JP4371588B2 - ガス制御方法及びレーザコントローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスレーザ装置に関し、特にはそのレーザ媒質であるレーザガスの組成を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスレーザ装置の一例として、エキシマレーザ装置の基本的な構成を、図10に示す。
図10において、エキシマレーザ装置1は、フッ素を含むレーザガスが所定の圧力比で密封されたレーザチャンバ2を備えている。レーザチャンバ2の内部には、一対の放電電極4,5が対向して配設されている。放電電極4,5間に、高圧電源13から高電圧を印加することにより、パルス状の主放電26を起こしてレーザ光11をパルス発振させる。レーザ光11は、ウィンドウ7,9を透過し、全反射ミラー8と部分反射ミラー6との間で往復する間に主放電26によって増幅され、一部が部分反射ミラー6から出射する。
高圧電源13は、放電電極4,5間に印加する高電圧を変化させることにより、レーザ発振に伴って低下するレーザ光11のパルスエネルギーを略一定に保っている。これを、パワーロック制御と言う。
【0003】
このようなエキシマレーザ装置1において、レーザチャンバ2内のレーザガスの状態を制御して、レーザ光の出力低下を防止する技術が知られている。
例えば特開平11−284251号公報(以下、これを第1従来技術と呼ぶ)によれば、レーザ光11が発振したパルス数に基づく所定のタイミングで、レーザガスをレーザチャンバ2内に注入している。これにより、パワーロック制御された高電圧が低下する。そして、高電圧が所定の下限値になると、レーザガスの注入を止め、レーザガスをレーザチャンバ2の外部に排気している。このようなガス制御を、部分ガス交換制御と言う。
【0004】
また、特開平11−274610号公報(以下、これを第2従来技術と呼ぶ)によれば、高電圧が、主放電26が安定に行なわれる上限に達した時点で、フッ素等のハロゲンガスをレーザチャンバ2内に注入し、パルスエネルギーを増大させている。
このようなガス制御を、フッ素注入工程と言う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
第1従来技術において、レーザガスの一部を交換しているのは、レーザ発振に伴ってレーザチャンバ2内部に不純物が発生するためである。この不純物によって、主放電26が妨げられるため、新鮮なレーザガスを注入/排気することによって不純物を外部に排出し、パルスエネルギーの低下を防止している。
一方、第2従来技術において、フッ素を注入しているのは、レーザ発振によってフッ素が放電電極4,5等と反応し、消耗するためである。このフッ素を補うことにより、レーザチャンバ2中のフッ素ガスの濃度を適正範囲に保ち、パルスエネルギーの低下を防止している。
このように、レーザ光11のパルスエネルギーの低下には、フッ素の消耗による濃度の低下と、不純物の発生との2つの要因がある。ところが、上記各従来技術ではそのいずれか一方のみを解消しようとしているに過ぎず、パルスエネルギーの低下を完全に防止することが困難である。
【0006】
また、第1従来技術と第2従来技術とを混合させ、例えば高電圧が所定の電圧になるまでフッ素注入工程を行ない、高電圧が所定の電圧以上になれば部分ガス交換工程を行なうといった技術も知られている。
ところが、このときレーザチャンバ2内のフッ素濃度を適正な範囲にするためには、レーザチャンバ2内部のフッ素濃度を正確に検出し、フッ素の注入量を決定する必要がある。ところが、フッ素濃度を正確に検出することは困難であるため、例えばレーザ光11のパルスエネルギーに基づいて、フッ素の注入量を決定している。実際には、パルスエネルギーを一定にするためのパワーロック制御を行なっているので、そのときに放電電極4,5間に印加される高電圧に基づいて、フッ素の注入量を決定する。
【0007】
ところが、レーザ光11のパルスエネルギーは、レーザチャンバ2内部のフッ素濃度ばかりでなく、不純物の量によっても変動する。そのため、例えば不純物が増大してパルスエネルギーが低くなっているにも拘らず、フッ素濃度が低いと解釈してフッ素を注入し続けることがある。その結果、レーザチャンバ2内部のフッ素濃度が適正範囲より高くなってしまい、フッ素注入工程の制御が発散する。
このように、従来技術によれば、フッ素の消耗及び不純物の増大という、パルスエネルギーの複数の低下要因を分離せずにガス制御を行なっている。そのため、不純物発生量の変動や、フッ素ガス消耗量の変動といった外乱に対してガス制御が不安定であるという問題がある。その結果、ガス制御がうまくいかなくなり、レーザチャンバ2中のレーザガスの組成が、不適正なものになってしまうといった問題がある。
【0008】
