JP2001049413A - 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

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JP2001049413A JP11218776A JP21877699A JP2001049413A JP 2001049413 A JP2001049413 A JP 2001049413A JP 11218776 A JP11218776 A JP 11218776A JP 21877699 A JP21877699 A JP 21877699A JP 2001049413 A JP2001049413 A JP 2001049413A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融亜鉛めっき鋼板の表面に発生する変色や
光沢の異常を防止し、製品の価値や屑化による歩留りの
低下等を抑制する溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 鋼板11の表面に施した亜鉛めっき層に
含まれるCa、又はCaとMgからなる不純物の量を
0.14mg/m2 以下にしている溶融亜鉛めっき鋼
板、及び薄鋼板11を洗浄液により洗浄した後に、薄鋼
板11をリンス水により洗浄してから薄鋼板11を加
熱、還元処理した際に、薄鋼板11の表面に付着したC
aとMgの不純物成分を0.14mg/m2 以下にして
から亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融亜鉛めっき鋼
板に発生する変色等の外観不良を抑制した溶融亜鉛めっ
き鋼板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融亜鉛めっき鋼板は、冷間圧延
された薄鋼板をアルカリ洗浄や酸洗等により、表面に付
着した油脂やスケール等を除去し、無酸化炉及び還元炉
を通すことにより、表面を活性化した後、溶融亜鉛のポ
ットに浸漬し、表面に付着した溶融亜鉛と薄鋼板を合金
化処理することにより製造している。この溶融亜鉛めっ
き鋼板には、アルカリ洗浄や酸洗の条件や通板速度等の
操業条件によって、表面に変色や光沢の異なるいわゆる
外観不良が発生する場合があり、製品の価値が低下した
り、屑化等による歩留りの低下等を招いている。この対
策として、特開平7−173656号公報には、アルカ
リ洗浄、又はアルカリ電解洗浄を単独、又は組み合わせ
て行う際に、変色防止剤を混入した洗浄水を薄鋼板に塗
布することが記載されており、未焼鈍工程で製造される
薄鋼板の表面の変色を防止して製品品質及び歩留り等の
向上を図っている。更に、特開平4−2759号公報に
は、溶融亜鉛めっき浴に10〜5000ppmのBa、
Ce、Ca、Li等を添加して、薄鋼板に亜鉛めっきを
施して、亜鉛めっき層の酸化物を還元して酸化物の被膜
の生成を抑制するめっき処理が記載されており、めっき
層の剥離(パウダリング)を防止している。また、この
めっき鋼板の製造工程では、アルカリ洗浄や酸洗の工程
を通った後に、洗浄工程で散水された水が薄鋼板に付着
するのを防止するため、リンガーロールを設けて水切り
を積極的に行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−173656号公報では、ポリエチレンアミン酸
類、グルコン酸等を洗浄水に混合して、薄鋼板の表面に
発生する変色を防止するものであり、表面に亜鉛めっき
を施した際に生じるめっき層の表面の変色や光沢の異常
を解消するものではないので薄鋼板の表面の変色を無く
しても、溶融亜鉛めっき鋼板の表面に変色や光沢の異な
るいわゆる外観不良が発生すると言った問題がある。更
に、特開平4−2759号公報では、溶融した亜鉛めっ
