JP2001056914A - 磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド及び磁気記録再生装置

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JP2001056914A
JP2001056914A JP2000073927A JP2000073927A JP2001056914A JP 2001056914 A JP2001056914 A JP 2001056914A JP 2000073927 A JP2000073927 A JP 2000073927A JP 2000073927 A JP2000073927 A JP 2000073927A JP 2001056914 A JP2001056914 A JP 2001056914A
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JP2000073927A
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English (en)
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Kazuhiro Nakamoto
一広 中本
Hiroyuki Hoshiya
裕之 星屋
Takashi Kawabe
隆 川邉
Hiromasa Takahashi
宏昌 高橋
Hisashi Kimura
久志 木村
Katsuro Watanabe
克朗 渡辺
Chiaki Ishikawa
千明 石川
Ko Totsuka
香 戸塚
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールド間隔を狭くした場合にも磁気抵抗効
果膜と磁気シールド層の短絡による特性劣化を少なく
し、高い記録密度の磁気記録再生装置を実現する。 【解決手段】 上部シールド層15と、下部シールド層
13と、これらの間に配置された磁気抵抗効果膜14と
を有する。各シールド層の一方または双方を、強磁性金
属と絶縁性材料との混合膜、もしくは複数層の強磁性金
属層と複数層の絶縁性材料層とを交互に積層して形成し
た不連続積層膜、からなる高抵抗膜を有する構成とし、
短絡による特性劣化を少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高記録密度の磁気
記録再生装置に関するものである。また、このような磁
気記録再生装置を安定して提供することができる磁気ヘ
ッドに関し、特に、一対の磁気シールド層の間に磁気抵
抗効果膜を配置した再生ヘッドを有する磁気ヘッドに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置のような磁気記録再生
装置は、情報を磁気的に記録する媒体と、情報を媒体に
記録あるいは再生するための記録ヘッドと再生ヘッドと
を備える磁気ヘッドと、磁気ヘッドからの出力信号に基
づいて情報を再生するとともに入力された信号に基づい
て情報を記録する記録再生動作制御回路と、媒体を回転
または移動させる機構と、記録再生ヘッドの媒体に対す
る位置を決定する位置決め機構などを備えている。
【0003】記録ヘッドを構成する記録素子は、磁束を
発生させるコイルと、磁束を集める一対の磁気コアと、
磁界を発生させるため一対の磁気コアの間に配置された
記録ギャップとを備えている。磁気コアには、Ni80
20、Fe55Ni45などのニッケルと鉄の合金膜や、コ
バルトベースの合金膜、もしくはそれらを2層程度積層
した膜が一般的に用いられている。各コアの膜厚は、1
から4μm程度の厚さに設定されることが多い。記録動
作は、前記コイルに記録電流を流すことで作られる磁界
を、媒体に印加することで行なわれる。
【0004】再生ヘッドを構成する再生素子は、一対の
磁気シールド層と、一対の磁気シールド層の間にあって
各シールド層からあらかじめ決められた距離を隔てて配
置された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗効果膜に電気的に
接合する一対の電極とを備えている。磁気抵抗効果膜
は、異方性磁気抵抗効果を利用したAMR膜(anisotro
pic magneto-registive layer)と、巨大磁気抵抗効果
を利用したGMR膜(giant magneto-registive layer)
とに大別できる。 AMR膜は、例えば厚さ5から30
nm程度のNi80Fe20膜などで構成される。 GMR
膜は、前記媒体から漏洩する磁界によりその磁化方向が
変化する、厚さが2から10nm程度の第一の強磁性膜
と、その磁化方向がおおむね固定された、厚さが1から
5nm程度の第二の強磁性膜と、第一の強磁性膜と第二
の強磁性膜との間に挿入された、厚さが1から4nm程
度の非磁性導体膜と、を有する積層膜で構成される。
GMR膜はAMR膜に比べて小さな磁界でも高い電気抵
抗の変化が得られる、つまり高感度なため、磁気ディス
ク装置の高記録密度化に有利である。磁気ディスク装置
では、検知電流を印加することで、これら磁気抵抗効果
膜の電気抵抗の変化を、出力信号として検出する。一対
の磁気シールド層は、媒体から漏洩する磁界の変化を高
分解能で検出するために存在する。一対のシールド層の
間隔を狭くするほど分解能を高くすることができるた
