JP2008084643A - 電子顕微鏡及び立体観察方法 - Google Patents

電子顕微鏡及び立体観察方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008084643A
JP2008084643A JP2006262009A JP2006262009A JP2008084643A JP 2008084643 A JP2008084643 A JP 2008084643A JP 2006262009 A JP2006262009 A JP 2006262009A JP 2006262009 A JP2006262009 A JP 2006262009A JP 2008084643 A JP2008084643 A JP 2008084643A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
electron beam
electron
observation method
depth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006262009A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Soeda
武志 添田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2006262009A priority Critical patent/JP2008084643A/ja
Publication of JP2008084643A publication Critical patent/JP2008084643A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】3次元構造を持つ電子デバイス構造等を全体的且つ高精度に評価しうる立体観察方法及び電子顕微鏡を提供する。
【解決手段】電子線を生成する電子銃40と、電子銃40により生成された電子線を収束して試料42に入射する収束レンズ44と、試料42を透過した電子線の散乱角を制御する結像レンズ46と、試料42を透過し記電子線を検出する検出器20とを有する電子顕微鏡を用い、試料42を透過した電子線の強度を、電子線の焦点位置を試料42の深さ方向に変化させて測定することにより、試料42による電子線の吸収及び散乱の深さ方向の分布を測定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、3次元構造を持つ測定対象物を全体的且つ高精度に測定しうる立体観察方法及び電子顕微鏡に関する。
近年の電子デバイスの微細化に伴い、デバイス構造を評価する技術にも高精度化が求められている。評価技術の中でも、とりわけ透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)並びに走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope:STEM)は、ナノメートルオーダまで電子線を絞れるため、高精密観察及び分析に有効な技術である。しかしながら、これらの手法は3次元デバイス構造の投影像、すなわち2次元情報しか得ることができず、電子の進行方向(試料の深さ方向)に関する情報を得ることはできない。
このため現状では、3次元構造を持つ電子デバイス構造を全体的に評価するためには、試料の切り出し方向を変えて観察する方法や、多方向から観察した像を3次元構築する方法(電子線トモグラフィ法)等が用いられていた。しかしながら、前者は複数の試料が必要であり、切り出すことにより情報量が不完全となることが問題であった。また、後者も目標物を中心に切り出す必要があり、加工時間の長さと情報量の欠落が問題であった。
一方、TEM以外の手法としては、レーザー共焦点顕微鏡法や、FBIで加工しながらSEM観察して3次元構築する手法がある。しかしながら、これらの手法は像分解能がTEMやSTEMに劣るため、微小構造の評価に用いることは困難であった。
特開2004−171922号公報 特開平10−214587号公報
このように、従来技術には、3次元構造を持つ電子デバイス構造を全体的且つ高精度に評価する手法が存在しなかった。このため、更なる電子デバイスの微細化に向けて、3次元構造を持つ電子デバイス構造を全体的且つ高精度に評価しうる技術が待望されていた。
本発明の目的は、3次元構造を持つ電子デバイス構造等を全体的且つ高精度に評価しうる立体観察方法並びにこのような立体観察方法が可能な電子顕微鏡を提供することにある。
本発明の一観点によれば、電子線を生成する電子銃と、前記電子銃により生成された電子線を収束して試料に入射する収束レンズと、前記試料を透過した電子線の散乱角を制御する結像レンズと、前記試料を透過した前記電子線を検出する検出器とを有する電子顕微鏡を用いた立体観察方法であって、前記試料を透過した前記電子線の強度を、前記収束レンズにより収束する前記電子線の焦点位置を前記試料の深さ方向に変化させて測定することにより、前記試料による前記電子線の吸収及び散乱の深さ方向の分布を測定する立体観察方法が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、電子線を生成する電子銃と、前記電子銃により生成された電子線を収束して試料に入射する収束レンズと、前記試料を透過した電子線の散乱角を制御する結像レンズと、前記試料を透過した前記電子線を検出する検出器と、前記試料を透過した前記電子線の強度を、前記収束レンズにより収束する前記電子線の焦点位置を前記試料の深さ方向に変化して測定することにより、前記試料による前記電子線の吸収及び散乱の深さ方向の分布を測定する処理装置とを有する電子顕微鏡が提供される。