き浴にBa、Ce、Ca、Li等を添加しているが、特
開平7−173656号公報と同様に、亜鉛めっき層に
発生する変色や光沢等の異常を防止することはできな
い。また、リンガーロールを用いて、薄鋼板の表面に付
着した水を除去する場合、確実に水を取り除くことは困
難であり、薄鋼板に水滴が残留し、めっき層の表面の変
色や光沢の異常が発生して、製品の価値の低下や屑化に
よる歩留り低下等の問題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、溶融亜鉛めっき鋼板の表面に発生する変色や光沢の
異常を防止し、製品の価値や屑化による歩留りの低下等
を抑制する溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る溶融亜鉛めっき鋼板は、鋼板の表面に施した亜
鉛めっき層に含まれるCa、又はCaとMgからなる不
純物の量を0.14mg/m2 以下にしている。この鋼
板は、亜鉛めっき層に含まれるCa、又はCaとMgか
らなる不純物の量を所定の範囲にしているので、亜鉛め
っき層を合金化処理した際に、表層側にCaやMgが拡
散して部分的に濃化(濃度が高くなる)するのを抑制
し、亜鉛めっき層の表面の変色(白色化)を防止するこ
とができる。
【0006】前記目的に沿う第2の発明に係る溶融亜鉛
めっき鋼板は、鋼板の表面に施した亜鉛めっき層に含ま
れるCa、又はCaとMgからなる不純物の量が0.1
4mg/m2 を超えた場合に、この平面において、前記
不純物のバラツキを1対20以下にしている。ここで、
バラツキとは不純物の最小部に対する最大部の割合を言
う。この鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板の亜鉛めっき層に
CaやMgからなる不純物の濃化が生じても不純物のバ
ラツキの比を所定の範囲にしているので、めっき層の平
面に局部的に生じる変色等の外観不良を抑制することが
できる。
【0007】第2の発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板にお
いて、前記亜鉛めっき層の表面から深さ方向に60%の
範囲にある不純物の濃度の分布のバラツキを、1対20
以下にすることができる。これにより、Ca等が亜鉛め
っき層の表層側に濃化し易い傾向を利用して、表面から
60%以内の深さにおける不純物の濃度分布のバラツキ
を1対20以下にしているので、めっき層の平面の局部
的な変色等の外観不良を安定して抑制することができ
る。なお、表面から60%を超える亜鉛めっき層では、
バラツキの比が表層側より小さくなるので、制御の対象
とする必要はない。
【0008】第2の発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板にお
いて、前記濃度の高い変色部分の面積を1.0cm2
下にすることも可能である。これにより、溶融亜鉛めっ
き鋼板の平面に変色が生じないように精度良く識別で
き、外観不良を正確に防止することができる。
【0009】前記目的に沿う本発明に係る溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法は、薄鋼板を洗浄液により洗浄した後
に、該薄鋼板をリンス水により洗浄してから前記薄鋼板
を加熱、還元処理した際に、前記薄鋼板の表面に付着し
たCaとMgの不純物成分を0.14mg/m2 以下に
してから亜鉛めっきを施している。この方法により、薄
鋼板の表面にリンス水に含まれるCaやMgの不純物成
分が濃縮して付着するのを抑え、この薄鋼板に亜鉛めっ
き層を施した際に、不純物の表層側への濃化が抑制さ
れ、これに起因するめっき層の平面の変色を防止した良
製品を製造することができる。
【0010】ここで、前記リンス水に含まれる不純物成
分を50ppm以下にすることができる。リンス水中の
