JP2001053812A - 受信回路 - Google Patents
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Abstract
つ、任意の動作レベルでエッジ情報が得られる交流結合
型の受信回路を提供し、交流結合用コンデンサのチップ
への内蔵化を図ることにある。 【解決手段】 バスCANH,CANL端の受信信号を
分圧する一対の抵抗網と、該抵抗網の出力信号からエッ
ジ情報を生成する一対の交流結合回路と、該回路の対の
出力信号を用いて比較して立上り、立下りエッジを検出
する一対のコンバータと、該コンバータの出力を入力信
号とし、前記受信信号に対応したディジタル信号を再生
するRS形フリップフロップを具備し、交流結合回路
を、互いに逆極性に並列接続したダイオード対で帰還し
た第一のCMOSインバータと、その入力端に接続した
第一のコンデンサとからなる交流増幅回路、および、抵
抗で帰還した第二のCMOSインバータと、その入力端
に接続した第二のコンデンサとからなる微分回路によっ
て構成する。
Description
特に、デバイスネット(アール)(DeviceNet
(R))トランシーバに用いる受信回路に関する。
eNet(R))トランシーバの受信回路は、バスCA
NHおよびCANL端の受信信号をディジタル信号に変
換(再生)するために、抵抗網とコンパレータが使用さ
れる。この方法は、CANHおよびCANL端の受信信
号を抵抗網で分圧し、信号が減衰した後、コンパレータ
で比較するため、抵抗網を介した後の内部電圧振幅が数
10mV〜数100mVと小さくなる。内部電圧振幅が
数10mV程度の微小な場合には、MOSコンパレータ
などの入力感度は高々±100mV程度であるので、扱
う内部電圧振幅が小さい場合には信号比較が難しい。ま
た、DeviceNet(R)トランシーバのバス状態
がリセッシブ信号状態(ディジタル信号の“1”に相
当)の時に、CANHとCANL間の差電圧(CANH
−CANL)がほぼゼロになるため、コンパレータの出
力整定時間が長くかかる(仕様の80ns以上)という
問題がある。
には、コンパレータの前に交流アンプを設ける方法があ
る。この方法は、信号を増幅でき、かつ、この信号を任
意の動作点に設定できるので、次段のコンパレータとの
電気的結合に優れる。しかしながら、従来の交流アンプ
は、歪のない方形波パルスを伝達するために数1000
pF以上の大きな容量の交流結合用コンデンサを必要と
し、コンデンサのLSIチップ内蔵が難しかった。
小容量で済み、かつ、任意の動作レベルでエッジ情報が
得られる交流結合型の受信回路を提供し、交流結合用コ
ンデンサのチップへの内蔵化を図り、1チップLSIを
実現することにある。
に、バスCANHおよびCANL端の受信信号をそれぞ
れ分圧する一対の抵抗網と、該一対の抵抗網の出力信号
からそれぞれエッジ情報を生成する一対の交流結合回路
と、該一対の交流結合回路の対の出力信号を用いて比較
して一方では立上りエッジを検出し、他方では立下りエ
ッジを検出する一対のコンバータと、該一対のコンバー
タの一方の出力をセット入力信号とし、他方の出力をリ
セット入力信号とし、CANHおよびCANL端の受信
信号に対応したディジタル信号を再生するRS形フリッ
プフロップを具備し、交流結合回路を、互いに逆極性に
並列接続したダイオード対で帰還した第一のCMOSイ
ンバータと、該インバータの入力端に接続した第一のコ
ンデンサとからなる交流増幅回路、および、抵抗で帰還
した第二のCMOSインバータと、該インバータの入力
端に接続した第二のコンデンサとからなる微分回路によ
って構成する。
は、このインバータの入力端が第一のコンデンサに交流
結合され、帰還路のダイオードの非線形抵抗でインバー
タのロジックスレショーホルド電圧VTLを常に動作の中
心にバイアスされるので、インバータの出力はダイオー
ドの順方向効果電圧|VD|にクランプ(増幅)され
る。いわゆるリミッタアンプ(本発明では、交流増幅回
路と称する。)として働く。また、第二のCMOSイン
バータは、このインバータの入力端が第二のコンデンサ
に交流結合され、帰還路の低抵抗で常に動作の中心にバ
