JP3205160B2 - 磁界の測定方法およびこれを用いた荷電粒子線装置 - Google Patents

磁界の測定方法およびこれを用いた荷電粒子線装置

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JP3205160B2 JP02506594A JP2506594A JP3205160B2 JP 3205160 B2 JP3205160 B2 JP 3205160B2 JP 02506594 A JP02506594 A JP 02506594A JP 2506594 A JP2506594 A JP 2506594A JP 3205160 B2 JP3205160 B2 JP 3205160B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微小空間に存在する磁
界を真空中で荷電粒子線を用いて、高い分解能の精度で
測定する装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の大容量化のため磁気ヘッドの
小型化が進んでいる。このような磁気ヘッドの発生する
漏洩磁界等、微小空間に存在する磁界を荷電粒子線を使
って測定する技術が報告されている。
【0003】透過型電子顕微鏡を用いて、磁気ヘッドの
漏洩磁界を観察した例に、アイイーイーイー トランス
アクション オン マグネティックス(IEEE TR
ANSACTION ON MAGNETICS,VO
L.MAG−12,NO.1,JANUARY 197
6 p34−39)がある。この文献に記載されている
磁界の測定方法は、以下の手順で行われた。まず、アモ
ルファス薄膜またはカーボンの薄膜に銀を堆積させた膜
に電子線を透過させ、この薄膜の明視野像をネガに露光
した。得られたこの像を参照像とした。次に、顕微鏡内
の対物レンズの下方に磁気ヘッドを配置し、薄膜を透過
した電子線がこのヘッドの発生する漏洩磁界を含んだ空
間を通るようにした。これにより得られた明視野像は、
参照像が露光されている同じネガに重ねて露光された。
二回目に露光された明視野像は、参照像と比較すると薄
膜の粒子が部分的に歪んで見えた。これは、磁気ヘッド
の磁界の中を通った電子線が、ローレンツ力を受け、そ
の軌道が曲げられたためである。ネガには漏洩磁界のな
い時の像とある時の像が二重に露光されており、これ
は、漏洩磁界によって電子線が曲げられたという情報が
含まれていた。
【0004】漏洩磁界の大きさと方向の検出は、この二
重露光されたネガに、有限のスポット径を有するレーザ
光を照射し、後方に置いたスクリーン上にヤングの干渉
縞を投影することによって得られた。投影された干渉縞
の数と方向が、レーザ光が照射された部分の磁界の大き
さと強さを表すものとした。
【0005】また、アイイーイーイー トランスアクシ
ョン オン マグネティックス(IEEE TRANS
ACTION ON MAGNETICS,VOL.M
AG−21,NO.5,SEPTEMBER 1985
p1593−1595)では、走査型電子顕微鏡に似
た装置を用い、この装置を用いた磁界の測定方法が記載
されている。これは、以下の方法であった。
【0006】まず、細く絞った電子線を磁界を発生する
磁気ヘッド試料の平坦平面上で走査した。電子線は磁界
の中を通るとローレンツ力を受け、その軌道が曲げられ
る。ここでこの電子線の偏向量を測定し、磁界の断面投
影データとした。この測定を磁気ヘッドを回転させて繰
り返し行った。磁界の断面投影データをコンピュータ断
層映像手法の演算を応用して処理することにより、空間
の各点における磁界の方向と大きさ、すなわち磁界分布
を得た。
【0007】また、アイイーイーイー トランスアクシ
ョン オン マグネティックス(IEEE TRANS
ACTION ON MAGNETICS,VOL.M
AG−28,NO.2,MARCH 1992 p10
17−1023)では、上記に似た装置構成で電子線を
ストロボ状にし、これを高周波で動作している磁気ヘッ
ドに同期させて発生させた。ストロボ電子ビームの磁界
による偏向量は、半導体位置検出器で測定され、磁気ヘ
ッド磁界分布の動的な観察結果が報告された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】磁界を測定するための
従来の技術を上記で3つ述べた。しかし、これらにはそ
れぞれいくつかの問題点があった。
【0009】まず、初めに述べた透過型電子顕微鏡を用
いた技術では、以下の2つの問題点があった。一つは、
磁界の情報が空間の各点で得られないことであった。得
られる磁界の情報は、電子線が通った領域に存在する磁
界の線積分値である。これは、電子線を通った経路のす
べての磁界の情報が、ネガ上で一点の動きに集約される
ためである。
【0010】もう一つの問題点は、非測定磁界強度の広
いダイナミックレンジと高空間分解能とが両立できない
ことであった。これは以下の理由のためである。
【0011】ネガに照射したレーザ光のスポット径は測
定の空間分解能に対応しており、スポット径が小さい方
が高空間分解能になる。しかし、ヤングの干渉縞を生じ
させるためには、磁界によってネガ上で移動した薄膜の
粒子の像が、レーザ光のスポットの中に入っていなけれ
ばならない。このため、レーザ光のスポット径は、粒子
の移動領域よりも大きくとる必要があった。従って、大
きな磁界の線積分値を測定しようとすると空間分解能が
劣化し、例えば磁気ヘッドの磁界強度必要なダイナミッ
