JP2001021334A - 試料検査装置 - Google Patents

試料検査装置

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JP2001021334A
JP2001021334A JP11191008A JP19100899A JP2001021334A JP 2001021334 A JP2001021334 A JP 2001021334A JP 11191008 A JP11191008 A JP 11191008A JP 19100899 A JP19100899 A JP 19100899A JP 2001021334 A JP2001021334 A JP 2001021334A
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scanning
wafer
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Masayasu Yamagata
正靖 山縣
Takao Komatsubara
岳雄 小松原
Takao Niikura
隆夫 新倉
Akinori Mogami
明矩 最上
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NIPPON DENSHI SYSTEM TECHNOLOG
NIPPON DENSHI SYSTEM TECHNOLOGY KK
Jeol Ltd
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NIPPON DENSHI SYSTEM TECHNOLOG
NIPPON DENSHI SYSTEM TECHNOLOGY KK
Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SEM(荷電粒子線装置)を使用して被
検査ウエハの検査を行う際の検査に要する時間を短縮す
ること。 【解決手段】 X軸およびY軸の一方の軸に平行且つ所
定間隔離れた複数の直線上に形成され且つ他方の軸方向
から見た場合に前記一方の軸方向に隙間無く並ぶように
配置された複数の一定形状のビーム通過口を有し、前記
複数の各ビーム通過口を通過する荷電粒子ビームに各ビ
ーム通過口毎に異なる識別周波数を印加するビーム識別
周波数印加部材PL2を設け、ビーム通過口を通過した
複数の電子ビームの試料表面ビーム照射部分からの放出
線を分離して検出することにより、試料表面の複数のビ
ーム照射部分からの放出線を一度に検出する試料表面検
査装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハ
ー、露光用マスク等の検査部品の欠陥(異物付着または
パターン欠陥等)の有無、種類等を検査する部品検査装
置に関する。前記部品検査装置により検査した検査部品
の欠陥の有無は、前記検査部品を特定する情報ととも
に、前記欠陥情報を蓄積管理することにより、その後で
検査する部品の欠陥の種類判別作業等に利用することが
できる。なお、本明細書において、単に「欠陥」と記載
した場合の「欠陥」は、原則として検査部品の品質を低
下させる異物付着、パターン欠陥等のあらゆる欠陥を含
む意味で使用される。また、「異物」と「欠陥」を対で
使用する場合の「異物」および「欠陥」は、それぞれ
「異物付着による欠陥」および「異物付着以外の欠陥」
の意味で使用される。また、本明細書において「パター
ン欠陥」は検査部品上に形成されたパターンの欠陥を意
味する。
【0002】
【従来の技術】従来の試料検査装置として次の技術(J
01)が知られている。 (J01)特開平10−135288号公報記載の技術 この公報には、次の予備検査と詳細検査を行う技術が記
載されている。 (1)予備検査 被検査ウエハ表面を、市販の光学式の部品検査装置を用
いて予備検査し、検出結果を予備検査情報ファイルに記
憶する。前記予備検査情報ファイルには、製品番号、ロ
ット、被検査ウエハID、工程、製造装置、日付、等の
他に、異物や欠陥の個数、被検査ウエハ上の位置、およ
びサイズなどが記憶される。前記予備検査情報ファイル
に記憶された予備検査情報は、例えば、図47に示すよ
うにCRT等の表示画面に表示可能である。図47は予
備検査情報の表示例を示す図であり、図47Aは被検査
ウエハである被検査ウエハの外形および被検査ウエハ上
の異物位置または欠陥位置を示す図、図47Bは異物番
号または欠陥番号♯0,♯1,…とその位置、大きさ等
の情報を表形式で示す図である。
【0003】(2)詳細検査 前記予備検査情報により、被検査ウエハの製造工程の欠
陥発生状況や傾向を把握することが可能である。前記異
物情報ファイルや欠陥情報ファイル等の予備検査情報フ
ァイルに記憶された前記欠陥番号♯0,♯1,…とその
位置、大きさ等の情報は、詳細検査を行う際に利用され
る。すなわち、前記予備検査情報を参考にして、レビュ
ー装置(詳細検査を行う詳細検査装置)によりレビュー
(詳細検査)を行い欠陥の種類を判別して記憶する。前
記レビュー装置としては荷電粒子線装置を用いたレビュ
ーSEM(ScanningElectoron Manuscript、走査電子
顕微鏡)が使用される。なお、本明細書において、「検
査対象物の詳細検査を行って、欠陥(異物を含む)の具
体的位置、形状、分布状況等を知り、欠陥の発生原因を
解明する」ことを「レビュー(Review)する」というこ
とにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記予備検査において
光学式の部品検査装置を使用する場合、予備検査にかか
る時間は短いが、予備検査における欠陥検出精度が低い
という問題点がある。前記予備検査における欠陥検出精
度を高くするために、SEM(走査型電子顕微鏡)等の
荷電粒子線装置やレーザビーム顕微鏡等を使用すること
が考えられる。すなわち、前記SEM等の荷電粒子線装
置やレーザビーム顕微鏡(以下、「SEM等」という)
により被検査ウエハ表面の異物や成膜パターン異常を高
倍率で予備検査する際、被検査ウエハをX軸方向、Y軸
方向に直進移動させることにより、被検査ウエハ表面を
順次荷電粒子ビーム照射位置に移動させては停止させ、
停止状態で撮像した被検査ウエハのSEM画像により予
備検査する方法が考えられる。また、被検査ウエハを回
転移動させて、被検査ウエハ表面を走査して予備検査す
る方法も考えられる。
【0005】しかしながら従来、前記SEM等による被
検査ウエハの予備検査は、被検査ウエハ表面を走査する
のに必要な時間が長いために実用化されていない。ま
た、前記予備検査において光学式の部品検査装置を使用
し、詳細検査でSEM等を使用すると、予備検査および
詳細検査における被検査ウエハのXY座標位置がずれる
ため、座標位置の補正を行わなければならないという問
題点もある。また、従来のSEM等を使用した詳細検査
も検査(走査)に要する時間が長いという問題点があっ
た。本発明は、前述の事情に鑑み、下記の記載内容(O
01)を課題とする。 (O01)SEM等を使用して被検査ウエハの検査を行う
際の検査に要する時間を短縮すること。
【0006】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決し
た本発明を説明するが、本発明の説明において本発明の
構成要素の後に付記したカッコ内の符号は、本発明の構
成要素に対応する後述の実施例の構成要素の符号であ
る。なお、本発明を後述の実施例の構成要素の符号と対
応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするた
めであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではな
い。
【0007】(本発明)前記課題を解決するために、本
発明の試料検査装置は、次の要件(A01)〜(A06)を
備えたことを特徴とする、(A01)水平なXY平面内で
互いに垂直なX軸およびY軸方向に移動可能なXテーブ
ル(STx)およびYテーブル(STy)を有するXYテ
ーブル(STx+STy)と、前記XYテーブル(STx
+STy)のXテーブル(STx)およびYテーブル(S
Ty)を前記X軸およびY軸方向に移動させるXテーブ
ル駆動装置(Dx+Mx)およびYテーブル駆動装置(D
y+My)を有するXYテーブル駆動装置(Dy+Dx+M
x+My)と、前記XYテーブル(STx+STy)に支持
された試料保持装置(26〜37,M6,MD6,LS
3,LS4)とを有する試料ステージ(ST)、(A02)
試料ステージを収容する真空室を形成する外壁(1)、
(A03)前記外壁(1)に装着され且つ前記試料保持装
置(26〜37,M6,MD6,LS3,LS4)から前記
XY平面に垂直な方向に配置された検査鏡筒(56)
と、前記検査鏡筒(56)に支持され且つ試料保持装置
(26〜37,M6,MD6,LS3,LS4)に保持され
た試料に向けて荷電粒子ビームを出射する荷電粒子銃
(F11)と、前記荷電粒子銃(F11)から出射される荷
電粒子ビームを前記試料保持装置(26〜37,M6,
MD6,LS3,LS4)に保持された試料表面に収束さ
せるビーム縮小レンズ系(F16+F19)と、前記X軸方
向およびY軸方向に前記荷電粒子ビームをそれぞれ偏向
させるX偏向器(F17)およびY偏向器(F18)と、前
記X偏向器(F17)を駆動するX偏向器駆動回路(E1
7)および前記Y偏向器(F18)を駆動するY偏向器駆
動回路(E18)と、前記試料表面の前記荷電粒子ビーム
照射部分から放出される放出線を検出する放出線検出装
置(54′)とを有する荷電粒子線装置(SEM1)、
(A04)前記X軸およびY軸の一方の軸に平行且つ所定
間隔離れた複数の直線上に形成され且つ他方の軸方向か
ら見た場合に前記一方の軸方向に隙間無く並ぶように配
置された複数の一定形状のビーム通過口(BS0〜BS3
99,DS0〜DS399)を有し、前記複数の各ビーム通過
口(BS0〜BS399,DS0〜DS399)を通過する荷電
粒子ビームに各ビーム通過口(BS0〜BS399,DS0
〜DS399)毎に異なる識別周波数を印加するビーム識
別周波数印加部材(PL2)、(A05)前記試料表面か
ら放出される放出線を検出する放出線検出器(54
a′)と、前記放出線検出器(54a′)により検出され
た放出線が有する識別周波数情報に基づいて前記放出線
を前記複数の各ビーム通過口(BS0〜BS399,DS0
〜DS399)を通過した荷電粒子ビームの前記試料表面
の照射部分から放出された放出線毎に分離する放出線分
離装置(54b)とを有し、前記各ビーム通過口(BS0
〜BS399,DS0〜DS399)を通過した各荷電粒子ビ
ームの照射部分毎に放出線を検出する前記放出線検出装
置(54′)、(A06)前記放出線検出装置(54′)
が検出した放出線を放出した試料表面位置である前記各
荷電粒子ビームの試料表面の照射部分の位置を検出する
ビーム照射試料表面位置検出手段(C1C)。
【0008】(本発明の作用)前記構成を備えた本発明
の試料検査装置では、試料ステージ(ST)のXYテー
ブル(STx+STy)は水平なXY平面内で互いに垂直
なX軸およびY軸方向に移動可能なXテーブル(ST
x)およびYテーブル(STy)を有する。前記XYテー
ブル(STx+STy)は試料保持装置(26〜37,M
6,MD6,LS3,LS4)を支持する。Xテーブル駆動
装置(Dx+Mx)およびYテーブル駆動装置(Dy+M
y)を有するXYテーブル駆動装置(Dy+Dx+Mx+M
y)は、前記XYテーブル(STx+STy)のXテーブ
ル(STx)およびYテーブル(STy)を前記X軸およ
びY軸方向に移動させる。試料ステージ(ST)を収容
する真空室を形成する外壁(1)に装着された荷電粒子
線装置(SEM1)の検査鏡筒(56)は前記試料保持
装置(26〜37,M6,MD6,LS3,LS4)から前
記XY平面に垂直な方向に配置される。前記検査鏡筒
(56)に支持された荷電粒子銃(F11)は前記試料保
持装置(26〜37,M6,MD6,LS3,LS4)に保
持された試料に向けて荷電粒子ビームを出射する。ビー
ム縮小レンズ系(F16+F19)は前記荷電粒子銃(F1
1)から出射される荷電粒子ビームを前記試料保持装置
(26〜37,M6,MD6,LS3,LS4)に保持され
た試料表面に収束させる。X偏向器(F17)およびY偏
向器(F18)は前記X軸方向およびY軸方向に前記荷電
粒子ビームをそれぞれ偏向させる。X偏向器駆動回路
(E17)は前記X偏向器(F17)を駆動し、Y偏向器駆
動回路(E18)は前記Y偏向器(F18)を駆動する。放
出線検出装置(54′)は、前記試料表面の前記荷電粒
子ビーム照射部分から放出される放出線を検出する。
【0009】ビーム識別周波数印加部材(PL2)は、
前記X軸およびY軸の一方の軸に平行且つ所定間隔離れ
た複数の直線上に形成され且つ他方の軸方向から見た場
合に前記一方の軸方向に隙間無く並ぶように配置された
複数の一定形状のビーム通過口(BS0〜BS399,DS
0〜DS399)を有し、前記複数の各ビーム通過口(BS
0〜BS399,DS0〜DS399)を通過する荷電粒子ビー
ムに各ビーム通過口(BS0〜BS399,DS0〜DS39
9)毎に異なる識別周波数を印加する。前記放出線検出
装置(54′)は、前記試料表面から放出される放出線
を検出する放出線検出器(54a′)と、前記放出線検
出器(54a′)により検出された放出線が有する識別
周波数情報に基づいて前記放出線を前記複数の各ビーム
通過口(BS0〜BS399,DS0〜DS399)を通過した
荷電粒子ビームの前記試料表面の照射部分から放出され
た放出線毎に分離する放出線分離装置(54b)とを有
し、前記各ビーム通過口(BS0〜BS399,DS0〜D
S399)を通過した各荷電粒子ビームの照射部分毎に放
出線を検出する ビーム照射試料表面位置検出手段(C1C)は前記放出
線検出装置(54′)が検出した放出線を放出した試料
表面位置である前記各荷電粒子ビームの試料表面の照射
部分の位置を検出する。したがって、前記複数の一定形
状のビーム通過口(BS0〜BS399,DS0〜DS399)
を通過する荷電粒子ビームにより、試料表面の複数のビ
ーム照射部分からの放出線を分離して検出することがで
きる。このため、一度に試料表面の複数のビーム照射部
分からの放出線を検出できるので、試料の検査速度が向
上する。
【0010】前記本発明において、前記放出線検出装置
(54′)としては、2次電子検出装置、反射電子検出
装置、オージェ電子検出装置、X線検出装置等を使用可
能である。また、前記被検査用の試料としては、被検査
ウエハ、または、露光用のマスク等を使用可能である。
【0011】
【実施の形態】(本発明の実施の形態1)本発明の実施
の形態1は、前記本発明の試料検査装置において次の要
件(A07)〜(A09)を備えたことを特徴とする、(A
07)前記荷電粒子ビームの通路中に前記荷電粒子ビーム
の進行方向に沿って所定間隔を置いて配置され且つ前記
荷電粒子ビームの進行方向から見てそれぞれ同一箇所に
前記ビーム通過口(BS0〜BS399,DS0〜DS399)
が形成された第1識別周波数印加基板(114)および
第2識別周波数印加基板(116)を有する前記ビーム
識別周波数印加部材(PL2) 、(A08)複数のビーム
通過口(BS0〜BS399)が所定数のグループに分割さ
れて同一グループに属するビーム通過口(BS0〜BS3
99)は同一の第1識別周波数が印加され且つ各グループ
毎に異なる第1識別周波数が印加される前記第1識別周
波数印加基板(114)、(A09)前記第1識別周波数
印加基板(114)の同一の第1識別周波数が印加され
た複数のビーム通過口(DS0〜DS399)に対応する第
2識別周波数印加基板(116)の複数のビーム通過口
(DS0〜DS399)はそれぞれ異なる第2識別周波数が
印加される前記第2識別周波数印加基板(116)。
【0012】(本発明の実施の形態1の作用)前記構成
を備えた本発明の試料検査装置の実施の形態1では、前
記ビーム識別周波数印加部材(PL2)は、前記荷電粒
子ビームの通路中に前記荷電粒子ビームの進行方向に沿
って所定間隔を置いて配置され且つ前記荷電粒子ビーム
の進行方向から見てそれぞれ同一箇所に前記ビーム通過
口(BS0〜BS399,DS0〜DS399)が形成された第
1識別周波数印加基板(114)および第2識別周波数
印加基板(116)を有する。前記第1識別周波数印加
基板(114)は、複数のビーム通過口(BS0〜BS3
99)が所定数のグループに分割されて同一グループに属
するビーム通過口(BS0〜BS399)は同一の第1識別
周波数が印加され、且つ各グループ毎に異なる第1識別
周波数が印加される。前記第1識別周波数印加基板(1
14)の同一の第1識別周波数が印加された複数のビー
ム通過口(BS0〜BS399)に対応する前記第2識別周
波数印加基板(116)の複数のビーム通過口(DS0
〜DS399)はそれぞれ異なる第2識別周波数が印加さ
れる。前記第1識別周波数および第2識別周波数を使用
することにより、前記複数の各ビーム通過口(BS0〜
BS399,DS0〜DS399)を通過した荷電粒子ビーム
の試料表面照射部分からの放出線を分離することができ
る。
【0013】(本発明の実施の形態2)本発明の実施の
形態2の試料検査装置は、前記本発明または本発明の実
施の形態1において次の要件(A010)を備えたことを
特徴とする、(A010)前記各荷電粒子ビームの試料表
面の照射部分の位置をX−Y座標で検出する前記ビーム
照射試料表面位置検出手段(C1C)。
【0014】(本発明の実施の形態2の作用)前記構成
を備えた本発明の実施の形態2の試料検査装置では、前
記ビーム照射試料表面位置検出手段(C1C)は、前記
各荷電粒子ビームの試料表面の照射部分の位置をX−Y
座標で検出する。
【0015】(本発明の実施の形態3)本発明の実施の
形態3の試料検査装置は、前記本発明または本発明の実
施の形態1において次の要件(A011),(A012)を備
えたことを特徴とする、(A011)前記XY平面に垂直
なZ軸に平行な回転軸周りに前記試料保持装置(26〜
37,M6,MD6,LS3,LS4)を回転させる回転テ
ーブルおよび前記回転テーブルを回転駆動する回転テー
ブル駆動装置を有する前記試料ステージ(ST)、(A
012)前記回転テーブルと共に回転する試料表面の回転
