(4,5)とを備え、レーザ光(11)のパルスエ
ネルギーが略一定となるように放電電極(4,5)間に印加
する高電圧を制御したガスレーザ装置(1)の、レーザチ
ャンバ(2)内部のレーザガスを所定の組成比に保つよう
に制御するガス制御方法において、レーザチャンバ(2)
中にハロゲンガスを所定量注入するハロゲンガス注入工
程と、レーザチャンバ(2)中のレーザガスを所定量交換
する部分ガス交換工程とを交互に行なうことにより、レ
ーザチャンバ(2)内部のレーザガスを所定の組成比に保
つように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスレーザ装置に
関し、特にはそのレーザ媒質であるレーザガスの組成を
制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスレーザ装置の一例として、エキシマ
レーザ装置の基本的な構成を、図10に示す。図10に
おいて、エキシマレーザ装置1は、フッ素を含むレーザ
ガスが所定の圧力比で密封されたレーザチャンバ2を備
えている。レーザチャンバ2の内部には、一対の放電電
極4,5が対向して配設されている。放電電極4,5間
に、高圧電源13から高電圧を印加することにより、パ
ルス状の主放電26を起こしてレーザ光11をパルス発
振させる。レーザ光11は、ウィンドウ7,9を透過
し、全反射ミラー8と部分反射ミラー6との間で往復す
る間に主放電26によって増幅され、一部が部分反射ミ
ラー6から出射する。高圧電源13は、放電電極4,5
間に印加する高電圧を変化させることにより、レーザ発
振に伴って低下するレーザ光11のパルスエネルギーを
略一定に保っている。これを、パワーロック制御と言
う。
【0003】このようなエキシマレーザ装置1におい
て、レーザチャンバ2内のレーザガスの状態を制御し
て、レーザ光の出力低下を防止する技術が知られてい
る。例えば特開平11−284251号公報(以下、こ
れを第1従来技術と呼ぶ)によれば、レーザ光11が発
振したパルス数に基づく所定のタイミングで、レーザガ
スをレーザチャンバ2内に注入している。これにより、
パワーロック制御された高電圧が低下する。そして、高
電圧が所定の下限値になると、レーザガスの注入を止
め、レーザガスをレーザチャンバ2の外部に排気してい
る。このようなガス制御を、部分ガス交換制御と言う。
【0004】また、特開平11−274610号公報
(以下、これを第2従来技術と呼ぶ)によれば、高電圧
が、主放電26が安定に行なわれる上限に達した時点
で、フッ素等のハロゲンガスをレーザチャンバ2内に注
入し、パルスエネルギーを増大させている。このような
ガス制御を、フッ素注入工程と言う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次に述べるような問題がある。第1従来技
術において、レーザガスの一部を交換しているのは、レ
ーザ発振に伴ってレーザチャンバ2内部に不純物が発生
するためである。この不純物によって、主放電26が妨
げられるため、新鮮なレーザガスを注入/排気すること
によって不純物を外部に排出し、パルスエネルギーの低
下を防止している。一方、第2従来技術において、フッ
素を注入しているのは、レーザ発振によってフッ素が放
電電極4,5等と反応し、消耗するためである。このフ
ッ素を補うことにより、レーザチャンバ2中のフッ素ガ
スの濃度を適正範囲に保ち、パルスエネルギーの低下を
防止している。このように、レーザ光11のパルスエネ
ルギーの低下には、フッ素の消耗による濃度の低下と、
不純物の発生との2つの要因がある。ところが、上記各
従来技術ではそのいずれか一方のみを解消しようとして
いるに過ぎず、パルスエネルギーの低下を完全に防止す
ることが困難である。
【0006】また、第1従来技術と第2従来技術とを混
合させ、例えば高電圧が所定の電圧になるまでフッ素注
入工程を行ない、高電圧が所定の電圧以上になれば部分
ガス交換工程を行なうといった技術も知られている。と
ころが、このときレーザチャンバ2内のフッ素濃度を適
正な範囲にするためには、レーザチャンバ2内部のフッ
素濃度を正確に検出し、フッ素の注入量を決定する必要
がある。ところが、フッ素濃度を正確に検出することは
困難であるため、例えばレーザ光11のパルスエネルギ
ーに基づいて、フッ素の注入量を決定している。実際に
は、パルスエネルギーを一定にするためのパワーロック
制御を行なっているので、そのときに放電電極4,5間
に印加される高電圧に基づいて、フッ素の注入量を決定
する。
【0007】ところが、レーザ光11のパルスエネルギ
ーは、レーザチャンバ2内部のフッ素濃度ばかりでな
く、不純物の量によっても変動する。そのため、例えば
不純物が増大してパルスエネルギーが低くなっているに
も拘らず、フッ素濃度が低いと解釈してフッ素を注入し
続けることがある。その結果、レーザチャンバ2内部の
フッ素濃度が適正範囲より高くなってしまい、フッ素注
入工程の制御が発散する。このように、従来技術によれ
ば、フッ素の消耗及び不純物の増大という、パルスエネ
ルギーの複数の低下要因を分離せずにガス制御を行なっ
ている。そのため、不純物発生量の変動や、フッ素ガス
消耗量の変動といった外乱に対してガス制御が不安定で
あるという問題がある。その結果、ガス制御がうまくい