クレンジを得るためには、10μm程度の空間分解能し
か得られなかった。
【0012】また、走査型電子顕微鏡を用いた二つの従
来の技術では、以下の二つの問題点があった。
【0013】一つは、空間分解能が従来の技術よりは向
上しているものの、0.1μmが限界であったことであ
る。これは、空間分解能が磁界の中を通過する電子線の
直径に依存するためであり、ビーム径自体をこれ以上小
さくすることができないためであった。
【0014】もう一つの問題点は、磁界を発生する試料
の極近傍を測定する場合、近づける限界が0.2μmで
あり、これより近くでの測定は困難であることであっ
た。従来技術で極近傍を測定するためには、細く絞った
電子線を試料に近づけて走査する必要があった。しか
し、電子線を近づけ過ぎて試料面極近傍を走査しようと
すると、電子線が試料に接触してしまい、測定ができな
かった。電子線の位置決め精度の限界や、ドリフトによ
る試料と電子線との相対的位置ずれの発生が生じていた
ためであった。
【0015】発明が解決する課題は、試料平面の極近傍
での空間の各点における磁界の大きさと方向、すなわち
磁界分布を高分解能、高磁界感度で、かつ磁界に対し広
いダイナミックレンジで測定することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記問題点は、以下の手
段で解決される。
【0017】参照薄膜に荷電粒子線を透過し、被測定磁
界による歪みを受けない像(第1の像)と歪みを受ける
像(第2の像)を形成し、それぞれ別々に記憶する。第
1の像と第2の像を用いてパターンマッチング演算処理
を行なう。これにより微小な領域の荷電粒子線の被測定
磁界による変化量を抽出する。空間の各点の磁界情報
は、各角度の情報から、コンピュータ断層映像手法を用
いて求める。
【0018】また、上記の手段とは別に以下の手段でも
問題点が解決される。
【0019】参照薄膜に収束させた荷電粒子線を照射
し、荷電粒子線の経路途中に配置された被測定磁界によ
り歪みを受けない像(第1の像)と歪みを受けた像(第
2の像)を形成する。第1の像と第2の像を用いた微小
な領域パターンマッチング演算処理以降は上記の手段と
同様である。
【0020】また、上記手段のための荷電粒子線装置
は、参照試料に荷電粒子線を透過あるいは照射して参照
試料の透過像あるいは走査像を得る手段と、被測定磁界
を発生する試料を所望の位置に配置するステージと、第
1の像と第2の像を別々に記憶する記憶手段と、記憶し
た像を用いてパターンマッチング処理を行なう演算手段
を備えた構成にする。
【0021】
【作用】まず、荷電粒子線を使って得られた参照試料の
像が、荷電粒子線の進行途中に存在する磁界によって歪
められる原理を説明する。荷電粒子は、電荷をe、質量
をm、静電界強度E、磁束密度B、速度vとすると、m
(dv/dt)=eE+e[v・B]のニュートンの運
動方程式が成り立つ。ここで、静電界強度Eを0とし、
磁界のみが存在するとすると、ニュートンの運動方程式
は、m(dv/dt)=e[v・B]となる。
【0022】図2に一本の荷電粒子線41が磁界によっ
て偏向する原理を示した。均一で一方向のみに成分を持
った磁界42を考え、この方向をy方向とする。荷電粒
子線41の進行方向がこれに垂直であるとし、これをz
方向とする。さらに、z、yに垂直な方向をx方向とす
る。均一な磁界42がz方向に長さlだけ存在すると、
荷電粒子線41は、lの間を通過する間にローレンツ力
xを受け、進行方向の角度変化が生じる。ここでロー
レンツ力は、ニュートンの運動方程式からFx=m(d
x/dt)=e[vz・B]で表わされ、角度変化量d
θは、近似的にdθ≒eBl/mvzと表すことができ
る。この場合の角度変化はx−z面内で生じる。この角
度変化のため、磁界42の存在する位置から距離Lだけ
離れたスクリーン43上での荷電粒子線41の到達位置
は、磁界のない時と比較してdx=dθLだけずれる。
【0023】図3は、平行で等間隔に発生された荷電粒
子線41が、強度が不均一な磁界42の中を通過したと
ころを説明する図である。荷電粒子線41は、磁界のな
い場合と比較すると、スクリーン43上の到達位置が変
化し、磁界42を通る前は等間隔であった荷電粒子線4
1の間隔が不均一になっている。すなわち、間隔が歪ん
だことになる。
【0024】参照試料の像の場合は、それぞれ明るさの
異なる荷電粒子線が磁界の中をほぼ平行に面状に通る。
同一平面内の明るさの違う個々の荷電粒子線に着目する
と、像が歪む原理は、上述と同じように説明できる。す
なわち、試料面内のそれぞれの位置から発生した荷電粒
子線の到達位置が、間に存在する不均一な磁界によって
様々な場所にずれる。したがって、参照試料の像全体と
しては歪んで観察される。これが、荷電粒子線を使って
得られた参照試料の像が、荷電粒子線の進行途中に存在
する磁界によって歪められる原理である。
【0025】参照試料の歪んだ像から磁界を求めること
は、この逆である。すなわち、参照試料の歪んだ像から
荷電粒子線の到達位置のずれ量dxが検出できれば、荷
電粒子線の偏向角dθを求めることができる。さらに、
dθからは磁界の線積分値Blが求められる。ここで、
荷電粒子線で得られた高分解能な試料極近傍の画像情報
を、パターンマッチングを使った計算機画像処理で取り
扱う。この処理では、空間分解能が基準の画像となる第
3の像(テンプレート画像)の大きさに相当する。ま
た、被測定磁界強度のダイナミックレンジは、テンプレ
