JP2001056306A - 試料表面検査装置 - Google Patents

試料表面検査装置

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JP2001056306A
JP2001056306A JP11232261A JP23226199A JP2001056306A JP 2001056306 A JP2001056306 A JP 2001056306A JP 11232261 A JP11232261 A JP 11232261A JP 23226199 A JP23226199 A JP 23226199A JP 2001056306 A JP2001056306 A JP 2001056306A
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Masayasu Yamagata
正靖 山縣
Takaaki Shinkawa
隆朗 新川
Ichiro Namioka
一郎 波岡
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NIPPON DENSHI SYSTEM TECHNOLOG
NIPPON DENSHI SYSTEM TECHNOLOGY KK
Jeol Ltd
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NIPPON DENSHI SYSTEM TECHNOLOG
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検査ウエハの検査を行う際の検査に要する
時間を短縮すること。 【解決手段】 検査される被検査試料W表面のビーム照
射部分から放出される被検査試料表面画像データを記憶
する被検査試料表面画像データ記憶手段と、被検査試料
W表面に設定した原点からの距離rと前記原点を通る基
準軸からの前記原点回りの回転角度θとを使用したrθ
座標位置に対応させた前記被検査試料表面画像データを
記憶する前記被検査試料表面画像データ記憶手段と、表
面に欠陥が無いモデル試料の表面のビーム照射部分から
放出される放出線の検出データに相当するモデル表面画
像データを記憶するモデル表面画像データ記憶手段と、
前記rθ座標位置の被検査試料表面画像データをモデル
表面画像データと比較することにより、被検査試料W表
面の各座標位置における欠陥の有無を検出する欠陥検出
手段とから構成される試料表面検査装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハ
ー、露光用マスク等の検査部品の欠陥(異物付着または
パターン欠陥等)の有無、種類等を検査する試料表面検
査装置に関する。前記試料表面検査装置により検査した
検査部品の欠陥の有無は、前記検査部品を特定する情報
とともに、前記欠陥情報を蓄積管理することにより、そ
の後で検査する部品の欠陥の種類判別作業等に利用する
ことができる。なお、本明細書において、単に「欠陥」
と記載した場合の「欠陥」は、原則として検査部品の品
質を低下させる異物付着、パターン欠陥等のあらゆる欠
陥を含む意味で使用される。また、「異物」と「欠陥」
を対で使用する場合の「異物」および「欠陥」は、それ
ぞれ「異物付着による欠陥」および「異物付着以外の欠
陥」の意味で使用される。また、本明細書において「パ
ターン欠陥」は検査部品上に形成されたパターンの欠陥
を意味し、異物の付着等の欠陥を含まない意味で使用さ
れる。
【0002】
【従来の技術】従来の試料表面検査装置として次の技術
(J01)が知られている。 (J01)特開平10−135288号公報記載の技術 この公報には、次の予備検査と詳細検査を行う技術が記
載されている。 (1)予備検査 被検査ウエハ表面を、市販の光学式の部品検査装置を用
いて予備検査し、検出結果を予備検査情報ファイルに記
憶する。前記予備検査情報ファイルには、製品番号、ロ
ット、被検査ウエハID、工程、製造装置、日付、等の
他に、異物や欠陥の個数、被検査ウエハ上の位置、およ
びサイズなどが記憶される。前記予備検査情報ファイル
に記憶された予備検査情報は、例えば、図53に示すよ
うに表示可能である。図53は予備検査情報の表示例を
示す図であり、図53Aは被検査ウエハである被検査ウ
エハの外形および被検査ウエハ上の異物位置または欠陥
位置を示す図、図53Bは異物番号または欠陥番号♯
0,♯1,…とその位置、大きさ等の情報を表形式で示
す図である。
【0003】(2)詳細検査 前記予備検査情報により、被検査ウエハの製造工程の欠
陥発生状況や傾向を把握することが可能である。前記異
物情報ファイルや欠陥情報ファイル等の予備検査情報フ
ァイルに記憶された前記欠陥番号♯0,♯1,…とその
位置、大きさ等の情報は、詳細検査を行う際に利用され
る。すなわち、前記予備検査情報を参考にして、レビュ
ー装置(詳細検査を行う詳細検査装置)によりレビュー
(詳細検査)を行い欠陥の種類を判別して記憶する。前
記レビュー装置としては走査型電子顕微鏡を用いたレビ
ューSEM(Scanning Electron Microscope、走査電
子顕微鏡)が使用される。なお、本明細書において、
「検査対象物の詳細検査を行って、欠陥(異物を含む)
の具体的位置、形状、分布状況等を知り、欠陥の発生原
因を解明する」ことを「レビュー(Review)する」とい
うことにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記予備検査において
光学式の部品検査装置を使用する場合、予備検査にかか
る時間は短いが、予備検査における欠陥検出精度が低い
という問題点がある。前記予備検査における欠陥検出精
度を高くするために、SEM(走査型電子顕微鏡)を使
用することが考えられる。すなわち、前記SEMにより
被検査ウエハ表面の異物や成膜パターン異常を高倍率で
予備検査する際、被検査ウエハをX軸方向、Y軸方向に
直進移動させることにより、被検査ウエハ表面を順次電
子ビーム照射位置に移動させては停止させ、停止状態で
撮像した被検査ウエハのSEM画像により予備検査する
方法が考えられる。また、被検査ウエハを回転移動させ
て、被検査ウエハ表面を走査して予備検査する方法も考
えられる。
【0005】しかしながら従来、前記SEMによる被検
査ウエハの予備検査は、被検査ウエハ表面を走査するの
に必要な時間が長いために実用化されていない。また、
前記予備検査において光学式の部品検査装置を使用し、
詳細検査でSEMを使用すると、予備検査および詳細検
査における被検査ウエハのXY座標位置がずれるため、
座標位置の補正を行わなければならないという問題点も
ある。また、従来のSEMを使用した詳細検査も検査
(走査)に要する時間が長いという問題点があった。本
発明は、前述の事情に鑑み、下記の記載内容(O01)を
課題とする。(O01)SEM(走査型電子顕微鏡)を使
用して被検査ウエハの検査を行う際の検査に要する時間
を短縮すること。
【0006】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決し
た本発明を説明するが、本発明の説明において本発明の
構成要素の後に付記したカッコ内の符号は、本発明の構
成要素に対応する後述の実施例の構成要素の符号であ
る。なお、本発明を後述の実施例の構成要素の符号と対
応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするた
めであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではな
い。
【0007】(第1発明)前記課題を解決するために、
第1発明の試料表面検査装置は、次の要件(A01)〜
(A04)を備えたことを特徴とする、(A01)検査され
る試料表面である被検査試料(W)表面を荷電粒子ビー
ムで走査したときに前記被検査試料(W)表面のビーム
照射部分から放出される放出線の検出データを前記ビー
ム照射部分の座標位置に対応させたデータである被検査
試料表面画像データ(D)を記憶する被検査試料表面画
像データ記憶手段(C1D2)、(A02)被検査試料
(W)表面に設定した原点からの距離rと前記原点を通
る基準軸からの前記原点回りの回転角度θとを使用した
rθ座標位置に対応させた前記被検査試料表面画像デー
タ(D)を記憶する前記被検査試料表面画像データ記憶
手段(C1D2)、(A03)前記被検査試料(W)と同じ
試料であって表面に欠陥が無いモデル試料の表面を荷電
粒子ビームで走査したときに前記モデル試料表面のビー
ム照射部分から放出される放出線の検出データに相当す
るモデル表面画像データ(M)を記憶するモデル表面画
像データ記憶手段(C1D1)、(A04)前記rθ座標位
置の被検査試料表面画像データ(D)をモデル表面画像
データ(M)と比較することにより、被検査試料(W)
表面の各座標位置における欠陥の有無を検出する欠陥検
出手段(C1E)。
【0008】(第1発明の作用)前記構成を備えた第1
発明の試料表面検査装置では、被検査試料表面画像デー
タ記憶手段(C1D2)は、検査される試料表面である被
検査試料(W)表面を荷電粒子ビームで走査したときに
前記被検査試料(W)表面のビーム照射部分から放出さ
れる放出線の検出データを前記ビーム照射部分の座標位
置に対応させたデータである被検査試料表面画像データ
(D)を記憶する。また、前記被検査試料表面画像デー
タ記憶手段(C1D2)は、被検査試料(W)表面に設定
した原点からの距離rと前記原点を通る基準軸からの前
記原点回りの回転角度θとを使用したrθ座標位置に対
応させた前記被検査試料表面画像データ(D)を記憶す
る。モデル表面画像データ記憶手段(C1D1)は、前記
被検査試料(W)と同じ試料であって表面に欠陥が無い
モデル試料の表面を荷電粒子ビームで走査したときに前
記モデル試料表面のビーム照射部分から放出される放出
線の検出データに相当するモデル表面画像データ(M)
を記憶する欠陥検出手段(C1E)は、前記rθ座標位
置の被検査試料表面画像データ(D)をモデル表面画像
データ(M)と比較することにより、被検査試料(W)
表面の各座標位置における欠陥の有無を検出する。
【0009】前記第1発明では、欠陥の有無を検出する
ために記憶されたモデル表面画像データ(M)および被
検査試料表面画像データ(D)がrθ座標に対応して記
憶される。前記欠陥を検出するために使用されるモデル
表面画像データ(M)および被検査試料表面画像データ
(D)は、試料を回転走査することにより高速に取得す
ることができる。
【0010】(第2発明)また前記課題を解決するため
に第2発明の試料表面検査装置は、次の要件(B01)〜
(B06)を備えたことを特徴とする、(B01)検査され
る試料表面である被検査試料(W)表面を荷電粒子ビー
ムで走査したときに前記被検査試料(W)表面のビーム
照射部分から放出される放出線の検出データを前記ビー
ム照射部分の座標位置に対応させたデータである被検査
試料表面画像データ(D)を記憶する被検査試料表面画
像データ記憶手段(C1D2)、(B02)被検査試料
(W)表面に設定した原点からの距離rと前記原点を通
る基準軸からの前記原点回りの回転角度θとを使用した
rθ座標位置に対応させた前記被検査試料表面画像デー
タ(D)を記憶する前記被検査試料表面画像データ記憶
手段(C1D2)、(B03)前記被検査試料(W)と同じ
試料であって表面に欠陥が無いモデル試料の表面を荷電
粒子ビームで走査したときに前記モデル試料表面のビー
ム照射部分から放出される放出線の検出データに相当す
るモデル表面画像データ(M)を記憶するモデル表面画
像データ記憶手段(C1D1)、(B04)モデル試料表面
に設定した原点を通る垂直なX軸およびY軸により定ま
るXY座標位置に対応させた前記モデル表面画像データ
(M)を記憶する前記モデル表面画像データ記憶手段
(C1D1)、(B05)前記rθ座標位置およびXY座標
位置の一方の座標位置およびその座標位置に対応する表
面画像データを他方の座標位置およびその座標位置に対
応する表面画像データに変換する座標・データ変換手段
(C1F)、(B06)前記変換された一方の座標位置お
よびその座標位置に対応する表面画像データと前記他方
の座標位置およびその座標位置に対応する表面画像デー
タとを比較することにより、被検査試料(W)表面の各
座標位置における欠陥の有無を検出する欠陥検出手段
(C1E)。
【0011】(第2発明の作用)前記構成を備えた第2
発明の試料表面検査装置では、被検査試料表面画像デー
タ記憶手段(C1D2)は、検査される試料表面である被
検査試料(W)表面を荷電粒子ビームで走査したときに
前記被検査試料(W)表面のビーム照射部分から放出さ
れる放出線の検出データを前記ビーム照射部分の座標位
置に対応させたデータである被検査試料(W)表面画像
データを記憶する。また、前記被検査試料表面画像デー
タ記憶手段(C1D2)は、被検査試料(W)表面に設定
した原点からの距離rと前記原点を通る基準軸からの前
記原点回りの回転角度θとを使用したrθ座標位置に対
応させた前記被検査試料表面画像データ(D)を記憶す
る。モデル表面画像データ記憶手段(C1D1)は、前記
被検査試料(W)と同じ試料であって表面に欠陥が無い
モデル試料の表面を荷電粒子ビームで走査したときに前
記モデル試料表面のビーム照射部分から放出される放出
線の検出データに相当するモデル表面画像データ(M)
を記憶する。また、前記モデル表面画像データ記憶手段
(C1D1)は、モデル試料表面に設定した原点を通る垂
直なX軸およびY軸により定まるXY座標位置に対応さ
せた前記モデル表面画像データ(M)を記憶する。
【0012】座標・データ変換手段(C1F)は、前記
rθ座標位置およびXY座標位置の一方の座標位置およ
びその座標位置に対応する表面画像データを他方の座標
位置およびその座標位置に対応する表面画像データに変
換する。欠陥検出手段(C1E)は、前記変換された一
方の座標位置およびその座標位置に対応する表面画像デ
ータと前記他方の座標位置およびその座標位置に対応す
る表面画像データとを比較することにより、被検査試料
(W)表面の各座標位置における欠陥の有無を検出す
る。
【0013】前記第2発明では、記憶されたモデル表面
画像データ(M)および被検査試料表面画像データ
(D)がrθ座標に対応して記憶される。前記rθ座標
に対応して記憶されたモデル表面画像データ(M)およ
び被検査試料表面画像データ(D)は、試料を回転走査
することにより検出することができるので、データ検出
作業を高速に行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1発明の実施の形態1)第1
発明の実施の形態1は、前記第1発明の試料表面検査装
置において、下記の要件(A05)を備えたことを特徴と
する、(A05)モデル試料表面に設定した原点からの距
離rと前記原点を通る基準軸からの前記原点回りの回転
角度θとを使用したrθ座標位置に対応させた前記モデ
ル表面画像データ(M)を記憶する前記モデル表面画像
データ記憶手段(C1D1)。
【0015】(第1発明の実施の形態1の作用)前記構
成を備えた第1発明の実施の形態1では、前記モデル表
面画像データ記憶手段(C1D1)は、モデル試料表面に
設定した原点からの距離rと前記原点を通る基準軸から
の前記原点回りの回転角度θとを使用したrθ座標位置
に対応させた前記モデル表面画像データ(M)を記憶す
る。前記rθ座標位置に対応させた前記モデル表面画像
データ(M)は、モデル試料を回転走査することにより
容易に短時間に作成することができる。
【0016】(第1発明の実施の形態2)第1発明の実
施の形態2の試料表面検査装置は、前記第1発明または
第1発明の実施の形態1において、下記の要件(A06)
〜(A08)を備えたことを特徴とする、(A06)水平な
XY平面内で互いに垂直なX軸およびY軸方向に移動可
能な水平移動テーブル(STx,STy)および鉛直な回
転軸周りに回転可能な回転テーブル(STr)により水
平移動可能且つ回転可能に支持された試料保持装置(2
6〜37,M6,MD6,LS3,LS4)と、前記水平移
動テーブル(STx,STy)を前記X軸およびY軸方向
に移動させるX軸移動装置(Dx+Mx)およびY軸移動
装置(Dy+My)を有する水平移動装置(Dx+Mx+D
y+My)と、前記回転テーブル(STr)を回転駆動す
る回転駆動装置(MD4+M4)とを有する試料ステージ
(U3)、(A07)前記試料ステージ(U3)の試料保持
装置(26〜37,M6,MD6,LS3,LS4)に支持
された被検査試料(W)表面を前記回転テーブル(ST
r)により回転させながら前記被検査試料(W)表面に
荷電粒子ビームを照射して、前記被検査試料(W)表面
から放出される放出線を検出する放出線検出装置(5
4,(54″)を有し、前記被検査試料(W)表面の回
転中心に設定した原点からの距離rと前記原点を通る基
準軸からの前記原点回りの回転角度θとを使用したrθ
座標位置に対応させた放出線の検出データである被検査
試料(W)の表面画像データを検出する荷電粒子ビーム
走査装置(SEM1)、(A08)前記荷電粒子ビーム走
査装置(SEM1)で検出された前記被検査試料(W)
の表面画像データを記憶する前記被検査試料表面画像デ
ータ記憶手段(C1D2)。
【0017】(第1発明の実施の形態2の作用)前記構
成を備えた第1発明の実施の形態2では、試料ステージ
(U3)の試料保持装置(26〜37,M6,MD6,L
S3,LS4)は、水平なXY平面内で互いに垂直なX軸
およびY軸方向に移動可能な水平移動テーブル(ST
x,STy)および鉛直な回転軸周りに回転可能な回転テ
ーブル(STr)により水平移動可能且つ回転可能に支
持される。X軸移動装置(Dx+Mx)およびY軸移動装
置(Dy+My)を有する水平移動装置(Dx+Mx+Dy
+My)は、前記水平移動テーブル(STx,STy)を
前記X軸およびY軸方向に移動させる。回転駆動装置
(MD4+M4)は、前記回転テーブル(STr)を回転
駆動する。荷電粒子ビーム走査装置(SEM1)の放出
線検出装置(54,54″)は、前記試料ステージ(U
3)の試料保持装置(26〜37,M6,MD6,LS3,
LS4)に支持された被検査試料(W)表面を前記回転
テーブル(STr)により回転させながら前記被検査試
料(W)表面に荷電粒子ビームを照射して、前記被検査
試料(W)表面から放出される放出線を検出する。前記
荷電粒子ビーム走査装置(SEM1)は、被検査試料
(W)表面の回転中心に設定した原点からの距離rと前
記原点を通る基準軸からの前記原点回りの回転角度θと
を使用したrθ座標位置に対応させた放出線の検出デー
タである被検査試料表面画像データ(D)を検出する。
前記被検査試料表面画像データ記憶手段(C1D2)は、
前記荷電粒子ビーム走査装置(SEM1)で検出された
前記被検査試料(W)の表面画像データを記憶する。こ
の第1発明の実施の形態2では、rθ座標位置に対応さ
せた放出線の検出データである被検査試料表面画像デー
タ(D)を、回転テーブル(STr)を使用して短時間
で検出することができる。
【0018】(第1発明の実施の形態3)第1発明の実
施の形態3の試料表面検査装置は、前記第1発明または
第1発明の実施の形態1もしくは2において次の要件
(A09)を備えたことを特徴とする、(A09)走査型電
子顕微鏡により構成された前記荷電粒子ビーム走査装置
(SEM1)。
【0019】(第1発明の実施の形態3の作用)前記構
成を備えた第1発明の実施の形態3の試料表面検査装置
では、前記荷電粒子ビーム走査装置(SEM1)は走査
型電子顕微鏡により構成される。したがって、前記走査
型電子顕微鏡により、前記rθ座標位置に対応させた放
出線の検出データである被検査試料表面画像データ
(D)を、回転テーブル(STr)を使用して短時間で
検出することができる。
【0020】(第1発明の実施の形態4)第1発明の実
施の形態4の試料表面検査装置は、前記第1発明の実施
の形態2または3のいずれかにおいて次の要件(A01
0)〜(A012)を備えたことを特徴とする、(A010)
前記X軸およびY軸の一方の軸に平行且つ所定間隔離れ
た複数の直線上に形成され且つ他方の軸方向から見た場
合に前記一方の軸方向に隙間無く並ぶように配置された
複数の一定形状のビーム通過口(AS0〜AS399,BS
0〜BS399)を有し、前記複数の各ビーム通過口(AS
0〜AS399,BS0〜BS399)を通過する荷電粒子ビー
ムに各ビーム通過口(BS0〜BS399)毎に異なる識別
周波数を印加するビーム識別周波数印加部材(PL
2)、(A011)前記試料表面から放出される放出線を検
出する放出線検出器(54a″)と、前記放出線検出器
(54a″)により検出された放出線が有する識別周波
数情報に基づいて前記放出線を前記複数の各ビーム通過
口(AS0〜AS399,BS0〜BS399)を通過した荷電
粒子ビームの前記試料表面の照射部分から放出された放
出線毎に分離する放出線分離装置(54b″)とを有
し、前記各ビーム通過口(AS0〜AS399,BS0〜B
S399)を通過した各荷電粒子ビームの照射部分毎に放
出線を検出する前記放出線検出装置(54″)、(A01
2)前記放出線検出装置(54″)が検出した放出線を
放出した試料表面位置である前記各荷電粒子ビームの試
料表面の照射部分の位置を検出するビーム照射試料表面
位置検出手段。
【0021】(第1発明の実施の形態4の作用)前記構
成を備えた第1発明の実施の形態4の試料表面検査装置
では、ビーム識別周波数印加部材(PL2)は、前記X
軸およびY軸の一方の軸に平行且つ所定間隔離れた複数
の直線上に形成され且つ他方の軸方向から見た場合に前
記一方の軸方向に隙間無く並ぶように配置された複数の
一定形状のビーム通過口(AS0〜AS399,BS0〜B
S399)を有し、前記複数の各ビーム通過口(BS0〜B
S399)を通過する荷電粒子ビームに各ビーム通過口
(BS0〜BS399)毎に異なる識別周波数を印加する。
前記放出線検出装置(54″)は、前記試料表面から放
出される放出線を検出する放出線検出器(54a″)
と、前記放出線検出器(54a″)により検出された放
出線が有する識別周波数情報に基づいて前記放出線を前
記複数の各ビーム通過口(AS0〜AS399,BS0〜B
S399)を通過した荷電粒子ビームの前記試料表面の照
射部分から放出された放出線毎に分離する放出線分離装
置(54b″)とを有し、前記各ビーム通過口(AS0〜
AS399,BS0〜BS399)を通過した各荷電粒子ビー
ムの照射部分毎に放出線を検出する。ビーム照射試料表
面位置検出手段は前記放出線検出装置(54″)が検出
した放出線を放出した試料表面位置である前記各荷電粒
子ビームの試料表面の照射部分の位置を検出する。した
がって、前記複数の一定形状のビーム通過口(AS0〜
AS399,BS0〜BS399)を通過する荷電粒子ビーム
により、試料表面の複数のビーム照射部分からの放出線
を分離して検出することができる。このため、一度に試
料表面の複数のビーム照射部分からの放出線を検出でき
るので、試料の表面検査速度が向上する。
【0022】前記本発明において、前記放出線検出装置
(54,54″)としては、2次電子検出装置、反射電
子検出装置、オージェ電子検出装置、X線検出装置等を
使用可能である。また、前記被検査用の試料としては、
被検査ウエハ、または、露光用のマスク等を使用可能で
ある。
【0023】(第2発明の実施の形態1)第2発明の実
施の形態1の試料表面検査装置は、前記第2発明におい
て次の要件(B07)〜(B09)を備えたことを特徴とす
る、(B07)水平なXY平面内で互いに垂直なX軸およ
びY軸方向に移動可能な水平移動テーブル(STx,S
Ty)および鉛直な回転軸周りに回転可能な回転テーブ
ル(STr)により水平移動可能且つ回転可能に支持さ
れた試料保持装置(26〜37,M6,MD6,LS3,
LS4)と、前記水平移動テーブル(STx,STy)を
前記X軸およびY軸方向に移動させるX軸移動装置(D
x+Mx)およびY軸移動装置(Dy+My)を有する水平
移動装置(Dx+Mx+Dy+My)と、前記回転テーブル
(STr)を回転駆動する回転駆動装置(D4+M4)と
を有する試料ステージ(U3)、(B08)前記試料ステ
ージ(U3)の試料保持装置(26〜37,M6,MD
6,LS3,LS4)に支持された被検査試料(W)表面
を前記回転テーブル(STr)により回転させながら前
記被検査試料(W)表面に荷電粒子ビームを照射して、
前記被検査試料(W)表面から放出される放出線を検出
する放出線検出装置(54)を有し、前記被検査試料
(W)表面の回転中心に設定した原点からの距離rと前
記原点を通る基準軸からの前記原点回りの回転角度θと
を使用したrθ座標位置に対応させた放出線の検出デー
タである被検査試料(W)の表面画像データを検出する
荷電粒子ビーム走査装置(SEM1)、(B09)前記荷
電粒子ビーム走査装置(SEM1)で検出された前記被
検査試料(W)の表面画像データを記憶する前記被検査
試料表面画像データ記憶手段(C1D2)。
【0024】(第2発明の実施の形態1の作用)前記構
成を備えた第2発明の実施の形態1の試料表面検査装置
では、試料ステージ(U3)の試料保持装置(26〜3
7,M6,MD6,LS3,LS4)は、水平なXY平面内
で互いに垂直なX軸およびY軸方向に移動可能な水平移
動テーブル(STx,STy)および鉛直な回転軸周りに
回転可能な回転テーブル(STr)により水平移動可能
且つ回転可能に支持される。X軸移動装置(Dx+Mx)
およびY軸移動装置(Dy+My)を有する水平移動装置
(Dx+Mx+Dy+My)は、前記水平移動テーブル(S
Tx,STy)を前記X軸およびY軸方向に移動させる。
回転駆動装置(D4+M4)は、前記回転テーブル(ST