イアスされる微分アンプ(微分回路)として働く。その
ため、第一のCMOSインバータによる交流増幅回路で
は、受信回路の抵抗網を介した内部電圧振幅がCMOS
インバータのロジックスレショーホルド電圧VTLを動作
の中心にダイオードの順方向降下電圧|VD|に増幅
(クランプ)された後、第二のCMOSインバータによ
る微分回路を用いて、微分パルス(エッジ情報)の振幅
をコンパレータの入力感度と同等もしくはそれ以上の電
圧振幅として得ることができる。これにより、交流増幅
回路では、ダイオードの非線形抵抗の高抵抗(10の1
2乗〜10の15乗Ω程度)の部分が使用できるので、
コンデンサ値が小容量(0.1pF〜数10pF)でも
高速かつ安定動作の交流増幅回路が実現できる。また、
微分回路も交流増幅回路と同様に小容量のコンデンサが
使用できるので、急峻な微分パルスが得られる微分アン
プが実現できる。したがって、交流結合故に、信号の増
幅とその動作点(インバータのロジックスレショーホル
ド電圧VTL)とがコンパレータの入力動作範囲に適合で
き、かつ、小容量のコンデンサによって交流増幅回路と
微分回路が実現できるので、コンデンサのLSIチップ
内蔵が可能になり、1チップLSIが達成できる。
用いて説明する。図1は、本発明の受信回路の一実施形
態を示す。図1において、CANH,CANLはDev
iceNet(R)物理層のシリアルバスの一対の送受
信端子である。一対の送受信端子CANHとCANLに
は、抵抗R1〜R3からなる抵抗網10aと抵抗R4〜
R6からなる抵抗網10bを接続する。そして、一方の
抵抗網10aの出力には、互いに逆極性に並列接続した
ダイオード対D1,D2で帰還したCMOSインバータ
INV1と、インバータINV1の入力端に接続したコ
ンデンサC1とからなる交流増幅回路20aを介して抵
抗R7で帰還したCMOSインバータINV3と、イン
バータINV3の入力端に接続したコンデンサC3とか
らなる微分回路30aを接続し、もう一方の抵抗網10
bの出力には、互いに逆極性に並列接続したダイオード
対D3,D4で帰還したCMOSインバータINV2
と、インバータINV2の入力端に接続したコンデンサ
C2とからなる交流増幅回路20bを介して抵抗R8で
帰還したCMOSインバータINV4と、インバータI
NV4の入力端に接続したコンデンサC4とからなる微
分回路30bを接続する。さらに、微分回路30a,3
0bの出力は、コンパレータCP1,CP2の+/−端
に図示のように入力する。このコンパレータCP1,C
P2の出力は、NAND回路NA1,NA2からなるR
S形フリップフロップFFの入力に図示のように接続
し、出力端子QにはフリップフロップFFの出力を接続
する。図1において、交流結合回路は、一対の抵抗網1
0a,10bと一対のコンパレータCP1,CP2の間
にあり、一対の交流増幅回路20a,20bと一対の微
分回路30a,30bの部分に相当する。
作を説明する。一対の送受信端子CANH,CANLに
図2のような信号電圧(ディジタル信号が”1”の場合
はリセッシブ状態、ディジタル信号が”0”の場合はド
ミナント状態)が印加されると、抵抗網10a,10b
の出力には、V1,V2なる電圧が分圧出力として得ら
れる。次いで、V1,V2なる分圧出力電圧は、交流増
幅回路20a,20bでインバータINV1(または、
INV2)のロジックスレショーホルド電圧VTLを中心
にダイオードD1,D2(または、D3,D4)の順方
向降下電圧|VD|なる電圧V3,V4に増幅(クラン
プ)した後、この増幅電圧V3,V4は微分回路30
a,30bを用いて微分パルス信号V5,V6に変換さ
れる。この微分パルス信号V5,V6は、一対のコンパ
レータCP1,CP2によって受信信号のエッジ情報を
検出(生成)する。すなわち、コンパレータCP1では
信号の立上りのエッジ情報を、コンパレータCP2では
信号の立下りのエッジ情報を検出する。このとき、フリ
ップフロップFFの入力信号としてコンパレータCP1
の出力をセット信号Sとし、コンパレータCP2の出力
をリセット信号Rとして用いると、フリップフロップF
Fの出力には、CANHの信号に対応したディジタル出
