JP2001055455A - 透明フィルム - Google Patents

透明フィルム

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JP2001055455A
JP2001055455A JP11233558A JP23355899A JP2001055455A JP 2001055455 A JP2001055455 A JP 2001055455A JP 11233558 A JP11233558 A JP 11233558A JP 23355899 A JP23355899 A JP 23355899A JP 2001055455 A JP2001055455 A JP 2001055455A
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film
polycarbonate resin
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bis
polycarbonate
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JP11233558A
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English (en)
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Masaaki Nakamura
正明 中村
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、光弾性特性、二次加工性に優れた光
学用フィルム材料を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート系樹脂および平均分子
量10000未満のスチレン系重合体を含有するフィル
ムは、透明性、光弾性特性、二次加工性などの光学的特
性にすぐれており、光学用フィルム材料として利用する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的特性に優れ
た透明フィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、
透明性、低光弾性係数および二次加工性にすぐれた透明
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子においては、画像の
視認性を向上させる目的で液晶層と偏光板との間などに
位相差フィルムを積層して用いられることがある。この
ような位相差フィルムは設定した位相差値に応じて液晶
層を透過した楕円偏光を直線偏光に変換するなどの役割
を果たしている。一般にはこのような位相差フィルムと
して、ビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂
の一軸延伸フィルムが実用化されている。その理由は、
材料であるポリカーボネート樹脂が(1)高い透明性を
有する、(2)適度の屈折率異方性を示す、(3)適度
の耐熱性を有する、など位相差フィルムに要求される特
性を有しているからである。
【0003】しかし、ビスフェノールAタイプのポリカ
ーボネート樹脂は光弾性係数が比較的大きい、すなわ
ち、応力負荷を受けたときの複屈折の変化率が大きいと
いう性質のため、たとえば前記のように位相差フィルム
として液晶層や偏光板とともに貼り合わせた時の貼りム
ラ、バックライトや外部環境からの熱を受けることによ
る構成材料間の熱膨張差、偏光フィルムの収縮、等によ
って生じる応力の影響で複屈折が変化することに起因す
る位相差ムラが発生しやすく、結果として表示像のカラ
ーバランスやコントラストの低減を引き起こしやすいと
いう問題がある。
【0004】こうしたポリカーボネート樹脂の光弾性係
数が大きいという欠点を補う方法としてポリスチレンの
ような固有複屈折が負の材料を混合することによって光
弾性係数を低下させるという提案がなされている。さら
に、特開昭63−66255号公報では、側鎖にアリー
ル基を有する特定構造のポリカーボネート系共重合体と
スチレン系重合体とからなる組成物を開示し、ポリカー
ボネート系樹脂を射出成形する際に熱成形時の応力歪を
小さくする目的で配合する高分子量のスチレン系重合体
との相溶性を改良するために側鎖にアリール基を有する
改質された特定のポリカーボネートを用いることを提案
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリカ
ーボネート樹脂とポリスチレンとを混合すると光弾性係
数を低下させることはできるものの、その混合物は濁り
の尺度であるヘイズが著しく増大し、透明性が要求され
る用途で実用化できるレベルにはなりえていない。ま
た、特開昭63−66255号で示された特定のポリカ
ーボネートを用いても、例えば、光学フィルムの製造に
汎用される溶液キャスティング法を用いて成形する場合
には、濁りが生じやすく、ヘイズの小さい優れた光学特
性を必ずしも確保できるとはいえなかった。
【0006】本発明の目的は、前記従来技術の問題を改
善し、透明性、光弾性特性、二次加工性にすぐれた光学
用フィルム材料を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、光学用フィル
ムの用途に適した高光線透過性、低光弾性係数性、易位
相差加工性を発現させるために、特定の化合物を組合わ
せた組成物を含有するフィルムが極めて有効であること