かなくなり、レーザチャンバ2中のレーザガスの組成
が、不適正なものになってしまうといった問題がある。
【0008】また、第2従来技術によれば、高電圧の変
化に基づいてフッ素濃度を推定し、フッ素の注入量を決
定している。しかしながら、印加される高電圧に対して
その変化率は非常に微少なものであり、例えばレーザガ
スの温度などの外乱の影響を受けて、正確なフッ素濃度
の推定が困難という問題がある。
【0009】本発明は、上記の問題に着目してなされた
ものであり、レーザガスの組成を適正に保ち、良好なレ
ーザ発振を可能とするガスレーザ装置を提供することを
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、本発明は、ハロゲンガスを含むレ
ーザガスを封入したレーザチャンバと、レーザチャンバ
内部に配置され、放電を起こしてレーザガスを励起する
放電電極とを備え、レーザ光のパルスエネルギーが略一
定となるように放電電極間に印加する高電圧を制御した
ガスレーザ装置の、レーザチャンバ内部のレーザガスを
所定の組成比に保つように制御するガス制御方法におい
て、レーザチャンバ中にハロゲンガスを所定量注入する
ハロゲンガス注入工程と、レーザチャンバ中のレーザガ
スを所定量交換する部分ガス交換工程とを交互に行なう
ことにより、レーザチャンバ内部のレーザガスを所定の
組成比に保つように制御している。
【0011】かかる発明によれば、ハロゲンガスを注入
する際には、その前の部分ガス交換工程によってレーザ
チャンバ内の不純物が除去されて所定量以下となってい
る。従って、ハロゲンガス注入工程を、不純物の量とは
独立に制御することができる。そのため、ハロゲンガス
の注入量を設定する際に、他の外乱の影響を受けにくく
なるので、ハロゲンガスの濃度を正確に推定して、適正
な量のハロゲンガスを注入することが可能である。ま
た、部分ガス交換を行なう際には、その前のハロゲンガ
ス注入工程によってレーザチャンバ内のハロゲンガスの
濃度がほぼ一定となっており、部分ガス交換工程を、フ
ッ素の消耗量と独立に制御することができる。これによ
り、レーザガスの交換量を設定する際に、他の外乱の影
響を受けにくくなるので、適正な量のレーザガスを交換
することが可能である。
【0012】また、本発明によれば、ハロゲンガスの注
入の前後における高電圧を読み取り、次回のハロゲンガ
スの注入量を、ハロゲンガスの注入量あたりの高電圧の
変化率に基づいて決定してもよい。即ち、ハロゲンガス
注入工程の前に行なった部分ガス交換工程において、レ
ーザチャンバ中の不純物の量は所定量以下となってい
る。従って、高電圧の変化要因は、専らハロゲンガスの
濃度によるものであるので、フッ素の注入量あたりの高
電圧の変化量をモニタリングすることにより、ハロゲン
ガスが過剰であるか過少であるかを正確に推定できる。
これにより、ハロゲンガスの注入量を適正に定めて、ハ
ロゲンガスを適正な範囲内とすることが可能である。
【0013】また、本発明によれば、ハロゲンガスの注
入の前後における所定の温度パラメータを読み取り、温
度パラメータの変化量が所定値を越えた場合には、前記
ハロゲンガスの注入量を前回の注入時の注入量と同一に
してもよい。即ち、温度パラメータの変化量が所定値を
越える場合には、レーザチャンバ内部のハロゲンガスの
濃度や不純物の量とは関係なく、レーザ光のパルスエネ
ルギーが変動する。従って、このような温度パラメータ
の変動が激しい場合には、ハロゲンガスの注入量を変化
させないことにより、ハロゲンガスの濃度の推測が外乱
の影響によって乱れることがなく、ハロゲンガス注入工
程の制御を破綻させることなく継続できる。
【0014】また、本発明によれば、高電圧の読み取り
時に、少なくとも高周波側のノイズをカットするフィル
タを通して読み取るようにしてもよい。即ち高電圧は、
ガスレーザ装置を冷却するための冷却水の温度変化な
ど、さまざまな外部要因によって小刻みに変動する。従
って、高周波側のノイズをカットするフィルタを入れる
ことにより、このような外部要因によってガス制御が破
綻するのを防止することが可能である。
【0015】また、本発明によれば、前記フィルタが非
巡回型のフィルタであってもよい。即ち、非巡回型のフ
ィルタは、直線位相特性を有しており、ノイズを確実に
除去して、正確な高電圧を取得することが可能となる。
その結果、レーザチャンバ内のフッ素濃度を正確に推定
可能であり、フッ素を常に適正な範囲に制御して、パル
スエネルギーを一定にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明
に係る実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態
を説明する。図1は、本実施形態に係るガスレーザ装置
の一例としてのエキシマレーザ装置1の構成図、図2は
その概略断面図を示している。図1、図2において、エ
キシマレーザ装置1は、例えばハロゲンガスであるフッ
素(F2)、希ガスであるクリプトン(Kr)、及びバ
ッファガスであるネオン(Ne)を含むレーザガスが、
所定の圧力比で密封されたレーザチャンバ2を備えてい
る。尚、以下の説明でレーザガスという場合には、ハロ
ゲンガス、希ガス、及びバッファガスをすべて含んだガ