め、今後の磁気記録再生装置の高記録密度化に対応し
て、シールド間隔は益々狭くしていく傾向にある。磁気
シールド層は、他に、検知電流を流すことで磁気抵抗効
果膜から発生した熱を、外部に放出する役割も担ってい
る。磁気シールド層には、 Ni80Fe20膜やこれをベ
ースとした合金膜が用いられることが多い。また基板側
のシールド層(下部シールド層)には、この他に、セン
ダスト(Fe−Al−Si)や、コバルトベースの非晶
質などの合金膜が用いられることもある。各シールド層
の膜厚は、一般的に1から4μm程度の厚さに設定され
ている。
【0005】記録素子と再生素子とを同一基板上に形成
した記録ヘッドと再生ヘッドとを複合した磁気ヘッドを
用いる場合には、記録素子のギャップ位置と再生素子の
磁気抵抗効果膜との位置ずれ幅を少なくするため、記録
素子を構成する一対の磁気コアのうち再生素子に近い側
の下部コアと、再生素子を構成する一対の磁気シールド
層のうち記録素子に近い側の上部シールド層とは兼用し
ていることが多い。このような兼用型の記録ヘッドと再
生ヘッドとを複合した磁気ヘッドの場合、再生動作時の
ノイズ抑制を目的として、兼用となっている上部シール
ド層の中に、1μmより小さいようなサブミクロン膜厚
のアルミナなど非磁性膜を一層挿入し、1から数μm厚
の強磁性金属膜、サブミクロン厚の非磁性膜、1から数
μm厚の強磁性金属膜、を順次積層した構成をとる場合
もある。
【0006】以上のように、記録素子の磁気コアおよび
再生素子の磁気シールド層は、いずれの場合にも金属膜
を主体として形成されるのが一般的である。この場合、
磁気ディスク装置の高密度化に対応してシールド間隔を
狭くすると、静電気によるダメージなどで、一方または
両方のシールド層と、磁気抵抗効果膜または磁気抵抗効
果膜に接合された電極との間の絶縁が破られ、再生信号
振幅の大幅な減少(振幅がほぼゼロになる場合も多い)
やノイズの増加が起こる確率が高くなり、磁気ディスク
装置の誤動作や、記録再生ヘッドの歩留まり低下の原因
となる。記録再生ヘッドが静電気によるダメージを受け
るのは,記録再生ヘッドの製作中に限ったことではな
い。例えば,記録再生ヘッドを磁気ディスク装置に組み
込む作業など,人が記録再生ヘッドに接触する工程で
は,静電気の管理が十分でない場合,記録再生ヘッドに
ダメージを与える可能性があることは良く知られてい
る。また,記録再生ヘッドを磁気ディスク装置に組み込
んだ後でも,例えば磁気ディスク装置の筐体(電気的グ
ランドであることが多い)に帯電した人などが接触する
と,グランド電位が変動することで記録再生ヘッド内に
電位差が生じ,ダメージを与えることもある。
【0007】ヘッドの受ける静電気ダメージは,その原
因によって大きく2つに分けて考えることができる。ひ
とつは,磁気抵抗効果膜に接続された一対の電極の間
に,静電気によって異常電圧が印加された場合で,磁気
抵抗効果膜が電流によって発生した熱によって破壊,も
しくは溶断することがある。もうひとつは,磁気抵抗効
果膜を挟むように配置されたシールド層の一方または両
方と、磁気抵抗効果膜または磁気抵抗効果膜に接合され
た電極との間に,静電気によって異常電圧が印加された
場合で,シールド層と磁気抵抗効果膜もしくは電極の間
に起きる放電によって,磁気抵抗効果膜が熱で破壊もし
くは溶断することや,シールド層と磁気抵抗効果膜とが
電気的に短絡することがある。
【0008】いずれの場合にも記録再生ヘッドはもはや
正常には動作せず,特にシールド間隔を100nmより
も狭くした場合には、後者の、シールド層と磁気抵抗効
果膜もしくは電極の間に起きる放電によるダメージを受
ける確率が急激に高くなる。よってこれを解決すること
が,磁気ディスク装置の安定動作や,記録再生ヘッドの
歩留まり向上の観点から望まれていた。
【0009】これを解決する一つの方法として、例えば
特開平5−266437号公報には、少なくとも一方の
磁気シールド層の磁気抵抗効果膜側の表面に、絶縁性磁
性層(NiZnフェライト材を例示)を配置することが
提案されている。
【0010】高い電気抵抗率を持つ磁性薄膜に関して
は、例えばCo−Al−OやFe−Si−Oなどが10
から105μΩ・m程度の高い電気抵抗率を持つことが
知られている。
【0011】また、特開平11−86234号あるいは
特開平8−147634号には、磁気シールド層として
強磁性金属層と絶縁性材料層との連続積層膜を用いるこ
と、あるいは強磁性金属層と絶縁性化合物層との混合膜
を用いることが記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−26643
7号公報に開示されているNiZnフェライト材は、バ
ルクでは、高い透磁率と高い電気抵抗率を持つことで良
く知られた材料である。しかしながら、磁気シールド層
として要求される高透磁率を薄膜で実現するためには、
一般に用いられるスパッタ膜の場合、500から100
0℃程度の高温熱処理が必要である。よってこの膜を特
に上部シールド層に用いた場合、上記熱処理の過程で磁
気抵抗膜の特性が劣化し、ヘッドとして正常に動作しな
いことが多い。特に300℃程度で劣化の始まるGMR
膜の場合、その影響は非常に大きい。
【0013】また、特開平11−86234号あるいは
特開平8−147634号における磁気シールド層で
は、材料、製造条件等の選択により300℃以下の温度
での熱処理によりシールド層の製造が可能となるが、高
々200μΩ・m(0.002mΩ・m )程度の抵抗