また、第2従来技術によれば、高電圧の変化に基づいてフッ素濃度を推定し、フッ素の注入量を決定している。しかしながら、印加される高電圧に対してその変化率は非常に微少なものであり、例えばレーザガスの温度などの外乱の影響を受けて、正確なフッ素濃度の推定が困難という問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、レーザガスの組成を適正に保ち、良好なレーザ発振を可能とするガスレーザ装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明の1つの観点に係るガス制御方法は、ハロゲンガスを含むレーザガスを封入したレーザチャンバと、レーザチャンバ内部に配置され、放電を起こしてレーザガスを励起する放電電極とを備え、レーザ光のパルスエネルギーが略一定となるように放電電極間に印加する高電圧を制御したガスレーザ装置の、レーザチャンバ内部のレーザガスを所定の組成比に保つように制御するガス制御方法において、ハロゲンガスの注入の前後における前記高電圧を読み取り、ハロゲンガスの注入量あたりの前記高電圧の変化率に基づいて、次回のハロゲンガスの注入量を決定し、レーザチャンバ中にハロゲンガスを所定量注入するハロゲンガス注入工程と、レーザチャンバ中のレーザガスを所定量交換する部分ガス交換工程とを交互に行なうことにより、レーザチャンバ内部のレーザガスを所定の組成比に保つように制御している。
また、本発明の1つの観点に係るレーザコントローラは、ハロゲンガスを含むレーザガスを封入したレーザチャンバと、レーザチャンバ内部に配置され、主放電を起こしてレーザガスを励起する放電電極とを備えたガスレーザ装置の、レーザ光のパルスエネルギーが略一定となるように放電電極間に印加する高電圧を制御するエネルギー制御部と、レーザチャンバ内部のレーザガスを所定の組成比に保つように制御するガス制御部とを備えたレーザコントローラにおいて、前記ガス制御部が、ハロゲンガスの注入の前後におけるハロゲンガスの注入量あたりの前記高電圧の変化率に基づいて、次回のハロゲンガスの注入量を決定し、レーザチャンバ中にハロゲンガスを所定量注入するハロゲンガス注入工程と、レーザチャンバ中のレーザガスを所定量交換する部分ガス交換工程とを交互に行なうようにしたことを特徴とする。
【0011】
かかる発明によれば、ハロゲンガスを注入する際には、その前の部分ガス交換工程によってレーザチャンバ内の不純物が除去されて所定量以下となっている。従って、ハロゲンガス注入工程を、不純物の量とは独立に制御することができる。そのため、ハロゲンガスの注入量を設定する際に、他の外乱の影響を受けにくくなるので、ハロゲンガスの濃度を正確に推定して、適正な量のハロゲンガスを注入することが可能である。
また、部分ガス交換を行なう際には、その前のハロゲンガス注入工程によってレーザチャンバ内のハロゲンガスの濃度がほぼ一定となっており、部分ガス交換工程を、フッ素の消耗量と独立に制御することができる。これにより、レーザガスの交換量を設定する際に、他の外乱の影響を受けにくくなるので、適正な量のレーザガスを交換することが可能である。
【0012】
また、本発明によれば、ハロゲンガスの注入の前後における高電圧を読み取り、ハロゲンガスの注入量あたりの高電圧の変化率に基づいて、次回のハロゲンガスの注入量を決定する。即ち、ハロゲンガス注入工程の前に行なった部分ガス交換工程において、レーザチャンバ中の不純物の量は所定量以下となっている。従って、高電圧の変化要因は、専らハロゲンガスの濃度によるものであるので、フッ素の注入量あたりの高電圧の変化量をモニタリングすることにより、ハロゲンガスが過剰であるか過少であるかを正確に推定できる。これにより、ハロゲンガスの注入量を適正に定めて、ハロゲンガスを適正な範囲内とすることが可能である。
【0013】
また、本発明によれば、
ハロゲンガスの注入の前後における所定の温度パラメータを読み取り、
温度パラメータの変化量が所定値を越えた場合には、前記ハロゲンガスの注入量を前回の注入時の注入量と同一にしてもよい。
即ち、温度パラメータの変化量が所定値を越える場合には、レーザチャンバ内部のハロゲンガスの濃度や不純物の量とは関係なく、レーザ光のパルスエネルギーが変動する。従って、このような温度パラメータの変動が激しい場合には、ハロゲンガスの注入量を変化させないことにより、ハロゲンガスの濃度の推測が外乱の影響によって乱れることがなく、ハロゲンガス注入工程の制御を破綻させることなく継続できる。
【0014】
また、本発明によれば、
高電圧の読み取り時に、少なくとも高周波側のノイズをカットするフィルタを通して読み取るようにしてもよい。
即ち高電圧は、ガスレーザ装置を冷却するための冷却水の温度変化など、さまざまな外部要因によって小刻みに変動する。従って、高周波側のノイズをカットするフィルタを入れることにより、このような外部要因によってガス制御が破綻するのを防止することが可能である。
【0015】
また、本発明によれば、
前記フィルタが非巡回型のフィルタであってもよい。
即ち、非巡回型のフィルタは、直線位相特性を有しており、ノイズを確実に除去して、正確な高電圧を取得することが可能となる。その結果、レーザチャンバ内のフッ素濃度を正確に推定可能であり、フッ素を常に適正な範囲に制御して、パルスエネルギーを一定にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