スを言う。レーザチャンバ2の内部には、例えば銅、真
鍮、ニッケル等の金属製のアノード4及びカソード5か
らなる一対の放電電極4,5が、対向して配設されてい
る。この放電電極4,5間に、高圧電源13から高電圧
を印加することにより、パルス状の主放電26を起こし
てレーザ光11をパルス発振させる。高圧電源13は、
電気的に接続されたレーザコントローラ31の高圧指示
信号によって、放電電極4,5間に印加する高電圧を決
定する。尚、レーザコントローラ31は、図示はしない
が、レーザガスの制御を行なうガス制御部と、パワーロ
ック制御を行なうエネルギー制御部とを、その内部に備
えている。
【0017】また、レーザチャンバ2の内部には、レー
ザガスをレーザチャンバ2内部で循環させて放電電極
4,5間に送り込む貫流ファン14と、放電によって熱
を与えられたレーザガスを冷却するための熱交換器3と
が、それぞれ所定位置に設置されている。レーザガスの
ガス流は、図2において矢印36方向に流れている。熱
交換器3には、冷却水配管29を介してチラー28が接
続されており、熱交換器3内部を流れる冷却水27を冷
却して、レーザチャンバ2内で発生した熱を外部へ放出
する。チラー28から出る出口配管29Aを流れる冷却
水27Aの温度をチラー28の出口温度、チラー28に
返ってくる入口配管29Bを流れる冷却水27Bの温度
をチラー28の入口温度と呼ぶ。
【0018】レーザチャンバ2の前後部には、レーザ光
11を透過するフロントウィンドウ7及びリアウィンド
ウ9がそれぞれ固定されている。リアウィンドウ9の後
方(図1中左方)には、レーザ光11を全反射する全反
射ミラー8が、またフロントウィンドウ7の前方には、
レーザ光11を部分反射する部分反射ミラー6が、それ
ぞれ配置されている。レーザチャンバ2内で主放電26
によって発振したレーザ光11は、ミラー6,8間で往
復する間に増幅され、一部が部分反射ミラー6から出射
する。部分反射ミラー6の前方には、レーザ光11の一
部をサンプリングするビームスプリッタ12が配置され
ている。レーザ光11の大部分はビームスプリッタ12
を透過して出力され、残りがビームスプリッタ12で図
1中下方に反射されてパワー検出器15に入射する。パ
ワー検出器15は、パルスエネルギーに応じた電気信号
をレーザコントローラ31に出力する。レーザコントロ
ーラ31は、この電気信号に基づいて、レーザ光11の
パルスエネルギーとパルス発振した発振パルス数Cとを
検出する。ビームスプリッタ12の前方には、電気的に
接続されたレーザコントローラ31の指示信号に基づい
て開閉し、レーザ光を遮蔽自在のシャッタ30が配置さ
れている。
【0019】また、レーザチャンバ2には、レーザガス
を外部へ排気する排気配管16と、レーザガスを内部に
注入する注入配管17とが接続されている。排気配管1
6には、排気バルブ18とポンプ19とが接続されてお
り、排気バルブ18はレーザコントローラ31からの指
示信号に基づいて開閉動作する。注入配管17には、フ
ッ素及びクリプトンの混合ガスをネオンで希釈したフッ
素ガスボンベ20と、クリプトンをネオンで希釈した希
ガスボンベ21とが接続されている。フッ素ガスボンベ
20及び希ガスボンベ21は、レーザコントローラ31
からの指示信号によって開閉動作するフッ素ガスバルブ
22及び希ガスバルブ23の開閉によって、レーザチャ
ンバ2内部に注入される。
【0020】また、レーザチャンバ2には、内部のガス
圧力を測定する圧力測定器24が接続されており、ガス
圧力に応じた電気信号を電気的に接続されたレーザコン
トローラ31に出力する。レーザコントローラ31は、
この電気信号に基づいて、レーザチャンバ2内部のガス
圧力を検出自在となっている。さらに、レーザチャンバ
2の外壁には、温度測定器25が付設されており、外壁
の温度に応じた電気信号を、電気的に接続されたレーザ
コントローラ31に出力する。レーザコントローラ31
は、この電気信号に基づいて、レーザチャンバ2内部の
温度を検出自在となっている。
【0021】このようなエキシマレーザ装置1を、例え
ばステッパ等の露光機の光源として用いる場合には、パ
ルス発振する各パルスごとのパルスエネルギーが略一定
であることが要求される。レーザコントローラ31は、
常にパワー検出器15からパルスエネルギーを検出し、
これが一定となるように放電電極4,5間に印加すべき
高電圧を算出して、高圧電源13に高圧指示信号を出力
している。これを、パワーロック制御と言う。
【0022】このとき、レーザ発振によって、レーザチ
ャンバ2中のフッ素ガスが主に放電電極4,5と反応
し、フッ素ガスの分子量が低減していくことが知られて
いる。これを、フッ素ガスの消耗と呼び、この消耗によ
ってレーザ発振の効率が低下してパルスエネルギーが低
下することが知られている。また、例えばレーザチャン
バ2内に用いられている図示しないOリング等の部品か
らは、CF4、HF等の不純物が発生する。このような
不純物によって主放電26が妨げられ、やはりパルスエ
ネルギーが低下することが知られている。このようなパ
ルスエネルギーの低下を防止するため、レーザコントロ
ーラ31は、フッ素を注入してフッ素ガスの消耗を補う
フッ素注入工程と、レーザガスの一部を交換して不純物
を除去する部分ガス交換工程とを交互に行なっている。