率しか得られない。これは、磁気シールド層の構造に起
因していると考えられる。つまり、強磁性金属の連続膜
と絶縁性化合物の連続膜とが順次積層された構造である
ために抵抗率を十分に上げられなくなっていると考えら
れる。
【0014】そこで、本発明の目的は、磁気記録再生装
置の高記録密度化に対応してシールド間隔を狭くした場
合にも、磁気抵抗効果膜と磁気シールド層の短絡による
特性劣化を少なくすることで、高い安定性を持った記録
再生ヘッドを提供し、磁気記録再生装置の誤動作を少な
くすることにある。
【0015】また本発明の目的は、高温熱処理を行なう
ことなく、高出力の記録再生ヘッドを高い歩留まりで提
供し、高い記録密度の磁気記録再生装置を実現すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、一対の磁気シールド層と、一対の磁気シールド層の
間に配置された磁気抵抗効果膜と、磁気抵抗効果膜に電
気的に接合する一対の電極と、を備えた記録再生ヘッド
において、一対の磁気シールド層のうち少なくと一方を
複数層の強磁性金属層と複数層の絶縁性材料層とを交互
に積層して形成した不連続積層膜とする。
【0017】上記磁気シールド層を構成する不連続積層
膜は、最適化を行なうことで、磁気シールド層として十
分な透磁率と、電気的に十分な抵抗率とを併せ持つよう
に設定することができる。
【0018】ここで、図11に、磁気シールド層の透磁
率を10,100,500と変えた場合の、一対の磁気
シールド間の中心からの距離xと磁界Hyとの関係を表
す波形図を示す。磁気シールド層の透磁率10の場合、
波形が広がっており、シールド効果が小さい。一方、磁
気シールド層の透磁率100以上の場合、十分なシール
ド効果が得られていることがわかる。
【0019】つまり、透磁率は、再生波形の幅を狭く保
つため、100またはそれ以上が良く、500以上が望
ましい。
【0020】次に、電気抵抗率についてであるが、GM
R膜を流れる電流と磁気シールド層を流れる電流との比
率は、GMR膜の電気抵抗率と磁気シールド層の電気抵
抗率との比率で決まる。通常、GMR膜については、G
MR膜のうち再生出力に影響する第一,第二の強磁性層
と非磁性導体層の合計の膜厚はおよそ10nmで, GM
R膜の素子高さa(浮上面の奥行き方向の幅)が0.2μ
m,トラック幅bが0.3μmである。磁気シールド層に
ついては、磁気シールド層の厚さは100nm,電流が流
れる部分の磁気シールド層の高さはGMR膜の素子高さ
aの約10倍(2μm)で,幅はGMR膜のトラック幅b
と等しい(0.3μm)。 以上からGMR膜:シールド
の体積比は1:100(10×a×b:100×10a×b)
である。また、一般に、磁気シールド層と磁気抵抗効果
膜または電極との間の絶縁が破られた場合にも検知電流
が磁気シールド層に分流することを防止するためには磁
気シールド層に流れる電流を磁気抵抗効果膜に流れる電
流の1/10以下にすることが望まれている。従って、GM
R膜の100倍の体積を有する磁気シールド層に流れる電
流を1/10以下にするには,磁気シールド層の電気抵抗率
をGMR膜の電気抵抗率の1000倍以上にしなければなら
ない。よって、磁気シールド層と磁気抵抗効果膜または
電極との間の絶縁が破られた場合にも検知電流が磁気シ
ールド層に分流することを防止するため、磁気シールド
層の電気抵抗率は、磁気抵抗効果膜の電気抵抗率(およ
そ0.2から0.3μΩ・m)の1000倍であるおよ
そ0.1mΩ・m、またはそれ以上とすることが望まし
い。
【0021】この不連続積層膜は、成膜条件によっても
異なるが、強磁性金属層と絶縁性材料層との各層の厚さ
を0.5から5nm程度に設定することで、上記良好な
特性が得られることが多い。図2(a)に示すように、
強磁性金属層61の膜厚611を5nm程度以下とする
ことで,強磁性金属層は面内方向に一様に広がった連続
膜とはならず島状に形成され,絶縁性材料62はその間
を埋めるように形成される。結果として,強磁性金属層
61,絶縁性材料層62ともに面内の2次元的な配列
(層構造)を保ちながら各層は不連続である,という不
連続積層膜が得られる。このような構成とすることによ
り、100以上という良好な透磁率を保ちながら、0.
1mΩ・m以上という高抵抗率を有する磁気シールドに
適した膜を実現できる。一方,強磁性金属層を薄くしす
ぎた場合,形成される島が小さくなり,自己反磁界効果
で外部磁界に対して磁化しにくくなる,即ち透磁率が低
くなる。これを防ぐため,強磁性金属層の膜厚611を
0.5nm程度以上とすることが望ましい。絶縁性材料
層の膜厚621が厚い場合には,強磁性金属層の積層膜
全体に占める割合が低くなり,飽和磁化量は低くなる。
結果として透磁率が低くなる。また,絶縁性材料層の膜
厚621が薄すぎると,強磁性金属層61が十分に分離
されず,抵抗率が低くなる。十分な透磁率と抵抗率とを
満足するため,絶縁性材料層の膜厚621は0.5から
5nm程度であることが望ましい。連続積層膜と不連続
積層膜との最も大きな違いは,その抵抗率にある。強磁
性金属層を厚くし連続膜とした場合には,抵抗率はバル
クの抵抗率のオーダーに近い0.1から1μΩ・m程
度、あるいは特開平11−86234号あるいは特開平
8−147634号に開示されているように高々200
μΩ・m(0.002mΩ・m)程度まである。しか
し、本発明のように不連続積層膜とすることにより0.
