JP2001055526A - 樹脂充填用無機化合物及びその製造方法 - Google Patents
樹脂充填用無機化合物及びその製造方法Info
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Abstract
を有する樹脂成形体を得るための樹脂充填用無機化合物
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 無機化合物とシランカップリング剤とを
混合、加熱してなる樹脂充填用無機化合物の製造方法に
おいて、該加熱を線速度300cm/s以上の剪断応力
下、100℃以上の滞留時間が3〜180分で行うこと
を特徴とする有機溶媒抽出後SiO2含有量が0.04
重量%以上であり、式(I)で示されるAが0.05重
量%以下であり、シランカップリング剤を表面処理して
なる樹脂充填用無機化合物も製造方法。 A=X−Y (I) 〔Xは無機化合物の有機溶媒抽出前SiO2含有量を、
Yは無機化合物の有機溶媒抽出後SiO2含有量を示
す。〕
Description
ルミニウム及びその製造方法に関する。詳細には充填材
として樹脂への適用した場合、成形時に離型性に優れ、
かつ機械的強度に優れる成形体を提供し得る樹脂充填用
水酸化アルミニウム及びその製造方法に関する。
ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂及びエポキシ樹
脂等の熱硬化性樹脂に水酸化アルミニウム等の無機化合
物を充填した樹脂組成物は、人工大理石としてバスタ
ブ、キッチンカウンターをはじめ壁材、床材等のインテ
リア素材として広く知られている。
スト化等を要求されるため、樹脂中にできるだけ多くの
無機化合物を混合、充填する必要がある。ところが一般
に無機化合物は樹脂への分散性が良くなく、また樹脂と
の化学結合を起こす反応基を持たないことから、十分な
機械的強度を有する樹脂成形体を得ることは困難であっ
た。
カップリング剤等を用いて表面処理する方法(例えば、
特開平5−170971号公報、特開平8−73769
号公報)が提案されている。
する場合には、樹脂中への無機化合物の分散性、成形し
て得られる樹脂成形体の機械的強度にある程度の改善効
果を見ることができるものの、該樹脂成形体の離型性が
低下し、脱型不良やクラックが発生する問題があった。
時に離型性に優れかつ十分な機械的強度を有する樹脂成
形体を得るための樹脂充填用無機化合物及びその製造方
法を提供することである。
ップリング剤を表面処理してなる無機化合物と樹脂とを
混合してなる樹脂組成物について上記課題を解決すべく
検討を行った結果、有機溶媒抽出後SiO2含有量が
0.04重量%以上であり、式(I) A=X−Y (I) 〔Xは無機化合物の有機溶媒抽出前SiO2含有量を、
Yは無機化合物の有機溶媒抽出後SiO2含有量を示
す。〕で示される溶出SiO2含有量Aが0.05重量
%以下であり、シランカップリング剤を表面処理してな
る樹脂充填用無機化合物を用いる場合にはかかる課題を
解決し得ること、
とを混合、加熱してなる樹脂充填用無機化合物の製造方
法において、該加熱を線速度300cm/s以上の剪断
応力下、100℃以上の滞留時間が3〜180分で行う
ことを特徴とする樹脂充填用無機化合物の製造方法によ
れば、有機溶媒抽出後SiO2含有量が0.04重量%
以上であり、式(I) A=X−Y (I) 〔Xは無機化合物の有機溶媒抽出前SiO2含有量を、
Yは無機化合物の有機溶媒抽出後SiO2含有量を示
す。〕で示されるAが0.05重量%以下であり、シラ
ンカップリング剤を表面処理してなる樹脂充填用無機化
合物を簡易に提供し得ることを見出し本発明を完成する
に至った。
本発明の樹脂充填用無機化合物は、有機溶媒抽出後Si
O2含有量が0.04重量%以上であり、式(I) A=X−Y (I) 〔Xは樹脂充填用無機化合物の有機溶媒抽出前SiO2
含有量を、Yは樹脂充填用無機化合物の有機溶媒抽出後
SiO2含有量を示す。〕で示されるAが0.05重量
%以下であり、シランカップリング剤を表面処理してな
ることを特徴とする。尚、本発明において有機溶媒抽出
前SiO2含有量は0.04重量%〜0.35重量%で
あり、有機溶媒抽出後SiO2含有量は0.04重量%
〜0.3重量%であり、かつ有機溶媒抽出前SiO2含
有量≧有機溶媒抽出後SiO2含有量である。
04重量%未満の場合、樹脂への分散性を向上させるこ
とができず、十分な機械的強度を有する樹脂成形体が得
られない。式(I)で示されるAが0.05重量%より
大きい場合、無機化合物を充填し得られる樹脂成形体の
離型性が低下する。
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、タルク、ハイドロタルサイト、シリカ等が挙げら
れ、就中各種粒子径のものが安価にかつ入手しやすいこ
とから水酸化アルミニウム等の使用が推奨される。前記
水酸化アルミニウムの具体例としてはバイヤー法により
得られるギブサイト等が挙げられる。前記無機化合物
は、通常、平均粒子径が約0.1μm〜約200μm、
好ましくは約3μm〜約100μmであり、SiO2含
有量が約0.02重量%以下、好ましくは約0.01重
量%以下である。
一般式(II) XSi(OR)3 (II) 〔式中Xは有機基と反応する官能基、例えばビニル基、
エポキシ基、メタアクリル基、アミノ基、メルカプト
基、クロル基等であり、式中ORはアルコキシ基、例え
ばメトキシ基、エトキシ基、セロソルブ基等である。〕