まず、第1実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係るガスレーザ装置の一例としてのエキシマレーザ装置1の構成図、図2はその概略断面図を示している。図1、図2において、エキシマレーザ装置1は、例えばハロゲンガスであるフッ素(F2)、希ガスであるクリプトン(Kr)、及びバッファガスであるネオン(Ne)を含むレーザガスが、所定の圧力比で密封されたレーザチャンバ2を備えている。尚、以下の説明でレーザガスという場合には、ハロゲンガス、希ガス、及びバッファガスをすべて含んだガスを言う。
レーザチャンバ2の内部には、例えば銅、真鍮、ニッケル等の金属製のアノード4及びカソード5からなる一対の放電電極4,5が、対向して配設されている。この放電電極4,5間に、高圧電源13から高電圧を印加することにより、パルス状の主放電26を起こしてレーザ光11をパルス発振させる。高圧電源13は、電気的に接続されたレーザコントローラ31の高圧指示信号によって、放電電極4,5間に印加する高電圧を決定する。
尚、レーザコントローラ31は、図示はしないが、レーザガスの制御を行なうガス制御部と、パワーロック制御を行なうエネルギー制御部とを、その内部に備えている。
【0017】
また、レーザチャンバ2の内部には、レーザガスをレーザチャンバ2内部で循環させて放電電極4,5間に送り込む貫流ファン14と、放電によって熱を与えられたレーザガスを冷却するための熱交換器3とが、それぞれ所定位置に設置されている。レーザガスのガス流は、図2において矢印36方向に流れている。
熱交換器3には、冷却水配管29を介してチラー28が接続されており、熱交換器3内部を流れる冷却水27を冷却して、レーザチャンバ2内で発生した熱を外部へ放出する。
チラー28から出る出口配管29Aを流れる冷却水27Aの温度をチラー28の出口温度、チラー28に返ってくる入口配管29Bを流れる冷却水27Bの温度をチラー28の入口温度と呼ぶ。
【0018】
レーザチャンバ2の前後部には、レーザ光11を透過するフロントウィンドウ7及びリアウィンドウ9がそれぞれ固定されている。リアウィンドウ9の後方(図1中左方)には、レーザ光11を全反射する全反射ミラー8が、またフロントウィンドウ7の前方には、レーザ光11を部分反射する部分反射ミラー6が、それぞれ配置されている。レーザチャンバ2内で主放電26によって発振したレーザ光11は、ミラー6,8間で往復する間に増幅され、一部が部分反射ミラー6から出射する。
部分反射ミラー6の前方には、レーザ光11の一部をサンプリングするビームスプリッタ12が配置されている。レーザ光11の大部分はビームスプリッタ12を透過して出力され、残りがビームスプリッタ12で図1中下方に反射されてパワー検出器15に入射する。パワー検出器15は、パルスエネルギーに応じた電気信号をレーザコントローラ31に出力する。レーザコントローラ31は、この電気信号に基づいて、レーザ光11のパルスエネルギーとパルス発振した発振パルス数Cとを検出する。
ビームスプリッタ12の前方には、電気的に接続されたレーザコントローラ31の指示信号に基づいて開閉し、レーザ光を遮蔽自在のシャッタ30が配置されている。
【0019】
また、レーザチャンバ2には、レーザガスを外部へ排気する排気配管16と、レーザガスを内部に注入する注入配管17とが接続されている。排気配管16には、排気バルブ18とポンプ19とが接続されており、排気バルブ18はレーザコントローラ31からの指示信号に基づいて開閉動作する。
注入配管17には、フッ素及びクリプトンの混合ガスをネオンで希釈したフッ素ガスボンベ20と、クリプトンをネオンで希釈した希ガスボンベ21とが接続されている。フッ素ガスボンベ20及び希ガスボンベ21は、レーザコントローラ31からの指示信号によって開閉動作するフッ素ガスバルブ22及び希ガスバルブ23の開閉によって、レーザチャンバ2内部に注入される。
【0020】
また、レーザチャンバ2には、内部のガス圧力を測定する圧力測定器24が接続されており、ガス圧力に応じた電気信号を電気的に接続されたレーザコントローラ31に出力する。レーザコントローラ31は、この電気信号に基づいて、レーザチャンバ2内部のガス圧力を検出自在となっている。
さらに、レーザチャンバ2の外壁には、温度測定器25が付設されており、外壁の温度に応じた電気信号を、電気的に接続されたレーザコントローラ31に出力する。レーザコントローラ31は、この電気信号に基づいて、レーザチャンバ2内部の温度を検出自在となっている。
【0021】
このようなエキシマレーザ装置1を、例えばステッパ等の露光機の光源として用いる場合には、パルス発振する各パルスごとのパルスエネルギーが略一定であることが要求される。レーザコントローラ31は、常にパワー検出器15からパルスエネルギーを検出し、これが一定となるように放電電極4,5間に印加すべき高電圧を算出して、高圧電源13に高圧指示信号を出力している。
これを、パワーロック制御と言う。
【0022】