不純物成分を50ppm以下(好ましくは、40ppm
以下)にしているので、薄鋼板に付着する不純物成分の
量を低減でき、溶融亜鉛を薄鋼板にめっきした際に、C
aやMgが亜鉛めっき層の表層側に濃化して変色するの
を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に適用される溶融亜鉛め
っき装置の全体図、図2はめっき層厚みと不純物成分濃
度指数の関係を表すグラフ、図3はリンガーロール水切
り後残留水量と残留不純物成分量及びリンス水の不純物
成分濃度の関係を表すグラフである。図1に示すよう
に、溶融亜鉛めっき装置10は、薄鋼板(鋼板)11の
表面に付着した油脂やスケール、塵等を除去するアルカ
リ洗浄装置12と、アルカリ洗浄装置12を出た薄鋼板
11の表面を水洗(洗浄)するリンス装置13と、薄鋼
板11を加熱する無酸化炉14、表面に生成した酸化物
等を還元して活性化する還元炉15及び温度の調整を行
う冷却炉16と、溶融した亜鉛を貯留した浴槽17と、
合金化炉18を備えている。リンス装置13は、リンス
水を溜める水槽19と、水槽19からノズル20a、2
0bにリンス水を供給するポンプ21と、ノズル20
a、20bから薄鋼板11に散水した後のリンス水を溜
める堰22で仕切られた戻水槽23と、戻水槽23に溜
まった水をノズル24a、24bに供給するポンプ25
を設けている。再リンスした後のリンス水は、廃液槽2
6に一旦溜められてから排水槽27から系外に排出され
る。なお、符号28は、薄鋼板11に付着したリンス水
を水切りするリンガーロールであり、符号29は、浴槽
17に進入する薄鋼板11を案内するポットロール、符
号30は、リンス水を溜める水槽19に給水するための
補給水管である。
【0012】次に、本発明の一実施の形態に係る溶融亜
鉛めっき鋼板の製造方法について説明する。薄鋼板11
をアルカリ洗浄装置12に通し、洗浄液の一例であるカ
セイソーダ等を含むアルカリ液を図示しないノズルから
薄鋼板11に吹き付けながらブラッシロールで表面を磨
いて、付着した油脂やスケール、塵等を除去する。アル
カリ洗浄装置12を出た薄鋼板11は、一度使用したリ
ンス水をポンプ25を作動して戻水槽23からノズル2
4a、24bに供給して洗浄を行なった後、ポンプ21
を作動して水槽19から新しいリンス水をノズル20
a、20bに送給して散水し、表面を洗浄して残留アル
カリ液や付着物を除去する。この洗浄を行った後の薄鋼
板11には、リンス水が付着しており、リンガーロール
28を押し付けて水切りを行う。そして、洗浄された薄
鋼板11は、無酸化炉14を通過して400〜500℃
に加熱され、還元雰囲気に調整された還元炉15内で6
00〜700℃に加熱されて残留酸化物等の還元と、表
面の活性化を行った後、冷却炉16で5%程度の水素ガ
スを含む窒素ガスの吹き付けにより400℃程度に冷却
し、溶融亜鉛の浴槽17に浸漬されて表面に亜鉛めっき
層を形成する。更に、合金化炉18によって450〜5
50℃に加熱され、鋼と亜鉛の接触部の合金化を行って
溶融亜鉛めっき鋼板が製造される。
【0013】ところで、リンス水による洗浄後、リンガ
ーロール28の水切り効率を良くしても薄鋼板11の表
面にリンス水の一部が残留して無酸化炉14で加熱した
際に、水分が蒸発してリンス水に含まれるCa、又はC
aやMgからなる不純物が固化して、表面に局部的に付
着物が形成される。付着物は、還元炉15及び冷却炉1
6を通過した後も薄鋼板11の表面に残存し、浴槽17
を通過することにより、この付着物の上に亜鉛めっき層
が形成される。
【0014】そして、450〜550℃の雰囲気温度を
有する合金化炉18を通過する際に、前記付着物である
不純物成分が拡散し、図2に示すように、不純物成分の
濃度が亜鉛めっき層の表層側で高くなる。亜鉛めっき層
の変色の無い正常部(図中点線で示した不純物の少ない
部分)を成分濃度指数で見た場合は、表面から厚み深さ