ート画像が第1の像(原画像)中のパターンマッチング
によって検索される領域の大きさに相当する。上記の二
つの大きさは別々に独立して扱えるため、空間分解能と
ダイナミックレンジを切り分けることができる。このた
め、磁界分布測定を高空間分解能でかつ広いダイナミッ
クレンジで実現できる。
【0026】以下に、第1の像(原画像)と第2の像
(参照歪像)と比較して、荷電粒子線の到達位置のずれ
量すなわち偏向量dxを検出する画像処理方法を説明す
る。
【0027】まず、参照となる試料に荷電粒子線を透過
させ、試料のコントラスト像を得る。像には粒子のよう
な明暗のコントラストが面内で不規則に複数含まれるよ
うに参照試料を選択する。像は、磁界を発生する試料平
面からの各高さにおける磁界の線積分値の情報を含んで
いる。その中で小さな領域を抽出し、領域内の画像の模
様とその場所の座標、例えば左上の点の座標(xs,y
s)を認識する。抽出画像の大きさは空間分解能に対応
するので、抽出領域の大きさはできるだけ小さい方が良
い。しかし、この領域は、特徴を抽出できる要素、例え
ば幾つかの粒子をこの中に含む大きさを確保しなければ
ならない。
【0028】次に参照試料と像面の間に磁界を発生する
試料を配置し、ほぼ平行に進行している有限の径の荷電
粒子が磁界と磁界を発生する試料を含む領域を通るよう
にする。
【0029】磁界の中を通った荷電粒子は、ローレンツ
力を受けて偏向するため、得られた画像は先に得た薄膜
の像の一部分が歪んだように観察される。この磁界で歪
んだ像を撮り、この中から先に認識した抽出画像の模様
と一番似た模様を持つ個所をパターンマッチングで捜し
出し、その場所の座標(xp,yp)を認識する。先程認
識した場所と今回認識した場所の差が、荷電粒子線の到
達位置の変化すなわち偏向量dxになる。
【0030】パターンマッチングは、比較する領域中の
画素の一致個数や不一致個数を計数する方法でも良く、
画素の明度の差を計数したり、相互相関計数を計算して
もよい。また、磁界が弱い場合は像を重ね合わせてフー
リエ変換を利用してもよい。
【0031】さらに得られた偏向量dxから先に述べた
ように偏向角dθを求め、偏向角dθから磁界の線積分
値Blを求める。
【0032】得られた磁界の線積分値Blから空間の断
面各点における磁界の大きさと方向を求めるために、上
記手順で得た荷電粒子線の磁界による偏向量を磁界の投
影データとみなして、コンピュータ断層映像手法演算に
よる磁界断面分布の再構成を行なう。このために、この
荷電粒子の磁界による偏向角dθの検出を測定したい磁
界の断面方向についてn個所で行い、偏向角dθのデー
タを蓄積する。例えば、この断面方向をx方向とする。
さらに、磁界で歪んだ参照薄膜の像をこの磁界の各方向
から撮影し、上記画像処理により荷電粒子線の偏向量を
求め、これを磁界の投影データとする。これは、測定し
たい磁界の断面の垂直方向を軸にして、例えば数度ずつ
180°まで被測定磁界を回転させ、上記の像の撮影を
行う。これらの像から上記と同様に、偏向角のデータを
磁界の断面に対して様々な角度から得る。撮影した時の
磁界に対する角度方向をψmとし、この偏向角のデータ
をdθ(xn,ψm)と表す。これらを、磁界の投影デー
タとし、コンピュータ断層映像手法演算を行って、磁界
の断面の分布を算出する。ここで、偏向角のデータを抽
出するテンプレート領域が小さければ、高空間分解能の
磁界分布が測定できる。少ない偏向角を検出できれば磁
界感度の向上になる。また、大きな偏向角の検出ができ
れば測定磁界強度のダイナミックレンジが大きく確保で
きる。
【0033】試料平面極近傍の磁界分布測定を実現する
ためには、上記手順の中で、磁界を発生する試料の影の
極近傍の画像を用いる。この部分が磁界を発生する試料
平面の極近傍の磁界情報を含んでいる。この試料平面の
極近傍の画像を抽出して、磁界を発生する試料極近傍の
の磁界を求める。
【0034】
【実施例】
(第1の実施例)薄膜試料に荷電粒子線を透過させて得
た薄膜の明視野像と、薄膜を透過した荷電粒子線の光路
中に被測定磁界を配置して歪ませた明視野像とから磁界
発生平坦面の極近傍における磁界分布測定を実現した。
図1にこの実施例を示した。ここでは、荷電粒子線とし
て電子線を使った。また、実施例では明視野像を用いた
場合で説明するが、暗視野像を用いても同様の測定がで
きた。
【0035】図1において、電子源11から電子線12
aを発生させて、収束レンズ13に通し、さらに薄膜の
参照試料14に透過させた。透過した電子線12bは、
対物レンズ15により像面24に薄膜の明視野像を形成
した。形成された明視野像は、中間レンズ17と拡大レ
ンズ18により所望の倍率Mで拡大され、カメラ19で
撮影された。撮影された像は、メモリ20(201)に
蓄積された。以下この画像を参照像と呼ぶ。
【0036】本実施例では、被測定磁界16を発生する
試料として磁気ヘッド25を用いた。磁気ヘッド25の
媒体摺動面が電子線の進行方向に平行となるようにし
て、図1の16aの位置に磁気ヘッド25を配置した
後、駆動手段26を駆動し、磁界を発生させた。被測定
磁界があると透過電子線12bはローレンツ力を受け、
その軌道を曲げられる。したがって、像面24に形成さ
れる明視野像は歪んだものとなった。像面24に形成さ
れた歪んだ像は、中間レンズ17と拡大レンズ18によ
り、所望の倍率Mで拡大され、カメラ19で撮影され
た。撮影された像は参照像と同様にメモリ20(20
2)に蓄えられた。以下この画像を参照歪像と呼ぶ。メ
モリに蓄えられた像は、一例を模式的に表すと例えば前