このとき、レーザ発振によって、レーザチャンバ2中のフッ素ガスが主に放電電極4,5と反応し、フッ素ガスの分子量が低減していくことが知られている。これを、フッ素ガスの消耗と呼び、この消耗によってレーザ発振の効率が低下してパルスエネルギーが低下することが知られている。
また、例えばレーザチャンバ2内に用いられている図示しないOリング等の部品からは、CF4、HF等の不純物が発生する。このような不純物によって主放電26が妨げられ、やはりパルスエネルギーが低下することが知られている。
このようなパルスエネルギーの低下を防止するため、レーザコントローラ31は、フッ素を注入してフッ素ガスの消耗を補うフッ素注入工程と、レーザガスの一部を交換して不純物を除去する部分ガス交換工程とを交互に行なっている。このようなガス制御により、レーザチャンバ2内のレーザガスの成分が、レーザ発振に適正であるようにしている。
【0023】
以下に、ガス制御について詳細に説明する。
図3は、第1実施形態に係るガス制御の方法を示すフローチャートである。図3において、まずレーザコントローラ31は、排気バルブ18を開作動させてレーザチャンバ2の内部を排気した後、排気バルブ18を閉作動させる。そして、フッ素ガスバルブ22及び希ガスバルブ23を開作動させ、レーザ発振に最適なガス組成(以下、最適組成と言う)となるように、レーザチャンバ2の内部にレーザガスを注入する。これらの処理を、全ガス交換と言う(ステップS1)。
次に、レーザコントローラ31は、部分ガス交換を行なうか、それともフッ素注入を行なうかを決定するためのフラグFを0にリセットする。同時に、前回部分ガス交換を行なってからの発振パルス数をカウントするガスカウンタCGと、前回フッ素注入を行なってからの発振パルス数をカウントするフッ素カウンタCFとを、0にリセットする(ステップS2)。
そして、予め実験的に求めた発振パルス数Cとフッ素消費量との関係に基づいて、1パルス当たりのフッ素単位注入量I0を設定する。さらに、予め実験的に求めたパルス数と不純物発生量との関係に基づいて、1パルス当たりのガス単位交換量P0を設定し、レーザ発振を開始する(ステップS3)。フッ素単位注入量I0及びガス単位交換量P0は、例えば圧力で表される。
【0024】
エキシマレーザ装置1がレーザ発振を開始すると、以後、レーザコントローラ31は、パワー検出器15からの電気信号に基づき、レーザ光11の発振パルス数Cを常にカウントし続ける。また、レーザコントローラ31は、常にレーザ発振開始後の経過時間を測定している。
レーザコントローラ31は、所定時間経過後(ステップS4)、フラグFの値を判定し(ステップS5)、フラグFが0の場合には、部分ガス交換工程に入ってフラグFを1とする(ステップS6)。
部分ガス交換工程においては、まずレーザガスの交換量PVを算出する(ステップS7)。交換量PVの算出は、次の数式1に基づいて行なわれる。
PV=MG×P0…………(1)
数式1において、MGは前回部分ガス交換を行なってからの発振パルス数CG(初めての部分ガス交換の場合は、全ガス交換後の発振パルス数)を、前回部分ガス交換を行なってからの経過時間で割った、単位時間あたりの発振パルス数、P0は前記ガス単位交換量である。
【0025】
次に、S7で定めた交換量PVだけレーザガスを排気する。(ステップS8)。そして、フッ素ガスバルブ及び希ガスバルブを開いて、レーザガスを交換量PVだけレーザチャンバ2内に注入する(ステップS9)。このとき、注入するレーザガスの成分比は、S1でレーザチャンバ2に注入したレーザガスの最適組成と略同一となるようにするのがよい。そして、ガスカウンタCGを0にリセットし(ステップS10)、部分ガス交換工程を終えてステップS4に戻る。
この部分ガス交換工程により、レーザチャンバ2内のレーザガスの一部が新鮮なものに交換され、レーザチャンバ2内部に発生した不純物の一部が除去される。
【0026】
また、S5でフラグFが1の場合には、フッ素注入工程に入り、まずフラグFを0にリセットする(ステップS11)。そして、その時点での高電圧VBを記憶し(ステップS12)、注入すべきフッ素注入量IFを算出する(ステップS13)。
フッ素注入量IFの算出は、次の数式2に基づいて行なわれる。
IF=CF×I0×βF…………(2)
数式2において、CFは前回フッ素注入を行なってからの発振パルス数(はじめてのフッ素注入の場合には、全ガス交換後の発振パルス数)、I0は前記フッ素単位注入量、βFは予め定めた補正係数である。
これに基づき、フッ素注入量IFだけのフッ素を注入する(ステップS14)。フッ素の注入には、例えば数分から数十分かかることがある。この間、レーザコントローラ31は、パワーロック制御によって、パルスエネルギーが一定になるように高電圧を制御している。
レーザコントローラ31は、フッ素注入終了後の高電圧VAを記憶する(ステップS16)。そして、フッ素注入前の高電圧VBと、フッ素注入後の高電圧VAとに基づき、後述する手順に基づいて、次回のフッ素注入時のための補正係数βFを補正する(ステップS17)。そして、フッ素カウンタCFを0にリセットし(ステップS18)、S4に戻る。
【0027】
図4に、ステップS17における、補正係数βFを補正するための手順のフローチャートを示す。