方向に60%の範囲においてもあまり変化しない。しか
し、変色欠陥(外観不良)の発生した異常部(図中実線
で示す不純物の多い部分)では、表面から厚み方向に6
0%の範囲で濃度が極めて高くなる傾向を示しているこ
とが判る。この傾向は、亜鉛めっきした後に合金化処理
を施した亜鉛めっき層でより顕著に現れる。従って、最
も変色し易い亜鉛めっき層の表面で、正常部に対する異
常部の不純物成分濃度の比(不純物の濃度分布のバラツ
キ)を1対20以下に抑えることにより、亜鉛めっき層
の表面に生じる変色を抑制することができる。更に、不
純物成分濃度の比は、亜鉛めっき層の表面から深さ方向
に60%の範囲において、1対20以下、より好ましく
は1対10以下にすると、表面の濃化の度合いが希釈さ
れて亜鉛めっき層の平面における変色欠陥を防止でき
る。
【0015】また、前記亜鉛めっき層の不純物成分の濃
度分布のバラツキは、リンガーロール28の水切りの状
態、あるいはリンス水に含まれる不純物成分の量によっ
て影響される。図3は、リンガーロールの水切り後残水
量と薄鋼板の表面における残留不純物成分量及びリンス
水中の不純物成分濃度の関係を調査したグラフであり、
薄鋼板の表面に固化して付着した残留不純物成分量を
0.14mg/m2 以下にすることにより、不純物成分
の亜鉛めっき層の表面の濃化が抑制され、亜鉛めっき層
の変色欠陥の発生を防止することができる。すなわち、
どんな不純物成分濃度のリンス水を用いても、残留不純
物成分量を0.14mg/m2 以下にすることにより、
不純物成分の絶対量が減少するので、変色欠陥が発生す
るのを防止することができる。一方、通常のリンガーロ
ールの水切りの後、薄鋼板11の表面には2.5g/m
2 の残水が生じている。この残水量の条件で、薄鋼板1
1の表面における残留不純物成分量を0.14mg/m
2 以下にするには、リンス水の不純物成分を50mg/
L(ppm)以下に制限すれば良く、亜鉛めっき層の変
色等を防止できる。しかし、リンガーロールの劣化が激
しくなり、薄鋼板11の表面の残水量が増加した場合
は、安定した変色欠陥の発生しない領域を超えるため、
補給水管30から淡水等を水槽19に補給して、リンス
水を希釈して不純物成分を低くなるように調整する。
【0016】更に、淡水等の補給により希釈を行って
も、薄鋼板11の表面の残留不純物成分量(すなわち、
亜鉛めっき層いん含まれる不純物量)が0.14mg/
2 を超える場合は、前述したように、亜鉛めっき層の
表層から深さ方向に60%の範囲にある不純物の濃度の
分布のバラツキを1対20以下にすることにより、亜鉛
めっき層の平面における変色欠陥を抑制することができ
る。この濃度の分布のバラツキは、薄鋼板11に残留し
た不純物成分量を測定して局部的に高濃度にならないよ
うに表面を清掃したり、リンス水を希釈して極端にリン
ス水中の不純物成分が高くならないように調整すること
により小さくできる。不純物の濃度分布のバラツキの下
限は、亜鉛めっき層にCaやMgをあえて添加する場合
があることも考慮して、変色欠陥の発生状態から見て1
対1.05にすれば良い。この亜鉛めっき層の濃度分布
のバラツキの調整は、全亜鉛めっき層に含まれる不純物
成分濃度と亜鉛めっき層の表層から深さ方向に60%の
層における不純物成分の濃化する傾向を経験的に求め、
リンガーロールの残水量を測定して、リンス水中の不純
物成分濃度を調整することにより行うことができる。ま
た、亜鉛めっき層の平面における不純物成分の濃度の高
い変色部分の面積は、平面における変色の差が識別でき
ない大きさで見ると、一個の大きさを1.0cm2 以下
にすれば良い。しかし、厳密に外観性を求める場合は、
変色部分の面積を0.2cm2 以下にするとより好まし
い結果が得られる。
【0017】このようにして製造された溶融亜鉛めっき
鋼板は、亜鉛めっき層に含まれる不純物成分の量を0.