者の参照像は図4(a)のように、後者の参照歪像は図
4(b)のようになった。但し、図4(a)内の直線の
破線と実線は説明のために付加したものであり、得られ
た像には含まれていない。図4(a)(b)に示される
さまざまな大きさの円や楕円は、参照試料(図1の1
4)の粒子を示し、粒子の配列や粒子個々の大きさに規
則性はなかった。図4(b)の下側のハッチングされた
部分は設置された磁気ヘッド(図1の25)の影を示し
ている。図4に示した粒子はその外形の部分が黒く、中
は白く示されているが、粒子の中が黒い場合や明暗の階
調を持っている場合でも以下の画像処理は同様にでき
た。このような粒子の像は、粒子を形成する材質と、粒
子が観察されない部分の材質が異なる場合に容易に得る
ことができた。
【0037】次に、画像処理部21で以下の処理を行っ
た。図4でこれを説明する。まず、参照像を細かく分け
てそれぞれの小領域について着目した。図4(a)に示
したように、例えばX方向、Y方向ともに6つの領域に
分け、それぞれx1〜x6、y1〜y6とした。図では
これを破線と実線で示した。小領域には円形や楕円形の
粒子が複数個ずつ含まれているが、大きさや形状に規則
性はなく、周期的ではない配列をしていた。
【0038】次に、この像を一つの小領域が16×16
画素にあてはまるように計算機で量子化し、認識させ
た。図4(a)(b)の画像は、全体を96×96画素
で認識させた。ここで今、図4(a)の参照像において
Xがx3、Yがy4の小領域(以下T(3,4)と記述す
る)に着目する。この小領域T(3,4)は、16×16画
素の各画素が0または1の1ビットデータで認識されて
いる。計算機で認識された画像を図5に示した。白い部
分がデータの0に該当し、黒い部分が1に該当する。次
に、先に96×96画素で認識された図4(b)の参照
歪像の中で、図5の模様に似た模様を持つ場所を探し、
座標を求めた。同じ模様を持つ場所を探すために、以下
に説明するパターンマッチング処理を行った。これは、
まず参照像の小領域T(3,4)をテンプレート画像とし、
このテンプレート画像を参照歪像の任意の領域に重ね合
わせる。次に、各画素のデータの一致した部分の面積あ
るいは不一致部分の面積を求め、その値が最大値あるい
は最小値となる重ね合わせの領域をテンプレート画像が
移動した位置とする方法である。
【0039】本実施例では、面積を求める変わりに、デ
ータが1で一致した画素数を計数した。また、マッチン
グ処理に要する時間の節約のため、マッチングを行う領
域を電子線12の偏向する可能性のある範囲のみに限定
した。ここでは、元のテンプレート画像が存在していた
位置からXYそれぞれの方向に±8画素分移動させた領
域に限定した。この領域を量子化し、認識した結果を図
6に示した。16×16画素のテンプレート画像を±8
画素分の範囲でマッチングを行うため全体の画素は、3
2×32画素である。図6の太い線で示した領域は、被
測定磁界の存在していなかったときに参照像のテンプレ
ート部分が、位置していたところである。
【0040】次に、テンプレート画像の参照歪像上での
重ね合わせ位置を座標で示すため、左上の画素の位置を
基準とした。本実施例では、テンプレート画像が初めに
参照像上で存在していた場所と同じ場所を参照歪像上で
探し、ここに重ね合わせた時のテンプレート画像の左上
の画素の座標を(0,0)とした。このテンプレート画
像をX方向Y方向それぞれ±8画素ずつ移動させて、デ
ータ1が一致した個数を計数した。図6の左上に座標を
示した。また、計数結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】この表から、Xの正方向に3画素、Yの正
方向に3画素移動したところが、合致している画素数が
一番多いことがわかった。このことから、図4(a)の
(3,4)の領域は、磁界によって生じた画像の歪のため
にXの正方向に3画素、Yの正方向に3画素移動したこ
とがわかり、これにより、電子線の偏向方向と偏向量が
求められた。
【0043】このT(3,4)の移動量をdqとし、磁界の
下に形成された像面(図1の24)の拡大倍率をM、磁
界領域から最も近い結像面までの距離をlとすると、偏
向角dθは近似的に、
【0044】
【数1】
【0045】で求められる。次に、このテンプレートマ
ッチング処理を測定したい断面を投影した方向について
それぞれ行った。例えば、X方向の断面を測定したい場
合は、図4のT(1,4)からT(6,4)についてそれぞれ上記
のマッチング処理が行われた。それぞれの小領域の移動
量をdq(T(n,4))(n=1,…,6)とすると偏向
角dθ(T(n,4))は、
【0046】
【数2】
【0047】と表すことができる。次に、測定したい断
面に垂直な軸を中心に被測定磁界を回転させて、様々な
角度から投影した参照歪像を得て、上記の偏向角を求め
る処理を行った。磁界と電子線の進行方向を相対的に変
える場合は、電子線の照射を回転移動させても被測定磁
界を回転移動させても同じであるが、ここでは、被測定
磁界を発生する試料を回転させる機構を装置に備えて、
被測定磁界を回転させて測定した。様々な角度から投影
した像を得るときは、参照像と参照歪像の両方を得ても
良く、また、参照歪像のみを得て、参照像は1回目に得
たものを記憶させておき、これを利用しても良い。
【0048】最初に測定した磁界と電子線の角度を基準
として、そこからψm回転させた時の電子線の偏向角
は、
【0049】
【数3】