中心に設定した原点からの距離rと前記原点を通る基準
軸からの前記原点回りの回転角度θとを使用したrθ座
標位置により前記各荷電粒子ビームの試料表面の照射部
分の位置を検出する前記ビーム照射試料表面位置検出手
段(C1C)。
【0016】(本発明の実施の形態3の作用)前記構成
を備えた本発明の実施の形態3の試料検査装置では、前
記試料ステージ(ST)の前記試料保持装置(26〜3
7,M6,MD6,LS3,LS4)は、回転テーブル駆動
装置により回転駆動される回転テーブルにより、前記X
Y平面に垂直なZ軸に平行な回転軸周りにを回転する。
前記ビーム照射試料表面位置検出手段(C1C)は、前
記回転テーブルと共に回転する試料表面の回転中心に設
定した原点からの距離rと前記原点を通る基準軸からの
前記原点回りの回転角度θとを使用したrθ座標位置に
より前記各荷電粒子ビームの試料表面の照射部分の位置
を検出する。したがって、試料を回転させながら試料表
面からの放出線を検出することができるので、試料の停
止回数が多くなる往復移動させる場合に比べて検査速度
が向上する。
【0017】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の試料検査
装置の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、
以後の説明の理解を容易にするために、図面において、
前後方向をX軸方向、右左方向をY軸方向、上下方向を
Z軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示
す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左
方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上
側、下側とする。また、図中、「○」の中に「・」が記
載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、
「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏
に向かう矢印を意味するものとする。
【0018】(実施例1)図1は本発明の試料検査装置
の実施例1の全体説明図である。図2は同実施例1の全
体斜視図である。図3は同実施例1の部分平面図であ
る。図1〜図3において、試料検査装置Uは、SEM1
(予備検査用走査型電子顕微鏡)およびSEM2(詳細
検査用走査型電子顕微鏡)を有している。前記SEM1
およびSEM2は真空試料室Aを形成する外壁1の上壁
部2に支持されている。前記真空試料室A内には試料ス
テージSTが配置されており、試料ステージSTは外壁
1の底壁3上に支持されている。
【0019】試料ステージSTは、YテーブルSTyお
よびXテーブルSTxを有するXYテーブル(STx+S
Ty)と、回転テーブルSTrとを有している。前記回転
テーブルSTr上には図1、図3に示す試料(ウエハ)
Wが支持されている。外壁1の右側壁部4の外側に配置
された作動部材収容室Bには試料ステージ制御機構や真
空ポンプ等が収容されている。前記作動部材収容室Bの
右側には試料検査制御装置Cが配置されている。試料検
査制御装置CはSEM1用コントローラC1およびSE
M2用コントローラC2と、前記各コントローラC1お
よびC2に接続されたSEM画像用のディスプレイD1
およびD3と、SEM1,SEM2に装着された光学撮像
装置用のディスプレイD2,D4(図1、図8参照)を有
している。
【0020】図3において、前記真空試料室Aを形成す
る外壁1の後壁部(−X側の壁部)5外側には試料交換
室Eおよびカセット収納室Fが配置されている。前記真
空試料室A、試料交換室E、およびカセット収納室Fは
いずれも真空ポンプ(図示せず)に接続されており、所
定のタイミングで真空にされる。前記真空試料室Aおよ
び試料交換室Eの間には、仕切弁6(図3参照)により
連通または遮断される連通口(図示せず)が設けられて
いる。前記試料交換室Eおよび前記カセット収納室Fの
間には、連通口(図示せず)および前記連通口を気密に
遮断または連通させる仕切弁7(図3参照)が設けられ
ている。
【0021】前記カセット収納室Fの上壁には、ウエハ
カセットWKを出入させるための開口(図示せず)およ
び前記開口を開閉する外部仕切弁8が設けられている。
ウエハカセットWKは、外部仕切弁8の上方を通過する
ように配置された図示しないチェーンコンベアにより搬
送されるカセット搬送部材(図示せず)の上下に伸縮可
能なエアシリンダ下端に設けた真空吸着パッドにより吸
着された状態で、前記外部仕切弁8を通って出入され
る。
【0022】カセット収納室Fに配置されたウエハカセ
ットWKには、複数のウエハ(試料)Wが取出可能に収
納されている。前記カセット収納室F内のウエハカセッ
トWKは図23(後述)に示すように、カセットテーブ
ル昇降用モータMLにより昇降するように構成されてい
る。試料交換室Eに配置されたウエハ搬送部材9はウエ
ハWを支持する搬送アーム9aを有している。前記搬送
アーム9aは、上下動、鉛直軸周りの回転、および直進
が可能であり、前記ウエハカセットWKと試料ステージ
STとの間で前記ウエハWを搬送する。図23(後述)
から分かるように、搬送アーム9aは、アーム回転モー
タM1により鉛直軸周りに回転し、アーム直進モータM2
により直進し、アーム昇降モータM3により昇降可能に
構成されている。なお、前記搬送アーム9aを移動させ
る構成は従来周知である。
【0023】図4は真空試料室(真空作業室)内に配置
されたXYテーブルに支持された回転テーブルの昇降ロ
ッドの説明図で、前記図3のIV−IV線断面図であ
る。図5は前記図4の要部拡大図である。図6は前記図
5の回転テーブル上に載置された試料Wの位置決め機構
の説明図で、回転テーブルが前記図5とは異なる位置に
回転したときの断面図である。
【0024】図4、図6において、前記真空試料室A内
に配置された試料ステージSTは、ウエハWを前記SE
M1(予備検査用走査型電子顕微鏡)またはSEM2
(詳細検査用走査型電子顕微鏡)により検査を行う位置
(作業位置)に移動させるための装置である。試料ステ
ージSTの前記YテーブルSTy上には前記Xテーブル
STxがX軸方向(前後方向)に移動可能に支持されて
いる。前記XテーブルSTx上にはベアリング11を介
して円形の回転テーブルSTrが回転可能に支持されて
いる。回転テーブルSTrにはガイド溝12(図5参
照)およびアーム収容溝13(図6参照)が形成されて
いる。また前記回転テーブルSTrはその外周にギヤ1
4が形成されており、ギヤ14は回転テーブル駆動モー
タM4(図23参照)により回転するウオームギヤ16
と噛み合っている。そして回転テーブルSTrは、前記
ウオームギヤ16の回転にともなって回転するように構
成されている。
【0025】図5において、回転テーブルSTrには、
前記搬送アーム9aにより真空試料室A内に搬送された
ウエハWを受け取ったり、作業済のウエハW(観察、検
査、測定等の済んだウエハ)を搬送アーム9a上に移動
させるための上下動テーブル17が上下動可能に支持さ
れている。上下動テーブル17は上端に設けた円形の試
料載置プレート17aおよび下方に延びるロッド17bを
有している。前記ロッド17b下端にはバネ受けプレー
ト18が固定されている。バネ受けプレート18と前記
回転テーブルSTr下面との間には圧縮バネ19が配置
されている。前記圧縮バネ19により前記上下動テーブ
ル17は、常時下方に付勢され(押し下げられ)てい
る。前記上下動テーブル17の下面には、扇形のテコ2
0が水平軸21周りに回転可能に支持されている。前記
テコ20のテーブル支持面20aは上下動テーブル17
の下端を支持している。テコ20の被押圧面20bに
は、ナット22先端のボール22aが当接している。ナ
ット22には被ガイドバー23が一体的に設けられてお
り、被ガイドバー23は前記回転テーブルSTrに形成
された前記ガイド溝12に係合している。
【0026】図5において、前記回転テーブルSTrの
下面には上下動テーブル駆動モータM5(図5、図23
参照)が支持されており、上下動テーブル駆動モータM
5により回転するボルト軸(ネジが形成された軸)24
は前記ナット22と螺合している。したがって、前記上
下動テーブル駆動モータM5が回転したときにはボルト
軸24が回転し、ナット22および被ガイドバー23は
前記ガイド溝12に沿って移動し、そのとき前記テコ2
0が前記水平軸21周りに回動するように構成されてい
る。そして、テコ20の回動によりテコ20のテーブル
支持面20aが上下し、それに連動して前記上下動テー
ブル17が上下動するように構成されている。なお、前
記ナット22および被ガイドバー23の移動範囲の両端
には、前記被ガイドバー23との接触により作動するリ
ミットスイッチLS1,LS2が配置されており、前記ナ
ット22の移動範囲は制限されている。
【0027】図5、図6に示すように、回転テーブルS
Tr上の前記上下動テーブル17周囲には、ウエハ支持
部材としての複数の球面部材26が設けられている。ま
た図6から分かるように、前記複数の球面部材26の外
側には鉛直軸回りに回転自在なウエハWの位置決め用の
基準ローラ27,27(1個のみ図示)、および移動ロ
ーラ28が設けられている。図6において、前記移動ロ
ーラ28は、図6で紙面に垂直な方向に伸びる揺動アー
ム29により鉛直軸回りに回転自在に支持されており、
前記揺動アーム29は、前記回転テーブルSTr上面に
設けられた前記アーム収容溝13内で水平方向に揺動し
て、移動ローラ28を図6の実線位置と2点鎖線位置と
の間で移動させるように構成されている。図6に示すよ
うに、揺動アーム29先端には下方に延びる揺動用被作
動部材31が設けられている。揺動用被作動部材31は
回転テーブルSTr下面に配置された引張バネ32によ
り常時回転テーブルSTrの中心側に向かって付勢され
ている。また、揺動用被作動部材31にはナット33先
端のボール33aが当接している。ナット33には被ガ
イドバー34が一体的に設けられており、被ガイドバー
34は前記回転テーブルSTrに支持されたブラケット
36に形成されたガイド溝36aに係合している。
【0028】前記ブラケット36にはワーク位置決めモ
ータM6が支持されており、ワーク位置決めモータM6に
より回転するボルト軸(ネジが形成された軸)37は前
記ナット33と螺合している。なお、ワーク位置決めモ
ータM6はワーク位置決めモータ駆動回路DM6(図26
参照)により駆動される。したがって、前記ワーク位置
決めモータM6が回転したときにはボルト軸37が回転
し、ナット33および被ガイドバー34は前記ガイド溝
36aに沿って移動し、そのとき前記揺動用被作動部材
31および揺動アーム29が前記鉛直な回転軸(図示せ
ず)周りに揺動するように構成されている。そして、揺
動アーム29の揺動により前記移動ローラ28が移動し
て、ウエハWを基準ローラ27,27に押し付けて位置
決めするように構成されている。なお、前記ナット33
および被ガイドバー34の移動範囲の両端には、前記被
ガイドバー34との接触により作動するリミットスイッ
チLS3,LS4が配置されており、前記ナット33の移
動範囲は制限されている。前記符号26〜37,M6,
MD6,LS3,LS4で示された要素によりウエハ保持
装置(試料保持装置)(26〜37,M6,MD6,LS
3,LS4)が構成されている。
【0029】前記図5において、前記移動ローラ28に
より前記基準ローラ27,27に押し付けられて位置決
め固定されたウエハWは、回転テーブルSTr、Xテー
ブルSTx、YテーブルSTyにより、真空試料室Aに設
けられた前記SEM1(予備検査用走査型電子顕微鏡)
またはSEM2(詳細検査用走査型電子顕微鏡、図1、
図4参照)に対して所望の位置に移動し、検査が行われ
る。
【0030】図7は前記SEM2(詳細検査用電子顕微
鏡)の前記上壁部2への取付構造を示す図である。前記
SEM2(詳細検査用電子顕微鏡)は、試料ステージS
Tに支持されたウエハWに対する電子ビーム(荷電粒子
ビーム)の照射角度を調節できるようにするため、上壁
部2に回動可能且つ回動位置を調節可能に支持されてい
る。すなわち、前記上壁部2には、鏡筒支持部材38が
固定されている。鏡筒支持部材38は断面長円形の鏡筒
貫通孔38aと上面に形成された円筒状ガイド面38b
と、円筒状ガイド面38bの円周方向に形成された小さ
なローラガイド溝38cとを有している。
【0031】前記鏡筒貫通孔38aにはSEM2(詳細
検査用電子顕微鏡)の鏡筒が貫通している。SEM2の
外側面にはローラ支持部材39が連結されている。ロー
ラ支持部材39の外端部に回転自在に支持されたローラ
41は前記円筒状ガイド面38b上を前記ローラガイド
溝38cに沿って回動可能であり、その回動により前記
詳細検査用電子顕微鏡SEM2は左右軸(Y軸)周りに
傾斜可能である。なお、前記鏡筒支持部材38下端と前
記SEM2(詳細検査用電子顕微鏡)下端部との間は真
空保持用のベローズ42により連結されている。
【0032】図2、図7において、前記ローラ支持部材
39の左端部(−Y端部)には円弧状ギヤ43が固定さ
れている。前記円弧状ギヤ43に噛み合うウォームギヤ
44は、前記上壁部2の上面に設けたウォームギヤ支持
部材46および鏡筒傾斜用モータユニットM7により回
転可能に支持されている。前記鏡筒傾斜用モータユニッ
トM7の回転駆動により前記SEM2の傾斜姿勢を調節
可能である。なお、本発明の試料検査装置の実施例1で
はSEM2(詳細検査用電子顕微鏡)を傾斜可能に構成
しているが、本発明の試料検査装置Uは、前記SEM2
を傾斜不可能に固定支持することも可能であり、また、
前記SEM2自体を省略することも可能である。
【0033】図8は前記試料検査制御装置Cと接続され
ている前記SEM2(詳細検査用電子顕微鏡)の構成要
素のブロック線図である。図8においてSEM2(詳細
検査用電子顕微鏡)は、検査用鏡筒47、電子銃カソー
ドF1、電子銃引出電極F2、収束レンズF3、ブランキ
ングコイルF4、照明用の光源F5、電子ビームをX軸、
Y軸方向にそれぞれ走査させるためのX偏向器F6、Y
偏向器F7、および電子ビームを被検査ウエハW上に収
束させる対物レンズF8等を有している。前記電子銃カ
ソードF1および電子銃引出電極F2により電子銃(F1
+F2)が構成されている。また、前記収束レンズF3お
よび対物レンズF8によりビーム縮小レンズ系(F3+F
8)が構成されている。前記Y偏向器F7は第1Y偏向器
F7aおよび第2Y偏向器F7bを有している。
【0034】前記符号F1〜F8で示された要素はそれぞ
れ、カソード用電源回路E1、電子線引出用電源回路E
2、収束レンズ駆動回路E3、ブランキングコイル駆動回
路E4、照明用電源回路E5、X偏向器駆動回路E6、Y
偏向器駆動回路E7、対物レンズ駆動回路E8により作動
する。前記Y偏向器駆動回路E7は、前記第1Y偏向器
F7aを駆動する第1Y偏向器駆動回路E7aおよび前記第
2Y偏向器F7bを駆動する第2Y偏向器駆道回路E7bを
有している。前記X偏向器駆動回路E6およびY偏向器
駆動回路E7により偏向器駆動回路(E6+E7)が構成
されている。前記符号E1〜E8で示された回路は前記試
料検査制御装置CのSEM2用コントローラC2が出力
する制御信号により作動する。前記符号F1〜F4,F6
〜F8,E1〜E4,E6〜E8で示された要素により電子
ビーム走査装置(F1〜F4+F6〜F8+E1〜E4+E6
〜E8)が構成されている。
【0035】図8において、前記Y偏向器F7の下方に
はカセグレン鏡48が配置され、その上方にはビーム通
過孔49aを有するミラー49が配置されている。前記
光源F5から出射してレンズ系51でコリメートされた
照明光は、ハーフミラー52で反射し、前記ミラー49
およびカセグレン鏡48を通って被検査ウエハWを照射
する。被検査ウエハWの反射光は、前記カセグレン鏡4
8、ミラー49、ハーフミラー52を通ってCCD等を
有する光学像撮影装置53で撮影される。撮影光学像
は、ディスプレイD2に表示されるとともに、デジタル
データに変換されてSEM2用コントローラC2に入力
される。
【0036】前記SEM2(詳細検査用電子顕微鏡)下
端の外周部には2次電子検出器(放出線検出器)54a
が保持されている。前記2次電子検出器54aおよび図
示しない2次電子増幅回路等から2次電子検出装置(す
なわち、放出線検出装置)54(図8参照)が構成され
ている。なお、前記2次電子検出装置54の代わりに、
反射電子、オージェ電子等を検出する放出線検出装置を
使用することが可能である。また前記SEM2(詳細検
査用電子顕微鏡)下端の外周部にはEDS(EnergyDisp
ersive X-ray Spectrometer、エネルギー分散X線分光
装置)のX線検出器55が装着されている。EDSは、
図8に示すように、SEM2用コントローラC2の制御
信号により作動し、その検出信号は、SEM2用コント
ローラC2に入力されている。
【0037】図9は試料検査制御装置に接続されたSE
M1(予備検査用走査型電子顕微鏡)の構成要素のブロ
ック線図である。図9においてSEM1(予備検査用走
査型電子顕微鏡)は、鏡筒56、マルチフィールドエミ
ッション電子銃F11、加速電極F12、ビーム縮小レンズ
F13、ビーム平行化レンズF14、ブランキング電極F1
5、ビーム縮小第1レンズF16、電子ビームをX軸、Y
軸方向にそれぞれ走査させるためのX偏向器F17、Y偏
向器F18、および電子ビームを被検査ウエハW上に収束
させるビーム縮小第2レンズF19等を有している。な
お、前記ブランキング電極F15の上側にはスリット状の
矩形アパーチャAPaを有するアパーチャ基板APが設
けられている。前記ビーム縮小第1レンズF16およびビ
ーム縮小第2レンズF19によりビーム縮小レンズ系(F
16+F19)が構成されている。ビーム縮小第1レンズF
16はビーム径を1/50に縮小し、ビーム縮小第2レン
ズF19はビーム径を1/2に縮小する。
【0038】前記マルチフィールドエミッション電子銃
F11は、複数のエミッタF11aおよび電子ビーム引出電
極F11bを有しており、エミッタ用電源回路E11aおよび
ビーム引出用電源回路E11bにより作動する。前記加速
