JP2001052129A - 非接触icカードとその製造方法 - Google Patents

非接触icカードとその製造方法

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JP2001052129A
JP2001052129A JP11221032A JP22103299A JP2001052129A JP 2001052129 A JP2001052129 A JP 2001052129A JP 11221032 A JP11221032 A JP 11221032A JP 22103299 A JP22103299 A JP 22103299A JP 2001052129 A JP2001052129 A JP 2001052129A
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Shuichi Yamada
修一 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを上昇させることなく、通信性能
の低下を生じさせない、信頼性の高い非接触ICカード
とその製造方法を提供する。 【解決手段】 外部装置と非接触でデータ授受を行う通
信アンテナ11aを有するアンテナシート11と、アン
テナシート11に配置され、通信アンテナ11aを接続
して、その通信アンテナ11aで授受したデータを記憶
するIC20と、アンテナシート11に配置され、IC
20による突き出し部分を吸収するための空間を形成す
る貫通孔12aを有し、その貫通孔12aを形成すると
きにできるダレ面をアンテナシート11側に向けて重ね
合わせるスペーサシート12とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造時及び使用時
に、通信性能が低下することのない非接触ICカードと
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の非接触ICカードの層構
成を示す図である。従来より、非接触ICカードは、ア
ンテナシート11にアンテナコイル11aを形成し、そ
のアンテナコイル11aの上にIC20を実装してい
る。このIC実装方法としては、例えば、FC(Fli
p Chip)実装方式がある。FC実装方式とは、I
C端子面を下側に向けて実装する方式で、通常、バンプ
を介して、IC端子とアンテナコイル11aの接続端子
とを接合している。このため、接触ICカードで用いら
れているワイヤーボンディング方式のように、ワイヤの
高さに加え、それを被覆するモールド樹脂の厚さ分、厚
くなってしまうようなことがないので、IC20の突き
出し量を少なくすることができる。また、突き出し量を
大きくする要因のひとつであるIC自体も、薄いタイプ
のものが開発されており、その点においても、ICの突
き出し量を少なくすることが可能になってきている。
【0003】しかし、現在でも、ICの厚さは50〜2
00μm程度ある。また、点圧や曲げ力といったカード
にかかる負荷からIC自体及びIC接合部を保護するた
めに、モールド樹脂でICを封止することが多い。この
ようにした場合は、IC部分の厚さは100〜250μ
m程度になってしまって、さらに突き出し量が大きくな
ってしまい、カード表面の平滑性が損なわれることにな
る。そこで、カード表面を一様に平滑にするために、ス
ペーサシート12を設けている。スペーサシート12
は、突き出したIC20による凸部高さを吸収し、カー
ド表面を平滑にするシートである。スペーサシート12
は、IC20による凸部高さと同等以上の厚さであり、
また、IC20を実装したアンテナシート11に重ねた
ときに、IC20があたないように貫通孔12aが形成
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の非接触ICカードは、以下のような可能性があった。
すなわち、スペーサシート12の貫通孔12aは、金型
で打ち抜いて、又はレーザ加工で形成するので、片面
に、バリがでてしまう。図4に示すように、バリ面をア
ンテナシート11に向かい合わせてしまうと、カード形
成時のラミネートする際にかける圧力により、バリでア
ンテナコイル11aを潰してしまう恐れがある。アンテ
ナコイル11aを潰してしまうと、アンテナコイル11
aの断面積が縮小するので、アンテナコイル11aの抵
抗値が上昇して通信特性が低下したり、また、アンテナ
コイル11aが断線して、通信不能になる可能性があ
る。特に、導電インキで形成したアンテナコイル11a
は、軟らかいので、潰れやすく、製造工程上の歩留まり
が下がってしまう恐れがあった。また、出荷時の検査に
合格しても、カード所持者が、例えば、ICカード10
を財布に入れて、その財布をズボンのポケットに入れて
携帯していると、ICカード10に大きな曲げ力が加わ
り、その力によって、アンテナコイル11aの潰れ又は