r)を回転駆動する。荷電粒子ビーム走査装置(SEM
1)の放出線検出装置(54)は、前記試料ステージ
(U3)の試料保持装置(26〜37,M6,MD6,L
S3,LS4)に支持された被検査試料(W)表面を前記
回転テーブル(STr)により回転させながら前記被検
査試料(W)表面に荷電粒子ビームを照射して、前記被
検査試料(W)表面から放出される放出線を検出する。
前記荷電粒子ビーム走査装置(SEM1)は、被検査試
料(W)表面の回転中心に設定した原点からの距離rと
前記原点を通る基準軸からの前記原点回りの回転角度θ
とを使用したrθ座標位置に対応させた放出線の検出デ
ータである被検査試料表面画像データ(D)を検出す
る。前記被検査試料表面画像データ記憶手段(C1D2)
は、前記荷電粒子ビーム走査装置(SEM1)で検出さ
れた前記被検査試料(W)の表面画像データを記憶す
る。この第2発明の実施の形態2では、rθ座標位置に
対応させた放出線の検出データである被検査試料表面画
像データ(D)を、回転テーブル(STr)を使用して
短時間で検出することができる。
【0025】(第2発明の実施の形態2)第2発明の実
施の形態2の試料表面検査装置は、前記第2発明または
第2発明の実施の形態1において次の要件(B010)を
備えたことを特徴とする、(B010)走査型電子顕微鏡
により構成された前記荷電粒子ビーム走査装置(SEM
1)。
【0026】(第2発明の実施の形態2の作用)前記構
成を備えた第2発明の実施の形態2の試料表面検査装置
では、前記荷電粒子ビーム走査装置(SEM1)は走査
型電子顕微鏡により構成される。したがって、前記走査
型電子顕微鏡により、前記rθ座標位置に対応させた放
出線の検出データである被検査試料表面画像データ
(D)を、回転テーブル(STr)を使用して短時間で
検出することができる。
【0027】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の実施例の
試料表面検査装置を説明するが、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。なお、以後の説明の理解を
容易にするために、図面において、前後方向をX軸方
向、右左方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢
印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す
側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、
または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙
面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に
「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印
を意味するものとする。
【0028】(実施例1)図1は本発明の試料表面検査
装置の実施例1の全体説明図である。図2は同実施例1
の全体斜視図である。図3は同実施例の部分平面図であ
る。図1〜図3において、試料表面検査装置Uは、予備
検査用走査型電子顕微鏡SEM1および詳細検査用走査
型電子顕微鏡SEM2を有している。前記予備検査用走
査型電子顕微鏡SEM1および詳細検査用走査型電子顕
微鏡SEM2は真空試料室Aを形成する外壁1の上壁部
2に支持されている。前記真空試料室A内には試料ステ
ージU3が配置されており、試料ステージU3は外壁1の
底壁3上に支持されている。
【0029】試料ステージU3は、YテーブルSTyおよ
びXテーブルSTxを有するXYテーブル(STx+ST
y)と、回転テーブルSTrとを有している。前記回転テ
ーブルSTr上には図1、図3に示す試料(ウエハ)W
が支持されている。外壁1の右側壁部4には試料ステー
ジ制御機構や真空ポンプ等を収容する作動部材収容室B
が配置されている。前記作動部材収容室Bの右側には試
料検査制御装置Cが配置されている。試料検査制御装置
CはSEM1用コントローラC1(図8参照)およびS
EM2用コントローラC2(図8参照)と、前記各コン
トローラC1およびC2に接続されたSEM画像用のデ
ィスプレイD1およびD3と、SEM1,SEM2に装着さ
れた光学撮像装置用のディスプレイD2,D4(図1、図
8参照)を有している。
【0030】図3において、前記真空試料室Aを形成す
る外壁1の後壁部(−X側の壁部)5外側には試料交換
室Eおよびカセット収納室Fが配置されている。前記真
空試料室A、試料交換室E、およびカセット収納室Fは
いずれも真空ポンプ(図示せず)に接続されており、所
定のタイミングで真空にされる。前記真空試料室Aおよ
び試料交換室Eの間には、仕切弁6(図3参照)により
連通または遮断される連通口(図示せず)が設けられて
いる。前記試料交換室Eおよび前記カセット収納室Fの
間には、仕切弁7(図3参照)により連通または遮断さ
れる連通口(図示せず)が設けられている。
【0031】前記カセット収納室Fの上壁にはウエハカ
セットWKを出入させるための外部仕切弁8が設けられ
ている。ウエハカセットWKは、外部仕切弁8の上方を
通過するように配置された図示しないチェーンコンベア
により搬送されるカセット搬送部材(図示せず)の上下
に伸縮可能なエアシリンダ下端に設けた真空吸着パッド
により吸着された状態で、前記外部仕切弁8から出入さ
れる。
【0032】カセット収納室Fに配置されたウエハカセ
ットWKには、複数のウエハ(試料)Wが取出可能に収
納されている。前記ウエハカセットWKは図15に示す
ように、カセットテーブル昇降用モータMLにより昇降
するように構成されている。図2、図3において、試料
交換室Eに配置されたウエハ搬送部材9はウエハWを支
持する搬送アーム9aを有している。前記搬送アーム9a
は、上下動、鉛直軸周りの回転、直進が可能であり、前
記ウエハカセットWKと試料ステージU3との間で前記
ウエハWを搬送する。図15から分かるように、搬送ア
ーム9aは、アーム回転モータM1により鉛直軸周りに回
転し、アーム直進モータM2により直進し、アーム昇降
モータM3により昇降可能に構成されている。なお、前
記搬送アーム9aを移動させる構成は従来周知である。
【0033】図4は真空試料室(真空作業室)内に配置
されたXYテーブルに支持された回転テーブルの昇降ロ
ッドの説明図で、前記図3のIV−IV線断面図であ
る。図5は前記図4の要部拡大図である。図6は前記図
5の回転テーブル上に載置された試料Wの位置決め機構
の説明図で、回転テーブルが前記図5とは異なる位置に
回転したときの断面図である。
【0034】図4において、前記真空試料室A内に配置
された試料ステージU3は、ウエハWを前記予備検査用
走査型電子顕微鏡SEM1または詳細検査用走査型電子
顕微鏡SEM2により検査を行う位置(作業位置)に移
動させるための装置である。試料ステージU3の前記Y
テーブルSTy上には前記XテーブルSTxがX軸方向
(前後方向)に移動可能に支持されている。前記Xテー
ブルSTx上にはベアリング11を介して円形の回転テ
ーブルSTrが回転可能に支持されている。回転テーブ
ルSTrにはガイド溝12およびアーム収容溝13(図
6参照)が形成されている。また前記回転テーブルST
rはその外周にギヤ14が形成されており、ギヤ14は
回転テーブル駆動モータM4(図16参照)により回転
するウオームギヤ16と噛み合っている。そして回転テ
ーブルSTrは、前記ウオームギヤ16の回転にともな
って回転するように構成されている。
【0035】図5において、回転テーブルSTrには、
前記搬送アーム9aにより真空試料室A内に搬送された
ウエハWを受け取ったり、作業済のウエハWを搬送アー
ム9a上に移動させるための上下動テーブル17が上下
動可能に支持されている。上下動テーブル17は上端に
設けた円形の試料載置プレート17aおよび下方に延び
るロッド17bを有している。前記ロッド17b下端には
バネ受けプレート18が固定されている。バネ受けプレ
ート18と前記回転テーブルSTr下面との間には圧縮
バネ19が配置されている。前記圧縮バネ19により前
記上下動テーブル17は、常時下方に付勢され(押し下
げられ)ている。前記上下動テーブル17の下面には、
扇形のテコ20が水平軸21周りに回転可能に支持され
ている。前記テコ20のテーブル支持面20aは上下動
テーブル17の下端を支持している。テコ20の被押圧
面20bには、ナット22先端のボール22aが当接して
いる。ナット22には被ガイドバー23が一体的に設け
られており、被ガイドバー23は前記回転テーブルST
rに形成された前記ガイド溝12に係合している。
【0036】前記回転テーブルSTrの下面には上下動
テーブル駆動モータM5(図5、図15参照)が支持さ
れており、上下動テーブル駆動モータM5により回転す
るボルト軸(ネジが形成された軸)24は前記ナット2
2と螺合している。したがって、前記上下動テーブル駆
動モータM5が回転したときにはボルト軸24が回転
し、ナット22および被ガイドバー23は前記ガイド溝
12に沿って移動し、そのとき前記テコ20が前記水平
軸21周りに回動するように構成されている。そして、
テコ20の回動によりテコ20のテーブル支持面20a
が上下し、それに連動して前記上下動テーブル17が上
下動するように構成されている。なお、前記ナット22
および被ガイドバー23の移動範囲の両端には、前記被
ガイドバー23との接触により作動するリミットスイッ
チLS1,LS2が配置されており、前記ナット22の移
動範囲は制限されている。
【0037】図5、図6に示すように、回転テーブルS
Tr上の前記上下動テーブル17周囲には、ウエハ支持
部材としての複数の球面部材26が設けられている。ま
た図6から分かるように、前記複数の球面部材26の外
側には鉛直軸回りに回転自在なウエハWの位置決め用の
基準ローラ27,27(1個のみ図示)、および移動ロ
ーラ28が設けられている。図6において、前記移動ロ
ーラ28は、図6で紙面に垂直な方向に伸びる揺動アー
ム29により鉛直軸回りに回転自在に支持されており、
前記揺動アーム29は、前記回転テーブルSTr上面に
設けられた図6に示す前記アーム収容溝13内で水平方
向に揺動して、移動ローラ28を図6の実線位置と2点
鎖線位置との間で移動させるように構成されている。図
6に示すように、揺動アーム29先端には下方に延びる
揺動用被作動部材31が設けられている。揺動用被作動
部材31は回転テーブルSTr下面に配置された引張バ
ネ32により常時回転テーブルSTrの中心側に向かっ
て付勢されている。また、揺動用被作動部材31にはナ
ット33先端のボール33aが当接している。ナット3
3には被ガイドバー34が一体的に設けられており、被
ガイドバー34は前記回転テーブルSTrに支持された
ブラケット36に形成されたガイド溝36aに係合して
いる。
【0038】前記ブラケット36にはワーク位置決めモ
ータM6が支持されており、ワーク位置決めモータM6に
より回転するボルト軸(ネジが形成された軸)37は前
記ナット33と螺合している。なお、ワーク位置決めモ
ータM6はワーク位置決めモータ駆動回路DM6(図16
参照)により駆動される。したがって、前記ワーク位置
決めモータM6が回転したときにはボルト軸37が回転
し、ナット33および被ガイドバー34は前記ガイド溝
36aに沿って移動し、そのとき前記揺動用被作動部材
31および揺動アーム29が鉛直な揺動軸(図示せず)
周りに揺動するように構成されている。そして、揺動ア
ーム29の揺動により前記移動ローラ28が移動して、
ウエハWを基準ローラ27,27に押し付けて位置決め
するように構成されている。なお、前記ナット33およ
び被ガイドバー34の移動範囲の両端には、前記被ガイ
ドバー34との接触により作動するリミットスイッチL
S3,LS4が配置されており、前記ナット33の移動範
囲は制限されている。前記符号26〜37,M6,MD
6,LS3,LS4で示された要素によりウエハ保持装置
(試料保持装置)(26〜37,M6,MD6,LS3,
LS4)が構成されている。
【0039】図5において、前記移動ローラ28により
前記基準ローラ27,27に押し付けられて位置決め固
定されたウエハWは、回転テーブルSTr、Xテーブル
STx、YテーブルSTyにより、真空試料室Aに設けら
れた前記予備検査用走査型電子顕微鏡SEM1または詳
細検査用走査型電子顕微鏡SEM2(図1、図4参照)
に対して所望の位置に移動し、検査が行われる。
【0040】図7は前記詳細検査用走査型電子顕微鏡S
EM2の前記上壁部2への取付構造を示す図である。詳
細検査用走査型電子顕微鏡SEM2は、試料ステージU3
に支持されたウエハWに対する電子ビームの照射角度を
調節できるようにするため、上壁部2に回動可能且つ回
動位置を調節可能に支持されている。すなわち、前記上
壁部2には、鏡筒支持部材38が固定されている。鏡筒
支持部材38は断面長円形の鏡筒貫通孔38aと上面に
形成された円筒状ガイド面38bと、円筒状ガイド面3
8bの円周方向に形成された小さなローラガイド溝38c
とを有している。
【0041】前記鏡筒貫通孔38aには詳細検査用走査
型電子顕微鏡SEM2の鏡筒が貫通している。詳細検査
用走査型電子顕微鏡SEM2の外側面にはローラ支持部
材39が連結されている。ローラ支持部材39の外端部
に回転自在に支持されたローラ41は前記円筒状ガイド
面38b上を前記ローラガイド溝38cに沿って回動可能
であり、その回動により前記詳細検査用走査型電子顕微
鏡SEM2は左右軸(Y軸)周りに回動可能である。な
お、前記鏡筒支持部材38下端と前記詳細検査用走査型
電子顕微鏡SEM2下端部との間は真空保持用のベロー
ズ42により連結されている。
【0042】図2、図4、図7において、前記ローラ支
持部材39の左端部(−Y端部)には円弧状ギヤ43が
固定されている。前記円弧状ギヤ43に噛み合うウォー
ムギヤ44は、前記上壁部2の上面に設けたウォームギ
ヤ支持部材46および鏡筒傾斜用モータユニットM7に
より回転可能に支持されている。前記鏡筒傾斜用モータ
ユニットM7の回転駆動により前記詳細検査用走査型電
子顕微鏡SEM2の傾斜姿勢を調節可能である。なお、
本実施例では傾斜可能な詳細検査用走査型電子顕微鏡S
EM2を設けているが、本発明の試料表面検査装置U
は、前記詳細検査用走査型電子顕微鏡SEM2を傾斜不
可能に固定支持することも可能であり、また、詳細検査
用走査型電子顕微鏡SEM2自体を省略することも可能
である。
【0043】図8は試料検査制御装置Cに接続された予
備検査用走査型電子顕微鏡SEM1の構成要素のブロッ
ク線図である。図8において予備検査用走査型電子顕微
鏡SEM1は、検査用鏡筒47、電子銃カソード(電子
銃)F1、電子銃引出電極F2、収束レンズF3、ブラン
キングコイルF4、照明用の光源F5、電子ビームをX
軸、Y軸方向にそれぞれ走査させるためのX偏向器F
6、Y偏向器F7、および電子ビームを被検査ウエハW上
に収束させる対物レンズF8等を有している。前記電子
銃カソード(電子銃)F1および電子銃引出電極F2によ
り電子銃(F1+F2)が構成されている。また、前記収
束レンズF3および対物レンズF8によりビーム縮小レン
ズ系(F3+F8)が構成されている。前記Y偏向器F7
は第1Y偏向器F7aおよび第2Y偏向器F7bを有してい
る。
【0044】前記符号F1〜F8で示された要素はそれぞ
れ、カソード用電源回路E1、電子線引出用電源回路E
2、収束レンズ駆動回路E3、ブランキングコイル駆動回
路E4、照明用電源回路E5、X偏向器駆動回路E6、Y
偏向器駆動回路E7、対物レンズ駆動回路E8により作動
する。前記Y偏向器駆動回路E7は、前記第1Y偏向器
F7aを駆動する第1Y偏向器駆動回路E7aおよび前記第
2Y偏向器F7bを駆動する第2Y偏向器駆道回路E7bを
有している。前記X偏向器駆動回路E6およびY偏向器
駆動回路E7により偏向器駆動回路(E6+E7)が構成
されている。前記符号E1〜E8で示された回路は前記試
料検査制御装置CのSEM1用コントローラC1が出力
する制御信号により作動する。前記符号F1〜F4,F6
〜F8,E1〜E4,E6〜E8で示された要素により電子
ビーム走査装置(F1〜F4+F6〜F8+E1〜E4+E6
〜E8)が構成されている。
【0045】図8において、前記Y偏向器F7の下方に
はカセグレン鏡48が配置され、その上方にはミラー4
9が配置されている。前記光源F5から出射してレンズ
系51でコリメートされた照明光は、ハーフミラー52
で反射し、前記ミラー49およびカセグレン鏡48を通
って被検査ウエハWを照射する。被検査ウエハWの反射
光は、前記カセグレン鏡48、ミラー49、ハーフミラ
ー52を通ってCCD等を有する光学像撮影装置53で
撮影される。撮影光学像は、ディスプレイD2に表示さ
れるとともに、デジタルデータに変換されてSEM1用
コントローラC1に入力される。
【0046】前記予備検査用走査型電子顕微鏡SEM1
下端の外周部には2次電子検出器54aが保持されてい
る。前記2次電子検出器54aおよび図示しない2次電
子増幅回路等から2次電子検出装置(すなわち、放出線
検出装置)54(図8等参照)が構成されている。な
お、前記2次電子検出装置の代わりに、反射電子、オー
ジェ電子等を検出する放出線検出装置を使用することが
可能である。
【0047】図9は詳細検査用走査型電子顕微鏡SEM
2の構成要素のブロック線図である。図9において詳細
検査用走査型電子顕微鏡SEM2は、前記図8に示す予
備検査用走査型電子顕微鏡SEM1と同様の構成を備え
ている。すなわち、図9において詳細検査用走査型電子
顕微鏡SEM2は、検査用鏡筒47′、電子銃カソード
(電子銃)F11、電子銃引出電極F12、収束レンズF1
3、ブランキングコイルF14、照明用の光源F15、電子
ビームをX軸、Y軸方向にそれぞれ走査させるためのX
偏向器F16、Y偏向器F17、および電子ビームを被検査
ウエハW上に収束させる対物レンズF18等を有してい
る。
【0048】前記符号F11〜F18で示された要素はそれ
ぞれ、カソード用電源回路E11、電子線引出用電源回路
E12、収束レンズ駆動回路E13、ブランキングコイル駆
動回路E14、照明用電源回路E15、X偏向器駆動回路E
16、Y偏向器駆動回路E17、対物レンズ駆動回路E18に
より作動する。前記符号E11〜E18で示された回路は前
記試料検査制御装置CのSEM2用コントローラC2が
出力する制御信号により作動する。前記符号F11〜F1
4,F16〜F18,E11〜E14,E16〜E18で示された要
素により電子ビーム走査装置(F11〜F14+F16〜F18
+E11〜E14+E16〜E18)が構成されている。
【0049】また、図9において、前記Y偏向器F17の
下方にはカセグレン鏡48′が配置され、その上方には
ミラー49′が配置されている。前記光源F15から出射
してレンズ系51′でコリメートされた照明光は、ハー
フミラー52′で反射し、前記ミラー49′およびカセ
グレン鏡48′を通って被検査ウエハWを照射する。被
検査ウエハWの反射光は、前記カセグレン鏡48′、ミ
ラー49′、ハーフミラー52′を通ってCCD等を有
する光学像撮影装置53′で撮影される。撮影光学像
は、ディスプレイD4に表示されるとともに、デジタル
データに変換されてSEM2用コントローラC2に入力
される。
【0050】前記詳細検査用走査型電子顕微鏡SEM2
下端の外周部には2次電子検出器54a′が保持されて
いる。前記2次電子検出器54a′および図示しない2
次電子増幅回路等から前記SEM2の反射ビーム検出装
置(すなわち、放出線検出装置)54′(図9等参照)
が構成されている。また前記詳細検査用走査型電子顕微
鏡SEM2下端の外周部にはEDS(Energy Dispersive
X-ray Spectrometer、エネルギー分散X線分光装置)
のX線検出器55が装着されている。EDSは、図9に
示すように、SEM2用コントローラC2の制御信号に
より作動し、その検出信号は、SEM2用コントローラ
C2に入力されている。
【0051】図10は本発明の実施例1の被検査ウエハ
の検査用データ検出方法の説明図であり、被検査ウエハ
を回転させながら検査する回転検査領域と被検査ウエハ
をX方向およびY方向に直進移動させながら検査するX
Y直進走査領域とに分けて検査用データを検出する方法
の説明図である。図11は同実施例1の被検査ウエハW
の検査用データ検出方法の詳細説明図で、回転検査領域
の検査用データ検出方法の説明図である。図12は前記
図11の要部拡大説明図である。図13はXY直進走査
領域の検査用データ検出方法の説明図である。図14は
前記図13の拡大説明図である。図10において被検査
ウエハWの表面は、全検査領域を内側に含むように設定
された外側設定円W1と、前記被検査ウエハW表面の中
心W0を含むウエハ中心部に設定された内側設定円W2と
の間の領域であるリング状の回転走査領域RAと、前記
内側設定円W2に外接する矩形W3の内側の領域である矩
形領域(XY直進走査領域)RBとに分けて検査(走
査)される。
【0052】(回転走査領域RA)図10、図11にお
いて、外側設定円W1は直径300mm(半径150m
m)の被検査ウエハWの外周円から1mm内側に設定さ
れており、内側設定円W2は被検査ウエハの中心W0を中
心とする半径30mm(直径60mm)の円により形成
されている。この場合外側設定円W1と内側設定円W2と
の半径の差(すなわち、リング状の回転走査領域RAの
半径方向の長さは、150mm−30mm−1mm=1
19mmである。この場合、回転走査領域RAは、半径
方向に0.1mm間隔で描かれる円により、1190の
リング状領域に分割される。すなわち、外側から内側に
向かって順次、リング状回転走査領域RA0,RA1,R
A2,RA3,RA4,RA5,RA6,…,RAn-1,RA
n,RAn+1,…,RA1188,RA1189に分割される。そ
して、リング状回転走査領域RA0,RA1,RA2,R
A3,…は、一番外側の領域RA0から順次内側に検査
(走査)される。
【0053】前記回転走査領域RAの走査(検査)は、
XYテーブル(STx+STy)を停止した状態で回転テ
ーブルSTrを連続5回転することにより行う。すなわ
ち、図11において、電子ビーム照射位置がP0(図1
1参照)となる位置に試料ステージU3を移動させた
後、回転テーブルSTrを時計方向にθa回転させる。そ
の位置から回転テーブルSTrを反時計方向に回転させ
てビーム照射位置がP0になった時から前記第1Y偏向
器F7aによりリング状回転走査領域RA0をY方向に、
0.1mm幅で且つ前記0.1mm幅を1μm間隔の10
0ドットに分割して走査しながら、回転テーブルSTr
を連続5回転させる。すなわち、本実施例1では、ウエ
ハW表面を走査する電子ビームのビーム幅は1μmであ
る。前記回転テーブルSTrが最初の1回転を行ったと
きに、前記第2Y偏向器F7bによりビーム照射位置を−
Y方向に0.1mm移動(すなわち、Y方向に−0.1m
m移動)させてP1(図11参照)に移動させるとリン
グ状回転走査領域RA1の走査が連続して行われる。
【0054】このようにして、前記回転テーブルSTr
を連続5回転させながら、1回転する毎に前記第2Y偏
向器F7bによりビーム照射位置を−Y方向に0.1mm
偏向させることにより、5個のリング状回転走査領域R
A0〜RA4の走査(検査)を連続して行う。このときの
各リング状回転走査領域RA0,RA1,RA2,RA3,
RA4,…の走査順序は図11の矢印Tで示すとおりで
ある。前記5個のリング状回転走査領域RA0〜RA4の
走査幅の合計幅は0.1mm×5=0.5mmであり、前
記0.5mmの走査幅はXYテーブルの移動を伴うこと
なく、電子ビームのY軸方向の偏向のみにより走査され
る。前述のように回転開始時に時計方向にθa回転して
から、反時計方向への回転を開始するする理由は、回転
開始時は回転速度が低いので回転速度が一定となってか
ら、リング状回転走査領域RA0,…の走査を行うため
である。
【0055】前記リング状回転走査領域RA4の走査を
終了してからブランキングコイルF4をオンにして電子
ビームが被検査ウエハWを照射しない状態にして、回転
テーブルSTrを停止させるが、そのときの回転テーブ
ルSTrの停止位置は、前記ビーム照射位置P4を通り越
して回転した位置である。そのため、回転テーブルST
rを時計方向に回転させて、前記ビーム照射位置P4がθ
aだけ時計方向に回転した位置に停止させる。
【0056】次に、XYテーブル(STx+STy)をY
方向に0.5mm移動させ且つ前記第2Y偏向器F7bに
よりビーム照射位置をY方向に0.4mm移動させて、
ビーム照射位置をP5に移動させる。この状態でXYテ
ーブル(STx+STy)を停止させて前述と同様に回転
テーブルを連続5回転させながら、リング状回転走査領
域RA5〜RA9の走査(検査)を行う。このような走査
(XYテーブル(STx+STy)が停止した状態で回転
テーブルSTrを連続5回転させながら行う5個のリン
グ状回転走査領域の走査)を、1190/5=238
(回)実行することにより、回転走査領域RAの走査
(検査)を実行することができる。なお、前記回転走査
領域RAの走査を行う際、リング状回転走査領域RA0
〜RA1189の周方向の移動速度を一定にしながら行うた
め、リング状回転走査領域が内側になるに従って、回転
テーブルSTrの回転速度を高くする。
【0057】(XY直進走査領域RB)図13におい
て、XY直進走査領域RBを形成する矩形は被検査ウエ
ハの中心W0を中心とする一辺の長さが60mmの正方
形である。この場合、XY直進走査領域RBは、幅0.