まず次の数式3に基づいて、フッ素の注入量IFあたりの、フッ素注入前後の高電圧変化率ΔVを算出する(ステップS21)。
ΔV=(VA−VB)/IF…………(3)
そして、算出された高電圧変化率ΔVを、閾値ΔV1,ΔV2(ΔV1<ΔV2)と比較し(ステップS22)、ΔV≧ΔV2の場合には、補正係数βFを0.95倍する(ステップS23)。また、ステップS22でΔV<ΔV1の場合には、補正係数βFを1.05倍する(ステップS24)。そして、ΔV1<ΔV≦ΔV2の場合には、補正係数βFは不変とする。
このように、高電圧変化率ΔVが大きければ、フッ素注入量IFが大き過ぎたと判定して補正係数βFを小さくし、高電圧変化率ΔVが小さければ、フッ素注入量IFが小さ過ぎたと判定して補正係数βFを大きくしている。尚、S23,S24における0.95倍及び1.05倍は一例であり、これに限られるものではない。
【0028】
ここで、図3に示したフローチャートにおいて、S14でフッ素注入を行なう前後にレーザ発振が行なわれないような場合には、高電圧VA,VBが求められないために、補正係数βFを算出することができない。これは例えば、エキシマレーザ装置1を、ステッパ等の露光機の光源として用いた際に、露光機から発振を停止するように指令が来たような場合に起こる。
ところが、レーザ発振が行なわれない場合でも、フッ素はレーザチャンバ2内の部品等と反応して消耗し、フッ素濃度が低下する。従って、フッ素濃度が低下しないように、フッ素を注入する必要がある。
このような場合には、ビームスプリッタ12の前方に配置されたシャッタ30を閉じてレーザ光11をエキシマレーザ装置1の外部に出さないようにして、所定パルス数だけレーザ発振を行なう。そしてフッ素注入工程に入り、S11〜S18に示したような手順に従って、レーザチャンバ2内部のフッ素濃度を推定し、フッ素を注入する。
これにより、レーザ発振が行なわれないような場合でも、フッ素を所定濃度に保つことが可能であり、レーザ発振を再開する際に適正なガス組成で発振を開始できるので、パルスエネルギーを所定値に保つのが容易である。
【0029】
以上説明したように第1実施形態によれば、レーザガスの一部を入れ替える部分ガス交換と、レーザチャンバ2中にフッ素ガスを注入するフッ素注入とを交互に行なっている。
上述したように、レーザ光11のパルスエネルギーが低下する要因としては、次の2つが考えられている。
1)レーザチャンバ2内に不純物が発生し、主放電26を妨害する。
2)レーザチャンバ2内のフッ素が消耗し、フッ素濃度が低下する。
部分ガス交換とフッ素注入とを交互に行なうことにより、これらの2つの要因を、それぞれ独立に制御することが可能となっている。
【0030】
例えば、フッ素注入を行なう前に必ず部分ガス交換を行なうことにより、レーザチャンバ2内の不純物量を略一定にした状態で、フッ素注入を行なっている。従って、レーザ光11のパルスエネルギーの変動が、フッ素注入のみの影響によるものとなる。これは、部分ガス交換の場合も同様である。即ち、パルスエネルギーを変動させる他の要因を排して制御を行なっているので、要因を個別に制御することが可能となり、要因ごとのゲイン調整が容易となって、制御が発散せずに好適に継続する。
これにより、レーザチャンバ2内部のレーザガスが常に良好な状態に保たれるので、パワーロック制御が好適に行なわれ、レーザ光11のパルスエネルギーが安定する。
【0031】
また、フッ素注入量IFを、前回フッ素注入を行なってからの発振パルス数CFに基づいて決定している。フッ素は、レーザ発振に伴って放電電極4,5等と反応することによって主に消耗するので、発振パルス数CFが多いほど消耗量も多くなる。従って、発振パルス数CFに基づいてフッ素注入量IFを決定することにより、フッ素濃度を、より正確に適正値に近づけることができる。
【0032】
また、フッ素注入量あたりの高電圧変化率ΔVによって、フッ素注入量IFを補正している。
フッ素の消耗は、レーザ発振が行なわれていない場合に起こることもあり、発振パルス数CFのみで消耗量を推定すると、注入量が過剰になったり過少になったりして、パルスエネルギーが低下する場合がある。従って、フッ素注入量あたりの高電圧変化率ΔVに基づいて注入量を決定することで、より正確な制御が可能である。
また、予め求めたフッ素単位注入量I0が、レーザチャンバ2の状態によって長期的に変動するため、このような変動を補正するという効果もある。
【0033】
このとき、パワーロック制御によってレーザ光11のパルスエネルギーが変動しないように高電圧を制御しているので、高電圧の変動が、フッ素注入によるフッ素濃度の影響をストレートに示していることになる。従って、フッ素の注入量が適正であれば、高電圧変化率ΔVは所定の範囲となる筈である。
例えば、高電圧変化率ΔVが、閾値V2以上の場合には、フッ素が過剰であるとの判断ができ、次回のフッ素注入量を少なくする。また、高電圧変化率ΔVが閾値V1を下回った場合には、フッ素が過少であるとの判断ができ、次回のフッ素注入量を多くする。従って、必要なフッ素の注入量を正確に知ることができ、レーザチャンバ内部のガス組成を適正なものとすることができる。