このようなガス制御により、レーザチャンバ2内のレー
ザガスの成分が、レーザ発振に適正であるようにしてい
る。
【0023】以下に、ガス制御について詳細に説明す
る。図3は、第1実施形態に係るガス制御の方法を示す
フローチャートである。図3において、まずレーザコン
トローラ31は、排気バルブ18を開作動させてレーザ
チャンバ2の内部を排気した後、排気バルブ18を閉作
動させる。そして、フッ素ガスバルブ22及び希ガスバ
ルブ23を開作動させ、レーザ発振に最適なガス組成
(以下、最適組成と言う)となるように、レーザチャン
バ2の内部にレーザガスを注入する。これらの処理を、
全ガス交換と言う(ステップS1)。次に、レーザコン
トローラ31は、部分ガス交換を行なうか、それともフ
ッ素注入を行なうかを決定するためのフラグFを0にリ
セットする。同時に、前回部分ガス交換を行なってから
の発振パルス数をカウントするガスカウンタCGと、前
回フッ素注入を行なってからの発振パルス数をカウント
するフッ素カウンタCFとを、0にリセットする(ステ
ップS2)。そして、予め実験的に求めた発振パルス数
Cとフッ素消費量との関係に基づいて、1パルス当たり
のフッ素単位注入量I0を設定する。さらに、予め実験
的に求めたパルス数と不純物発生量との関係に基づい
て、1パルス当たりのガス単位交換量P0を設定し、レ
ーザ発振を開始する(ステップS3)。フッ素単位注入
量I0及びガス単位交換量P0は、例えば圧力で表され
る。
【0024】エキシマレーザ装置1がレーザ発振を開始
すると、以後、レーザコントローラ31は、パワー検出
器15からの電気信号に基づき、レーザ光11の発振パ
ルス数Cを常にカウントし続ける。また、レーザコント
ローラ31は、常にレーザ発振開始後の経過時間を測定
している。レーザコントローラ31は、所定時間経過後
(ステップS4)、フラグFの値を判定し(ステップS
5)、フラグFが0の場合には、部分ガス交換工程に入
ってフラグFを1とする(ステップS6)。部分ガス交
換工程においては、まずレーザガスの交換量PVを算出
する(ステップS7)。交換量PVの算出は、次の数式
1に基づいて行なわれる。 PV=MG×P0…………(1) 数式1において、MGは前回部分ガス交換を行なってか
らの発振パルス数CG(初めての部分ガス交換の場合
は、全ガス交換後の発振パルス数)を、前回部分ガス交
換を行なってからの経過時間で割った、単位時間あたり
の発振パルス数、P0は前記ガス単位交換量である。
【0025】次に、S7で定めた交換量PVだけレーザ
ガスを排気する。(ステップS8)。そして、フッ素ガ
スバルブ及び希ガスバルブを開いて、レーザガスを交換
量PVだけレーザチャンバ2内に注入する(ステップS
9)。このとき、注入するレーザガスの成分比は、S1
でレーザチャンバ2に注入したレーザガスの最適組成と
略同一となるようにするのがよい。そして、ガスカウン
タCGを0にリセットし(ステップS10)、部分ガス
交換工程を終えてステップS4に戻る。この部分ガス交
換工程により、レーザチャンバ2内のレーザガスの一部
が新鮮なものに交換され、レーザチャンバ2内部に発生
した不純物の一部が除去される。
【0026】また、S5でフラグFが1の場合には、フ
ッ素注入工程に入り、まずフラグFを0にリセットする
(ステップS11)。そして、その時点での高電圧VB
を記憶し(ステップS12)、注入すべきフッ素注入量
IFを算出する(ステップS13)。フッ素注入量IF
の算出は、次の数式2に基づいて行なわれる。 IF=CF×I0×βF…………(2) 数式2において、CFは前回フッ素注入を行なってから
の発振パルス数(はじめてのフッ素注入の場合には、全
ガス交換後の発振パルス数)、I0は前記フッ素単位注
入量、βFは予め定めた補正係数である。これに基づ
き、フッ素注入量IFだけのフッ素を注入する(ステッ
プS14)。フッ素の注入には、例えば数分から数十分
かかることがある。この間、レーザコントローラ31
は、パワーロック制御によって、パルスエネルギーが一
定になるように高電圧を制御している。レーザコントロ
ーラ31は、フッ素注入終了後の高電圧VAを記憶する
(ステップS16)。そして、フッ素注入前の高電圧V
Bと、フッ素注入後の高電圧VAとに基づき、後述する
手順に基づいて、次回のフッ素注入時のための補正係数
βFを補正する(ステップS17)。そして、フッ素カ
ウンタCFを0にリセットし(ステップS18)、S4
に戻る。
【0027】図4に、ステップS17における、補正係
数βFを補正するための手順のフローチャートを示す。
まず次の数式3に基づいて、フッ素の注入量IFあたり
の、フッ素注入前後の高電圧変化率ΔVを算出する(ス
テップS21)。 ΔV=(VA−VB)/IF…………(3) そして、算出された高電圧変化率ΔVを、閾値ΔV1,
ΔV2(ΔV1<ΔV2)と比較し(ステップS2
2)、ΔV≧ΔV2の場合には、補正係数βFを0.9
5倍する(ステップS23)。また、ステップS22で
ΔV<ΔV1の場合には、補正係数βFを1.05倍す
る(ステップS24)。そして、ΔV1<ΔV≦ΔV2
の場合には、補正係数βFは不変とする。このように、
高電圧変化率ΔVが大きければ、フッ素注入量IFが大
き過ぎたと判定して補正係数βFを小さくし、高電圧変