1mm、長さ60mmのX軸方向に伸びる600本の帯
状走査領域RB0,RB1,RB2,…,RBM,RBM+
1,…,RB599に分けて、右方から左方に順次走査され
る。
【0058】前記XY直進走査領域RBの走査(検査)
は、YテーブルSTyの移動を停止した状態でXテーブ
ルSTxの往復移動を連続2.5回行うこと(片道移動を
連続5回行うこと)を繰り返し実行することにより行
う。すなわち、図13において、電子ビーム照射位置が
Q0(図13参照)となる位置に試料ステージU3を移動
させた状態で、さらにXテーブルSTxをΔXだけX方
向に移動させる。このとき、電子ビーム照射位置はXY
直進走査領域RBから−X方向にΔXだけ外側にずれた
位置となる。この位置からXテーブルSTxを−X方向
に移動させると、ビーム照射位置は徐々にXY直進走査
領域RBに近づく。
【0059】前記ビーム照射位置がXY直進走査領域R
Bに達したときから、前記第1Y偏向器F7aにより帯状
走査領域RB0をY方向に走査幅0.1mmで走査しなが
ら、XテーブルSTxを−X方向に60mm移動させ
る。前記XテーブルSTxが−60mm移動したとき
に、ビーム照射をオフにするとともに、XテーブルST
xの停止動作を開始する。このとき、XテーブルSTxは
急には停止できないので、ビーム照射位置はXY直進走
査領域RBからΔXだけ外側にずれた位置となる。前記
XテーブルSTxを60mm+2ΔXのストロークで往
復移動させることにより、前記60mm長さのXY直進
走査領域RBを等速度移動しながら走査することができ
る。すなわち、XY直進走査領域RBを走査する際、ウ
エハW上のビーム照射領域である走査部分の移動速度を
一定にすることができる。
【0060】前記ビーム照射位置がXY直進走査領域R
BからΔXだけ外側にずれた位置からXテーブルをX方
向に移動させると、ビーム照射位置は徐々にXY直進走
査領域RBに近づく。前記ビーム照射位置がXY直進走
査領域RBに達したときから、前記第2Y偏向器F7bに
よりビーム照射位置を−Y方向に0.1mm移動(すな
わち、Y方向に−0.1mm移動)させて、ビーム照射
点をQ0′(図13参照)からQ1′に移動させる。そし
て、XテーブルSTxをX方向に移動させながら、帯状
走査領域RB1の走査が行われる。このようにして、前
記XテーブルSTxを60mm+2ΔXのストロークで
往復移動させながら、折り返して走査する毎に前記第2
Y偏向器を−Y方向に0.1mm移動させることによ
り、YテーブルSTyを移動させることなく、5本の帯
状走査領域RB0〜RB4の走査(検査)を連続して行
う。
【0061】次に、ブランキングコイルF4をオンにし
て電子ビームが被検査ウエハWを照射しない状態で、X
Yテーブル(STx+STy)をY方向に0.5mm移動
させてビーム照射位置をQ4′(図13参照)からQ5′
に移動させる。この状態でYテーブルSTyを停止させ
てXテーブルSTxを連続2.5往復移動させながら、前
述と同様に帯状走査領域RB5〜RB9の走査(検査)を
行う。このような走査(YテーブルSTyが停止した状
態でXテーブルSTxを連続2.5往復移動させながら行
う5本の帯状走査領域の走査)を、60(mm)/0.
5(mm)=120(回)実行することにより、XY直
進走査領域RBの走査(検査)を実行することができ
る。
【0062】図15は本発明の試料表面検査装置の実施
例1の制御部の説明図で、試料検査制御装置Cの説明図
である。図16は本発明の試料表面検査装置の実施例1
の制御部の説明図で、前記図15の続きの部分を示す図
である。図17は本発明の試料表面検査装置の実施例1
の制御部の説明図で、前記図16の続きの部分を示す図
である。図15〜図17において、試料検査制御装置C
は、SEM1用コントローラ(予備検査用コントロー
ラ)C1、SEM2用コントローラ(詳細検査用コント
ローラ)C2(図17参照)を有している。試料検査制
御装置Cにはアーム回転モータ駆動回路MD1、アーム
直進モータ駆動回路MD2、アーム昇降モータ駆動回路
MD3、カセットテーブル昇降用モータ駆動回路MDL、
Yテーブル駆動回路Dy、Xテーブル駆動回路Dx、回転
テーブル駆動回路MD4、上下動テーブル駆動回路MD
5、ワーク位置決めモータ駆動回路MD6、鏡筒傾斜用駆
動回路MD7、等が接続されている。
【0063】前記アーム回転モータ駆動回路MD1は、
アーム回転モータM1(図15参照)を駆動して前記搬
送アーム9aを鉛直軸周りに回転させる。前記アーム直
進モータ駆動回路MD2は、アーム直進モータM2(図1
5参照)を駆動して前記搬送アーム9aを水平方向に直
進させる。前記アーム昇降モータ駆動回路MD3は、ア
ーム昇降モータM3(図15参照)を駆動して搬送アー
ム9a(図2、図3参照)を昇降させる。前記カセット
テーブル昇降用モータ駆動回路MDLは、カセットテー
ブル昇降用モータML(図15参照)を駆動する。前記
Yテーブル駆動回路Dyは、Yテーブル駆動モータMyを
駆動してXYテーブル(STx+STy)のYテーブルS
Tyを移動させる。前記Yテーブル駆動回路DyおよびY
テーブル駆動モータMyにより前記YテーブルSTyを移
動させるY軸移動装置としてのYテーブル駆動装置(D
y+My)が構成されている。
【0064】前記Xテーブル駆動回路Dxは、Xテーブ
ル駆動モータMxを駆動してXYテーブル(STx+ST
y)のXテーブルSTxを移動させる。前記Xテーブル駆
動回路DxおよびXテーブル駆動モータMxにより前記X
テーブルSTxを移動させるX軸移動装置としてのXテ
ーブル駆動装置(Dx+Mx)が構成されている。なお、
前記Yテーブル駆動装置(Dy+My)とXテーブル駆動
装置(Dx+Mx)とから水平移動装置としてのXYテー
ブル駆動装置(Dy+My+Dx+Mx)が構成される。前
記回転テーブル駆動回路MD4は、回転テーブル駆動モ
ータM4を駆動して試料ステージU3の回転テーブルST
rを回転させる。前記回転テーブル駆動回路MD4および
回転テーブル駆動モータMD4により前記回転テーブル
STrを回転させる回転駆動装置としての回転テーブル
駆動装置(MD4+M4)が構成されている。
【0065】前記上下動テーブル駆動回路MD5は、上
下動テーブル駆動モータM5を駆動して試料ステージU3
の上下動テーブル17を上下動させる。図16において
前記ワーク位置決めモータ駆動回路MD6は、ワーク位
置決めモータM6(図6参照)を駆動して前記揺動アー
ム29(図6において紙面に垂直な方向に伸びるアー
ム)を前記鉛直軸81周りに揺動させる。前記鏡筒傾斜
用駆動回路MD7は、鏡筒傾斜用モータユニットM7を駆
動して詳細検査用電子顕微鏡SEM2の鏡筒47を傾斜
させる。
【0066】図15において、前記各コントローラC
1,C2は、外部との信号の入出力および入出力信号レ
ベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェー
ス)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ
等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要
なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムア
クセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに
応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならび
にクロック発振器等を有するコンピュータにより構成さ
れており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行す
ることにより種々の機能を実現することができる。前記
SEM1用コントローラ(予備検査用コントローラ)C
1は、予備検査用走査型電子顕微鏡SEM1(図8参
照)の構成要素や前記試料ステージU3のXYテーブル
駆動回路(Xテーブル駆動回路DTx、Yテーブル駆動
回路DTy等)に接続されており、それらの作動を制御
してXテーブル駆動モータMx、Yテーブル駆動モータ
My等を駆動し、ウエハWの予備検査を行う。
【0067】前記SEM2用コントローラ(詳細検査用
コントローラ)C2(図17参照)は、詳細検査用電子
顕微鏡SEM2(図9参照)の構成要素や前記試料ステ
ージU3のXYステージ駆動回路(Xテーブル駆動回路
DTx、Yテーブル駆動回路DTy等)に接続されてお
り、それらの作動を制御してXテーブル駆動モータM
x、Yテーブル駆動モータMy等を駆動し、ウエハWの詳
細検査を行う。前記ウエハWの詳細検査はSEM(走査
型電子顕微鏡)を使用した従来公知の詳細検査方法によ
り行う。したがって、SEM2(詳細検査用電子顕微
鏡)の制御に関する説明は省略する。
【0068】前記SEM1用コントローラC1は次の機
能を有している。 C1M1:XY直進走査領域記憶手段 XY直進走査領域記憶手段C1M1は、前記被検査ウエハ
W表面の中心位置W0を内部に含む所定の大きさの矩形
領域であるXY直進走査領域RB(図10参照)の範囲
を記憶する。 C1M2:回転走査領域記憶手段、 回転走査領域記憶手段C1M2は、前記被検査ウエハ表面
の中心を中心とし且つ前記矩形領域RBの内側に設定さ
れた内側設定円W2および外側に設定された外側設定円
W1の間に形成される回転走査領域RA(図10参照)
の範囲を記憶する。
【0069】C1A:ビーム偏向制御手段 ビーム偏向制御手段C1Aは、被検査ウエハW表面上の
電子ビームの照射位置を制御するために前記偏向器駆動
回路(E6+E7)の作動を制御する。ビーム偏向制御手
段C1Aは、所定幅走査手段C1A1および走査幅方向ビ
ーム位置制御手段C1A2を有している。 C1A:所定幅走査手段 所定幅走査手段C1A1は、試料ステージU3に支持され
た被検査ウエハ表面を前記電子ビームが前記X軸および
Y軸の一方の軸に沿う所定の走査幅を繰り返し走査する
ように前記X偏向器駆動回路E6またはY偏向器駆動回
路E7の第1Y偏向器駆動回路E7aを制御する。 C1A2:走査幅方向ビーム位置制御手段 走査幅方向ビーム位置制御手段C1A2は、第2Y偏向器
駆動回路E7bを制御して前記被検査ウエハ表面のビーム
照射位置を前記走査幅0.1mmのピッチで前記Y軸方
向に4回移動させる(例えば、図11のP0の位置から
0.1mmのピッチで4回移動させてP4に移動させ
る)。
【0070】C1B:テーブル制御手段 テーブル制御手段C1Bは、前記電子ビームが所定の走
査幅で照射する被検査ウエハ表面部分であるビーム照射
部分が、前記走査幅に垂直な方向に所定の移動速度で移
動するように前記XYテーブル駆動装置(Dy+Dx+M
x+My)または回転テーブル駆動装置(MD4+M4)を
制御する。テーブル制御手段C1Bは、直進走査用テー
ブル制御手段C1B1および回転走査用制御手段C1B2を
有している。
【0071】C1B1:直進走査用テーブル制御手段 直進走査用テーブル制御手段C1B1は、所定ピッチテー
ブル移動制御手段C1B1aを有しており、前記被検査ウ
エハWのXY直進走査領域RBを前記所定の走査幅を有
する複数の帯状部分(RB0,RB1,…,RB599)に
分割し、前記複数の帯状部分(RB0,RB1,…,RB
599)を前記電子ビームが順次走査するように前記XY
テーブル駆動装置(Dy+Dx+Mx+My)を制御する。 C1B1a:所定ピッチテーブル移動制御手段 所定ピッチテーブル移動制御手段C1B1aは、直進走査
領域を走査する時に、前記走査幅をB、正の整数である
所定数をnとした場合に前記XYテーブル(STx+S
Ty)を前記一方の軸方向に距離nBのピッチで移動さ
せる。
【0072】C1B2:回転走査用制御手段 回転走査用制御手段C1B2は、所定ピッチテーブル移動
制御手段C1B2aおよびリング状走査領域周速度定速制
御手段C1B2bを有しており、前記被検査ウエハWの前
記所定の走査幅を有する複数のリング状部分(RA0,
RA1,…,RA1189)に分割された前記各リング状走
査領域RA0〜RA1189を、前記電子ビームが所定周速
度で順次走査するように前記回転テーブル駆動装置(M
D4+M4)を制御する。 C1B2a:所定ピッチテーブル移動制御手段 回転走査用制御手段C1B2の所定ピッチテーブル移動制
御手段C1B2aは、回転走査領域RAを走査する際に、
前記走査幅をB、正の整数である所定数をnとした場合
に前記XYテーブル(STx+STy)を前記一方の軸方
向に距離nBのピッチで移動させる。本実施例1ではB
=0.1mm、n=5であるので、XYテーブル(STx
+STy)の移動ピッチはY方向に0.5mmである。
【0073】C1B2b:リング状走査領域周速度定速制
御手段 リング状走査領域周速度定速制御手段C1B2bは、前記
各リング状走査領域RA0〜RA1189を電子ビームが走
査する際、走査時における各リング状走査領域RA0〜
RA1189の周速度が同一の所定速度となるように、前記
回転テーブルSTrの回転速度を制御する。本実施例1
では、図11において、リング状走査領域RA0を走査
するときのP0(図11参照)を通過する被検査ウエハ
Wの周速度V0sと、リング状走査領域RAN(N=1〜1
189)の走査時にPN(図11参照)を通過するとき
の被検査ウエハWの周速度VNsとを同一の速度(所定速
度)となるように制御する。具体的には次のような制御
を行う。
【0074】前記図11において前記被検査ウエハWの
中心W0からの、点P0までの距離r0、および、点PNま
での距離rNはそれぞれ次式(1),(2)で表せる。 r0=149mm ………………………………………………………… (1) rN=30mm+0.1mm×(1190−N) =(149−0.1N)mm …………………………………………(2) すなわち、前記P0の周速度がV0sの場合の被検査ウエ
ハWの回転速度(すなわち、回転テーブルSTrの回転
速度)をV0(rpm)とし、前記PNの周速度がVNsの
場合の被検査ウエハWの回転速度(すなわち、回転テー
ブルSTrの回転速度)をVN(rpm)とすると、次式
(3),(4)が成立する。 V0s=V0×2πr0(mm/min) =V0×2πr0/60(mm/sec)………………………………(3) VNs=VN×2πrN(mm/min) =VN×2πrN/60(mm/sec)………………………………(4)
【0075】前記V0s=VNsとするためには、前記式
(3),(4)から、次式(5)が成り立つ。 V0×2πr0/60(mm/sec) =VN×2πrN/60(mm/sec)……………………………………(5) 前記式(5)から次式(6)が得られる。 VN=V0(r0/rN)…………………………………………………………(6) 前記式(6)中、r0は前記式(1)により定まり、rN
はNが定まれば前記式(2)より定まる。したがって、
回転走査領域RAN(N=0〜1189)を走査すると
きに、前記式(6)を満たすように被検査ウエハWの回
転速度(すなわち、回転テーブルSTrの回転速度)VN
(rpm)を制御することにより、各回転走査領域RA
0〜RA1189(図11参照)の走査部分(検査部分)の
周速度(走査部分の移動速度)を同一速度に制御するこ
とができる。
【0076】C1C:検査用データ検出手段 検査用データ検出手段C1Cはモデル表面画像データ検
出手段C1C1および被検査試料表面データ検出手段C1
C2を有しており、ウエハ表面の電子ビーム照射位置から
放出される放出線(2次電子)の強度を検出し、ウエハ
表面の位置情報に対応して放出線強度(2次電子強度)
を記憶する。 C1C1:モデル表面画像データ検出手段 モデル表面画像データ検出手段C1C1は、モデル試料回
転走査領域検出手段C1C1a、モデル試料回転走査領域
放出線rθ座標検出手段C1C1b、モデル試料XY直進
走査領域検出手段C1C1cおよびモデル試料XY直進走
査領域XY座標検出手段C1C1dを有している。 C1C1a:モデル試料回転走査領域放出線検出手段 モデル試料回転走査領域検出手段C1C1aは欠陥の無い
モデル試料表面の回転走査領域RAに荷電粒子ビームが
照射されたときの前記ビーム照射部分から放出される放
出線(2次電子等)を検出する。 C1C1b:モデル試料回転走査領域放出線rθ座標検出
手段 モデル試料回転走査領域放出線rθ座標検出手段C1C1
bは、回転走査領域RAから検出された放出線(2次電
子等)が放出されたモデル試料表面のビーム照射部分の
座標を検出する。 C1C1c:モデル試料XY直進走査領域放出線検出手段 モデル試料XY直進走査領域検出手段C1C1cは欠陥の
無いモデル試料表面のXY直進走査領域に荷電粒子ビー
ムが照射されたときのビーム照射部分から放出される放
出線(2次電子等)を検出する。 C1C1d:モデル試料XY直進走査領域放出線XY座標
検出手段 モデル試料XY直進走査領域XY座標検出手段C1C1d
は、XY直進走査領域から検出された放出線(2次電子
等)が放出されたモデル試料表面のビーム照射部分の座
標を検出する。
【0077】C1C2:被検査試料表面画像データ検出手
段 被検査試料表面画像データ検出手段C1C2は、被検査試
料回転走査領域放出線検出手段C1C2a、被検査試料回
転走査領域放出線rθ座標検出手段C1C2b、被検査試
料XY直進走査領域放出線検出手段C1C2cおよび被検
査試料XY直進走査領域放出線XY座標検出手段C1C2
dを有している。 C1C2a:被検査試料回転走査領域放出線検出手段 被検査試料回転走査領域放出線検出手段C1C2aは被検
査試料(被検査ウエハ)W表面の回転走査領域RAに荷
電粒子ビームが照射されたときのビーム照射部分から放
出される放出線(2次電子等)を検出する。 C1C2b:被検査試料回転走査領域放出線rθ座標検出
手段 被検査試料回転走査領域放出線rθ座標検出手段C1C2
bは、回転走査領域RAから検出された放出線(2次電
子等)が放出された被検査試料表面のビーム照射部分の
座標を検出する。 C1C2c:被検査試料XY直進走査領域放出線検出手段 被検査試料XY直進走査領域放出線検出手段C1C2cは
被検査試料(被検査ウエハ)W表面のXY直進走査領域
RBに荷電粒子ビームが照射されたときのビーム照射部
分から放出される放出線(2次電子等)を検出する。 C1C2d:被検査試料XY直進走査領域放出線XY座標
検出手段 被検査試料XY直進走査領域放出線XY座標検出手段C
1C2dは、XY直進走査領域RBから検出された放出線
(2次電子等)が放出された被検査試料表面のビーム照
射部分の座標を検出する。
【0078】C1D:検査用データ記憶手段 検査用データ記憶手段C1Dはモデル表面画像データ記
憶手段C1D1、被検査試料表面画像データ記憶手段C1
D2、および検査用データ並べ替え手段C1D3を有してい
る。 C1D1:モデル表面画像データ記憶手段 モデル表面画像データ記憶手段C1D1は、回転走査領域
モデルデータ記憶手段C1D1a、回転走査領域モデルデ
ータrθ座標記憶手段C1D1b、XY直進走査領域モデ
ルデータ記憶手段C1D1c、およびXY直進走査領域モ
デルデータXY座標記憶手段C1D1dを有している。
【0079】C1D1a:回転走査領域モデルデータ記憶
手段 回転走査領域モデルデータ記憶手段C1D1aは欠陥の無
いモデル試料表面の回転走査領域RAに荷電粒子ビーム
が照射されたときのビーム照射部分から放出される放出
線(2次電子等)の検出データを記憶する。 C1D1b:回転走査領域モデルデータrθ座標記憶手段 回転走査領域モデルデータrθ座標記憶手段C1D1bは
回転走査領域RAから検出された放出線(2次電子等)
が放出されたモデル試料表面のビーム照射部分のrθ座
標を記憶する。 C1D1c:XY直進走査領域モデルデータ記憶手段 XY直進走査領域モデルデータ記憶手段C1D1cは欠陥
の無いモデル試料表面のXY直進走査領域RBに荷電粒
子ビームが照射されたときのビーム照射部分から放出さ
れる放出線(2次電子等)の検出データを記憶する。 C1D1d:XY直進走査領域モデルデータXY座標記憶
手段 XY直進走査領域モデルデータXY座標記憶手段C1D1
dはXY直進走査領域RBから検出された放出線(2次
電子等)が放出されたモデル試料表面のビーム照射部分
の座標を記憶する。
【0080】C1D2:被検査試料表面画像データ記憶手
段 被検査試料表面画像データ記憶手段C1D2は、回転走査
領域被検査試料データ記憶手段C1D2a、回転走査領域
被検査試料データrθ座標記憶手段C1D2b、XY直進
走査領域被検査試料データ記憶手段C1D2c、およびX
Y直進走査領域被検査試料データXY座標記憶手段C1
D2dを有している。
【0081】C1D2a:回転走査領域被検査試料データ
記憶手段 回転走査領域被検査試料データ記憶手段C1D2aは被検
査試料試料表面の回転走査領域RAに荷電粒子ビームが
照射されたときのビーム照射部分から放出される放出線
(2次電子等)の検出データを記憶する。 C1D2b:回転走査領域被検査試料データrθ座標記憶
手段 回転走査領域被検査試料データrθ座標記憶手段C1D2
bは被検査ウエハWの回転走査領域RAから検出された
放出線(2次電子等)が放出された被検査試料試料表面
のビーム照射部分の座標を記憶する。 C1D2c:XY直進走査領域被検査試料データ記憶手段 XY直進走査領域被検査試料データ記憶手段C1D2cは
被検査試料試料表面のXY直進走査領域RBに荷電粒子
ビームが照射されたときのビーム照射部分から放出され
る放出線(2次電子等)の検出データを記憶する。 C1D2d:XY直進走査領域被検査試料データXY座標
記憶手段 XY直進走査領域被検査試料データXY座標記憶手段C
