JP2001057110A - 透明導電性フィルム - Google Patents

透明導電性フィルム

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JP2001057110A
JP2001057110A JP11231002A JP23100299A JP2001057110A JP 2001057110 A JP2001057110 A JP 2001057110A JP 11231002 A JP11231002 A JP 11231002A JP 23100299 A JP23100299 A JP 23100299A JP 2001057110 A JP2001057110 A JP 2001057110A
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明美 中島
Masato Koyama
正人 小山
Masaaki Kikkai
正彰 吉開
Akira Suzuki
彰 鈴木
Yukinori Asakawa
浅川  幸紀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐久性、電磁波遮蔽性、及び光線透過
率を有する透明導電性フィルムを提供する。 【解決手段】 透明基体(A)の一方の主面上に高屈折
率透明薄膜層(B)、及び少なくとも銀を含む金属薄膜
層(C)からなる透明導電層が(B)/(C)を繰り返
し単位として3〜5回繰り返し積層され、さらにその上に
高屈折率透明薄膜層(B)が形成された透明導電性フィ
ルムにおいて、金属薄膜層(C)の合計厚みが25〜1
50nm、基体から最も遠い金属薄膜層(C1)の厚み
が15〜30nm、且つ、(C1)がその他の金属薄膜
層(C)より厚いことを特徴とする透明導電性フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電性フィルム
に関する。詳しくは、優れた表面抵抗率及び耐環境性を
有し、プラズマディスプレイパネル(PDP)、ブラウ
ン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプ
レイから発生する電磁波を効率よく低減させることの出
来る電磁波フィルターとして好適に用い得る透明導電性
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、社会が高度に情報化されるように
なってきている。それに従って、情報関連機器、関連部
品に対する技術が著しく進歩、普及するようになった。
その中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パー
ソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、
その他各種の情報提供用に用いられている。その様々な
用途に用いるために、ディスプレイ装置には様々な特性
が要求されるようになってきており、特に大型かつ薄型
であることが要求されるようになってきた。
【0003】その要求の中で、近年、大型かつ薄型のデ
ィスプレイとしてプラズマディスプレイパネル(以下P
DPと称する)が注目されるようになり、すでに一部が
市場に出始めている。しかしながら、PDPにはその原
理上の問題から強度の漏洩電磁界を発生するという問題
点を有している。漏洩電磁界の影響に関しては、近年関
心が持たれるようになってきており、特に、人体や他の
電子機器に対する影響を防ぐ必要がある。更に、PDP
からは、そのプラズマ中の励起原子から発生する近赤外
線光がコードレスフォン、リモコン等の電子機器に作用
して誤動作を引き起こすという問題もある。
【0004】そのため、一般的に、ディスプレイ装置、
特にPDPには漏洩電磁界及び近赤外光を遮蔽するため
のフィルター(電磁波フィルター)が用いられている。
一般的には、電磁波フィルターの構成としては、主に、
支持板、電磁波シールド機能を有するプラスチックフィ
ルム、反射防止層からなっている。これらの部材を貼り
合わせ、塗布等の手法で組み合わせてPDP光学フィル
ターとして用いている。
【0005】電磁波フィルターの近赤外線及び電磁波の
遮蔽材料としては現在のところ大きく分けて、アース
した金属メッシュ、または、合成樹脂または金属繊維の
メッシュに金属を被覆したものと、近赤外線を吸収する
色素とを組み合わせたもの、 酸化インジウム−錫(以下、ITOと称する)に代表
される透明導電層と(場合によっては)近赤外線を吸収
する色素とを組み合わせたものがある。
【0006】の例としては、例えば、特開平9−33
0667号公報には、透明樹脂板上に導電性ペーストを
メッシュ状に塗布乾燥させて作成した電磁波シールド板
が開示されている。また、の透明導電層を基体上に形