1mΩ・mという連続積層膜とした場合と比較して桁の
違う高い値を得ることが出来る。よって、抵抗率の観点
から,連続積層膜ではなく,不連続積層膜が要求され
る。
【0022】また、強磁性金属の層61と絶縁材料の層
62との各層ともに面内の2次元的な配列(層構造)を
保ちながら面内で不連続な構造を得るために、不連続積
層膜を作る際には250℃以下程度の低温熱処理が必要
である。これは、300℃以上のような高温熱処理を行
うと強磁性金属の層61と絶縁材料の層62との各層の
配列が崩れてしまうためである。従って、不連続積層膜
を有する磁気シールド層を用いた場合には、製造過程で
高温熱処理を行なう必要がないので、GMR膜の熱劣化
を避けることができた。その結果、狭シールド間隔かつ
高出力の記録再生ヘッドを安定して得ることができた。
【0023】また、 磁気シールド層として、強磁性金
属と絶縁性材料との混合膜を用いることも可能である。
混合膜を用いる場合は、強磁性金属が多いと透磁率が上
がるが抵抗率は下がり、絶縁性材料が多いと抵抗率は上
がるが透磁率は下がるというトレードオフの関係がある
ため、不連続積層膜と比較して強磁性金属と絶縁性材料
の材料の組み合わせの自由度が制限される。磁気シール
ド層として所望の透磁率及び抵抗率を得るためには不連
続積層膜を用いる方が有効である。
【0024】なお、磁気シールド層として混合膜を用い
る場合は,その中に含まれる強磁性金属と絶縁性材料と
の割合を,1:2から3:1程度に設定することで,上
記良好な特性が得られる。ここで混合膜とは,強磁性金
属と絶縁性材料とを同時に基板上に堆積させるなどの方
法により,これらが3次元的に混ざり合っている状態の
膜を指し,強磁性金属,絶縁性材料ともに粒子状になっ
ており,もしくは粒子状の強磁性金属を絶縁性材料が取
り囲み,互いの粒子を分離しあう構成となっている。強
磁性金属の割合が多い場合には,強磁性金属の粒子が十
分に分離されず,抵抗率が低くなる。強磁性金属の割合
が低い場合には,飽和磁化量が低くなり,結果として透
磁率が低くなる。0.1mΩ・mという抵抗率と100
以上という透磁率とを共に満足させるためには上記割合
が望ましい。
【0025】上記複数層の強磁性金属層と複数層の絶縁
性材料層とを交互に積層して形成した不連続積層膜もし
くは強磁性金属と絶縁性材料との混合膜を磁気シールド
層として用いる場合は,基板に近い側の下部シールド
層,記録素子側に近い側の上部シールド層の双方に用い
ることが望ましいが,片方のみに適用することもでき
る。この場合,磁気抵抗効果膜と下部シールド層との間
に挿入された下部ギャップ膜,磁気抵抗効果膜と上部シ
ールド層との間に挿入された上部ギャップ膜のうち,よ
り薄いギャップ膜に接するシールド層に,上記シールド
層を適応することが望ましい。ギャップ膜はアルミナや
酸化シリコンなどの絶縁性材料で形成されることが多い
が,薄いギャップ膜の方が絶縁破壊する可能性が高いか
らである。上下のギャップ膜厚がおよそ等しい場合,電
極を形成した側(上部であることが多い)のシールド層
に上記シールド層を適応することが望ましい。電極とシ
ールド層の間にあるギャップ膜は薄くなっていることが
多く,絶縁破壊しやすいからである。
【0026】磁気シールド層に含まれる強磁性金属は、
ニッケルベースの合金とすることもできる。飽和磁化量
は,コバルトベースの合金もしくは鉄ベースの合金程度
に大きくすることは困難だが,保磁力を低く抑えること
が比較的容易であり,結果として高い透磁率を得ること
ができるからである。有力な例としては,Ni80Fe20
を挙げることができる。飽和磁化量は1.0テスラ程度
ではあるが,保磁力は100A/m程度と十分低い。ま
た磁歪も1×10-7程度と十分低く抑えることができる
ので有利である。
【0027】磁気シールド層に含まれる絶縁性材料は、
アルミまたはシリコンの酸化物、窒化物、炭化物、ほう
化物、もしくは窒化ほう素の中から適当に選択し、もし
くは組み合わせて用いることができる。
【0028】以上のような強磁性金属、絶縁材料を選択
することにより、混合膜の形成において300℃を超え
る高温熱処理は必要ない。なお、混合膜を形成する際に
は、磁気抵抗効果膜の破壊を防止するために、高温熱処
理の必要ない強磁性金属、絶縁材料を選択する必要があ
る。
【0029】従って、磁気シールド層を形成するにあた
り、300℃を超える高温熱処理は必要ないので、磁気
抵抗効果膜としてはAMR膜だけでなく、高温熱処理に
弱いが高感度なGMR膜も用いることもできる。
【0030】さらに、不連続積層膜を形成するために
強磁性金属膜と絶縁性材料膜の薄膜を多数回積層して厚
さ数μmの磁気シールド層を形成することは可能ではあ
るが、これは工業的には必ずしも容易ではない。しかし
強磁性金属膜と絶縁性材料膜の積層数を少なくすると、
磁気シールド層の膜厚が薄くなるので放熱の効率は低く
なる。この場合、放熱効率を高くするため、比較的薄
い、即ち強磁性金属膜と絶縁性材料膜の積層数を少なく
して形成した磁気シールド層を、別な厚い放熱層と組み
合わせて積層させることが有効である。また、磁気シー
ルド層として混合膜を用いた場合にも、放熱効率を高く
するため、磁気シールド層を別な放熱層と積層させるこ
とが有効である。
【0031】放熱層としては、熱伝導率の高い材料(金
属、半導体)を用いることができるが、再生波形の安定
性を確保するためには、例えばNi80Fe20膜やこれを
ベースとした合金膜、またはセンダスト(Fe−Al−
Si)や、コバルトベースの非晶質など、従来磁気シー