14mg/m2 以下にしているので、亜鉛めっき層を合
金化処理した際に、表層側に不純物成分が拡散して部分
的に濃化する量を少なくでき、亜鉛めっき層に部分的に
生じる変色欠陥を無くすことができ、製品の品質の向上
や変色欠陥による屑化等を防止することができる。
【0018】また、亜鉛めっき層に含まれる不純物成分
の量が0.14mg/m2 を超え、合金化処理を行った
溶融亜鉛めっき鋼板は、亜鉛めっき層の全厚みに対し、
表面から深さ方向に60%の範囲における亜鉛めっき層
の不純物の濃度分布のバラツキを20倍以下にしている
ので、亜鉛めっき層に発生する変色欠陥の発生を抑制す
ることができる。特に、不純物成分がCaのみである場
合には、全亜鉛めっき層に含まれる不純物成分の量を
0.10mg/m2 以下にすれば変色欠陥を生じること
が無く、Caの量が0.10mg/m2 を超えた場合で
あっても、前記と同様に、亜鉛めっき層の全厚みに対
し、表面から深さ方向に60%の範囲におけるCaの濃
度分布のバラツキを20.0倍以下にすることにより変
色の発生を防止することができる。しかも、薄鋼板11
の表面に付着物を形成する原因となるリンス水中にCa
が最も多く含まれているので、このCaを指標にするこ
とにより、変色欠陥をより正確に把握することができ、
より好ましい結果を得ることができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の一実施の形態に係る溶融亜鉛
めっき鋼板の製造方法で製造した溶融亜鉛めっき鋼板の
実施例について説明する。厚み0.6mm、幅800m
mの薄鋼板を用いて、アルカリ液により洗浄した後、リ
ンス水中の不純物成分(Ca、Mg)濃度、リンガーロ
ール後の鋼板残留水量、鋼板残留不純物成分量、めっき
目付量、めっき層の不純物成分の測定範囲の条件を変え
て、その時のめっき層の不純物成分の濃度比(濃度の分
布のバラツキ)と外観不良(変色欠陥)を調査した。そ
の結果を表1及び表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例1〜3は、不純物成分をCaとした
場合であり、鋼板残留Ca量をそれぞれ0.090、
0.100、0.086にし、いずれも0.1mg/m
2 を満足した条件であり、めっき層平面のCa濃度比
は、それぞれ1:24.0、1:23.1、1:30.
5となったが、いずれも全めっき層のCa量が低いた
め、めっき層の平面に外観不良の発生が無く、良好であ
った。
【0022】
【表2】
【0023】また、実施例4は、鋼板残留Ca、Mg量
が0.143となり、0.14mg/m2 を超えてお
り、めっき層の表面におけるCaとMgの濃度比(バラ
ツキ)を1:19.40にした場合であり、外観不良の
発生が無く良好であった。実施例5は、めっき層の表面
から20%の範囲のCaとMgの濃度比(バラツキ)を
1:6.20にした場合であり、実施例4と同様に外観
不良の発生が無く良好であった。実施例6は、めっき層
の表面から50%の範囲のCaとMgの濃度比(バラツ
キ)を1:2.30にした場合であり、実施例4及び実
施例5と同様に外観不良の発生が無く良好であった。実
施例7、8は、鋼板残留Ca、Mg量をそれぞれ0.1
44、0.145にして、めっき層厚みを30g/m
2 、60g/m2 、めっき層の表面から60%の範囲の
CaとMgの濃度比(バラツキ)を1:1.05、1:
2.08にした場合であり、いずれも外観不良の発生が
無く良好であった。
【0024】
【表3】
【0025】これに対し、比較例1、2は、鋼板残留C
a、Mg量がいずれも0.14mg/m2 を超えてお
り、めっき層の表面から60%の範囲のCaとMgの濃
度比(バラツキ)も1:20を超えた場合であり、いず
れも外観欠陥が生じて悪い結果になった。
【0026】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、薄鋼板の表面に付着した不純物成分を除去
する際に、薄鋼板を乾燥した後に、ブラシ等の一般に用
いられている磨き手段により、付着量を0.14g/m
2 以下にすることもできる。また、リンス水に軟水を全
量使用するか、補給水として用いることにより、リンス
水中のCaやMgの不純物成分濃度を低くすることもで
きる。
【0027】
【発明の効果】請求項1記載の溶融亜鉛めっき鋼板は、
鋼板の表面に施した亜鉛めっき層に含まれるCa、又は
CaとMgからなる不純物の量を0.14mg/m2
下にしているので、亜鉛めっき層にCaやMgが部分的
に濃化するのを抑制して、亜鉛めっき層の変色(白色
化)による外観不良を防止でき、歩留りの低下や屑化が
抑制され、溶融亜鉛めっき鋼板の品質を安定して向上で
きる。
【0028】請求項2〜4記載の溶融亜鉛めっき鋼板
は、鋼板の表面に施した亜鉛めっき層に含まれるCa、
又はCaとMgからなる不純物の量が0.14mg/m
2 を超えた場合に、この平面において、不純物のバラツ
キが1対20以下であるので、リンス水の不純物を過剰
に低下させずに亜鉛めっき層の平面の外観不良の欠陥を