成した例としては、特開平9−331488公報等が挙
げられる。
【0007】これらを電磁波フィルターとして用いると
効率よく匡体から発生する電磁波を遮蔽することが可能
となる。特に後者の例では、前者と比較してメッシュに
よる遮光部分の発生やモワレの発生がなく、特に好まし
い。また、この中で、ITO等の金属酸化物に代表され
る高屈折率薄膜層と銀を主成分とする金属薄膜層とを積
層したものは、透明性が高く、表面抵抗率が低く、良好
な電磁波シールド能を有するために好ましく用いること
が出来る。しかしながら、この高屈折率薄膜層と金属薄
膜層とを積層した基体において、金属薄膜層として銀を
用いた場合、主に銀層の劣化による反射性欠陥の発生と
いう問題が発生していた。
【0008】この問題を解決するためさまざまな検討が
為されてきたが充分な効果が得られなかった。例えば、
特公昭59−44993号公報に示されるように銀薄膜
層を銀−金薄膜層とすることで銀層の劣化を改善するこ
とができた。しかし、合金にした場合は確かに耐久性は
向上するものの、銀−金合金の抵抗率が銀よりも高いた
めに表面抵抗率が高くなり、十分な電磁波遮蔽能を得る
ためには、金属薄膜層の厚みを厚くする必要があり、光
線透過率が低下するという問題が発生した。以上によ
り、金属薄膜層の抵抗率が低く、かつ、耐久性の高い金
属を用いた透明導電層が求められていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、従来の技術では解決することの困難であった、電磁
波フィルターとして用いた場合に高耐久性、高電磁波遮
蔽性、及び高透明性を達成できる透明導電性フィルムを
提供することに有る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、光学フィル
ターにおける透明導電性フィルムの銀層の劣化は、加工
時等に透明導電層が外気と接触した際に最表面で発生し
て内部に向かって進行すること、透明導電層の劣化は大
気に最も近い金属薄膜層の劣化の度合いに大きく左右さ
れること、及び、大気に最も近い金属薄膜層は所定以上
の厚みを持つと急速に劣化し難くなることを見出し、本
発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、透明基体(A)の一
方の主面上に高屈折率透明薄膜層(B)、及び少なくと
も銀を含む金属薄膜層(C)からなる透明導電層が
(B)/(C)を繰り返し単位として3〜5回繰り返し積
層され、さらにその上に高屈折率透明薄膜層(B)が形
成された透明導電性フィルムにおいて、金属薄膜層
(C)の合計厚みが25〜150nm、基体から最も遠
い金属薄膜層(C1)の厚みが15〜30nm、且つ、
(C1)がその他の金属薄膜層(C)より厚いことを特
徴とする透明導電性フィルムである。
【0012】本発明に係わる透明導電性フィルムの好ま
しい態様としては、金属薄膜層(C)が銀を95重量%
以上含む薄膜層であること、高屈折率透明薄膜層(B)
が、金属酸化物または金属硫化物で形成された薄膜層で
あること、該金属酸化物が、酸化インジウム−錫、酸化
インジウム、酸化錫の中から選ばれた少なくとも一つの
薄膜層であることが挙げられる。また、透明導電性フィ
ルムの好ましい特性として、表面抵抗率が0.5〜4Ω
/□、全光線透過率が50%以上であることが挙げられ
る。本発明の透明導電性フィルムは、優れた高耐久性、
高電磁波遮蔽性、及び高透明性を有し、プラズマディス
プレイパネル(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶
表示装置(LCD)等のディスプレイから発生する電磁
波を効率よく低減させることの出来る電磁波フィルター
として好適に用い得る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の透明導電性フィルムは、透明基体(A)
の一方の主面上に、高屈折率透明薄膜層(B)、及び少
なくとも銀を含む金属薄膜層(C)からなる透明導電性
薄膜層を(B)/(C)を繰り返し単位として3〜5回繰
り返し積層し、更に、その最上層に高屈折率透明薄膜層
(B)を積層することにより製造される。
【0014】本発明に使用する透明基体としては、ガラ
ス板も用いることが可能であるが、透明プラスチックフ
ィルムを好ましく用いる。本発明で用いる透明プラスチ
ックフィルムとしては、透明であれば特に限定されない
が、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテ
ルサルフォン、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポ
リカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
チレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、
ポリイミド等のホモポリマー、及びこれらの樹脂のモノ
マーと共重合可能なモノマーとのコポリマーからなる高
分子フィルムが挙げられる。その形成法としては、溶融
押出法、キャスト法、カレンダー法等、公知のプラスチ
ックフィルムの製造法を用いることが可能である。
【0015】また、透明導電層は透過色、反射色ともに
着色しており、好ましくない色である場合がある。その
際の色の補正を目的として透明プラスチックフィルムを
着色することも可能である。着色の方法としては、前記
プラスチックフィルムを形成する際に色素と前もって混
合してからフィルム化する方法、樹脂中に色素を分散さ
せインキ化し塗布乾燥させる方法、着色したプラスチッ
クフィルムを貼り合わせる方法等が挙げられる。
【0016】透明プラスチックフィルムの全光線透過率
は70%以上であることが好ましい。75%以上である
事が更に好ましく、80%以上である事が最も好まし
い。一般的には、これらの透明プラスチックフィルムの
全光線透過率は92%を超えることはない。ただし、反
射防止層などを形成して光線透過率を上げることにより
上記の値を越えることは可能である。透明プラスチック
フィルムの厚みには特に規定を設けないが、ハンドリン
グ性の観点から25〜250μmが好ましい。さらに、
透明導電層との密着性を向上させることを目的として、
電磁波シールド層を形成する面に、例えば、水性ポリウ
レタン系、シリコン系コート剤等の密着性を向上させる
ための下地層を形成することも可能である。
【0017】透明導電層は、メッシュの場合と異なり、
電磁波シールド面全体を覆っており、ディスプレイの表
示分解能を落とすことがない。また、近赤外線の反射能
も兼ね備えており、さらに、ロール状での加工が可能で
あるなど多くの優れた特徴を有しており本発明の目的に
良く合致する。透明導電層の形成は、透明プラスチック
フィルムの片面上に形成することが好ましい。両面上に
形成すると透明導電層の接地が困難となり好ましくな
い。
【0018】本発明に用いる透明導電層としては、高屈
折率薄膜層(B)と金属薄膜層(C)とからなることが
好ましい。一般的に、透明導電性フィルムに用いられて
いるITOや酸化亜鉛などの金属酸化物系透明導電層単
独の場合、表面抵抗値を下げるためには透明導電層を厚
くする必要が有り、その場合、全光線透過率が大幅に低
下し好ましくない。
【0019】高屈折率透明薄膜層(B)と金属薄膜層
(C)とは繰り返し積層する事が好ましい。この場合、
最表面層は、高屈折率透明薄膜層(B)である事が好ま
しい。最表面層が金属薄膜層(C)である場合、空気層
もしくは樹脂層と金属層との間に直接反射する界面がで
きるために光の反射が大きくなり、光線透過率が大幅に
低下するので好ましくない。また、金属薄膜層(C)が
直接外気にさらされ金属層の劣化が進行して、この観点
からも好ましくない。
【0020】繰り返しの積層回数は3〜5回が好まし
い。繰り返し回数がこの範囲よりも多い場合には、各層
の膜厚の誤差が全体の光学特性の精度に大きく影響を及
ぼすようになり、しかも生産性が悪くなるために好まし
くない。また、繰り返しの積層回数が少ない場合、有効
に電磁波を遮蔽するためには各金属薄膜層の厚みを厚く
しなくてはならない。その場合、反射強度が大きくなる
ため、全光線透過率が著しく低下し、要求される光学特
性を達成することが困難となるので好ましくない。
【0021】本発明で用いる透明導電層の表面抵抗率は
0.5〜4Ω/□であることが好ましい。表面抵抗率が
上記の範囲内である場合、良好なシールド特性と光学特
性とを両立することが可能となる。表面抵抗率が上記の
範囲よりも低い場合、電磁波シールド特性自身は良好で
あるものの、光線透過率が著しく低下するために好まし
くない。また、表面抵抗率が上記の範囲よりも高い場
合、光学特性は良好になるものの、電磁波シールド能が
悪くなるために好ましくない。
【0022】上記透明導電層の全光線透過率は50%以
上であることが好ましい。60%以上であることが更に
好ましく、65%以上であることが最も好ましい。全光
線透過率がこの値よりも低い透明導電層を用いた電磁波
フィルターをディスプレイに組み付けると画面が暗くな
るために好ましくない。
【0023】上述したように本発明では、透明導電層と
して一部に金属薄膜層(C)を用いている。そのため、
金属薄膜層(C)と透明屈折率薄膜層(B)との厚みを
光学的に最適化しても金属薄膜層(C)による金属の光
の吸収及び反射を避けることはできないために、一般的
には、本発明で用いる透明導電層の全光線透過率は80
%を超えることはない。
【0024】本発明で用いる高屈折率透明薄膜層(B)
としては、特に材質が限定されるものではないが、好ま