1D2dは被検査ウエハWのXY直進走査領域RBから検
出された放出線(2次電子等)が放出された被検査試料
試料表面のビーム照射部分の座標を記憶する。
【0082】C1D3:検査用データ並べ替え手段 検査用データ並べ替え手段C1D3は、検出した検査用デ
ータ(モデル表面画像データおよび被検査試料表面画像
データ)を連続して読出し易い順序に並び替える。すな
わち、本実施例1では走査幅0.1mmのリング状の回
転走査領域RANは半径方向に100個の2次電子検出
データを取得しながら走査しているので、半径方向に並
んだ100個のデータが1度に検出され、100個のデ
ータが円周方向に並んだ状態で検出されていく。前記モ
デル表面画像データおよび被検査試料表面画像データが
同じ順序で検出され且つ検出された順序で並んでいる場
合には並べ替えせずに欠陥の検出を行うことが可能であ
るが、そうでない場合には、検査用データ並べ替え手段
C1D3により検出データを並べ替える。例えば、前記走
査幅0.1mmの各リング状の回転走査領域RAN(N=
0〜1189)は、1μm幅の100個のリング状走査
領域に分けられる。したがって、前記1μm幅の100
個のリング状走査領域の検出データを最外側のリング状
走査領域の検出データをθの値に対応して並べ変え、そ
の次にその内側のリング状走査領域の検出データをθの
値に対応して並べ変える。これを繰り返して検出データ
を並べ変える。
【0083】C1E:欠陥検出手段 欠陥検出手段C1Eは、回転走査領域欠陥検出手段C1E
1およびXY直進走査領域欠陥検出手段C1E2を有して
いる。 C1E1:回転走査領域欠陥検出手段 回転走査領域欠陥検出手段C1E1は、rθ座標位置のモ
デルデータ・被検査試料検出データ比較手段C1E1aを
有しており、比較結果に応じて欠陥であるか否かを検出
している。 C1E2:XY直進走査領域欠陥検出手段 XY直進走査領域欠陥検出手段C1E2は、XY座標位置
のモデルデータ・被検査試料検出データ比較手段C1E2
aを有しており、比較結果に応じて欠陥であるか否かを
検出している。
【0084】前記欠陥検出手段C1Eにより試料表面の
欠陥を検出する場合、例えば、被検査ウエハWがベアウ
エハ(表面が未処理のシリコンウエハ)の場合、前記被
検査ウエハW表面に欠陥(異物等)が無ければ、被検査
ウエハW表面から放出される2次電子は全てシリコンの
結晶から放出されるので、2次電子の検出強度はほぼ一
定であるが、異物や傷等の欠陥(凹凸)が有る場合には
2次電子の検出強度が異なる。したがって、2次電子の
検出強度の正常な範囲を定める閾値を設定して閾値の範
囲以外の被検査ウエハ表面を欠陥候補とする。
【0085】また、例えば、被検査ウエハWが、その表
面の全面に電極膜または絶縁膜等の同一材料の膜が形成
されている場合には、前記ベアウエハと同様に欠陥候補
を定めることができる。また、表面に所定パターン(ホ
ールパターン、電極膜パターン等)が形成された被検査
ウエハW表面を検査する場合には、欠陥の無いモデルウ
エハ表面の2次電子強度をマップピングしたパターンデ
ータを予め記憶しておき、被検査ウエハの2次電子検出
強度をモデルウエハ表面のパターンデータと比較するこ
とにより欠陥候補点を定めることができる。前述の欠陥
候補点は記憶され、詳細検査(レビュー)が行われる。
前述の欠陥候補点の定め方および詳細検査等は従来公知
の種々の方法を採用可能である。
【0086】(実施例1の作用)図18は本発明の試料
検査制御装置CのSEM1用コントローラC1のフロー
チャートの説明図である。図19は前記図18のST3
でイエス(Y)の場合の処理を示すフローチャートであ
る。図20は表示画面の説明図で、図20AはST1で
表示される画面、図20BはST6で表示される画面で
ある。図18のフローチャートの各ST(ステップ)の
処理は、前記SEM1用コントローラC1のROMに記
憶されたプログラムに従って行われる。図18のフロー
チャートは、SEM1用コントローラC1の電源オン時
にスタートする。図18のST1において、ディスプレ
イD1に初期画面すなわち、第1選択画面(図20A参
照)が表示される。次にST2において「(9)終了」
(図20A参照)が選択されたか否か判断する。イエス
(Y)の場合は電源がオフとなって処理が終了する。ノ
ー(N)の場合はST3に移る。ST3において「(8)
その他の動作」(図20A参照)が選択されたか否か判
断する。イエス(Y)の場合は図19のST26に移り、
ノー(N)の場合はST4に移る。
【0087】ST4において「(7)ウエハカセット搬
出」が選択されたか否か判断する。イエス(Y)の場合
はST5に移る。ST5においてカセット搬出動作を行
う。この動作では前記仕切弁7(図3参照)を閉塞して
前記外部仕切弁8を開放した状態で、図示しないチェー
ンコンベアにより搬送されるカセット搬送部材の上下に
伸縮可能なエアシリンダ下端に設けた真空吸着パッドに
よりウエハカセットWKを吸着して搬出する。次にST
6において第1選択画面(図20A参照)の動作状態表
示欄に「カセット搬出終了」を表示する処理を行ってか
ら前記ST1に戻る。このとき、ST1においては前記図
20Aの初期画面の動作状態表示欄に「カセット搬出終
了」が表示される。
【0088】前記ST4においてノー(N)の場合はS
T7に移る。ST7において「(6)ウエハカセット搬
入」(図20A参照)が選択されたか否か判断する。イ
エス(Y)の場合はST8に移る。ST8においてカセッ
ト搬入動作を行う。この動作では前記仕切弁7(図3参
照)を閉塞して前記外部仕切弁8を開放した状態で、図
示しないチェーンコンベアにより搬送されるカセット搬
送部材(図示せず)の上下に伸縮可能なエアシリンダ
(図示せず)下端に設けた真空吸着パッドによりウエハ
カセットWKを吸着して搬入する。次にST9において
第1選択画面(図20A参照)の動作状態表示欄に「カ
セット搬入終了」を表示する処理を行ってから前記ST
1に戻る。このとき、ST1においては前記図20Aの初
期画面の動作状態表示欄に「カセット搬入終了」が表示
される。
【0089】前記ST7においてノー(N)の場合はS
T10に移る。ST10において「(5)ウエハをステージ
から退避」(図20A参照)が選択されたか否か判断す
る。イエス(Y)の場合はST11に移る。ST11におい
て試料ステージU3からのウエハWの退避動作を行う。
この動作は前記外部仕切弁8(図3参照)を閉塞して前
記仕切弁6,7を開放した状態で、前記搬送アーム9a
により、ウエハWを試料ステージU3からカセットWK
に搬送することにより行う。次にST12において第1選
択画面(図20A参照)の動作状態表示欄に「ウエハ退
避終了」を表示する処理を行ってから前記ST1に戻
る。このとき、ST1においては前記図20Aの初期画
面の動作状態表示欄に「ウエハ退避終了」が表示され
る。
【0090】前記ST10においてノー(N)の場合はS
T13に移る。ST13において「(4)ウエハをステージ
にセット」(図20A参照)が選択されたか否か判断す
る。イエス(Y)の場合はST14に移る。ST14におい
て試料ステージU3にウエハWをセットする動作を行
う。この動作は前記外部仕切弁8(図3参照)を閉塞し
て前記仕切弁6,7を開放した状態で、前記搬送アーム
9aにより、ウエハWをカセットWKから試料ステージ
U3に搬送することにより行う。次にST15において第
1選択画面(図20A参照)の動作状態表示欄に「ウエ
ハセット終了」を表示する処理を行ってから前記ST1
に戻る。このとき、ST1においては前記図20Aの初
期画面の動作状態表示欄に「ウエハセット終了」が表示
される。前記ST13においてノー(N)の場合はST16
に移る。
【0091】ST16において「(3)詳細検査」が選択
されたか否か判断する。イエス(Y)の場合はST17に
移る。ST17において詳細検査を行う。この詳細検査は
詳細検査用電子顕微鏡SEM2を使用し、従来公知の方
法により行う。前記ST16においてノー(N)の場合は
ST18に移る。ST18において「(2)予備検査」(図
20A参照)が選択されたか否か判断する。イエス
(Y)の場合はST19において予備検査を実行する。S
T19の予備検査のサブルーチンは図26に示されてい
る。ST18においてノー(N)の場合はST20に移る。
ST20において「(1)検査用データ検出処理」が選択
されたか否か判断する。イエス(Y)の場合はST21に
移る。ST21において検査用データ検出処理を実行す
る。この処理は図21〜図25に示されている。前記S
T20においてノー(N)の場合、および、前記ST17、
ST19、ST21の処理終了後は前記ST1に戻る。
【0092】図19は前記図18のST3でイエス
(Y)の場合の処理を示すフローチャートである。前記
ST3でイエス(Y)の場合は、図19のST26におい
て、第2選択画面(図20B参照)を表示する。次にS
T27において「(11)第2選択画面終了」(図20B
参照)が選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合
はST28に移る。ST28において図20Bに示す(1
2),(13),(14),…のいずれかの中の選択さ
れた動作を実行する。次にST29において、動作が終了
したことの表示(例えば「(12)真空試料室Aの真空
引き動作」が終了した場合には、「真空試料室Aの真空
引き動作終了」を第2選択画面(図20B参照)の動作
状態表示欄に表示する処理を行う。次にST26に移る。
このときST26において、第2選択画面(図20B参
照)の動作状態表示欄に「真空試料室Aの真空引き動作
終了」が表示される。
【0093】前記ST27においてイエス(Y)の場合
(すなわち、「(11)第2選択画面終了」が選択され
た場合はST30に移る。ST30において第2選択画面の
動作状態表示欄に表示されている内容を初期画面(第1
選択画面)の動作状態表示欄に表示する処理を行う。次
に前記ST1に戻る。このときST1において、前記第2
選択画面の動作状態表示欄の表示内容が第1選択画面の
動作状態表示欄に表示される。
【0094】図21は前記ST20においてイエス(Y)
の場合の処理(ST21のサブルーチンの検査用データ検
出処理)、すなわち、前記第1選択画面において
「(1)検査用データ検出処理」が選択された場合の処
理を示すフローチャートである。図22はST33で表示
される画面である。図21のST31においてウエハWが
試料ステージU3にセットされているか否か判断する。
ノー(N)の場合はST32において、前記第1選択画面
の動作状態表示欄に「ウエハがセットされていませ
ん。」を表示する処理を行う。次に前記ST1に戻る。
このとき、ST1において第1選択画面の動作状態表示
欄に「ウエハがセットされていません。」と表示され
る。前記ST31においてイエス(Y)の場合はST33に
移る。ST33においてウエハ情報および検査パターン番
号(パターン無しのベアウエハにも検査パターン番号が
有る)入力画面(図22参照)を表示する。
【0095】ST34において入力が有ったか否か判断す
る。ノー(N)の場合はST34を繰り返し実行する。イ
エス(Y)の場合はST35に移る。ST35において入力
データを記憶し、画面に表示する。次にST36において
登録(図22参照)が選択されたか否か判断する。ノー
(N)の場合はST37に移る。ST37においてキャンセ
ル(図22参照)が選択されたか否か判断する。ST37
においてノー(N)の場合は前記ST34に戻る。イエス
(Y)の場合は前記ST1に戻る。前記ST36において
イエス(Y)の場合はST38に移る。ST38において入
力データは正しいか否か(例えば、所定の形式に合致し
ているか否か等)判断する。ノー(N)の場合はST39
に移る。ST39において図22に示すウエハ情報および
検査パターン番号入力画面のメッセージ表示欄に、例え
ば、「入力データは所定の形式に合っていません。デー
タを正しく入力して下さい」を表示する処理を行う。そ
して前記ST33に戻る。このときST33において、図2
2の画面を表示するとともに、そのメッセージ欄に「入
力データは所定の形式に合っていません。データを正し
く入力して下さい」を表示する。
【0096】前記ST38においてイエス(Y)の場合は
ST40に移る。ST40において次の処理を行う。 (1)入力データをハードディスク等の不揮発性のウエ
ハ情報記憶装置に記憶する。次にST41において、予備
検査用走査型電子顕微鏡(予備検査装置)SEM1の電
子ビームのウエハW上の照射位置がP0(図11参照)
となる位置に、試料ステージU3を移動する。次にST4
2において回転テーブルSTrを設定した所定の角度θa
だけ時計方向(時計方向が−、反時計方向が+)に回転
させる。すなわち、回転テーブルSTrを反時計方向に
−θaだけ回転させる。次にST43において次の処理を
実行する。 (1)予備検査装置SEM1の電子ビームが被検査ウエ
ハW表面を照射しないように、ブランキングコイルF4
をオンとする。 (2)電子銃をオンにする。
【0097】図23は前記図21のST43の続きのフロ
ーチャートである。図23のST44において、N=0、
n=0、M=0、m=0とする。なお、N,n,M,m
の意味は次のとおりである。 N:前記0.1mm幅のリング状走査領域RA1〜RA11
89の走査回数をカウントする走査回数カウンタのカウン
ト値である。初期値はN=0である。N=1190にな
ると、リング状走査領域RAの走査が終了する。 n:初期値が0の前記Nと同様のカウンタのカウント値
であるが、n=5になると、リセットされて初期値n=
0になる。 M:前記0.1mm幅の帯状走査領域RB0〜RB599の
走査回数をカウントする走査回数カウンタのカウント値
である。初期値はM=0である。N=600になると、
XY直進走査領域RBの走査が終了する。 m:初期値が0の前記Mと同様のカウンタのカウント値
であるが、m=5になると、リセットされて初期値m=
0になる。
【0098】ST45において回転走査領域RA(図1
0、図11参照)の走査(検査)を行う。このST45の
サブルーチンは図24に示されている。前記ST45のサ
ブルーチンが終了すると、被検査ウエハW上の電子ビー
ムの照射位置はP1190(図10、図11参照)になって
いる。これについては図24の説明(ST45のサブルー
チンの説明、後述)により明らかになる。次にST46に
おいてXテーブルSTxを+30mm移動させる。この
移動により被検査ウエハW上のビーム照射位置は図1
0、図11のP1190からQ0に移動する。
【0099】次にST47においてXY直進走査領域RB
(図10、図13参照)の走査(検査)を行う。このS
T47のサブルーチンは図25に示されている。前記ST
47のサブルーチンが終了すると、被検査ウエハWの全走
査(全表面の検査)が終了する。次にST48において次
の処理を実行する (1)電子銃をオフとする。 (2)回転走査領域RAの検出データを並べ替えて記憶
する。 (3)XY直進走査領域RBの検出データを並べ替えて
記憶する。
【0100】前記(2)の処理を行う理由は次のとおり
である。図12において、後述する回転走査領域の検査
においては、各リング状回転走査領域RA0,RA1,
…,RAN,…毎に半径方向に100個のデータを検出
し、次に被検査ウエハWが円周方向にΔθN回転した位
置で同様に半径方向に100個のデータを検出し、この
作業を繰り返してデータを検出している。すなわち、メ
モリにはこの検出順序で検出データが記憶されている。
前記検出データが記憶されている順序は、半径方向に外
側から内側に並んだ100個のデータが円周方向に並ん
でおり、次のとおりである(図12参照)。 θ=0の位置において:D(r0,0),D(r0−Δ
r,0),…D(r0−99Δr,0) θ=Δθ0の位置において:D(r0,Δθ0),D(r0
−Δr,Δθ0),…D(r0−99Δr,Δθ0) θ=2Δθ0の位置において:D(r0,2Δθ0),D
(r0−Δr,2Δθ0),…D(r0−99Δr,2Δ
θ0)…
【0101】このため、前記検出データの記憶順序を円
周方向に読出し易いように並べ替える必要がある。前記
検出データの記憶順序を並べ替えは、円周方向の最外側
のデータを円周方向に記憶してから、その円周に隣接す
る内側の円周の検出データを円周方向に記憶する。その
記憶順序は、次のとおりである。 半径r0の位置において、 D(r0,0),D(r0,Δθ0),D(r0,2Δθ
0),… 半径r0−Δrの位置において、D(r0−Δr,0),
D(r0−Δr,Δθ0),D(r0−Δr,2Δθ0),
… 半径r0−2Δrの位置において、D(r0−2Δr,
0),D(r0−2Δr,Δθ0),D(r0−2Δr,
2Δθ0),…… 以下同様にして、円周上の検出データを円周方向に並べ
た状態で記憶し、順次内側の円周上の検出データを円周
方向に並べた状態で記憶する。
【0102】前記(3)の処理を行う理由も前記(2)
の処理を行うのと同様である。すなわち、図13の順序
でXY直進走査領域RBの走査(検査)を行った場合、
データを検出した順序にメモリに記憶されている。この
ため、図14に示す順序で検出データを読出し易くする
ために検出データを並べ替えて記憶している。すなわ
ち、図14において、検出時の検出データの記憶順序は
次のとおりである。なお、ΔX=ΔY=1μmである。 X=X0の位置において:D(X0,Y0),D(X0,Y
0+ΔY),…D(X0,Y0+99ΔY) X=X0+ΔXの位置において:D(X0+ΔX,Y
0),D(X0+ΔX,Y0+ΔY),…D(X0+ΔX,
Y0+99ΔY) X=X0+2ΔXの位置において:D(X0+2ΔX,Y
0),D(X0+2ΔX,Y0+ΔY),…D(X0+2Δ
X,Y0+99ΔY)…
【0103】前記検出データを並べ替えて記憶する順序
は次のとおりである。 Y=Y0の位置において:D(X0,Y0),D(X0+Δ
X,Y0),…D(X0+59999ΔX,Y0) Y=Y0+ΔYの位置において:D(X0,Y0+Δ
Y),D(X0+ΔX,Y0+ΔY),…D(X0+59
999ΔX,Y0+ΔY)… すなわち、図14において、Y=Y0の位置のX軸方向
に並んだ60000(=60mm/1μm)個の検出デ
ータをX軸に沿って記憶してから、順次ΔYづつづれた
位置のX軸方向に並んだ60000(=60mm/1μ
m)個の検出データをX軸に沿って記憶する。すなわ
ち、右上のQ0の位置から下方に順次データを読出して
下端まで読出したら、その左の列のデータを上端から下
端に向けて順次読出し易いように検出データの記憶アド
レスを並べ替えて記憶する。
【0104】次にST49において検査を終了したウエハ
WのウエハIDと検査したパターン番号とをウエハ情報
記憶装置に記憶する。次に、ST50において第1選択画
面の動作状態表示欄に「ウエハID=………のウエハの
検査パターン番号………の検査終了」を表示する処理を
行う。次に前記ST1(図18参照)に戻る。このと
き、ST1において第1選択画面が表示され且つその動
作状態表示欄に「ウエハID=……のウエハの検査パタ
ーン番号……の検査終了」が表示される。
【0105】図24は前記図23のST45のサブルーチ
ンである。図24のST51において回転テーブルSTr
を目標回転速度VNで反時計方向に回転開始。ST52に
おいて回転走査領域RNの走査開始位置に到達したか否
か判断する。ノー(N)の場合はST52を繰り返し実行
する。イエス(Y)の場合はST53に移る。
【0106】ST53において次の処理を行う。 (1)回転テーブルSTrの回転速度VN(rpm)をV
N=V0(r0/rN)とする。 (2)第2Y偏向器F7bの印加電圧V2Y=V2Y0+nV2
Yaとする。前記V2Yはnの値によって異なり、次のよう
になる。 n=0のときはV2Y=V2Y0、 n=1のときはV2Y=V2Y0+V2Ya n=2のときはV2Y=V2Y0+2V2Ya n=3のときはV2Y=V2Y0+3V2Ya n=4のときはV2Y=V2Y0+4V2Ya (3)ブランキングコイルF4をオフにして第1Y偏向
器F7aにより、ウエハ表面を照射する電子ビームをY軸
方向に走査幅0.1mmで往復走査する。
【0107】ST54においてリング状走査領域RAN
(N=0〜1190、Nの初期値=0、図10、図11
参照)の走査が終了したか否か判断する。ノー(N)の
場合はST54を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合
はST55に移る。ST55において次の処理を行う。 (1)N=N+1とする。 (2)n=n+1とする。 次にST56においてn=5か否か判断する。ノー(N)
の場合は前記ST53に戻る。イエス(Y)の場合はST
57に移る。
【0108】ST57において次の処理を実行する。 (1)ブランキングコイルF4をオンにして電子ビーム
の被検査ウエハWの照射を遮断する。 (2)回転テーブルSTrの回転の停止動作を開始す
る。(急停止はできないので所定角度回転してから停止
する。) 次にST58において回転テーブルSTrが停止したか否
か判断する。ノー(N)の場合はST58を繰り返し実行
する。イエス(Y)の場合はST59に移る。ST59にお
いて回転テーブルSTrは急停止できないのでn(=
5)回転以上回転して停止するため、前記停止するまで
に5回転を越えて回転した回転量θ0に所定の回転各θa
を加算した角度(θ0+θa)だけ逆回転(時計方向に回
転)させる。
【0109】次にST60において次の処理を実行する。 (1)YテーブルSTyを+0.5mm移動させる。この
とき、電子ビームの照射位置は被検査ウエハW上で0.