断線が発生して、通信機能を低下させることがあった。
そのような不具合を避ける方法として、面押し加工等に
より、バリを除去する方法もあるが、工程が増えるた
め、製造コストが上昇してしまう。
【0005】本発明の課題は、製造コストを上昇させる
ことなく、通信性能の低下を生じさせない、信頼性の高
い非接触ICカードとその製造方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付
して説明するが、これに限定されるものではない。前記
課題を解決するために、請求項1の発明は、外部装置と
非接触でデータ授受を行う通信アンテナ(11a)を有
するアンテナシート(11)と、前記アンテナシート
(11)に配置され、前記通信アンテナ(11a)を接
続して、その通信アンテナ(11a)で授受したデータ
を記憶するIC(20)と、前記アンテナシート(1
1)に配置され、前記IC(20)による突き出し部分
を吸収するための空間を形成する貫通孔(12a)を有
し、その貫通孔(12a)を形成するときにできるダレ
面を前記アンテナシート(11)側に向けて重ね合わせ
るスペーサシート(12)とを備える非接触ICカード
である。
【0007】請求項2の発明は、請求項1に記載の非接
触ICカードにおいて、前記スペーサシート(12)に
形成され、前記貫通孔(12a)を隠蔽するオーバシー
ト(13)をさらに備えることを特徴とする非接触IC
カードである。
【0008】請求項3の発明は、請求項1又請求項2に
記載の非接触ICカードの製造方法であって、外部装置
と非接触でデータ授受を行う通信アンテナ(11a)を
有し、その通信アンテナ(11a)で授受したデータを
記憶するIC(20)を配置するアンテナシート(1
1)を作製するアンテナシート作製工程(#101)
と、前記アンテナシート(11)に配置されたIC(2
0)による突き出し部分を吸収するための空間を形成す
る貫通孔(12a)を有するスペーサシート(12)を
作製するスペーサシート作製工程(#103)と、前記
スペーサシート作製工程(#103)で作製したスペー
サシート(12)のダレ面を、前記アンテナシート作製
工程(#101)で作製したアンテナシート(11)側
に向けて重ね合わせるスペーサシート重ね合わせ工程
(#104)とを備えることを特徴とする非接触ICカ
ードの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
の実施の形態について、さらに詳しく説明する。 (実施形態)図1は、本発明による非接触ICカードの
一実施形態を示す断面図であり、図中、(A)は層構成
図、(B)は完成図である。図2は、スペーサシートの
貫通孔の拡大断面図である。なお、前述した従来例と同
様の機能を果たす部分には、同一の符号を付する。非接
触ICカード10は、アンテナシート11と、スペーサ
シート12と、オーバシート13と、IC20とを備え
る。
【0010】アンテナシート11は、外部装置と非接触
でデータ授受を行うアンテナコイル11aを有するとと
もに、その授受したデータを記憶するIC20を接続す
るシートである。アンテナシート11は、その材料とし
て、一般的に使用される樹脂材料(例えば、ポリ塩化ビ
ニル(PVC),ポリエチレンテレフタレート(PE
T),ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(P
P),ポリビニルアルコール(PVAL),ポリカーボ
ネート(PC),アクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン共重合(ABS),アクリロニトリル・スチレン共
重合体(AS),ポリメチルメタクリレート(PMM
A),セルロースアセテートブチレート(CAB),セ
ルロースプロピオネート(CP)など)を使用すること
ができる。
【0011】アンテナシート11の厚さは、強度等を考
慮すると100μm程度以上であることが望ましい。具
体的な厚さは、カード完成後の厚さを考慮して決めると
よい。例えば、通常のクレジットカードであれば、カー
ド厚は、760μm(ISO規格)であるので、それを
満足するようにアンテナシート11の厚さを決めればよ
く、また、例えば、テレフォンカードのように、それよ
りも薄いタイプのカードであれば、それを満足するよう
にアンテナシート11の厚さを決めればよい。
【0012】また、アンテナシートに銅、アルミニウム
などの箔を張り合わせたアンテナコイル11aは、外部
装置と非接触でデータ授受を行う部分であり、アンテナ
シート11に形成されている。アンテナコイル11a
は、両端に、ICを接続するための接続端子を備える。
アンテナコイル11aは、導電性を有するインキ、例え
ば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂をバインダーとし
て、銀粉を70〜80%程度含んだ銀ペーストを使用し