【0034】
また、レーザガスの交換量PVを、前回部分ガス交換を行なってからの、単位時間あたりの発振パルス数MGに基づいて決定している。レーザチャンバ2内部の不純物は、温度が高くなるほど発生量が多くなる。従って、単位時間あたりの発振パルス数MGが大きいほど、レーザチャンバ2内部の温度は上昇している筈であり、不純物が多いと推定できるので、交換量PVを多くすることで不純物を適正に除去できる。
このとき、単位時間あたりの発振パルス数MGに基づいて交換量PVを決定するのではなく、レーザチャンバ2の温度に基づいて決定してもよい。即ち、温度測定器25からの信号に基づいて、前回部分ガス交換を行なって以来のレーザチャンバ2内部の温度変化を検出し、これが高いほど交換量PVを大きくするのがよい。また、さらに正確な温度測定を行なうためには、温度測定器25を、例えば排気配管16に接続して、排気されるガスの温度を検出してもよく、レーザチャンバ2内部に温度測定器25を挿入し、ガスの温度を直接計測してもよい。さらには、冷却水配管29の往復路に温度測定器25,25を取り付けて、冷却水27A,27Bの温度差を検出することによって、レーザチャンバ2内部の温度を推定してもよい。
【0035】
或いは、ガスの部分交換量PVを、常に一定としてもよい。
即ち、部分ガス交換を行なう場合には、必要量以上のレーザガスを部分交換しても、より多くの不純物が除去されるのみであり、レーザチャンバ2の内部のガス組成が変化することはない。従って、予め所定の交換量PVを定めておき、常に交換量PVだけ部分交換を行なうようにすれば、制御が簡略化される。
この一定の交換量PVは、図3に示したフローチャートにおいて、前回の部分ガス交換工程から今回までに要した時間によって定めればよい。この時間の間、レーザチャンバ2内の温度がレーザ発振時の最高温度であったと仮定すれば、不純物の発生量を概略推定することは可能であり、その推定に基づいて、交換量PVを定めることができる。
【0036】
尚、上記のようなフッ素注入工程において、レーザガスの温度やチラー28の出口温度が大きく変動すると、放電電極4,5間に同じ値の高電圧を印加しても、レーザ光11のパルスエネルギーが変動する。その結果、レーザコントローラ31は、パルスエネルギーを一定にすべく、パワーロック制御を行なって、高電圧を大きく変動させる。
ところが、ステップS12〜S17に示すように、レーザコントローラ31はこの高電圧に基づいて、フッ素注入工程におけるフッ素注入量IFを決定している。その結果、レーザコントローラ31はパルスエネルギーの変動の原因が把握できず、例えばパルスエネルギーが低い(=高電圧が高い)場合には、フッ素ガスの消耗によるものだと解釈してしまう。その結果、過剰なフッ素注入を行なって、レーザチャンバ2内部のガス組成を不適切なものにしてしまい、制御を破綻させてしまうことがある。
【0037】
これを防ぐための手順の一例を、図5に示す。図5において、S11〜S18の説明は、図3に示したフローチャートと同様であり、省略する。S12で高電圧VBを記憶した後に、例えばチラー28の入口温度、出口温度、入口温度と出口温度の温度差、及びレーザチャンバ2の温度のうち、少なくとも1つを測定する(ステップS31)。測定した温度を、温度パラメータと呼ぶ。
S16で高電圧VAを記憶した後に、S31で測定した温度パラメータを再度測定する(ステップS32)。そして、S31で測定した温度パラメータと、S32で測定した温度パラメータとを比較し(ステップS33)、この温度パラメータの変動が所定値以上であれば、S17における、補正係数βFの算出をスキップするようにしている。
【0038】
即ち、温度パラメータの変動が大きければ、フッ素注入とは無関係に高電圧VA,VBが変動するため、このような場合に高電圧VA,VBの変化に基づいてフッ素注入量の補正を行なうと、制御が破綻することがある。従って、このような場合にはフッ素の注入量を前回と同じとすることにより、フッ素注入工程の制御を破綻させないようにして、レーザチャンバ2内のフッ素濃度を適正な範囲に保つことができる。
【0039】
次に、第2実施形態を説明する。
図2に示すように、エキシマレーザ装置1の熱交換器3の内部を流れる冷却水27は、チラー28によって冷却されている。図6に、チラー28の出口温度の時間変化をグラフで示す。横軸は時間t、縦軸は出口温度K1である。図6において出口温度K1は、例えば5〜10分の周期T1で、目標温度から約3〜4度にわたって変動する。そして、この出口温度K1は、下がる際にはコンプレッサ等によって冷却水27が冷却されるためにゆっくりと下がるのに対し、上がる際にはコンプレッサが停止されて主放電26の熱により、急激に上昇するという特性を有している。
【0040】
その結果、レーザガスの温度が上下するため、放電電極4,5間に同じ高電圧を印加しても、レーザ光11のパルスエネルギーが周期T1程度で小刻みに変動することがある。その結果、レーザコントローラ31は、パルスエネルギーを一定にすべく、パワーロック制御を行なって、高電圧を小刻みに変動させることになる。