電極F12は上下に配置された多段の電極により構成され
ており、下側の電極ほど、前記電子ビーム引出電極F11
bに対して高電圧(例えば最下段で50kv)が印加さ
れる。また、前記符号F13〜F19で示された要素はそれ
ぞれ、加速電源E12、ビーム縮小レンズ駆動回路E13、
ビーム平行化レンズ駆動回路E14、ブランキング電極駆
動回路E15、ビーム縮小第1レンズ駆動回路E16、X偏
向器駆動回路E17、第1Y偏向器駆動回路E18aおよ
び第2Y偏向器駆動回路E18bを有するY偏向器駆動
回路E18、ビーム縮小第2レンズ駆動回路E19により作
動する。前記符号E11a〜E19で示された回路は前記試
料検査制御装置CのSEM1用コントローラC1が出力
する制御信号により作動する。前記符号F11〜F13,F
16〜F19,E11〜E13,E16〜E19で示された要素によ
り電子ビーム走査装置(F11〜F13+F16〜F19+E11
〜E13+E16〜E19)が構成されている。前記SEM1
(予備検査用電子顕微鏡)下端の外周部には2次電子検
出器(放出線検出器)54a′が保持されている。前記
2次電子検出器54a′、2次電子増幅回路A、および
復調器(図18参照)等から2次電子検出装置(すなわ
ち、放出線検出装置)54′(図9、図18等参照)が
構成されている。
【0039】図10は本実施例1のSEM1(予備検査
用走査型電子顕微鏡)の鏡筒56に装着されたビーム識
別周波数印加部材ホルダおよびそれが装着されるゴニオ
ステージGSの全体図である。図11は前記図10に示
すビーム識別周波数印加部材ホルダの説明図で、図11
Aは平面図、図11Bは前記図11AのXIB−XIB線
断面図、図11Cは前記図11Bの矢印XICで示す部
分の拡大図である。図12は前記図11のビーム識別周
波数印加部材ホルダの先端部分の拡大説明図で、図12
Aは平面図であり前記図11Aの矢印XIIAで示す部分
の拡大説明図、図12Bは前記図12AのXIIB−XII
B線断面図、図12Cは前記図12Bの矢印XIICで示
した部分の拡大図である。図13は前記図12のビーム
識別周波数印加部材ホルダの内端部分の斜視図である。
図14は前記図13の要部断面図である。
【0040】図10、図11において、SEM1(予備
検査用走査型電子顕微鏡)の鏡筒56にはビーム識別周
波数印加部材ホルダH1を装着するためのゴニオステー
ジGSが設けられている。ゴニオステージGSは、ホル
ダ装着孔57aを有する円筒状のホルダ装着部材57を
有している。前記円筒状のホルダ装着部材57の軸は、
荷電粒子線の通路にほぼ直角に交差する方向(X軸方
向)に延びており、その軸の向きは、ゴニオステージG
Sの球面軸受けGSaにより微小な範囲で調節可能であ
る。図10において鏡筒56の前記ゴニオステージGS
と反対側には、ホルダ位置決め部材H2が配置されてい
る。ホルダ位置決め部材H2は、前記鏡筒56内外の圧
力差により内端側に押される前記ビーム識別周波数印加
部材ホルダH1の先端に当接してビーム識別周波数印加
部材ホルダH1の位置決めを行う部材である。
【0041】前記ホルダ位置決め部材H2は位置調節用
モータ58と、前記位置調節用モータの出力軸に装着さ
れたギヤ58aの回転により鏡筒56の内外方向に進退
移動するネジ59aおよび前記ネジ59aの内端に当接す
るスライダ59bを有する進退移動部材59と、当接位
置決め部材60とを有している。前記当接位置決め部材
60は、その前端(X端)が前記スライダ59bの後端
(−X端)に当接しており、内外方向(前後方向、X軸
方向)に位置調節可能であり、その後端(−X端)が前
記ビーム識別周波数印加部材ホルダH1の前端(X端)
に当接している。前記ホルダ位置決め部材H2およびゴ
ニオステージGSは、従来公知の電子顕微鏡のゴニオス
テージ、および前記従来公知のゴニオステージGSに装
着された試料ホルダ先端の位置決めを行う従来公知のホ
ルダ位置決め部材を使用することができる。
【0042】図11、図12において、前記ホルダ装着
部材57(図10参照)によって支持されるビーム識別
周波数印加部材ホルダH1は、前記ホルダ装着孔57a
(図10参照)を貫通する円筒状のホルダ外筒61(図
11B参照)を有している。前記ビーム識別周波数印加
部材ホルダH1の軸(すなわち、ホルダ軸)は前記ホル
ダ装着孔57aの軸と同様に、X軸方向に延びている。
ホルダ外筒61は、前記鏡筒56の内側に挿入される良
導電性且つ高伝熱性の内端側外筒部材62および鏡筒5
6の外側に配置される導電性且つ高熱伝導率の金属製の
外端側外筒部材63を有している。外端側外筒部材63
はその内側面に段部63a(図11B参照)が形成さ
れ、後端側部分にはケーブル挿通孔63b(図11B参
照)が形成されている。図11Bに示すように、内端側
外筒部材62および外端側外筒部材63はそれらの接合
部において嵌合し且つ、ねじ64により結合されてい
る。ホルダ外筒61の内端側外筒部材62の内端部(前
記鏡筒56の内部に配置される部分の端部、すなわち、
図11A、図11BのX側の端部)外周部には図12に
示すOリング66を収容するリング状のOリング収容溝
が形成されている。前記Oリング66は、前記ホルダ装
着孔57a(図10参照)の内周面に圧接して、Oリン
グ66の前方(X方向)を後方(−X方向)の大気に対
して気密に遮断するため部材である。
【0043】図11において、前記ホルダ外筒61の外
端側外筒部材63の外端部(右端部)の外周部には高熱
伝導率の金属製のモータ支持部材67が結合されてい
る。モータ支持部材67はほぼ円筒状の部材であり、そ
の前端(X端)に設けたフランジ67aおよび円筒状部
分に形成された前後(X軸方向)に延びるガイド溝67
b(図11A参照)を有している。モータ支持部材67
の後端(−X端)にはプレート68が連結されている。
プレート68にはY軸方向移動用モータ69が結合され
ている。前記Y軸方向移動用モータ69の周囲は前記モ
ータ支持部材67のフランジ67aに固定された高熱伝
導率の金属製のカバー71により囲まれている。前記カ
バー71の後端にはケーブル支持部材72が固定されて
おり、ケーブル支持部材72には、前記Y軸方向移動用
モータ69への給電ケーブル73が支持されている。前
記Y軸方向移動用モータ69の出力軸69aは回転ブロ
ック74に連結されている。回転ブロック74は、円筒
状外周側面に形成された雄ねじ74aおよび左方に延び
る連結ロッド部74bを有している。回転ブロック74
の外周側面の前記雄ねじ74aには円筒状のスライドブ
ロック76の内周側面に形成された雌ねじ76aが螺合
している。
【0044】図11Aにおいて、前記スライドブロック
76には被ガイド部材77が固定されている。被ガイド
部材77は前記ガイド溝67bにスライド移動可能に係
合している。前記モータ支持部材67には前記ガイド溝
67bの両端にリミットスイッチ78a,78bが支持さ
れており、前記リミットスイッチ78a,78bは、前記
被ガイド部材77が当接したときに作動し、被ガイド部
材77およびスライドブロック76の前後方向(X軸方
向)の位置を検出する。前記リミットスイッチ78a,
78bの検出信号は、前記Y軸方向移動用モータ69の
駆動制御に使用される。
【0045】図11Cにおいて、前記外端側外筒部材6
3には略円筒状のロッドガイド79が固定支持されてい
る。ロッドガイド79の外側面にはケーブル挿通溝79
aが形成され、内端部分(前端部分)には前後に延びる
ガイド溝79bが形成されている。前記ロッドガイド7
9の内周面には回転部材81が嵌合しており、回転部材
81の後端部分にはロッド部連結孔81aおよび回り止
め用溝81bが形成され、前端(X端)側部分にはシャ
フト螺合用ねじ孔81cが形成されている。前記ロッド
部連結孔81aには前記連結ロッド部74bが嵌合し、連
結ロッド部74bに固定された回り止め用ピン74cが前
記回り止め用溝81bに相対回転不能且つスライド可能
に係合している。
【0046】したがって、前記Y軸方向移動用モータ6
9の出力軸69aが回転すると、回転ブロック74が回
転し、回転ブロック74の回転に連動して回転部材81
が回転するように構成されている。そして、前記回転ブ
ロック74の回転により前記スライドブロック76およ
び被ガイド部材77が前記モータ支持部材67のガイド
溝67bに沿って前後(X軸方向)にスライド移動し、
それらの移動位置は前記リミットスイッチ78a,78b
により検出される。そして、前記リミットスイッチ78
a,78bにより被ガイド部材77の位置が検出されたと
きには前記Y軸方向移動用モータ69が停止されるよう
に構成されている。
【0047】前記回転部材81のシャフト螺合用ねじ孔
81cには、シャフト82の後端部(−X端部)が螺合
している。図11B、図11Cにおいて、シャフト82
は、その外側面に第1ケーブル挿通溝82aおよび第2
ケーブル挿通溝82bが形成され、その前端(X端)部
にはハーメチックシール収容孔82c(図11B、図1
2参照)が形成されている。図12において、前記ハー
メチックシール収容孔82cには、その内端(前端)部
に、段部82d、ケーブル挿通溝82e、82f(図12
B参照)が形成されている。また、図12に示すよう
に、シャフト82の内端部(前端部)外周面にはOリン
グ83を収容するOリング収容溝が形成されている。O
リング83は、前記内端側外筒部材62内周面に密着し
て、その後側部分(−X端側部分)および前側部分(X
端側部分)の空間を気密に遮断している。
【0048】シャフト82には回り止め用ピン84(図
11B、図11C参照)が固定されており、回り止め用
ピン84は前記固定されたロッドガイド79のガイド溝
79bにスライド可能且つ相対回転不能に係合してい
る。
【0049】図11Bにおいて、前記シャフト82(図
11C参照)には、そのシャフト82上に固定支持され
た固定プレート85(図11B参照)およびシャフト8
2の軸方向に沿ってスライド移動可能な移動プレート8
6が支持されており、それらの間には圧縮ばね87が配
置されている。前記移動プレート86は外端側外筒部材
63の内側面に形成された段部63aに当接しており、
固定プレート85およびシャフト82は前記圧縮ばね8
7により常時後方(−X方向)に押圧されている。前記
移動プレート86、固定プレート85および圧縮ばね8
7は、前記シャフト82の後端部(−X側端部)および
シャフト螺合用ねじ孔81c(図11C参照)の螺合部
分のガタを吸収する機能を有している。
【0050】図11Cにおいて、ケーブルKは、前記ケ
ーブル挿通孔63bを通って外端側外筒部材63内側に
導入され、ケーブル挿通溝79aを通って前記シャフト
82に形成された第1ケーブル挿通溝82a、第2ケー
ブル挿通溝82bを通って前記ハーメチックシール収容
孔82c内に導入される。なお、前記シャフト82は円
筒部材により構成してその内側の前端部(X端部)に前
記ハーメチックシール収容孔82cを形成することが可
能であり、その場合には、前記ケーブルKはシャフト8
2の内側を通すことが可能である。図12において、前
記シャフト82内端部(前端部)のハーメチックシール
収容孔82cの前記段部82dにはハーメチックシール8
8が固定されている。ハーメチックシール88には外端
面(後端面)および内端面(前端面)にそれぞれ複数の
端子が設けられており、外端面の端子には前記ケーブル
Kの複数の外側接続線が接続されている。前記複数の接
続線は、アース用接続線、後述の圧電体のY変位用接続
線、シャッタ駆動用信号線、シャッタ駆動用給電線等で
ある。
【0051】図12Aにおいて、前記シャフト82の内
端(前端、X端)には圧電体支持部材89が固定されて
いる。圧電体支持部材89は、中央に大径のフランジ部
89a有し、その下部に接続線挿通溝89bを有し、上部
にアース接続部材支持溝89cを有している。また、圧
電体支持部材89には軸方向(前後)に延びる真空引き
用孔89d(図12B参照)が形成されている。前記圧
電体支持部材89のアース接続部材支持溝89cには、
導電性のアース接続部材90(図12B参照)が固定さ
れている。アース接続部材90は図12Bに示すよう
に、フランジ部90aおよび部分円筒部90bを有してい
る。図12Bから分かるように、導電性のアース接続部
材90の部分円筒部90bの外側面(部分円筒面)は、
前記圧電体支持部材89の内端部(前端部、X端部)の
外周面と同一の半径を有している。そして、前記圧電体
支持部材89の内端部(前端部)の外周面およびアース
接続部材90の部分円筒部90bの外側面(部分円筒
面)により円筒状の圧電体91の後端部(基端部、−X
端部)が嵌合する円筒面が形成されている。前記アース
接続部材90には前記ケーブルKのアース用接続線が接
続される。前記圧電体91は、シールド基板位置を調節
する圧電体(シールド基板位置調節用圧電体)である。
【0052】前記符号82〜91で示された要素により
ホルダ内側移動部材(82〜91)が構成されている。
前記ホルダ内側移動部材(82〜91)は前記X軸方向
移動用モータ69および前記符号69,74〜81で示
された要素(69,74〜81)により、X軸方向(前
後方向)に移動(粗動)制御される。
【0053】前記ホルダ内側移動部材(82〜91)に
より、基端部(−X端部)が支持された円筒状の圧電体
91は表面にY軸方向駆動用電極(図示せず)が形成さ
れており、前記Y軸方向駆動用電極に印加する電圧によ
りY軸方向に伸縮可能である。そして、印加電圧を制御
することにより前記圧電体91の先端部(内端部)の位
置を精密に制御できるようになっている。
【0054】前記圧電体91の内端には円筒部92aお
よびフランジ部92bを有する連結部材92(図12B
参照)が固定されている。連結部材92にはシールドプ
レート支持部材93の後端部(−X端部)が固定されて
いる。シールドプレート支持部材93は、図12に示す
ように、前方に突出するシールドプレート固定部93a
を有している。前記シールドプレート固定部93aには
シールドプレートPL1の後端(−X端)が固定されて
いる。前記符号69,74〜93、PL1で示された要
素により、後述のシールド基板112の位置を移動させ
るシールド基板移動装置(69,74〜93,PL1)
が構成されている。
【0055】図12において、前記内端側外筒部材62
の内端(前端)部には内周面の雌ねじに螺合するシャッ
タ装着部材96が固定されている。前記シャッタ装着部
材96は、後端側の円筒部97と、前記円筒部97の前
端面を形成する端面プレート部98と、前記端面プレー
ト部98から前方(X方向)に突出すシャッタ支持枠9
9とを有している。図13において、前記端面プレート
部98には開口98aが形成されている。前記開口98a
は、前記シールドプレート支持部材93のシールドプレ
ート固定部93aおよびそこに固定支持されるシールド
プレートPL1(後述)が貫通するための開口である。
【0056】前記シャッタ支持枠99は、開口99aを
形成するように前後方向(X軸方向)に離れて左右方向
に延びる平行な一対の側枠に形成された識別周波数印加
部材支持部99bと、内端部(左端部)のシールドプレ
ート支持部99cとを有し、内端面に突出するボール9
9dを保持している。前記ボール99dはビーム識別周波
数印加部材ホルダH1の位置決めのために前記ホルダ位
置決め部材H2の当接位置決め部材60(図10参照)
の後端(−X端)に当接する。前記シールドプレートP
L1の後端部(−X端部)は前記シールドプレート支持
部材93(図13参照)のシールドプレート固定部93
a上に固定され、内端部(左端部)は前記シールドプレ
ート支持部99c上面にスライド可能に支持されてい
る。図12Bにおいて、シールドプレートPL1の後端
部(−X端部)には高熱伝導率の金属網線により構成さ
れたフレキシブルな熱伝達部材101の一端部が接着さ
れ他端部が前記高伝熱性の内端側外筒部材62の内側面
に接着されている。前記熱伝達部材101によりシール
ドプレートPL1の熱は高熱伝導率の前記内端側外筒部
材62に伝達され、さらに前記図11Bに示す前記高熱
伝導率の金属製の外端側外筒部材63、モータ支持部材
67、およびカバー71に伝達され、放熱される。
【0057】なお、前記カバー71にペルチェ素子を介
して放熱フィンを装着することが可能であり、その場
合、前記カバー71から前記放熱フィンに熱を伝導させ
る電圧を印加することにより放熱効果を高めることが可
能である。また、前記カバー71を、熱伝導部材を介し
て冷熱源に接続することによっても放熱効果を高めるこ
とが可能である。
【0058】図12Cにおいて、前記シールドプレート
PL1には複数のシールド基板支持部102が形成され
ており、前記複数の各シールド基板支持部102にはそ
れぞれステンレス製のシールド基板112が収容されて
いる。図12Cにおいて、前記識別周波数印加部材支持
部99bにはビーム識別周波数印加部材PL2が保持され
ている。前記ビーム識別周波数印加部材PL2は、セラ
ミック製(絶縁材料製)の識別周波数印加基板114を
有している。そして、前記識別周波数印加基板114に
は信号線および給電線を含むケーブルKが接続されてお
り、前記ケーブルKは前記ハーメチックシール88を介
して外部に接続されている。
【0059】図15はシールドプレートPL1およびビ
ーム識別周波数印加部材PL2の斜視図である。図16
は前記ビーム識別周波数印加部材PL2の識別周波数印
加基板114の説明図である。図17は前記ビーム識別
周波数印加部材PL2の識別周波数印加基板114の説
明図で、図17AはシールドプレートPL1およびビー
ム識別周波数印加部材PL2の断面図で前記図16と同
じ部分を示す図、図17Bは前記図17AのXVIIB−
XVIIB線断面図である。
【0060】前記図9のビーム平行化レンズF14の下側
の電子ビームが平行な領域には、図15〜図17に示す
シールドプレートPL1およびビーム識別周波数印加部
材PL2が配置されている。図15〜図17において、
前記シールドプレートPL1のシールド基板112と、
前記ビーム識別周波数印加部材PL2の識別周波数印加
基板114にはそれぞれ、Y軸に平行な4本の直線に沿
って10μm×10μmの矩形のビーム通過口がそれぞ
れ100個形成されている。すなわち、前記各基板11
2,114にはそれぞれ400個のビーム通過口AS0
〜AS399,BS0〜BS399が形成されている。
【0061】前記基板112に形成された400個のビ
ーム通過口AS0〜AS399は次の4つのグループ(G