を見出したことに基づくものである。更に以下に詳述す
るように、本発明によれば従来技術のような特殊なポリ
カーボネートを用いずとも優れた光学特性を有するフィ
ルムを提供できる。
【0008】すなわち本発明の要旨とするところは、ス
チレン系重合体をポリカーボネート系樹脂フィルムに含
有させることにより低光弾性係数性を発現させるととも
に、平均分子量が10000未満のスチレン系重合体が
選択されていることによってヘイズが1%以下という優
れた光線透過性を実現し、更には二次加工性にも優れた
ポリカーボネート系樹脂フィルムを提供するものであ
る。
【0009】本発明に用いられるポリカーボネート系樹
脂は、芳香族2価フェノール成分とカーボネート成分と
からなる芳香族ポリカーボネートが好ましい。該芳香族
ポリカーボネートは、通常芳香族2価フェノール化合物
とカーボネート前駆物質との反応によってえることがで
きる。すなわち、芳香族2価フェノール化合物を苛性ア
ルカリおよび溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲ
ン法、あるいは芳香族2価フェノール化合物とビスアリ
ールカーボネートとを触媒の存在下でエステル交換させ
るエステル交換法によりえることができる。
【0010】前記芳香族2価フェノール化合物の具体例
としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンその他が挙
げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上のもの
を併用してもよい。なかでも2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンが好ましく、さらには2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンを単独で用いること、または2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサンとを併用することが好ましい。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンとを併用する場合、両者の
使用割合を変えることによってたとえばフィルムのTg
や光弾性係数を調整することができる。すなわち、ポリ
カーボネート系樹脂中の1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン由
来成分の含有率を高くすれば、ガラス転移温度(以下、
Tgという)を高くし、光弾性係数を低くすることがで
きる。しかし、本発明のフィルムをたとえば位相差フィ
ルムとして応用する場合は延伸加工等の後加工が必要な
場合があり、その際にTgを適度に低く抑えておくと良
好な加工性が得られるため、ポリカーボネート系樹脂中
の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン由来成分の含有率は2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン由来成分
に対してモル比で4倍以下とすることが好ましい。
【0011】前記カーボネート前駆物質の具体例として
は、ホスゲン、前記2価フェノール類のビスクロロホー
メート、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカー
ボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p
−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネー
ト等が挙げられ、なかでもホスゲン、ジフェニルカーボ
ネートが好ましい。
【0012】本発明に用いられるスチレン系重合体は、
スチレン系モノマーを重合させることによってえること
ができるスチレン系重合体である。スチレン系モノマー
の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、その他が挙げられる。これ
らは、単独でもちいても2種以上を併用してもよいが、
なかでも、スチレンを単独で用いる、あるいはスチレン
と他のスチレン系モノマーとを併用することが好まし
い。
【0013】本発明に用いられるスチレン系重合体は、
GPC法で測定される重量平均分子量が10000未満
であることが好ましい。本発明のフィルムにおいて、ス
チレン系重合体の分子量を前記範囲とすることによっ
て、スチレン系重合体とポリカーボネート系樹脂とがヘ
イズの上昇を伴うことなく、均質に混合され、優れた光
学特性を発現することができる。特に、光学フィルムの
製造に汎用される溶液キャスティング法においては、高
い平均分子量を有するスチレン系重合体を用いると、溶
媒を揮散させる過程においてポリカーボネート系樹脂と
スチレン系重合体とが相分離をしてヘイズの上昇を伴い
やすいので、前記した平均分子量の範囲の低分子量スチ
レン系重合体を用いればヘイズを実用レベルに保て好適
である。
【0014】本発明に用いられるスチレン系重合体は、
本発明のフィルムの光弾性係数を低下させる効果を発現
する。したがって、フィルムの光弾性係数は、フィルム
中のスチレン系重合体の含有率を高くするにつれて低下
させることができるが、一方でフィルムのTgや剛性も
影響を受ける。従って本発明のフィルム中の、ポリカー
ボネート系樹脂とスチレン系重合体の含有量をそれぞれ
a重量%、b重量%としたときに、b/(a+b)は