ところが、レーザコントローラ31は、この高電圧に基づいて、フッ素注入工程におけるフッ素注入量IFを決定している。その結果、レーザコントローラ31は、高電圧の変動が、出口温度の変動によって起こったものということがわからず、例えば高電圧が高くなった場合に、フッ素ガスの消耗によるものだと解釈してしまう。その結果、過剰なフッ素注入を行なって、レーザチャンバ2内部のガス組成を不適切なものにしてしまうというように、フッ素注入工程の制御が破綻してしまうことがある。
【0041】
このような制御の破綻を防ぐために、第2実施形態では、図3に示したフローチャートにおいて、S12の高電圧VBを記憶する際とS16の高電圧VAを記憶する際に、ローパスフィルタを通して高周波のノイズを除去している。
例えば、高電圧VA,VBを取得する際に、平均を取ることにより、ローパスフィルタをかけるようにしてもよい。
これにより、出口温度の変動等による、レーザ光11のパルス出力の小刻みな変動をキャンセルすることができる。その結果、レーザコントローラ31はレーザチャンバ2中のフッ素濃度を正確に把握でき、フッ素注入工程が破綻するのを防いでフッ素濃度を常に適正な範囲に保つことが可能となる。即ち、レーザ光11のパルスエネルギーを常に略一定に保つことができる。
【0042】
このとき、図6に示した温度変化の周期T1や変動幅は、例えばチラー28の能力によって定まる。そのため、エキシマレーザ装置1を設置した際に、出口温度及び入口温度を検出して、使用するチラー28ごとにパルスエネルギーの変動周期や変動幅を検出するのがよい。そして、ローパスフィルタの定数を変更し、どのような周波数以下のノイズを除去するかを定めることにより、より正確なノイズ除去が可能となる。
そのためには、ローパスフィルタは、ソフトウェア的に施すのがよい。これにより、フィルタの定数などを変更する場合も、容易に変更が可能である。
【0043】
また、ローパスフィルタは、非巡回型であるのが好適である。
即ち、巡回型のフィルタを用いると、信号の周波数に対する位相のずれが起き、信号が歪んで伝えられることがある。非巡回型のフィルタは、直線位相特性を有しており、ノイズを確実に除去して、正確な高電圧VA,VBを取得することが可能となる。その結果、レーザチャンバ2内のフッ素濃度を正確に推定可能であり、フッ素を常に適正な範囲に制御して、パルスエネルギーを一定にすることができる。
図7に、非巡回型のローパスフィルタをソフトウェア的に用いた場合の回路図の一例を示す。図7に示すように、ある所定時間にわたって入力された入力x(n)に対して、入力があった時間ごとに異なるゲインbNをかけ、これらを加えたものを出力y(n)として取り出している。
尚、レーザ光11のパルスエネルギーの変動は、出口温度の変動以外の原因によることもあるが、このような場合にも、フィルタによってノイズを除去することにより、安定なフッ素注入工程の制御が可能となる。
【0044】
図8に、ローパスフィルタをハードウェア的に施す場合の一例を示す。図8に示すように、積分回路を構成することによって、ローパスフィルタをかけることが可能である。
【0045】
以上説明したように、第2実施形態によれば、フッ素注入工程において、高電圧VA,VBを取得する際に、ローパスフィルタによるフィルタリングを行なっている。これにより、レーザコントローラ31がパルスエネルギーの変動による高電圧VA,VBのノイズを拾うことがなく、フッ素注入工程の制御が良好に行なわれる。従って、レーザチャンバ2内のフッ素濃度が適正に保たれ、レーザ光11のパルスエネルギーを一定とするのが容易となる。
【0046】
尚、ローパスフィルタに限らず、バンドパスフィルタをかけるようにすると、なおよい。
図9に、レーザチャンバ2の温度の時間変化をグラフで示す。横軸が時間経過、縦軸が温度K2である。図9に示すように、レーザチャンバ2の温度K2は、チラー28の出口温度の変動周期T1に比較して、非常にゆっくりとした時間T2をかけて上昇する。
このようなレーザチャンバ2の温度変化によっても、レーザ光11のパルスエネルギーはフッ素濃度と無関係に変動するため、レーザコントローラ31はパワーロック制御により、高電圧を変動させている。
従って、このような周期のゆっくりした外乱要因を除去するために、高周波側に加えて低周波側にもフィルタをかけ、高電圧の変動を除去すると、なおよい。
【0047】
また、このようにフィルタを入れてフッ素注入工程を行なっても、前記温度パラメータが大きく変動する場合には、フッ素注入工程が正確に行なわれない場合がある。そのような場合には、図5に示したように、温度パラメータの変動が所定値以上であれば、S17における補正係数βFの算出をスキップするとよい。
【0048】
尚、図3に示したフローチャートにおいて、全ガス交換の後、最初にまず部分ガス交換を行なうように説明したが、これに限られるものではなく、最初にまずフッ素注入を行なうようにしてもよい。