本発明によれば、電子線を生成する電子銃と、電子銃により生成された電子線を収束して試料に入射する収束レンズと、試料を透過した電子線の散乱角を制御する結像レンズと、試料を透過した電子線を検出する検出器とを有する電子顕微鏡において、試料を透過した電子線の強度を、収束レンズにより収束する電子線の焦点位置を試料の深さ方向に変化させて測定するので、試料による電子線の吸収及び散乱等の試料の深さ方向の情報を測定することができる。また、試料に入射する電子線の収束角を制御して視野深度を浅くすることにより、厚さ方向の分解能を大幅に向上することができる。また、試料を透過した電子を結像レンズにより収束して検出器に導入するので、厚さが1μmを超えるような厚い試料においても、S/N比の良好な高精細な画像を得ることができる。
本発明の一実施形態による電子顕微鏡及び立体観察方法について図1乃至図9を用いて説明する。
図1は本実施形態による電子顕微鏡の構造を示す概略図、図2は本実施形態による電子顕微鏡の電子ビーム光学系の概略図、図3は視野深度と収束角との関係を説明する図、図4は本実施形態による立体観察方法の原理を説明する図、図5は試料のモデルを示す概略図、図6は図5の試料の測定例を示す図、図7は視野深度と収束角との関係を示すグラフ、図8及び図9は本実施形態による立体観察方法により撮影した画像を示す図である。
はじめに、本実施形態による電子顕微鏡の構造について図1及び図2を用いて説明する。
図1に示すように、電子ビーム光学系を構成する鏡筒部10には、電子線を収束して試料に照射する収束レンズ系を制御する収束レンズ系制御装置12と、収束電子線を走査する走査レンズ系を制御する走査レンズ系制御装置14と、試料を透過した電子線を結像する結像レンズ系を制御する結像レンズ系制御装置16と、電子線に対する試料の位置を制御する試料台制御装置18と、試料から得られたSTEM像を取得するSTEM検出器20とが設けられている。
収束レンズ系制御装置12、走査レンズ系制御装置14及び結像レンズ系制御装置16には、各レンズ系を制御する情報を入力するためのレンズ系制御用入力装置22が接続されている。また、試料台制御装置18には、試料台を制御する情報を入力するための試料台制御用入力装置24が接続されている。
STEM検出器20には、制御装置26を介して処理装置28が接続されている。処理装置28は、収束レンズ系制御装置12、走査レンズ系制御装置14、結像レンズ系制御装置16、試料台制御装置18等を制御する制御装置として、また、STEM検出器20から入力される測定データの分析を行う分析装置として機能する。
処理装置28には、外部から測定等に必要な情報を入力するための入力装置30、測定データの分析に用いられるデータベース等を記憶する外部記憶装置32、分析結果等を表示する表示装置34等が接続されている。
図2に示すように、鏡筒部10内に設けられた電子ビーム光学系は、電子線を生成する電子銃40と、電子銃40から放出された電子線を所定の角度(α)に収束して試料42に入射する収束レンズ44と、試料42を透過した電子線の散乱角を所定の角度(β)に制御してSTEM検出器20に導入する結像レンズ46とを有している。
このように、本実施形態による電子顕微鏡は、基本的にはSTEM機能を有する電子顕微鏡である。本実施形態による電子顕微鏡の主たる特徴は、収束レンズ44により収束する電子線の焦点位置を試料42の深さ方向に変化できることにある。この特徴は、試料42の深さ方向の情報を取得するためである。そして、この目的を奏するために、本実施形態による電子顕微鏡は、視野深度が最小値になるように電子線の収束角を制御する機能、並びに検出画像のS/N比を向上する機能を有している。
次に、本実施形態による電子顕微鏡を用いた立体観察方法について図1及び図2を用いて説明する。
まず、評価対象の試料42を用意し、鏡筒部10内の試料台(図示せず)上に設置する。なお、本実施形態による立体観察方法では、通常のTEMやSTEMの測定では厚すぎると考えられている1μm以上の膜厚、例えば1.5μm程度の膜厚を有する試料42を用いることができる。
次いで、電子銃40から放出された電子を汎用のTEM等で用いられている加速エネルギー、例えば100〜200keVで加速して電子ビームを得る。なお、試料42に与えるダメージを抑制する観点からは、汎用のTEM等で用いられている200keV程度以下の加速エネルギーを用いることが望ましいが、それ以上の加速エネルギー、例えば1MeV程度の加速エネルギーを用いてもよい。
次いで、電子ビームを、収束レンズ44により所定の収束角αで収束し、試料42の所定の位置に所定の深さで焦点が合うように入射する。なお、試料42は、電子ビームに対して傾けて配置するようにしてもよい。
ここで、本実施形態による立体観察方法では、視野深度を浅くして3次元観察の深さ分解能を向上する。視野深度とは、光軸上の物点を幾何学的な正焦点位置から移動しても像のボケを生じないような移動距離を意味する。