0)〜(G3)に分けられる。各グループには100個の
ビーム通過口が含まれる。但し、下記のnは、n=0,
1,2,…,99である。(G0)直線に沿って配置さ
れたビーム通過口AS0,AS4,AS8,…,AS4n,
…,AS396、すなわち、ビーム通過口AS4n(n=0
〜99)、(G1)直線に沿って配置されたビーム通過
口AS1,AS5,AS9,…,AS4n+1,…,AS397、
すなわち、ビーム通過口AS4n+1(n=0〜99)、
(G2)直線に沿って配置されたビーム通過口AS2,A
S6,AS10,…,AS4n+2,…,AS398、すなわち、
ビーム通過口AS4n+2(n=0〜99)、(G3)直線
に沿って配置されたビーム通過口AS3,AS7,AS1
1,…,AS4n+3,…,AS399、すなわち、ビーム通過
口AS4n+3(n=0〜99)、
【0062】前記各ビーム通過口AS0〜AS399は10
μm×10μmであり、前記Y軸に平行な各直線上の各
グループG0〜G3のビーム通過口のX軸方向の間隔(X
軸方向の中心間距離)は40μmであり、前記平行な各
直線上の各グループG0〜G3の各ビーム通過口AS4n,
AS4n+1,AS4n+2,AS4n+3の位置は、X軸方向から
見た場合にY軸方向に10μmづつずれて配置されてい
る。したがって、X軸方向から見た場合に、前記ビーム
通過口AS0〜AS399は、Y軸方向に隙間無く、並ぶよ
うに配置されている。そして、Y軸方向に並んだ400
個のビーム通過口AS0〜AS399の長さは10μm×4
00=4000μm=4mmである。
【0063】前記識別周波数印加基板114の各ビーム
通過口BS0〜BS399も前記基板112のビーム通過口
AS0〜AS399と同様に配置されており、各基板11
2,114の各400個のビーム通過口AS0〜AS39
9,BS0〜BS399はそれぞれ、電子ビームの進行方向
から見て重なった位置(同一位置)に配置されている。
【0064】前述したように前記X軸方向から見た場合
の、前記Y軸方向に並んだ400個のビーム通過口AS
0〜AS399の長さは10μm×400=4000μm=
4mmである。したがって、前記ビーム通過口AS0〜
AS399を通過した電子ビームを例えば1/40に縮小
して下方の試料に照射した場合、試料S表面の電子ビー
ムのスポット径の1辺の長さは10μm×(1/40)
=0.25μmである。この場合、試料S表面上のビー
ム照射領域のX軸方向の長さは次式で示される。400
0μm×(1/40)=100μm=0.1mmしたが
って、電子ビームを試料表面に照射しながら試料をX軸
方向に移動させると、0.1mm幅で試料表面を走査す
ることが可能である。
【0065】前記識別周波数印加基板114の各ビーム
通過口BS0〜BS399は次のグループG0〜G3に分けら
れる。 (G0):BS4n(n=0〜99)のグループ、 (G1):BS4n+1(n=0〜99)のグループ、 (G2):BS4n+2(n=0〜99)のグループ、 (G3):BS4n+3(n=0〜99)のグループ、 図15〜図17に示すように、識別周波数印加基板11
4の上面には、前記各ビーム通過口BS0〜BS399毎
に、通過する電子ビームに異なる識別周波数を印加する
ための電極114-0〜114-399が形成されている。ま
た、識別周波数印加基板114の下面にはほぼ下面全面
にアース電極114aが形成されている。
【0066】図17において、グループG0のビーム通
過口BS0,BS4,BS8,…(図15参照)の周囲に
形成された識別周波数印加電極114-0,114-4,1
14-8,114-12,…にはそれぞれ−(マイナス)直
流電圧B0(図16参照)に識別周波数として次の周波
数のクロックパルスが重畳して印加される。 114-0…1000kHz 114-4…1500kHz 114-8…1010kHz 114-12…1510kHz 114-16…1020kHz … 114-384…1480kHz 114-388…1980kHz 114-392…1490kHz 114-396…1990kHz
【0067】図17において、グループG1のビーム通
過口BS1,BS5,BS9,…(図15参照)の周囲に
に形成された識別周波数印加電極114-1,114-5,
114-9,114-13,…にはそれぞれ−(マイナス)
直流電圧B0(図16参照)に識別周波数として次の周
波数のクロックパルスが重畳して印加される。 114-1…2000kHz 114-5…2500kHz 114-9…2010kHz 114-13…2510kHz 114-17…2020kHz … 114-385…2480kHz 114-389…2980kHz 114-393…2490kHz 114-397…2990kHz
【0068】図17において、グループG2のビーム通
過口BS2,BS6,BS10,…(図15参照)の周囲に
形成された識別周波数印加電極114-2,114-6,1
14-10,114-14にはそれぞれ−(マイナス)直流電
圧B0(図16参照)に識別周波数として次の周波数の
クロックパルスが重畳して印加される。 114-2…3000kHz 114-6…3500kHz … 114-394…3490kHz 114-398…3990kHz
【0069】図17において、グループG3のビーム通
過口BS3,BS7,BS11,…(図15参照)の周囲に
形成された識別周波数印加電極114-3,114-7,1
14-11,114-15,…にはそれぞれ−(マイナス)直
流電圧B0(図16参照)に識別周波数として次の周波
数のクロックパルスが重畳して印加される。 114-3…4000kHz 114-7…4500kHz … 114-395…4490kHz 114-399…4990kHz
【0070】前記SEM1(予備検査用走査型電子顕微
鏡)下端の外周部には2次電子検出器(放出線検出器)
54a′が保持されている。前記2次電子検出器54a′
および2次電子増幅回路A(図18参照)等から前記S
EM1の2次電子検出装置(すなわち、放出線検出装
置)54′(図9、図18等参照)が構成されている。
図9、図18から分かるように、本実施例の2次電子検
出器54a′は、前記試料表面には400個のビーム通
過口AS0〜AS399(BS0〜BS399)を通過した40
0本の電子ビームの試料照射により放出された2次電子
が検出される。前記検出された2次電子が前記400個
のどのビーム通過口AS0〜AS399を通過した電子ビー
ムの照射により発生した2次電子であるかを知る必要が
ある。
【0071】図18は2次電子検出装置54′の説明図
である。図16、図18において、発振器V0〜V399に
より前記識別周波数印加電極114-0,114-4,…,
114-399にそれぞれ、−(マイナス)直流電圧B0
(図16参照)に識別周波数1000kHz〜4990
kHzのクロックパルスが重畳して印加される。2次電
子検出装置54′は、2次電子(反射ビーム)検出器5
4a′と、前記2次電子検出器54a′で検出された2次
電子(放出線)を増幅する増幅器Aと、増幅された検出
信号を増幅し復調反射データ信号d0〜d399として取り
出す復調器M0〜M399と、復調反射データ信号d0〜d3
99をアナログ/デジタル変換するADC(アナログ/デ
ジタルコンバータ)とを有している。
【0072】前記ビーム通過口BS0〜BS399周囲の電
極114-0〜114-399の電位(発振器V0〜V399の出
力電位)の変化により、前記各ビーム通過口BS0〜B
S399を通過する電子ビームの速度が変調され、進行方
向に沿って電子の粗密状態が生じるので、ビーム通過口
BS0〜BS399を通過した電子ビームは、識別周波数印
加基板114の前記上面電極114-0〜114-399に印
加された前記識別周波数情報を有している。そして、前
記電子ビームの試料表面の照射部分から放出される2次
電子は、前記識別周波数情報を有することとなる。すな
わち、前記2次電子検出器54a′により検出された2
次電子(放出線)検出信号は、前記識別周波数印加基板
114に形成されたビーム通過口BS0〜BS399を通過
する電子ビームに印加された識別周波数情報を有してい
る。
【0073】前記復調器M0〜M399はPLL(位相同期
ループ)方式の同期検波器により構成されており、前記
発振器V0〜V399の識別周波数1000kHz〜499
0kHzのクロックパルス(識別周波数情報)に基づい
て2次電子検出信号を、試料表面の2次電子放出位置
(前記各ビーム通過口AS0〜AS399(BS0〜BS39
9)を通過した各電子ビームの照射位置)毎に分離して
出力する。分離された前記2次電子検出信号はADCに
よりA/D変換されてコンピュータに前記試料検査制御
装置C(図9参照)のSEM1用コントローラC1に入
力される。
【0074】図19は本発明の実施例1の被検査ウエハ
の検査方法の説明図であり、被検査ウエハを回転させな
がら検査する回転検査領域と被検査ウエハをX方向およ
びY方向に直進移動させながら検査するXY直進走査領
域とに分けて検査する方法の説明図である。図20は同
実施例1の被検査ウエハWの検査方法の詳細説明図で、
回転検査領域の検査方法の説明図である。図19におい
て被検査ウエハWの表面は、全検査領域を内側に含むよ
うに設定された外側設定円W1と、前記被検査ウエハW
表面の中心W0を含むウエハ中心部に設定された内側設
定円W2との間の領域であるリング状の回転走査領域R
Aと、前記内側設定円W2に外接する矩形W3の内側の領
域である矩形領域(XY直進走査領域)RBとに分けて
検査(走査)される。
【0075】(回転走査領域RA)図19、図20にお
いて、外側設定円W1は直径300mm(半径150m
m)の被検査ウエハWの外周円から1mm内側に設定さ
れており、内側設定円W2は被検査ウエハの中心W0を中
心とする半径30mmの円により形成されている。この
場合外側設定円W1と内側設定円W2との半径の差(すな
わち、リング状の回転走査領域RAの半径方向の長さ
は、150mm−30mm−1mm=119mmであ
る。この場合、回転走査領域RAは、半径方向に0.1
mm間隔で描かれる円により、1190のリング状領域
に分割される。すなわち、外側から内側に向かって順
次、リング状走査領域RA0,RA1,RA2,RA3,R
A4,RA5,RA6,…,RAn-1,RAn,RAn+1,
…,RA1188,RA1189に分割される。そして、リング
回転走査領域RA0,RA1,RA2,RA3,…は、一番
外側の領域RA0から順次内側に検査(走査)される。
【0076】前記回転走査領域RAの走査(検査)は、
XYテーブル(STx+STy)を停止した状態で回転テ
ーブルSTrを連続5回転することにより行う。すなわ
ち、図20において、電子ビーム照射位置がP0(図2
0参照)となる位置に試料ステージSTを移動させた
後、回転テーブルSTrを時計方向にθa回転させる。そ
の位置から回転テーブルSTrを半時計方向に回転させ
てビーム照射位置がP0になった時から前記第1Y偏向
器F18aによりリング状走査領域RA0をY方向に走査し
ながら、回転テーブルSTrを連続5回転させる。本実
施例ではY軸方向に400個並んだ電子ビームの1辺の
長さは、ビーム通過口BS0〜BS399を通過したときに
は10μmであるが、試料S表面では1/40に縮小さ
れて、0.25μmである。したがって、前記回転テー
ブルSTrが1回転を行ったときの試料S表面の走査領
域(ビーム照射領域)の半径方向の幅は0.25μm×
400=0.1mmである。
【0077】したがって、前記回転テーブルSTrが最
初の1回転を行ったときに、前記第2Y偏向器F18bに
よりビーム照射位置を−Y方向に0.1mm移動(すな
わち、Y方向に−0.1mm移動)させてP1(図20参
照)に移動させるとリング状走査領域RA1の走査が連
続して行われる。このようにして、前記回転テーブルS
Trを連続5回転させながら、1回転する毎に前記第2
Y偏向器F18bによりビーム照射位置を−Y方向に0.1
mm偏向させることにより、5個のリング状走査領域R
A0〜RA4の走査(検査)を連続して行う。このときの
各回転走査領域RA0,RA1,RA2,RA3,RA4,
…の走査順序は図20の太線の矢印で示すとおりであ
る。前述のように回転開始時に時計方向にθa回転して
から、半時計方向への回転を開始するする理由は、回転
開始時は回転速度が低いので回転速度が一定となってか
ら、リング状走査領域R0の走査を行うためである。
【0078】前記回転走査領域RA4の走査を終了(連
続5回転目の走査を終了)してから回転テーブルSTr
を停止させるが、そのときの回転テーブルSTrの停止
位置は、前記ビーム照射位置P4を通り越して回転した
位置である。そのため、回転テーブルSTrを時計方向
に回転させて、前記ビーム照射位置P4がθaだけ時計方
向に回転した位置に停止させる。次に、XYテーブル
(STx+STy)をY方向に0.5mm移動させ且つ前
記第2Y偏向器F18bによりビーム照射位置を−Y方向
に0.4mm移動させて、ビーム照射位置をP5に移動さ
せる。この状態でXYテーブル(STx+STy)を停止
させて回転テーブルを連続5回転させながら、前述と同
様にリング状走査領域RA5〜RA9の走査(検査)を行
う。このような走査(XYテーブル(STx+STy)が
停止した状態で回転テーブルSTrを連続5回転させな
がら行う5個のリング状回転領域の走査)を、1190
/5=238(回)実行することにより、回転走査領域
RAの走査(検査)を実行することができる。なお、前
記回転走査領域RAの走査を行う際、リング状走査領域
RA0〜RA1189の周方向の移動速度を一定にしながら
行うため、リング状走査領域が内側になるに従って、回
転テーブルSTrの回転速度を高くする。
【0079】図21は前記回転走査時に試料検査制御装
置C(図9参照)で行う、検出2次電子データの試料
(ウエハ)W上の位置を定める処理の説明図である。コ
ンピュータ内部クロックの時刻tにおける検出2次電子
データdn(n=0〜399)の数は400個(d0〜d
399)である。時刻tの関数であるY軸ステージ位置Y
(t)、回転ステージの回転位置θ(t)から、時刻t
における400個の電子ビーム照射位置Tn(n=0〜
399)のrθ座標(rn,θn)(n=0〜399)が
定まる。すなわち、400個の電子ビーム照射位置Tn
(rn,θn)はtの関数である。したがって、時刻tに
おける検出2次電子データdn(n=0〜399)の試料
(ウエハ)W上のr,θ座標がわかる。
【0080】なお、時刻tの関数であるY軸ステージ位
置Y(t)、回転ステージの回転位置θ(t)から、時
刻tにおける400個の電子ビーム照射位置Tn(n=
0〜399)の前記rθ座標(rn,θn)(n=0〜3
99)が定まると同時に、XY座標(Xn,Yn)(n=
0〜399)も定まる。したがって、時刻tにおける検
出2次電子データdn(n=0〜399)の試料(ウエ
ハ)W上の位置を、X,Y座標に対応させることも可能
である。
【0081】(XY直進走査領域RB)図22はXY直
進走査領域の検査方法の説明図である。図22におい
て、XY直進走査領域RBを形成する矩形は被検査ウエ
ハの中心W0を中心とする一辺の長さが60mmの正方
形である。この場合、XY直進走査領域RBは、幅0.
1mm、長さ60mmのX軸方向に伸びる600本の帯
状走査領域RB0,RB1,RB2,…,RBM,RBM+
1,…,RB599に分けて、右方から左方に順次走査され
る。
【0082】前記XY直進走査領域RBの走査(検査)
は、YテーブルSTyの移動を停止した状態でXテーブ
ルSTxの往復移動を連続2.5回行うこと(片道移動を
連続5回行うこと)を繰り返し実行することにより行
う。すなわち、図22において、電子ビーム照射位置が
Q0(図22参照)となる位置に試料ステージSTを移
動させた状態で、さらにXテーブルSTxをΔXだけX
方向に移動させる。このとき、電子ビーム照射位置はX
Y直進走査領域RBから−X方向にΔXだけ外側にずれ
た位置となる。この位置からXテーブルを−X方向に移
動させると、ビーム照射位置は徐々にXY直進走査領域
RBに近づく。前記ビーム照射位置がXY直進走査領域
RBに達したときから、前記第1Y偏向器F18aにより
帯状走査領域RB0をY方向に走査幅0.1mmで走査し
ながら、XテーブルSTxを−X方向に60mm移動さ
せる。前記XテーブルSTxが−60mm移動したとき
に、ビーム照射をオフにするとともに、XテーブルST
xの停止動作を開始する。このとき、XテーブルSTxは
急には停止できないので、ビーム照射位置はXY直進走
査領域RBからΔXだけ外側にずれた位置となる。前記
XテーブルSTxを60mm+2ΔXのストロークで往
復移動させることにより、前記60mm長さのXY直進
走査領域RBを等速度移動しながら走査することができ
る。すなわち、XY直進走査領域RBを走査する際、ウ
エハW上のビーム照射領域である走査部分の移動速度を
一定にすることができる。
【0083】この位置からXテーブルをX方向に移動さ
せると、ビーム照射位置は徐々にXY直進走査領域RB
に近づく。前記ビーム照射位置がXY直進走査領域RB
に達したときから、前記第2Y偏向器F18bによりビー
ム照射位置を−Y方向に0.1mm移動(すなわち、Y
方向に−0.1mm移動)させて、ビーム照射点をQ0′
(図22参照)からQ1′に移動させる。そして、Xテ
ーブルSTxをX方向に移動させながら、帯状走査領域
RB1の走査が行われる。このようにして、前記Xテー
ブルSTxを60mm+2ΔXのストロークで往復移動
させながら、折り返して走査する毎に前記第2Y偏向器
を−Y方向に0.1mm移動させることにより、Yテー
ブルSTyを移動させることなく、5本の帯状走査領域
RB0〜RB4の走査(検査)を連続して行う。
【0084】次に、ブランキングコイルF15をオンにし
て電子ビームが被検査ウエハWを照射しない状態で、X
Yテーブル(STx+STy)をY方向に0.5mm移動
させてビーム照射位置をQ4′(図22参照)からQ5′
に移動させる。この状態でYテーブルSTyを停止させ
てXテーブルSTxを連続2.5往復移動させながら、前
述と同様に帯状走査領域RB5〜RB9の走査(検査)を
行う。このような走査(YテーブルSTyが停止した状
態でXテーブルSTxを連続2.5往復移動させながら行
う5本の帯状走査領域の走査)を、60(mm)/0.