力信号Qが再生される。この一連の動作において、ディ
ジタル出力信号QとしてCANH,CANL端の受信信
号は、図3に示す最大,最小の電圧波形に対しても確実
に再生される。なお、CANLと同位相の信号をディジ
タル出力信号として取り出す場合は、フリップフロップ
FFのもう一方の出力を用いればよい。
の振幅をコンパレータの比較可能な電圧振幅に増幅し、
抵抗網の出力電圧の動作点をコンパレータの動作点に適
合させて、さらにエッジ情報を生成するために、交流結
合回路として交流増幅回路と微分回路を用いる。以下、
交流増幅回路と微分回路の構成及び動作を具体的に説明
する。まず、交流増幅回路について説明する。交流増幅
回路20a,20bのうち、一方の交流増幅回路20a
をMOSトランジスタのシンボルで表して示すと、図4
ような回路となる。図4において、MOSトランジスタ
Q1,Q2からなるインバータINV1は、MOSトラ
ンジスタのゲート酸化膜厚を用いたコンデンサC1で交
流結合され、インバータINV1の入出力間を互いに並
列接続したMOSダイオードD1,D2の非線形抵抗で
帰還される。このため、インバータINV1は、常に動
作の中心がインバータINV1のロジックスレショーホ
ルド電圧VTLに高速かつ安定にバイアスされ、入力信号
をダイオードD1,D2の順方向降下電圧|VD|に増
幅(クランプ)する、いわゆるリミッタアンプとして動
作する。この高速かつ安定にバイアスされる理由は、ダ
イオードD1,D2による非線形抵抗を用いたことに起
因する。すなわち、ダイオードD1,D2を互いに逆極
性に並列接続した場合の入出力特性は、図5のようにな
るため、インバータINV1の入出力間の電位がダイオ
ードD1,D2の順方向降下電圧|VD|より大きい場
合には、インバータINV1は図5のbの部分の低い抵
抗値で帰還がかかるので、小さな閉ループ利得で高速動
作となり、また、インバータINV1の入出力間の電位
がダイオードD1,D2の順方向降下電圧|VD|より
小さくなった場合には、図5のaの部分の高い抵抗値で
帰還がかかるので、大きな閉ループ利得でかつ安定に動
作する。この結果、入力変化に対してインバータINV
1の出力は、閉ループ利得倍に増幅され、ダイオードD
1,D2の順方向降下電圧|VD|なる値にクランプさ
れる。通常、図5のaの部分の抵抗は、ダイオードD
1,D2がMOSダイオードの場合では10の12乗〜
10の15乗Ω程度であるから、0.1pF〜数10p
Fの小容量のコンデンサを用いてもディスクリート部品
で構成したときと同等の帯域特性が得られる。また、本
回路は交流結合方式であるので、入力側信号の動作点が
電源電圧範囲内にあれば、その出力はインバータのロジ
ックスレショーホルド電圧VTLを動作の中心として発生
することができる。なお、インバータのロジックスレシ
ョーホルド電圧VTLは、インバータのPMOS,NMO
Sの素子寸法を変えることにより、任意の値に設定でき
る。
回路であるので、代表して一方の微分回路30aを説明
する。微分回路30aでは、コンデンサC3として交流
増幅回路に用いたMOSトランジスタのゲート酸化膜圧
のコンデンサと同様の0.1pF〜数10pF程度の小
容量のコンデンサと抵抗R7として数k〜数10kΩの
抵抗値を用いるとすると、CR時定数は0.1ns〜1
00nsオーダのものが得られ、この微分回路で急峻な
微分パルス信号を生成することができる。また、コンデ
ンサとしては、上述のMOS容量の代りに、層間容量や
特開平11−136293号公報に記載のモノリシック
絶縁カプラ容量などが使用できる。微分回路も交流結合
方式であるので、入力側信号の動作点が電源電圧範囲内
にあれば、交流増幅回路と同様にその出力はインバータ
のロジックスレショーボルド電圧VTLを動作の中心とし
て発生することができる。
として0.1pF〜数10pF程度の小容量のコンデン
サを用いて交流増幅回路や微分回路が実現できるので、
交流結合用コンデンサを含めてLSIチップに内蔵で
き、1チップ化が可能になる。このため、外付コンデン
サが不要になるので、部品点数が削減でき、装置の小形
化、低コスト化が図れる。また、交流結合であるので、
CANH,CANL端の電圧差がほぼゼロになるリセッ