ているインキをアンテナシート11に、スクリーン印
刷、オフセット印刷、グラビア印刷などの方法で印刷し
て形成する。
【0013】なお、樹脂バインダー(又はインキビヒク
ル)は、上記の他にも、ブチラール樹脂、塩化ビニル/
酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、スチレン/マレ
イン酸共重合体樹脂、エポキシ樹脂等を用いて、必要に
応じてニトリルゴム等のゴム系樹脂又はウレタンエラス
トマー等を添加したものを使用することもできる。ま
た、耐熱性を考慮して、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
エーテルサルホン等のガラス転移温度(Tg)の高い樹
脂又は硬化反応によりTgが上昇する系を用いることも
できる。上記のような樹脂又はインキビヒクル中に、必
要に応じて界面活性剤、シランカップリング剤、可塑
剤、ワックス、シリコーンオイル等を添加してもよい。
また、導電インキは、銀ペーストの他にも、上記と同様
のバインダー樹脂に、銅粉やカーボンフィラーを含んだ
ペースト又はカーボンフィラーに銀粉や銅粉を混合した
ペースト等を使用することもできる。
【0014】スペーサシート12は、IC20による凸
部分の厚さを吸収して表面を平滑にするシートであり、
アンテナシート11に形成されている。スペーサシート
12は、その厚さがIC20の厚さに対して同等以上で
あり、IC20を内蔵するための空間を形成する貫通孔
12aを有する。
【0015】貫通孔12aは、型で打ち抜いて形成す
る。型で打ち抜くと、抜き側は、ダレ面になり、その裏
面は、バリ面になる(図2参照)。そのダレ面をアンテ
ナシート11側に向けて重ね合わせることによって、貫
通孔12aを形成するときにできたバリでアンテナコイ
ル11aを傷付けることを防止することができる。
【0016】オーバシート13は、スペーサシート12
の貫通孔12aを隠蔽し、表面を装飾するシートであ
り、スペーサシート12に形成されている。オーバシー
ト13は、アンテナシート11と同様の樹脂材料で形成
されている。オーバシート13の厚さは、強度等を考慮
すると100μm程度以上であることが望ましく、具体
的には、カード完成後の厚さを考慮して決めるとよい。
【0017】IC20は、外部装置と授受するデータを
記憶する部分であり、例えば演算処理を行うCPUと、
そのCPUが取り扱うべきプログラムやデータが格納さ
れているEEPROMを含む集積回路である。IC20
は、バンプ(IC端子)を有し、そのバンプによってア
ンテナコイル11aの接続端子に接続される。IC20
は、ACF(Anisotropic Conduct
ing Film;異方性導電フィルム)の接着剤によ
って、アンテナシート11に接着され、IC20のバン
プは、ACFに含まれる数μmの微小な導電粒子を介し
てアンテナコイル11aの接続端子にFC接続する。
【0018】(作製方法)非接触ICカードは、以下の
ように作製する。 (#101:アンテナシート作製工程)樹脂フィルムに
導電インキを使用してアンテナコイル11aを形成して
アンテナシート11を作製する。
【0019】(#102:IC実装工程)#101にお
いて作製したアンテナシート11のアンテナコイル11
aの接続端子に、ACFを仮貼りし、その接続端子に対
向するように、IC20の2箇所のバンプ20aを正確
に位置合わせしてFC実装する。また、そのFC実装し
たカードに、カード使用時にかかる点圧及び曲げ応力と
いった外部からの負荷に対する抵抗力を高める場合に
は、樹脂でICを封止して、ICモジュールを完成させ
る。
【0020】(#103:スペーサシート作製工程)一
方、別のPVCフィルムに対して、#102において完
成させたICモジュールのIC実装領域より若干大きめ
のサイズの貫通孔12aをオス・メスの金型で打ち抜い
てスペーサシート12を作製する。この貫通孔12aを
打ち抜く方向によって、スペーサシート12の打ち抜き
側は、打ち抜き縁が内側にダレた形状になり(ダレ
面)、その逆の面は、打ち抜き縁が外側にバリの突き出
た形状になる(バリ面)(図2参照)。
【0021】(#104:スペーサシート重ね合わせ工
程)#103において作製したスペーサシート12をそ
の貫通孔12aが#102においてIC20を実装した
アンテナシート11のIC実装領域に合うように正確に
位置を合わせて重ねる。なお、この重ね合わせの際、貫
通孔12aを打ち抜くときにできたバリがアンテナシー
ト11にあたらないように、スペーサシート12のダレ
面をアンテナシート11側に向けて合わる。一方、スペ
ーサシート12のバリ面には、オーバシート13を重ね
る(図1(A)参照)。
【0022】(#105:カード化工程)#104にお
いて重ね合わせた3層構成のカードを加熱、加圧して各
層間を融着させて、非接触ICカードが完成する(図1
(B)参照)。
【0023】本実施形態によれば、アンテナコイル11