【0050】と表すことができる。これらの測定と計算
によって得られた電子線の偏向角データdθ(ψm,T
(n,4))は、磁界の線積分値を表す投影データとみなさ
れた。これらの投影データは、コンピュータ断層映像手
法演算部22で処理され、磁界の断面の分布が得られ
た。コンピュータ断層映像手法は、一つの断面における
様々な角度方向の投影データから、計算により断層像を
求める手法である。
【0051】さらに、上記の画像を用いて、Y方向のデ
ータを変えて処理することにより、磁気ヘッドの平坦面
から様々な高さの磁界を求めることができた。図7に測
定結果の例を示した。ここでは、測定平面をX−Y座標
として、高さ方向をZ座標とした。X方向の磁界強度
は、磁気ヘッド磁極51から遠い平面では弱くなること
が観察された。
【0052】測定の空間分解能は、画像処理する場合の
テンプレート画像の磁界領域における大きさで決められ
る。本実施例では、得られた画像の中で1辺が30μm
の正方形の領域をテンプレート画像とした。図1に示し
た中間レンズ17と拡大レンズ18の倍率は、3000
倍であったので、本実施例での空間分解能は10nmと
なり、高空間分解能の測定が実現できた。また、画像に
おいて磁気ヘッド試料面からの距離も30μm以下の位
置で画像処理ができたため、試料極近傍の測定も10n
m以下が実現できた。さらに、本手法では、電子線をス
トロボ状にすることによって時間的に変化する磁界の測
定も可能である。
【0053】(第2の実施例)第1の実施例では、磁界
のないときの像と磁界のあるときの像とから、荷電粒子
線の偏向量を抽出した。本実施例では、磁界のあるとき
の像のみを複数枚得て、これらを用いて荷電粒子線の偏
向量を抽出した。
【0054】本発明の説明図を図8に示した。ここで
は、荷電粒子線として電子線を用いた。参照薄膜14を
透過した電子線12bは、対物レンズ15により磁界1
6を発生する試料25の近傍に像面24aを形成する。
像面24aは、中間レンズ17、拡大レンズ18によっ
て所望の倍率に拡大され、カメラ19で像面の拡大像が
得られる。この像はメモリ20に蓄えられる。
【0055】次に、この像面24aと磁界16の間の距
離を相対的に変化させた。例えば、像面を24bに移動
させて、上記と同様に像面の拡大像を得た。この時、被
測定磁界の強さは変化させずに行った。移動の方法は、
対物レンズ15や中間レンズ17の強さを変えて像面を
移動させても良く、また、磁界を発生する試料25を移
動させても良い。ここで、映し出される像の中で、一つ
の模様71に着目した。ここでは、粒子1個に着目し
た。磁界の位置が像面から離れていく時、像を連続して
観察すると着目した粒子は、あたかも面内で移動をして
いるように観察される。これは、粒子の情報を含んだ電
子線が磁界によって偏向角を生じ、磁界の位置から離れ
ていけばいくほど面内で観察される偏向量が大きくなる
ためである。この粒子の移動の大きさを求めて、そこか
ら電子線の偏向角を求めた。
【0056】電子線の偏向角の抽出は、例えば図8に示
したように、複数の位置で結像させた像を用いて行っ
た。ここで磁界に一番近い像面24aの一つの粒子に着
目し、他の像面24b、24cを用いてこの粒子を通る
電子線の軌道を求めた。電子線の軌跡は、3次元空間内
の直線と仮定し、他の画像から直線の方程式を決めるパ
ラメータを求める方法を用いて求めた。
【0057】本抽出方法では、一つの粒子の軌跡を求め
るため、第1の実施例と異なり粒子の配列は規則的なも
のでも良く、個々の粒子の大きさは均一でも良い。また
空間分解能は、粒子一つの大きさに相当する。したがっ
て、第1の実施例で述べたパターンマッチングを用いる
方法に比べ、さらに高空間分解能の偏向量抽出ができ
た。この偏向量を抽出した後の処理は、第1の実施例と
同様に行えた。
【0058】また、本方法の画像は、偏向角抽出方法に
上記の第1の実施例で用いた方法も用いることができ
た。この場合粒子が複数個含まれる領域に着目し、電子
線の偏向角θを、θ=arctan(p/zd)で求めた。こ
こで、pは着目した模様の面内での移動量、zdはマッ
チングに用いた像面の磁界からの距離の差である。
【0059】(第3の実施例)参照試料に細く絞った荷
電粒子線を照射してこれを走査し、そこから発生した二
次電子や反射荷電粒子で試料の像を得る方法を使って、
磁界の測定を実現した。図9に第3の実施例を示した。
第1の実施例と同様に、荷電粒子線として電子線を使っ
た。
【0060】図9において、電子源11から発生した電
子線12は、収束レンズ13を通り、クロスオーバ位置
36でクロスオーバを結ぶ。さらに、電子線は対物レン
ズ15を通り、参照試料14に照射された。電子線が試
料面上に照射されると、そこから二次電子37が発生す
る。試料から発生した二次電子37は二次電子検出器3
2で検出され、アンプ33で増幅された。一方、走査信
号発生器34は走査用偏向器30に走査信号を送り、電
子線12は参照試料14面上で走査された。この走査信
号は、画像構築部35にも送られた。画像構築部35
は、増幅された二次電子信号を走査信号と同期させて、
参照試料14の形状や材質の違いによるコントラスト像
を構築した。この参照試料14の二次電子像は、画像デ
ータとしてメモリ20に蓄えられた。これを参照像とし
た。
【0061】次に、被測定磁界16を図9の16aの位
置に配置した。磁界があるとローレンツ力により電子線
の軌道が曲げられ、参照試料14面での電子線の到達位
置はずれる。これにより、電子線の参照試料14上での