ルド層として一般的に用いられている軟磁性の金属を用
い、厚さを1から数μm程度に設定することが望まし
い。ヘッドに一様で大きな外部磁界が印加された場合、
軟磁性金属からなる厚い放熱層もともに磁化される(磁
束が流入する)ため、比較的薄い磁気シールド層が磁気
的に飽和するのを防止することができるからである。放
熱層を金属で構成した場合には、磁気シールド層と放熱
層との間の電気的短絡を防止するため、所定の厚みの絶
縁膜を挿入することができる。この膜厚は薄いほど放熱
効率は高くできるが、絶縁性が低くなる。これら双方を
満足するように膜厚は設定され、10から500nm程
度が望ましい。
【0032】磁気シールド層に含まれる強磁性金属は、
コバルトベースの合金もしくは鉄ベースの合金とするこ
とができる。高い飽和磁化量を持つコバルトベースの合
金もしくは鉄ベースの合金を用いることで、シールド層
の透磁率を高くすることができるからである。磁気シー
ルド層の保磁力を低く抑えるため、前記合金はニッケル
や銅などを含むこともできる。有力な例としては,Co
90Fe10を挙げることができる。飽和磁化量は1.8テ
スラ程度と大きく,保磁力も数百A/m程度と低い。ま
た,シールド層の磁歪が大きいと,ヘッドを構成した際
に再生波形の変動などの不安定性が問題となる場合があ
るが,これに対しても,磁歪を10-7台と低く抑えるこ
とができるので有利である。
【0033】
【発明の実施の形態】[実施例1]図1は、本発明の一実
施例である記録再生ヘッドの媒体対向面を示す図であ
る。本記録再生ヘッドは、基板上に再生素子10と記録
素子20とを順次積層して作製したものである。
【0034】再生素子10は、基板上に形成されたNi
80Fe20からなる厚さ2μmの下部放熱層11と、下部
放熱層11に接するように積層されたAl23とSiO
2からなる厚さ100nmの絶縁膜12と、絶縁膜12
に接するように積層された厚さ1.5nmのCo90Fe
10層と厚さ1nmのAl23層とを交互に積層した厚さ
100nmの不連続積層膜からなる下部シールド層13
と、下部シールド層13上に積層された磁気抵抗効果膜
14と、磁気抵抗効果膜14に電気的に接合する一対の
電極(図示されていない)と、磁気抵抗効果膜14上に
積層された厚さ1.5nmのCo90Fe10層と厚さ1n
mのAl23層とを交互に積層した厚さ100nmの不
連続積層膜からなる上部シールド層15と、上部シール
ド層15に接するように積層されたAl23とSiO2
からなる厚さ100nmの絶縁膜16と、絶縁膜16に
接するように積層されたNi80Fe20からなる厚さ2μ
mの上部放熱層17と、を有している。再生時の分解能
を決めるシールド間隔(上部シールド層15と下部シー
ルド層13との間隔)は、80nmとした。下部シール
ド層13と磁気抵抗効果膜14との間に下部ギャップ6
1、上部シールド層15と磁気抵抗効果膜14との間に
上部ギャップ62が形成されている。再生ギャップであ
るこの上部ギャップ62および下部ギャップ61は、A
23とSiO2からなる絶縁膜で形成した。また、磁
気抵抗効果膜14の両端には電極64,65が形成され
ている。
【0035】記録素子20は、厚さ3μmのNi80Fe
20と厚さ0.5μmの高飽和磁束密度膜21との積層膜
で構成された上部コア22と、前記上部放熱層17とこ
れに接するように積層された厚さ0.5μmの高飽和磁
束密度膜21との積層膜で構成された下部コア23と、
これらの間に配置されたAl23とSiO2からなる厚
さ0.2μmの記録ギャップ24と、磁束を発生させる
ためのコイル(図示されていない)と、を有している。
高飽和磁束密度膜としては、Fe55Ni45やCo65Fe
25Ni10を用いることができる。
【0036】本実施例では,上部シールド層15と下部
シールド層13共に,Co90Fe10層とAl3
とを交互に積層した不連続積層膜を250℃の磁界中熱
処理を行って形成した。図2(a)には,その断面の状
態を模式的に示す。強磁性金属であるCo90Fe10層の
膜厚を1.5nm程度としたことで,Co90Fe10層6
1は面内方向に一様に広がった連続膜とはならず,島状
に形成され,絶縁性材料であるAl23層62は,その
間を埋めるように形成することができた。結果として,
各層ともに面内の2次元的な配列(層構造)を保ちなが
ら面内で不連続である,という不連続積層膜を得ること
ができた。本不連続積層膜の抵抗率は0.1mΩ・mを
上回る十分高い数値を示し,透磁率は300程度と満足
できる値を示した。ここでは強磁性金属の例としてCo
90Fe10層を用いたが,代りにNi80Fe20を用いるこ
ともできる。
【0037】また各磁気シールド層を、例えばCo90
10とAl23との混合膜や,FeとSiO2の混合
膜、Co−Al−O膜で形成することも可能である。C
90Fe10とAl23との混合膜は,例えばCo90Fe
10とAl23とを同時にスパッタすることで形成するこ
とできる。FeとSiO2の混合膜の場合も,同様な手
段で作製できる。この時得られた混合膜の断面の状態
を,図2(b)に模式的に示す。Co90Fe10からなる
強磁性金属61が粒子状になって3次元的に分散してお
り,これをAl23からなる絶縁性材料62が取り囲む
という構成を実現することができた。Co−Al−O膜
は,酸素雰囲気中でCoとAlをスパッタすることで得
ることができる。CoとAlが酸化されながら基板に堆
積し,図2(b)と同様な膜状態を得ることができる。