5(mm)=120(回)実行することにより、XY直
進走査領域RBの走査(検査)を実行することができ
る。
【0085】図23は本発明の試料検査装置の実施例1
の制御部の説明図で、試料検査制御装置Cの説明図であ
る。図24は同試料検査制御装置Cの前記図23の続き
の部分を示す図である。図23において、前記試料検査
制御装置CにはUI(ユーザインターフェース)が設け
られており、UIは、ディスプレイD1〜D4、電源スイ
ッチ、作業を選択する選択スイッチ、マウス等を有して
いる。図23、図24において、試料検査制御装置C
は、SEM1用コントローラ(予備検査用コントロー
ラ)C1、SEM2用コントローラ(詳細検査用コント
ローラ)C2を有している。試料検査制御装置Cにはア
ーム回転モータ駆動回路MD1、アーム直進モータ駆動
回路MD2、アーム昇降モータ駆動回路MD3、カセット
テーブル昇降用モータ駆動回路MDL、Yテーブル駆動
回路Dy、Xテーブル駆動回路Dx、回転テーブル駆動回
路MD4、上下動テーブル駆動回路MD5、ワーク位置決
めモータ駆動回路MD6、鏡筒傾斜用駆動回路MD7、等
が接続されている。
【0086】前記カセットテーブル昇降用モータ駆動回
路MDLは、前記カセットテーブル昇降用モータML(図
24参照)を駆動する。前記アーム回転モータ駆動回路
MD1は、アーム回転モータM1(図23参照)を駆動し
て前記搬送アーム9aを鉛直軸周りに回転させる。前記
アーム直進モータ駆動回路MD2は、アーム直進モータ
M2(図23参照)を駆動して前記搬送アーム9aを水平
方向に直進させる。前記アーム昇降モータ駆動回路MD
3は、アーム昇降モータM3(図23参照)を駆動して搬
送アーム9a(図2、図3参照)を昇降させる。
【0087】前記Yテーブル駆動回路Dyは、Yテーブ
ル駆動モータMyを駆動してXYテーブル(STx+ST
y)のYテーブルSTyを移動させる。前記Yテーブル駆
動回路DyおよびYテーブル駆動モータMyによりYテー
ブル駆動装置(Dy+My)が構成されている。前記Xテ
ーブル駆動回路Dxは、Xテーブル駆動モータMxを駆動
してXYテーブル(STx+STy)のXテーブルSTx
を移動させる。前記Xテーブル駆動回路DxおよびXテ
ーブル駆動モータMxによりXテーブル駆動装置(Dx+
Mx)が構成されている。
【0088】前記回転テーブル駆動回路MD4は、回転
テーブル駆動モータM4を駆動して試料ステージSTの
回転テーブルSTrを回転させる。前記回転テーブル駆
動回路MD4および回転テーブル駆動モータMD4により
回転テーブル駆動装置(MD4+M4)が構成されてい
る。前記上下動テーブル駆動回路MD5は、上下動テー
ブル駆動モータM5を駆動して試料ステージSTの上下
動テーブル17を上下動させる。図24において、前記
ワーク位置決めモータ駆動回路MD6は、ワーク位置決
めモータM6(図6参照)を駆動して前記揺動アーム2
9(図6において紙面に垂直な方向に伸びるアーム)を
前記鉛直軸81周りに揺動させる。前記鏡筒傾斜用駆動
回路MD7は、鏡筒傾斜用モータユニットM7を駆動して
SEM2(詳細検査用電子顕微鏡)の鏡筒を傾斜させ
る。
【0089】図23において、前記各コントローラC
1,C2は、外部との信号の入出力および入出力信号レ
ベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェー
ス)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ
等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要
なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムア
クセスメモリ)、前記ROMに記憶されたプログラムに
応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならび
にクロック発振器等を有するコンピュータにより構成さ
れており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行す
ることにより種々の機能を実現することができる。前記
SEM1用コントローラ(予備検査用コントローラ)C
1は、予備検査用電子顕微鏡SEM1(図9参照)の構
成要素や前記試料ステージSTのXYテーブル駆動回路
(Xテーブル駆動回路DTx、Yテーブル駆動回路DTy
等)に接続されており、それらの作動を制御してXテー
ブル駆動モータMx、Yテーブル駆動モータMy等を駆動
し、ウエハWの予備検査を行う。
【0090】前記SEM2用コントローラ(詳細検査用
コントローラ)C2は、詳細検査用電子顕微鏡U2(図
9参照)の構成要素や前記試料ステージSTの試料ステ
ージ駆動回路(Xテーブル駆動回路DTx、Yテーブル
駆動回路DTy等)に接続されており、それらの作動を
制御してXテーブル駆動モータMx、Yテーブル駆動モ
ータMy等を駆動し、ウエハWの詳細検査を行う。前記
ウエハWの詳細検査はSEM(荷電粒子線装置)を使用
した従来公知の詳細検査方法により行う。したがって、
SEM2(詳細検査用電子顕微鏡)の制御に関する説明
は省略する。
【0091】前記SEM1用コントローラC1は次の機
能を有している。 C1M1:XY直進走査領域記憶手段 XY直進走査領域記憶手段C1M1は、前記被検査ウエハ
W表面の中心位置W0(図19、図20参照)を内部に
含む所定の大きさの矩形領域であるXY直進走査領域R
B(図19、図20参照)の範囲を記憶する。 C1M2:回転走査領域記憶手段、 回転走査領域記憶手段C1M2は、前記被検査ウエハ表面
の中心を中心とし且つ前記矩形領域RBの内側に設定さ
れた内側設定円W2および外側に設定された外側設定円
W1の間に形成される回転走査領域RAの範囲を記憶す
る。
【0092】C1A:ビーム偏向制御手段 ビーム偏向制御手段C1Aは、被検査ウエハW表面上の
電子ビームの照射位置を制御するために前記偏向器駆動
回路(E6+E7)の作動を制御する。ビーム偏向制御手
段C1Aは、所定幅走査手段C1A1および走査幅方向ビ
ーム位置制御手段C1A2を有している。 C1A:所定幅走査手段 所定幅走査手段C1A1は、試料ステージに支持された被
検査ウエハ表面を前記電子ビームがY軸方向に沿う所定
の走査幅(0.1mm)でX軸方向に60mmの長さを
繰り返し走査するように前記Y偏向器駆動回路E18を制
御する。すなわち、XYテーブルをX軸方向に60mm
移動させながら、前記60mmの長さを走査する間、Y
偏向器駆動回路E18を出力を一定に保持する。
【0093】C1A2:走査幅方向ビーム位置制御手段 例えば回転領域RAの走査の場合、図20において、領
域RA0〜RA4を走査する場合、回転テーブルSTrを
連続回転させながら、最初に領域RA0を走査する。回
転テーブルSTrが1回転して領域RA0の走査が終了し
たとき、ビーム照射領域をY軸方向に−0.1mm偏向
させると、領域RA1の走査が行われる。前記回転テー
ブルSTrが1回転して領域RA1の走査が終了すると、
ビーム照射領域をY軸方向に−0.1mm偏向させて次
に領域RA2の走査を行う。このように連続して領域R
A0〜RA4の走査が終了すると、ビーム照射を停止して
XYテーブルをY軸方向に0.5mm移動させる。そし
て、ビーム照射位置をY軸方向に0.4mm偏向させ
る。次に、領域RA5〜RA9を同様にして走査する。
【0094】例えば直進走査領域RBの走査の場合、図
22において、領域RB0〜RB4を走査する場合、XY
テーブルをX軸方向に往復移動させる。最初にXYテー
ブルを−X方向に移動させながら領域RB0をQ0からQ
0′に向けて走査する。長さ60mmの領域RB0の走査
が終了してXYテーブルがX方向に移動するとき、ビー
ム照射領域をY軸方向に−0.1mm偏向させると、領
域RB1の走査が行われる。前記領域RB1の走査が終了
すると、ビーム照射領域をY軸方向に−0.1mm偏向
させて次に領域RB2の走査を行う。このように連続し
て領域RB0〜RB4の走査が終了すると、ビーム照射を
停止してXYテーブルをY軸方向に0.5mm移動させ
る。そして、ビーム照射位置をY軸方向に0.4mm偏
向させる。
【0095】すなわち、前記走査幅方向ビーム位置制御
手段C1A2は、前記被検査ウエハW表面のビーム照射位
置を前記走査幅(B=0.1mm)のピッチで前記−Y
軸方向にn(n=4)回移動させてから、Bn(=0.
1×4=0.4mm)のピッチでY軸方向に1回移動さ
せる。
【0096】C1B:テーブル制御手段 テーブル制御手段C1Bは、前記電子ビームが所定の走
査幅で照射する被検査ウエハ表面部分であるビーム照射
部分が前記走査幅に垂直な方向に所定の移動速度で移動
させるように前記XYテーブル駆動装置(Dy+Dx+M
x+My)または回転テーブル駆動装置(MD4+M4)を
制御する。テーブル制御手段C1Bは、直進走査用テー
ブル制御手段C1B1および回転走査用テーブル制御手段
C1B2を有しており、前記直進走査用テーブル制御手段
C1B1はおよび回転走査用テーブル制御手段C1B2は所
定ピッチテーブル移動制御手段C1B1aおよびC1B2aを
有している。
【0097】C1B1:直進走査用テーブル制御手段 直進走査用テーブル制御手段C1B1は、前記被検査ウエ
ハWのXY直進走査領域RB(図22参照)を前記所定
の走査幅を有する複数の帯状部分(RB0,RB1,…,
RB599)に分割し、前記複数の帯状部分(RB0,RB
1,…,RB599)を前記電子ビームが順次走査するよう
に前記XYテーブル駆動装置(Dy+Dx+Mx+My)を
制御する。 C1B1a:所定ピッチテーブル移動制御手段 図22において、直進走査領域RBの走査の場合、領域
RB0〜RB4を走査する場合、XYテーブルをX軸方向
に2.5回往復移動させる間は、Y軸方向の移動は行わ
ず、片道移動する毎にビーム照射領域をY軸方向に−
0.1mm偏向させる。すなわち、直進走査用テーブル
制御手段C1B1の所定ピッチテーブル移動制御手段C1
B1aは、直進走査領域を走査する時に、前記走査幅をB
(B=0.1mm)、正の整数である所定数をnとした
場合に前記XYテーブル(STx+STy)がX軸方向に
2.5往復する毎にX軸方向に距離Bn(=0.1mm×
5=0.5mm)のピッチで移動させる。
【0098】C1B2:回転走査用テーブル制御手段 図20において、回転領域RAの走査の場合、領域RA
0〜RA4を走査する場合、回転テーブルSTrを連続5
回転させながら、1回転する毎にビーム照射領域をY軸
方向に−0.1mm偏向させる。前記1回転毎に前記各
領域RA0〜RA4が順次走査される。このように連続5
回転して領域RA0〜RA4の走査が終了すると、ビーム
照射を停止してXYテーブルをY軸方向に0.5mm移
動させる。すなわち、回転走査用テーブル制御手段C1
B2は、所定ピッチテーブル移動制御手段C1B2aおよび
リング状走査領域周速度定速制御手段C1B2bを有し、
前記被検査ウエハWの前記所定の走査幅B(=0.1m
m)を有する複数のリング状部分(RA0,RA1,…,
RA1189)に分割された前記各リング状走査領域RA0
〜RA1189を、前記電子ビームが所定周速度で順次走査
するように前記回転テーブル駆動装置(MD4+M4)を
制御する。 C1B2a:所定ピッチテーブル移動制御手段 回転走査用テーブル制御手段C1B2の所定ピッチテーブ
ル移動制御手段C1B2aは、回転走査領域RAを走査す
る際に、前記走査幅をB(B=0.1mm)、正の整数
である所定数をn(n=5)とした場合に、回転テーブ
ルSTrが5回転する毎に前記XYテーブル(STx+S
Ty)をX軸方向に距離nBのピッチで移動させる。本
実施例1ではB=0.1mm、n=5であるので、XY
テーブル(STx+STy)のX軸方向の移動ピッチは
0.5mmである。
【0099】C1B2b:リング状走査領域周速度定速制
御手段 リング状走査領域周速度定速制御手段C1B2bは、前記
各リング状走査領域RA0〜RA1189を電子ビームが走
査する際、走査時における各リング状走査領域RA0〜
RA1189の周速度が同一の所定速度となるように、前記
回転テーブルSTrの回転速度を制御する。本実施例1
では、図20において、リング状走査領域RA0を走査
するときのP0(図20参照)を通過する被検査ウエハ
Wの周速度V0sと、リング状走査領域RAN(N=1〜1
189)を走査するときのPN(図20参照)を通過す
るときの被検査ウエハWの周速度VNsとを同一の速度
(所定速度)となるように制御する。具体的には次のよ
うな制御を行う。
【0100】前記図20において前記被検査ウエハWの
中心W0からの、点P0までの距離r0、および、点PNま
での距離rNはそれぞれ次式(1),(2)で表せる。 r0=149mm ………………………………………………………… (1) rN=30mm+0.1mm×(1190−N) =(149−0.1N)mm …………………………………………(2) すなわち、前記P0の周速度がV0sの場合の被検査ウエ
ハWの回転速度(すなわち、回転テーブルSTrの回転
速度)をV0(rpm)とし、前記PNの周速度がVNsの
場合の被検査ウエハWの回転速度(すなわち、回転テー
ブルSTrの回転速度)をVN(rpm)とすると、次式
(3),(4)が成立する。 V0s=V0×2πr0(mm/min) =V0×2πr0/60(mm/sec)………………………………(3) VNs=VN×2πrN(mm/min) =VN×2πrN/60(mm/sec)………………………………(4)
【0101】前記V0s=VNsとするためには、前記式
(3),(4)にから、次式(5)が成り立つ。 V0×2πr0/60(mm/sec) =VN×2πrN/60(mm/sec)……………………………………(5) 前記式(5)から次式(6)が得られる。 VN=V0(r0/rN)…………………………………………………………(6) 前記式(6)中、r0は前記式(1)により定まり、rN
はNが定まれば前記式(2)より定まる。したがって、
回転走査領域RAN(N=0〜1189)を走査すると
きに、前記式(6)を満たすように被検査ウエハWの回
転速度(すなわち、回転テーブルSTrの回転速度)VN
(rpm)を制御することにより、各回転走査領域RA
0〜RA1189(図20参照)の走査部分(検査部分)の
周速度(走査部分の移動速度)を同一速度に制御するこ
とができる。
【0102】C1C:ビーム照射試料表面位置検出手段 ビーム照射試料表面位置検出手段C1Cは、前記テーブ
ル制御手段C1Bおよびビーム偏向制御手段C1Aの出力
する制御信号に基づいて、ビーム照射試料表面位置を検
出する。 C1D:2次電子強度検出記憶手段 2次電子強度検出記憶手段C1Dは、検出2次電子の強
度を検出し、ウエハ表面の位置情報に対応して2次電子
強度を記憶する。例えば、被検査ウエハWがベアウエハ
(表面が未処理のシリコンウエハ)の場合、前記被検査
ウエハW表面に欠陥(異物等)が無ければ、被検査ウエ
ハW表面から放出される2次電子は全てシリコンの結晶
から放出されるので、2次電子の検出強度はほぼ一定で
あるが、異物や傷等の欠陥(凹凸)が有る場合には2次
電子の検出強度が異なる。したがって、2次電子の検出
強度の正常な範囲を定める閾値を設定して閾値の範囲以
外の被検査ウエハ表面を欠陥候補とする。
【0103】また、例えば、被検査ウエハWが、その表
面の全面に電極膜または絶縁膜等の同一材料の膜が形成
されている場合には、前記ベアウエハと同様に欠陥候補
を定めることができる。また、表面に所定パターン(ホ
ールパターン、電極膜パターン等)が形成された被検査
ウエハW表面を検査する場合には、欠陥の無いモデルウ
エハ表面の2次電子強度をマップピングしたパターンデ
ータを予め記憶しておき、被検査ウエハの2次電子検出
強度をモデルウエハ表面のパターンデータと比較するこ
とにより欠陥候補点を定めることができる。前記予め記
憶しておくパターンデータは、XY座標に対応したデー
タであっても、また、rθ座標に対応したデータであっ
ても良い。回転走査により検出される被検査ウエハWの
データはrθ座標に対応するデータとなるので、その場
合にはrθ座標に対応するデータを記憶しておく方が、
座標変換等の処理を必要としないので、好ましい。前述
の欠陥候補点は記憶され、詳細検査(レビュー)が行わ
れる。前述の欠陥候補点の定め方および詳細検査等は従
来公知の種々の方法を採用可能である。
【0104】(実施例1の作用)図25は本発明の試料
検査制御装置CのSEM1用コントローラC1のフロー
チャートの説明図である。図26は前記図25のST3
でイエス(Y)の場合の処理を示すフローチャートであ
る。図27は表示画面の説明図で、図27AはST1で
表示される画面、図27BはST21で表示される画面で
ある。図25のフローチャートの各ST(ステップ)の
処理は、前記SEM1用コントローラC1のROMに記
憶されたプログラムに従って行われる。図25のフロー
チャートは、SEM1用コントローラC1の電源オン時
にスタートする。図25のST1において、ディスプレ
イD1に初期画面すなわち、第1選択画面(図27A参
照)が表示される。次にST2において「(8)終了」
(図27A参照)が選択されたか否か判断する。イエス
(Y)の場合は電源がオフとなって処理が終了する。ノ
ー(N)の場合はST3に移る。ST3において「(7)
その他の動作」(図27A参照)が選択されたか否か判
断する。イエス(Y)の場合は図26のST21に移り、
ノー(N)の場合はST4に移る。
【0105】ST4において「(6)ウエハカセット搬
出」が選択されたか否か判断する。イエス(Y)の場合
はST5に移る。ST5においてカセット搬出動作を行
う。この動作は前記仕切弁7(図3参照)を閉塞して前
記外部仕切弁8を開放した状態で、図示しないチェーン
コンベアにより搬送されるカセット搬送部材の上下に伸
縮可能なエアシリンダ下端に設けた真空吸着パッドによ
り吸着されて搬出される。次にST6において第1選択
画面(図27A参照)の動作状態表示欄に「カセット搬
出終了」を表示する処理を行ってから前記ST1に戻
る。このとき、ST1においては前記図27Aの初期画
面の動作状態表示欄に「カセット搬出終了」が表示され
る。
【0106】前記ST4においてノー(N)の場合はS
T7に移る。ST7において「(5)ウエハカセット搬
入」(図27A参照)が選択されたか否か判断する。イ