走査位置は、参照像のときとは局所的に異なる位置にな
った。このため、画像構築部35で構築された画像は、
全体が歪んでいるものとなった。これをメモリ20に蓄
え、参照歪像とした。
【0062】以下の画像処理は第1の実施例と同様であ
り、これにより電子線12の偏向量と偏向角が求められ
た。さらに第1の実施例と同様に、試料である磁気ヘッ
ド25を回転させて上記と同様に画像を得た。これらの
画像からも、電子線の偏向角が抽出され、磁界の投影デ
ータが抽出された。これれの投影データは、コンピュー
タ断層映像手法演算処理部22で処理され、磁界の分布
が求められた。
【0063】また、本実施例では、参照試料14として
電子ビーム12の照射される側の面に凹凸が存在する試
料も用いた。この試料の凹凸は、絞った電子ビーム12
を試料面上で走査することによって発生した二次電子3
7が、二次電子検出器32で強弱の違いとして捕らえら
れた。このため画像構築部35で構築された画像は、凹
凸がコントラストの違いとして観察された。この時、参
照試料14の表面の凹凸は不規則であり、試料のどの方
向から電子ビーム12を走査しても周期性は観察されな
かった。さらに、本実施例は第1に実施例と同様に電子
線をストロボ状にして、時間的に変化する磁界の測定に
も用いることができた。また、本実施例に記載された装
置構成を用いることにより、荷電粒子線を参照試料に透
過させることを必要としないので、厚い参照試料を使用
することができる。
【0064】本実施例の構成の装置で、第2の実施例と
同様の手法を使って磁界の測定ができた。これは、磁界
のあるときの像を複数枚得て、ここから電子線の偏向量
を抽出する方法である。本装置の場合は、複数枚の像の
撮影をクロスオーバ36の位置と磁界16の位置を相対
的に変化させて行った。得られた像の処理法は第2の実
施例と同様に行った。
【0065】(第4の実施例)第1の実施例では、参照
薄膜試料の像は、画像処理をする段階で各画素が0また
は1のデータに量子化され認識された。参照像と参照歪
像が0または1に量子化できない場合、すなわち、各画
素の明暗のデータが多階調の場合、荷電粒子線の偏向角
を求める手段として、以下の方法が利用できた。
【0066】例えば、画像を量子化して計算機で認識す
る場合、各画素のデータを0または1ではなく、8ビッ
トすなわち256階調の数値データとして画像を認識し
た。これを、参照像、参照歪像の両方について行い、画
像をメモリに蓄えた。次に、メモリに蓄えた参照像から
小さな領域、例えばNx×Ny画素をテンプレート画像
として抽出した。参照歪像にはテンプレート画像よりも
大きい探索領域、例えばMx×My画素を設定し、抽出
した。大きさの関係はNx<Mx、Ny<Myである。
【0067】次に、参照歪像の探索領域の中から、参照
像のテンプレート画像と一番合致する部分を探し出すこ
とを行った。これは次の計算で行われた。
【0068】
【数4】
【0069】ここで、(a,b)は、参照歪像中の探索
領域でテンプレート画像を重ね合わせた時のテンプレー
ト画像の座標、すなわち重ね合わせた場所を示す。本実
施例では、テンプレート画像の左上の画素が探索領域中
で置かれた座標で表した。H(a,b)は、テンプレート画
像が重ね合わされた場所と同じ場所の参照歪像の画像の
画素の階調、Tはテンプレート画像の画素の階調であ
る。(数4)は、重なった2枚の画像の各画素データの
差の絶対値を探索領域全体について調べて、これを加算
する式である。したがって、D(a,b)を最小にする
テンプレート画像の位置(a,b)が、画像の一番合致
する場所を表している。完全に同じ画像が重なっている
場合は、D(a,b)=0になる。
【0070】本実施例では、(数4)を使ってさまざま
な(a,b)に対するD(a,b)を求めた。そして、
これを最小にする(a,b)から、参照像上のテンプレ
ート画像が参照歪像上で移動したとされる位置を求め
た。この移動量を電子ビームの偏向量とし、さらに偏向
角が求められた。
【0071】次に、取り込んだ画像のうち測定したい断
面方向についてそれぞれテンプレート画像を抽出し、
(数4)の計算を行ってテンプレート画像の移動先を求
め、磁界による電子線の偏向量と偏向角を求めた。ま
た、この計算を磁界の各方向から撮影した像について同
様に行い、それぞれ電子線の偏向量と偏向角を求め、磁
界の投影データを作り出した。さらに、磁界の分布を求
めるため第1の実施例、第2の実施例と同様にコンピュ
ータ断層映像手法演算を行った。
【0072】(数4)の計算は、各画素全ての加算を行
う式である。また、この計算は探索領域内のさまざまな
(a,b)について行われることから、探索領域の画素
数Mx×Myを大きく取ると、計算時間が問題になっ
た。そこで、(数4)の計算にかかる所要時間短縮のた
めに以下のことを行った。まず、(数4)で各画素につ
いて順次加算してくときに、D(a,b)にスライスレ
ベルDsを設定した。次に、計算中に、D(a,b)と
Dsの比較を逐次行うようにし、D(a,b)>Dsに
なったら途中であっても(数4)の計算を打ち切るよう
にした。これにより、多階調のデータを持つ画像のマッ
チングに10パーセントから30パーセントの時間短縮
の効果があった。また、Dsを一定値ではなく、D
(a,b)の最小値Dminに逐次置き換えていき、上
述の比較を行っていく場合も同様に時間短縮の効果があ
ったまた、同じように計算間短縮の方法として、加算を
行っていく場合に変化率△D(a,b)を逐次観察し、
△D(a,b)が急激に増加するようであれば、(数