0.02以上0.40以下が好ましく、0.03以上
0.30以下がさらに好ましい。b/(a+b)が前記
範囲内においては光弾性係数を低下させる効果が充分に
発現され、耐久性や自己支持性などに対する十分なTg
や剛性を確保できる。特に、本発明で用いる低分子量ス
チレン系重合体は通常の成形材料やフィルム材料に用い
られる高分子量のポリスチレンとは異なって十分な機械
的熱的性質を有するものではないことから、b/(a+
b)を上記範囲とすることは好ましい。
【0015】本発明のフィルムは、前記ポリカーボネー
ト系樹脂およびスチレン系重合体を主たる含有成分と
し、本発明の目的を損なわない範囲で、残存溶媒、安定
剤、可塑剤、その他の成分を必要に応じて含有させるこ
とができる。本発明のフィルム中に含まれるポリカーボ
ネート系樹脂量(a重量%)およびスチレン系重合体量
(b重量%)の合計(a+b重量%)は、80重量%以
上が好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
【0016】本発明のフィルムのヘイズは、1%以下で
あることが好ましい。ヘイズが1%以下であれば光学用
途での使用に適したフィルムとなる。
【0017】本発明のフィルムのガラス転移温度(以下
Tgという)は、110〜185℃であることが好まし
く、さらには120〜170℃であることが好ましい。
Tgが前記範囲の下側の値以上であれば、高耐久性を有
するフィルムが得やすくなり、前記範囲の上側の値まで
の温度であれば種々の二次加工性に優れたフィルムが得
やすい。
【0018】本発明のフィルムは、一般に用いられる溶
液からのキャスティング法や溶融押出法によりえること
ができる。ポリカーボネート系樹脂とスチレン系重合体
との混合方法については特に限定はなく、例えばキャス
ティング法を用いてフィルムをえようとする場合は、両
者を所定の割合で溶媒とともに攪拌混合して均一溶液と
して用いればよく、溶融押出法を用いてフィルムをえよ
うとする場合は、両者を所定の割合で溶融混合して用い
ればよい。しかし、光学用途においては特に高度な均一
性を要求されることが多く、このような場合は、溶液か
らのキャスティング法を用いることが好ましい。用いら
れる溶媒としては、特に限定はないが、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、などのハ
ロアルカン類;テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル類;メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン類、クロロベンゼンなどの芳香族溶
媒が用いられる。なかでも、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘ
キサノン、クロロベンゼンなどが溶解性とドープの保存
等の安定性の観点から好ましい。これらは、単独あるい
は2種以上を混合して用いることができる。
【0019】キャスティング法を用いる場合の溶液の濃
度は、特に限定はなく、用途に応じたフィルムの厚みや
厚み精度の制御を容易にする観点から、通常は15〜3
0重量%程度にすればよい。
【0020】本発明のフィルムの厚さは、用途に応じて
選択できるが、例えば光学フィルムの用途では、30〜
500μmが好ましく、50〜300μmがさらに好ま
しい。前記範囲内においてはフィルムの充分な自己支持
性がえられ、位相差フィルムとして応用しようとする場
合に、付与できる位相差の範囲も広くなり好ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例にて具体的に説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
尚、各特性値は以下のようにして測定した。
【0022】(Tg)フィルムから約10mgの試験片
を切り出し、セイコー電子製DSC5500を用いて、
240℃まで20ml/分の窒素気流下10℃/分の昇
温速度で測定し、JIS K7121に準拠してTgを
求めた。
【0023】(全光線透過率とヘイズ)フィルムから長
さ40mm、幅40mmの試験片を切り出し、日本電色工業
製濁度計300Aを用いて、温度20℃±2℃、湿度6
0%±5%において測定した。
【0024】(位相差)フィルムから長さ150mm、
幅10mmの試験片を切り出した。温度20℃±2℃、
湿度60%±5%の条件下で、オーク製作所製、顕微偏
光分光光度計を用いて、回転検光子法(セナルモン法)
により測定波長515nmで各試験片の位相差[nm]を
測定した。
【0025】(光弾性係数)前記位相差の測定におい
て、試験片に荷重をかけない場合と試験片の長軸方向に
4.9Nの荷重をかけた場合とについてそれぞれ測定を
行い、次式にしたがって光弾性係数を算出した。 光弾性係数[m2/N]=(荷重下の位相差[nm]−
無荷重下の位相差[nm])×試験片の幅[mm]×1
-12/荷重[N] (重量平均分子量)ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)法(ポリスチレンスタンダード)によ
り測定した。具体的にはWaters社製600型GP
Cシステムを用いて、クロロホルムを移動相とし、流速
を1mL/min、カラム温度は40℃にて測定し、ポ
リスチレンを標準試料とした重量平均分子量を算出し
た。
【0026】(実施例1)芳香族2価フェノール成分と
して2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