シブ信号受信時には、抵抗網を介した内部受信電圧はイ
ンバータのロジックスレショーホルド電圧VTLを動作の
中心とした二相の交流波形(図2のV3,V4に相当す
る波形)となるため、コンパレータの比較動作レベルに
適合した十分な差動信号を得ることができ、コンパレー
タの高速電圧比較が達成でき、リセッシブ信号受信時の
応答速度の低下を解消することができる。また、交流結
合であるので、受信信号の電圧動作レベル、すなわち、
抵抗網を介した内部電圧振幅が電源電圧範囲内にあれ
ば、どこにあってもコンパレータの動作レベルにインバ
ータのロジックスレショーホルド電圧VTLを常に安定に
設定できる(適合性がよい)ので、コンパレータは常に
正常な比較動作が確保できる。そのため、本実施形態で
は、DeviceNet(R)トランシーバの受信回路
ばかりでなく、CAN(Controller Are
a Network),SDS(Smart Dist
ributed System),PROFIBUSな
どの他のフィールドネットワーク用トランシーバにも適
用でき、広い応用範囲が期待できる。また、急峻なエッ
ジ信号(微分パルス信号)を用いているので、同相成分
のノイズ除去に効果があり、高S/N比の装置、システ
ムが実現できる。
の他の実施形態を示す。図6は、図1の交流増幅回路と
微分回路の順番を逆にした交流結合回路である。微分回
路も交流増幅回路と同様に交流結合型であるので、CM
OSインバータのロジックスレショーホルド電圧VTLを
中心に微分パルスが生成された後に、交流増幅回路でパ
ルスの増幅(クランプ)を行う。この場合も抵抗網によ
って分圧出力される電圧の振幅および動作点はインバー
タのロジックスレショーホルド電圧VTLに動作の中心を
シフトできるので、この交流結合回路でもコンパレータ
の入力動作範囲に適合することができ、図1の交流結合
回路と同様の効果が得られる。
流増幅回路を用いた交流結合回路である。直流増幅回路
は、抵抗R10で帰還したCMOSインバータINV5
と、インバータINV5の入力端に接続した抵抗R9、
および抵抗R12で帰還したCMOSインバータINV
6と、インバータINV6の入力端に接続した抵抗R1
1からなる。この交流結合は、抵抗網によって分圧出力
される電圧を微分回路によって微分した後に、その微分
パルスを直流増幅回路で増幅するため、直流増幅回路に
用いたインバータのロジックスレショーホルド電圧VTL
を中心とした増幅になり、図6の交流結合回路と同様の
効果が得られる。
MOSインバータINV7,INV8を用いた交流結合
回路である。図7の実施形態と異なる点は、交流結合は
微分回路で行うが、微分パルスを生成した後に、インバ
ータINV7,INV8によってそのパルス信号を電源
電圧までフル振幅させることにある。この実施形態は、
図7の実施形態よりも大振幅のパルスが得られ、コンパ
レータとの適合性がさらに十分増大するほかは、図7の
交流結合回路と同様の効果が得られる。
現する。微分回路単独でコンパレータの動作に必要な十
分なパルス振幅が得られる場合に適用可能である。
みで実現する。CANH,CANLの受信信号を交流増
幅回路によって増幅したとき、その信号にエッジ情報を
有している場合に適用可能である。
を示す。図11において、図1と異なる点は、一対のコ
ンパレータの出力とフリップフロップの間にインバータ
INV9とINV10、および、インバータINV11
とINV12をそれぞれ従属接続して用いたことにあ
る。その理由は、通常、コンパレータCP1,CP2
は、図12に示す差動回路を使用するため、コンパレー
タCP1,CP2の出力が接地電位側に十分にスイング
しない場合に、コンパレータの出力とインバータINV
9,INV11のロジックスレショーホルド電圧VTLと
の動作の中心が合わずに論理に誤動作を生じる。このた
め、インバータINV9,INV11のロジックスレシ
ョーホルド電圧VTLをコンパレータの出力電圧の動作の
中心電圧に設定して、論理“1”,“0”の判別を常に
確実に実行するようにしたこと、さらにこれに続くイン
バータINV10,INV12によってフリップフロッ
プFFに印加する信号の論理極性を合わせることを行っ