エス(Y)の場合はST8に移る。ST8においてカセッ
ト搬入動作を行う。この動作は前記仕切弁7(図3参
照)を閉塞して前記外部仕切弁8を開放した状態で、図
示しないチェーンコンベアにより搬送されるカセット搬
送部材(図示せず)の上下に伸縮可能なエアシリンダ
(図示せず)下端に設けた真空吸着パッドにより吸着さ
れて搬入される。次にST9において第1選択画面(図
27A参照)の動作状態表示欄に「カセット搬入終了」
を表示する処理を行ってから前記ST1に戻る。このと
き、ST1においては前記図27Aの初期画面の動作状
態表示欄に「カセット搬入終了」が表示される。
【0107】前記ST7においてノー(N)の場合はS
T10に移る。ST10において「(4)ウエハをステージ
から退避」(図27A参照)が選択されたか否か判断す
る。イエス(Y)の場合はST11に移る。ST11におい
て試料ステージSTからのウエハWの退避動作を行う。
この動作は前記外部仕切弁8(図3参照)を閉塞して前
記仕切弁6,7を開放した状態で、前記搬送アーム9a
により、ウエハWを試料ステージSTからカセットWK
に搬送することにより行う。次にST12において第1選
択画面(図27A参照)の動作状態表示欄に「ウエハ退
避終了」を表示する処理を行ってから前記ST1に戻
る。このとき、ST1においては前記図27Aの初期画
面の動作状態表示欄に「ウエハ退避終了」が表示され
る。
【0108】前記ST10においてノー(N)の場合はS
T13に移る。ST13において「(3)ウエハをステージ
にセット」(図27A参照)が選択されたか否か判断す
る。イエス(Y)の場合はST14に移る。ST14におい
て試料ステージSTにウエハWをセットする動作を行
う。この動作は前記外部仕切弁8(図3参照)を閉塞し
て前記仕切弁6,7を開放した状態で、前記搬送アーム
9aにより、ウエハWをカセットWKから試料ステージ
STに搬送することにより行う。次にST15において第
1選択画面(図27A参照)の動作状態表示欄に「ウエ
ハセット終了」を表示する処理を行ってから前記ST1
に戻る。このとき、ST1においては前記図27Aの初
期画面の動作状態表示欄に「ウエハセット終了」が表示
される。前記ST13においてノー(N)の場合はST16
に移る。
【0109】ST16において「(2)詳細検査」が選択
されたか否か判断する。イエス(Y)の場合はST17に
移る。ST17において詳細検査を行う。この詳細検査は
詳細検査用電子顕微鏡SEM2を使用し、従来公知の方
法により行う。前記ST16においてノー(N)の場合は
ST18に移る。ST18において「(1)予備検査」(図
27A参照)が選択されたか否か判断する。イエス
(Y)の場合は図28のST31に移る。
【0110】図26は前記図25のST3でイエス
(Y)の場合の処理を示すフローチャートである。前記
ST3でイエス(Y)の場合は、図26のST21におい
て、第2選択画面(図27B参照)を表示する。次にS
T22において「(11)第2選択画面終了」(図27B
参照)が選択されたか否か判断する。ノー(N)の場合
はST23に移る。ST23において図27Bに示す(1
2),(13),(14),…のいずれかの中の選択さ
れた動作を実行する。次にST24において、動作が終了
したことの表示(例えば「(12)真空試料室Aの真空
引き動作」が終了した場合には、「真空試料室Aの真空
引き動作終了」を第2選択画面(図27B参照)の動作
状態表示欄に表示する処理を行う。次にST21に移る。
このときST21において、第2選択画面(図27B参
照)の動作状態表示欄に「真空試料室Aの真空引き動作
終了」表示される。
【0111】前記ST22においてイエス(Y)の場合
(すなわち、「(11)第2選択画面終了」が選択され
た場合はST25に移る。ST25において第2選択画面の
動作状態表示欄に表示されている内容を初期画面(第1
選択画面)の動作状態表示欄に表示する処理を行う。次
に前記ST1に戻る。このときST1において、前記第2
選択画面の動作状態表示欄の表示内容が第1選択画面の
動作状態表示欄に表示される。
【0112】図28は前記ST18においてイエス(Y)
の場合の処理、すなわち、前記第1選択画面において
「(1)検査動作」が選択された場合の処理を示すフロ
ーチャートである。図29はST33で表示される画面で
ある。図28のST31においてウエハWが試料ステージ
STにセットされているか否か判断する。ノー(N)の
場合はST32において、前記第1選択画面の動作状態表
示欄に「ウエハがセットされていません。」を表示する
処理を行う。次に前記ST1に戻る。このとき、ST1に
おいて第1選択画面の動作状態表示欄に「ウエハがセッ
トされていません。」と表示される。前記ST31におい
てイエス(Y)の場合はST33に移る。ST33において
ウエハ情報および検査パターン番号入力画面(図29参
照)を表示する。
【0113】ST34において入力が有ったか否か判断す
る。ノー(N)の場合はST34を繰り返し実行する。イ
エス(Y)の場合はST35に移る。ST35において入力
データを記憶し、画面に表示する。次にST36において
登録(図29参照)が選択されたか否か判断する。ノー
(N)の場合はキャンセル(図29参照)が選択された
か否か判断する。ST37においてノー(N)の場合は前
記ST34に戻る。イエス(Y)の場合は前記ST1に戻
る。前記ST36においてイエス(Y)の場合はST38に
移る。ST38において入力データは正しいか否か(例え
ば、検査パターン番号が登録されている番号(前記検査
表面対応検出2次電子情報記憶手段ST1M0に(図23
参照)に記憶されている番号)であるか否か判断する。
ノー(N)の場合はST39に移る。ST39において図2
9に示すウエハ情報および検査パターン番号入力画面の
メッセージ表示欄に「検査パターン番号が登録されてい
ません。データを正しく入力して下さい」を表示する処
理を行う。そして前記ST33に戻る。このときST33に
おいて、図29の画面を表示するとともに、そのメッセ
ージ欄に「検査パターン番号が登録されていません。デ
ータを正しく入力して下さい」を表示する。
【0114】前記ST38においてイエス(Y)の場合は
ST40に移る。ST40において次の処理を行う。 (1)入力データをハードディスク等の不揮発性のウエ
ハ情報記憶装置に記憶する。 次にST41において、予備検査用電子顕微鏡(予備検査
装置)SEM1の電子ビームのウエハW上の照射位置が
P0(図20参照)となる位置に、試料ステージSTを
移動する。次にST42において回転テーブルSTrを設
定した所定の角度θaだけ時計方向(時計方向が−、半
時計方向が+)に回転させる。すなわち、回転テーブル
STrを−θaだけ回転させる。次にST43において次の
処理を実行する。 (1)予備検査装置SEM1の電子ビームが被検査ウエ
ハW表面を照射しないように、ブランキングコイルF15
をオンとする。 (2)電子銃をオンにする。 (3)識別周波数印加電極114-0〜114-399への識
別周波数印加をオンとする。
【0115】図30は前記図28のST43の続きのフロ
ーチャートである。図30のST44において、N=0、
n=0、M=0、m=0とする。なお、N,n,M,m
の意味は次のとおりである。 N:前記0.1mm幅のリング状走査領域RA1〜RA11
89の走査回数をカウントする走査回数カウンタのカウン
ト値である。初期値はN=0である。N=1190にな
ると、リング状走査領域RAの走査が終了する。 n:初期値が0の前記Nと同様のカウンタのカウント値
であるが、n=5になると、リセットされて初期値n=
0になる。 M:前記0.1mm幅の帯状走査領域RB0〜RB599の
走査回数をカウントする走査回数カウンタのカウント値
である。初期値はM=0である。M=600になると、
XY直進走査領域RBの走査が終了する。 m:初期値が0の前記Mと同様のカウンタのカウント値
であるが、m=5になると、リセットされてm=0(初
期値)になる。
【0116】ST45において回転走査領域RA(図1
9、図20参照)の走査(検査)を行う。このST45の
サブルーチンは図31に示されている。前記ST45のサ
ブルーチンが終了すると、被検査ウエハW上の電子ビー
ムの照射位置はP1190(図20参照)になっている。こ
れについては図31の説明(後述)により明らかにな
る。次にST46においてXテーブルSTxを+30mm
移動させる。この移動により被検査ウエハW上のビーム
照射位置は図20のP1190からQ0に移動する。
【0117】次にST47においてXY直進走査領域RB
(図19、図22参照)の走査(検査)を行う。このS
T47のサブルーチンは図32に示されている。前記ST
47のサブルーチンが終了すると、被検査ウエハWの全走
査(全表面の検査)が終了する。次にST48において次
の処理を行う。 (1)電子銃をオフとする。 (2)識別周波数印加電極114-0〜114-399への識
別周波数印加をオフとする。 次にST49において検査を終了したウエハWのウエハI
Dと前記ウエハWを検査したパターン番号とをウエハ情
報記憶装置に記憶する。次に、ST50において第1選択
画面の動作状態表示欄に「ウエハID=………のウエハ
の検査パターン番号………の検査終了」を表示する処理
を行う。次に前記ST1(図25参照)に戻る。このと
き、ST1において第1選択画面が表示され且つその動
作状態表示欄に「ウエハID=……のウエハの検査パタ
ーン番号……の検査終了」が表示される。
【0118】図31は前記図30のST45のサブルーチ
ンである。図31のST51において回転テーブルSTr
を目標回転速度VNで半時計方向に回転開始。ST52に
おいて回転走査領域RNの走査開始位置に到達したか否
か判断する。ノー(N)の場合はST52を繰り返し実行
する。イエス(Y)の場合はST53に移る。
【0119】ST53において次の処理を行う。 (1)回転テーブルSTrの回転速度VN(rpm)をV
N=V0(r0/rN)とする。 (2)第1Y偏向器F15aの印加電圧V1Y=V1Y0とす
る。前記V1Y0はSEM1毎に設定された初期値であ
る。 (3)第2Y偏向器F15bの印加電圧V2Y=nV2Yaとす
る。前記V2Yはnの値によって異なり、次のようにな
る。 n=0のときはV2Y=0 n=1のときはV2Y=V2Ya n=2のときはV2Y=2V2Ya n=3のときはV2Y=3V2Ya n=4のときはV2Y=4V2Ya (4)ブランキングコイルF15をオフにしてビームオン
とし、ウエハ表面の走査を行う。
【0120】ST54においてリング状走査領域RAN
(図20参照)の走査が終了したか否か判断する。ノー
(N)の場合はST54を繰り返し実行する。イエス
(Y)の場合はST55に移る。ST55において次の処理
を行う。 (1)N=N+1とする。 (2)n=n+1とする。 次にST56においてn=5か否か判断する。ノー(N)
の場合は前記ST53に戻る。イエス(Y)の場合はST
57に移る。
【0121】ST57において次の処理を実行する。 (1)ブランキングコイルF15をオンにして電子ビーム
の被検査ウエハWの照射を遮断する。 (2)回転テーブルSTrの回転の停止動作を開始す
る。(急停止はできないので所定角度回転したから停止
する。) 次にST58において回転テーブルSTrが停止したか否
か判断する。ノー(N)の場合はST58を繰り返し実行
する。イエス(Y)の場合はST59に移る。ST59にお
いて回転テーブルSTrは急停止できないのでn(=
5)回転以上回転して停止するため、前記停止するまで
に5回転を越えて回転した回転量θ0に所定の回転各θa
を加算した角度(θ0+θa)だけ逆回転させる。
【0122】次にST60において次の処理を実行する。 (1)YテーブルSTyを+0.5mm移動させる。この
とき、電子ビームの照射位置は被検査ウエハW上で0.
5mm移動する。 (2)n=0とする。 次にST61においてN=1190か否か判断する。ノー
(N)の場合は前記ST51に戻る。イエス(Y)の場合
はST62に移る。ST62においてN=0とする。次に前
記図30のメインルーチンのST46に移る。
【0123】図32は前記図30のST47のサブルーチ
ンである。図32のST71においてXテーブルSTxを
+ΔX移動する。このとき、ビーム照射位置は前記領域
RBから−ΔX外側にずれた位置となる。次にST72に
おいて次の処理を行う。 (1)第1Y偏向器F18aの印加電圧V1Y=V1Y0とす
る。前記V1Y0はSEM1毎に設定された初期値であ
る。 (2)第2Y偏向器F18bの印加電圧V2Y=mV2Yaとす
る。前記V2Yはmの値によって異なる。mの初期値(S
T44参照)は0である。 次にST73においてmは奇数か否か判断する。ノー
(N)の場合はST74に移り、イエス(Y)の場合はS
T75に移る。ST74においてXテーブルSTxを移動速
度Vx=−V0(2πr0/60)(mm/secで移動
する。このVxの値はE移転テーブルSTrが回転速度V
0で回転するときの点P0(図20参照)の周速度と同一
である。ST75においてXテーブルSTxを移動速度Vx
=+V0(2πr0/60)(mm/secで移動する。
【0124】ST74またはST75の次にST76において
ビーム照射位置が領域RB内に進入したか否か判断す
る。ノー(N)の場合はST76を繰り返し実行する。イ
エス(Y)の場合はST77に移る。ST77において次の
処理を実行する。 (1)ブランキングコイルF15をオフにしてビームオン
とし、ウエハ表面を走査する。
【0125】次にST78においてXテーブルSTxが6
0mm移動して帯状走査領域RBM(M=1,2,…,
または,599)の走査が終了したか否か判断する。ノ
ー(N)の場合はST78を繰り返し実行する。イエス
(Y)の場合はST79に移る。ST79において次の処理
を行う。 (1)M=M+1とする。m=m+1とする。 (2)ブランキングコイルF15をオンにして電子ビーム
の被検査ウエハWの照射を遮断する。 (3)XテーブルSTxの停止動作を開始する。Xテー
ブルSTxは停止動作を開始しても瞬間的に停止するこ
とは不可能であり、一定時間経過後に停止する。 (4)タイマTMにTM=TM0をセットする。前記T
M0はXテーブルSTxが停止動作を開始してから完全に
停止するまでに要する時間である。
【0126】次にST80においてタイマTMがタイムア
ップしたか否か判断する。ノー(N)の場合はST80を
繰り返し実行する。イエス(Y)の場合はST81に移
る。次にST81においてm=5か否か判断する。ノー
(N)の場合は前記ST71に戻る。イエス(Y)の場合
はST82に移る。ST82においてM=600か否か判断
する。ノー(N)の場合はST83に移る。ST83におい
て次の処理を実行する。 (1)YテーブルSTyを+0.5mm移動させる。この
とき、電子ビームの照射位置は被検査ウエハW上で0.
5mm移動する。 (2)m=0とする。 ST83の次に前記ST72に戻る。前記ST82においてイ
エス(Y)の場合は前記図30のメインルーチンのST
48に移る。
【0127】前記実施例1によれば、前記複数の一定形
状の複数のビーム通過口AS0〜AS399(BS0〜BS3
99,CS0〜CS399,DS0〜DS399)を通過する電子
ビームの試料表面のビーム照射部分からの放出線(2次
電子)を分離して検出することができる。このため、試
料表面の複数のビーム照射部分からの放出線を一度に検
出できるので、試料の検査速度が向上する。前記実施例
1によれば、予備検査装置(予備検査用電子顕微鏡)S
EM1および詳細検査装置(詳細検査用電子顕微鏡)S
EM2は、同一の外壁1により形成された真空試料室A
内の試料ステージST上に保持されたウエハWに対して
予備検査および詳細検査を行うことができるため、予備
検査装置SEM1で検出された欠陥に対して、詳細検査
装置SEM2による詳細検査を迅速に実行することがで
きる。前記詳細検査装置SEM2は、試料ステージST
を静止した状態で被検査ウエハ表面を走査する静止型の
SEMで構成したり、前記予備検査装置SEM1と同様
に回転走査を行うSEMにより構成したりすることが可
能である。詳細検査装置SEM2を回転走査を行うSE
Mにより構成する場合には電子ビームの被検査ウエハ上
のスポット径を小さくしたり、走査部分(ビーム照射部
分)の移動速度を遅くしたりして、分解能を上げて走査
(検査)すれば良い。
【0128】(実施例2)図33は本発明の実施例2の
被検査ウエハの検査方法の説明図であり、被検査ウエハ
を回転させながら検査する回転検査領域と被検査ウエハ
をX方向およびY方向に直進移動させながら検査するX
Y直進走査領域とに分けて検査する方法の説明図であ
る。図34は同実施例2の被検査ウエハWの検査方法の
詳細説明図で、回転検査領域の検査方法の説明図であ
る。図33において被検査ウエハWの表面は、全検査領
域を内側に含むように設定された外側設定円W1と、前
記被検査ウエハW表面の中心W0を含むウエハ中心部に
設定された内側設定円W2との間の螺旋状の回転走査領
域RAと、前記内側設定円W2に外接する矩形W3の内側
の領域である矩形領域(XY直進走査領域)RBとに分
けて検査(走査)される。
【0129】(回転走査領域RA)図33、図34にお
いて、外側設定円W1は直径300mm(半径150m
m)の被検査ウエハWの外周円から1mm内側に設定さ
れており、内側設定円W2は被検査ウエハの中心W0を中
心とする半径30mmの円により形成されている。この
場合外側設定円W1と内側設定円W2との間の螺旋状の回
転走査領域RAは、被検査ウエハWが1回転する毎に走
査される単位螺旋領域RA0,RA1,…,RAN-1,R
AN,RAN+1,…,RA1188,RA1189に分けて、連続
して走査される。
【0130】前記螺旋状の回転走査領域RAの走査(検
査)は、XYテーブル(STx+STy)を右方(Y方
向)に一定速度で移動しながら回転テーブルSTrを連
続回転することにより行う。すなわち、図34におい
て、前記第1Y偏向器F18aの出力=V1Y0(一定)、第
2Y偏向器F18bの出力=0の状態で電子ビーム照射位
置がP0(図34参照)となる位置に試料ステージST
を移動させてから、リング状走査領域RA0をY方向に
走査する。この走査は、回転テーブルSTrを1回転さ
せる間にXYテーブル(STx+STy)をY方向に0.