抑制でき、製品の価値や歩留りを向上することができ
る。
【0029】特に、請求項3記載の溶融亜鉛めっき鋼板
は、亜鉛めっき層の表面から深さ方向に60%の範囲に
ある不純物の濃度の分布のバラツキを、1対20以下に
しているので、外観不良の発生を正確に抑制でき、溶融
亜鉛めっき鋼板である製品の価値や歩留りを安定して向
上することができる。
【0030】請求項4記載の溶融亜鉛めっき鋼板は、濃
度の高い変色部分の面積を1.0cm 2 以下にしている
ので、変色の生じるのを抑制して外観欠陥を防止でき、
製品の価値や歩留り等を確実に向上することができる。
【0031】請求項5及び6記載の溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法は、薄鋼板を洗浄液により洗浄した後に、薄
鋼板をリンス水により洗浄してから薄鋼板を加熱、還元
処理した際に、薄鋼板の表面に付着したCaとMgの不
純物成分を0.14mg/m2以下にしてから亜鉛めっ
きを施しているので、不純物成分が亜鉛めっき層の表層
側へ濃化するのを抑制し、亜鉛めっき層の平面に生じる
変色等の外観不良を防止して、良品質の溶融亜鉛めっき
鋼板を製造することができる。
【0032】請求項6記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法は、リンス水に含まれる不純物成分を50ppm以
下にしているので、薄鋼板に付着する不純物成分の量を
抑制でき、溶融亜鉛をめっきした際に、CaやMgが亜
鉛めっき層の表層側に濃化するのを防止し亜鉛めっき層
の変色等の外観不良を無くし、溶融亜鉛めっき鋼板の品
質及び歩留り等を安定して向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る溶融亜鉛めっき鋼
板の製造方法に適用される溶融亜鉛めっき装置の全体図
である。
【図2】めっき層厚みと不純物成分濃度指数の関係を表
すグラフである。
【図3】リンガーロール水切り後残留水量と残留不純物
成分量及びリンス水中の不純物成分濃度の関係を表すグ
ラフである。
【符号の説明】
10:溶融亜鉛めっき装置、11:薄鋼板、12:アル
カリ洗浄装置、13:リンス装置、14:無酸化炉、1
5:還元炉、16:冷却炉、17:浴槽、18:合金化
炉、19:水槽、20a:ノズル、20b:ノズル、2
1:ポンプ、22:堰、23:戻水槽、24a:ノズ
ル、24b:ノズル、25:ポンプ、26:廃液槽、2
7:排水槽、28:リンガーロール、29:ポットロー
ル、30:補給水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石松 宏之 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA22 AB15 AB42 AC01 AC02 AC12 AE21 4K053 PA02 PA12 QA06 RA07 TA09 TA13 TA18 TA20 YA03 ZA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の表面に施した亜鉛めっき層に含ま
    れるCa、又はCaとMgからなる不純物の量を0.1
    4mg/m2 以下にしていることを特徴とする溶融亜鉛
    めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板の表面に施した亜鉛めっき層に含ま
    れるCa、又はCaとMgからなる不純物の量が0.1
    4mg/m2 を超えた場合に、この平面において、前記
    不純物のバラツキが1対20以下であることを特徴とす
    る溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の溶融亜鉛めっき鋼板にお
    いて、前記亜鉛めっき層の表面から深さ方向に60%の
    範囲にある不純物の濃度の分布のバラツキが、1対20
    以下であることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の溶融亜鉛めっき鋼
    板において、前記濃度の高い変色部分の面積が1.0c
    2 以下であることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 【請求項5】 薄鋼板を洗浄液により洗浄した後に、該
    薄鋼板をリンス水により洗浄してから前記薄鋼板を加
    熱、還元処理した際に、前記薄鋼板の表面に付着したC
    aとMgの不純物成分を0.14mg/m2 以下にして
    から亜鉛めっきを施すことを特徴とする溶融亜鉛めっき
    鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製
    造方法において、前記リンス水に含まれる不純物成分を
    50ppm以下にしていることを特徴とする溶融亜鉛め
    っき鋼板の製造方法。
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