TEMの場合、図3に示すような幾何学的関係を構成する。図において、レンズが収束レンズ44に対応し、物面が試料42の位置に対応している。また、αは電子線の収束角、O点は収束した電子線の正焦点位置、x,xは、正焦点位置Oから移動しても像のボケを生じない範囲である。
この関係から、視野深度dは、以下のように表すことができる。
=x+x≒2r/α
ここで、rはプローブ径などによって定められる実質的なレンズの分解能である。例えば、α=4×10−3rad、r=0.3nmのとき、焦点深度dは150nmとなる。これは深さ方向に対して150nmの分解能で像分離できることを意味する。
視野深度を浅くすると、試料の厚さ方向に焦点の合う範囲が狭くなる。したがって、試料の深さ方向の焦点位置を変えることにより、深さ方向の情報を分離して検出することが可能となる。例えば図4に示すように、試料42に入射する電子線50の焦点位置を深さdに設定した場合(図面左側)、深さdを中心とした焦点深度dの範囲の深さ情報を得ることができる。また、試料42に入射する電子線50の焦点位置を深さdに設定した場合(図面右側)、深さdを中心とした焦点深度dの範囲の深さ情報を得ることができる。
図5は、試料42の一例を示す概略図である。図5に示す試料42は、深さAの位置に形成された直方体状の構造物52と、深さBの位置に形成された円筒状の構造物54とを有している。
図5に示す試料において、電子線50を入射し、電子線の正焦点位置を深さAに合わせた場合、例えば図6(a)に示すような画像が得られる。すなわち、構造物52の鮮明な画像と、構造物54のぼけた画像とが重なった画像を得ることができる。一方、電子線の正焦点位置を深さBに合わせた場合、例えば図6(b)に示すような画像が得られる。すなわち、構造物54の鮮明な画像と、構造物52のぼけた画像とが重なった画像を得ることができる。これら画像から鮮明な画像を抜き出す画像処理を行うことにより、試料42の深さ方向の情報を分離することができる。
上式から判るように、理論的には、視野深度は収束角が大きいほどに小さくなる。しかしながら、実際には収束角が大きくなると球面収差の影響が強く表れるため、レンズ機能の制限によって視野深度にも限界がある。なお、球面収差とは、レンズの機械的歪みの一種であり、レンズ周辺部を通る電子ほど強く屈折される現象によるものである。
図7は、収差の影響を加味した収束角と焦点深度との関係の一例を示すグラフである。なお、図7のグラフは、電子線の加速エネルギーが200keVの場合である。
図7に示すように、視野深度と収束角との関係には、視野深度が最小となる収束角の最適値が存在し、収束角がその最適値よりも小さくても大きくても視野深度は増加する。ここで、収束角が最適値よりも小さいときの視野深度の増加は回折収差(電子線が波動性を持つために生じる収差)の影響によるものであり、収束角が最適値よりも大きいときの視野深度の増加は球面収差の影響によるものである。
視野深度と収束角との関係は、球面収差係数(Cs)の大きさによっても変化する。すなわち、図7に示すように、球面収差係数が大きいほど、収束角が増加するに伴う視野深度の増加割合も大きくなる。
球面収差係数Csは、電子顕微鏡の電子ビーム光学系に応じて定まる装置の基本性能であり、図7に示すグラフは、各電子顕微鏡が有する球面収差の値に応じて準備することができる。
そこで、本実施形態による立体観察方法では、図7に示すようなグラフを予め作成してデータベース化し、外部記憶装置32に蓄えておく。これにより、測定に要求される焦点深度dを例えば入力装置30を介して入力すると、処理装置28は、外部記憶装置32のデータベースを参照して測定に最適な収束角、すなわち視野深度が最小となる収束角を算出することができる。
なお、近年では球面収差補正レンズと呼ばれる補正レンズが用いられることもある。球面収差補正レンズを用いる場合、収束角の増加とともに視野深度は減少するが、この場合にも測定に要求される焦点深度から最適な収束角を算出する機能は有用である。
処理装置28は、算出した収束角の値に応じて、レンズ系制御用入力装置22及び収束レンズ系制御装置12を介して収束レンズ44の励磁を制御する。これにより、電子銃40から放出された電子線を所望の収束角に収束して試料42に入射することができる。
また、収束した電子線は、必要に応じて試料42上を1次元又は2次元に走査し、試料42上の任意の範囲内の測定を行う。電子線の走査は、走査レンズ系制御装置14を介して図示しない走査レンズを制御することにより行う。
また、電子線の試料42の深さ方向の焦点位置を変化することにより、試料42の深さ方向の情報を取得する。電子線の焦点位置は、収束レンズ系制御装置12を介して収束レンズ44を制御することにより行う。
次いで、試料42を透過した電子線を、結像レンズ46を介してSTEM検出器20により検出する。なお、STEM検出器20の代わりに、他の検出器、例えばCCDカメラ等を用いてもよい。
ここで、本実施形態による立体観察方法では、試料42を透過した電子線がSTEM検出器20に効率的に入射するように、試料42を透過した電子線の散乱角βを制御する。