5mm移動する。 (2)n=0とする。次にST61においてN=1190
か否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST51に戻
る。イエス(Y)の場合はST62に移る。ST62におい
てN=0とする。次に前記図23のメインルーチンのS
T46に移る。
【0110】図25は前記図23のST47のサブルーチ
ンである。前述したように、ST46でビーム照射位置は
Q0(図13参照)になっている。図25のST71にお
いてXテーブルSTxを+ΔX(図13参照)移動す
る。このとき、ビーム照射位置は前記領域RBの基準点
Q0(図13参照)から−ΔX外側にずれた位置とな
る。次にST72において、第2Y偏向器F7bの印加電圧
V2Y=V2Y0+mV2Yaとする。前記V2Yはmの値によっ
て異なる。mの初期値(ST44参照)は0である。第2
Y偏向器F7bの印加電圧V2Yはmの値によって異なり、
次のようになる。 m=0のときはV2Y=V2Y0、 m=1のときはV2Y=V2Y0+V2Ya m=2のときはV2Y=V2Y0+2V2Ya m=3のときはV2Y=V2Y0+3V2Ya m=4のときはV2Y=V2Y0+4V2Ya
【0111】次にST73においてmは奇数か否か判断す
る。ノー(N)の場合はST74に移り、イエス(Y)の
場合はST75に移る。ST74においてXテーブルSTx
を移動速度Vx=−V0(2πr0/60)(mm/se
cで移動する。このVxの値は回転テーブルSTrが回転
速度V0で回転するときの点P0(図11参照)の周速度
と同一である。ST75においてXテーブルSTxを移動
速度Vx=+V0(2πr0/60)(mm/secで移
動する。
【0112】ST74またはST75の次にST76において
ビーム照射位置が領域RB内に進入したか否か判断す
る。ノー(N)の場合はST76を繰り返し実行する。イ
エス(Y)の場合はST77に移る。ST77において次の
処理を実行する。 (1)ブランキングコイルF4をオフにしてビームオン
とする。(前記ブランキングコイルF4は前記ST57で
オンとされ、ビームオフとなっている。) (2)第1Y偏向器F7aによりウエハ表面を照射する電
子ビームをY軸方向に走査幅0.1mmで往復走査す
る。
【0113】次にST78においてXテーブルSTxが6
0mm移動して帯状走査領域RBM(M=1,2,…,
または,599)の走査が終了したか否か判断する。ノ
ー(N)の場合はST78を繰り返し実行する。イエス
(Y)の場合はST79に移る。ST79において次の処理
を行う。 (1)M=M+1とする。m=m+1とする。 (2)ブランキングコイルF4をオンにして電子ビーム
の被検査ウエハWの照射を遮断する。 (3)XテーブルSTxの停止動作を開始する。Xテー
ブルSTxは停止動作を開始しても瞬間的に停止するこ
とは不可能であり、一定時間経過後に停止する。 (4)タイマTMにTM=TM0をセットする。前記T
M0はXテーブルSTxが停止動作を開始してから完全に
停止するまでに要する時間である。
【0114】次にST80においてタイマTMがタイムア
ップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はST80を
繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST81に移
る。次にST81においてm=5か否か判断する。ノー
(N)の場合は前記ST72に戻る。イエス(Y)の場合
はST82に移る。ST82においてM=300か否か判断
する。ノー(N)の場合はST83に移る。ST83におい
て次の処理を実行する。 (1)YテーブルSTyを+0.5mm移動させる。この
とき、電子ビームの照射位置は被検査ウエハW上で0.
5mm移動する。 (2)m=0とする。ST83の次に前記ST72に戻る。
前記ST82においてイエス(Y)の場合は前記図23の
メインルーチンのST48に移る。
【0115】図26は前記図18のST19のサブルーチ
ンの説明図で、欠陥予備検査処理のフローチャートであ
る。図27は前記図26の予備検査処理で表示される予
備検査初期画面を示す図で、図27AはST91で表示さ
れる予備検査初期願面を示す図、図27BはST98で表
示される画面を示す図である。図26のST91において
予備検査処理初期画面(図27A参照)を表示する。次
にST92においてキーボードからID番号の入力が有る
か否か判断する。ST92において入力有りの場合はST
93において入力ID番号を記憶してST94に移る。ST
94において表示中の画面(初期画面)に入力表示番号を
表示する。前記ST94の終了後、または前記ST92にお
いてノー(N)の場合はST95に移る。
【0116】ST95においてリターンキーの入力が有っ
たか否かまたは入力画面に表示された「続行」が選択さ
れたか否か判断する。ノー(N)の場合はST96に移
る。ST96において入力画面に表示された「終了」が選
択されたか否か判断する。ノー(N)の場合は前記ST
92に戻り、イエス(Y)の場合はST91に戻る。前記S
T95においてイエス(Y)の場合はST97に移る。ST
97において入力されたID番号に対応するモデルウエハ
に関する情報が有るか否か判断する。ノー(N)の場合
はST98に移り、イエス(Y)の場合はST99に移る。
ST98において表示中の画面に、入力されたID番号に
対応するモデルウエハ情報が無いことを追加表示(図2
7B参照)してから、前記ST92に戻る。
【0117】ST99において回転走査領域RA欠陥予備
検査処理を実行する。このST99のサブルーチンは図2
8により後述する。次にST100においてXY直進走査
領域RB予備検査処理を実行する。このST100のサブ
ルーチンは図29により後述する。次に前記図18のメ
インルーチンのST1に戻る。
【0118】図28は回転走査領域RAの予備検査処理
のフローチャートで、前記図26のST99のサブルーチ
ンである。図28のST111において、座標(r,θ)
の位置の被検査試料(被検査ウエハ)表面検出データD
(図12参照)と対応するモデルデータMとの差の絶対
値|D−M|を算出する。なお、rの初期値はr0(r0
=149mm、図11参照)、θの初期値は0である。
前記モデルデータMは、被検査ウエハがベアウエハや、
全面が平坦な同一の金属膜、絶縁膜、またはレジスト層
等の場合には、前記座標(r,θ)の値に関わらず一定
値(一定の2次電子検出強度に対応する値)である。次
にST112において|D−M|≦D0(D0は閾値)か否
か判断する。ST112においてイエス(Y)の場合はS
T113に移り、ノー(N)の場合はST114に移る。
【0119】ST113において、検査結果記憶メモリの
座標(r,θ)に対応するアドレスAD(r,θ)に
「0」を記憶させる。「0」が記憶された座標位置の被
検査ウエハ表面部分は欠陥が無いことを意味する。ST
114において、検査結果記憶メモリの座標(r,θ)に
対応するアドレスAD(r,θ)に「1」を記憶させ
る。「1」が記憶された座標位置の被検査ウエハ表面部
分は欠陥の存在する可能性が有ることを意味する。次に
ST115においてrが同一の未検査データDが有るか否
か判断する。イエス(Y)の場合はST116に移る。S
T116においてθ=θ+ΔθNとする。ΔθNの初期値は
Δθ0(図12参照)である。次にST111に戻る。
【0120】前記ST115においてノー(N)の場合は
(図12に示すrの値が同一のデータDの検査終了の場
合、すなわち、円周方向に一周分のデータの検査が終了
した場合、図12参照)ST117に移る。ST117におい
て次の処理を実行する。 (1)θ=0とする。 (2)r=r−Δrとする。Δrは(0.1/100)
mm=1μmである。 (3)k=k+1とする。kは0〜100までの数値を
カウントするカウンタである。すなわち、図12のRA
0の半径方向(r方向)の幅に並んだ100個のリング
上(円周上)のデータを外側から内側に向けて順次検査
する時の、検査が終了したリングの数(円周の数)をカ
ウントするカウンタである。
【0121】ST118においてr≦30(mm)か否か
判断する。ノー(N)の場合はST119に移る。ST119
においてk=100か否か判断する。回転走査領域RA
0の検査中に、k=100になると、回転走査領域RAN
(N=0〜1190、Nの初期値=0)の検査が終了
し、k=0にして、次の回転走査領域RA1の検査に移
ることになる。すなわち、一般にはk=100になる
と、回転走査領域RAN(図11参照)の検査が終了
し、k=0にリセットして、次の回転走査領域RA(N+
1)の検査に移ることになる。ST119においてノー
(N)の場合は前記ST111に戻り、イエス(Y)の場
合はST120に移る。ST120においてk=0とする。次
にST121においてΔθN=Δθ(N+1)とする。例え
ば、ΔθNがΔθ0の場合にはΔθ1とする。次に前記S
T111に戻る。前記ST118においてイエス(Y)の場合
は前記図26のST100に移る。
【0122】なお、前記図12において次式が成り立
つ。 Δr=(1/1000)mm=1μm r1=r0−100Δr=r0−0.1mm r0×Δθ0=r1×Δθ1 但し、Δθ0は回転走査領域RA0の走査時の単位時間当
たりの回転角度、Δθ1は回転走査領域RA1の走査時の
単位時間当たりの回転角度である。前記式r0×Δθ0=
r1×Δθ1は回転走査領域RA0とRA1との走査時の周
速度が等しくなる条件である。図12を参照して、一般
には次式が成り立つ。 rN=r0−100NΔr=r0−0.1×N(mm) r0×Δθ0=rN×ΔθN ΔθN=Δθ0×(r0/rN)
【0123】図29はXY直進走査領域RBの予備検査
処理のフローチャートで、前記図26のST100のサブ
ルーチンである。図29のST131において、座標
(X,Y)の位置の被検査試料(被検査ウエハ)表面検
出データD(図14参照)と対応するモデルデータMと
の差の絶対値|D−M|を算出する。なお、XおよびY
の初期値はX=−30mm,Y=+30mm(図13、
図14参照)である。前記モデルデータMは、被検査ウ
エハがベアウエハや、全面が平坦な同一の金属膜、絶縁
膜、またはレジスト層等の場合には、前記座標(X,
Y)の値に関わらず一定値(一定の2次電子検出強度に
対応する値)である。次にST132において|D−M|
≦D0(D0は閾値)か否か判断する。ST132において
イエス(Y)の場合はST133に移り、ノー(N)の場
合はST134に移る。
【0124】ST133において、検査結果記憶メモリの
座標(X,Y)に対応するアドレスAD(X,Y)に
「0」を記憶させる。「0」が記憶された座標位置の被
検査ウエハ表面部分は欠陥が無いことを意味する。ST
134において、検査結果記憶メモリの座標(X,Y)に
対応するアドレスAD(X,Y)に「1」を記憶させ
る。「1」が記憶された座標位置の被検査ウエハ表面部
分は欠陥の存在する可能性が有ることを意味する。次に
ST135においてX=X+ΔXとする。ΔX=(1/1
000)mm=1μmmである。次にST136において
X≧30か否か判断する。前記図13、図14から分か
るように、X≧30mmとなった場合には、XY直進走
査領域RBの下端までの検査が終了したことを意味す
る。ST136においてノー(N)の場合は前記ST131に
戻る。イエス(Y)の場合は次のST137に移る。
【0125】ST137においてX=−30(mm)とす
る。次にST138においてY=Y−ΔYとする。ΔY=
(1/1000)mm=1μmmである。次にST139
においてY≦−30(mm)か否か判断する。ノー
(N)の場合は前記ST131に移り、イエス(Y)の場
合は前記図16のST100の処理を終了したこととな
り、また、前記図18のST19のサブルーチンを終了し
たこととなる。このとき、前記図18のST1に戻る。
【0126】前記実施例1によれば、予備検査装置(予
備検査用電子顕微鏡)SEM1および詳細検査装置(詳
細検査用電子顕微鏡)SEM2は、同一の外壁1により
形成された真空試料室A内の試料ステージU3上に保持
されたウエハWに対して予備検査および詳細検査を行う
ことができるため、予備検査装置SEM1で検出された
欠陥に対して、詳細検査装置SEM2による詳細検査を
迅速に実行することができる。前記詳細検査装置SEM
2は、試料ステージU3を静止した状態で被検査ウエハ表
面を走査する静止型のSEMで構成したり、前記予備検
査装置SEM1と同様に回転走査を行うSEMにより構
成したりすることが可能である。詳細検査装置SEM2
を回転走査を行うSEMにより構成する場合には電子ビ
ームの被検査ウエハ上のスポット径を小さくしたり、走
査部分(ビーム照射部分)の移動速度を遅くしたりし
て、分解能を上げて走査(検査用データ検出処理)すれ
ば良い。
【0127】(実施例2)図30は本発明の実施例2の
被検査ウエハの検査用データ検出方法の説明図であり、
被検査ウエハを回転させながら検査用データを検出する
螺旋状の回転検査領域と被検査ウエハをX方向およびY
方向に直進移動させながら検査するXY直進走査領域と
に分けて検査する方法の説明図である。図31は同実施
例2の被検査ウエハWの検査用データ検出方法の詳細説
明図で、螺旋状の回転検査領域の検査用データ検出方法
の説明図である。図30において被検査ウエハWの表面
は、全検査領域を内側に含むように設定された外側設定
円W1と、前記被検査ウエハW表面の中心W0を含むウエ
ハ中心部に設定された内側設定円W2との間の螺旋状の
回転走査領域RAと、前記内側設定円W2に外接する矩
形W3の内側の領域である矩形領域(XY直進走査領
域)RBとに分けて走査(検査用データ検出処理)され
る。
【0128】(回転走査領域RA)図30、図31にお
いて、外側設定円W1は直径300mm(半径150m
m)の被検査ウエハWの外周円から1mm内側に設定さ
れており、内側設定円W2は被検査ウエハの中心W0を中
心とする半径30mmの円により形成されている。この
場合外側設定円W1と内側設定円W2との間の螺旋状の回
転走査領域RAは、被検査ウエハWが1回転する毎に走
査される単位螺旋領域RA0,RA1,…,RAN-1,R
AN,RAN+1,…,RA1188,RA1189に分けて、連続
して走査される。
【0129】前記螺旋状の回転走査領域RAの走査(検
査)は、XYテーブル(STx+STy)を右方(Y方
向)に一定速度で移動しながら回転テーブルSTrを連
続回転することにより行う。すなわち、図31におい
て、電子ビーム照射位置がP0(図31参照)となる位
置に試料ステージU3を移動させた状態で、前記第1Y
偏向器F7aによりリング状走査領域RA0をY方向に走
査しながら、回転テーブルSTrを1回転させる間にX
Yテーブル(STx+STy)をY方向に0.1mm移動
させる。そして、被検査ウエハWが1回転する度にビー
ム照射位置をP0,P1,P2,…と移動させながら、順
次RA0,RA1,RA2,RA3,…,RA1189を連続し
て走査する(検査用データ検出処理を行う)。なお、前
記回転走査領域RAの走査を行う際、螺旋状走査領域R
A0〜RA1189の周方向の移動速度(周速度)を一定に
しながら行うため、螺旋状走査領域RA0〜RA1189が
内側になるに従って、回転テーブルSTrの回転速度を
高くする。
【0130】前記螺旋状走査領域RA0〜RA1189が内
側になるに従って、回転テーブルSTrの回転速度を高
くして、走査する位置の周速度(走査部分の移動速度)
が一定となる条件は次のようになる。図31に示す螺旋
状走査領域RANの走査時には、回転テーブルSTrが1
回転する間にビーム照射位置がPNからPN+1に移動す
る。前記ビーム照射位置がPNのときの回転テーブルS
Trの回転角度をθ=0、前記θ=0の状態から回転テ
ーブルSTrが1回転して前記ビーム照射位置がPN+1に
なったときの回転テーブルSTrの回転角度をθ=2π
とし、θ=0の時の回転速度をVNh(rpm)、θ=2
πの時の回転速度をV(N+1)h(rpm)とした場合、前
記式(1)〜(6)の説明から分かるように、PNおよ
びPN+1の周速度が、前記回転速度V0で回転するP0の
周速度と等しくなるための条件は次式(7),(8),
(2),(9)で示される。
【0131】図31において、θ=0の場合すなわち、
PNの回転速度VNh(rpm)(rpm)は次式(7)
で表せる。 VNh=V0(r0/rN)…………………………………………………………(7) θ=2πの場合すなわち、PNの回転速度V(N+1)h(r
pm)は次式(8)で表せる。 V(N+1)h=V0(r0/r(N+1))………………………………………………(8) 但し、 rN=30mm+0.1mm×(1190−N) =(149−0.1N)mm …………………………………………(2) r(N+1)=30mm+0.1mm×{1190−(N+1)} ={149−0.1(N+1)}mm ………………………………(9)
【0132】前記式(7),(2)から、回転速度VNh
(N=0〜1189)(rpm)は次のようになる。 N=0のとき、V0h=V0(149/149)=V0(r
pm) N=1のとき、V1h=V0(149/148.9)(rp
m) N=2のとき、V2h=V0(149/148.8)(rp
m) N=3のとき、V3h=V0(149/148.7)(rp
m) … N=1189のとき、V1189h=V0(149/30.1)
(rpm) N=1190のとき、V1190h=V0(149/30)(rp
m) したがって、電子ビームを照射して走査する部分の周速
度を一定とするためには、Nの値が増加するに従って前
記回転速度VNh(N=0〜1189)(rpm)を高くする
必要がある。
【0133】前記図31に示す螺旋状走査領域(回転テ
ーブルSTrが1回転するときの走査領域)RANの走査
時における0≦θ<2πのときの回転テーブルSTrの
回転速度をVN(VNはθの関数)(rpm)としたと
き、VNの値は、θ=0のときは前記式(7)のVNhの
値となり、θ=2πのときは前記式(8)のV(N+1)hの
値となる。したがって、0≦θ<2πの範囲で回転速度
VN(rpm)がθに比例して増速するとみなせば、VN
(VNはθの関数)は次式で表せる。 VN=VNh+{V(N+1)h−VNh}×(θ/2π)…………………………(10) 前記式(7),(8)を用いると、前記式(10)は次
式(11)で表せる。 VN =V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}(θ/2π)〕…(11) したがって、回転テーブルSTrを前記式(11)を満
たすように回転駆動することにより、螺旋状走査領域R
AN(N=0〜1189)の走査部分の周速度(走査部
分の移動速度)をほぼ一定の状態として走査(検査)す
ることができる。
【0134】前述の場合(前記式(10)および(1
1)の回転速度VN(rpm)で回転テーブルを回転す
る場合)、VN(rpm)の平均値VNaはθ=πの時の
VNの値である。θ=πの時のVNの値VNa(rpm)は
次式(12)で表せる。 VNa=VNh+{V(N+1)h−VNh}×(θ/2π) =VNh+{V(N+1)h−VNh}×(π/2π) ={VNh+V(N+1)h}/2 =V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}/2〕………(12) この場合、回転テーブルSTrが1回転するのに要する
時間t(sec)は次式(13)で表せる。 t=(60/VNa)(sec)………………………………………………(13)
【0135】前記時間t(sec)の間にYテーブルS
TyをY方向に0.1mm移動させる必要がある。したが
って、YテーブルSTyの移動速度Vy(mm/sec)
は次式(14)で表せる。 Vy=0.1/t(mm/sec) =0.1/(60/VNa) =0.1VNa/60(mm/sec)……………………………………(14) 前記式(13)および(14)より、Vy(mm/se
c)は次式で表せる。 Vy=0.1VNa/60(mm/sec) =V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}/2〕/600 …………………………………………(15) なお、前記式(15)のrN,r(N+1)は前記式(2),
(9)により定まる。
【0136】本実施例2では、前記式(11)の回転速
度VN(rpm)で回転テーブルSTrを回転駆動しなが
ら、且つ前記式(15)の移動速度でYテーブルSTy
を移動させることにより、螺旋領域RA0〜RA1189
(図30、図31参照)を含む回転走査領域RAを連続
走査(連続検査)することができる。なお、XY直進走
査領域RB(図30、図31参照)の走査方法は前記図
13で説明した前記実施例1と同様である。
【0137】本発明の試料表面検査装置の実施例2の制
御部は前記実施例1の図15、図17に示す制御部と同
様の構成を備えているがその説明は前記実施例1と重複
するので省略する。図32は本発明の試料表面検査装置
の実施例2の制御部の説明図で、前記図15の続きの部
分を示す図であり、前記実施例1の図16に対応する図
である。図32において、本実施例2のテーブル回転走
査用制御手段C1B2は、螺旋状領域周速度定速制御手段
C1B2cを有しており、前記実施例1の所定ピッチテー
ブル移動制御手段C1B2aおよびリング状領域周速度定
速制御手段C1B2bが省略されている。本実施例2のそ
の他の構成は前記実施例1と同様である。
【0138】C1B2c:螺旋状領域周速度定速制御手段 螺旋状領域周速度定速制御手段C1B2cは、電子ビーム
が被検査ウエハW表面の螺旋走査領域RA0〜RA1189
を順次周速度が一定となるように回転テーブルSTrを
回転駆動するとともに、前記回転テーブルSTrが1回
転する度にYテーブルSTrがY方向に一定速度(0.1
mm)移動するようにYテーブルSTyを移動させる。
【0139】(実施例2の作用)実施例2のフローチャ
ートは、前記実施例1の図16〜図23に示すフローチ
ャートに対して、図23のST44のn=0の処理が不要
であり、且つ図24のフローチャートに対して図33に
示すフローチャートを有する。この実施例2のその他の
フローチャートは前記実施例1と同様である。すなわ
ち、本実施例2では、前記0.1mm幅のリング状走査
領域RA1〜RA1189の走査回数をカウントする走査回
数カウンタのカウント値nで、且つn=5になると、リ
セットされて初期値n=0になるカウンタのカウント値
は使用しないので、図23のST44ではn=0とする処
理は行わない。
【0140】図33は前記図23のST45のサブルーチ
ンである。図33のST51、ST52の処理は前記図24
と同様である。次にST53′において次の処理を行う。
(1)回転テーブルSTrの回転速度VN(rpm)を前
記式(11)に示す値VNとして回転テーブルSTrを
回転させる。 VN=V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}(θ/2π)〕 ……………………………………(11) (2)YテーブルSTyの移動速度Vy(mm/sec)
を前記式(15)に示す値VyとしてYテーブルSTyを
移動させる。 Vy=0.1VNa/60(mm/sec) =V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}/2〕/600 …………………………………………(15) (3)回転テーブルSTrの回転角度θを計測する。 (4)ブランキングコイルF4をオフにして第1Y偏向
器F7aによりウエハ表面を照射する電子ビームをY軸方
向に走査幅0.1mmで往復走査する。
【0141】ST54′においてθ=2πか否か判断す
る。ノー(N)の場合は前記ST53′に戻る。イエス
(Y)の場合はST55′に移る。ST55′において次の
処理を行う。 (1)N=N+1とする。 (2)θ=0とする。 次にST56′においてN=1190か否か判断する。ノ
ー(N)の場合は前記ST53′に戻る。イエス(Y)の
場合はST57′に移る。
【0142】ST57′において次の処理を実行する。 (1)ブランキングコイルF4をオンにして電子ビーム
の被検査ウエハWへの照射を遮断する。 (2)回転テーブルSTrおよびYテーブルSTy停止動
作開始。 次にST58′において回転テーブルSTrおよびYテー
ブルSTyが停止したか否か判断する。ノー(N)の場
合はST58′を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合