【0038】磁気抵抗効果膜14には、AMR膜、GM
R膜、もしくはその他磁気抵抗効果を示す膜のいずれも
適用可能である。そこで次に、AMR膜、GMR膜を用
いて素子を形成した例を示す。図3(a)、(b)は、
それぞれの膜を用いた再生素子における媒体対向面の、
磁気抵抗効果膜14付近を拡大した図である。なお上下
シールド層は図示されていない。 AMR素子は、厚さ
が15nmのNi80Fe20膜からなるAMR膜31と、
厚さが5nmのTaからなる分離層32と、厚さが15
nmのNiFeCr膜からなるソフトバイアス膜33と
の積層膜を、所定の幅になるように一括して両サイドを
切り落として作製した。この両側に、AMR膜31を磁
区制御するため、CoPtCr膜とCr下地膜とからな
る磁区制御層35を配置した。AMR膜31と電気的に
接合するための電極36は、磁区制御層35の上に積層
した。
【0039】GMR素子は、厚さが2nmのNi80Fe
20膜と厚さが0.5nmのCo膜とを積層した第一の強
磁性膜41と、厚さが2nmのCuからなる非磁性導体
膜42と、厚さが2nmのCo膜と厚さが0.8nmの
Ru膜と厚さが1nmのCo膜とを積層した第二の強磁
性膜43と、第二の強磁性膜43の磁化方向を固定する
ための厚さが10nmのMn50Pt50膜からなる反強磁
性膜44と、からなるGMR積層膜を、所定の幅になる
ように一括して両サイドを切り落として作製した。第二
の強磁性膜43の磁化方向は、媒体対向面(紙面)を指
すように、反強磁性膜44によって一方向の磁気異方性
が付加されている。またAMR素子同様に、磁区制御層
45と電極46とをGMR膜の両隣に配置した。なお図
3(b)には、反強磁性膜44を上側に配置した場合を
示したが、GMR積層膜の積層順序を反転させて、基板
側から、反強磁性膜、第二の強磁性膜、非磁性導体膜、
第一の強磁性膜を順次積層した構成とすることも可能で
ある。また、反強磁性膜、第二の強磁性膜、非磁性導体
膜、第一の強磁性膜、非磁性導体膜、第二の強磁性膜、
反強磁性膜を順次積層した構成とすることも可能であ
る。
【0040】次に,金属製シールド層を持つ記録再生ヘ
ッドを用いた場合に,どの場所で静電破壊(放電)が起こ
りやすいのかを,図4を用いて示す。図4は従来の記録
再生ヘッドの媒体対向面のうち,磁気抵抗効果膜14付
近を拡大した図である。磁気抵抗効果膜14には一対の
電極51,51’が接続されており,上部シールド層5
4,下部シールド層55から,それぞれあらかじめ決め
られた距離の位置に配置されている。磁気抵抗効果膜1
4と上部シールド層54との間には上部ギャップ膜52
が,下部シールド層55との間には下部ギャップ膜53
が挿入されている。各ギャップ膜は,絶縁膜によって構
成されている。シールド間隔(A−A’における上部シ
ールド層54と下部シールド層55との距離)を80n
mとし,上記GMR膜を用いてその第一の強磁性層を各
シールド層から等間隔の位置に配置した場合,上部ギャ
ップ膜52,下部ギャップ膜53の膜厚はそれぞれ約2
0nm,35nmとなる。この程度の厚さで欠陥の極め
て少ない絶縁膜を,工業的に得るのは困難である。よっ
て,静電気によってシールド層と磁気抵抗効果膜14と
の間にわずか30V程度の電圧が印加された場合,例え
ばA−A’もしくはB−B’で,上部シールド層54と
磁気抵抗効果膜14もしくは電極51,ないしは下部シ
ールド層55と磁気抵抗効果膜14もしくは電極51と
の間で絶縁破壊(放電)が起こることがある。すると金
属製のシールド層と磁気抵抗効果膜14とが電気的に短
絡するので,ヘッドとして正常に動作しなくなる。
【0041】ところが本実施例では,一対のシールド層
54,55を抵抗率の高い不連続積層膜,もしくは混合
膜で形成して磁気シールド層13,15としたため,仮
に図1における各磁気シールド層13,15と磁気抵抗
効果膜14とが電気的に短絡した場合にも,シールド層
の抵抗率が高いため,上部ギャップ膜52,または下部
ギャップ膜53に印加される電圧が低くなり,絶縁破壊
が起こる確率も低くできる。よって、シールド間隔が8
0nmと相当狭いにもかかわらず、磁気抵抗効果膜と磁
気シールド層の短絡による特性劣化は認められず、高い
安定性を持った記録再生ヘッドを得ることができた。
【0042】また、強磁性金属の層と絶縁材料の層との
各層ともに面内の2次元的な配列(層構造)を保ちなが
ら面内で不連続な構造を得るために、不連続積層膜を作
る際には250℃以下程度の低温熱処理が必要である。
従って、本実施例では高温熱処理を行なう必要がないの
で、GMR膜の熱劣化を避けることができた。その結
果、狭シールド間隔かつ高出力の記録再生ヘッドを安定
して得ることができた。
【0043】[実施例2]実施例1では、上下磁気シール
ド層ともに膜厚100nmとした場合の例を示したが、
図5に示すように、下部シールド層13を厚さ1.5n
mのCo90Fe10層と厚さ1nmのAl23層とを交互
に積層した厚さ1μmの積層膜で形成することも可能で
ある。その他の部分は実施例1と同じとした。この場
合、磁気シールド層を形成する際の積層数が多くなるた
め、形成過程が多少煩雑になるが、放熱効率を高くする
ことができるので、磁気シールド層を別な放熱層と積層
する必要は、必ずしもない。詳細は省略するが、この厚
さ1μmの積層膜を上部シールド層に用いても良い。
【0044】[実施例3]図6に示すように、セラミック
基板1の上に、例えば厚さ500nmのAl23からな
る絶縁膜2を形成し、絶縁膜2に接するように厚さ1.