また、部分ガス交換工程において、一度に所定量の交換量PVだけ排気し、交換量V0と同量のレーザガスを注入しているが、これに限られるものではない。即ち、排気と注入とを小刻みに繰り返し、結果的に交換量PVだけのレーザガスを部分交換してもよい。これにより、レーザチャンバ2の圧力変動が小さくなり、レーザ光11のパルスエネルギーの変動が小さくなって安定する。
【0049】
また、フッ素ガスボンベ20の中身が、例えばフッ素のみをネオンで希釈したものであり、希ガスボンベ21の中身が、クリプトンをネオンで希釈したものであってもよい。
また、各実施形態ではKrFエキシマレーザ装置1について説明したが、これに限られるものではなく、ArFエキシマレーザ装置など他のエキシマレーザ装置全般について有効である。さらには、波長を狭帯域化されたエキシマレーザ装置に対しても有効である。
【0050】
また本発明は、レーザガスがフッ素及びバッファガスを所定の組成比で含んでいるフッ素分子レーザ装置に対しても有効である。この場合には、希ガスをバッファガスで希釈した希ガスボンベ21の代わりに、バッファガスのみを封入したバッファガスボンベを用いる。これにより、上記各実施形態と同様の手順で、ハロゲンガス注入工程及び部分ガス交換工程を交互に行なうことにより、同様の効果が得られる。
即ち、本発明は、レーザチャンバ2内部でのフッ素の消耗と不純物の増大とを別々に制御しようというものであり、レーザガスにフッ素を含むガスレーザ装置であれば有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成図。
【図2】第1実施形態に係るエキシマレーザ装置の断面構成図。
【図3】第1実施形態に係るガス制御の手順を示すフローチャート。
【図4】補正係数の算出手順を示すフローチャート。
【図5】フッ素注入工程の他の実施例を示すフローチャート。
【図6】第2実施形態に係る出口温度示すグラフ。
【図7】ソフトウェア的に非巡回型のローパスフィルタを用いる場合の回路図。
【図8】ローパスフィルタのハードウェア回路図。
【図9】レーザチャンバの温度変化を示すグラフ。
【図10】従来技術に係るエキシマレーザ装置の基本構成図。
【符号の説明】
1:エキシマレーザ装置、2:レーザチャンバ、3:熱交換器、4:放電電極、5:放電電極、6:フロントミラー、7:フロントウィンドウ、8:全反射ミラー、9:リアウィンドウ、11:レーザ光、12:ビームスプリッタ、13:高圧電源、14:貫流ファン、15:パワー検出器、16:排気配管、17:注入配管、18:排気バルブ、19:ポンプ、20:フッ素ガスボンベ、21:希ガスボンベ、22:フッ素ガスバルブ、23:希ガスバルブ、24:圧力測定器、25:温度測定器、26:主放電、27:冷却水、28:チラー、29:冷却水配管、30:シャッタ、31:レーザコントローラ。

Claims (5)

  1. ハロゲンガスを含むレーザガスを封入したレーザチャンバと、レーザチャンバ内部に配置され、主放電を起こしてレーザガスを励起する放電電極とを備え、レーザ光のパルスエネルギーが略一定となるように放電電極間に印加する高電圧を制御したガスレーザ装置の、レーザチャンバ内部のレーザガスを所定の組成比に保つように制御するガス制御方法において、
    ハロゲンガスの注入の前後における前記高電圧を読み取り、ハロゲンガスの注入量あたりの前記高電圧の変化率に基づいて、次回のハロゲンガスの注入量を決定し、
    レーザチャンバ中にハロゲンガスを所定量注入するハロゲンガス注入工程と、レーザチャンバ中のレーザガスを所定量交換する部分ガス交換工程とを交互に行なうことにより、レーザチャンバ内部のレーザガスを所定の組成比に保つように制御することを特徴とするガス制御方法。
  2. 請求項記載のガス制御方法において、ハロゲンガスの注入の前後における所定の温度パラメータを読み取り、温度パラメータの変化量が所定値を越えた場合には、前記ハロゲンガスの注入量を前回の注入時の注入量と同一にすることを特徴とするガス制御方法。
  3. 請求項1又は2記載のガス制御方法において、高電圧の読み取り時に、少なくとも高周波側のノイズをカットするフィルタを通して読み取ることを特徴とするガス制御方法。
  4. 請求項記載のガス制御方法において、前記フィルタが非巡回型のフィルタであることを特徴とするガス制御方法。
  5. ハロゲンガスを含むレーザガスを封入したレーザチャンバと、レーザチャンバ内部に配置され、主放電を起こしてレーザガスを励起する放電電極とを備えたガスレーザ装置の、レーザ光のパルスエネルギーが略一定となるように放電電極間に印加する高電圧を制御するエネルギー制御部と、レーザチャンバ内部のレーザガスを所定の組成比に保つように制御するガス制御部とを備えたレーザコントローラにおいて、
    前記ガス制御部が、ハロゲンガスの注入の前後におけるハロゲンガスの注入量あたりの前記高電圧の変化率に基づいて、次回のハロゲンガスの注入量を決定し、レーザチャンバ中にハロゲンガスを所定量注入するハロゲンガス注入工程と、レーザチャンバ中のレーザガスを所定量交換する部分ガス交換工程とを交互に行なうようにしたことを特徴とするレーザコントローラ。
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