はST59′に移る。ST59′において次の処理を実行す
る。 (1)回転テーブルSTrは急停止できないので図31
の点P1190を通過して停止するため、前記停止するまで
にP1190を越えて回転した回転量だけ回転テーブルST
rを逆回転。 (2)YテーブルSTyの停止までに点P1190(図3
0、図31参照)がビーム照射位置を越えて移動した分
だけYテーブルSTyを逆移動。 (3)N=0とする。次に前記図23のメインルーチン
のST46に移る。
【0143】この実施例2によれば、前記螺旋状走査領
域RA0〜RA1189を有する回転走査領域RAの全領域
を、回転テーブルSTrおよびXYテーブル(STx+S
Ty)の停止をすることなく連続移動させながら走査す
ることができる。前記回転テーブルSTrおよびXYテ
ーブル(STx+STy)の移動、停止の繰り返しが行わ
れないので走査を高速に行うことができる。この実施例
2においては、回転走査領域モデルデータおよび回転走
査領域被検査試料検出データは、螺旋状走査によって得
られた順番にデータが記憶されており、前記順番にデー
タを読出して比較することにより、欠陥予備検査を行
う。欠陥予備検査の処理は前記実施例1の図26〜図2
9に示す処理と同様である。
【0144】(実施例3)図34は本発明の実施例3で
使用する試料検査制御装置に接続されたSEM1(予備
検査用走査型電子顕微鏡)の構成要素のブロック線図で
あり、前記実施例1の図8に対応する図である。本実施
例3は複数本(400本)の電子ビームを同時にウエハ
W表面に照射してウエハ表面から放出される2次電子を
検出するように構成されており、1本の電子ビームで試
料表面を走査する前記実施例1と異なっている。
【0145】図34においてSEM1(予備検査用走査
型電子顕微鏡)は、鏡筒56、マルチフィールドエミッ
ション電子銃F21、加速電極F22、ビーム縮小レンズF
23、ビーム平行化レンズF24、ブランキング電極F25、
ビーム縮小第1レンズF26、電子ビームをX軸、Y軸方
向にそれぞれ走査させるためのX偏向器F27、Y偏向器
F28、および電子ビームを被検査ウエハW上に収束させ
るビーム縮小第2レンズF29等を有している。なお、前
記ブランキング電極F25の上側にはスリット状の矩形ア
パーチャAPaを有するアパーチャ基板APが設けられ
ている。前記ビーム縮小第1レンズF26およびビーム縮
小第2レンズF29によりビーム縮小レンズ系(F26+F
29)が構成されている。ビーム縮小第1レンズF26はビ
ーム径を1/50に縮小し、ビーム縮小第2レンズF29
はビーム径を1/2に縮小する。
【0146】前記マルチフィールドエミッション電子銃
F21は、複数のエミッタF21aおよび電子ビーム引出電
極F21bを有しており、エミッタ用電源回路E21aおよび
ビーム引出用電源回路E21bにより作動する。前記加速
電極F22は上下に配置された多段の電極により構成され
ており、下側の電極ほど、前記電子ビーム引出電極F21
bに対して高電圧(例えば最下段で50kv)が印加さ
れる。なお、最下段はアース(接地)され、電子ビーム
引出電極F21bには−(マイナス)の高電圧が印加され
ている。また、前記符号F23〜F29で示された要素はそ
れぞれ、加速電源E22、ビーム縮小レンズ駆動回路E2
3、ビーム平行化レンズ駆動回路E24、ブランキング電
極駆動回路E25、ビーム縮小第1レンズ駆動回路E26、
X偏向器駆動回路E27、第1Y偏向器駆動回路E28aお
よび第2Y偏向器駆動回路E28bを有するY偏向器駆動
回路E28、ビーム縮小第2レンズ駆動回路E29により作
動する。前記符号E21a〜E29で示された回路は前記試
料検査制御装置CのSEM1用コントローラC1が出力
する制御信号により作動する。前記符号F21〜F23,F
26〜F29,E21〜E23,E26〜E29で示された要素によ
り電子ビーム走査装置(F21〜F23+F26〜F29+E21
〜E23+E26〜E29)が構成されている。図34、図4
3において、前記SEM1(予備検査用電子顕微鏡)下
端の外周部には2次電子検出器(放出線検出器)54
a″が保持されている。前記2次電子検出器54a″、2
次電子増幅回路A、および複数の復調器により構成され
た2次電子分離装置(図43参照)54b″等から2次
電子検出装置(すなわち、放出線検出装置)54″(図
34、図43等参照)が構成されている。
【0147】図35は本実施例1のSEM1(予備検査
用走査型電子顕微鏡)の鏡筒56に装着されたビーム識
別周波数印加部材ホルダおよびそれが装着されるゴニオ
ステージGSの全体図である。図36は前記図35に示
すビーム識別周波数印加部材ホルダの説明図で、図36
Aは平面図、図36Bは前記図36AのXXXVIB−
XXXVIB線断面図、図36Cは前記図36Bの矢印
XXXVICで示す部分の拡大図である。図37は前記
図36のビーム識別周波数印加部材ホルダの先端部分の
拡大説明図で、図37Aは平面図であり前記図36Aの
矢印XXXVIIAで示す部分の拡大説明図、図37Bは
前記図37AのXXXVIIB−XXXVIIB線断面図、
図37Cは前記図37Bの矢印XXXVIICで示した部
分の拡大図である。図38は前記図37のビーム識別周
波数印加部材ホルダの内端部分の斜視図である。図39
は前記図38の要部断面図である。
【0148】図35、図36において、SEM1(予備
検査用走査型電子顕微鏡)の鏡筒56にはビーム識別周
波数印加部材ホルダH1を装着するためのゴニオステー
ジGSが設けられている。ゴニオステージGSは、ホル
ダ装着孔57aを有する円筒状のホルダ装着部材57を
有している。前記円筒状のホルダ装着部材57の軸は、
荷電粒子線の通路にほぼ直角に交差する方向(X軸方
向)に延びており、その軸の向きは、ゴニオステージG
Sの球面軸受けGSaにより微小な範囲で調節可能であ
る。図35において鏡筒56の前記ゴニオステージGS
と反対側には、ホルダ位置決め部材H2が配置されてい
る。ホルダ位置決め部材H2は、前記鏡筒56内外の圧
力差により内端側に押される前記ビーム識別周波数印加
部材ホルダH1の先端に当接してビーム識別周波数印加
部材ホルダH1の位置決めを行う部材である。
【0149】前記ホルダ位置決め部材H2は位置調節用
モータ58と、前記位置調節用モータの出力軸に装着さ
れたギヤ58aの回転により鏡筒56の内外方向に進退
移動するネジ59aおよび前記ネジ59aの内端に当接す
るスライダ59bを有する進退移動部材59と、当接位
置決め部材60とを有している。前記当接位置決め部材
60は、その前端(X端)が前記スライダ59bの後端
(−X端)に当接しており、内外方向(前後方向、X軸
方向)に位置調節可能であり、その後端(−X端)が前
記ビーム識別周波数印加部材ホルダH1の前端(X端)
に当接している。前記ホルダ位置決め部材H2およびゴ
ニオステージGSは、従来公知の電子顕微鏡のゴニオス
テージ、および前記従来公知のゴニオステージGSに装
着された試料ホルダ先端の位置決めを行う従来公知のホ
ルダ位置決め部材を使用することができる。
【0150】図36、図37において、前記ホルダ装着
部材57(図35参照)によって支持されるビーム識別
周波数印加部材ホルダH1は、前記ホルダ装着孔57a
(図35参照)を貫通する円筒状のホルダ外筒61(図
36B参照)を有している。前記ビーム識別周波数印加
部材ホルダH1の軸(すなわち、ホルダ軸)は前記ホル
ダ装着孔57aの軸と同様に、X軸方向に延びている。
ホルダ外筒61は、前記鏡筒56の内側に挿入される良
導電性且つ高伝熱性の内端側外筒部材62および鏡筒5
6の外側に配置される導電性且つ高熱伝導率の金属製の
外端側外筒部材63を有している。外端側外筒部材63
はその内側面に段部63a(図36B参照)が形成さ
れ、後端側部分にはケーブル挿通孔63b(図36B参
照)が形成されている。図36Bに示すように、内端側
外筒部材62および外端側外筒部材63はそれらの接合
部において嵌合し且つ、ねじ64により結合されてい
る。ホルダ外筒61の内端側外筒部材62の内端部(前
記鏡筒56の内部に配置される部分の端部、すなわち、
図36A、図36BのX側の端部)外周部には図37に
示すOリング66を収容するリング状のOリング収容溝
が形成されている。前記Oリング66は、前記ホルダ装
着孔57a(図35参照)の内周面に圧接して、Oリン
グ66の前方(X方向)を後方(−X方向)の大気に対
して気密に遮断するため部材である。
【0151】図36において、前記ホルダ外筒61の外
端側外筒部材63の外端部(右端部)の外周部には高熱
伝導率の金属製のモータ支持部材67が結合されてい
る。モータ支持部材67はほぼ円筒状の部材であり、そ
の前端(X端)に設けたフランジ67aおよび円筒状部
分に形成された前後(X軸方向)に延びるガイド溝67
b(図36A参照)を有している。モータ支持部材67
の後端(−X端)にはプレート68が連結されている。
プレート68にはY軸方向移動用モータ69が結合され
ている。前記Y軸方向移動用モータ69の周囲は前記モ
ータ支持部材67のフランジ67aに固定された高熱伝
導率の金属製のカバー71により囲まれている。前記カ
バー71の後端にはケーブル支持部材72が固定されて
おり、ケーブル支持部材72には、前記Y軸方向移動用
モータ69への給電ケーブル73が支持されている。前
記Y軸方向移動用モータ69の出力軸69aは回転ブロ
ック74に連結されている。回転ブロック74は、円筒
状外周側面に形成された雄ねじ74aおよび左方に延び
る連結ロッド部74bを有している。回転ブロック74
の外周側面の前記雄ねじ74aには円筒状のスライドブ
ロック76の内周側面に形成された雌ねじ76aが螺合
している。
【0152】図36Aにおいて、前記スライドブロック
76には被ガイド部材77が固定されている。被ガイド
部材77は前記ガイド溝67bにスライド移動可能に係
合している。前記モータ支持部材67には前記ガイド溝
67bの両端にリミットスイッチ78a,78bが支持さ
れており、前記リミットスイッチ78a,78bは、前記
被ガイド部材77が当接したときに作動し、被ガイド部
材77およびスライドブロック76の前後方向(X軸方
向)の位置を検出する。前記リミットスイッチ78a,
78bの検出信号は、前記Y軸方向移動用モータ69の
駆動制御に使用される。
【0153】図36Cにおいて、前記外端側外筒部材6
3には略円筒状のロッドガイド79が固定支持されてい
る。ロッドガイド79の外側面にはケーブル挿通溝79
aが形成され、内端部分(前端部分)には前後に延びる
ガイド溝79bが形成されている。前記ロッドガイド7
9の内周面には回転部材81が嵌合しており、回転部材
81の後端部分にはロッド部連結孔81aおよび回り止
め用溝81bが形成され、前端(X端)側部分にはシャ
フト螺合用ねじ孔81cが形成されている。前記ロッド
部連結孔81aには前記連結ロッド部74bが嵌合し、連
結ロッド部74bに固定された回り止め用ピン74cが前
記回り止め用溝81bに相対回転不能且つスライド可能
に係合している。
【0154】したがって、前記Y軸方向移動用モータ6
9の出力軸69aが回転すると、回転ブロック74が回
転し、回転ブロック74の回転に連動して回転部材81
が回転するように構成されている。そして、前記回転ブ
ロック74の回転により前記スライドブロック76およ
び被ガイド部材77が前記モータ支持部材67のガイド
溝67bに沿って前後(X軸方向)にスライド移動し、
それらの移動位置は前記リミットスイッチ78a,78b
により検出される。そして、前記リミットスイッチ78
a,78bにより被ガイド部材77の位置が検出されたと
きには前記Y軸方向移動用モータ69が停止されるよう
に構成されている。
【0155】前記回転部材81のシャフト螺合用ねじ孔
81cには、シャフト82の後端部(−X端部)が螺合
している。図36B、図36Cにおいて、シャフト82
は、その外側面に第1ケーブル挿通溝82aおよび第2
ケーブル挿通溝82bが形成され、その前端(X端)部
にはハーメチックシール収容孔82c(図36B、図3
7参照)が形成されている。図37において、前記ハー
メチックシール収容孔82cには、その内端(前端)部
に、段部82d、ケーブル挿通溝82e、82f(図37
B参照)が形成されている。また、図37に示すよう
に、シャフト82の内端部(前端部)外周面にはOリン
グ83を収容するOリング収容溝が形成されている。O
リング83は、前記内端側外筒部材62内周面に密着し
て、その後側部分(−X端側部分)および前側部分(X
端側部分)の空間を気密に遮断している。
【0156】シャフト82には回り止め用ピン84(図
36B、図36C参照)が固定されており、回り止め用
ピン84は前記固定されたロッドガイド79のガイド溝
79bにスライド可能且つ相対回転不能に係合してい
る。
【0157】図36Bにおいて、前記シャフト82(図
36C参照)には、そのシャフト82上に固定支持され
た固定プレート85(図36B参照)およびシャフト8
2の軸方向に沿ってスライド移動可能な移動プレート8
6が支持されており、それらの間には圧縮ばね87が配
置されている。前記移動プレート86は外端側外筒部材
63の内側面に形成された段部63aに当接しており、
固定プレート85およびシャフト82は前記圧縮ばね8
7により常時後方(−X方向)に押圧されている。前記
移動プレート86、固定プレート85および圧縮ばね8
7は、前記シャフト82の後端部(−X側端部)および
シャフト螺合用ねじ孔81c(図36C参照)の螺合部
分のガタを吸収する機能を有している。
【0158】図36Cにおいて、ケーブルKは、前記ケ
ーブル挿通孔63bを通って外端側外筒部材63内側に
導入され、ケーブル挿通溝79aを通って前記シャフト
82に形成された第1ケーブル挿通溝82a、第2ケー
ブル挿通溝82bを通って前記ハーメチックシール収容
孔82c内に導入される。なお、前記シャフト82は円
筒部材により構成してその内側の前端部(X端部)に前
記ハーメチックシール収容孔82cを形成することが可
能であり、その場合には、前記ケーブルKはシャフト8
2の内側を通すことが可能である。図37において、前
記シャフト82内端部(前端部)のハーメチックシール
収容孔82cの前記段部82dにはハーメチックシール8
8が固定されている。ハーメチックシール88には外端
面(後端面)および内端面(前端面)にそれぞれ複数の
端子が設けられており、外端面の端子には前記ケーブル
Kの複数の外側接続線が接続されている。前記複数の接
続線は、アース用接続線、後述の圧電体のY変位用接続
線、シャッタ駆動用信号線、シャッタ駆動用給電線等で
ある。
【0159】図37Aにおいて、前記シャフト82の内
端(前端、X端)には圧電体支持部材89が固定されて
いる。圧電体支持部材89は、中央に大径のフランジ部
89a有し、その下部に接続線挿通溝89bを有し、上部
にアース接続部材支持溝89cを有している。また、圧
電体支持部材89には軸方向(前後)に延びる真空引き
用孔89d(図37B参照)が形成されている。前記圧
電体支持部材89のアース接続部材支持溝89cには、
導電性のアース接続部材90(図37B参照)が固定さ
れている。アース接続部材90は図37Bに示すよう
に、フランジ部90aおよび部分円筒部90bを有してい
る。図37Bから分かるように、導電性のアース接続部
材90の部分円筒部90bの外側面(部分円筒面)は、
前記圧電体支持部材89の内端部(前端部、X端部)の
外周面と同一の半径を有している。そして、前記圧電体
支持部材89の内端部(前端部)の外周面およびアース
接続部材90の部分円筒部90bの外側面(部分円筒
面)により円筒状の圧電体91の後端部(基端部、−X
端部)が嵌合する円筒面が形成されている。前記アース
接続部材90には前記ケーブルKのアース用接続線が接
続される。前記圧電体91は、シールド基板位置を調節
する圧電体(シールド基板位置調節用圧電体)である。
【0160】前記符号82〜91で示された要素により
ホルダ内側移動部材(82〜91)が構成されている。
前記ホルダ内側移動部材(82〜91)は前記X軸方向
移動用モータ69および前記符号69,74〜81で示
された要素(69,74〜81)により、X軸方向(前
後方向)に移動(粗動)制御される。
【0161】前記ホルダ内側移動部材(82〜91)に
より、基端部(−X端部)が支持された円筒状の圧電体
91は表面にY軸方向駆動用電極(図示せず)が形成さ
れており、前記Y軸方向駆動用電極に印加する電圧によ
りY軸方向に伸縮可能である。そして、印加電圧を制御
することにより前記圧電体91の先端部(内端部)の位
置を精密に制御できるようになっている。
【0162】前記圧電体91の内端には円筒部92aお
よびフランジ部92bを有する連結部材92(図37B
参照)が固定されている。連結部材92にはシールドプ
レート支持部材93の後端部(−X端部)が固定されて
いる。シールドプレート支持部材93は、図37に示す
ように、前方に突出するシールドプレート固定部93a
を有している。前記シールドプレート固定部93aには
シールドプレートPL1の後端(−X端)が固定されて
いる。前記符号69,74〜93、PL1で示された要
素により、後述のシールド基板112の位置を移動させ
るシールド基板移動装置(69,74〜93,PL1)
が構成されている。
【0163】図37において、前記内端側外筒部材62
の内端(前端)部には内周面の雌ねじに螺合するシャッ
タ装着部材96が固定されている。前記シャッタ装着部
材96は、後端側の円筒部97と、前記円筒部97の前
端面を形成する端面プレート部98と、前記端面プレー
ト部98から前方(X方向)に突出すシャッタ支持枠9
9とを有している。図38において、前記端面プレート
部98には開口98aが形成されている。前記開口98a
は、前記シールドプレート支持部材93のシールドプレ
ート固定部93aおよびそこに固定支持されるシールド
プレートPL1(後述)が貫通するための開口である。
【0164】前記シャッタ支持枠99は、開口99aを
形成するように前後方向(X軸方向)に離れて左右方向
に延びる平行な一対の側枠に形成された識別周波数印加
部材支持部99bと、内端部(左端部)のシールドプレ
ート支持部99cとを有し、内端面に突出するボール9
9dを保持している。前記ボール99dはビーム識別周波
数印加部材ホルダH1の位置決めのために前記ホルダ位
置決め部材H2の当接位置決め部材60(図35参照)
の後端(−X端)に当接する。前記シールドプレートP
L1の後端部(−X端部)は前記シールドプレート支持
部材93(図38参照)のシールドプレート固定部93
a上に固定され、内端部(左端部)は前記シールドプレ
ート支持部99c上面にスライド可能に支持されてい
る。図37Bにおいて、シールドプレートPL1の後端
部(−X端部)には高熱伝導率の金属網線により構成さ
れたフレキシブルな熱伝達部材101の一端部が接着さ
れ他端部が前記高伝熱性の内端側外筒部材62の内側面
に接着されている。前記熱伝達部材101によりシール
ドプレートPL1の熱は高熱伝導率の前記内端側外筒部
材62に伝達され、さらに前記図36Bに示す前記高熱
伝導率の金属製の外端側外筒部材63、モータ支持部材
67、およびカバー71に伝達され、放熱される。
【0165】なお、前記カバー71にペルチェ素子を介
して放熱フィンを装着することが可能であり、その場
合、前記カバー71から前記放熱フィンに熱を伝導させ
る電圧を印加することにより放熱効果を高めることが可
能である。また、前記カバー71を、熱伝導部材を介し
て冷熱源に接続することによっても放熱効果を高めるこ
とが可能である。
【0166】図37Cにおいて、前記シールドプレート
PL1には複数のシールド基板支持部102が形成され
ており、前記複数の各シールド基板支持部102にはそ
れぞれステンレス製のシールド基板112が収容されて
いる。図37Cにおいて、前記識別周波数印加部材支持
部99bにはビーム識別周波数印加部材PL2が保持され
ている。前記ビーム識別周波数印加部材PL2は、セラ
ミック製(絶縁材料製)の識別周波数印加基板114を
有している。そして、前記識別周波数印加基板114に
は信号線および給電線を含むケーブルKが接続されてお
り、前記ケーブルKは前記ハーメチックシール88を介
して外部に接続されている。
【0167】図40はシールドプレートPL1およびビ
ーム識別周波数印加部材PL2の斜視図である。図41
は前記ビーム識別周波数印加部材PL2の識別周波数印
加基板114の説明図である。図42は前記ビーム識別
周波数印加部材PL2の識別周波数印加基板114の説
明図で、図42AはシールドプレートPL1およびビー
ム識別周波数印加部材PL2の断面図で前記図41と同
じ部分を示す図、図42Bは前記図42AのXXXXII
B−XXXXIIB線断面図である。
【0168】前記図34のビーム平行化レンズF14の下
側の電子ビームが平行な領域には、図40〜図42に示
すシールドプレートPL1およびビーム識別周波数印加
部材PL2が配置されている。図40〜図42におい
て、前記シールドプレートPL1のシールド基板112
と、前記ビーム識別周波数印加部材PL2の識別周波数
印加基板114にはそれぞれ、Y軸に平行な4本の直線
に沿って10μm×10μmの矩形のビーム通過口がそ
れぞれ100個形成されている。すなわち、前記各基板
112,114にはそれぞれ400個のビーム通過口A
S0〜AS399,BS0〜BS399が形成されている。
【0169】前記基板112に形成された400個のビ
ーム通過口AS0〜AS399は次の4つのグループ(G
0)〜(G3)に分けられる。各グループには100個の
ビーム通過口が含まれる。但し、下記のnは、n=0,
1,2,…,99である。 (G0)直線に沿って配置されたビーム通過口AS0,A
S4,AS8,…,AS4n,…,AS396、すなわち、ビ
ーム通過口AS4n(n=0〜99)、(G1)直線に沿
って配置されたビーム通過口AS1,AS5,AS9,
…,AS4n+1,…,AS397、すなわち、ビーム通過口
AS4n+1(n=0〜99)、(G2)直線に沿って配置
されたビーム通過口AS2,AS6,AS10,…,AS4n
+2,…,AS398、すなわち、ビーム通過口AS4n+2
(n=0〜99)、(G3)直線に沿って配置されたビ
ーム通過口AS3,AS7,AS11,…,AS4n+3,…,
AS399、すなわち、ビーム通過口AS4n+3(n=0〜
99)、
【0170】前記各ビーム通過口AS0〜AS399は10
μm×10μmであり、前記Y軸に平行な各直線上の各
グループG0〜G3のビーム通過口のX軸方向の間隔(X
軸方向の中心間距離)は40μmであり、前記平行な各
直線上の各グループG0〜G3の各ビーム通過口AS4n,
AS4n+1,AS4n+2,AS4n+3の位置は、X軸方向から
見た場合にY軸方向に10μmづつずれて配置されてい
る。したがって、X軸方向から見た場合に、前記ビーム
通過口AS0〜AS399は、Y軸方向に隙間無く、並ぶよ
うに配置されている。そして、Y軸方向に並んだ400
個のビーム通過口AS0〜AS399の長さは10μm×4
00=4000μm=4mmである。
【0171】前記識別周波数印加基板114の各ビーム
通過口BS0〜BS399も前記基板112のビーム通過口
AS0〜AS399と同様に配置されており、各基板11
2,114の各400個のビーム通過口AS0〜AS39
9,BS0〜BS399はそれぞれ、電子ビームの進行方向
から見て重なった位置(同一位置)に配置されている。
【0172】前述したように前記X軸方向から見た場合
の、前記Y軸方向に並んだ400個のビーム通過口AS
0〜AS399の長さは10μm×400=4000μm=
4mmである。したがって、前記ビーム通過口AS0〜
AS399を通過した電子ビームを例えば1/40に縮小
して下方の試料に照射した場合、試料S表面の電子ビー
ムのスポット径の1辺の長さは10μm×(1/40)
=0.25μmである。この場合、試料S表面上のビー
ム照射領域のX軸方向の長さは次式で示される。 4000μm×(1/40)=100μm=0.1mm したがって、電子ビームを試料表面に照射しながら試料
をX軸方向に移動させると、0.1mm幅で試料表面を
走査することが可能である。
【0173】前記識別周波数印加基板114の各ビーム
通過口BS0〜BS399は次のグループG0〜G3に分けら
れる。 (G0):BS4n(n=0〜99)のグループ、 (G1):BS4n+1(n=0〜99)のグループ、 (G2):BS4n+2(n=0〜99)のグループ、 (G3):BS4n+3(n=0〜99)のグループ、 図40〜図42に示すように、識別周波数印加基板11