化率ΔVが小さければ、フッ素注入量IFが小さ過ぎた
と判定して補正係数βFを大きくしている。尚、S2
3,S24における0.95倍及び1.05倍は一例で
あり、これに限られるものではない。
【0028】ここで、図3に示したフローチャートにお
いて、S14でフッ素注入を行なう前後にレーザ発振が
行なわれないような場合には、高電圧VA,VBが求め
られないために、補正係数βFを算出することができな
い。これは例えば、エキシマレーザ装置1を、ステッパ
等の露光機の光源として用いた際に、露光機から発振を
停止するように指令が来たような場合に起こる。ところ
が、レーザ発振が行なわれない場合でも、フッ素はレー
ザチャンバ2内の部品等と反応して消耗し、フッ素濃度
が低下する。従って、フッ素濃度が低下しないように、
フッ素を注入する必要がある。このような場合には、ビ
ームスプリッタ12の前方に配置されたシャッタ30を
閉じてレーザ光11をエキシマレーザ装置1の外部に出
さないようにして、所定パルス数だけレーザ発振を行な
う。そしてフッ素注入工程に入り、S11〜S18に示
したような手順に従って、レーザチャンバ2内部のフッ
素濃度を推定し、フッ素を注入する。これにより、レー
ザ発振が行なわれないような場合でも、フッ素を所定濃
度に保つことが可能であり、レーザ発振を再開する際に
適正なガス組成で発振を開始できるので、パルスエネル
ギーを所定値に保つのが容易である。
【0029】以上説明したように第1実施形態によれ
ば、レーザガスの一部を入れ替える部分ガス交換と、レ
ーザチャンバ2中にフッ素ガスを注入するフッ素注入と
を交互に行なっている。上述したように、レーザ光11
のパルスエネルギーが低下する要因としては、次の2つ
が考えられている。 1)レーザチャンバ2内に不純物が発生し、主放電26
を妨害する。 2)レーザチャンバ2内のフッ素が消耗し、フッ素濃度
が低下する。部分ガス交換とフッ素注入とを交互に行な
うことにより、これらの2つの要因を、それぞれ独立に
制御することが可能となっている。
【0030】例えば、フッ素注入を行なう前に必ず部分
ガス交換を行なうことにより、レーザチャンバ2内の不
純物量を略一定にした状態で、フッ素注入を行なってい
る。従って、レーザ光11のパルスエネルギーの変動
が、フッ素注入のみの影響によるものとなる。これは、
部分ガス交換の場合も同様である。即ち、パルスエネル
ギーを変動させる他の要因を排して制御を行なっている
ので、要因を個別に制御することが可能となり、要因ご
とのゲイン調整が容易となって、制御が発散せずに好適
に継続する。これにより、レーザチャンバ2内部のレー
ザガスが常に良好な状態に保たれるので、パワーロック
制御が好適に行なわれ、レーザ光11のパルスエネルギ
ーが安定する。
【0031】また、フッ素注入量IFを、前回フッ素注
入を行なってからの発振パルス数CFに基づいて決定し
ている。フッ素は、レーザ発振に伴って放電電極4,5
等と反応することによって主に消耗するので、発振パル
ス数CFが多いほど消耗量も多くなる。従って、発振パ
ルス数CFに基づいてフッ素注入量IFを決定すること
により、フッ素濃度を、より正確に適正値に近づけるこ
とができる。
【0032】また、フッ素注入量あたりの高電圧変化率
ΔVによって、フッ素注入量IFを補正している。フッ
素の消耗は、レーザ発振が行なわれていない場合に起こ
ることもあり、発振パルス数CFのみで消耗量を推定す
ると、注入量が過剰になったり過少になったりして、パ
ルスエネルギーが低下する場合がある。従って、フッ素
注入量あたりの高電圧変化率ΔVに基づいて注入量を決
定することで、より正確な制御が可能である。また、予
め求めたフッ素単位注入量I0が、レーザチャンバ2の
状態によって長期的に変動するため、このような変動を
補正するという効果もある。
【0033】このとき、パワーロック制御によってレー
ザ光11のパルスエネルギーが変動しないように高電圧
を制御しているので、高電圧の変動が、フッ素注入によ
るフッ素濃度の影響をストレートに示していることにな
る。従って、フッ素の注入量が適正であれば、高電圧変
化率ΔVは所定の範囲となる筈である。例えば、高電圧
変化率ΔVが、閾値V2以上の場合には、フッ素が過剰
であるとの判断ができ、次回のフッ素注入量を少なくす
る。また、高電圧変化率ΔVが閾値V1を下回った場合
には、フッ素が過少であるとの判断ができ、次回のフッ
素注入量を多くする。従って、必要なフッ素の注入量を
正確に知ることができ、レーザチャンバ内部のガス組成
を適正なものとすることができる。
【0034】また、レーザガスの交換量PVを、前回部
分ガス交換を行なってからの、単位時間あたりの発振パ
ルス数MGに基づいて決定している。レーザチャンバ2
内部の不純物は、温度が高くなるほど発生量が多くな
る。従って、単位時間あたりの発振パルス数MGが大き
いほど、レーザチャンバ2内部の温度は上昇している筈
であり、不純物が多いと推定できるので、交換量PVを
多くすることで不純物を適正に除去できる。このとき、
単位時間あたりの発振パルス数MGに基づいて交換量P
Vを決定するのではなく、レーザチャンバ2の温度に基
づいて決定してもよい。即ち、温度測定器25からの信
号に基づいて、前回部分ガス交換を行なって以来のレー