aに重なる貫通孔12aの打ち抜き縁は、ダレており、
角が丸められているので、アンテナコイル11aに対す
る剪断作用がないため、アンテナコイル11aを潰して
しまうことがない。したがって、カード製造時にアンテ
ナコイル11aの抵抗を増加させて通信特性を悪化させ
ることを防止することができる。また、使用時において
も、使用途中で通信できなくなったり、又は通信距離が
短くなったりするなどの通信性能低下を防ぐことができ
る。なお、オス・メスの金型クリアランスを広げること
で、容易に、かつ製造コストを上げることなく、ダレの
丸み度をあげることができる。以上のように、本実施形
態によれば、製造コストを上昇させることなく、通信性
能を低下させない、信頼性の高い非接触ICカードを容
易に製造することができる。
【0024】(変形形態)以上説明した実施形態に限定
されることなく、種々の変形や変更が可能であって、そ
れらも本発明の均等の範囲内である。例えば、アンテナ
コイル11aは、上記実施形態のように導電インキで形
成する場合のみならず、巻線コイルで形成したものを使
用しても、また、エッチングによって銅箔形成したもの
を使用しても、同様の効果が得られる。また、上記実施
形態では、金型を用いて、スペーサシート12に貫通孔
12aを形成したが、レーザ加工により、貫通孔12a
を形成してもよい。レーザ加工は、スペーサシート12
の樹脂基材を溶断して形成するので、溶け残った樹脂基
材の一部が貫通孔12aの境界上に残ってしまい、それ
が金型のバリに相当し、その高さも40〜100μm程
度と金型よりも大きくなるのが一般的である(図3参
照)。そのため、金型の場合以上に本発明の効果があ
る。さらに、上記実施形態では、カードは、3層構成の
ものであったが、保護層を設けるなどして、4層以上の
ものであってもよく、カード化工程では、PETのよう
に自己融着性のない材料については、各層間に接着剤を
用いて貼り合わせてもよい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 (実施例) (1)厚さ100μmの自己融着性のある塩化ビニル
(PVC)フィルムに対して、スクリーン印刷機を用い
て銀ペーストの導電インキを厚さ10μm程度で印刷し
て、オーブンで乾燥させることにより、同一面内にアン
テナコイル11a及び接続端子(2端子)を有するアン
テナシート11を作製した。
【0026】(2)一方、別のPVCフィルムに対し
て、オス・メスの金型で貫通孔12aを打ち抜いてスペ
ーサシート12を作製した。このとき、触針式表面形状
測定器(日本真空技術(株)社製 Dektak303
0)を使用して、表面形状を測定したところ、高さ30
μmのバリができていた。
【0027】(3)(1)において作製したアンテナシ
ート11に対して、(2)において作製したスペーサシ
ート12をダレ面が合わさるように重ね、さらに、バリ
面にオーバシート13を重ねた。
【0028】(4)(3)において重ね合わせたシート
に対して、150℃の温度下で20kgf/cm2 の圧
力を15分間かけて、各層間を融着させてカードを作製
した。
【0029】(5)(4)において作製したカードを層
間剥離させ、アンテナシート11上のスペーサシート1
2の貫通孔12aが重なっていた領域を目視にて観察し
た。このとき、アンテナシート11に跡はほとんど残っ
ておらず、わずかに、導電インキの1/10程度の深さ
の跡が残っているだけであった。
【0030】(6)次に、(4)において作製したカー
ドに対して、繰返しベンディングテスト(ISO630
3曲げ特性試験法)を実施した後、カードを層間剥離さ
せてアンテナシート11上のスペーサシート12の貫通
孔12aが重なっていた領域を目視にて観察した。この
とき、アンテナシート11には、もともと鋭利な陥没が
ないため、ベンディングテスト後でも陥没の進行は確認
できなかった。なお、(4)において作製したカードで
は、スペーサシート12のバリ発生面をオーバーシート
13側に向けているため、オーバーシート13の表面に
凹凸が発生する可能性も考えられたが、スペーサシート
12とオーバーシート13とは、同じ材料を使用してい
るので、ラミネート時に、そのバリは、オーバーシート
13に馴染んでしまい、平滑面を得ることができた。
【0031】(比較例) (1)厚さ100μmの自己融着性のある塩化ビニル
(PVC)フィルムに対して、スクリーン印刷機を用い
て銀ペーストの導電インキを厚さ10μm程度で印刷し
て、オーブンで乾燥させることにより、同一面内にアン
テナコイル11a及び接続端子(2端子)を有するアン
テナシート11を作製した。
【0032】(2)一方、別のPVCフィルムに対し
て、オス・メスの金型で貫通孔12aを打ち抜いてスペ
ーサシート12を作製した。このとき、触針式表面形状
測定器(日本真空技術(株)社製 Dektak303
0)を使用して、表面形状を測定したところ、高さ30
μmのバリができていた。