しくは屈折率が1.6以上、より好ましくは1.8以上
の材料が好ましい。このような高屈折率透明薄膜層を形
成しうる具体的な材料としては、インジウム、チタン、
ジルコニウム、ビスマス、錫、亜鉛、アンチモン、タン
タル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリウム、マ
グネシウム、ガリウム等の酸化物、これらの酸化物の混
合物、複合酸化物や硫化亜鉛等が挙げられる。これら酸
化物あるいは硫化物は、金属と酸素、硫黄との間の化学
量論的な組成にずれがあっても、光学特性を大きく変え
ない範囲にあれば差し支えない。これらの材料の中で酸
化インジウム、酸化インジウム−錫(ITO)、及び酸
化錫は、透明性が高く屈折率が大きいことに加えて、製
膜速度が速く金属薄膜層との密着性が良好であることか
ら好ましく用いることができる。
【0025】高屈折率透明薄膜層の厚みとしては、要求
する光学特性から求まるものであり、特に制限されるも
のではないが、各層の厚みは5〜200nmが好まし
い。10〜100nmが更に好ましい。また、先にも述
べたように、高屈折率透明薄膜層(B)は金属薄膜層
(C)と繰り返し積層して用いるが、各高屈折率透明薄
膜層(B)は同じ材料である必要はなく、同じ厚みであ
る必要もない。高屈折率透明薄膜層(B)の形成方法と
しては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、
イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法など
公知の手法を用いることができる。これらの内、スパッ
タリング法が好ましい。
【0026】本発明で用いる金属薄膜層(C)の合計厚
みは25〜150nmであることが好ましい。25nm
より薄い場合、必要な電磁波シールド能が得られず、1
50nmより厚いと積層の回数を変化させたり各層の膜
厚を最適化させても光線透過率が低くなり好ましくな
い。
【0027】金属薄膜層の材料としては、銀金属単体も
しくは少なくとも銀を含む金属層であることが好まし
い。銀はその表面抵抗率の低さ、赤外反射特性が良好な
こと、高屈折率透明薄膜層(B)と積層した場合の可視
光線透過特性が優れるために好ましく用いることができ
る。しかしながら、銀は化学的、物理的安定性に乏しい
ため、環境中の汚染物質、水分、熱及び光線によって劣
化し易い。そこで、本発明において、銀薄膜層を繰り返
し積層して使用する場合、基体から最も遠い金属薄膜層
(C1)の厚みを他の金属薄膜層より厚くすることが好
ましい。基体から最も遠い金属薄膜層(C1)の厚みを
他の金属薄膜層より厚く、15〜30nmにすることに
より、先に延べた銀層の劣化が高透明性を確保したまま
で抑えることができる。また、基体から最も遠い金属薄
膜層(C1)の劣化を押さえると、その基体に近い側の
金属薄膜層(C)の劣化も進行しないために、透明導電
層全体としても劣化が生じなくなる。15nmより薄い
場合は、耐久性が不十分になり、30nmより厚い場合
は透明性が低下する。
【0028】表面抵抗率は、各金属薄膜層(C)の合計
厚みによって決定されるが、基体から最も遠い金属薄膜
層(C1)の厚みを他の金属薄膜層(C)より厚くする
ことにより、効率的に必要な表面抵抗率、透明性、耐久
性等を得ることができる。
【0029】また、他の金属薄膜層の厚みは島状構造で
ないことが好ましいため5nm以上が好ましく、透明性
の観点から30nm以下が好ましい。ただし、上記の範
囲よりも厚くなっても、基体から最も遠い金属薄膜層
(C1)の厚みより薄く、且つ、フィルターにした場合
の全光線透過率が40%以上である場合には問題なく使
用することが可能である。
【0030】少なくとも銀を含む金属薄膜層(C)にお
ける銀の割合は95重量%以上であることが好ましい。
銀の他に、金、白金、パラジウム、銅等の環境に安定な
金属一種以上を含む合金であってもよい。銀の割合がこ
の範囲よりも低い場合、表面抵抗率が高くなるので良好
な電磁波シールド能を得るためには金属薄膜層を厚くす
る必要があり、透明性が低下するために好ましくない。
高屈折率透明薄膜層(B)の場合と同じように、各金属
薄膜層(C)の厚みは同じである必要はなく、同じ材質
である必要もない。金属薄膜層(C)の形成方法として
は、上述した高屈折率透明薄膜層の形成方法をそのまま
用いることができる。
【0031】また、透明導電層、特に金属薄膜層(C)
の劣化防止を目的として、透明導電層の周端部を封止す
ることも可能である。例えば、トリアジンアミン系化合
物、チオジプロピオン酸エステル系化合物、ベンゾイミ
ダゾール系化合物単独もしくはこれらの化合物を含む透
明樹脂を前記の目的のために使用することが可能であ
る。
【0032】上記の如くして製造される、本発明に係わ
る透明導電性フィルムは、全光線透過率が50%以上で