ザチャンバ2内部の温度変化を検出し、これが高いほど
交換量PVを大きくするのがよい。また、さらに正確な
温度測定を行なうためには、温度測定器25を、例えば
排気配管16に接続して、排気されるガスの温度を検出
してもよく、レーザチャンバ2内部に温度測定器25を
挿入し、ガスの温度を直接計測してもよい。さらには、
冷却水配管29の往復路に温度測定器25,25を取り
付けて、冷却水27A,27Bの温度差を検出すること
によって、レーザチャンバ2内部の温度を推定してもよ
い。
【0035】或いは、ガスの部分交換量PVを、常に一
定としてもよい。即ち、部分ガス交換を行なう場合に
は、必要量以上のレーザガスを部分交換しても、より多
くの不純物が除去されるのみであり、レーザチャンバ2
の内部のガス組成が変化することはない。従って、予め
所定の交換量PVを定めておき、常に交換量PVだけ部
分交換を行なうようにすれば、制御が簡略化される。こ
の一定の交換量PVは、図3に示したフローチャートに
おいて、前回の部分ガス交換工程から今回までに要した
時間によって定めればよい。この時間の間、レーザチャ
ンバ2内の温度がレーザ発振時の最高温度であったと仮
定すれば、不純物の発生量を概略推定することは可能で
あり、その推定に基づいて、交換量PVを定めることが
できる。
【0036】尚、上記のようなフッ素注入工程におい
て、レーザガスの温度やチラー28の出口温度が大きく
変動すると、放電電極4,5間に同じ値の高電圧を印加
しても、レーザ光11のパルスエネルギーが変動する。
その結果、レーザコントローラ31は、パルスエネルギ
ーを一定にすべく、パワーロック制御を行なって、高電
圧を大きく変動させる。ところが、ステップS12〜S
17に示すように、レーザコントローラ31はこの高電
圧に基づいて、フッ素注入工程におけるフッ素注入量I
Fを決定している。その結果、レーザコントローラ31
はパルスエネルギーの変動の原因が把握できず、例えば
パルスエネルギーが低い(=高電圧が高い)場合には、
フッ素ガスの消耗によるものだと解釈してしまう。その
結果、過剰なフッ素注入を行なって、レーザチャンバ2
内部のガス組成を不適切なものにしてしまい、制御を破
綻させてしまうことがある。
【0037】これを防ぐための手順の一例を、図5に示
す。図5において、S11〜S18の説明は、図3に示
したフローチャートと同様であり、省略する。S12で
高電圧VBを記憶した後に、例えばチラー28の入口温
度、出口温度、入口温度と出口温度の温度差、及びレー
ザチャンバ2の温度のうち、少なくとも1つを測定する
(ステップS31)。測定した温度を、温度パラメータ
と呼ぶ。S16で高電圧VAを記憶した後に、S31で
測定した温度パラメータを再度測定する(ステップS3
2)。そして、S31で測定した温度パラメータと、S
32で測定した温度パラメータとを比較し(ステップS
33)、この温度パラメータの変動が所定値以上であれ
ば、S17における、補正係数βFの算出をスキップす
るようにしている。
【0038】即ち、温度パラメータの変動が大きけれ
ば、フッ素注入とは無関係に高電圧VA,VBが変動す
るため、このような場合に高電圧VA,VBの変化に基
づいてフッ素注入量の補正を行なうと、制御が破綻する
ことがある。従って、このような場合にはフッ素の注入
量を前回と同じとすることにより、フッ素注入工程の制
御を破綻させないようにして、レーザチャンバ2内のフ
ッ素濃度を適正な範囲に保つことができる。
【0039】次に、第2実施形態を説明する。図2に示
すように、エキシマレーザ装置1の熱交換器3の内部を
流れる冷却水27は、チラー28によって冷却されてい
る。図6に、チラー28の出口温度の時間変化をグラフ
で示す。横軸は時間t、縦軸は出口温度K1である。図
6において出口温度K1は、例えば5〜10分の周期T
1で、目標温度から約3〜4度にわたって変動する。そ
して、この出口温度K1は、下がる際にはコンプレッサ
等によって冷却水27が冷却されるためにゆっくりと下
がるのに対し、上がる際にはコンプレッサが停止されて
主放電26の熱により、急激に上昇するという特性を有
している。
【0040】その結果、レーザガスの温度が上下するた
め、放電電極4,5間に同じ高電圧を印加しても、レー
ザ光11のパルスエネルギーが周期T1程度で小刻みに
変動することがある。その結果、レーザコントローラ3
1は、パルスエネルギーを一定にすべく、パワーロック
制御を行なって、高電圧を小刻みに変動させることにな
る。ところが、レーザコントローラ31は、この高電圧
に基づいて、フッ素注入工程におけるフッ素注入量IF
を決定している。その結果、レーザコントローラ31
は、高電圧の変動が、出口温度の変動によって起こった
ものということがわからず、例えば高電圧が高くなった
場合に、フッ素ガスの消耗によるものだと解釈してしま
う。その結果、過剰なフッ素注入を行なって、レーザチ
ャンバ2内部のガス組成を不適切なものにしてしまうと
いうように、フッ素注入工程の制御が破綻してしまうこ
とがある。
【0041】このような制御の破綻を防ぐために、第2
実施形態では、図3に示したフローチャートにおいて、
S12の高電圧VBを記憶する際とS16の高電圧VA
を記憶する際に、ローパスフィルタを通して高周波のノ
イズを除去している。例えば、高電圧VA,VBを取得