4の上面には、前記各ビーム通過口BS0〜BS399毎
に、通過する電子ビームに異なる識別周波数を印加する
ための電極114-0〜114-399が形成されている。ま
た、識別周波数印加基板114の下面にはほぼ下面全面
にアース電極114aが形成されている。
【0174】図42において、グループG0のビーム通
過口BS0,BS4,BS8,…(図40参照)の周囲に
形成された識別周波数印加電極114-0,114-4,1
14-8,114-12,…にはそれぞれ−(マイナス)直
流電圧B0(図41参照)に識別周波数として次の周波
数のクロックパルスが重畳して印加される。 114-0…1000kHz 114-4…1500kHz 114-8…1010kHz 114-12…1510kHz 114-16…1020kHz … 114-384…1480kHz 114-388…1980kHz 114-392…1490kHz 114-396…1990kHz
【0175】図42において、グループG1のビーム通
過口BS1,BS5,BS9,…(図40参照)の周囲に
に形成された識別周波数印加電極114-1,114-5,
114-9,114-13,…にはそれぞれ−(マイナス)
直流電圧B0(図41参照)に識別周波数として次の周
波数のクロックパルスが重畳して印加される。 114-1…2000kHz 114-5…2500kHz 114-9…2010kHz 114-13…2510kHz 114-17…2020kHz … 114-385…2480kHz 114-389…2980kHz 114-393…2490kHz 114-397…2990kHz
【0176】図42において、グループG2のビーム通
過口BS2,BS6,BS10,…(図40参照)の周囲に
形成された識別周波数印加電極114-2,114-6,1
14-10,114-14にはそれぞれ−(マイナス)直流電
圧B0(図41参照)に識別周波数として次の周波数の
クロックパルスが重畳して印加される。 114-2…3000kHz 114-6…3500kHz … 114-394…3490kHz 114-398…3990kHz
【0177】図42において、グループG3のビーム通
過口BS3,BS7,BS11,…(図40参照)の周囲に
形成された識別周波数印加電極114-3,114-7,1
14-11,114-15,…にはそれぞれ−(マイナス)直
流電圧B0(図41参照)に識別周波数として次の周波
数のクロックパルスが重畳して印加される。 114-3…4000kHz 114-7…4500kHz … 114-395…4490kHz 114-399…4990kHz
【0178】前記SEM1(予備検査用走査型電子顕微
鏡)下端の外周部には2次電子検出器(放出せん検出
器)54a″が保持されている。前記2次電子検出器5
4a″および2次電子増幅回路A(図43参照)、2次
電子分離装置54b″等から前記SEM1の2次電子検
出装置(すなわち、放出線検出装置)54″(図34、
図43等参照)が構成されている。図34、図43から
分かるように、本実施例3の2次電子検出器54a″
は、前記試料表面には400個のビーム通過口AS0〜
AS399(BS0〜BS399)を通過した400本の電子
ビームの試料照射により放出された2次電子が検出され
る。前記検出された2次電子が前記400個のどのビー
ム通過口AS0〜AS399を通過した電子ビームの照射に
より発生した2次電子であるかを知る必要がある。
【0179】図43は本実施例3の2次電子検出装置5
4″の説明図である。図41、図43において、発振器
V0〜V399により前記識別周波数印加電極114-0,1
14-4,…,114-399にそれぞれ、−(マイナス)直
流電圧B0(図41参照)に識別周波数1000kHz〜
4990kHzのクロックパルスが重畳して印加され
る。2次電子検出装置54″は、2次電子(反射ビー
ム)検出器54a″と、前記2次電子検出器54a″で検
出された2次電子(放出線)を増幅する増幅器Aと、増
幅された検出信号を増幅し復調反射データ信号d0〜d3
99として取り出す複数の復調器M0〜M399を有する2次
電子分離装置54b″と、復調反射データ信号d0〜d39
9をアナログ/デジタル変換するADC(アナログ/デ
ジタルコンバータ)とを有している。
【0180】前記ビーム通過口BS0〜BS399周囲の電
極114-0〜114-399の電位(発振器V0〜V399の出
力電位)の変化により、前記各ビーム通過口BS0〜B
S399を通過する電子ビームの速度が変調され、電子の
進行方向に沿って電子の粗密状態が生じるので、ビーム
通過口BS0〜BS399を通過した電子ビームは、識別周
波数印加基板114の前記上面電極114-0〜114-3
99に印加された前記識別周波数情報を有している。そし
て、前記電子ビームの試料表面の照射部分から放出され
る2次電子は、前記識別周波数情報を有することとな
る。すなわち、前記2次電子検出器54a″により検出
された2次電子(放出線)検出信号は、前記識別周波数
印加基板114に形成されたビーム通過口BS0〜BS3
99を通過する電子ビームに印加された識別周波数情報を
有している。
【0181】前記復調器M0〜M399はPLL(位相同期
ループ)方式の同期検波器により構成されており、前記
発振器V0〜V399の識別周波数1000kHz〜499
0kHzのクロックパルス(識別周波数情報)に基づい
て2次電子検出信号を、試料表面の2次電子放出位置
(前記各ビーム通過口AS0〜AS399(BS0〜BS39
9)を通過した各電子ビームの照射位置)毎に分離して
出力する。分離された前記2次電子検出信号はADCに
よりA/D変換されてコンピュータに前記試料検査制御
装置C(図34参照)のSEM1用コントローラC1に
入力される。
【0182】図44は本発明の実施例1の被検査ウエハ
の検査方法の説明図であり、被検査ウエハを回転させな
がら検査する回転検査領域と被検査ウエハをX方向およ
びY方向に直進移動させながら検査するXY直進走査領
域とに分けて検査する方法の説明図である。図44にお
いて被検査ウエハWの表面は、全検査領域を内側に含む
ように設定された外側設定円W1と、前記被検査ウエハ
W表面の中心W0を含むウエハ中心部に設定された内側
設定円W2との間の領域であるリング状の回転走査領域
RAと、前記内側設定円W2に外接する矩形W3の内側の
領域である矩形領域(XY直進走査領域)RBとに分け
て検査(走査)される。
【0183】(回転走査領域RA)図44において、外
側設定円W1は直径300mm(半径150mm)の被
検査ウエハWの外周円から1mm内側に設定されてお
り、内側設定円W2は被検査ウエハの中心W0を中心とす
る半径30mmの円により形成されている。この場合外
側設定円W1と内側設定円W2との半径の差(すなわち、
リング状の回転走査領域RAの半径方向の長さは、15
0mm−30mm−1mm=119mmである。この場
合、回転走査領域RAは、半径方向に0.1mm間隔で
描かれる円により、1190のリング状領域に分割され
る。すなわち、外側から内側に向かって順次、リング状
走査領域RA0,RA1,RA2,RA3,RA4,RA5,
RA6,…,RAn-1,RAn,RAn+1,…,RA1188,
RA1189に分割される。そして、リング回転走査領域R
A0,RA1,RA2,RA3,…は、一番外側の領域RA
0から順次内側に検査(走査)される。
【0184】前記回転走査領域RAの走査(検査)は、
XYテーブル(STx+STy)を停止した状態で回転テ
ーブルSTrを連続5回転することにより行う。すなわ
ち前記実施例1の図11で説明したのと同様に、電子ビ
ーム照射位置がP0(図11参照)となる位置に試料ス
テージSTを移動させた後、回転テーブルSTrを時計
方向にθa回転させる。その位置から回転テーブルSTr
を半時計方向に回転させてビーム照射位置がP0になっ
た時から前記第1Y偏向器F18aによりリング状走査領
域RA0をY方向に走査しながら、回転テーブルSTrを
連続5回転させる。本実施例ではY軸方向に400個並
んだ電子ビームの1辺の長さは、ビーム通過口BS0〜
BS399を通過したときには10μmであるが、試料S
表面では1/40に縮小されて、0.25μmである。
したがって、前記回転テーブルSTrが1回転を行った
ときの試料S表面の走査領域(ビーム照射領域)の半径
方向の幅は0.25μm×400=0.1mmである。
【0185】したがって、前記回転テーブルSTrが最
初の1回転を行ったときに、前記第2Y偏向器F18bに
よりビーム照射位置を−Y方向に0.1mm移動(すな
わち、Y方向に−0.1mm移動)させてP1(図11参
照)に移動させるとリング状走査領域RA1の走査が連
続して行われる。このようにして、前記回転テーブルS
Trを連続5回転させながら、1回転する毎に前記第2
Y偏向器F18bによりビーム照射位置を−Y方向に0.1
mm偏向させることにより、5個のリング状走査領域R
A0〜RA4の走査(検査)を連続して行う。このときの
各回転走査領域RA0,RA1,RA2,RA3,RA4,
…の走査順序は図11の太線の矢印で示すとおりであ
る。前述のように回転開始時に時計方向にθa回転して
から、半時計方向への回転を開始するする理由は、回転
開始時は回転速度が低いので回転速度が一定となってか
ら、リング状走査領域R0の走査を行うためである。
【0186】前記回転走査領域RA4の走査を終了(連
続5回転目の走査を終了)してから回転テーブルSTr
を停止させるが、そのときの回転テーブルSTrの停止
位置は、前記ビーム照射位置P4を通り越して回転した
位置である。そのため、回転テーブルSTrを時計方向
に回転させて、前記ビーム照射位置P4がθaだけ時計方
向に回転した位置に停止させる。次に、XYテーブル
(STx+STy)をY方向に0.5mm移動させ且つ前
記第2Y偏向器F18bによりビーム照射位置を−Y方向
に0.4mm移動させて、ビーム照射位置をP5に移動さ
せる。この状態でXYテーブル(STx+STy)を停止
させて回転テーブルを連続5回転させながら、前述と同
様にリング状走査領域RA5〜RA9の走査(検査)を行
う。このような走査(XYテーブル(STx+STy)が
停止した状態で回転テーブルSTrを連続5回転させな
がら行う5個のリング状回転領域の走査)を、1190
/5=238(回)実行することにより、回転走査領域
RAの走査(検査)を実行することができる。なお、前
記回転走査領域RAの走査を行う際、リング状走査領域
RA0〜RA1189の周方向の移動速度を一定にしながら
行うため、リング状走査領域が内側になるに従って、回
転テーブルSTrの回転速度を高くする。
【0187】図45は前記回転走査時に試料検査制御装
置C(図34参照)で行う、検出2次電子データの試料
(ウエハ)W上の位置を定める処理の説明図である。コ
ンピュータ内部クロックの時刻tにおける検出2次電子
データdn(n=0〜399)の数は400個(d0〜d
399)である。時刻tの関数であるY軸ステージ位置Y
(t)、回転ステージの回転位置θ(t)から、時刻t
における400個の電子ビーム照射位置Tn(n=0〜
399)のrθ座標(rn,θn)(n=0〜399)が
定まる。すなわち、400個の電子ビーム照射位置Tn
(rn,θn)はtの関数である。したがって、時刻tに
おける検出2次電子データdn(n=0〜399)の試料
(ウエハ)W上のr,θ座標がわかる。
【0188】なお、時刻tの関数であるY軸ステージ位
置Y(t)、回転ステージの回転位置θ(t)から、時
刻tにおける400個の電子ビーム照射位置Tn(n=
0〜399)の前記rθ座標(rn,θn)(n=0〜3
99)が定まると同時に、XY座標(Xn,Yn)(n=
0〜399)も定まる。したがって、時刻tにおける検
出2次電子データdn(n=0〜399)の試料(ウエ
ハ)W上の位置を、X,Y座標に対応させることも可能
である。したがって、本実施例3は、図示しないビーム
照射試料表面位置検出手段を有しており、前記ビーム照
射試料表面位置検出手段は、前記放出線検出装置(5
4″)が検出した放出線を放出した試料表面位置である
前記各荷電粒子ビームの試料表面の照射部分の位置を検
出する。
【0189】(実施例4)図46は本発明の実施例4の
被検査ウエハの検査方法の説明図で、前記実施例2の図
30または実施例3の図44に対応する図であり、被検
査ウエハを回転させながら検査する回転検査領域と被検
査ウエハをX方向およびY方向に直進移動させながら検
査するXY直進走査領域とに分けて検査する方法の説明
図である。図46において被検査ウエハWの表面は、全
検査領域を内側に含むように設定された外側設定円W1
と、前記被検査ウエハW表面の中心W0を含むウエハ中
心部に設定された内側設定円W2との間の螺旋状の回転
走査領域RAと、前記内側設定円W2に外接する矩形W3
の内側の領域である矩形領域(XY直進走査領域)RB
とに分けて検査(走査)される。この実施例4は前記実
施例3と同様に400本のビームで走査すること以外は
前記実施例2と同様の走査を行う。
【0190】(実施例5)図47は本発明の実施例5の
試料検査装置の制御部分のブロック線図の要部を示す図
で、前記実施例1の図16に対応する図である。図48
は前記図47の続きの部分を示す図で前記実施例1の図
42に対応する図である。なお、この実施例5の説明に
おいて、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素に
は同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。こ
の実施例5は、下記の点で前記実施例1と相違している
が、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図47において検査用データ検出手段C1Cは、前記実
施例1のように被検査ウエハ表面の全面のモデル表面画
像データを検出し記憶する代わりに、チップ1個分のモ
デル表面画像データを検出する。
【0191】図47、図48に示す実施例5は、次の手
段が実施例1と異なる機能を有している点で前記実施例
1と相違している。 C1C1:モデル試料表面画像データ検出手段 検査用データ検出手段C1Cのモデル試料表面画像デー
タ検出手段C1C1は、モデル試料XY直進走査領域放出
線検出手段C1C1cおよびモデル試料XY直進走査領域
放出線XY座標検出手段C1C1dを有している。 C1C1c:モデル試料XY直進走査領域放出線検出手段 モデル試料(モデルチップ)XY直進走査領域放出線検
出手段C1C1cは、モデル試料表面のXY直進走査領域
におけるチップ1個分のモデル表面画像データを検出す
る。 C1C1d:モデル試料XY直進走査領域XY座標検出手
段 モデル試料(モデルチップ)XY直進走査領域放出線X
Y座標検出手段C1C1dは、モデル試料表面のXY直進
走査領域における前記チップ1個分の表面画像データに
対応するXY座標を記憶している。
【0192】C1D:検査用データ記憶手段 この実施例5の検査用データ記憶手段C1Dは、前記実
施例1と同様にモデル表面画像データ記憶手段C1D1、
被検査試料表面画像データ記憶手段C1D2、および検査
用データ並べ替え手段C1D3を有している。しかし、モ
デル表面画像データ記憶手段C1D1が前記実施例1と異
なっている。すなわち、モデル表面画像データ記憶手段
C1D1は、前記実施例1の回転走査領域モデルデータ記
憶手段C1D1a、回転走査領域モデルデータrθ座標記
憶手段C1D1bを備えておらず、XY直進走査領域モデ
ルデータ記憶手段C1D1c、およびXY直進走査領域モ
デルデータXY座標記憶手段C1D1dを有している。 C1D1c:XY直進走査領域モデルデータ記憶手段 XY直進走査領域モデルデータ記憶手段C1D1cは欠陥
の無いモデル試料表面のXY直進走査領域に荷電粒子ビ
ームが照射されたときのビーム照射部分から放出される
放出線(2次電子等)の検出データを、1チップ分だけ
記憶する。 C1D1d:XY直進走査領域モデルデータXY座標記憶
手段 XY直進走査領域モデルデータXY座標記憶手段C1D1
dはXY直進走査領域から検出された放出線(2次電子
等)が放出されたモデル試料表面のビーム照射部分の座
標を1チップ分だけ記憶する。
【0193】欠陥検出手段C1Eの回転走査領域欠陥検
出手段C1E1は、前記実施例1のrθ座標位置のモデル
データ・被検査試料検出データ比較手段C1E1a(図4
2参照)の代わりに、モデルデータ・被検査試料検出変
換データ比較手段C1E1bを有している。 C1E1b:モデルデータ・被検査試料検出変換データ比
較手段 モデルデータ・被検査試料検出変換データ比較手段C1
E1bは、XY座標に対応したモデルデータとrθ座標の
被検査試料表面画像データをXY座標の表面画像データ
に変換したデータとを比較する。また、実施例5は座標
データ変換手段C1Fを有している。 C1F:座標データ変換手段 座標データ変換手段C1Fは、XY座標と対応づけて記
憶されたモデル表面画像データと、rθ座標と対応づけ
て記憶された被検査試料表面画像データとを比較するた
めに、rθ座標の被検査試料表面画像データをXY座標
の表面画像データに変換する。
【0194】図49は被検査ウエハ表面のチップと回転
走査方向とを示す図である。図50は前記図49の要部
拡大図である。図51は前記図50の部分拡大図であ
る。図49および図50から分かるように、被検査ウエ
ハWの回転走査領域上のチップTの検出データである表
面画像データはrθ座標に対応して記憶されている。こ
れに対してモデル表面画像データは1チップ分のデータ
がXY座標に対応して記憶されている。次に、図50、
図51によりrθ座標の被検査ウエハ表面画像データを
XY座標の被検査ウエハ表面画像データに変換する方法
(前記座標・データ変換手段C1F(図48参照)の機
能)を説明する。
【0195】図50において、Qn,Rn,Snはrθ
座標上の2次電子の検出中心位置および検出強度を示し
ており、Onはモデル画像のXY座標上の1画素分のモ
デル表面画像データの検出部分(ビーム照射部分)の検
出中心位置である。モデル表面画像データ検出手段C1
C1により検出され記憶されたモデル表面画像データは、
前記Onを中心とする表面部分からの放出線(2次電
子)の検出データである。したがって、チップT上の欠
陥の有無を検出するためには、前記2次電子検出強度P
n,Qn,Rn,Snを、被検査ウエハW上のチップT
の前記Onから放出される2次電子検出強度に変換し
て、モデル表面画像データと比較する必要がある。
【0196】本実施例5では、図50の点On,Pnの
距離をpn、OnQnの距離をqn、OnRnの距離を
rn、OnSnの距離をsnとした場合に、Onを中心
とする2次電子強度は、距離の短い2つの2次電子検出
強度を使用して算出している。すなわち、前記距離p
n,qn,rn,snの中で短いものはpn,qnであ
る。この場合、Onを中心に含む被検査ウエハWの表面
部分の2次電子検出強度Onは次式により定める。 On=(Pn・qn+Qn・pn)/(pn+qn)…………………(16) 前記式(16)において、例えばpn:qn=1:2の
場合、前記式(16)は次式(17)で表せる。 On=(2Pn+Qn)/3………………………………………………(17) 前記式(17)において仮に、Pn=Qnとすれば、前
記式(17)は次式(18)で表せる。 On=3Pn/3=Pn………………………………………………………(18) 一般的には点Pn,Qnの検出電子強度Pn,QnがP
n=Qnであるならば、pn,qnの値に係わらず、点
Onの電子強度Onは前記式(18)で表せる。
【0197】前記図50で説明した方法によりrθ座標
の被検査ウエハWの表面画像データを、XY座標のモデ
ル表面画像データに対応した、XY座標の被検査ウエハ
表面画像データに変換する場合、次のようにする。すな
わち、図51のXY座標の2次電子検出表面部分の画素
(ビーム照射単位面積、すなわち、2次電子検出単位面
積)の中心O1,O2,O3,…とし、P1,Q1を前記O1
の周囲でO1に1番目および2番目に近いrθ座標の2
次電子検出表面部分(ビーム照射部分)の中心位置およ
び検出ビーム強度であるとすれば、O1の2次電子強度
は次式(19)で表される。 O1=(P1・q1+Q1・p1)/(p1+q1)……………………………(19) また、O2の2次電子強度は次式(20)で表される。 O2=(P2・q2+Q2・p2)/(p2+q2)……………………………(20) 以下同様に被検査ウエハWのチップ上のXY座標上のO
3,O4,…の2次電子強度を検出することができる。そ
して、検出した被検査ウエハWのチップ上のXY座標に
対応した検出2次電子強度(被検査試料表面画像デー
タ)を、モデル表面画像データと比較することにより、
被検査ウエハW上のチップ表面の欠陥の有無を検出する
ことが可能となる。
【0198】図50において、被検査ウエハW上の各チ
ップTの基準位置O0(X0,Y0)は検出できる。した
がって、チップTが特定されると、その基準位置O0の
XYが定まる。そうするとそのチップT上の画素(ビー
ム照射単位面積、すなわち、2次電子検出単位面積)O
1,O2,O3,…のXY座標および前記各画素における
モデル画像データも分かる。被検査ウエハW上の実際の
チップTの前記画素O1,O2,O3,…における被検査
試料表面画像データが分かれば、前記モデル画像データ
と比較することにより、前記実際のチップTの欠陥の有
無を検出することができる。
【0199】なお、前記図50において、点Oに近い3
つの点の検出データPn,Qn,Rnを使用する場合
は、次の式(21)を使用可能である。 O={Pn(qn+rn)/2+Qn(rn+pn)/2+Rn(pn+qn) /2}/(pn+qn+rn)……………………………………………(21) 式(21)において、Pn=Qn=Rnである場合、p
n,qn,rnの値に係わらず次式(22)が成り立
つ。 O=Pn ……………………………………………………………………(22)
【0200】また、前記図50において、点Oに近い3
つの点の検出データPn,Qn,Rn,Snを使用する
場合は、次の式(23)を使用可能である。 O={Pn(qn+rn+sn)/3+Qn(rn+sn+pn)/3+Rn( sn+pn+qn)/3+Sn(pn+qn+rn)/3}/(pn+qn+r n+sn)……………………………………………………………………(23) 式(23)において、Pn=Qn=Rn=Snである場
合、pn,qn,rn,snの値に係わらず次式(2
4)が成り立つ。 O=Pn ……………………………………………………………………(24)
【0201】(実施例6)図52は本発明の部品検査シ
ステムの実施例6の全体説明図である。図52におい
て、SEM(Scanning Electron Microscope、走査型
電子顕微鏡)、光学式の異物検査装置A1、光学式欠陥
検査装置A2、光学式表面検査装置A3、情報蓄積用のD
IFS(Defect Image FilingSystem)サーバA4、およ
びCIM(Conputer Integrated Manufacturing、製造
装置制御用のホストコンピュータ)等はネットワーク
(例えば、Ethernet)Nで接続されている。前記SEM
Cは、CPU、ROM、RAM、I/O等を有するコン
ピュータにより構成され、SEMCにはディスプレイ
D、メモリMe、キーボードK等が接続されている。ま
た、前記図52において、異物検査装置A1、試料表面
検査装置A2、およびDIFSサーバA4等も、ディスプ
レイD、メモリMe、キーボードK等が接続されたコン
ピュータにより構成され、コンピュータのメモリに記憶
されたプログラムにより種々の処理を行うように構成さ
れている。前記光学式の異物検査装置A1、光学式欠陥
検査装置A2は市販の装置である。
【0202】前記光学式の各検査装置1,2,3の機能
は次のとおりである。 (1)異物検査装置A1:異物検査装置A1は、被検査試
料上の異物(塵など)を自動的に検出し、異物の位置お
よびサイズをファイルする機能(整理して記憶する機
能)および前記ファイルされた結果、すなわち予備検査
情報をDIFSサーバA4に送信する機能を有してい
る。 (2)欠陥検査装置A2:欠陥検査装置A2は、被検査試
料上の異物あるいはパターン欠陥を自動的に検出し、欠
陥の立置およびサイズをファイルする機能および前記フ
ァイルされた結果、すなわち予備検査情報をDIFSサ
ーバA4に送信する機能を有している。 (3)光学式表面検査装置(光学式レビュー装置)A3:
光学式表面検査装置A3は、異物検査装置A1または試料
表面検査装置A2の検査結果である予備検査情報を元