STEM法では、収束電子線を試料に入射し、さらにその電子線を走査して、入射点における電子強度を2次元構築することでSTEM像を得る。STEM法は、透過電子で結像する明視野法と、TDS散乱電子或いは回折電子で結像する暗視野法とに大別される。料が0.3μm以下であれば、これら手法は目的に応じてそれぞれよく機能する。しかしながら、例えば本実施形態による立体観察方法に用いる試料42のように厚さが1μmを超えるような場合、試料に入射した電子が弾性散乱する確率が減少して実質的に回折現象が見られなくなる。このような観察条件においては、試料中の物質に散乱・吸収された電子を結像に寄与させない、いわゆる散乱コントラストで結像するのが最も効果的である。
そこで、本実施形態による立体観察方法では、試料42を透過した電子線の強度を、STEM検出器20によって検出する。この場合、集束レンズ44により収束する電子線の焦点位置を試料42の深さ方向に変化させることにより、試料による電子線の吸収及び散乱の深さ方向の分布を測定することも可能となる。
このとき最も重要となるのが、電子線強度のS/N比である。S/N比を向上するには、散乱・吸収された電子だけを能率的に除去しそれ以外の電子を検出すればよい。これは、STEM検出器或いはCCDカメラなどの記録媒体に電子を集光することを意味する。
これを実現するために、本実施形態による立体観察方法では、結像レンズ46の励磁を適宜調整し、電子の散乱角βを小さくして可能な限りの電子をSTEM検出器20に導入する。こうすることにより、厚さが1μmを超えるような試料42の場合にも、S/N比の大きい画像を取得することができる。
図8(a)は電子の散乱角βが小さいときの明視野像、図8(b)は電子の散乱角βが大きいときの明視野像である。図示するように、散乱角を小さく設定することにより、厚さが1μmを超えるような厚い試料においても、S/N比を向上して詳細な画像を得ることができる。
このように、本実施形態による立体観察方法では、STEMと同様の拡大レンズを用いない入射光学系を用いることに加え、試料を透過した電子線の散乱角を小さくすることにより、厚さが1μmを超えるような厚い試料においても、S/N比を向上して詳細な画像を得ることができる。また、電子線の走査範囲を適宜制御することにより、STEMと同様の広範囲の撮影が可能である。また、試料に入射する電子線の収束角を制御して視野深度を浅くすることにより、厚さ方向の分解能をも高めることができる。
本実施形態による立体観察方法では、厚さが1μmを超えるような試料42の暗視野像を撮影することは困難である。しかしながら、通常のTEMやSTEMで観察されるような0.3μm以下程度の厚さの試料では、暗視野像の撮影も可能である。
暗視野像を撮影する場合、その目的に応じて電子の散乱角βを制御する。すなわち、測定の目的が主として試料の形状である場合には、散乱角βを大きくすることにより、回折コントラストを強調することができる。一方、測定の目的が主として試料の材料である場合には、散乱角βを小さくすることにより、Zコントラスト(原子番号に応じたコントラスト)を強調することができる。
図9(a)は電子の散乱角βが小さいときの暗視野像であり、図9(b)は電子の散乱角βが大きいときの暗視野像である。図示するように、散乱角が小さい場合には材料の種類が強調され、散乱角が大きい場合には結晶状態などの形状が強調されている。
本実施形態による立体観察方法を用いることにより、試料42の深さ方向の分解能を大幅に向上した暗視野像を取得することができる。また、試料42の深さ方向の観察も可能である。
このように、本実施形態によれば、STEMと同様の拡大レンズを用いない入射光学系を用いることに加え、試料を透過した電子線の散乱角を小さくして電子線の検出感度を向上するので、厚さが1μmを超えるような厚い試料においても、S/N比を向上して詳細な画像を得ることができる。また、電子線の走査範囲を適宜制御することにより、STEMと同様の広範囲の撮影が可能である。また、試料に入射する電子線の収束角を制御して視野深度を浅くすることにより、厚さ方向の分解能をも高めることができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、視野深度が最小値となる収束角を用いて測定を行う場合を示したが、必ずしも視野深度が最小値となる収束角を用いて行う必要はない。収束角は、測定に要求される解像度等に応じた視野深度が得られるように、適宜選択することができる。
また、上記実施形態では、厚さが1μmを超えるような厚い試料の場合を例に説明したが、本発明による立体観察方法は、通常のTEMやSTEMの測定に用いられる0.3μm程度以下の試料の測定に適用することもできる。この場合、電子線の収束角を適宜制御することにより試料の深さ方向の情報を高精度に測定できるとともに、明視野像のみならず暗視野像の測定も可能となる。
以上詳述した通り、本発明の特徴をまとめると以下の通りとなる。
(付記1) 電子線を生成する電子銃と、前記電子銃により生成された電子線を収束して試料に入射する収束レンズと、前記試料を透過した電子線の散乱角を制御する結像レンズと、前記試料を透過した前記電子線を検出する検出器とを有する電子顕微鏡を用いた立体観察方法であって、
前記試料を透過した前記電子線の強度を、前記収束レンズにより収束する前記電子線の焦点位置を前記試料の深さ方向に変化させて測定することにより、前記試料による前記電子線の吸収及び散乱の深さ方向の分布を測定する
ことを特徴とする立体観察方法。