5nmのCo90Fe10層と厚さ1nmのAl23層とを
交互に積層した厚さ300nm程度の下部シールド層1
3を積層することも可能である。その他の部分は実施例
1と同じとした。この場合、検知電流を流すことで磁気
抵抗効果膜14から発生した熱は、上部放熱層17とと
もにセラミック基板1(下部放熱層11と同様な役目を
果たす)を通して拡散してゆく。よって温度上昇は、上
記実施例と同様に低く抑えられる。本実施例の場合、セ
ラミック基板1の微少な凹凸が、磁気抵抗効果膜14の
磁気特性を劣化させる場合がある。よって、セラミック
基板1もしくは絶縁膜2の表面を平滑化処理した方が良
い特性を得られる場合がある。
【0045】[実施例4]磁気シールド層として用いる強
磁性金属と絶縁性材料との混合膜、もしくは複数層の強
磁性金属層と複数層の絶縁性材料層とを交互に積層して
形成した積層膜は、材料の選定や膜形成条件によって、
抵抗率を1mΩ・mもしくはそれ以上に設定することが
できる。その場合(望ましくは抵抗率が10mΩ・m程
度の場合)、図7に示すように、膜厚100nmもしく
はそれ以上の各シールド層13、15と、各放熱層1
1、17は直接積層する構成をとることができる。この
場合、放熱効率が高くなるので有利となる。
【0046】[実施例5]上記各実施例において、上部放
熱層の中に厚さ0.1から1μm程度の例えばAl23
やTaなどからなる非磁性膜を挿入することができる。
図8には、実施例4で示した記録再生ヘッドに、非磁性
膜18を挿入した場合を示す。このような構成をとるこ
とで、再生動作時のノイズや、再生波形の変動を抑制す
ることができる場合がある。
【0047】[実施例6]上記各実施例において、各磁気
シールド層13、15と接するように磁区制御層19を
配置することができる。具体的には、磁気シールド層と
積層面の一部または全体が接するように積層して配置す
ること、パターニングされた磁気シールド層の両隣に接
するように配置すること、が可能である。図9には、実
施例1で示した記録再生ヘッドに、磁区制御層19を積
層して配置した場合を示す。磁区制御層19としては、
膜厚ができるだけ薄く、抵抗率ができるだけ高い反強磁
性膜、永久磁石膜、もしくは異方性磁界の大きな軟磁性
膜が良い。磁区制御層19の膜厚は20nm以下程度が
望ましく、抵抗率は1μΩ・m以上程度が望ましい。様
々な材料が適応可能であるが、MnPtやCrMnPt
はその一例である。このような構成をとることで、再生
動作時のノイズや、再生波形の変動をより厳密に抑制す
ることができる。
【0048】[実施例7]上記実施例に示した各記録再生
ヘッドを用いることで、より記録密度の高い磁気記録再
生装置を実現することができる。図10には、一実施例
である磁気記録再生装置の概略を示す。磁気記録再生装
置は、情報を磁気的に記録するための磁気記録媒体10
1と、これを回転させるモーター102と、磁気記録媒
体101に信号を記録再生するための記録再生ヘッド1
03と、これを支えるばねなどの弾性体でできたサスペ
ンション104と、記録再生ヘッド103の位置決めを
行なうアクチュエータ105と、記録再生信号を処理す
る回路106などを有している。記録再生ヘッド103
を構成する各磁気シールド層13、15を、上記実施例
の構成とし、さらに磁気抵抗効果膜14を上記GMR膜
としたため、狭シールド間隔かつ高出力の記録再生ヘッ
ドを安定して提供することができ、また記録再生ヘッド
を静電破壊させることなく安定して装置に組み込むこと
ができた。その結果,高い記録密度の磁気記録再生装置
を安定して実現することができた。
【0049】また、上記磁気記録再生装置を複数台組み
合わせることで、ディスクアレイ装置を組むことができ
る。この場合、複数の磁気記録再生装置を同時に扱うた
め、情報の処理能力が速くでき、また装置の信頼性を高
めることができる。
【0050】上述したように、本発明によれば、十分な
透磁率と十分な抵抗率とを併せ持つ混合膜もしくは積層
膜を磁気シールド層として用いたため、磁気記録再生装
置の高記録密度化に対応して記録再生ヘッドのシールド
間隔を狭くした場合にも、磁気抵抗効果膜と磁気シール
ド層の短絡による特性劣化を少なくできる。よって、高
い安定性を持った記録再生ヘッドを提供することがで
き、磁気記録再生装置の誤動作を少なくすることができ
る。更に,記録再生ヘッドを磁気記録再生装置に組み込
む際,もしくは組み込んだ後に,記録再生ヘッドが受け
る静電気ダメージの可能性を低減することができ,磁気
記録再生装置をより安定して動作させることができる。
【0051】また、ヘッド作製時に高温熱処理の必要が
ないので、高温熱処理に弱いが高感度なGMR膜を用い
ることができる。よって、狭シールド間隔かつ高出力の
記録再生ヘッドを安定して提供することができ、高い記
録密度の磁気記録再生装置を実現することができる。
【0052】
【発明の効果】本発明により、シールド間隔を狭くした
場合にも磁気抵抗効果膜と磁気シールドとの短絡による
磁気ヘッドの特性劣化を防ぐことができる。このため、
高い記録密度の磁気記録再生装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における記録再生ヘッドの媒
体対向面図である。
【図2】本発明の記録再生ヘッドの磁気シールド層に含
まれる,不連続積層膜および混合膜の膜構成を示す断面
の概略図である。
【図3】本発明の一実施例である記録再生ヘッドの媒体
対向面図のうち、磁気抵抗効果膜付近を拡大して示した
図である。
【図4】従来の記録再生ヘッドの媒体対向面図のうち、
磁気抵抗効果膜付近を拡大して示した図である。
【図5】本発明の実施例2における記録再生ヘッドの媒
体対向面図である。
【図6】本発明の実施例3における記録再生ヘッドの媒
体対向面図である。
【図7】本発明の実施例4における記録再生ヘッドの媒
体対向面図である。
【図8】本発明の実施例5における記録再生ヘッドの媒
体対向面図である。
【図9】本発明の実施例6における記録再生ヘッドの媒
体対向面図である。
【図10】本発明の実施例7における磁気記録再生装置
の概略図である。
【図11】磁気シールド層の透磁率を変えた場合のシー
ルド効果を表す図。
【符号の説明】
2…絶縁膜、10…再生素子、11…下部放熱層、12
…絶縁膜、13…下部シールド層、14…磁気抵抗効果
膜、15…上部シールド層、16…絶縁膜、17…上部
放熱層、18…非磁性膜、19…磁区制御膜、20…記
録素子、21…高飽和磁束密度膜、22…上部コア、2
3…下部コア、24…記録ギャップ、51…電極,52
…上部ギャップ膜,53…下部ギャップ膜,54…上部
シールド層,55…下部シールド層,61…強磁性金
属,62…絶縁性材料,101…磁気記録媒体、102
…モーター、103…記録再生ヘッド、104…サスペ
ンション、105…アクチュエータ、106…信号処理