1mm移動させる。そして、被検査ウエハWが1回転す
る度にビーム照射位置をP0,P1,P2,…と移動させ
ながら、順次RA0,RA1,RA2,RA3,…,RA11
89を連続して走査(検査する)。なお、前記回転走査領
域RAの走査を行う際、螺旋状走査領域RA0〜RA118
9の周方向の移動速度(周速度)を一定にしながら行う
ため、螺旋状走査領域RA0〜RA1189が内側になるに
従って、回転テーブルSTrの回転速度を高くする。
【0131】前記螺旋状走査領域RA0〜RA1189が内
側になるに従って、回転テーブルSTrの回転速度を高
くして、走査する位置の周速度(走査部分の移動速度)
が一定となる条件は次のようになる。図34に示す螺旋
状走査領域RANの走査時には、回転テーブルSTrが1
回転する間にビーム照射位置がPNからPN+1に移動す
る。前記ビーム照射位置がPNのときの回転テーブルS
Trの回転角度をθ=0、前記θ=0の状態から回転テ
ーブルSTrが1回転して前記ビーム照射位置がPN+1に
なったときの回転テーブルSTrの回転角度をθ=2π
とし、θ=0の時の回転速度をVNh(rpm)、θ=2
πの時の回転速度をV(N+1)h(rpm)とした場合、前
記式(1)〜(6)の説明から分かるように、PNおよ
びPN+1の周速度が、前記回転速度V0で回転するP0の
周速度と等しくなるための条件は次式(7),(8),
(2),(9)で示される。
【0132】図34において、θ=0の場合すなわち、
PNの回転速度VNh(rpm)は次式(7)で表せる。 VNh=V0(r0/rN)…………………………………………………………(7) θ=2πの場合すなわち、PNの回転速度V(N+1)h(r
pm)は次式(8)で表せる。 V(N+1)h=V0(r0/r(N+1))………………………………………………(8) 但し、 rN=30mm+0.1mm×(1190−N) =(149−0.1N)mm …………………………………………(2) r(N+1)=30mm+0.1mm×{1190−(N+1)} ={149−0.1(N+1)}mm ………………………………(9)
【0133】前記式(7),(8),(2),(9)か
ら、回転速度VNh(N=0〜1189)(rpm)は次のよ
うになる。 N=0のとき、V0h=V0(149/149)=V0(rpm) N=1のとき、V1h=V0(149/148.9)(rpm) N=2のとき、V2h=V0(149/148.8)(rpm) N=3のとき、V3h=V0(149/148.7)(rpm) … N=1189のとき、V1189h=V0(149/30)(rpm) したがって、電子ビームを照射して走査する部分の周速
度を一定とするためには、Nの値が増加するに従って前
記回転速度VNh(N=0〜1189)(rpm)を高くする
必要がある。
【0134】前記図34に示す螺旋状走査領域(回転テ
ーブルSTrが1回転するときの走査領域)RANの走査
時における0≦θ<2πのときの回転テーブルSTrの
回転速度をVN(VNはθの関数)(rpm)としたと
き、VNの値は、θ=0のときは前記式(7)のVNhの
値となり、θ=2πのときは前記式(8)のV(N+1)hの
値となる。したがって、0≦θ<2πの範囲で回転速度
VN(rpm)がθに比例して増速するとみなせば、VN
(VNはθの関数)は次式で表せる。 VN=VNh+{V(N+1)h−VNh}×(θ/2π)…………………………(10) 前記式(7),(8)を用いると、前記式(10)は次
式(11)で表せる。 VN =V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}(θ/2π)〕…(11) したがって、回転テーブルSTrを前記式(11)を満
たすように回転駆動することにより、螺旋状走査領域R
AN(N=0〜1189)の走査部分の周速度(走査部
分の移動速度)をほぼ一定の状態として走査(検査)す
ることができる。
【0135】前述の場合(前記式(10)および(1
1)の回転速度VN(rpm)で回転テーブルを回転す
る場合)、VN(rpm)の平均値VNaはθ=πの時の
VNの値である。θ=πの時のVNの値VNa(rpm)は
次式(12)で表せる。 VNa=VNh+{V(N+1)h−VNh}×(θ/2π) =VNh+{V(N+1)h−VNh}×(π/2π) ={VNh+V(N+1)h}/2 =V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}/2〕………(12) この場合、回転テーブルSTrが1回転するのに要する
時間t(sec)は次式(13)で表せる。 t=(60/VNa)(sec)………………………………………………(13)
【0136】前記時間t(sec)の間にYテーブルS
TyをY方向に0.1mm移動させる必要がある。したが
って、YテーブルSTyの移動速度Vy(mm/sec)
は次式(14)で表せる。 Vy=0.1/t(mm/sec) =0.1/(60/VNa) =0.1VNa/60(mm/sec)……………………………………(14) 前記式(13)および(14)より、Vy(mm/se
c)は次式で表せる。 Vy=0.1VNa/60(mm/sec) =V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}/2〕/600 …………………………………………(15) なお、前記式(15)のrN,r(N+1)は前記式(2),
(9)により定まる。
【0137】本実施例2では、前記式(11)の回転速
度VN(rpm)で回転テーブルSTrを回転駆動しなが
ら、且つ前記式(15)の移動速度でYテーブルSTy
を移動させることにより、螺旋領域RA0〜RA1189
(図33、図34参照)を含む回転走査領域RAを連続
走査(連続検査)することができる。なお、XY直進走
査領域RB(図33、図34参照)の走査方法は前記図
22で説明した前記実施例1と同様である。
【0138】本発明の試料検査装置の実施例2の制御部
は前記実施例1の図23に示す制御部と同様の構成を備
えているがその説明は前記実施例1と重複するので省略
する。図35は本発明の試料検査装置の実施例2の制御
部の説明図で、前記実施例1の図24に対応する図であ
り、前記図23の続きの部分を示す図である。図35に
おいて、本実施例2のテーブル回転走査用制御手段C1
B2は、螺旋状領域周速度定速制御手段C1B2cを有して
おり、前記実施例1の所定ピッチテーブル移動制御手段
C1B2aおよびリング状領域周速度定速制御手段C1B2b
が省略されている。本実施例2のその他の構成は前記実
施例1と同様である。
【0139】C1B2c:螺旋状領域周速度定速制御手段 螺旋状領域周速度定速制御手段C1B2cは、電子ビーム
が被検査ウエハW表面の螺旋走査領域RA0〜RA1189
を順次周速度が一定となるように回転テーブルSTrを
回転駆動するとともに、前記回転テーブルSTrが1回
転する度にYテーブルSTrがY方向に一定速度(0.1
mm)移動するようにYテーブルSTyを移動させる。
【0140】(実施例2の作用)図36は実施例2のフ
ローチャートは前記実施例1の図31のフローチャート
の代わりに図36に示すフローチャートを有する。この
実施例2のその他のフローチャートは前記実施例1と同
様である。すなわち、本実施例2では、前記0.1mm
幅のリング状走査領域RA1〜RA1189の走査回数をカ
ウントする走査回数カウンタのカウント値nが、n=5
になると、リセットされて初期値n=0になるカウンタ
のカウント値は使用しない。このため、図30のST44
ではn=0とする処理は行わない。
【0141】図36は本発明の実施例2の回転走査領域
RAの走査時の処理を示すフローチャートで、前記実施
例1の図31に対応する図であり、前記図30のST45
のサブルーチンである。図36のST51、ST52の処理
は前記図31と同様である。次にST53′において次の
処理を行う。 (1)回転テーブルSTrの回転速度VN(rpm)を前
記式(11)に示す値VNとして回転テーブルSTrを
回転させる。 VN=V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}(θ/2π)〕 ……………………………………(11) (2)YテーブルSTyの移動速度Vy(mm/sec)
を前記式(15)に示す値VyとしてYテーブルSTyを
移動させる。 Vy=0.1VNa/60(mm/sec) =V0(r0/rN)〔1+{(rN/r(N+1))−1}/2〕/600 …………………………………………(15) (3)回転テーブルSTrの回転角度θを計測する。 (4)ブランキングコイルF15をオフにして第1偏向器
F18aによりウエハ表面を照射する電子ビームをY軸方
向に走査幅0.1mmで往復走査する。
【0142】ST54′においてθ=2πか否か判断す
る。ノー(N)の場合は前記ST53′に戻る。イエス
(Y)の場合はST55′に移る。ST55′において次の
処理を行う。 (1)N=N+1とする。 (2)θ=0とする。 次にST56′においてN=1190か否か判断する。ノ
ー(N)の場合は前記ST53′に戻る。イエス(Y)の
場合はST57′に移る。
【0143】ST57′において次の処理を実行する。 (1)ブランキングコイルF15をオンにして電子ビーム
の被検査ウエハWへの照射を遮断する。 (2)回転テーブルSTrおよびYテーブルSTy停止動
作開始。 次にST60′において回転テーブルSTrおよびYテー
ブルSTyが停止したか否か判断する。ノー(N)の場
合はST60′を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合
はST61′に移る。ST61′において次の処理を実行す
る。 (1)回転テーブルSTrは急停止できないので図34
の点P1190を通過して停止するため、前記停止するまで
にP1190を越えて回転した回転量だけ回転テーブルST
rを逆回転。 (2)YテーブルSTyの停止までに点P1190(図3
3、図34参照)がビーム照射位置を越えて移動した分
だけYテーブルSTyを逆移動。 (3)N=0とする。 次に前記図30のメインルーチンのST46に移る。
【0144】この実施例2は、前記実施例1と同様に、
前記複数の一定形状のビーム通過口AS0〜AS399(B
S0〜BS399,CS0〜CS399,DS0〜DS399)を通
過する電子ビームの試料表面のビーム照射部分からの放
出線を分離して検出することができる。このため、試料
表面の複数のビーム照射部分からの放出線を一度に検出
できるので、試料の検査速度が向上する。また、この実
施例2によれば、前記螺旋状走査領域RA0〜RA1189
を有する回転走査領域RAの全領域を、回転テーブルS
TrおよびXYテーブル(STx+STy)の停止をする
ことなく連続移動させながら走査することができる。前
記回転テーブルSTrおよびXYテーブル(STx+ST
y)の移動、停止の繰り返しが行われないので走査を高
速に行うことができる。
【0145】(実施例3)図37は本発明の試料検査装
置の実施例3のビーム識別周波数印加部材ホルダの先端
部分の拡大説明図で前記実施例1の図12に対応する図
であり、図37Aは平面図(前記実施例1の図11Aの
矢印XIIAで示す部分に対応する拡大平面図)、図37
Bは前記図37AのXXXVIIB−XXXVIIB線断面
図、図37Cは前記図37Bの矢印XXXVIICで示し
た部分の拡大図である。図38は本発明の実施例3の試
料検査装置の説明図で、前記実施例1の図16に対応す
る図である。図39は前記ビーム識別周波数印加部材P
L2の分解斜視図である。図40は前記ビーム識別周波
数印加部材PL2の第1識別周波数印加基板114の説
明図で、図40Aは前記図37Cの要部拡大図、図40
Bは前記図40AのXXXXB−XXXXB線断面図で
ある。図41は前記ビーム識別周波数印加部材PL2の
第2識別周波数印加基板116の説明図で、図41Aは
前記図12Cの要部拡大図、図41Bは前記図41Aの
XXXXIB−XXXXIB線断面図である。
【0146】なお、この実施例3の説明において、前記
実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号
を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例3
は、次の点で前記実施例1と相違しているが、他の点で
は前記実施例1と同様に構成されている。図37、図3
8において、シールドプレートPL1のシールド基板1
12の構成は前記実施例1と同様であるが、ビーム識別
周波数印加部材PL2は、上から順に、電気絶縁性の接
着剤により接着され第1識別周波数印加基板114、開
口基板115および第2識別周波数印加基板116を有
している。
【0147】図39〜図41において、前記シールドプ
レートPL1のシールド基板112と、前記ビーム識別
周波数印加部材PL2の第1識別周波数印加基板11
4、開口基板115および第2識別周波数印加基板11
6にはそれぞれ、X軸に平行な4本の直線上に中心間距
離40μm間隔で10μm×10μmの矩形のビーム通
過口がそれぞれ100個形成されている。すなわち、前
記各基板112,114,115,116にはそれぞれ
400個のビーム通過口AS0〜AS399,BS0〜BS3
99,CS0〜CS399,DS0〜DS399が40μm間隔で
形成されており、それらの配置は前記実施例1と同様で
ある。
【0148】前記基板112に形成された400個のビ
ーム通過口AS0〜AS399は前記実施例1と同様に次の
4つのグループ(G0)〜(G3)に分けられる。各グル
ープには100個のビーム通過口が含まれる。但し、n
はn=0,1,2,…,99である。 (G0)ビーム通過口AS4n(n=0〜99)、 (G1)ビーム通過口AS4n+1(n=0〜99)、 (G2)ビーム通過口AS4n+2(n=0〜99)、 (G3)ビーム通過口AS4n+3(n=0〜99)、
【0149】前記第1識別周波数印加基板114の各ビ
ーム通過口BS0〜BS399は次のグループG0〜G3に分
けられる。 (G0):BS4n(n=0〜99)のグループ、 (G1):BS4n+1(n=0〜99)のグループ、 (G2):BS4n+2(n=0〜99)のグループ、 (G3):BS4n+3(n=0〜99)のグループ、
【0150】図38〜図40において、前記各グループ
G0,G1,G2,G3毎に、各ビーム通過口を通過する電
子ビームに第1識別周波数を印加するための第1識別周
波数印加基板114には上面電極114-A〜114-
D、および下面のほぼ全面に形成された1つの下面電極
114aが設けられている。
【0151】前記上面電極114-A〜114-Dには直
流電源電圧Baと、発振器VA〜VDが接続され、前記
上面電極114-A〜114-Dには直流電源電圧Ba
と、発振器VA〜VDが接続されている。前記上面電極
114-A〜114-Dと下面電極114a′との間にに
はそれぞれ第1識別周波数として次の周波数のパルスが
印加される。 上面電極114-Aおよび下面電極114a…5000kHz 上面電極114-Bおよび下面電極114a…6000kHz 上面電極114-Cおよび下面電極114a…7000kHz 上面電極114-Dおよび下面電極114a…8000kHz
【0152】したがって、この実施例3では、ビーム通
過口BS0〜BS399を通過した電子ビームは、第1識別
周波数印加基板114の前記上面電極114-A〜11
4-Dおよび下面電極114a間に印加された前記第1識
別周波数情報を有している。そして、前記電子ビームの
試料表面の照射部分から放出される2次電子は、前記第
1識別周波数情報を有している。
【0153】図38〜図40において、前記第2識別周
波数印加基板116の各ビーム通過口DS0〜DS399は
次のグループH0〜H99に分けられる。 (H0):DS4n〜DS4n+3(n=0)のグループ、 (H1):DS4n〜DS4n+3(n=1)のグループ、 (H2):DS4n〜DS4n+3(n=2)のグループ、 ……… (Hn):DS4n〜DSn+3(n=n)のグループ、 ……… (H99):DS4n〜DS4n+3(n=99)のグループ、 図39〜図41に示すように、第2識別周波数印加基板
116の上下両面には、前記各グループH0,H1,H
2,…,H98,H99毎に、各ビーム通過口を通過する電
子ビームに第2識別周波数を印加するための下面電極1
16-0,116-1,116-2,…,116-99および上
面のほぼ全面に形成された1つの上面電極116aが設
けられている。
【0154】前記下面電極116-0〜116-99には電
圧B0の直流電源と、発振器V0〜V99が接続され、前記
上面電極116aは電圧B0の直流電源を介してアースさ
れている。前記下面電極116-0〜116-99と、上面
電極116aとの間には、それぞれ第2識別周波数とし
て次の周波数のパルスが印加される。 下面電極116-0および上面電極116a間…10kHz 下面電極116-1および上面電極116a間…20kHz 下面電極116-2および上面電極116a間…30kHz ………………………………… 下面電極116-99および上面電極116a間…1000
kHz
【0155】したがって、この実施例3では、ビーム通
過口DS0〜DS399を通過した電子ビームは、第2識別
周波数印加基板116の前記下面電極116-0〜116
-99および上面電極116a間に印加された前記第2識別
周波数情報を有している。そして、前記電子ビームの試
料表面の照射部分から放出される2次電子は、前記第2
識別周波数情報を有している。
【0156】前記SEM1(予備検査用走査型電子顕微
鏡)下端の外周部には2次電子検出器(放出線検出器)
54a′が保持されている。前記2次電子検出器54a′
および2次電子増幅回路A等から前記SEM1の2次電
子検出装置(すなわち、放出線検出装置)54′(図
9、図42等参照)が構成されている。図9から分かる
ように、本実施例の2次電子検出器54a′は、前記試
料表面には400個のビーム通過口AS0〜AS399(B
S0〜BS399,CS0〜CS399,DS0〜DS399)を通
過した400本の電子ビームの試料照射により放出され
た2次電子が検出される。前記検出された2次電子が前
記400個のどのビーム通過口AS0〜AS399を通過し
た電子ビームの照射により発生した2次電子であるかを
知る必要がある。
【0157】図42は本発明の実施例3の2次電子検出
装置54′の説明図である。2次電子検出装置54′
は、2次電子検出器54a′と、前記2次電子検出器5
4a′で検出された2次電子(放出線)を増幅する増幅
器Aと、増幅された2次電子検出信号(放出線検出信
号)を試料表面の2次電子放出位置毎に分離する2次電
子分離装置(放出線分離装置)54bと、分離した検出
信号をアナログ/デジタル変換するADC(アナログ/
デジタルコンバータ)とを有している。
【0158】前記2次電子検出器54a′により検出さ
れた2次電子(放出線)検出信号は、前記第1識別周波
数印加基板114に形成されたビーム通過口BS0〜B
S399および第2識別周波数印加基板116に形成され
たビーム通過口DS0〜DS399を通過する電子ビームに
印加された第1識別周波数情報G0〜G3および第2識別
周波数情報H0〜H99を有している。前記2次電子分離
装置(放出線分離装置)54bは、前記2次電子検出信
号が有する識別周波数情報G0〜G3およびH0〜H99に
基づいて、2次電子検出信号を、試料表面の2次電子放
出位置(前記各ビーム通過口AS0〜AS399(BS0〜
BS399,CS0〜CS399,DS0〜DS399)を通過し
た各電子ビームの照射位置)毎に分離する。前記2次電
子分離装置(放出線分離装置)54bは前記実施例1の
復調器(PLL検波器)と同様に構成されている。
【0159】すなわち、前記2次電子分離装置54b
は、PLL素子により構成されており、2次電子検出信
号を、最初に第1識別周波数(5000kHz,600
0kHz,7000kHzおよび8000kHz)の4種
のグループG0〜G3に分離し、次に前記4種のグループ
G0〜G3に分離した各信号を、さらに、1kHz〜10
0kHzの100種の信号(H0〜H99)に分離する。こ
の分離により、前記2次電子検出器54a′により検出
された2次電子(放出線)検出信号は、前記400個の
各ビーム通過口AS0〜AS399を通過した電子ビームの
照射位置毎に放出された2次電子検出信号として検出す
ることができる。すなわち、分離して検出された信号は
次の400個の信号である。 G0グループに属する検出信号(H0〜H99) G1グループに属する検出信号(H0〜H99) G2グループに属する検出信号(H0〜H99) G3グループに属する検出信号(H0〜H99) なお、前記2次電子分離装置(放出線分離装置)54b
は、他の構成の検波器を使用することも可能である。
【0160】前記実施例3も、前記実施例1と同様に、
前記複数の一定形状の複数のビーム通過口AS0〜AS3
99(BS0〜BS399,CS0〜CS399,DS0〜DS39
9)を通過する電子ビームの試料表面のビーム照射部分
からの放出線(2次電子)を分離して検出することがで
きる。このため、試料表面の複数のビーム照射部分から
の放出線を一度に検出できるので、試料の検査速度が向
上する。
【0161】(実施例4)図43は本発明の実施例4の
説明図で、前記実施例1の図17に対応する図である。
なお、この実施例4の説明において、前記実施例1の構
成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、そ
の詳細な説明を省略する。この実施例4は、下記の点で
前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例
1と同様に構成されている。図43において、この実施
例4は前記実施例1の図12、図16に示された識別周
波数印加基板114の下面のほぼ全面に形成されていた
アース電極114aが省略されている。他の点では実施
例4は前記実施例1と同様に構成されている。
【0162】この実施例4も、前記ビーム通過口BS0
〜BS399周囲の電極114-0〜114-399の電位(発
振器V0〜V399の出力電位)の変化により、前記各ビー
ム通過口BS0〜BS399を通過する電子ビームの速度が
変調される。このため、電子の進行方向に沿って識別周
波数に応じた電子の粗密状態が生じるので、ビーム通過
口BS0〜BS399を通過した電子ビームは、識別周波数
印加基板114の前記上面電極114-0〜114-399に
印加された前記識別周波数情報を有している。したがっ
て、前記電子ビームの試料表面の照射部分から放出され
る2次電子は、前記識別周波数情報を有しているので、
検出2次電子を前記各ビーム通過口BS0〜BS399を通
過した電子ビームのウエハ表面照射位置に対応づけて分
離することができる。
【0163】(実施例5)図44は本発明の試料検査装
置の実施例5のビーム識別周波数印加部材PL2の第1
識別周波数印加基板114の説明図で、図44Aは前記
実施例3の図40に対応する図(図37Cの要部拡大
図)、図44Bは前記図44AのXXXXIVB−XX
XXIV線断面図である。図45は前記ビーム識別周波
数印加部材PL2の第2識別周波数印加基板116の説
明図で、図45Aは前記実施例3の図41に対応する
図、図45Bは前記実施例3の図41AのXXXXVB
−XXXXVB線断面図である。なお、この実施例5の
説明において、前記実施例3の構成要素に対応する構成
要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略す