(付記2) 付記1記載の立体観察方法において、
前記試料を透過した前記電子線を前記結像レンズにより収束して前記検出器に導入する
ことを特徴とする立体観察方法。
(付記3) 付記1又は2記載の立体観察方法において、
前記収束レンズにより収束する前記電子線の収束角を、視野深度が最小値になる値に設定する
ことを特徴とする立体観察方法。
(付記4) 付記1乃至3のいずれか1項に記載の立体観察方法において、
前記電子線を、前記試料の任意の測定範囲内で走査する
ことを特徴とする立体観察方法。
(付記5) 付記1乃至4のいずれか1項に記載の立体観察方法において、
前記電子線を、前記試料に対して傾けて入射する
ことを特徴とする立体観察方法。
(付記6) 電子線を生成する電子銃と、
前記電子銃により生成された電子線を収束して試料に入射する収束レンズと、
前記試料を透過した電子線の散乱角を制御する結像レンズと、
前記試料を透過した前記電子線を検出する検出器と、
前記試料を透過した前記電子線の強度を、前記収束レンズにより収束する前記電子線の焦点位置を前記試料の深さ方向に変化して測定することにより、前記試料による前記電子線の吸収及び散乱の深さ方向の分布を測定する処理装置と
を有することを特徴とする電子顕微鏡。
(付記7) 付記6記載の電子顕微鏡において、
前記収束レンズにより収束する前記電子線の収束角を視野深度が最小値になる値に制御する収束角制御装置を更に有する
ことを特徴とする電子顕微鏡。
(付記8) 付記6又は7記載の電子顕微鏡において、
前記電子線を前記試料の任意の測定範囲内で走査する走査レンズを更に有する
ことを特徴とする立体観察方法。
本発明の一実施形態による電子顕微鏡の構造を示す概略図である。 本発明の一実施形態による電子顕微鏡の電子ビーム光学系を示す概略図である。 視野深度と収束角との関係を説明する図である。 本発明の一実施形態による立体観察方法の原理を説明する図である。 測定対象の試料のモデルを示す概略図である。 図5の試料の測定例を示す概略図である。 視野深度と収束角との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態による立体観察方法により撮影した画像を示す図(その1)である。 本発明の一実施形態による立体観察方法により撮影した画像を示す図(その2)である。
符号の説明
10…鏡筒部
12…収束レンズ系制御装置
14…走査レンズ系制御装置
16…結像レンズ系制御装置
18…試料台制御装置
20…STEM検出器
22…レンズ系制御用入力装置
24…試料台制御用入力装置
26…制御装置
28…処理装置
30…入力装置
32…外部記憶装置
34…表示装置
40…電子銃
42…試料
44…収束レンズ
46…結像レンズ
50…電子線
52,54…構造体

Claims (5)

  1. 電子線を生成する電子銃と、前記電子銃により生成された電子線を収束して試料に入射する収束レンズと、前記試料を透過した電子線の散乱角を制御する結像レンズと、前記試料を透過した前記電子線を検出する検出器とを有する電子顕微鏡を用いた立体観察方法であって、
    前記試料を透過した前記電子線の強度を、前記収束レンズにより収束する前記電子線の焦点位置を前記試料の深さ方向に変化させて測定することにより、前記試料による前記電子線の吸収及び散乱の深さ方向の分布を測定する
    ことを特徴とする立体観察方法。
  2. 請求項1記載の立体観察方法において、
    前記試料を透過した前記電子線を前記結像レンズにより収束して前記検出器に導入する
    ことを特徴とする立体観察方法。
  3. 請求項1又は2記載の立体観察方法において、
    前記収束レンズにより収束する前記電子線の収束角を、視野深度が最小値になる値に設定する
    ことを特徴とする立体観察方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の立体観察方法において、
    前記電子線を、前記試料の任意の測定範囲内で走査する
    ことを特徴とする立体観察方法。
  5. 電子線を生成する電子銃と、
    前記電子銃により生成された電子線を収束して試料に入射する収束レンズと、
    前記試料を透過した電子線の散乱角を制御する結像レンズと、
    前記試料を透過した前記電子線を検出する検出器と、
    前記試料を透過した前記電子線の強度を、前記収束レンズにより収束する前記電子線の焦点位置を前記試料の深さ方向に変化して測定することにより、前記試料による前記電子線の吸収及び散乱の深さ方向の分布を測定する処理装置と
    を有することを特徴とする電子顕微鏡。
JP2006262009A 2006-09-27 2006-09-27 電子顕微鏡及び立体観察方法 Pending JP2008084643A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006262009A JP2008084643A (ja) 2006-09-27 2006-09-27 電子顕微鏡及び立体観察方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006262009A JP2008084643A (ja) 2006-09-27 2006-09-27 電子顕微鏡及び立体観察方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008084643A true JP2008084643A (ja) 2008-04-10