に、さらに詳細な検査を行う機能を有している。
【0203】前記予備検査情報ファイルには、製品番
号、ロット、被検査試料ID、工程、製造装置、日付、
等の他に、異物や欠陥の個数、被検査試料上の位置、お
よびサイズなどが記憶される。前記予備検査情報によ
り、検査部品の製造工程の欠陥発生状況や傾向を把握す
ることが可能である。このため、歩留管理システムで
は、異物情報ファイルや欠陥情報ファイル等の予備検査
情報ファイルが必要不可欠となっている。前記予備検査
装置(1,2)によって得られた前記予備検査情報ファ
イル(異物情報ファイルおよび欠陥情報ファイル)は、
それぞれ異物検査装置A1または試料表面検査装置A2の
付属のコンピュータまたは前記DIFSサーバA4に記
憶される。
【0204】(4)SEM:SEM(Scanning Electron
Microscope、走査電子顕微鏡)はSEM本体、SEM
C(SEM Controler、SEMのコントローラ)により
構成されている。前記SEMCは、ネットワークNに接
続されており、前記ネットワークNに接続された異物検
査装置A1、欠陥検査装置A2、DIFSサーバA4、C
IMとの間で情報の送受信を行う機能を有してる。前記
SEMは、SEMにより撮像した画像を表示するディス
プレイDを有している。前記SEMにはEDS(Energy
DispersiveX-raySpectrometer、エネルギー分散X線分
光装置)が装着されている。EDSは、試料から発生す
る特性X線を検出し、微小領域中に含まれている元素の
定性、定量分析を行う装置である。
【0205】前記SEMは、被検査試料等の検査部品の
予備検査を行う際には、前記実施例1と同様に、試料ス
テージにより試料(被検査ウエハ)を回転させながら、
試料表面の回転走査領域から放出される放出線(例え
ば、2次電子)を検出する機能を有している。前記SE
Mにより検出された、モデル表面画像データおよび被検
査試料表面画像データは、前記DIFSサーバA4に送
信され、DIFSサーバA4に記憶される。
【0206】(5)DIFSサーバA4:DIFSサーバ
A4は、前記異物検査装置A1、欠陥検査装置A2、DI
FSサーバA4、CIM等から送信された情報を分類し
て記憶する機能、およびSEMから送信される、欠陥画
像、欠陥に関する種々の情報、欠陥の分類情報等のSE
M検査情報(検査結果、SEMに装着されたEDSによ
るX線分析結果等を含む)を記憶する。また、DIFS
サーバA4は、他の装置から送信されたデータ(テスタ
によるテスト結果、すなわち、抵抗値等)や、CVD装
置やエッチング装置などの製造設備から得られるプロセ
ス情報(反応炉温度、製造プロセスで使用したガスの種
類、ガス流量等)を分類した状態で記憶する機能を有し
ている。また、DIFSサーバA4は、他の装置からの
データ要求信号に応じて要求されたデータを送信する機
能を有する。DIFSサーバで予備検査情報、詳細検査
情報等のデータを管理することにより、各検査装置毎に
検査情報を保存する必要がなくなり、検査情報管理(バ
ックアップや整理、削除など)が容易になり、SEMで
必要とする予備検査情報を個別の検査装置ごとに探さな
くても、DIFSデータベース(検査部品情報データベ
ース)の検索により容易に取り出すことができる。
【0207】前記DIFSサーバA4は、前記被検査試
料表面画像データDと前記モデル表面画像データMとの
差の絶対値|D−M|を算出し、前記差|D−M|が所
定の閾値D0以内か否かを、被検査試料表面の全画像デ
ータに対して判別することにより、前記実施例1と同様
に試料表面(被検査ウエハ表面)の検査を行うことがで
きる。すなわち、この実施例6のDIFSサーバA4
は、前記実施例1の検査用データ検出手段C1Cを有し
ていないが、SEMなどから送信されたデータを記憶す
る検査用データ記憶手段を有し、記憶されたモデル表面
画像データや被検査試料表面画像データを使用すること
により、被検査試料(ウエハ)表面の検査を行うことが
できる。すなわち、本実施例6の前記DIFSサーバA
4は、試料表面検査装置としての次の機能(C1D2)、
(C1D1)、および(C1E)を有している。
【0208】C1D2:被検査試料表面画像データ記憶手
段 被検査試料表面画像データ記憶手段C1D2は、被検査試
料表面画像データDを記憶する。前記被検査試料表面画
像データDは、検査される試料表面である被検査試料W
表面を荷電粒子ビームで走査したときに前記被検査試料
W表面のビーム照射部分から放出される放出線の検出デ
ータを前記ビーム照射部分の座標位置に対応させたデー
タであり、被検査試料W表面に設定した原点からの距離
rと前記原点を通る基準軸からの前記原点回りの回転角
度θとを使用したrθ座標位置に対応させたデータであ
る。 C1D1:モデル表面画像データ記憶手段 モデル表面画像データ記憶手段C1D1は、前記被検査試
料Wと同じ試料であって表面に欠陥が無いモデル試料の
表面を荷電粒子ビームで走査したときに前記モデル試料
表面のビーム照射部分から放出される放出線の検出デー
タに相当するモデル表面画像データMを記憶する C1E:欠陥検出手段 欠陥検出手段C1Eは、前記rθ座標位置の被検査試料
表面画像データDをモデル表面画像データMと比較する
ことにより、被検査試料W表面の各座標位置における欠
陥の有無を検出する。
【0209】(実施例6の作用)本発明の実施例6の試
料表面検査装置としての次の機能を有する前記DIFS
サーバA4は、欠陥の有無を検出するために記憶された
モデル表面画像データMおよび被検査試料表面画像デー
タDがrθ座標に対応して記憶される。前記DIFSサ
ーバA4は、試料を回転走査することにより高速に取得
することができる前記モデル表面画像データMおよび被
検査試料表面画像データDを使用して試料の欠陥の有無
を検出することができる。
【0210】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。 (H01)前記各実施例1、2においては、XY直進走査
領域RBおよび回転走査領域RAを走査(検査)する
際、ウエハ上のビーム照射領域である走査部分の移動速
度を一定にしているが、例えば、回転走査領域RAを走
査する際には、前記回転走査領域RAを所定の半径の外
側部分(半径の大きい走査部分)と内側部分(半径の小
さい走査部分とに2分して、半径の小さい走査部分を走
査する際には半径の大きい走査部分を走査する場合に比
較して、走査部分の移動速度を1/2に設定して走査
(検査)を行うことが可能である。その場合には、2次
電子検出量を走査速度応じて補正すれば良い。また、回
転走査領域RAの走査を一定回転速度で行うことが可能
である。その場合、前記走査部分の回転中心W0からの
半径の大きさによって、走査部分(ビーム照射部分)の
前記移動速度(周速度)が異なるので、各走査部分の2
次電子検出量を前記移動速度(周速度)に応じて補正す
れば良い。
【0211】(H02)前記各実施例1,2では、ウエハ
W上の電子ビーム(照射ビーム)を所定の走査幅で往復
走査しながら、前記走査幅方向に垂直な方向にウエハW
を一定速度で移動させることによりウエハW表面の走査
(検査)を行っているが、前記走査幅方向の往復走査を
行うことなく、大きな径の電子ビームでウエハ表面部分
(走査部分)を照射しながら前記走査部分を一定速度で
移動させて、ウエハW表面の走査(検査)を行うことが
可能である。
【0212】(H03)試料ステージU3上に保持された
ウエハW表面のXY座標位置に対応した高さ(ウエハ表
面高さ)を検出し、2次電子検出量を前記ウエハ表面高
さに対応して補正することができる。その場合、2次電
子検出量の検出誤差を補正することができるので、検査
精度を向上させることが可能である。 (H04)前記各実施例1,2において、反射ビーム検出
装置の代わりに、反射電子検出装置、オージェ電子検出
装置、X線検出装置等を使用することが可能である。 (H05)前記ウエハ保持装置としては静電チャックを使
用可能である。
【0213】
【発明の効果】前述の本発明の試料表面検査装置は、下
記の効果を奏することができる。 (E01)SEM(走査型電子顕微鏡)を使用して被検査
ウエハの検査を行う際の検査に要する時間を短縮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の試料表面検査装置の実施例1の
全体説明図である。
【図2】図2は同実施例1の全体斜視図である。
【図3】図3は同実施例の部分平面図である。
【図4】図4は真空試料室(真空作業室)内に配置され
たXYテーブルに支持された回転テーブルの昇降ロッド
の説明図で、前記図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は前記図4の要部拡大図である。
【図6】図6は前記図5の回転テーブル上に載置された
試料Wの位置決め機構の説明図で、回転テーブルが前記
図5とは異なる位置に回転したときの断面図である。
【図7】図7は前記詳細検査用走査型電子顕微鏡SEM
2の前記上壁部2への取付構造を示す図である。
【図8】 図8は試料検査制御装置Cに接続された予備
検査用走査型電子顕微鏡SEM1の構成要素のブロック
線図である。
【図9】 図9は詳細検査用走査型電子顕微鏡SEM2
の構成要素のブロック線図である。
【図10】 図10は本発明の実施例1の被検査ウエハ
の検査用データ検出方法の説明図であり、被検査ウエハ
を回転させながら検査する回転検査領域と被検査ウエハ
をX方向およびY方向に直進移動させながら検査するX
Y直進走査領域とに分けて検査用データを検出する方法
の説明図である。
【図11】 図11は同実施例1の被検査ウエハWの検
査用データ検出方法の詳細説明図で、回転検査領域の検
査用データの検出方法の説明図である。
【図12】図12は前記図11の要部拡大説明図であ
る。
【図13】図13はXY直進走査領域の検査用データ検
出方法の説明図である。
【図14】図14は前記図13の拡大説明図である。
【図15】 図15は本発明の試料表面検査装置の実施
例1の制御部の説明図で、試料検査制御装置Cの説明図
である。
【図16】図16は本発明の試料表面検査装置の実施例
1の制御部の説明図で、前記図15の続きの部分を示す
図である。
【図17】図17は本発明の試料表面検査装置の実施例
1の制御部の説明図で、前記図16の続きの部分を示す
図である。
【図18】図18は本発明の試料検査制御装置CのSE
M1用コントローラC1のフローチャートの説明図であ
る。
【図19】図19は前記図18のST3でイエス(Y)
の場合の処理を示すフローチャートである。
【図20】図20は表示画面の説明図で、図20AはS
T1で表示される画面、図20BはST21で表示される
画面である。
【図21】図21は前記ST20においてイエス(Y)の
場合の処理、すなわち、前記第1選択画面において
「(1)検査用データ検出処理」が選択された場合の処
理を示すフローチャートである。
【図22】図22はST33で表示される画面である。
【図23】 図23は前記図21のST43の続きのフロ
ーチャートである。
【図24】 図24は前記図23のST45のサブルーチ
ンである。
【図25】 図25は前記図23のST47のサブルーチ
ンである。
【図26】図26は前記図18のST19のサブルーチン
の説明図で、欠陥予備検査処理のフローチャートであ
る。
【図27】図27は前記図26の予備検査処理で表示さ
れる予備検査初期画面を示す図で、図27AはST91で
表示される予備検査初期願面を示す図、図27BはST
98で表示される画面を示す図である。
【図28】図28は予備検査処理のフローチャートで、
前記図26のST99のサブルーチンである。
【図29】図29は予備検査処理のフローチャートで、
前記図26のST100のサブルーチンである。
【図30】 図30は本発明の実施例2の被検査ウエハ
の検査用データ検出方法の説明図であり、被検査ウエハ
を回転させながら検査用データを検出する螺旋状の回転
検査領域と被検査ウエハをX方向およびY方向に直進移
動させながら検査するXY直進走査領域とに分けて検査
する方法の説明図である。
【図31】 図31は同実施例2の被検査ウエハWの検
査用データ検出方法の詳細説明図で、螺旋状の回転検査
領域の検査用データ検出方法の説明図である。
【図32】図32は本発明の試料表面検査装置の実施例
2の制御部の説明図で、前記図15の続きの部分を示す
図であり、前記実施例1の図16に対応する図である。
【図33】 図33は前記図23のST45のサブルーチ
ンである。
【図34】 図34は本発明の実施例3で使用する試料
検査制御装置に接続されたSEM1(予備検査用走査型
電子顕微鏡)の構成要素のブロック線図であり、前記実
施例1の図8に対応する図である。
【図35】 図35は本実施例1のSEM1(予備検査
用走査型電子顕微鏡)の鏡筒56に装着されたビーム識
別周波数印加部材ホルダおよびそれが装着されるゴニオ
ステージGSの全体図である。
【図36】 図36は前記図35に示すビーム識別周波
数印加部材ホルダの説明図で、図36Aは平面図、図3
6Bは前記図36AのXXXVIB−XXXVIB線断面
図、図36Cは前記図36Bの矢印XXXVICで示す
部分の拡大図である。
【図37】 図37は前記図36のビーム識別周波数印
加部材ホルダの先端部分の拡大説明図で、図37Aは平
面図であり前記図36Aの矢印XXXVIIAで示す部分
の拡大説明図、図37Bは前記図37AのXXXVIIB
−XXXVIIB線断面図、図37Cは前記図37Bの矢
印XXXVIICで示した部分の拡大図である。
【図38】 図38は前記図37のビーム識別周波数印
加部材ホルダの内端部分の斜視図である。
【図39】 図39は前記図38の要部断面図である。
【図40】 図40はシールドプレートPL1およびビ
ーム識別周波数印加部材PL2の斜視図である。
【図41】 図41は前記ビーム識別周波数印加部材P
L2の識別周波数印加基板114の説明図である。
【図42】 図42は前記ビーム識別周波数印加部材P
L2の識別周波数印加基板114の説明図で、図42A
はシールドプレートPL1およびビーム識別周波数印加
部材PL2の断面図で前記図41と同じ部分を示す図、
図42Bは前記図42AのXXXXIIB−XXXXIIB
線断面図である。
【図43】 図43は2次電子検出装置54′の説明図
である。
【図44】 図44は本発明の実施例1の被検査ウエハ
の検査方法の説明図であり、被検査ウエハを回転させな
がら検査する回転検査領域と被検査ウエハをX方向およ
びY方向に直進移動させながら検査するXY直進走査領
域とに分けて検査する方法の説明図である。
【図45】 図45は前記回転走査時に試料検査制御装
置C(図34参照)で行う、検出2次電子データの試料
(ウエハ)W上の位置を定める処理の説明図である。
【図46】 図46は本発明の実施例4の被検査ウエハ
の検査方法の説明図で、前記実施例2の図30または実
施例3の図44に対応する図であり、被検査ウエハを回
転させながら検査する回転検査領域と被検査ウエハをX
方向およびY方向に直進移動させながら検査するXY直
進走査領域とに分けて検査する方法の説明図である。
【図47】 図47は本発明の実施例5の試料検査装置
の制御部分のブロック線図の要部を示す図で、前記実施
例1の図16に対応する図である。
【図48】 図48は前記図47の続きの部分を示す図
で前記実施例1の図17に対応する図である。
【図49】 図49は被検査ウエハ表面のチップと回転
走査方向とを示す図である。
【図50】 図50は前記図49の要部拡大図である。
【図51】 図51は前記図50の部分拡大図である。
【図52】 図52は本発明の部品検査システムの実施
例6の全体説明図である。
【図53】 図53は予備検査情報の表示例を示す図で
あり、図53Aは被検査ウエハである被検査ウエハの外
形および被検査ウエハ上の異物位置または欠陥位置を示
す図、図53Bは異物番号または欠陥番号♯0,♯1,
…とその位置、大きさ等の情報を表形式で示す図であ
る。
【符号の説明】
W…被検査試料、C1D1…モデル表面画像データ記憶手
段、C1D2…被検査試料表面画像データ記憶手段、C1
E…欠陥検出手段、C1F…座標・データ変換手段、D…
被検査試料表面画像データ、(Dx+Mx)…X軸移動装
置(Xテーブル駆動装置)、(Dy+My)…Y軸移動装
置(Yテーブル駆動装置)、(Dx+Mx,Dy+My)…
水平移動装置、M…モデル表面画像データ、PL2…ビ
ーム識別周波数印加部材、STx,STy…水平移動テー
ブル(X,Yテーブル)、STr…回転テーブル、SE
M1…荷電粒子ビーム走査装置(予備検査用走査型電子
顕微鏡)、U3…試料ステージ、54,54″…放出線
検出装置、54a″…放出線検出器、54b″…放出線分
離装置、(AS0〜AS399,BS0〜BS399)…ビーム
通過口、(26〜37,M6,MD6,LS3,LS4)…
試料保持装置、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新川 隆朗 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 (72)発明者 波岡 一郎 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 Fターム(参考) 2G001 AA03 BA05 BA07 BA09 BA15 BA30 CA01 CA03 CA10 DA02 EA03 FA03 FA06 GA03 GA05 GA06 GA13 HA09 HA13 JA01 JA08 JA11 JA13 KA03 LA11 PA02 PA07 PA11 PA12 4M106 AA01 AA09 BA02 CA39 CA41 DB01 DB05 DB11 DB13 DB30 DJ04 DJ06 DJ18 DJ21 DJ23 5B057 AA03 BA01 BA19 CA12 CA16 CB12 CB16 CD18 DA03 DB02 DC32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の要件(A01)〜(A04)を備えた
    ことを特徴とする試料表面検査装置、(A01)検査され
    る試料表面である被検査試料表面を荷電粒子ビームで走
    査したときに前記被検査試料表面のビーム照射部分から
    放出される放出線の検出データを前記ビーム照射部分の
    座標位置に対応させたデータである被検査試料表面画像
    データを記憶する被検査試料表面画像データ記憶手段、
    (A02)被検査試料表面に設定した原点からの距離rと
    前記原点を通る基準軸からの前記原点回りの回転角度θ
    とを使用したrθ座標位置に対応させた前記被検査試料
    表面画像データを記憶する前記被検査試料表面画像デー
    タ記憶手段、(A03)前記被検査試料と同じ試料であっ
    て表面に欠陥が無いモデル試料の表面を荷電粒子ビーム
    で走査したときに前記モデル試料表面のビーム照射部分
    から放出される放出線の検出データに相当するモデル表
    面画像データを記憶するモデル表面画像データ記憶手
    段、(A04)前記rθ座標位置の被検査試料表面画像デ
    ータをモデル表面画像データと比較することにより、被
    検査試料表面の各座標位置における欠陥の有無を検出す
    る欠陥検出手段。
  2. 【請求項2】 次の要件(A05)を備えたことを特徴
    とする請求項1記載の試料表面検査装置、(A05)モデ
    ル試料表面に設定した原点からの距離rと前記原点を通
    る基準軸からの前記原点回りの回転角度θとを使用した
    rθ座標位置に対応させた前記モデル表面画像データを
    記憶する前記モデル表面画像データ記憶手段。
  3. 【請求項3】 次の要件(A06)〜(A08)を備えた
    ことを特徴とする請求項1または2記載の試料表面検査
    装置、(A06)水平なXY平面内で互いに垂直なX軸お
    よびY軸方向に移動可能な水平移動テーブルおよび鉛直
    な回転軸周りに回転可能な回転テーブルにより水平移動
    可能且つ回転可能に支持された試料保持装置と、前記水
    平移動テーブルを前記X軸およびY軸方向に移動させる
    X軸移動装置およびY軸移動装置を有する水平移動装置
    と、前記回転テーブルを回転駆動する回転駆動装置とを
    有する試料ステージ、(A07)前記試料ステージの試料
    保持装置に支持された被検査試料表面を前記回転テーブ
    ルにより回転させながら前記被検査試料表面に荷電粒子
    ビームを照射して、前記被検査試料表面から放出される
    放出線を検出する放出線検出装置を有し、前記被検査試
    料表面の回転中心に設定した原点からの距離rと前記原
    点を通る基準軸からの前記原点回りの回転角度θとを使
    用したrθ座標位置に対応させた放出線の検出データで
    ある被検査試料の表面画像データを検出する荷電粒子ビ
    ーム走査装置、(A08)前記荷電粒子ビーム走査装置で
    検出された前記被検査試料の表面画像データを記憶する
    前記被検査試料表面画像データ記憶手段。
  4. 【請求項4】 次の要件(B01)〜(B06)を備えた
    ことを特徴とする試料表面検査装置、(B01)検査され
    る試料表面である被検査試料表面を荷電粒子ビームで走
    査したときに前記被検査試料表面のビーム照射部分から
    放出される放出線の検出データを前記ビーム照射部分の
    座標位置に対応させたデータである被検査試料表面画像
    データを記憶する被検査試料表面画像データ記憶手段、
    (B02)被検査試料表面に設定した原点からの距離rと
    前記原点を通る基準軸からの前記原点回りの回転角度θ
    とを使用したrθ座標位置に対応させた前記被検査試料
    表面画像データを記憶する前記被検査試料表面画像デー
    タ記憶手段、(B03)前記被検査試料と同じ試料であっ
    て表面に欠陥が無いモデル試料の表面を荷電粒子ビーム
    で走査したときに前記モデル試料表面のビーム照射部分
    から放出される放出線の検出データに相当するモデル表
    面画像データを記憶するモデル表面画像データ記憶手
    段、(B04)モデル試料表面に設定した原点を通る垂直
    なX軸およびY軸により定まるXY座標位置に対応させ
    た前記モデル表面画像データを記憶する前記モデル表面
    画像データ記憶手段、(B05)前記rθ座標位置および
    XY座標位置の一方の座標位置およびその座標位置に対
    応する表面画像データを他方の座標位置およびその座標
    位置に対応する表面画像データに変換する座標・データ
    変換手段、(B06)前記変換された一方の座標位置およ
    びその座標位置に対応する表面画像データと前記他方の
    座標位置およびその座標位置に対応する表面画像データ
    とを比較することにより、被検査試料表面の各座標位置
    における欠陥の有無を検出する欠陥検出手段。
  5. 【請求項5】 次の要件(B07)〜(B09)を備えた
    ことを特徴とする請求項4記載の試料表面検査装置、
    (B07)水平なXY平面内で互いに垂直なX軸およびY
    軸方向に移動可能な水平移動テーブルおよび鉛直な回転
    軸周りに回転可能な回転テーブルにより水平移動可能且
    つ回転可能に支持された試料保持装置と、前記水平移動
    テーブルを前記X軸およびY軸方向に移動させるX軸移
    動装置およびY軸移動装置を有する水平移動装置と、前
    記回転テーブルを回転駆動する回転駆動装置とを有する
    試料ステージ、(B08)前記試料ステージの試料保持装
    置に支持された被検査試料表面を前記回転テーブルによ
    り回転させながら前記被検査試料表面に荷電粒子ビーム
    を照射して、前記被検査試料表面から放出される放出線
    を検出する放出線検出装置を有し、前記被検査試料表面
    の回転中心に設定した原点からの距離rと前記原点を通
    る基準軸からの前記原点回りの回転角度θとを使用した
    rθ座標位置に対応させた放出線の検出データである被
    検査試料の表面画像データを検出する荷電粒子ビーム走
    査装置、(B09)前記荷電粒子ビーム走査装置で検出さ
    れた前記被検査試料の表面画像データを記憶する前記被
    検査試料表面画像データ記憶手段。
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