4)の計算が終了していなくても次の重ね合わせの領域
の計算に移るようにした。これも同様に10パーセント
から30パーセントの計算時間短縮の効果があった。
【0073】(第5の実施例)荷電粒子線の偏向量を求
める画像処理のパターンマッチングに、以下の手法を用
いた。第4の実施例と同様に、各画素が多階調のデータ
であるNx×Ny画素をテンプレート画像として参照像
から抽出し、参照歪像から探索領域であるMx×My画
素を設定し、これを抽出した。
【0074】ここで、(数5)の計算を行った。
【0075】
【数5】
【0076】但し、
【0077】
【数6】
【0078】
【数7】
【0079】
【数8】
【0080】
【数9】
【0081】である。ここで、第3の実施例と同様に、
(a,b)は、参照歪像中の探索領域でテンプレート画
像を重ね合わせた時のテンプレート画像の座標、すなわ
ち重ね合わせた場所を示した。ここでは、テンプレート
画像の左上の画素が探索領域中で置かれた座標で表し
た。H(a,b)は、テンプレート画像が重ね合わされた場
所と同じ場所の参照歪像の画像の画素の階調、Tはテン
プレート画像の画素の階調である。本実施例では(数
5)において、C(a,b)が最大になるテンプレート
画像の座標(a,b)を求め、参照像に対する参照歪像
上のテンプレートの相対移動位置から、電子線の偏向量
を求めた。電子線の偏向量を求めた後の処理は第1の実
施例と同様に行えた。
【0082】(第6の実施例)図1や図8、図9に示し
たメモリ20に取り込んだ参照像と参照歪像から図1や
図8の透過電子線12bや図9の電子線12の偏向量を
抽出する方法に、2次元のフーリエ変換を応用した画像
処理を使った。この画像処理法が使えた時には、フーリ
エ変換を行う領域の大きさと空間分解能、磁界のダイナ
ミックレンジが以下の関係を満足していた。
【0083】取り込んだ参照像や参照歪像において、フ
ーリエ変換を行う領域を切り出す時に、この大きさは必
要な空間分解能dより小さくならなければならない。し
たがって、領域の1辺の長さをlsとすると、ls≦d
×M(Mは倍率)が成り立つ。一方、磁界によって電子
線がx、y方向に偏向する量の最大値すなわちダイナミ
ックレンジをそれぞれlmx、lmyとすると、これが
領域の1辺の長さをlsの半分以下でなければならない
と本手法では検出できなかった。したがって、lmx≦
ls/2、とlmy≦ls/2の両方を満たしていなけ
ればならなかった。
【0084】上述の条件を満足するとき、参照像から切
り出した空間分解能より小さいテンプレート画像をT
(nx,ny)、これと同じ場所で同じ大きさの参照歪像
の像をH(nx,ny)とした。まず、両者の合成の画像
をf(nx,ny)=T(nx,ny)+H(nx,ny)と
し、この合成画像のついて(数10)と(数11)に示
した計算を行った。
【0085】
【数10】
【0086】
【数11】
【0087】(数10)と(数11)は、それぞれ、f
(nx,ny)、F(u,v)の二次元のフーリエ変換の
振幅を計算したものと等価である。また、(数10)
(数11)はそれぞれ2乗して、フーリエ変換のパワー
スペクトルを求めても良い。
【0088】計算結果の例を図10に示した。T
(nx,ny)を図10(a)とし、H(nx,ny)を図
10(b)、f(nx,ny)を図10(c)とした。図
10(d)に(数11)の計算結果のうち、値の大きい
位置を大きい方から3点抽出し、その場所を3か所を黒
く表した図を示した。中央のプロット点は画像の直流成
分を表し、右上と、左下のプロット点は1次の周波数成
分を示している。この1次の点の位置は、重なった画像
T(nx,ny)とH(nx,ny)のずれの大きさと方向
を表している。図10(d)に示された1次の周波数成
分の2点のうち、どちらが電子線の偏向位置を表してい
るかは、参照像と参照歪像の目視による比較、あるい
は、第1の実施例や第4の実施例、第5の実施例で述べ
た方法を補助的に用いて判断した。電子線の偏向量が求
められた後の処理は、第1の実施例と同様に行われ、高
分解能、高感度の磁界分布測定が実現できた。
【0089】(第7の実施例)荷電粒子源に面状のもの
を用いて、磁界の測定を行った。本実施例では、面状の
荷電粒子源として面状電子源を用いた。
【0090】図11にこの実施例を示した。本実施例で
は図11に示したように、面状電子源61を磁界16上
方に配置した。本面状電子源61は、面内で電子の発生
密度の差があり、面状に結像させると濃淡の模様を得る
ことができる電子源であった。これを磁界16で歪め、
歪んだ模様を得て、空間の電子線の偏向量を求めた。空
間の電子の偏向量の求め方は、第1、第2、第4、第
5、第6の実施例と同様に行った。
【0091】本実施例の電子源を用いることにより、上
記実施例で述べた参照薄膜を設置する必要がなく、装置
全体を小型化することができた。
【0092】
【発明の効果】本願発明の特徴である第1の像と第2の
像を用いてパターンマッチングを行なうことにより、空
間分解能とダイナミックレンジとを切り分けることがで
きるので、空間の各点における磁界の大きさと方向が高
分解能、高感度で測定可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】磁界による荷電粒子線の偏向を説明する図であ
る。
【図3】磁界による像の歪みを説明する図である。
【図4】参照像と参照歪像の例を示す図である。
【図5】計算機で量子化されたテンプレート画像を示す
図である。