で示される。具体例としてはビニルトリクロロシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、γ−
(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−
(メタクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−
(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、
γ−(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラ
ン、γ−(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラ
ン、γ−(アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシ
ラン、γ−(メタクリロキシプロピル)11−ウンデシ
ルトリメトキシシラン又は4−(1−メタクリロキシ−
4−メチル−2−フェニル)1−エチルトリメトキシシ
ラン等を挙げることができる。就中、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリ
ロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリ
ロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−(メタクリ
ロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−(メタ
クリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン、γ−
(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン又はγ−
(アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシランの適
用が推奨される。
は、無機化合物とシランカップリング剤とを混合、加熱
してなる樹脂充填用無機化合物の製造方法において、該
加熱を線速度300cm/s以上の剪断応力下で100
℃以上の滞留時間が3〜180分で行うことを特徴とす
る。線速度が300cm/s未満の剪断応力下で加熱し
てなる樹脂充填用無機化合物を用いる場合、シランカッ
プリング剤が無機化合物に均一に表面処理されないため
か離型性に優れかつ十分な機械的強度を有する成形体が
得られない。また、100℃以上の滞留時間が3分より
短い場合には、樹脂中へ溶出するシリカが増加し離型性
に優れる成形体が得られない。一方、100℃以上の滞
留時間が180分より長い場合には、シランカップリン
グ剤の効果が低下するためか十分な機械的強度を有する
成形体が得られない。また成形体が黄色に着色し外観を
損ねる場合がある。シリカの溶出機構については明らか
ではないが、剪断応力下で100℃以上に一定時間加熱
することにより、シランカップリング剤と無機化合物と
が化学的に結合し、有機溶媒への溶出が低減されたもの
と推察される。
く、前記加熱は上記条件が達成可能な装置を用いて行え
ばよい。
ば攪拌機構を有する混合機に無機化合物を入れ、シラン
カップリング剤を添加し混合した後、攪拌機構及び加熱
機構を有する混合機に移して加熱する方法により樹脂充
填用無機化合物を得ればよい。また、攪拌機構及び加熱
機構を有する混合機を用い、無機化合物とシランカップ
リング剤とを室温で混合した後、引き続いて加熱する方
法により樹脂充填用無機化合物を得てもよい。更に、本
発明においては、攪拌機に無機化合物を入れ、シランカ
ップリング剤を添加し混合した後、攪拌を継続して摩擦
熱により無機化合物の温度を上げて加熱する方法により
樹脂充填用無機化合物を得てもよい。前記攪拌機として
は、例えば、スーパーミキサー(商品名、株式会社カワ
タ製)、ヘンシェルミキサー(商品名、三井鉱山株式会
社製)、奈良式自由粉砕機(商品名、株式会社奈良機械
製)、レーディゲミキサー(商品名、マツボー株式会社
製)等が挙げられる。シランカップリング剤の混合は、
得られる樹脂充填用無機化合物のSiO2含有量が約
0.04重量%以上となるように行えばよく、代表的に
は無機化合物100重量部に対して約0.1重量部〜約
3重量部、好ましくは約0.2重量部〜約1重量部であ
る。シランカップリング剤の混合量が約0.1重量部よ
り低い場合には、得られる樹脂充填用無機化合物は樹脂
への分散性を向上させることができず、十分な機械的強
度を有する樹脂成形体が得られないことがある。
明の効果を損なわない範囲において、シランカップリン
グ剤に加えて一般式Si(OR)4〔式中、Rは炭素数
1〜2のアルキル基である。〕で示されるシリケートの
単量体或いはその重合体を添加してもよい。前記シリケ
ートの具体例としてはメチルシリケート、エチルシリケ
ート等が挙げられる。シリケートの添加量は通常、原料
無機化合物100重量部に対し約0.01重量部〜約3
重量部、好ましくは約0.03重量部〜約1重量部の範
囲である。
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂ま
たはエポキシ樹脂等の充填材として好適に使用できる。
樹脂中への本発明の樹脂充填用無機化合物の添加量(充
填量)は公知の範囲であればよく、例えば人工大理石用