する際に、平均を取ることにより、ローパスフィルタを
かけるようにしてもよい。これにより、出口温度の変動
等による、レーザ光11のパルス出力の小刻みな変動を
キャンセルすることができる。その結果、レーザコント
ローラ31はレーザチャンバ2中のフッ素濃度を正確に
把握でき、フッ素注入工程が破綻するのを防いでフッ素
濃度を常に適正な範囲に保つことが可能となる。即ち、
レーザ光11のパルスエネルギーを常に略一定に保つこ
とができる。
【0042】このとき、図6に示した温度変化の周期T
1や変動幅は、例えばチラー28の能力によって定ま
る。そのため、エキシマレーザ装置1を設置した際に、
出口温度及び入口温度を検出して、使用するチラー28
ごとにパルスエネルギーの変動周期や変動幅を検出する
のがよい。そして、ローパスフィルタの定数を変更し、
どのような周波数以下のノイズを除去するかを定めるこ
とにより、より正確なノイズ除去が可能となる。そのた
めには、ローパスフィルタは、ソフトウェア的に施すの
がよい。これにより、フィルタの定数などを変更する場
合も、容易に変更が可能である。
【0043】また、ローパスフィルタは、非巡回型であ
るのが好適である。即ち、巡回型のフィルタを用いる
と、信号の周波数に対する位相のずれが起き、信号が歪
んで伝えられることがある。非巡回型のフィルタは、直
線位相特性を有しており、ノイズを確実に除去して、正
確な高電圧VA,VBを取得することが可能となる。そ
の結果、レーザチャンバ2内のフッ素濃度を正確に推定
可能であり、フッ素を常に適正な範囲に制御して、パル
スエネルギーを一定にすることができる。図7に、非巡
回型のローパスフィルタをソフトウェア的に用いた場合
の回路図の一例を示す。図7に示すように、ある所定時
間にわたって入力された入力x(n)に対して、入力があ
った時間ごとに異なるゲインbNをかけ、これらを加え
たものを出力y(n)として取り出している。尚、レーザ
光11のパルスエネルギーの変動は、出口温度の変動以
外の原因によることもあるが、このような場合にも、フ
ィルタによってノイズを除去することにより、安定なフ
ッ素注入工程の制御が可能となる。
【0044】図8に、ローパスフィルタをハードウェア
的に施す場合の一例を示す。図8に示すように、積分回
路を構成することによって、ローパスフィルタをかける
ことが可能である。
【0045】以上説明したように、第2実施形態によれ
ば、フッ素注入工程において、高電圧VA,VBを取得
する際に、ローパスフィルタによるフィルタリングを行
なっている。これにより、レーザコントローラ31がパ
ルスエネルギーの変動による高電圧VA,VBのノイズ
を拾うことがなく、フッ素注入工程の制御が良好に行な
われる。従って、レーザチャンバ2内のフッ素濃度が適
正に保たれ、レーザ光11のパルスエネルギーを一定と
するのが容易となる。
【0046】尚、ローパスフィルタに限らず、バンドパ
スフィルタをかけるようにすると、なおよい。図9に、
レーザチャンバ2の温度の時間変化をグラフで示す。横
軸が時間経過、縦軸が温度K2である。図9に示すよう
に、レーザチャンバ2の温度K2は、チラー28の出口
温度の変動周期T1に比較して、非常にゆっくりとした
時間T2をかけて上昇する。このようなレーザチャンバ
2の温度変化によっても、レーザ光11のパルスエネル
ギーはフッ素濃度と無関係に変動するため、レーザコン
トローラ31はパワーロック制御により、高電圧を変動
させている。従って、このような周期のゆっくりした外
乱要因を除去するために、高周波側に加えて低周波側に
もフィルタをかけ、高電圧の変動を除去すると、なおよ
い。
【0047】また、このようにフィルタを入れてフッ素
注入工程を行なっても、前記温度パラメータが大きく変
動する場合には、フッ素注入工程が正確に行なわれない
場合がある。そのような場合には、図5に示したよう
に、温度パラメータの変動が所定値以上であれば、S1
7における補正係数βFの算出をスキップするとよい。
【0048】尚、図3に示したフローチャートにおい
て、全ガス交換の後、最初にまず部分ガス交換を行なう
ように説明したが、これに限られるものではなく、最初
にまずフッ素注入を行なうようにしてもよい。また、部
分ガス交換工程において、一度に所定量の交換量PVだ
け排気し、交換量V0と同量のレーザガスを注入してい
るが、これに限られるものではない。即ち、排気と注入
とを小刻みに繰り返し、結果的に交換量PVだけのレー
ザガスを部分交換してもよい。これにより、レーザチャ
ンバ2の圧力変動が小さくなり、レーザ光11のパルス
エネルギーの変動が小さくなって安定する。
【0049】また、フッ素ガスボンベ20の中身が、例
えばフッ素のみをネオンで希釈したものであり、希ガス
ボンベ21の中身が、クリプトンをネオンで希釈したも
のであってもよい。また、各実施形態ではKrFエキシ
マレーザ装置1について説明したが、これに限られるも
のではなく、ArFエキシマレーザ装置など他のエキシ
マレーザ装置全般について有効である。さらには、波長
を狭帯域化されたエキシマレーザ装置に対しても有効で
ある。
【0050】また本発明は、レーザガスがフッ素及びバ
ッファガスを所定の組成比で含んでいるフッ素分子レー
ザ装置に対しても有効である。この場合には、希ガスを