成分を有するポリカーボネート系樹脂(A−1)(帝人
化成製パンライトC1400)80重量部と重量平均分
子量4000のスチレン系重合体(B−1)(三洋化成
製ハイマーST95)20重量部とを塩化メチレン30
0重量部に加え、室温下で4時間攪拌混合して透明な溶
液をえた。この溶液をガラス基板上にキャストし、室温
で15分放置した後、ガラス基板から剥離させ、その
後、オーブン中で80℃で10分、120℃で20分加
熱して、厚さ75μm、残留塩化メチレン1重量%、T
g141℃の透明フィルムをえた。
【0027】えられたフィルムの全光線透過率およびヘ
イズは、それぞれ91%、0.3%であり、透明性が高
いことが確認できた。また、位相差は10nm以下であ
り、光学等方な無配向フィルムとしての可能性を有する
ことが確認できた。
【0028】さらに、このフィルムを150℃で10%
延伸したところ、均質な延伸配向フィルムが容易に得ら
れ、加工性が良好であった。えられた配向フィルムの位
相差および光弾性係数は、それぞれ200nm、5.0
×10-112/Nであり、位相差フィルムとして有用な
加工性および品質安定性を有することが確認できた。
【0029】(実施例2)2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンを芳香族2価フェノール成分として用い、常法に従い
ポリカーボネート系樹脂(A−2)をえた。NMRによ
って該樹脂中の共重合成分の含有モル比を調べたとこ
ろ、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
成分が4に対して1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン成分が3
であった。
【0030】ポリカーボネート系樹脂(A−1)および
スチレン系重合体(B−1)に代えて、ポリカーボネー
ト系樹脂(A−2)80重量部と平均分子量2000の
スチレン系重合体(B−2)(三洋化成製ハイマーSB
75)20重量部とを用いた以外は実施例1と同様にし
て厚さ75μm、残存塩化メチレン1重量%、Tg12
6℃の透明フィルムをえた。
【0031】えられたフィルムの全光線透過率およびヘ
イズは、それぞれ91%、0.3%であり、透明性が高
いことが確認できた。また、位相差は10nm以下であ
り、光学等方な無配向フィルムとしての可能性を有する
ことが確認できた。
【0032】さらに、このフィルムは140℃で容易に
10%延伸することが出来、均質な延伸配向フィルムを
得た。えられた配向フィルムの位相差および光弾性係数
は、それぞれ140nm、3.0×10-112/Nであ
り、位相差フィルムとして有用な加工性および品質安定
性を有することが確認できた。
【0033】(実施例3)2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンを芳香族2価フェノール成分として用い、常法に従っ
て2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン成
分が1モルに対し、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン成分を
2モル含有するポリカーボネート系樹脂(A−3)をえ
た。
【0034】ポリカーボネート系樹脂(A−2)80重
量部に代えて、ポリカーボネート系樹脂(A−3)80
重量部を用いた以外は実施例2と同様にして厚さ75μ
m、残存塩化メチレン1重量%、Tg142℃の透明フ
ィルムをえた。
【0035】えられたフィルムの全光線透過率およびヘ
イズは、それぞれ91%、0.2%であり、透明性が高
いことが確認できた。また、位相差は10nm以下であ
り、光学等方な無配向フィルムとしての可能性を有する
ことが確認できた。
【0036】さらに、このフィルムは160℃で容易に
10%延伸することが出来、均質な延伸配向フィルムを
得た。えられた配向フィルムの位相差および光弾性係数
は、それぞれ130nm、2.5×10-112/Nであ
り、位相差フィルムとして有用な加工性および品質安定
性を有することが確認できた。
【0037】(実施例4)ポリカーボネート系樹脂(A
−3)の使用量を95重量部、スチレン系重合体(B−
2)の使用量を5重量部とした以外は実施例3と同様に
して厚さ75μm、残存塩化メチレン1重量%、Tg1
70℃の透明フィルムをえた。
【0038】えられたフィルムの全光線透過率およびヘ
イズは、それぞれ91%、0.2%であり、透明性が高
いことが確認できた。また、位相差は10nm以下であ
り、光学等方な無配向フィルムとしての可能性を有する
ことが確認できた。
【0039】さらに、このフィルムは延伸加工が容易
で、185℃で10%延伸して均質な延伸配向フィルム
を得た。えられた配向フィルムの位相差および光弾性係
数は、それぞれ140nm、3.2×10-112/Nで
あり、位相差フィルムとして有用な加工性および品質安
定性を有することが確認できた。
【0040】(実施例5)ポリカーボネート系樹脂(A
−3)の使用量を60重量部、スチレン系重合体(B−
2)の使用量を40重量部とした以外は実施例3と同様
にして厚さ75μm、残存塩化メチレン1重量%、Tg
123℃の透明フィルムをえた。
【0041】えられたフィルムの全光線透過率およびヘ
イズは、それぞれ91%、0.2%であり、透明性が高
いことが確認できた。また、位相差は10nm以下であ
り、光学等方な無配向フィルムとしての可能性を有する
ことが確認できた。