あることが好ましい。60%以上であることが更に好ま
しい。全光線透過率が上記の値よりも低い場合、これを
電磁波シールド用フィルターとして用いたときに、ディ
スプレイの画面が暗くなり好ましくない。また、本発明
において用いる透明導電性薄膜には金属薄膜層が用いら
れているので全光線透過率が78%を超えることは一般
的にはない。また、全体の厚みは25〜250μm程
度、表面抵抗率は0.5〜4Ω/□程度である。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、評価項目、及び評価方法に関しては以下の
ようにして行なった。
【0034】(1)全光線透過率(%) 分光光度計[(株)日立製作所製、製品名:U−3500
型]を用いて、得られた各試料の任意の5点を測定し、
その平均値を用いる。
【0035】(2)表面抵抗率(Ω/□) 4探針式表面抵抗率測定装置[三菱化学(株)製、製品
名:ロレスタSP]を用いて、得られた各試料の任意の
10点を測定し、その平均値を用いる。
【0036】(3)耐環境性(hr) 塩水中において反射性の欠陥が発生するまでの時間を測
定する。塩水は、塩化ナトリウム(和光純薬製)1.8
gを純水1000ml中に溶解させた溶液を用いる。得
られた各試料を100mm×100mmに切り出し、2
3℃の前述の塩水中に保管し、直径0.1mm以上の欠
陥が発生するまでの時間を測定する。
【0037】実施例1 厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム(東洋紡績株式会社製、製品名:A−410
0)の一方の主面上に、PETフィルム側から酸化イン
ジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/酸
化インジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜の積層
構造からなり、それぞれの厚みが40/10/80/1
0/80/25/40nmである透明導電層を積層し、
透明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィル
ムの全光線透過率、表面抵抗率及び耐環境性を上記方法
により測定し、結果を〔表1〕にまとめた。なお、酸化
インジウム薄膜の形成は、ターゲットに金属インジウム
を用い、圧力が0.01Paとなるように排気した後、
全圧が0.18Paになるまでアルゴンガスを導入し、
さらに全圧が0.26Paとなるように酸素ガスを導入
した。この状態でマグネトロンDCスパッタリング法に
より行った。また、銀薄膜の形成は、ターゲットに9
9.99重量%の銀を用い、圧力が0.01Paとなる
ように排気した後、全圧が0.18Paになるまでアル
ゴンガスを導入した。この状態でマグネトロンDCスパ
ッタリング法により行った。
【0038】実施例2 透明導電層をPETフィルム側から、酸化インジウム薄
膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジ
ウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜の積層構造から
なり、それぞれの厚みが40/10/80/15/80
/20/40nmとした以外は、実施例1と同様にして
透明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィル
ムの全光線透過率、表面抵抗率及び耐環境性を実施例1
と同様にして測定した。結果を〔表1〕にあわせて示
す。
【0039】実施例3 透明導電層をPETフィルム側から、酸化インジウム薄
膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジ
ウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜の積層構造から
なり、それぞれの厚みが40/10/60/10/60
/30/40nmとした以外は、実施例1と同様にして
透明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィル
ムの全光線透過率、表面抵抗率及び耐環境性を実施例1
と同様にして測定した。結果を〔表1〕にあわせて示
す。
【0040】比較例1 透明導電層をPETフィルム側から、酸化インジウム薄
膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジ
ウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜の積層構造から
なり、それぞれの厚みが40/10/80/10/80
/10/40nmとした以外は実施例1と同様にして透