回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/08 H01L 43/08 Z (72)発明者 川邉 隆 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 高橋 宏昌 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 木村 久志 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 渡辺 克朗 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 石川 千明 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 戸塚 香 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D034 BA04 BA08 BA15 BB08 BB09 BB12 CA08 5E049 AA01 AA04 AA07 AA09 AA10 AC00 AC05 BA12 BA16 CB02 CB10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の磁気シールド層と、該一対の磁気シ
    ールド層の間に形成された一対のギャップ膜と、該一対
    のギャップ膜の間に形成された磁気抵抗効果膜と、該磁
    気抵抗効果膜に電気的に接合する一対の電極とを備えた
    磁気ヘッドにおいて、前記一対の磁気シールド層のうち
    少なくとも一方の、少なくともギャップ膜側に、強磁性
    金属を含む層と絶縁性材料を含む層とから形成される不
    連続積層膜を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】前記強磁性金属はコバルトを含む合金,ニ
    ッケルを含む合金もしくは鉄を含む合金からなり、前記
    絶縁性材料はアルミまたはシリコンの酸化物、アルミま
    たはシリコンの窒化物、アルミまたはシリコンの炭化
    物、アルミまたはシリコンのほう化物もしくは窒化ほう
    素を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】前記強磁性金属はコバルトと鉄を含む合金
    からなり、前記絶縁性材料はアルミの酸化物を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】前記不連続積層膜から構成される磁気シー
    ルド層の電気抵抗率は、0.1mΩ・m以上であること
    を特徴とする請求項1乃至3記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】前記不連続積層膜から構成される磁気シー
    ルド層の透磁率は、100以上であることを特徴とする
    請求項1乃至4記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】一対の磁気シールド層と、該一対の磁気シ
    ールド層の間に形成された一対のギャップ膜と、該一対
    のギャップ膜の間に形成された磁気抵抗効果膜と、該磁
    気抵抗効果膜に電気的に接合する一対の電極とを備えた
    磁気ヘッドにおいて、前記一対の磁気シールド層のうち
    少なくとも一方の、少なくともギャップ膜側に、強磁性
    金属と絶縁性材料とを有する混合膜であることを特徴と
    する磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】前記強磁性金属はコバルトと鉄を含む合金
    からなり、前記絶縁性材料はアルミの酸化物を含むこと
    を特徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】前記強磁性金属はコバルトを含む合金,ニ
    ッケルを含む合金もしくは鉄を含む合金からなり、前記
    絶縁性材料はアルミまたはシリコンの酸化物、アルミま
    たはシリコンの窒化物、アルミまたはシリコンの炭化
    物、アルミまたはシリコンのほう化物もしくは窒化ほう
    素を含むことを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】前記不連続積層膜から構成される磁気シー
    ルド層の電気抵抗率は、0.1mΩ・m以上であること
    を特徴とする請求項6乃至8記載の磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】前記不連続積層膜から構成される磁気シ
    ールド層の透磁率は、100以上であることを特徴とす
    る請求項6乃至9記載の磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】前記磁気抵抗効果膜が、第一の強磁性
    膜、非磁性導体膜、第二の強磁性膜、反強磁性膜の順に
    形成された積層膜で構成されたことを特徴とする請求項
    1乃至10に記載の磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】前記磁気抵抗効果膜が、外部磁界により
    その磁化方向が変化する第一の強磁性膜と、外部磁界に
    対してその磁化方向がおおむね固定された第二の強磁性
    膜と、前記第一の強磁性膜と前記第二の強磁性膜との間
    に形成された非磁性導体膜とを有する積層膜で構成され
    たことを特徴とする請求項1乃至10に記載の磁気ヘッ
    ド。
  13. 【請求項13】一対の磁気シールド層と、該一対の磁気
    シールド層の間に形成された一対のギャップ膜、該一対
    のギャップ膜の間に形成された、第一の強磁性膜、非磁
    性導体膜、第二の強磁性膜、反強磁性膜の順に形成され
    た積層膜で構成された磁気抵抗効果膜と、該磁気抵抗効
    果膜に電気的に接合する一対の電極とを備え、前記一対
    の磁気シールド層のうち少なくとも一方の、少なくとも
    ギャップ膜側に、強磁性金属を含む層と絶縁性材料を含
    む層とから形成される不連続積層膜を有する磁気ヘッド
    及び情報を磁気的に記録する磁気記録媒体を備えたこと
    を特徴とする磁気記録再生装置。
  14. 【請求項14】情報を磁気的に記録する磁気記録媒体
    と、一対の磁気シールド層、該一対の磁気シールド層の
    間に形成された一対のギャップ膜、該一対のギャップ膜
    の間に形成された、前記磁気記録媒体からの漏洩磁界に
    よりその磁化方向が変化する第一の強磁性膜と、前記磁
    気記録媒体からの漏洩磁界に対してその磁化方向がおお
    むね固定された第二の強磁性膜と、前記第一の強磁性膜
    と前記第二の強磁性膜との間に形成された非磁性導体膜
    とを有する積層膜で構成された磁気抵抗効果膜及び該磁
    気抵抗効果膜に電気的に接合する一対の電極を備え、前
    記一対の磁気シールド層のうち少なくとも一方の、少な
    くともギャップ膜側に、強磁性金属を含む層と絶縁性材
    料を含む層から形成される不連続積層膜を有する磁気ヘ
    ッドとを備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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