【0042】さらに、このフィルムは延伸加工が容易
で、140℃で10%延伸して均質な延伸配向フィルム
を得た。 えられた配向フィルムの位相差および光弾性
係数は、それぞれ120nm、2.2×10-112/N
であり、位相差フィルムとして有用な加工性および品質
安定性を有することが確認できた。
【0043】(比較例1)ポリカーボネート系樹脂(A
−1)80重量部とスチレン系重合体(B−1)20重
量部とに代えて、ポリカーボネート系樹脂(A−1)1
00重量部を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ7
5μm、残存塩化メチレン1重量%、Tg155℃の透
明フィルムをえた。
【0044】えられたフィルムの全光線透過率およびヘ
イズは、それぞれ91%、0.2%であった。
【0045】さらにこのフィルムは延伸加工は容易であ
ったが、165℃で10%延伸してえられた延伸配向フ
ィルムの位相差および光弾性係数はそれぞれ200n
m、6.1×10-112/Nであり、光弾性係数が高い
ことが確認された。
【0046】(比較例2)ポリカーボネート系樹脂(A
−1)の使用量を90重量部とし、スチレン系重合体
(B−1)20重量部に代えて、重量平均分子量200
000のポリスチレン樹脂10重量部を用いた以外は実
施例1と同様にして厚さ75μm、残存塩化メチレン1
重量%、Tg155℃のフィルムをえた。
【0047】えられたフィルムの全光線透過率およびヘ
イズは、それぞれ91%、3.8%で、著しくヘイズが
高く、光学用途には適さないレベルであることが確認さ
れた。
【0048】(比較例3)スチレン系重合体(B−2)
5重量部に代えて、重量平均分子量200000のポリ
スチレン樹脂5重量部を用いた以外は実施例4と同様に
して厚さ75μm、残存塩化メチレン1重量%、Tg1
80℃のフィルムをえた。
【0049】えられたフィルムの全光線透過率およびヘ
イズは、それぞれ91%、9.3%で、著しくヘイズが
高く、光学用途には適さないレベルであることが確認さ
れた。
【0050】以上の結果から、従来用いられているビス
フェノールAタイプのポリカーボネート樹脂からなるフ
ィルムは光弾性係数が高く、光弾性係数を低下させるた
めにポリスチレンを添加する従来技術ではヘイズの上昇
が著しく光学用途には不適となるのに対して、本発明の
フィルムが光弾性係数とヘイズともに優れた特性を発現
できることがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明のフィルムは、透明性、光弾性特
性等の光学的特性と二次加工性にすぐれており、本発明
によれば、位相差板や液晶表示用基板などの光学用途に
好適に利用できるフィルムが提供される。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘイズが1%以下であることを特徴とす
    る、スチレン系重合体を含有するポリカーボネート系樹
    脂フィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム中の、ポリカーボネート系樹脂
    とスチレン系重合体の含有量をそれぞれa重量%、b重
    量%としたときに、b/(a+b)が0.02以上0.
    40以下、且つa+bが80以上100以下である請求
    項1記載のポリカーボネート系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 溶液からのキャスティング法により製造
    される請求項1又は2のいずれか1項に記載の透明フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 含有するスチレン系重合体が、平均分子
    量10000未満の低分子量スチレン系重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポ
    リカーボネート系樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート系樹脂が、2,2−ビ
    ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンよりなる芳香族
    ポリカーボネートである請求項1〜4のいずれか1項に
    記載のポリカーボネート系樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネート系樹脂が、1,1−ビ
    ス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
    ルシクロヘキサンを2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
    ニル)プロパンに対してモル比で4倍量以下共重合させ
    た共重合体からなる芳香族ポリカーボネートである請求
    項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート系樹
    脂フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6に記載のポリカーボネート
    系樹脂フィルムを延伸加工して得られる位相差フィル
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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