明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィルム
の全光線透過率、表面抵抗率及び耐環境性を実施例1と
同様にして測定した。結果を〔表1〕にあわせて示す。
【0041】比較例2 透明導電層をPETフィルム側から、酸化インジウム薄
膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジ
ウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜の積層構造から
なり、それぞれの厚みが40/20/80/20/80
/10/40nmとした以外は実施例1と同様にして透
明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィルム
の全光線透過率、表面抵抗率及び耐環境性を実施例1と
同様にして測定した。結果を〔表1〕にあわせて示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の透明導電性フィルムは、優れた
高耐久性、高電磁波遮蔽性、及び高透明性を有する。そ
のため、これを電磁波シールド用フィルターとして用い
ることにより、プラズマディスプレイパネル(PD
P)、ブラウン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)
等のディスプレイから発生する電磁波を効率よく低減さ
せることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/08 C08K 3/08 3/22 3/22 C08L 101/12 C08L 101/12 (72)発明者 吉開 正彰 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 鈴木 彰 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 (72)発明者 浅川 幸紀 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA45 AB07 AB18 AF30Y AH12 BA01 BB02 BB04 BB06 BC01 4F100 AA09B AA17B AA28B AB01C AB01E AB24C AK42A AT00A BA05 BA07 BA08 BA13 BA25 GB41 JG01 JG04 JM02B JM02C JM02D JM02E JN01A JN01B JN01D JN18B JN18D YY00 YY00C YY00E 4J002 BB031 BB121 BF041 BG031 CF001 CF061 CG001 CH091 CL001 CM041 CN031 DA076 DE097 FD116 GR00 GR02 5G307 FA02 FB01 FB02 FB04 FC02 FC08 FC09 FC10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基体(A)の一方の主面上に高屈折
    率透明薄膜層(B)、及び少なくとも銀を含む金属薄膜
    層(C)からなる透明導電層が(B)/(C)を繰り返
    し単位として3〜5回繰り返し積層され、さらにその上に
    高屈折率透明薄膜層(B)が形成された透明導電性フィ
    ルムにおいて、金属薄膜層(C)の合計厚みが25〜1
    50nm、基体から最も遠い金属薄膜層(C1)の厚み
    が15〜30nm、且つ、(C1)がその他の金属薄膜
    層(C)より厚いことを特徴とする透明導電性フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 高屈折率透明薄膜層(B)が、金属酸化
    物または金属硫化物で形成された薄膜層であることを特
    徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。
  3. 【請求項3】 金属酸化物が、酸化インジウム−錫、酸
    化インジウム、及び酸化錫の中から選ばれた少なくとも
    一つの化合物であることを特徴とする請求項2記載の透
    明導電性フィルム。
  4. 【請求項4】 金属薄膜(C)が、銀を少なくとも95
    重量%含むことを特徴とする請求項1記載の透明導電性
    フィルム。
  5. 【請求項5】 表面抵抗率が0.5〜4Ω/□、全光線
    透過率が少なくとも50%であることを特徴とする請求
    項1記載の透明導電性フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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