バッファガスで希釈した希ガスボンベ21の代わりに、
バッファガスのみを封入したバッファガスボンベを用い
る。これにより、上記各実施形態と同様の手順で、ハロ
ゲンガス注入工程及び部分ガス交換工程を交互に行なう
ことにより、同様の効果が得られる。即ち、本発明は、
レーザチャンバ2内部でのフッ素の消耗と不純物の増大
とを別々に制御しようというものであり、レーザガスに
フッ素を含むガスレーザ装置であれば有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成
図。
【図2】第1実施形態に係るエキシマレーザ装置の断面
構成図。
【図3】第1実施形態に係るガス制御の手順を示すフロ
ーチャート。
【図4】補正係数の算出手順を示すフローチャート。
【図5】フッ素注入工程の他の実施例を示すフローチャ
ート。
【図6】第2実施形態に係る出口温度示すグラフ。
【図7】ソフトウェア的に非巡回型のローパスフィルタ
を用いる場合の回路図。
【図8】ローパスフィルタのハードウェア回路図。
【図9】レーザチャンバの温度変化を示すグラフ。
【図10】従来技術に係るエキシマレーザ装置の基本構
成図。
【符号の説明】
1:エキシマレーザ装置、2:レーザチャンバ、3:熱
交換器、4:放電電極、5:放電電極、6:フロントミ
ラー、7:フロントウィンドウ、8:全反射ミラー、
9:リアウィンドウ、11:レーザ光、12:ビームス
プリッタ、13:高圧電源、14:貫流ファン、15:
パワー検出器、16:排気配管、17:注入配管、1
8:排気バルブ、19:ポンプ、20:フッ素ガスボン
ベ、21:希ガスボンベ、22:フッ素ガスバルブ、2
3:希ガスバルブ、24:圧力測定器、25:温度測定
器、26:主放電、27:冷却水、28:チラー、2
9:冷却水配管、30:シャッタ、31:レーザコント
ローラ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月9日(2001.1.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲンガスを含むレーザガスを封入し
    たレーザチャンバ(2)と、 レーザチャンバ(2)内部に配置され、主放電(26)を起こ
    してレーザガスを励起する放電電極(4,5)とを備え、 レーザ光(11)のパルスエネルギーが略一定となるように
    放電電極(4,5)間に印加する高電圧を制御したガスレー
    ザ装置(1)の、 レーザチャンバ(2)内部のレーザガスを所定の組成比に
    保つように制御するガス制御方法において、 レーザチャンバ(2)中にハロゲンガスを所定量注入する
    ハロゲンガス注入工程と、 レーザチャンバ(2)中のレーザガスを所定量交換する部
    分ガス交換工程とを交互に行なうことにより、 レーザチャンバ(2)内部のレーザガスを所定の組成比に
    保つように制御することを特徴とするガス制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガス制御方法において、 ハロゲンガスの注入の前後における高電圧を読み取り、 次回のハロゲンガスの注入量(IF)を、ハロゲンガスの注
    入量あたりの高電圧の変化率(ΔV)に基づいて決定する
    ことを特徴とするガス制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のガス制御方法において、 ハロゲンガスの注入の前後における所定の温度パラメー
    タを読み取り、 温度パラメータの変化量が所定値を越えた場合には、前
    記ハロゲンガスの注入量(IF)を前回の注入時の注入量と
    同一にすることを特徴とするガス制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のガス制
    御方法において、 高電圧の読み取り時に、少なくとも高周波側のノイズを
    カットするフィルタを通して読み取ることを特徴とする
    ガス制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のガス制御方法において、 前記フィルタが非巡回型のフィルタであることを特徴と
    するガス制御方法。
  6. 【請求項6】 ハロゲンガスを含むレーザガスを封入し
    たレーザチャンバ(2)と、 レーザチャンバ(2)内部に配置され、主放電(26)を起こ
    してレーザガスを励起する放電電極(4,5)とを備えたガ
    スレーザ装置(1)の、 レーザ光(11)のパルスエネルギーが略一定となるように
    放電電極(4,5)間に印加する高電圧を制御するエネルギ
    ー制御部と、 レーザチャンバ(2)内部のレーザガスを所定の組成比に
    保つように制御するガス制御部とを備えたレーザコント
    ローラにおいて、 前記ガス制御部が、レーザチャンバ(2)中にハロゲンガ
    スを所定量注入するハロゲンガス注入工程と、 レーザチャンバ(2)中のレーザガスを所定量交換する部
    分ガス交換工程とを交互に行なうようにしたことを特徴
    とするレーザコントローラ。
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