Family

ID=39355284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006262009A Pending JP2008084643A (ja) 2006-09-27 2006-09-27 電子顕微鏡及び立体観察方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008084643A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012043563A (ja) * 2010-08-16 2012-03-01 Fujitsu Ltd 共焦点走査透過型電子顕微鏡装置及び3次元断層像観察方法
WO2013012041A1 (ja) * 2011-07-20 2013-01-24 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子顕微鏡及び走査透過電子顕微鏡
JP2013044607A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料の観察方法
JP2013054578A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料のシミュレーション方法
JP2013057638A (ja) * 2011-09-09 2013-03-28 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料のシミュレーション方法
JP2013061877A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料のシミュレーション方法
US8471203B2 (en) 2009-04-08 2013-06-25 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Particle-beam microscope
JP2013250245A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料の観察方法
WO2014192361A1 (ja) * 2013-05-30 2014-12-04 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置、試料観察方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02100252A (ja) * 1988-10-07 1990-04-12 Jeol Ltd 電子線装置における開き角制御装置
JPH05299048A (ja) * 1992-04-24 1993-11-12 Hitachi Ltd 電子線装置および走査電子顕微鏡
JP2002279926A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Jeol Ltd 透過型電子顕微鏡
JP2003007244A (ja) * 2001-06-25 2003-01-10 Jeol Ltd 荷電粒子線装置における像の表示方法および荷電粒子線装置、並びに分析装置における像の表示方法及び分析装置
JP2004214060A (ja) * 2003-01-06 2004-07-29 Hitachi High-Technologies Corp 走査電子顕微鏡及びそれを用いた試料観察方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02100252A (ja) * 1988-10-07 1990-04-12 Jeol Ltd 電子線装置における開き角制御装置
JPH05299048A (ja) * 1992-04-24 1993-11-12 Hitachi Ltd 電子線装置および走査電子顕微鏡
JP2002279926A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Jeol Ltd 透過型電子顕微鏡
JP2003007244A (ja) * 2001-06-25 2003-01-10 Jeol Ltd 荷電粒子線装置における像の表示方法および荷電粒子線装置、並びに分析装置における像の表示方法及び分析装置
JP2004214060A (ja) * 2003-01-06 2004-07-29 Hitachi High-Technologies Corp 走査電子顕微鏡及びそれを用いた試料観察方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8471203B2 (en) 2009-04-08 2013-06-25 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Particle-beam microscope
JP2012043563A (ja) * 2010-08-16 2012-03-01 Fujitsu Ltd 共焦点走査透過型電子顕微鏡装置及び3次元断層像観察方法