【0033】(3)(1)において作製したアンテナシ
ート11に対して、(2)において作製したスペーサシ
ート12をバリ面が合わさるように重ね、さらに、ダレ
面にオーバシート13を重ねた。
【0034】(4)(3)において重ね合わせたシート
に対して、150℃の温度下で20kgf/cm2 の圧
力を15分間かけて、各層間を融着させてカードを作製
した。
【0035】(5)(4)において作製したカードを層
間剥離させ、アンテナシート11上のスペーサシート1
2の貫通孔12aが重なっていた領域を目視にて観察し
た。このとき、アンテナシート11には、鋭利に導電イ
ンキ上を横断するようにスペーサシート12の貫通孔1
2a打ち抜き縁があたって陥没した跡がくっきり残って
いることを確認することができた。最も深いところで導
電インキのほぼ半分程度の深さであった。
【0036】(6)次に、(4)において作製したカー
ドに対して、繰返しベンディングテスト(ISO630
3曲げ特性試験法)を実施した後、カードを層間剥離さ
せてアンテナシート11上のスペーサシート12の貫通
孔12aが重なっていた領域を目視にて観察した。この
とき、導電インキの陥没の深さは進行しており、その部
分の導電インキは、ほぼ1/3程度の厚さしか残ってい
なかった。
【0037】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1の
発明によれば、スペーサシートのダレ面をアンテナシー
ト側に向けて重ね合わせるので、製造時、使用時にアン
テナ回路を傷つけることを防止することができるため、
通信特性を悪化させることがない。
【0038】請求項2の発明によれば、貫通孔を隠蔽す
るオーバシートを備えるので、見た目がきれいである。
【0039】請求項3の発明によれば、スペーサシート
のダレ面を、アンテナシート側に向けて重ね合わせるス
ペーサシート重ね合わせ工程を備えるので、製造時にア
ンテナ回路を傷つけることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による非接触ICカードの一実施形態を
示す断面図である
【図2】本発明による非接触ICカードの実施形態のス
ペーサシートの貫通孔の拡大断面図である。
【図3】本発明による非接触ICカードのレーザ加工で
形成したスペーサシート貫通孔の拡大断面図である。
【図4】従来の非接触ICカードの層構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 非接触ICカード 11 アンテナシート 11a 通信アンテナ(アンテナコイル) 12 スペーサシート 12a 貫通孔 13 オーバシート 20 IC

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部装置と非接触でデータ授受を行う通
    信アンテナを有するアンテナシートと、 前記アンテナシートに配置され、前記通信アンテナを接
    続して、その通信アンテナで授受したデータを記憶する
    ICと、 前記アンテナシートに配置され、前記ICによる突き出
    し部分を吸収するための空間を形成する貫通孔を有し、
    その貫通孔を形成するときにできるダレ面を前記アンテ
    ナシート側に向けて重ね合わせるスペーサシートとを備
    える非接触ICカード。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の非接触ICカードにお
    いて、 前記スペーサシートに形成され、前記貫通孔を隠蔽する
    オーバシートをさらに備えることを特徴とする非接触I
    Cカード。
  3. 【請求項3】 請求項1又請求項2に記載の非接触IC
    カードの製造方法であって、 外部装置と非接触でデータ授受を行う通信アンテナを有
    し、その通信アンテナで授受したデータを記憶するIC
    を配置するアンテナシートを作製するアンテナシート作
    製工程と、 前記アンテナシートに配置されたICによる突き出し部
    分を吸収するための空間を形成する貫通孔を有するスペ
    ーサシートを作製するスペーサシート作製工程と、 前記スペーサシート作製工程で作製したスペーサシート
    のダレ面を、前記アンテナシート作製工程で作製したア
    ンテナシート側に向けて重ね合わせるスペーサシート重
    ね合わせ工程とを備えることを特徴とする非接触ICカ
    ードの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009143090A (ja) * 2007-12-13 2009-07-02 Fujimori Kogyo Co Ltd 微細線パターンの形成方法および微細線パターン形成用のグラビア輪転印刷機
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