ている。ここで、図12に示す差動回路は、MOSトラ
ンジスタQ11,Q12,Q13,Q14および定電流
源Icからなり、入力電圧V(+),V(−)から出力
電圧Vocpを得る。なお、一対のコンパレータの出力
とフリップフロップの間にインバータINV9とINV
10、および、インバータINV11とINV12をそ
れぞれ従属接続して用いることは、図1の受信回路に限
らず、図6〜図10の受信回路についても同様に可能で
ある。
たDeviceNet(R)トランシーバの機能ブロッ
ク図を示す。図13において、端子CANH,CANL
に接続されるバスを駆動するのに、例えばMOSトラン
ジスタQ3、ダイオードD5、抵抗R13で構成される
電源側駆動回路と、MOSトランジスタQ4、ダイオー
ドD6、抵抗R14で構成される接地側駆動回路があ
り、MOSトランジスタQ3とQ4のゲート電極は、コ
ンプリメンタリー信号で駆動する送信回路DRIVER
が接地され、送信回路DRIVERの入力側には上位コ
ントローラ(図示せず)から送信データが送信データ入
力端子Txに接続される。また、端子CANH,CAN
Lはバス側のデータを受信する受信回路RECEIVE
Rを介して受信データ出力端子Rxに接続され、上位コ
ントローラに受信データを伝送する。
信動作について述べる。上記コントローラからのディジ
タル信号”1”,”0”が送信データ入力端子Txに与
えられると、この信号は送信回路DRIVERによりコ
ンプリメンタリー信号に変換され、MOSトランジスタ
Q3,Q4のゲートを駆動する。したがって、ディジタ
ル信号が”1”の場合は、MOSトランジスタQ3,Q
4ともオフ動作のリセッシブ状態、ディジタル信号が”
0”の場合は、MOSトランジスタQ3,Q4ともオン
動作のドミナント状態となる。このため、リセッシブ状
態ではバスCANH,CANLの電圧レベルは、受信回
路RECEIVER内の抵抗網で決まる分圧電圧値にな
り、通常はいずれもVcc/2で、その差電圧(CAN
H−CANL)はほぼ0である。また、ドミナント状態
は、MOSトランジスタQ3,Q4がともオンするた
め、バスCANH−CANL間、すなわちバスに接続さ
れた終端抵抗RT(図13には図示せず)の両端には通
常2Vの差電圧が発生する。このようにして、上位コン
トローラからのディジタル信号”1”,”0”はバス上
に送信される。次に、受信動作について述べる。バス上
のリセッシブ/ドミナント状態の信号は、これまでに説
明したように受信回路RECEIVERにより受信さ
れ、ディジタル信号”1”/”0”に変換されて受信デ
ータ出力端子Rxを介して上位コントローラに伝送され
る。
交流結合用として小容量のコンデンサを用いることがで
きるので、交流結合用コンデンサをLSIチップに内蔵
した交流結合回路や微分回路が実現でき、1チップ化が
可能になる。このため、外付コンデンサが不要になるの
で、部品点数が削減でき、装置の小形化、低コスト化が
図れる。また、本発明の受信回路は、交流結合であるの
で、一対の送受信端子CANH,CANLの電圧差がほ
ぼゼロになるリセッシブ信号受信時には、抵抗網を介し
た内部受信電圧はインバータのロジックスレショーホル
ド電圧VTLを動作の中心とした二相の交流波形が得られ
るので、コンパレータの高速電圧比較が達成でき、リセ
ッシブ信号受信時の応答速度の低下が解消できる。ま
た、本発明の交流結合は、受信信号の動作レベルおよび
受信信号振幅に依存しない方式であり、コンパレータの
動作レベルにインバータのロジックスレショーホルド電
圧VTLを常に安定に設定できるので、コンパレータとは
適合性がよく、そのため、本発明の受信回路は、Dev
iceNet(R)トランシーバの受信回路に限らず、
CAN,SDS,PROFIBUSなどの他のフィール
ドネットワーク用トランシーバにも適用でき、広い応用
範囲が期待できる。また、急峻なエッジ信号(微分パル
ス信号)を用いているので、同相成分のノイズ除去に効
果があり、高S/N比の装置、システムが実現できる。
受信する波形図
た場合の入出力特性を示す図
図
具体的な回路図
et(R)トランシーバの機能ブロック図
b…抵抗網、20a,20b…交流増幅回路、30a,