WO2013012041A1 (ja) * 2011-07-20 2013-01-24 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子顕微鏡及び走査透過電子顕微鏡
JP2013025967A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Hitachi High-Technologies Corp 走査透過電子顕微鏡
CN103703537B (zh) * 2011-07-20 2015-06-17 株式会社日立高新技术 扫描电子显微镜及扫描透过电子显微镜
US8878130B2 (en) 2011-07-20 2014-11-04 Hitachi High-Technologies Corporation Scanning electron microscope and scanning transmission electron microscope
CN103703537A (zh) * 2011-07-20 2014-04-02 株式会社日立高新技术 扫描电子显微镜及扫描透过电子显微镜
JP2013044607A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料の観察方法
JP2013054578A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料のシミュレーション方法
JP2013057638A (ja) * 2011-09-09 2013-03-28 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料のシミュレーション方法
JP2013061877A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料のシミュレーション方法
JP2013250245A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム材料の観察方法
WO2014192361A1 (ja) * 2013-05-30 2014-12-04 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置、試料観察方法
US9466460B2 (en) 2013-05-30 2016-10-11 Hitachi High-Technologies Corporation Charged particle-beam device and specimen observation method
JPWO2014192361A1 (ja) * 2013-05-30 2017-02-23 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置、試料観察方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008084643A (ja) 電子顕微鏡及び立体観察方法
CN103703537B (zh) 扫描电子显微镜及扫描透过电子显微镜
JP3867524B2 (ja) 電子線を用いた観察装置及び観察方法
JP5404008B2 (ja) 粒子光機器においてサンプルの走査型透過画像を取得する方法
US9535020B2 (en) Analyzing an object using a particle beam apparatus
JP5735262B2 (ja) 荷電粒子光学装置及びレンズ収差測定方法
JP2008270056A (ja) 走査型透過電子顕微鏡
CN105388173A (zh) 获取ebsp图样的方法
CN111279183B (zh) 晶体取向图生成装置、带电粒子射线装置、晶体取向图生成方法以及程序
JP4337832B2 (ja) 電子線を用いた観察装置及び観察方法
WO2015015985A1 (ja) 荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置における収差測定法
JP4231831B2 (ja) 走査型電子顕微鏡
KR100926019B1 (ko) 결함 입자 측정 장치 및 결함 입자 측정 방법
JP5397060B2 (ja) 荷電粒子顕微鏡及び解析方法
CN111146062B (zh) 电子显微镜和图像处理方法
KR102129369B1 (ko) 전자빔 장치
JP2013088570A (ja) 顕微鏡装置
JP5254046B2 (ja) 電子顕微鏡及び観察方法
KR101377938B1 (ko) 중에너지 이온빔 산란을 이용한 분광분석기
JP5502407B2 (ja) 共焦点stem像取得方法及び装置
JP2005294085A (ja) 走査電子線干渉装置
JP6595856B2 (ja) 荷電粒子装置および測定方法
JP2009277619A (ja) 走査透過電子顕微鏡を用いた試料解析方法
JP2007287561A (ja) 荷電粒子線装置
JP6796609B2 (ja) 収差測定方法および電子顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111213