る。この実施例5は、下記の点で前記実施例3と相違し
ているが、他の点では前記実施例3と同様に構成されて
いる。
【0164】図44、図45において、この実施例5は
前記実施例3の図40、図41に示された開口基板11
5が省略され、第1および第2識別周波数印加基板11
4および116の下面のほぼ全面に形成されていたアー
ス電極114aおよび116aが省略されている。他の点
では実施例5は前記実施例3と同様に構成されている。
この実施例5も、前記ビーム通過口BS0〜BS399周囲
の電極114-A〜114-Bの電位(発振器VA〜VD
の出力電位)の変化により、前記各ビーム通過口BS0
〜BS399を通過する電子ビームの速度が変調される。
また、前記ビーム通過口DS0〜DS399周囲の電極11
6-0〜116-99の電位(発振器V0〜V99の出力電位)
の変化により、前記各ビーム通過口DS0〜DS399を通
過する電子ビームの速度が変調される。
【0165】このため、電子の進行方向に沿って電子の
粗密状態が生じるので、ビーム通過口BS0〜BS399、
DS0〜DS399を通過した電子ビームは、第1識別周波
数印加基板114の前記上面電極114-A〜114-D
に印加された前記第1識別周波数情報および第2識別周
波数印加基板116の前記上面電極116-0〜116-9
9に印加された前記第2識別周波数情報を有している。
そして、前記電子ビームの試料表面の照射部分から放出
される2次電子は、前記第1および第2識別周波数情報
を有している。検出された2次電子は前記実施例3と同
様に各ビーム通過口BS0〜BS399、DS0〜DS399を
通過した電子ビームに対応させて分離することができ
る。
【0166】(実施例6)図46は本発明の実施例6の
試料検査装置のSEM1の説明図である。なお、この実
施例6の説明において、前記実施例3の構成要素に対応
する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明
を省略する。この実施例6は、次の点で前記実施例3と
相違しているが、他の点では前記実施例3と同様に構成
されている。図46において、電子銃F11は4列の電子
銃エミッター列を有し、4列の各電子銃エミッター列は
スリットが形成されたスリット基板F11c〜F11fを有し
ており、各スリット基板F11c〜F11fのスリットから帯
状電子ビームを出射する。前記各スリット基板F11c〜
F11fにはそれぞれ第1識別周波数が印加されており、
前記各帯状電子ビームは、それぞれ前記スリット基板F
11c〜F11fのスリット通過時に異なる第1識別周波数が
印加される。
【0167】本実施例6では、前記実施例3の第1識別
周波数印加基板114および開口基板115が省略され
ている。したがって、本実施例6のシールド基板112
下方には第2識別周波数印加基板116のみが配置され
ている。前記各スリット基板F11c〜F11fおよび前記第
2識別周波数印加基板116により、本実施例6のビー
ム識別周波数印加部材PL2が構成されている。前記実
施例6も、前記実施例1と同様に、前記複数の一定形状
の複数のビーム通過口AS0〜AS399(BS0〜BS39
9,CS0〜CS399,DS0〜DS399)を通過する電子
ビームの試料表面のビーム照射部分からの放出線(2次
電子)を分離して検出することができる。このため、試
料表面の複数のビーム照射部分からの放出線を一度に検
出できるので、試料の検査速度が向上する。
【0168】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。 (H01)前記各実施例1、2においては、XY直進走査
領域RBおよび回転走査領域RAを走査(検査)する
際、ウエハ上のビーム照射領域である走査部分の移動速
度を一定にしているが、例えば、回転走査領域RAを走
査する際には、前記回転走査領域RAを所定の半径の外
側部分(半径の大きい走査部分)と内側部分(半径の小
さい走査部分とに2分して、半径の小さい走査部分を走
査する際には半径の大きい走査部分を走査する場合に比
較して、走査部分の移動速度を1/2に設定して走査
(検査)を行うことが可能である。その場合には、2次
電子検出量を速度に走査速度応じて補正すれば良い。ま
た、回転走査領域RAの走査を一定回転速度で行うこと
が可能である。その場合、前記走査部分の回転中心W0
からの半径の大きさによって、走査部分(ビーム照射部
分)の前記移動速度(周速度)が異なるので、各走査部
分の2次電子検出量を前記移動速度(周速度)に応じて
補正すれば良い。
【0169】(H02)前記各実施例1,2では、ウエハ
W上の電子ビーム(照射ビーム)を所定の走査幅で往復
走査しながら、前記走査幅方向に垂直な方向にウエハW
を一定速度で移動させることによりウエハW表面の走査
(検査)を行っているが、前記走査幅方向の往復走査を
行うことなく、大きな径の電子ビームでウエハ表面部分
(走査部分)を照射しながら前記走査部分を一定速度で
移動させて、ウエハW表面の走査(検査)を行うことが
可能である。
【0170】(H03)試料ステージST上に保持された
ウエハW表面のXY座標位置に対応した高さ(ウエハ表
面高さ)を検出し、2次電子検出量を前記ウエハ表面高
さに対応して補正することができる。その場合、2次電
子検出量の検出誤差を補正することができるので、検査
精度を向上させることが可能である。 (H04)前記各実施例1,2において、反射ビーム検出
装置の代わりに、反射電子検出装置、オージェ電子検出
装置、X線検出装置等を使用することが可能である。
(H05)前記ウエハ保持装置としては静電チャックを使
用可能である。
【0171】(H06)前記実施例1において、前記識別
周波数印加基板114の各ビーム通過口BS0〜BS399
を通過した電子ビーム毎に、異なる識別情報を付与する
手段としては、各ビーム通過口BS0〜BS399の対向す
る両側縁に一対の電極を配置し、前記一対の電極間に異
なる周波数のパルス信号を印加する構成を採用すること
が可能である。その場合、前記識別周波数印加基板11
4の下方に前記各ビーム通過口BS0〜BS399に対応す
るビーム通過口を形成したビーム遮蔽基板を配置する。
このような構成を採用した場合、前記各ビーム通過口B
S0〜BS399を通過する電子ビームは前記一対の電極に
印加されるパルスにより進行方向と垂直な方向に振られ
るため、ビーム遮蔽基板の各ビーム通過口を通過して試
料表面を照射する電子ビームは、前記印加パルスの周波
数に応じて増減する。このような構成でも、検出2次電
子を、各ビーム通過口BS0〜BS399を通過した電子ビ
ームに対応して分離することが可能である。なお、この
変更例において、電子ビームの通路を変化させるのに一
対の電極を使用したが、前記一対の電極の代わりに一対
のコイルを形成し、前記各ビーム通過口BS0〜BS399
を横断する交流磁界を発生させて、前記交流磁界を横断
する電子ビームを進行方向と垂直な方向に振るように構
成することも可能である。
【0172】(H07)前記実施例1において、直流電源
B0(図16参照)を省略することが可能である。ま
た、前記実施例3において、直流電源B0,Ba(図38
参照)を省略することが可能である。
【0173】
【発明の効果】前述の本発明の試料検査装置は、下記の
効果を奏することができる。 (E01)複数の一定形状のビーム通過口を通過する複数
の荷電粒子ビームが照射する試料表面の、複数のビーム
照射部分からの放出線を分離して検出することるにり、
試料表面の複数のビーム照射部分からの放出線を一度に
検出できるので、試料の検査速度が向上する。また、被
検査ウエハ上の回転走査領域を回転しながら走査(検
査)した場合、荷電粒子線装置を使用して被検査ウエハ
の検査を行う際の検査に要する時間をさらに短縮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の試料検査装置の実施例1の全
体説明図である。
【図2】 図2は同実施例1の全体斜視図である。
【図3】 図3は同実施例の部分平面図である。
【図4】 図4は真空試料室(真空作業室)内に配置さ
れたXYテーブルに支持された回転テーブルの昇降ロッ
ドの説明図で、前記図3のIV−IV線断面図である。
【図5】 図5は前記図4の要部拡大図である。
【図6】 図6は前記図5の回転テーブル上に載置され
た試料Wの位置決め機構の説明図で、回転テーブルが前
記図5とは異なる位置に回転したときの断面図である。
【図7】 図7は前記詳細検査用電子顕微鏡SEM2の
前記上壁部2への取付構造を示す図である。
【図8】 図8は試料検査制御装置Cに接続されたSE
M1(予備検査用走査型電子顕微鏡)の構成要素のブロ
ック線図である。
【図9】 図9は試料検査制御装置に接続された詳細検
査用電子顕微鏡SEM2の構成要素のブロック線図であ
る。
【図10】 図10は本実施例1のSEM1(予備検査
用走査型電子顕微鏡)の鏡筒56に装着されたビーム識
別周波数印加部材ホルダおよびそれが装着されるゴニオ
ステージGSの全体図である。
【図11】 図11は前記図10に示すビーム識別周波
数印加部材ホルダの説明図で、図11Aは平面図、図1
1Bは前記図11AのXIB−XIB線断面図、図11C
は前記図11Bの矢印XICで示す部分の拡大図であ
る。
【図12】 図12は前記図11のビーム識別周波数印
加部材ホルダの先端部分の拡大説明図で、図12Aは平
面図であり前記図11Aの矢印XIIAで示す部分の拡大
説明図、図12Bは前記図12AのXIIB−XIIB線断
面図、図12Cは前記図12Bの矢印XIICで示した部
分の拡大図である。
【図13】 図13は前記図12のビーム識別周波数印
加部材ホルダの内端部分の斜視図である。
【図14】 図14は前記図13の要部断面図である。
【図15】 図15はシールドプレートPL1およびビ
ーム識別周波数印加部材PL2の斜視図である。
【図16】 図16は前記ビーム識別周波数印加部材P
L2の識別周波数印加基板114の説明図である。
【図17】 図17は前記ビーム識別周波数印加部材P
L2の識別周波数印加基板114の説明図で、図17A
はシールドプレートPL1およびビーム識別周波数印加
部材PL2の断面図で前記図16と同じ部分を示す図、
図17Bは前記図17AのXVIIB−XVIIB線断面図
である。
【図18】 図18は2次電子検出装置54′の説明図
である。
【図19】 図19は本発明の実施例1の被検査ウエハ
の検査方法の説明図であり、被検査ウエハを回転させな
がら検査する回転検査領域と被検査ウエハをX方向およ
びY方向に直進移動させながら検査するXY直進走査領
域とに分けて検査する方法の説明図である。
【図20】 図20は同実施例1の被検査ウエハWの検
査方法の詳細説明図で、回転検査領域の検査方法の説明
図である。
【図21】 図21は前記回転走査時に試料検査制御装
置C(図9参照)で行う、検出2次電子データの試料
(ウエハ)W上の位置を定める処理の説明図である。
【図22】 図22はXY直進走査領域の検査方法の説
明図である。
【図23】 図23は本発明の試料検査装置の実施例1
の制御部の説明図で、試料検査制御装置Cの説明図であ
る。
【図24】 図24は本発明の試料検査装置の実施例1
の制御部の説明図で、前記図23の続きの部分を示す図
である。
【図25】 図25は本発明の試料検査制御装置CのS
EM1用コントローラC1のフローチャートの説明図で
ある。
【図26】 図26は前記図25のST3でイエス
(Y)の場合の処理を示すフローチャートである。
【図27】 図27は表示画面の説明図で、図27Aは
ST1で表示される画面、図27BはST21で表示され
る画面である。
【図28】 図28は前記ST18においてイエス(Y)
の場合の処理、すなわち、前記第1選択画面において
「(1)検査動作」が選択された場合の処理を示すフロ
ーチャートである。
【図29】 図29はST33で表示される画面である。
【図30】 図30は前記図28のST43の続きのフロ
ーチャートである。
【図31】 図31は前記図30のST45のサブルーチ
ンである。
【図32】 図32は前記図30のST47のサブルーチ
ンである。
【図33】 図33は本発明の実施例2の被検査ウエハ
の検査方法の説明図であり、被検査ウエハを回転させな
がら検査する回転検査領域と被検査ウエハをX方向およ
びY方向に直進移動させながら検査するXY直進走査領
域とに分けて検査する方法の説明図である。
【図34】 図34は同実施例2の被検査ウエハWの検
査方法の詳細説明図で、回転検査領域の検査方法の説明
図である。
【図35】 図35は本発明の試料検査装置の実施例2
の制御部の説明図で、前記実施例1の図24に対応する
図であり、前記図23の続きの部分を示す図である。
【図36】 図36は本発明の実施例2の回転走査領域
RAの走査時の処理を示すフローチャートで、前記実施
例1の図31に対応する図であり、前記図30のST45
のサブルーチンである。
【図37】 図37は本発明の試料検査装置の実施例3
のビーム識別周波数印加部材ホルダの先端部分の拡大説
明図で前記実施例1の図12に対応する図であり、図3
7Aは平面図(前記実施例1の図11Aの矢印XIIAで
示す部分に対応する拡大平面図)、図37Bは前記図3
7AのXXXVIIB−XXXVIIB線断面図、図37C
は前記図37Bの矢印XXXVIICで示した部分の拡大
図である。
【図38】 図38は本発明の実施例3の試料検査装置
の説明図で、前記実施例1の図16に対応する図であ
る。
【図39】 図39は前記ビーム識別周波数印加部材P
L2の分解斜視図である。
【図40】 図40は前記ビーム識別周波数印加部材P
L2の第1識別周波数印加基板114の説明図で、図4
0Aは前記図37Cの要部拡大図、図40Bは前記図4
0AのXXXXB−XXXXB線断面図である。
【図41】 図41は前記ビーム識別周波数印加部材P
L2の第2識別周波数印加基板116の説明図で、図4
1Aは前記図12Cの要部拡大図、図41Bは前記図4
1AのXXXXIB−XXXXIB線断面図である。
【図42】 図42は本発明の実施例3の2次電子検出
装置54′の説明図である。
【図43】 図43は本発明の実施例4の説明図で、前
記実施例1の図17に対応する図である。
【図44】 図44は本発明の試料検査装置の実施例5
のビーム識別周波数印加部材PL2の第1識別周波数印
加基板114の説明図で、図44Aは前記実施例3の図
40に対応する図(図37Cの要部拡大図)、図44B
は前記図44AのXXXXIVB−XXXXIV線断面図
である。
【図45】図45は前記ビーム識別周波数印加部材PL
2の第2識別周波数印加基板116の説明図で、図45
Aは前記実施例3の図41に対応する図、図45Bは前
記実施例3の図41AのXXXXVB−XXXXVB線
断面図である。
【図46】 図46は本発明の実施例6の試料検査装置
のSEM1の説明図である。
【図47】 図47は予備検査情報の表示例を示す図で
あり、図47Aは被検査ウエハである被検査ウエハの外
形および被検査ウエハ上の異物位置または欠陥位置を示
す図、図47Bは異物番号または欠陥番号♯0,♯1,
…とその位置、大きさ等の情報を表形式で示す図であ
る。
【符号の説明】 A…真空試料室、C1a…ビーム偏向制御手段、C1B…
テーブル制御手段、C1B2…回転走査用テーブル制御手
段、C1M1…XY直進走査領域記憶手段、C1M2…回転
走査領域記憶手段、E17…X偏向器駆動回路、E18…Y
偏向器駆動回路、F17…X偏向器、F18…Y偏向器、R
A…回転走査領域、RB…XY直進走査領域、SEM1
…荷電粒子線装置、STx…Xテーブル、STy…Yテー
ブル、STr…回転テーブル、ST…試料ステージ、W
…被検査ウエハ、W1…外側設定円、W2…内側設定円、
1…外壁、2…上壁部、56…検査鏡筒(予備検査鏡
筒)、54…放出線検出装置(2次電子検出装置)、
(Dx+Mx)…Xテーブル駆動装置、(Dy+My)…Y
テーブル駆動装置、(Dy+Dx+Mx+My)…XYテー
ブル駆動装置、(E17+E18)…偏向器駆動回路、F11
…電子銃、(F16+F19)…ビーム縮小レンズ系、(M
D4+M4)…回転テーブル駆動装置、(RA0,RA1,
…,RA1189)…複数のリング状部分、(RB0,RB
1,…,RB599)…複数の帯状部分、(STx+STy)
…XYテーブル、(26〜37,M6,MD6,LS3,
LS4)…試料保持装置(ウエハ保持装置)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 37/28 H01L 21/66 J H01L 21/66 G01N 1/28 W (72)発明者 小松原 岳雄 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 (72)発明者 新倉 隆夫 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 (72)発明者 最上 明矩 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 Fターム(参考) 2F067 AA54 AA62 BB01 BB04 CC16 CC17 EE10 HH06 JJ05 KK04 KK08 LL00 NN04 PP12 QQ02 QQ04 RR12 2G001 AA03 AA10 BA07 CA03 DA06 FA01 GA01 GA06 GA09 GA11 HA01 HA07 HA13 JA02 JA03 JA04 JA08 JA11 JA13 JA14 KA03 LA11 MA05 PA01 PA02 PA11 QA02 4M106 AA01 AA09 BA03 CA39 CA41 CA50 DB01 DB04 DB05 DB13 DB30 DJ03 DJ04 DJ06 DJ14 DJ23 5C001 AA03 AA04 AA06 CC03 CC04 5C033 UU01 UU02 UU03 UU04 UU05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の要件(A01)〜(A06)を備えたこ
    とを特徴とする試料検査装置、(A01)水平なXY平面
    内で互いに垂直なX軸およびY軸方向に移動可能なXテ
    ーブルおよびYテーブルを有するXYテーブルと、前記
    XYテーブルのXテーブルおよびYテーブルを前記X軸
    およびY軸方向に移動させるXテーブル駆動装置および
    Yテーブル駆動装置を有するXYテーブル駆動装置と、
    前記XYテーブルに支持された試料保持装置とを有する
    試料ステージ、(A02)試料ステージを収容する真空室
    を形成する外壁、(A03)前記外壁に装着され且つ前記
    試料保持装置から前記XY平面に垂直な方向に配置され
    た検査鏡筒と、前記検査鏡筒に支持され且つ試料保持装
    置に保持された試料に向けて荷電粒子ビームを出射する
    荷電粒子銃と、前記荷電粒子銃から出射される荷電粒子
    ビームを前記試料保持装置に保持された試料表面に収束
    させるビーム縮小レンズ系と、前記X軸方向およびY軸
    方向に前記荷電粒子ビームをそれぞれ偏向させるX偏向
    器およびY偏向器と、前記X偏向器を駆動するX偏向器
    駆動回路および前記Y偏向器を駆動するY偏向器駆動回
    路と、前記試料表面の前記荷電粒子ビーム照射部分から
    放出される放出線を検出する放出線検出装置とを有する
    荷電粒子線装置、(A04)前記X軸およびY軸の一方の
    軸に平行且つ所定間隔離れた複数の直線上に形成され且
    つ他方の軸方向から見た場合に前記一方の軸方向に隙間
    無く並ぶように配置された複数の一定形状のビーム通過
    口を有し、前記複数の各ビーム通過口を通過する荷電粒
    子ビームに各ビーム通過口毎に異なる識別周波数を印加
    するビーム識別周波数印加部材、(A05)前記試料表面
    から放出される放出線を検出する放出線検出器と、前記
    放出線検出器により検出された放出線が有する識別周波
    数情報に基づいて前記放出線を前記複数の各ビーム通過
    口を通過した荷電粒子ビームの前記試料表面の照射部分
    から放出された放出線毎に分離する放出線分離装置とを
    有し、前記各ビーム通過口を通過した各荷電粒子ビーム
    の照射部分毎に放出線を検出する前記放出線検出装置、
    (A06)前記放出線検出装置が検出した放出線を放出し
    た試料表面位置である前記各荷電粒子ビームの試料表面
    の照射部分の位置を検出するビーム照射試料表面位置検
    出手段。
  2. 【請求項2】 次の要件(A07)〜(A09)を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の試料検査装置、(A07)
    前記荷電粒子ビームの通路中に前記荷電粒子ビームの進
    行方向に沿って所定間隔を置いて配置され且つ前記荷電
    粒子ビームの進行方向から見てそれぞれ同一箇所に前記
    ビーム通過口が形成された第1識別周波数印加基板およ
    び第2識別周波数印加基板を有する前記ビーム識別周波
    数印加部材、(A08)複数のビーム通過口が所定数のグ
    ループに分割されて同一グループに属するビーム通過口
    は同一の第1識別周波数が印加され且つ各グループ毎に
    異なる第1識別周波数が印加される前記第1識別周波数
    印加基板、(A09)前記第1識別周波数印加基板の同一
    の第1識別周波数が印加された複数のビーム通過口に対
    応する第2識別周波数印加基板の複数のビーム通過口は
    それぞれ異なる第2識別周波数が印加される前記第2識
    別周波数印加基板。
  3. 【請求項3】 次の要件(A010)を備えたことを特徴
    とする請求項1または2記載の試料検査装置、(A01
    0)前記各荷電粒子ビームの試料表面の照射部分の位置
    をX−Y座標で検出する前記ビーム照射試料表面位置検
    出手段。
  4. 【請求項4】 次の要件(A011),(A012)を備えた
    ことを特徴とする請求項1または2記載の試料検査装
    置、(A011)前記XY平面に垂直なZ軸に平行な回転
    軸周りに前記試料保持装置を回転させる回転テーブルお
    よび前記回転テーブルを回転駆動する回転テーブル駆動
    装置を有する前記試料ステージ、(A012)前記回転テ
    ーブルと共に回転する試料表面の回転中心に設定した原
    点からの距離rと前記原点を通る基準軸からの前記原点
    回りの回転角度θとを使用したrθ座標位置により前記
    各荷電粒子ビームの試料表面の照射部分の位置を検出す
    る前記ビーム照射試料表面位置検出手段。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100978054B1 (ko) * 2009-11-13 2010-08-25 (주)자비스 배터리 엑스레이검사장치
JP2013179070A (ja) * 2002-05-31 2013-09-09 Fei Co ビームシステムのビームカラムを傾動する装置並びにビームシステム
JP2016127023A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 株式会社荏原製作所 検査装置
WO2016143450A1 (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 株式会社荏原製作所 検査装置

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