【図6】計算機で量子化されたマッチング画像を示す図
である。
【図7】本発明で測定された磁界分布の例を示す図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施例を説明する画像例を示す
図である。
【図9】本発明の第3の実施例を示す図である。
【図10】本発明の第6の実施例を説明する画像例を示
す図である。
【図11】本発明の第7の実施例を説明する画像例を示
す図である。
【符号の説明】
11…電子源、12a…電子線、12b…透過電子線、
13…収束レンズ、14…参照試料、15…対物レン
ズ、16…被測定磁界、17…中間レンズ、18…拡大
レンズ、19…カメラ、20、…メモリ、201…メモ
リ、202…メモリ、21…画像処理部、22…コンピ
ュータ断層映像手法演算処理部、23…表示部、24…
像面、24a…像面、24b…像面、24c…像面、2
5…磁気ヘッド、26…駆動手段、30…走査用偏向
器、32…二次電子検出器、33…アンプ、34…走査
信号発生器、35…画像構築部、36…クロスオーバ、
37…二次電子、41…荷電粒子線、42…磁界、43
…スクリーン、51…磁気ヘッド磁極、61…面状電子
源、71…着目模様。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢島 裕介 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 ▲高▼橋 由夫 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 中島 真人 東京都調布市入間町3−14−18 (72)発明者 斎藤 英雄 東京都八王子市暁町2−31−15 (56)参考文献 特開 昭49−83485(JP,A) 特開 平5−109380(JP,A) 特開 平4−299474(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】参照試料に荷電粒子線を透過し、荷電粒子
    線を所望の倍率で結像して第1の像を検出する工程と、
    検出した第1の像を記憶する工程と、荷電粒子線を参照
    試料に透過させた後に、被測定磁界の含まれる領域を通
    過し、被測定磁界により偏向を受けた荷電粒子線を所望
    の倍率で結像して第2の像を検出する工程と、検出した
    第2の像を記憶する工程と、記憶した第1の像と第2の
    像とを用いてマッチング演算処理を行なう工程と、マッ
    チング演算処理により荷電粒子線の偏向量を求める工程
    と、偏向量に基づいて空間の被測定磁界を求める工程か
    らなることを特徴とする磁界の測定方法。
  2. 【請求項2】上記マッチング演算処理は、第1の像から
    所定の大きさを有する第3の像を抽出する工程と、第3
    の像と第2の像を重ね合わせて、第3の像と第2の像の
    相互相関係数を計算する工程と、相互相関係数から第3
    の像を第2の像との重ね合わせ位置を求める工程と、重
    ね合わせ位置から荷電粒子線の偏向量を求める工程から
    なることを特徴とする請求項1に記載の磁界の測定方
    法。
  3. 【請求項3】上記第3の像を第2の像の相互相関係数を
    計算する工程は、重ね合わせた領域で対応させた第3の
    像を第2の像との各画素の明度の階調の差を加算する工
    程を含むことを特徴とする請求項2に記載の磁界の測定
    方法。
  4. 【請求項4】荷電粒子線発生手段と、荷電粒子線を収束
    する荷電粒子線収束手段と、荷電粒子線を透過し、像を
    形成する参照試料を載置する保持台と、被測定磁界を発
    生する試料を所望の位置に配置するステージと、被測定
    磁界を発生する試料を駆動する駆動手段と、像を所望の
    倍率に変化させる像制御手段と、上記駆動手段の非駆動
    時における参照試料の像と、上記駆動手段の駆動時にお
    ける参照試料の像とを検出する検出手段と、検出した参
    照試料の像を別々に記憶する記憶手段と、記憶した参照
    試料の像から空間の被測定磁界を求める演算手段とを具
    備することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 【請求項5】荷電粒子線発生手段と、荷電粒子線を収束
    する荷電粒子線収束手段と、荷電粒子線が照射される参
    照試料を載置した保持台と、荷電粒子線を偏向する偏向
    手段と、上記偏向手段に印加する信号を発生する信号発
    生手段と、上記保持台と上記偏向手段の間に設けられた
    被測定磁界を発生する試料を載置するステージと、被測
    定磁界を発生する試料を駆動する駆動手段と、参照試料
    上で上記駆動手段の非駆動時における荷電粒子線と、駆
    動時における荷電粒子線を走査する対物レンズと、上記
    対物レンズと上記ステージの間に設けられ、参照試料よ
    り発生した粒子を検出する検出手段と、信号と検出した
    粒子により、上記駆動手段の非駆動時と駆動時における
    参照試料の像を形成する像形成手段と、形成した参照試
    料の像を別々に記憶する記憶手段と、記憶した参照試料
    の像から空間の被測定磁界を求める演算手段とを具備す
    ることを特徴とする荷電粒子線装置。
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