に用いる場合には樹脂100重量部に対し約50重量部
〜約400重量部の範囲であればよい。
機化合物は、成形時に離型性に優れかつ十分な機械的強
度を有する成形体を得るための樹脂充填用無機化合物を
提供するものであり、かつ本発明の製造方法によれば前
記樹脂充填用無機化合物を簡易に製造し得ることからそ
の産業上の利用価値は大である。
するが、本発明はかかる実施例により制限を受けるもの
ではない。尚、平均粒子径、有機溶媒抽出前SiO2含
有量(重量%)、有機溶媒抽出後SiO2含有量(重量
%)は以下の方法により測定した。 平均粒子径(μm): コールター粒度分布計により、
累積50重量%径を測定した。 有機溶媒抽出前SiO2含有量(重量%): 樹脂充填
用無機化合物のSiO2含有量を発光分光分析により測
定した。 有機溶媒抽出後SiO2含有量(重量%): ビーカー
にMMAモノマー(メタクリル酸メチル)250gと樹
脂充填用無機化合物20gを入れ、1時間攪拌した後、
混合物を遠心分離機(2500rpm、5分)を用いて
固液分離し、次いで上澄み液を除去し、残った固形分を
110℃、2時間乾燥した。得られた乾燥品のSiO2
含有量を発光分析により測定した。
化アルミニウム(平均粒子径25μm、SiO2含有量
0.01重量%)100重量部をスーパーミキサー(商
品名、株式会社カワタ製)に入れた後、室温で攪拌しな
がらシランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン)0.5重量部を混合した。次い
で、線速度1000cm/sの剪断応力下、100℃以
上の滞留時間5分で加熱して樹脂充填用無機化合物を得
た。得られた樹脂充填用無機化合物は、有機溶媒抽出前
SiO2含有量が0.11重量%、有機溶媒抽出後Si
O2含有量が0.09重量%、式(I)で示されるAが
0.02重量%であった。
部、0.7ポイズに粘度調整したアクリル樹脂(住友化
学株式会社製)100重量部及び硬化剤(商品名:パー
カドックス16、化薬アクゾ株式会社製)0.5重量部
を混合して樹脂組成物を作製した。
を施したステンレス鋼にPVCフィルムを貼り合せた型
(以下、ステンレス型という。)3ヶに前記樹脂組成物
を注入した後、温度50℃1.5時間で硬化させ、80
℃2時間でアフターキュアーさせて樹脂成形体を得た。
ガラス型から脱型して得られた樹脂成形体は3枚何れも
割れが発生せず、表面が鏡面状であり、光沢があった。
また、ステンレス型からの離型性を目視により調べた結
果、3枚何れもその離型性は良好であり、樹脂成形体に
PVCフィルムが付着して残ることはなかった。
分に変えて行った以外は同様にして行った。得られた樹
脂充填用無機化合物は、有機溶媒抽出後SiO 2含有量
が0.05重量%、式(I)で示されるAが0.06重
量%であった。ガラス型から脱型して得られた樹脂成形
体は3枚何れも表面が荒れ、光沢がなかった。また、ス
テンレス型からの離型性を目視により調べた結果、3枚
何れもその離型性が不良であり、樹脂成形体にPVCフ
ィルムが付着して残ることがあった。
ロキシプロピルトリメトキシシラン)0.5重量部を
0.2重量部に変えて行った以外は同様にして行った。
得られた樹脂充填用無機化合物は、有機溶媒抽出前Si
O2含有量が0.04重量%、有機溶媒抽出後SiO2含
有量が0.02重量%、式(I)で示されるAが0.0
2重量%であった。ガラス型から脱型して得られた樹脂
成形体は2枚に割れが発生した。また、ステンレス型か
らの離型性を目視により調べた結果、3枚何れもその離
型性は良好であり、樹脂成形体にPVCフィルムが付着
して残ることはなかった。
合には、割れが発生することがない十分な機械的強度を
有し、かつPVCフィルムが付着して残ることがない離
型性に優れる樹脂成形体が得られた。
Claims (4)
- 【請求項1】 有機溶媒抽出後SiO2含有量が0.0
4重量%以上であり、式(I)で示されるAが0.05
重量%以下であり、シランカップリング剤を表面処理し
てなる樹脂充填用無機化合物。 A=X−Y (I) 〔Xは無機化合物の有機溶媒抽出前SiO2含有量を、
Yは無機化合物の有機溶媒抽出後SiO2含有量を示
す。〕 - 【請求項2】 無機化合物が水酸化アルミニウムである
ことを特徴とする請求項1記載の樹脂充填用無機化合
物。 - 【請求項3】 無機化合物とシランカップリング剤とを
混合、加熱してなる樹脂充填用無機化合物の製造方法に
おいて、該加熱を線速度300cm/s以上の剪断応力
下、100℃以上の滞留時間が3〜180分で行うこと
を特徴とする請求項1記載の樹脂充填用無機化合物の製
造方法。 - 【請求項4】 無機化合物が水酸化アルミニウムである
ことを特徴とする請求項1記載の樹脂充填用無機化合物
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11233862A JP2001055526A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | 樹脂充填用無機化合物及びその製造方法 |
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JP11233862A JP2001055526A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | 樹脂充填用無機化合物及びその製造方法 |
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