30b…微分回路、INV1〜INV12…インバー
タ、CP1,CP2…コンパレータ、FF…フリップフ
ロップ、NA1,NA2…NAND回路、R1〜R12
…抵抗、C1〜C4…コンデンサ、D1〜D6…ダイオ
ード、Q1〜Q4,Q11〜Q14…トランジスタ、V
cc…電源端子、GND…接地端子、Ic…定電流源、
Rx…受信データ出力端子、Tx…送信データ入力端子
Claims (7)
- 【請求項1】 バスCANHおよびCANL端の受信信
号をそれぞれ分圧する一対の抵抗網と、該一対の抵抗網
の出力信号からそれぞれエッジ情報を生成する一対の交
流結合回路と、該一対の交流結合回路の対の出力信号を
用いて比較して一方では立上りエッジを検出し、他方で
は立下りエッジを検出する一対のコンバータと、該一対
のコンバータの一方の出力をセット入力信号とし、他方
の出力をリセット入力信号とし、前記CANHおよびC
ANL端の受信信号に対応したディジタル信号を再生す
るRS形フリップフロップを具備することを特徴とする
受信回路。 - 【請求項2】 請求項1において、前記コンパレータと
前記フリップフロップの間にCMOSインバータを2段
設けたことを特徴とする受信回路。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
交流結合回路を、互いに逆極性に並列接続したダイオー
ド対で帰還した第一のCMOSインバータと、該インバ
ータの入力端に接続した第一のコンデンサとからなる交
流増幅回路、および、抵抗で帰還した第二のCMOSイ
ンバータと、該インバータの入力端に接続した第二のコ
ンデンサとからなる微分回路によって構成し、前記交流
増幅回路の後段に前記微分回路を接続することを特徴と
する受信回路。 - 【請求項4】 請求項1または請求項2において、前記
交流結合回路を、抵抗で帰還した第二のCMOSインバ
ータと、該インバータの入力端に接続した第二のコンデ
ンサとからなる微分回路、および、互いに逆極性に並列
接続したダイオード対で帰還した第一のCMOSインバ
ータと、該インバータの入力端に接続した第一のコンデ
ンサとからなる交流増幅回路によって構成し、前記微分
回路の後段に前記交流増幅回路を接続することを特徴と
する受信回路。 - 【請求項5】 請求項1または請求項2において、前記
交流結合回路を、抵抗で帰還した第二のCMOSインバ
ータと、該インバータの入力端に接続した第二のコンデ
ンサとからなる微分回路、および、抵抗で帰還したCM
OSインバータと、該インバータの入力端に接続した抵
抗とからなる直流増幅回路によって構成し、前記微分回
路の後段に前記直流増幅回路を接続することを特徴とす
る受信回路。 - 【請求項6】 請求項1または請求項2において、前記
交流結合回路を、抵抗で帰還した第二のCMOSインバ
ータと、該インバータの入力端に接続した第二のコンデ
ンサとからなる微分回路、および、CMOSインバータ
によって構成することを特徴とする受信回路。 - 【請求項7】 請求項1または請求項2において、前記
交流結合回路を、互いに逆極性に並列接続したダイオー
ド対で帰還した第一のCMOSインバータと、該インバ
ータの入力端に接続した第一のコンデンサとからなる交
流増幅回路、または、抵抗で帰還した第二のCMOSイ
ンバータと、該インバータの入力端に接続した第二のコ
ンデンサとからなる微分回路のいずれか一方の回路によ
って構成することを特徴とする受信回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22370099A JP3577541B2 (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | 受信回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22370099A JP3577541B2 (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | 受信回路 |
Publications (2)
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